JP6305283B2 - 動力装置の制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットの関節に連結されたリンク等の被動要素にアクチュエータから付与する力を制御するシステムに関する。
ロボットの関節機構等を駆動する動力装置においては、アクチュエータの出力部と関節機構等の駆動対象要素との間にばね部材を介装し、駆動対象要素に付与する駆動力(並進力又はモーメント)を目標値に追従させように、アクチュエータの制御を行うものが従来より知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
特開2001−195133号公報
High-Fidelity Joint Drive System by Torque Feedback Control Using High Precision Linear Encoder/Tomohiro Kawakami, Ko Ayusawa, Hiroshi Kaminaga, Yoshihiko Nakamura/2010 IEEE International Conference on Robotics and Automation Anchorage Convention District/May 3-8, 2010, Anchorage, Alaska, USA
前記動力装置では、通常、アクチュエータからばね部材への駆動力の伝達は、減速機等の動力伝達要素を介して行われる。
この場合、減速機等の動力伝達要素は、前記ばね部材に比して高剛性ではあるものの、一般に、ある程度のばね性を有し、それが、駆動対象要素に付与する駆動力の発振現象を発生させる原因となる場合もある。
そして、例えば前記特許文献1には、上記動力伝達要素としてのギヤのバックラッシ振動を、オブザーバを用いて抑制する技術が提案されている。
しかしながら、かかる特許文献1に見られる技術では、アクチュエータの出力軸の回転摩擦もしくは粘性等の影響が考慮されていないため、当該影響によって、駆動対象要素に実際に付与する駆動力の、目標値への追従性が損なわれる虞がある。
一方、前記非特許文献1には、摩擦の影響をオブザーバを用いて補償する技術が提案されている。
しかるに、この技術では、アクチュエータとばね部材と間に介在する減速機等の動力伝達要素のばね性が考慮されていないため、該ばね性の影響で、駆動対象要素に実際に付与する駆動力の発振現象等が生じる虞がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、アクチュエータからばね性を有する動力伝達要素とばね部材とを介して駆動対象要素に付与する力を目標値に制御することを、発振の発生等を抑制しつつ、高い安定性で行うことを可能とする制御システムを提供することを目的とする。
本発明の動力装置の制御システムは、かかる目的を達成するために、駆動対象要素を動かすための駆動力を出力するアクチュエータと、該アクチュエータの駆動力が動力伝達要素を介して入力され、入力された駆動力を弾性力に変換して前記駆動対象要素に付与するばね部材とを備え、前記動力伝達要素が前記アクチュエータ側の入力部と前記ばね部材側の出力部との間にばね性を有するように構成された動力装置の制御システムであって、
前記駆動対象要素に実際に付与される力に応じた出力を発生する力検出手段と、
前記アクチュエータの出力部の変位動作に応じた出力を発生する変位動作検出手段と、
前記力検出手段の出力により示される力の値を前記駆動対象要素に付与すべき力の目標値に収束させるように、該力検出手段の出力と該力の目標値とに応じて前記アクチュエータの駆動力の制御用の基本指令値を逐次決定する基本指令値決定手段と、
前記アクチュエータに実際に出力させるべき駆動力を規定するアクチュエータ制御目標値を逐次決定し、該アクチュエータ制御目標値に応じて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段と、
前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位加速度の値と前記アクチュエータから前記ばね部材に至る系の慣性質量又は慣性モーメントの設定値とから規定される慣性力と、前記力検出手段の出力により示される力の検出値との合成力に、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力を近づけるように前記基本指令値を補正するための操作量を、前記変位動作検出手段の出力と前記力検出手段の出力と前記アクチュエータ制御手段が決定したアクチュエータ制御目標値とに応じて決定する操作量決定手段とを備え、
前記アクチュエータ制御手段は、新たなアクチュエータ制御目標値を決定するとき、前記基本指令値に前記操作量に応じた補正を施すことにより該アクチュエータ制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
なお、本発明において、前記動力伝達要素が前記アクチュエータ側の入力部と前記ばね部材側の出力部との間にばね性を有するということは、該入力部と出力部とのうちの一方を固定し、且つ、他方にこれを変位させる駆動力を付与した場合に、該他方の変位量が、該他方に付与される駆動力に応じた量だけ変化するという特性を有することを意味する。
また、本発明における駆動力(又は力)は、並進力又はトルク(モーメント)を意味する。
また、本発明におけるアクチュエータは、直動型及び回転型のいずれのアクチュエータであってもよい。そして、前記アクチュエータが直動型のアクチュエータである場合には、該アクチュエータの出力部の変位動作は、該出力部の並進動作を意味する。また、前記アクチュエータが回転型のアクチュエータである場合には、該アクチュエータの出力部の変位動作は、該出力部の回転動作を意味する。また、本発明における駆動対象要素は、回転可能な要素と、直動変位を行う要素とのうちのいずれでもよい。
上記第1発明によれば、前記基本指令値決定手段が決定する基本指令値に、前記操作量決定手段が決定する操作量に応じた補正を施すことにより、前記アクチュエータに実際に出力させるべき駆動力を規定する前記制御目標値が決定され、該制御目標値に応じて前記アクチュエータが制御される。
この場合、前記基本指令値は、前記力検出手段の出力により示される力の値(前記駆動対象要素に実際に付与される力の検出値)を前記駆動対象要素に付与すべき力の目標値に収束させるように逐次決定される。
一方、前記操作量は、前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位加速度の値と前記アクチュエータから前記ばね部材に至る系の慣性質量又は慣性モーメントの設定値とから規定される慣性力と、前記力検出手段の出力により示される力の検出値との合成力に、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力を近づけるように決定される。
この場合、上記合成力は、アクチュエータから前記ばね部材に至る系が、弾性要素もしくは摩擦要素もしくは粘性要素を持たずに、慣性質量又は慣性モーメントだけを有する系であるとみなした場合に、アクチュエータから出力させるべき駆動力の推定値に相当する。このため、前記操作量は、アクチュエータから前記ばね部材に至る系が実際に有する弾性もしくは摩擦力(粘性力)の影響を排除するように機能する操作量に相当するものとなる。従って、この操作量に応じた補正を前記基本指令値に施すことによって決定される制御目標値に応じてアクチュエータを制御することで、アクチュエータから前記ばね部材に至る系が実際に有する弾性もしくは摩擦力(粘性力)の影響を極力受けないようにしつつ、駆動対象要素に実際に付与される力を目標値に制御するようにすることができる。
よって、第1発明によれば、アクチュエータからばね性を有する動力伝達要素とばね部材とを介して駆動対象要素に付与する力を目標値に制御することを、発振の発生等を抑制しつつ、高い安定性で行うことを可能となる。
前記第1発明では、前記操作量決定手段の処理では、前記合成力そのものを直接的に算出することは必須ではなく、結果的に、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力を前記合成力に近づけるように前記操作量が決定されていればよい。
このため、前記第1発明では、次のような形態を採用することができる。すなわち、前記操作量決定手段は、前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位速度の値と、前記力検出手段の出力により示される力の値と、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力の推定値との線形結合値を入力するローパスフィルタを備え、該ローパスフィルタの出力値と、前記線形結合値のうちの前記変位速度の値に関する項との偏差に所定のゲイン値を乗じることにより前記操作量を決定するように構成されていることが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、前記合成力を直接的に算出せずとも、結果的に、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力を前記合成力に近づけるように前記操作量を決定できる。
そして、この場合、前記合成力を直接的に算出する処理が不要であるため、前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位速度の値の時間的変化率(微分値)を算出する処理が不要となる。このため、前記操作量の信頼性を高めることができる。ひいては、駆動対象要素に実際に付与される力を制御することの安定性を効果的に高めることができる。
本発明の実施形態における制御システムの全体構成を示す図。 本発明の第1実施形態における制御に関する構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態における制御に関する構成を示すブロック図。 実施例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。 実施例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。 実施例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。 比較例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。 比較例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。 比較例に関する検証試験のシミュレーションデータを示すグラフ。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1及び図2を参照して以下に説明する。
図1を参照して、本実施形態の動力装置1は、電動モータ2の駆動力により駆動対象要素としての回転部材5を回転駆動する装置であり、電動モータ2と回転部材5との間の動力伝達系に減速機3と、トーションバー4とを備える。
回転部材5の一例としては、例えばロボットの関節の構成要素(関節軸周りに回転自在なリンク部材)が挙げられる。
電動モータ2は、本発明におけるアクチュエータに相当する。該電動モータ2は、本実施形態では、その出力部としての出力軸2aから回転駆動力(トルク)を出力する回転型のアクチュエータである。
減速機3は、本発明における動力伝達要素を構成するものである。該減速機3は、本実施形態では、ハーモニックドライブ(登録商標)等の波動歯車装置により構成される。そして、該減速機3は、その入力部(入力軸)3aと、出力部(出力軸)3bとの間にばね性を有する。
すなわち、減速機3の入力部3aと出力部3bとのうちの一方、例えば出力部3bを固定して、入力部3aに駆動力(トルク)を付与した場合に、該入力部3aの変位量(回転角)が、該入力部3aに付与される駆動力に応じて変化する。ただし、減速機3の入力部(入力軸)3aと出力部(出力軸)3bとの間のばね性は、トーションバー4のばね性に比して高剛性なものである。
そして、減速機3の入力部3aは、電動モータ2の出力軸2aと一体に回転し得るように該出力軸2aに連結されている。
補足すると、減速機3は、波動歯車装置以外の動力伝達機構、例えば、遊星歯車装置等のギヤ式の動力伝達機構、ベルトもしくはチェーン等の無端条部材を含む動力伝達機構、あるいはこれらの動力伝達機構の組み合わせ等により構成されていてもよい。波動歯車装置以外の上記の如き動力伝達機構であっても、一般に、その入力部と出力部との間にある程度のばね性を有する。
トーションバー4は、本発明におけるばね部材に相当する。この場合、該トーションバー4は、その一端部と他端部との間の回転角度差に応じた弾性力(ねじり力)を発生する。そして、該トーションバー4の一端部(入力側端部)は、減速機3の出力部3bと一体に回転し得るように該出力部3bに連結されている。
また、トーションバー4の他端部(出力側端部)には、該他端部と一体に回転し得るように回転部材5が連結されている。
以上の動力装置1の構成により、電動モータ2が出力する回転駆動力(トルク)は、該電動モータ2の出力軸2aから減速機3を介してトーションバー4に入力される。そして、トーションバー4に入力された回転駆動力が、該トーションバー4で弾性力(ねじり力)に変換され、この弾性力が回転部材5に回転駆動力として付与される。
なお、このような構成の動力装置1の動力伝達系の動力学的な挙動は、電動モータ2、減速機3、回転部材5をそれぞれ、慣性モーメントを有する3つの回転体とみなしてなる3慣性系のモデルの挙動として表現することができる。
本実施形態では、以上の構成の動力装置1において、電動モータ2から減速機3及びトーションバー4を介して回転部材5に実際に付与されるトルク(回転駆動力)が目標とするトルクになるように電動モータ2の運転制御を行う。
この運転制御のために、本実施形態のシステムには、電動モータ2の出力軸2aの回転(これは本発明におけるアクチュエータの出力部の変位動作に相当する)に応じた出力を発生する回転検出器10と、回転部材5に実際に付与されるトルク(回転駆動力)に応じた出力を発生するトルク検出器11と、制御装置12とが備えられている。
回転検出器10は、本発明における変位動作検出手段に相当する。該回転検出器10は、例えばロータリエンコーダにより構成され、電動モータ2の出力軸2aの実際の回転角速度に応じた信号を出力するように電動モータ2に装着されている。なお、回転検出器10は、ポテンショメータ、レゾルバ、ホール素子等により構成することも可能である。
補足すると、電動モータ2の出力軸2aの回転角、回転速度、回転角加速度のうちのいずれかの値を検出すれば、他の値は、当該いずれかの値の検出値から微分演算もしくは積分演算により特定できる。従って、回転検出器10が出力する信号は、電動モータ2の出力軸2aの回転角に応じた信号、回転速度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号のいずれであってもよい。
トルク検出器11は、本発明における力検出手段に相当する。該トルク検出器11は、例えばトーションバー4のねじれ角(一端部と他端部との間の回転角度差)に応じた出力を発生する角度検出器により構成され、減速機3と回転部材5との間に配置されている。
ここで、トーションバー4で発生する弾性力、ひいては、回転部材5にトーションバー4から付与される回転駆動力(トルク)は、トーションバー4のねじれ角にほぼ比例したものとなる。従って、トルク検出器11の出力から認識されるトーションバー4のねじれ角の検出値から、あらかじめ設定された所定の演算式、あるいは、マップ等を用いて、回転部材5に実際に付与されたトルク(以降、回転部材実駆動トルクという)を検出することができる。
なお、トルク検出器11は、角度検出器以外の検出器であってもよい。例えばトルク検出器11は、起歪体を備えるひずみゲージ式のトルク検出器等により構成されていてもよい。この場合、トルク検出器11の出力から直接的に回転部材実駆動トルクを検出することができる。
制御装置12は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、上記回転検出器10及びトルク検出器11の出力が入力される。さらに、制御装置12には、回転部材5に付与すべきトルクの目標値である目標トルクτ_cmdが外部から逐次入力されるようになっている。
そして、制御装置12は、上記の入力データを用いて、電動モータ2の運転制御を行う。
図2に示すように、制御装置12は、実装されるプログラムにより実現される機能、又はハードウェア構成により実現される機能として、トルク検出器11の出力により示される回転部材実駆動トルクτ_actの値(検出値)を目標トルクτ_cmd(以降、回転部材目標駆動トルクτ_cmdという)に収束させるように、電動モータ2の出力トルクの制御用の基本指令値Tm_baseを逐次決定する基本指令値決定部15と、基本指令値Tm_baseを補正するための操作量Tm_obsを逐次決定するオブザーバ16と、基本指令値Tm_baseと操作量Tm_obsとから電動モータ2に実際に発生させるべき出力トルクを規定する制御目標値Tm_cmdを決定し、該制御目標値Tm_cmdに応じて電動モータ2の通電制御を行うモータ制御部17とを備える。
ここで、基本指令値決定部15は、本発明における基本指令値決定手段に相当する。この基本指令値決定部15は、フィードバック制御則を用いて回転部材実駆動トルク(検出値)を回転部材目標駆動トルクτ_cmdに収束させるように、基本指令値Tm_baseを決定する。該基本指令値Tm_baseは、本実施形態では、電動モータ2から減速機3を介して出力されるトルク(減速機3の出力トルク)の指令値、換言すれば、電動モータ2の出力トルクの基本指令値に、減速機3の減速比を乗じてなる指令値である。
なお、基本指令値として、例えば、電動モータ2の出力トルクそのものの指令値、あるいは、電動モータ2の通電電流の指令値を使用することも可能である。
また、オブザーバ16は、本発明における操作量決定手段に相当する。このオブザーバ16は、動力装置1を、駆動側及び負荷側の2つの慣性モーメント(イナーシャ)を持つ2慣性系とみなした場合(動力装置1を2慣性系モデルでモデル化した場合)に駆動側で発生すべきトルクの推定値(以降、2慣性系駆動トルク推定値という)に、制御目標値Tm_cmdに応じて回転部材5に付与されるトルクを近づけるように、基本指令値Tm_baseを補正するための操作量Tm_obs(以降、補正操作量Tm_obsという)を決定する。
上記2つの慣性モーメントのうち、駆動側の慣性モーメントは、電動モータ2と減速機3とトーションバー4の減速機3側の一部とを併せた回転系の全体の慣性モーメント、負荷側の慣性モーメントは、トーションバー4の回転部材5側の一部と回転部材5及びこれと一体に回転する部材(図示省略)とを併せた回転系の全体の慣性モーメントである。なお、トーションバー4の慣性モーメントは、通常、十分に小さいので、駆動側の慣性モーメント、あるいは、負荷側の慣性モーメントの設定値からトーションバー4の寄与分を省略してもよい。
また、モータ制御部17は、本発明におけるアクチュエータ制御手段に相当する。このモータ制御部17は、基本指令値Tm_baseを、補正操作量Tm_obsにより補正する(本実施形態では、Tm_baseにTm_obsを加算する)ことで、制御目標値Tm_cmdを決定する。該制御目標値Tm_cmdは、本発明におけるアクチュエータ制御目標値に相当する。この制御目標値Tm_cmdは、本実施形態では、電動モータ2から減速機3を介して出力されるトルクの目標値(換言すれば、電動モータ2の出力トルクの目標値に、減速機3の減速比を乗じてなる目標値)である。
なお、制御目標値として、例えば、電動モータ2の出力トルクそのものの目標値、あるいは、電動モータ2の通電電流の目標値を使用することも可能である。
制御装置12は、所定の制御処理周期で、上記基本指令値決定部15、オブザーバ16、モータ制御部17の処理を実行することで、電動モータ2の運転を制御する。
なお、制御装置12は、回転部材目標駆動トルクτ_cmdを逐次決定する機能をさらに含んでいてもよい。
以下に、制御装置12が実行する制御処理の詳細を説明する。
制御装置12は、各制御処理周期において、基本指令値決定部15及びオブザーバ16の処理を実行する。
基本指令値決定部15には、回転部材目標駆動トルクτ_cmdと、トルク検出器11の出力により示される回転部材実駆動トルクτ_actの検出値とが入力される。
そして、基本指令値決定部15は、トルク検出器11の出力に基づく回転部材実駆動トルクτ_actの検出値を、高周波のノイズ成分の除去用のローパスフィルタ15a(図示例では、伝達関数が1/(1+s・T)により表されるフィルタ)に入力することで、回転部材実駆動トルクτ_actの検出値にローパス特性のフィルタリング処理を施してなるフィルタリング値τ_act_filtを得る。
そして、基本指令値決定部15は、このフィルタリング値τ_act_filtと、回転部材目標駆動トルクτ_cmdとから、図2中の処理部15bのブロック線図で示す演算処理によって、基本指令値Tm_baseを決定する。
すなわち、基本指令値決定部15は、次式(1)により、Tm_baseを決定する。

Tm_base=Kff・τ_cmd+Kp・(τ_cmd−τ_act_filt)−Kd・dτ_act_filt
……(1)
ここで、dτ_act_filtは、τ_act_filtの時間的変化率(微分値)、Kff、Kp、Kdはあらかじめ設定された所定のゲイン値である。
式(1)右辺の第1項は、τ_cmdに応じたフィードフォワード操作量成分、第2項及び第3項は、フィードバック制御則としてのPD則(比例・微分則)に基づくフィードバック操作量成分である。
上記式(1)により基本指令値Tm_baseを算出することで、回転部材実駆動トルクτ_actを回転部材目標駆動トルクτ_cmdに収束させるように、基本指令値Tm_baseが決定される。
なお、PD則以外のフィードバック制御則を使用して、基本指令値Tm_baseを決定することも可能である。
オブザーバ16には、モータ制御部17が既に決定した制御目標値Tm_cmdの最新値(具体的には、前回の制御処理周期で決定した前回値)と、回転検出器10の出力により示される電動モータ2の出力軸2aの実際の回転速度ωm_act(以降、実モータ回転速度ωm_actという)の検出値と、トルク検出器11の出力により示される回転部材実駆動トルクτ_actの検出値とが入力される。
そして、オブザーバ16は、入力されたTm_cmd(前回値)、ωm_actの検出値、τ_actの検出値とから、図2中の処理部16aのブロック線図で示す演算処理を実行することで、2慣性系駆動トルク推定値Tm_mdl2と制御目標値Tm_cmd(前回値)との偏差Δtmを算出する。
すなわち、オブザーバ16は、次式(2)によりΔtmを算出する。この偏差Δtmは、補正操作量Tm_obsの基本値である。

Δtm≡Tm_cmd−Tm_mdl2
=Tm_cmd−(Jr・dωm_act+τ_act) ……(2)

ここで、Jrは、前記2慣性系の駆動側の慣性モーメント(電動モータ2及び減速機3とトーションバー4の一部とを併せた回転系の全体の慣性モーメント)の設定値である。dωm_actは実モータ回転速度ωm_actの時間的変化率(微分値)、すなわち、電動モータ2の出力軸2aの実際の回転角加速度の検出値に相当するものである。このdωm_actは、本発明におけるアクチュエータの出力部の変位加速度に相当する。
そして、式(2)の右辺の括弧内の項が2慣性系駆動トルク推定値Tm_mdl2である。この場合、Jr・dωm_actは、電動モータ2の出力軸2aと減速機3の入力部3a及び出力部3bとの回転運動に伴う慣性力(モーメント)に相当するものである。従って、Tm_mdl2は、Jrの設定値とdωm_actの検出値とから規定される慣性力(モーメント)と、回転部材実駆動トルクτ_actとの合成モーメント(これは、本発明における合成力に相当する)としての意味を持つ。
オブザーバ16は、上記の如く算出した偏差Δtmに、ローパスフィルタ16b(図示例では伝達関数が1/(1+s・Tobs)により表されるフィルタ)によりローパス特性のフィルタリング処理を施し、さらに、処理部16cにより、あらかじめ設定された所定のゲイン値Kobsをローパスフィルタ16bの出力に乗じることによって、補正操作量Tm_obsを決定する。
上記ローパスフィルタ16bの時定数Tobs(ひいては、ローパスフィルタ16bのカットオフ周波数)は、回転部材5に付与するトルクの制御を行う電動モータ2の運転制御中に、該トルクの発振現象が生じるのを防止し得るように、あらかじめ実験もしくはシミュレーションに基づいて設定されている。
かかるオブザーバ16の処理により、モータ制御部17が逐次決定する制御指令値Tm_cmdを、ローパスフィルタ16bの通過周波数帯内で、2慣性系駆動トルク推定値Tm_mdl2に近づけるように(前記偏差Δtmをゼロに近づけるように)、補正操作量Tm_obsが決定される。
制御装置12は、上記の如く基本指令値決定部15及びオブザーバ16の処理を実行した後、モータ制御部17の処理を実行する。
モータ制御部17には、各制御処理周期で決定された基本指令値Tm_baseと、補正操作量Tm_obsとが入力される。
そして、モータ制御部17は、基本指令値Tm_base(現在の制御処理周期で決定された今回値)に、補正操作量Tm_obs(現在の制御処理周期で決定された今回値)を加算することで、Tm_baseを補正する処理を演算部17aで実行する。この補正処理により、電動モータ2の実際の出力トルクを制御するための制御目標値Tm_cmd(今回値)が決定される。
そして、モータ制御部17は、このように決定される制御目標値Tm_cmdに応じて通電制御部17bにより電動モータ2の通電制御を行う。
具体的には、通電制御部17bは、制御目標値Tm_cmdにより規定される電動モータ2の目標トルク(本実施形態では、Tm_cmdを減速機3の減速比で除算してなる値)を電動モータ2の電流指令値に変換し、この電流指令値に実際の通電電流(図示しない電流センサによる検出値)を一致させるように該通電電流をフィードバック制御する。
これにより電動モータ2は、制御目標値Tm_cmdにより規定される該電動モータ2の目標トルクに一致するトルク(換言すれば、減速機3の出力トルクを制御目標値Tm_cmdに一致させるトルク)を出力するように制御される。
本実施形態では、制御装置12の制御処理は、以上説明した如く実行される。
以上説明した本実施形態のシステムによれば、制御装置12は、回転部材実駆動トルクτ_actを回転部材目標駆動トルクτ_cmdに収束させるように決定した基本指令値Tm_baseを、オブザーバ16により決定した補正操作量Tm_obsにより補正することで、電動モータ2の実際の通電制御用の制御目標値Tm_cmdを決定する。
このため、制御目標値Tm_cmdは、これに応じて回転部材5に付与される駆動トルクが、2慣性系駆動トルク推定値Tm_mdl2から乖離するのを極力抑制するようにしつつ、回転部材目標駆動トルクτ_cmdを極力実現し得るように決定される。
この場合、2慣性系トルク推定値Tm_mdl2は、式(2)の右辺の括弧内の項であるので、電動モータ2及び減速機3を併せた回転系が、ばね性や、摩擦もしくは粘性を持たずに、前記駆動側の慣性モーメントJrだけを有する回転系であるとみなした場合に想定される回転部材5の駆動トルクの推定値に相当するものとなる。
従って、減速機3の入力部3aと出力部3bとの間のばね性の影響、あるいは、電動モータ2の出力軸2aの回転摩擦もしくは粘性、あるいは、減速機3の入力部3aもしくは出力部3bの回転摩擦もしくは粘性等の影響を補償し得るように制御目標値Tm_cmdを決定できる。
この結果、回転部材実駆動トルクτ_actの発振現象が発生すること、あるいは、該回転部材実駆動トルクτ_actが回転部材目標駆動トルクτ_cmdからずれること等を効果的に抑制することができる。
また、回転部材実駆動トルクτ_actの発振現象等を抑制できることから、基本指令値決定部15でのフィードバックゲイン(ゲイン値Kp又はKd)の大きさを大きめにすることが可能となり、ひいては、回転部材目標駆動トルクτ_cmdに対する回転部材実駆動トルクτ_actの追従応答性を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図3を参照して説明する。なお、本実施形態は、制御装置12の一部の制御処理だけが第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
図3を参照して、本実施形態では、オブザーバ21の一部の処理だけが第1実施形態と相違する。
本実施形態では、オブザーバ21は、所謂、擬似微分の処理を実行することで、回転検出器10の出力により示される実モータ回転速度ωm_actの検出値の微分を直接的に行うことを行わずに、補正操作量Tm_obsを決定する。
具体的には、本実施形態におけるオブザーバ21は、第1実施形態と同様のローパスフィルタ21b(図示例では、伝達関数が1/(1+s・Tobs)により表されるフィルタ)を備えている。そして、オブザーバ21は、各制御処理周期において、処理部21aの演算処理を実行することで、ローパスフィルタ21bの入力値を決定する。すなわち、オブザーバ21は、次式(3)によりローパスフィルタ21bの入力値を決定する。

ローパスフィルタの入力値
=Tm_cmd−τ_act+(Jr/Tobs)・ωm_act ……(3)

なお、式(3)の各変数の意味は、前記第1実施形態と同じである。従って、ローパスフィルタ21bの入力値は、制御目標値Tm_cmdと回転部材実駆動トルクτ_actの検出値とモータ実回転速度ωm_actの検出値との線形結合値として算出される。この場合、ωm_actの係数値は、前記2慣性系の駆動側の慣性モーメントJrと、ローパスフィルタ21bの時定数Tobsとの比率である。
なお、本実施形態では、モータ実回転速度ωm_actが本発明におけるアクチュエータの出力部の変位速度に相当する。
さらに、オブザーバ21は、ローパスフィルタ21bの出力値から、前記式(3)のωm_actの項、すなわち第3項(Jr/Tobs)・ωm_actを減算することを処理部21cで実行する。
かかる処理部21cの出力値は、結果的に、第1実施形態におけるローパスフィルタ16bの出力値(偏差Δtmをローパスフィルタ16bに入力して得られる値)に相当するものとなる。
そして、オブザーバ21は、処理部21dにより、あらかじめ設定された所定のゲイン値Kobsを処理部21cの出力値に乗じることによって、補正操作量Tm_obsを決定する。
本実施形態は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。
かかる本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。加えて、本実施形態では、モータ実回転速度ωm_actの検出値の微分値を算出する処理が必要無いため、補正操作量Tm_obsの安定性あるいは信頼性を高めることができる。ひいては、回転部材実駆動トルクτ_actの制御のロバスト性を高めることができる。
[検証試験]
次に、前記第1実施形態及び第2実施形態の一方、例えば第2実施形態のシステムにおいて、オブザーバ21を備えたことの効果の検証試験について、図4〜図9を参照して説明する。
図4〜図6は、実施例の計測データを示すグラフである。実施例では、第2実施形態のシステムにおいて、回転部材目標駆動トルクτ_cmdをステップ状に変化させた場合の回転部材実駆動トルクτ_actを観測するシミュレーションを行った。図4は当該実施例での回転部材実駆動トルクτ_actの経時変化のシミュレーションデータを示すグラフ、図5は図4の回転部材実駆動トルクτ_actの時間的変化率(微分値)であるトルク速度dτ_actの経時変化を示すグラフ、図6は図4の回転部材実駆動トルクτ_actの波形の周波数特性を示すグラフである。
また、図7〜図9は、比較例の計測データを示すグラフである。比較例では、第2実施形態のシステムにおけるオブザーバ21をオフ状態として(換言すれば、Tm_obsを定常的にゼロとして)、回転部材目標駆動トルクτ_cmdをステップ状に変化させた場合の回転部材実駆動トルクτ_actを観測するシミュレーションを行った。図7は当該比較例での回転部材実駆動トルクτ_actの経時変化のシミュレーションデータを示すグラフ、図8は図7に示す回転部材実駆動トルクτ_actの時間的変化率(微分値)であるトルク速度dτ_actの経時変化を示すグラフ、図9は図7に示す回転部材実駆動トルクτ_actの波形の周波数特性を示すグラフである。
なお、上記シミュレーションでは、動力装置1を、電動モータ2、減速機3、回転部材5にそれぞれ対応する3つの回転体を有する3慣性系のモデルで近似した。該3慣性系のモデルの動力学的な挙動は、例えば次式(4a)〜(4c)により表される。

Jm・dωm=−Ks・(θm−θwg)−Dm・ωm+τm ……(4a)
Jwg・dωwg=Ks・(θm−θwg)−Ktb・(θwg−θL) ……(4b)
JL・dωL=Ktb・(θwg−θL)−DL・ωL+τL ……(4c)

ここで、Jm:電動モータ2の回転部の慣性モーメント、Jwg:減速機3の回転部の慣性モーメト、JL:回転部材5の慣性モーメント、θm:電動モータ2の回転角度を減速機3の減速比で除算した回転角度、θwg:減速機3の出力部の回転角度、θL:回転部材5の回転角度、ωm:θmの時間的変化率(角速度)、ωwg:θwgの時間的変化率(角速度)、ωL:θLの時間的変化率(角速度)、dωm:ωmの時間的変化率(角加速度)、dωwg:ωwgの時間的変化率(角加速度)、dωL:ωLの時間的変化率(角加速度)、Ks:電動モータ2から減速機3までの系の剛性度合を表すばね定数、Ktb:トーションバー4の剛性度合を表すばね定数、Dm:電動モータ2の出力軸2aの回転に関する粘性係数、DL:回転部材5の回転に関する粘性係数、τm:電動モータ2の出力トルクに減速機3の減速比を乗じたトルク、τL:回転部材5の負荷トルク、である。なお、Ksの値は、主に、減速機3のばね性に依存するように設定される。
図4と図7、あるいは、図5と図8を比較して判るように、比較例では、回転部材実駆動トルクτ_actが回転部材目標駆動トルクτ_cmdに対して比較的顕著な高周波の変動を生じる。これに対して、実施例では、回転部材実駆動トルクτ_actが高周波変動をほとんど生じることなく、回転部材目標駆動トルクτ_cmdに対して高い安定性で滑らかに追従する。また、実施例では、比較例に比して回転部材目標駆動トルクτ_cmdの変化に対する回転部材実駆動トルクτ_actの応答速度が高まる(dτ_actの大きさが大きくなる)と共に、定常偏差が低減する。
また、図6と図9を比較して判るように、比較例では、特定の周波数fx(図9参照)の近辺に比較的大きな発振成分を含むが、実施例では、比較例の如き発振成分が含まれるのが解消される。
これらのことから、前記実施形態のシステムによって、回転部材実駆動トルクτ_actの発振現象が生じることを効果的に防止でき、また、回転部材実駆動トルクτ_actを回転部材目標駆動トルクτ_cmdに対して高い追従性で安定に制御できることが判る。
[変形態様]
次に、以上説明した実施形態に関連する変形態様をいくつか説明する。
前記各実施形態におけるアクチュエータは、電動モータ2であるが、本発明における、アクチュエータは電動モータ以外のアクチュエータ、例えば油圧アクチュエータであってもよい。また、本発明におけるアクチュエータは、回転型のアクチュエータに限らず、シリンダ、リニアモータ等の直動型のアクチュエータであってもよい。
なお、アクチュエータが回転型のアクチュエータである場合には、該アクチュエータが出力する駆動力は回転駆動力(トルク)となり、アクチュエータが直動型のアクチュエータである場合には、該アクチュエータが出力する駆動力は並進駆動力(並進力)となる。
また、本発明における動力伝達要素は、減速機に限らず、増速機であってもよい。あるいは、該動力伝達要素は、ばね性を有するものであれば、ボールネジ等、直動運動と回転運動との変換を行う動力伝達要素であってもよい。
また、本発明における駆動対象要素は、回転部材に限らず、ピストン等、直動部材であってもよい。
また、本発明におけるばね部材は、トーションバーに限らず、ゼンマイばね、コイルばね、板ばねなど、他の形態のばね部材であってもよい。
また、前記実施形態では、電動モータ2(アクチュエータ)からトーションバー4に至る系が回転系であるため、オブザーバ16,21の処理で、慣性モーメントJrの設定値を使用している。
ただし、例えばアクチュエータからばね部材に至る系がばね部材に並進力を付与するように構成された系であるような動力装置においては、当該系の慣性質量の設定値を用いて、前記オブザーバ16,21の処理と同様の処理を実行することで、アクチュエータの基本指令値を補正するための操作量を決定するようにすればよい。
1…動力装置、2…電動モータ(アクチュエータ)、3…減速機(動力伝達要素)、5…回転部材(駆動対象要素)、10…回転検出器(変位動作検出手段)、11…トルク検出器(力検出手段)、15…基本指令値決定部(基本指令値決定手段)、16,21…オブザーバ(操作量決定手段)、17…モータ制御部(アクチュエータ制御手段)、21b…ローパスフィルタ。

Claims (2)

  1. 駆動対象要素を動かすための駆動力を出力するアクチュエータと、該アクチュエータの駆動力が動力伝達要素を介して入力され、入力された駆動力を弾性力に変換して前記駆動対象要素に出力するばね部材とを備え、前記動力伝達要素が前記アクチュエータ側の入力部と前記ばね部材側の出力部との間にばね性を有するように構成された動力装置の制御システムであって、
    前記駆動対象要素に実際に付与される力に応じた出力を発生する力検出手段と、
    前記アクチュエータの出力部の変位動作に応じた出力を発生する変位動作検出手段と、
    前記力検出手段の出力により示される力の値を前記駆動対象要素に付与すべき力の目標値に収束させるように、該力検出手段の出力と該力の目標値とに応じて前記アクチュエータの駆動力の制御用の基本指令値を逐次決定する基本指令値決定手段と、
    前記アクチュエータに実際に出力させるべき駆動力を規定するアクチュエータ制御目標値を逐次決定し、該アクチュエータ制御目標値に応じて前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段と、
    前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位加速度の値と前記アクチュエータから前記ばね部材に至る系の慣性質量又は慣性モーメントの設定値とから規定される慣性力と、前記力検出手段の出力により示される力の検出値との合成力に、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力を近づけるように前記基本指令値を補正するための操作量を、前記変位動作検出手段の出力と前記力検出手段の出力と前記アクチュエータ制御手段が決定したアクチュエータ制御目標値とに応じて決定する操作量決定手段とを備え、
    前記アクチュエータ制御手段は、新たなアクチュエータ制御目標値を決定するとき、前記基本指令値に前記操作量に応じた補正を施すことにより該アクチュエータ制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とする動力装置の制御システム
  2. 請求項1記載の動力装置の制御システムにおいて、
    前記操作量決定手段は、前記変位動作検出手段の出力により示される前記アクチュエータの出力部の変位速度の値と、前記力検出手段の出力により示される力の値と、前記アクチュエータ制御目標値に応じて前記駆動対象要素に付与される駆動力の推定値との線形結合値を入力するローパスフィルタを備え、該ローパスフィルタの出力値と、前記線形結合値のうちの前記変位速度の値に関する項との偏差に所定のゲイン値を乗じることにより前記操作量を決定するように構成されていることを特徴とする動力装置の制御システム
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