JP2011257205A - ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置 - Google Patents

ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011257205A
JP2011257205A JP2010130630A JP2010130630A JP2011257205A JP 2011257205 A JP2011257205 A JP 2011257205A JP 2010130630 A JP2010130630 A JP 2010130630A JP 2010130630 A JP2010130630 A JP 2010130630A JP 2011257205 A JP2011257205 A JP 2011257205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inertia
dynamometer
torque
shaft torque
tsh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010130630A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimichi Takahashi
利道 高橋
Kuniaki Hirao
邦朗 平尾
Shizunori Hamada
鎮教 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2010130630A priority Critical patent/JP2011257205A/ja
Publication of JP2011257205A publication Critical patent/JP2011257205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)

Abstract

【課題】少ない可調整パラメータで機械系の共振ゲインを抑制し、安定で高応答な軸トルク制御が可能なダイナモメータシステムの軸トルク制御装置を提供する。
【解決手段】ダイナモメータの電動機の駆動トルクT1,負荷側電動機の慣性1/JL・s、電動機慣性と負荷側電動機慣性のバネ剛性K12/sおよび電動機の慣性1/Jsh・sに基づいて2慣性機械系モデル18を構成し、軸トルクの検出値Tshを求め、減算器11でトルク指令Trefから前記Tshを減算し、減算器11の出力に積分要素KI/sを乗じた値と、前記Tshに比例ゲインKを乗じた値とを加算器14で加算し、加算器14の加算出力T2に、前記電動機駆動用のインバータの周波数応答を1次遅れとして近似した伝達関数1/(ACRfc・s+1)を乗じた値を前記2慣性機械系モデル18に導入し、KI=(1−K)・2・π・fcを用いて2慣性の軸トルク制御を行なう。
【選択図】図4

Description

本発明は、ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置に関し、特に、ダイナモメータを構成する電動機に負荷側機器(電動機やローラ、フライホイール等)が結合されたシステムにおいて、電動機と負荷側機器の間の捩れトルク(軸トルク)を制御する軸トルク制御に関するものである。
ダイナモメータにおいては、自動車の変速機や動力伝達装置の各種性能試験を行なっている。従来、例えば下記特許文献1に記載のシャシーダイナモメータでは、軸トルク制御の応答性を高めながら高い精度と高い安定性のトルク制御を目的としている。
軸トルク制御においては、機械系の共振により必要以上に軸トルクが生じてしまい安定性を損なうため、共振を抑える必要がある。また、機械系の共振により機械を破損する場合があり、その機械共振を抑制する方式として、例えば下記非特許文献1に記載の共振比制御が提案されている。
特開平8−136408号公報
「PID制御のみによる2慣性系の制御」、堀洋一、平成6年電気学会全国大会、NO.670,1994
しかし、負荷側機器の慣性値などが未知の場合、機械系の共振により、高応答な軸トルク制御を実現することは困難である。また、特許文献1においては、P(比例ゲイン)、Ti(積分時定数)、ローパスフィルタのカットオフ周波数、慣性比率などの可調整パラメータが多く、調整を困難としている。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、少ない可調整パラメータにより機械系の共振ゲインを抑制し、安定で高応答な軸トルク制御が可能となるダイナモメータシステムの軸トルク制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置は、負荷側機器と、前記負荷側機器と共通な軸を回転させることで該負荷側機器を回転させるダイナモメータと、前記軸の捩れトルクを検出する軸トルク検出器と、前記ダイナモメータの角速度を検出する角速度検出器と、前記ダイナモメータを駆動制御するインバータの制御を行う制御手段とを備え、PI制御によって前記ダイナモメータの軸トルク制御を行うダイナモメータシステムの軸トルク制御装置であって、
前記制御手段は、トルク指令Trefから前記軸トルク検出器により検出された軸トルク検出値Tshを第1の減算器によって減算し、該減算出力に、前記PI制御の積分ゲインをKI、ラプラス演算子をsとしたときのKI/sで定義される積分要素を乗算し、該乗算値(KI/s)・(Tref−Tsh)に、前記軸トルク検出値TshとPI制御の比例ゲインKを乗じた値K・Tshを比例ゲイン補償値として加算器によって加算し、該加算値T2から前記軸トルク検出値Tshを第2の減算器によって減算し、該減算出力T2−Tshとダイナモメータの慣性の伝達関数とに基づいてダイナモメータの角速度ω2を演算し、KI=(1−K)・2・π・fc(ただしfcは所望の周波数応答を決めるカットオフ周波数)を用いてダイナモメータの軸トルク制御を行うことを特徴としている。
また、前記軸トルク検出値Tshは、前記ダイナモメータの駆動トルクT1と、前記ダイナモメータの慣性、前記負荷側機器の慣性、前記ダイナモメータの慣性と負荷側機器の慣性のバネ剛性の各伝達関数とに基づいて得られた検出値であり、前記制御手段は、前記ダイナモメータの慣性および負荷側機器の慣性の2慣性の軸トルク制御を行うことを特徴としている。
また、前記比例ゲイン補償値は、前記TshとKを乗じた値に代えて、Tshと(1−K)を乗じた値を用い、KI=(1−K)・2・π・fcに代えてKI=K・2・π・fcを用いて軸トルク制御を行なうことを特徴としている。
上記構成において、比例ゲイン補償値を決める比例ゲインKと所望の周波数応答を決めるカットオフ周波数fc(の角周波数ωc)のみを設定するだけで、機械系の共振ゲインを抑制し安定で高応答な軸トルク制御が可能となる。
また、前記軸トルク検出値Tshの高調波成分を除去するローパスフィルタを備えたことを特徴としている。
上記構成において、軸トルク検出値Tshの高調波成分はローパスフィルタによって除去される。
また、前記軸トルク検出値Tshは、前記ダイナモメータの駆動トルクT1と、前記ダイナモメータの慣性、前記負荷側機器の慣性、前記軸トルク検出器と負荷側機器の間の中間軸慣性、前記ダイナモメータの慣性と中間軸慣性のバネ剛性、前記負荷側機器の慣性と中間軸慣性のバネ剛性の各伝達関数とに基づいて得られた検出値であり、前記軸トルク検出値Tshの位相進み補償を行う1次進み補償器を備え、前記制御手段は、前記ダイナモメータの慣性、負荷側機器の慣性および中間軸慣性の3慣性の軸トルク制御を行うことを特徴としている。
上記構成において、インバータ周波数応答より高い共振周波数についても共振ゲインが抑制される。
また、角速度指令を一方の入力とし、前記演算されたダイナモメータの角速度ω2を他方の入力とし、出力を前記トルク指令Trefとする速度制御器を備えたことを特徴としている。
上記構成において、前記軸トルク制御を行う装置をマイナーループとする速度制御装置が構成される。
また、前記トルク指令Tref、前記演算されたダイナモメータの角速度ω2、ダイナモメータの慣性の伝達関数Jsh・sおよび相対次数1次以上の任意の伝達関数Gfc(s)に基づいて、トルクTobs={Tref−(Jsh・ω2・s)}/Gfc(s)を演算して求める外乱オブザーバを備え、前記第1の減算器は、トルク指令Trefから、前記軸トルク検出値Tshに代えて前記トルクTobsを減算し、前記加算器は、前記第1の減算器の減算出力Tref−Tobsと前記積分要素KI/sの乗算値(KI/s)・(Tref−Tobs)と、前記K・Tshに代えて、トルクTobsに比例ゲインKを乗じたK・Tobsとを加算することを特徴としている。
上記構成において、軸トルク検出系を備えなくても、高応答で安定な速度制御装置が実現される。
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、負荷側の慣性値やバネ剛性が未知の場合であっても、従来の制御方式よりも少ない可調整パラメータにより、機械系の共振ゲインを抑制し、安定で高応答な軸トルク制御が可能となる。
(2)請求項4に記載の発明によれば、高調波成分による悪影響を受けることなく軸トルク制御を行うことができる。
(3)請求項5に記載の発明によれば、インバータ周波数応答より高い共振周波数についても共振ゲインを抑制することができる。
(4)請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の効果を備えた速度制御装置を構成することができ、高応答な角速度制御が可能となる。
(5)請求項7に記載の発明によれば、軸トルク検出系を備えない場合でも、高応答で安定な角速度制御が可能となる。
本発明の実施例1〜4におけるダイナモメータシステムの構成図。 図1のシステムの2慣性系モデル図。 本発明の実施例1における1慣性系の軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例2における2慣性系の軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例1、2におけるトルク指令から軸トルク検出までのボード線図。 本発明の実施例3における2慣性系の軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例4における2慣性系の軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例5におけるダイナモメータシステムの構成図。 本発明の実施例5における3慣性系の軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例4、5におけるトルク指令から軸トルク検出までのボードゲイン線図。 本発明の実施例6における軸トルクの制御構成図。 本発明の実施例6における角速度指令から角速度検出までのボードゲイン線図。 本発明の実施例7における軸トルクの制御構成図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
図1は、負荷側機器が電動機である場合のダイナモメータシステムの構成を示している。当該システムは、ダイナモメータとしての電動機1、電動機1の回転数を検出するエンコーダ2(角速度検出器)、電動機1の、負荷側電動機5と共通となる軸3、軸トルクメータ4(軸トルク検出器)、負荷側電動機5、前記エンコーダ2で検出された電動機回転数(角速度)および軸トルクメータ4で検出された軸トルクに基づいてインバータ7を制御する軸トルク制御回路6(制御手段)、および電動機1を駆動制御するインバータ7を備えている。
エンコーダ2は電動機1の回転数を検出するものであり、単位時間当たりの回転数から角速度が求められる。
軸3に取付けられる軸トルクメータ4は、軸3に働く軸トルクを、例えばねじれ方向の歪量から検出する軸トルク計である。
軸トルク制御回路6は、エンコーダ2からの電動機回転数(角速度)、軸トルクメータ4からの軸トルク検出値Tsh、トルク指令Tref等に基づいて、後述の図3、図4、図6、図7に示す軸トルク制御回路の演算を行い、その結果をインバータ7に対する制御信号(トルク電流指令(電動機1の角速度ω2、負荷側電動機5の角速度ω1を含む指令))として出力するものである。
軸トルク制御回路6により制御されるインバータ7は、図示省略の直流電源からの直流電力を、図示省略の例えばIGBT等のスイッチング素子を用いて交流電力に変換し電動機1に供給する。
図2は図1のダイナモメータシステムの2慣性系モデルを表している。図2において、T1は電動機1の駆動トルク、ω2は電動機1の角速度、Jshは電動機1の慣性、8は負荷側のバネ、K12はバネ8のバネ剛性(バネ係数)、Tshは軸トルク検出値、JLは負荷側電動機5の慣性、ω1は負荷側電動機5の角速度、TLは負荷側電動機5の駆動トルクを各々示している。
2慣性系の場合は共振比制御のように、見かけ上の慣性を可変させることにより共振周波数を移動できる。これに対し本発明では負荷側の慣性値やバネ剛性が未知の場合であっても、従来の例えば特許文献1の制御方式よりも少ない可調整パラメータで、機械系の共振ゲインを抑制した、高応答で安定な軸トルク制御を提案する。
図3はダイナモメータシステムにおいて、電動機1の慣性のみ(1慣性系の制御)である場合に、制御手段(軸トルク制御回路6)が外乱(Tsh)を制御する制御構成を示している。
尚図3では、1慣性系の外乱トルクを軸トルク検出値と等価としてTshで表している。
図3において11は、トルク指令Trefから外乱トルクTshを減算する第1の減算器である。
12は、KI/s(KIはPI制御の積分ゲイン、sはラプラス演算子)で定義される積分要素である。
13は比例ゲイン補償器であり、Kで表されるPI制御の比例ゲインを有している。
14は、第1の減算器11の減算出力に積分要素KI/sを乗算した乗算値(KI/s)・(Tref−Tsh)に、外乱トルクTshと比例ゲインKを乗じた値K・Tshを比例ゲイン補償値として加算する加算器である。
15は、インバータ7の周波数応答を1次遅れとして近似したACRfcの伝達関数1/(ACRfc・s+1)である。
16は、加算器14の加算出力T2に前記伝達関数15を乗じたものから、外乱トルクTshを減算する第2の減算器である。
17は電動機1の慣性Jshの伝達関数1/Jsh・sである。
前記減算器16の減算出力に伝達関数17を乗ずることによって電動機1の角速度ω2が求められる。
上記構成において、伝達関数15のACRfcは、周波数応答が制御帯域より十分に高いものとするため、下記の計算では省略する。上記の制御構成から、
Jsh・ω2・s=T2−Tsh…(1)
T2={(KI/s)・(Tref−Tsh)}+(K・Tsh)…(2)
が導かれる。上記式(1)、(2)の制御則をTsh/Trefについて解くことにより、
Figure 2011257205
となる。
ここで、一次遅れのローパスフィルタは、
Figure 2011257205
となり、fcは所望の周波数応答カットオフ周波数である。式(3)と式(4)とを係数比較すると、
Figure 2011257205
式(5)をKIについてまとめると、
KI=(1−K)・2・π・fc…(6)
となる。ここで、任意に設定できるパラメータは比例ゲインKおよび所望の周波数応答fc(カットオフ周波数)である。
このように本実施例によれば、比例ゲインKおよび所望の周波数応答を決めるカットオフ周波数fc(の角周波数ωc)だけの、少ない可調整パラメータによって安定で高応答な軸トルク制御が可能となる。
図4は、図1のダイナモメータシステムにおいて、電動機1および負荷側電動機5の2慣性系の制御の場合の制御構成図である。図3との相違点は、2慣性であるため、図1に示すような電動機1と負荷側電動機5との間に軸トルク検出が構成されている機械系を2慣性機械系モデル18として設けていることであり、その他の部分は図3と同一に構成されている。
2慣性機械系モデル18は、加算器18a,減算器18b、18cおよび伝達関数18d〜18fからなる。
加算器18aは、電動機1の駆動トルクT1と後述する伝達関数18eからの信号とを加算し伝達関数18dに出力する。
伝達関数18dは負荷側電動機5の慣性JLの伝達関数1/JL・sで表される。
減算器18bは、前記伝達関数15の出力信号から後述する伝達関数18eの出力信号を減算し伝達関数18fに出力する。
伝達関数18fは、前述した伝達関数17と同様に1/Jsh・sで表される伝達関数である。
減算器18cは、前記減算器18bの出力に伝達関数1/Jsh・sを乗じた値から、前記加算器18aの出力に伝達関数1/JL・sを乗じた値を減算する。
伝達関数18eは電動機1の慣性と負荷側電動機5の慣性のバネ剛性(軸3のバネ剛性)K12の伝達関数K12/sで表される。
前記減算器18cの減算出力に伝達関数K12/sを乗じた値が2慣性系の軸トルク検出値Tsh(軸3の捩れトルクに相当する信号)として出力される。
また前記伝達関数18fの出力が電動機1の角速度ω2となり、伝達関数18dの出力が負荷側電動機5の角速度ω1となる。
図4の制御構成から、前記実施例1の1慣性の場合と同様に式(6)が導出される。fcに所望の周波数を設定し、比例ゲイン補償器を「K」として、0<K<1の範囲にてKを適切に設定することにより機械共振も抑制され、安定で高応答な軸トルク制御が実現される。
ここで図5に、図1のシステムの制御系におけるトルク指令から軸トルク検出までのボード線図を示す。1〜500Hzにおけるゲインを図5(a)に示し、位相を図5(b)に示している。
図5の実線は軸トルク制御を行わない場合(オープンループ)の周波数特性であり、約190Hz付近に共振周波数がある。その他の線は、実施例1,2の軸トルク制御におけるK=0.1、K=0.3、K=0.6、K=0.9の場合の各周波数特性であり、いずれも約190Hz付近の共振ゲインが抑制されている。また、K=0.6の場合が最も良好な周波数特性となっている。
図6に本実施例の制御構成を示す。図6において、図4の制御構成と相違するのは、前記比例ゲイン補償器13の代わりに、1−Kを備えた比例ゲイン補償器21を設けたことである。その他の部分については図4と同一に構成されている。
図6の構成において、前記図3で説明した式(1)〜式(6)と同様の手順により、
KI=K・2・π・fc…(7)
が導出される。式(7)において、比例ゲインであるKを0<K<1の範囲で適切に調整することにより実施例2と同様に機械共振は抑制され、安定で高応答な軸トルク制御が可能となる。
尚、本実施例3は図6のように構成するに限らず、図3において比例ゲイン補償器13の代わりに比例ゲイン補償器21を設けるように構成しても良い。
図7に本実施例の制御構成を示す。図7において、軸トルク検出値Tshには高調波周波数やノイズが含まれるので、それらを除去するため、軸トルク検出値Tshに、1/GLPF(s)を伝達関数とするローパスフィルタ31を挿入するように構成しており、その他の部分は図4と同一に構成されている。
前記GLPF(s)は相対次数1次以上の任意の伝達関数とし、GLPF(s)のカットオフ周波数は、共振周波数<GLPF(s)とする。
本実施例4によれば、前記K,ωc,GLPF(s)を適切に設定することにより、実施例3と同一の効果が得られるとともに、さらに、軸トルク検出値Tshの高調波成分による悪影響を受けることなく軸トルク制御を行うことができる。尚ローパスフィルタ31は図3、図6の回路に設けても良い。
本実施例では、図1の軸トルクメータ4と負荷側電動機5間の中間軸の慣性が大きく2慣性に近似できない場合、3慣性系として近似する。また、インバータ周波数応答より高い周波数に共振周波数がある場合に、軸トルク検出の位相進み補償を実施する。
図8は軸トルクメータ4と負荷側電動機5間の中間軸慣性が大きい場合のダイナモメータシステムの構成図である。図8において、41は軸トルクメータ4と負荷側電動機5の間の慣性の大きい中間軸であり、その他の部分は図1と同一に構成されている。
図9は、図8のダイナモメータシステムにおいて、電動機1の慣性、負荷側電動機5の慣性および中間軸41の慣性の3慣性系の場合の制御構成図である。
図9において図7と異なる点は、2慣性機械系モデル18の代わりに3慣性機械系モデル52を設けたことと、ローパスフィルタ31の代わりに、
Figure 2011257205
を伝達関数とする1次進み補償器51を設けたことにあり、その他は図7と同一に構成されている。
3慣性機械系モデル52は、加算器52a,減算器52b〜52eおよび伝達関数52f〜52jからなる。
加算器52aは、電動機1の駆動トルクT1と後述の伝達関数52gからの信号とを加算し、負荷側電動機5の慣性JLの1/JL・sで表される伝達関数52fに出力する。
減算器52bは前記伝達関数15の出力信号から後述の伝達関数52iの出力信号を減算し、電動機1の慣性Jshの1/Jsh・sで表される伝達関数52jに出力する。
伝達関数52hは中間軸41の慣性JMの伝達関数1/JM・sで表される。
伝達関数52gは、負荷側電動機5の慣性と中間軸41の慣性のバネ剛性K13の伝達関数K13/sで表され、伝達関数52iは中間軸41の慣性と電動機1の慣性のバネ剛性K23の伝達関数K23/sで表される。
減算器52cは、伝達関数52hの出力から伝達関数52fの出力を減算し伝達関数52gに出力する。
減算器52eは、伝達関数52iの出力から伝達関数52gの出力を減算し伝達関数52hに出力する。
減算器52dは、伝達関数52jの出力から伝達関数52hの出力を減算し伝達関数52iに出力する。
前記減算器52dの減算出力に伝達関数K23/sを乗じた値が3慣性系の軸トルク検出値Tshとして出力される。
また、前記伝達関数52jの出力が電動機1の角速度ω2となり、伝達関数52fの出力が負荷側電動機5の角速度ω1となる。
前記1次進み補償器51のGLPF(s)は相対次数1次以上の任意の伝達関数とし、GLPF(s)のカットオフ周波数は、共振周波数<GLPF(s)とする。
上記のように、1次進み補償器51を軸トルク検出値Tshに挿入し、K,ωc,GLPF(s),ACRfcを適切に設定することにより、インバータ周波数応答より高い共振周波数の共振ゲインも抑制可能となる。図10は、図8のシステムの制御系における、トルク指令から軸トルク検出までのボードゲイン線図である。
図10の実線は軸トルク制御を行わない場合(オープンループ)の周波数特性であり、約110Hz付近に第1共振周波数があり、約360Hz付近に第2共振周波数がある。
図10の破線は前記実施例4の場合の周波数特性であり、第1共振周波数と第2共振周波数の各共振ゲインが抑制され、高応答で安定な軸トルク制御が可能となっている。
図10の1点鎖線は本実施例5の場合の周波数特性であり、第1共振周波数と第2共振周波数の各共振ゲインが抑制され、さらに第2共振周波数の共振ゲインは実施例4よりも抑制され、高応答で安定な軸トルク制御が可能となっている。
本実施例では、前記実施例1〜5の軸トルク制御をマイナーループに持ち、速度制御や位置制御のメジャーループを形成し、機械共振の影響を小さくし、安定で高応答なシステムを構成した。
図11は、実施例2の軸トルク制御(図4の制御構成)を速度制御のマイナーループとして持たせた実施例の制御構成を示しており、図4と同一部分は同一符号をもって示している。
図11において、61は比例要素、積分要素、微分要素を組み合わせた速度制御器(ASR)である。この速度制御器61は、角速度指令ωrefを一方の入力とし、図4の軸トルク制御回路の伝達関数18fの出力、すなわち電動機1の角速度ω2を他方の入力とし、出力Tを、トルク指令Trefとして前記減算器11に導入している。
尚、マイナーループとしては図4に限らず、図3、図6、図7、図9の回路を持たせても良い。また、速度制御器61に限らず位置制御器を用いても良い。
本実施例によれば、前記K,ωcを適切に設定することにより、共振ゲインを抑制し、安定で高応答な速度制御や位置制御が可能となる。
図12は図11の制御系における角速度指令から電動機の角速度検出までのボードゲイン線図である。図12によれば、軸トルク制御をマイナーループに持たない場合の従来の周波数特性(図示「マイナーループなし」)に比べて、本実施例6の軸トルク制御方式をマイナーループに持つ場合の周波数特性(図示「マイナーループあり」)の方が、共振ゲインを抑制し高応答な角速度制御が可能であることがわかる。
本実施例では、図13に示す、軸トルク制御をマイナーループに持つ速度制御システムにおいて、軸トルク検出が無い場合(Tshを減算器11、加算器14に導入しない場合)に、その代わりとして外乱オブザーバを用いて安定で高応答なシステムを構成した。
図13は本実施例7の制御構成を示しており、図11と同一部分は同一符号をもって示している。外乱オブザーバ70は、前記比例ゲイン補償器13、Jsh・s/Gfcで表される伝達関数71、1/Gfcで表される伝達関数72および減算器73を備えている。
減算器73は、トルク指令Trefに伝達関数1/Gfcを乗じた値から、角速度ω2に伝達関数Jsh・s/Gfcを乗じた値を減算しトルクTobsを出力する。
このトルクTobsは、
Figure 2011257205
である。
式(9)において、Gfc(s)は相対次数1次以上の任意の伝達関数とし、Gfc(s)のカットオフ周波数は、共振周波数<Gfc(s)とする。
前記Tobsは減算器11に導入され、Tobsに比例ゲインKを乗じた値は加算器14に導入される。
図13のように外乱オブザーバ70を用いた場合も図11と同様の動作となり、図12で述べたように共振ゲインを抑制し高応答な角速度制御が可能となる。
1…電動機
2…エンコーダ
3…軸
4…軸トルクメータ
5…負荷側電動機
6…軸トルク制御回路
7…インバータ
8…バネ
11,16,18b,18c,52b〜52,73…減算器
12…積分要素
13,21…比例ゲイン補償器
14,18a,52a…加算器
15,17,18d〜18f,52f〜52j,71,72…伝達関数
18…2慣性機械系モデル
31…ローパスフィルタ
51…1次進み補償器
52…3慣性機械系モデル
61…速度制御器
70…外乱オブザーバ

Claims (7)

  1. 負荷側機器と、前記負荷側機器と共通な軸を回転させることで該負荷側機器を回転させるダイナモメータと、前記軸のトルクを検出する軸トルク検出器と、前記ダイナモメータの角速度を検出する角速度検出器と、前記ダイナモメータを駆動制御するインバータの制御を行う制御手段とを備え、PI制御によって前記ダイナモメータの軸トルク制御を行うダイナモメータシステムの軸トルク制御装置であって、
    前記制御手段は、
    トルク指令Trefから前記軸トルク検出器により検出された軸トルク検出値Tshを第1の減算器によって減算し、該減算出力に、前記PI制御の積分ゲインをKI、ラプラス演算子をsとしたときのKI/sで定義される積分要素を乗算し、該乗算値(KI/s)・(Tref−Tsh)に、前記軸トルク検出値TshとPI制御の比例ゲインKを乗じた値K・Tshを比例ゲイン補償値として加算器によって加算し、該加算値T2から前記軸トルク検出値Tshを第2の減算器によって減算し、該減算出力T2−Tshとダイナモメータの慣性の伝達関数とに基づいてダイナモメータの角速度ω2を演算し、KI=(1−K)・2・π・fc(ただしfcは所望の周波数応答を決めるカットオフ周波数)を用いてダイナモメータの軸トルク制御を行うことを特徴とするダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  2. 前記軸トルク検出値Tshは、前記ダイナモメータの駆動トルクT1と、前記ダイナモメータの慣性、前記負荷側機器の慣性、前記ダイナモメータの慣性と負荷側機器の慣性のバネ剛性の各伝達関数とに基づいて得られた検出値であり、
    前記制御手段は、前記ダイナモメータの慣性および負荷側機器の慣性の2慣性の軸トルク制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  3. 前記比例ゲイン補償値は、前記TshとKを乗じた値に代えて、Tshと(1−K)を乗じた値を用い、KI=(1−K)・2・π・fcに代えてKI=K・2・π・fcを用いて軸トルク制御を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  4. 前記軸トルク検出値Tshの高調波成分を除去するローパスフィルタを備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  5. 前記軸トルク検出値Tshは、前記ダイナモメータの駆動トルクT1と、前記ダイナモメータの慣性、前記負荷側機器の慣性、前記軸トルク検出器と負荷側機器の間の中間軸慣性、前記ダイナモメータの慣性と中間軸慣性のバネ剛性、前記負荷側機器の慣性と中間軸慣性のバネ剛性の各伝達関数とに基づいて得られた検出値であり、
    前記軸トルク検出値Tshの位相進み補償を行う1次進み補償器を備え、
    前記制御手段は、前記ダイナモメータの慣性、負荷側機器の慣性および中間軸慣性の3慣性の軸トルク制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  6. 角速度指令を一方の入力とし、前記演算されたダイナモメータの角速度ω2を他方の入力とし、出力を前記トルク指令Trefとする速度制御器を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
  7. 前記トルク指令Tref、前記演算されたダイナモメータの角速度ω2、ダイナモメータの慣性の伝達関数Jsh・sおよび相対次数1次以上の任意の伝達関数Gfc(s)に基づいて、トルクTobs={Tref−(Jsh・ω2・s)}/Gfc(s)を演算して求める外乱オブザーバを備え、
    前記第1の減算器は、トルク指令Trefから、前記軸トルク検出値Tshに代えて前記トルクTobsを減算し、
    前記加算器は、前記第1の減算器の減算出力Tref−Tobsと前記積分要素KI/sの乗算値(KI/s)・(Tref−Tobs)と、前記K・Tshに代えて、トルクTobsに比例ゲインKを乗じたK・Tobsとを加算することを特徴とする請求項6に記載のダイナモメータシステムの軸トルク制御装置。
JP2010130630A 2010-06-08 2010-06-08 ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置 Pending JP2011257205A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010130630A JP2011257205A (ja) 2010-06-08 2010-06-08 ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010130630A JP2011257205A (ja) 2010-06-08 2010-06-08 ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011257205A true JP2011257205A (ja) 2011-12-22

Family

ID=45473534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010130630A Pending JP2011257205A (ja) 2010-06-08 2010-06-08 ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011257205A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142687A (ja) * 2012-01-13 2013-07-22 Meidensha Corp 供試体のパラメータ推定装置と機械共振周波数の検出方法
WO2013129532A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 株式会社明電舎 ダイナモメータシステム
WO2013129533A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 株式会社明電舎 ダイナモメータシステム
CN105387961A (zh) * 2015-10-23 2016-03-09 广东惠利普智能科技有限公司 一种步进电机扭力测试仪主控板
CN105667344A (zh) * 2016-04-19 2016-06-15 清华大学 分布式轮毂电机驱动电动汽车转矩响应的优化控制系统及控制方法
JP2016130665A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 株式会社明電舎 ダイナモメータの制御装置及びこれを用いた慣性モーメント推定方法
US10386269B2 (en) 2014-10-31 2019-08-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric-vehicle testing device and method
CN110967190A (zh) * 2019-11-26 2020-04-07 辽宁龙马安泰网络技术有限责任公司 汽车台试检测发动机最大扭矩和功率的方法
CN114932548A (zh) * 2022-04-29 2022-08-23 北京科技大学 一种弹性机器人关节角位移跟踪控制方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142687A (ja) * 2012-01-13 2013-07-22 Meidensha Corp 供試体のパラメータ推定装置と機械共振周波数の検出方法
KR101525421B1 (ko) * 2012-02-29 2015-06-05 메이덴샤 코포레이션 다이나모미터 시스템
WO2013129532A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 株式会社明電舎 ダイナモメータシステム
JP2013179810A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Meidensha Corp ダイナモメータシステム
US9164005B2 (en) 2012-02-29 2015-10-20 Meidensha Corporation Dynamometer system
CN104137413A (zh) * 2012-02-29 2014-11-05 株式会社明电舍 测力计系统
US9255856B2 (en) 2012-03-02 2016-02-09 Meidensha Corporation Dynamometer system
JP2013181904A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Meidensha Corp ダイナモメータシステム
WO2013129533A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 株式会社明電舎 ダイナモメータシステム
US10386269B2 (en) 2014-10-31 2019-08-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Electric-vehicle testing device and method
JP2016130665A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 株式会社明電舎 ダイナモメータの制御装置及びこれを用いた慣性モーメント推定方法
WO2016114233A1 (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 株式会社明電舎 ダイナモメータの制御装置及びこれを用いた慣性モーメント推定方法
US10041858B2 (en) 2015-01-13 2018-08-07 Meidensha Corporation Dynamometer control device and method for estimating moment of inertia using same
CN105387961A (zh) * 2015-10-23 2016-03-09 广东惠利普智能科技有限公司 一种步进电机扭力测试仪主控板
CN105667344A (zh) * 2016-04-19 2016-06-15 清华大学 分布式轮毂电机驱动电动汽车转矩响应的优化控制系统及控制方法
CN105667344B (zh) * 2016-04-19 2018-02-09 清华大学 分布式轮毂电机驱动电动汽车转矩响应的优化控制系统及控制方法
CN110967190A (zh) * 2019-11-26 2020-04-07 辽宁龙马安泰网络技术有限责任公司 汽车台试检测发动机最大扭矩和功率的方法
CN114932548A (zh) * 2022-04-29 2022-08-23 北京科技大学 一种弹性机器人关节角位移跟踪控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011257205A (ja) ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置
KR101525421B1 (ko) 다이나모미터 시스템
JP5120654B2 (ja) サーボ制御装置
US10985684B2 (en) Motor control device
JP6375757B2 (ja) 電動機制御装置、電動機の磁束推定装置および電動機の磁束推定方法
JP5326429B2 (ja) 電動機の脈動抑制装置
JP5605127B2 (ja) 軸トルク制御装置
JP5644409B2 (ja) 電動機の位置制御装置
JP2013181904A (ja) ダイナモメータシステム
JP2017099084A (ja) 多慣性共振システムにおける共振抑制制御装置
JP5200715B2 (ja) 動力計システムの電気慣性制御装置
JP2004005469A (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
JP6042124B2 (ja) 2慣性系の速度制御装置
JP2015170208A (ja) 制御装置、制御方法及び制御プログラム
JP5386859B2 (ja) モータのトルクリップル抑制装置
KR20190018014A (ko) 제어 시스템
JP2012005269A (ja) 回転電気機械のトルクリプル抑制制御装置および制御方法
JP5017984B2 (ja) サーボ制御装置とその速度追従制御方法
JP5605128B2 (ja) 動力計の軸トルク制御装置
WO2020194637A1 (ja) 電動車両の制御方法、及び、制御装置
JP3856215B2 (ja) 速度制御装置
JP5850179B2 (ja) モータ制御装置およびモータ制御方法
JP6827565B2 (ja) 電動機の制御装置
JP5200714B2 (ja) 電気慣性制御装置
JP5444929B2 (ja) シャシーダイナモメータシステム