JP6915470B2 - ロボットの制御装置 - Google Patents

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本発明は、ロボットの動作を制御する装置に関する。
従来、ロボットのアームの先端近傍に加速度量を検出する加速度センサを取り付け、加速度センサにより検出された加速度量に基づいて、アームの先端に生じた振動を抑制するように各関節部の駆動部を制御する指令値を補償するものがある(特許文献1参照)。
特開平10−100085号公報
ところで、このように加速度センサにより検出された加速度量を用いる手法では、実際に振動が発生するアームの先端近傍に加速度センサを取り付ける必要がある。しかしながら、現実のロボットに適用する場合には、アームの先端近傍に加速度センサを取り付けるスペースや、加速度センサまでの配線の取り回し等が問題となり、実現が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加速度センサを用いることなくロボットの振動を抑制できるロボットの制御装置を提供することにある。
請求項1記載のロボットの制御装置によれば、設置面に対し垂直となる第1軸と、この第1軸に対して垂直となる第2軸と、この第2軸以降に連結される複数の軸のうち、少なくとも1つが第2軸に対して平行となる軸を備える4軸以上のアームを有するロボットを制御対象とする。速度パターン生成部は、アームの手先を移動させる最終目標位置が与えられると、その手先を最終目標位置に移動させる速度パターンを生成する。指令値算出部は、手先を制御周期毎の通過目標位置に移動させるように、サーボ機構に与える指令値を算出する。
上記構成のアームを有するロボットについては、アーム全体を1つのバネと見做し、
「アームのイナーシャ」−「アームバネ」−「ワークのイナーシャ」が連結したモデルを想定することができる。この場合、「アームのイナーシャ」と「アームバネ」とは、手先の位置に応じて変化することになる。そして、アームが手先に保持したワークを移動させるため加速する際には、慣性力によってアームの先端側の移動が遅れ、減速する際には、逆に先端側の移動が先に進む。これにより、振動が発生する。
そこで、バネ定数演算部は、手先の現在位置に応じてアームのバネ定数を演算し、イナーシャ演算は、同じく手先の現在位置に応じて、アームと手先に保持されるワークとについてのイナーシャを演算する。そして、加速度算出部が、指令値が制御周期毎に変化する際の加速度を算出する。補正量演算部は、バネ定数,イナーシャ及び加速度から指令値の補正量を演算すると、指令値補正部は、指令値を補正量に基づき補正してサーボ機構に出力する。
これにより、アームの加速時には、先端側が遅れる分だけアームの基部側が先に進むように指令値が補正され、アームの減速時には、先端側が進む分だけアームの基部側が遅れるように指令値が補正されて、振動が抑制される。したがって、アームの先端部に加速度センサ等を取り付けずとも、アームが手先に保持したワークを移動させる際に発生する振動を抑制することができる。
請求項2記載のロボットの制御装置によれば、バネ定数演算部は、アーム全体のバネ定数を演算し、イナーシャ演算部は、アーム全体及びワークを含むイナーシャを演算する。これにより、演算量を減らして補正処理を高速に実行できる。
請求項3記載のロボットの制御装置によれば、バネ定数演算部は、第3軸から手先までの距離をL,第1軸から手先までの距離をL,第1軸を基準とする第3軸までのバネ定数をK12,第3軸を基準とする手先までのバネ定数をKとすると、補正量を求めるために使用するバネ定数Kを、次式
1/K={1/K12+L /(K )}
で求める。これにより、アームを一体的にバネとして捉えた際のバネ定数Kを迅速に求めることができる。
請求項4記載のロボットの制御装置によれば、バネ定数演算部は、アームの各軸を基準とするバネ定数を演算し、イナーシャ演算部は、各軸を基準とするイナーシャを演算する。そして、補正量演算部は、各軸に対応するイナーシャを各軸に対応するバネ定数で除して各軸に対応する補正係数を求め、それらの補正係数のうち最大値を示したものを用いて各軸に適用する補正量を決定する。すなわち、アームの各軸の物理特性は、それぞれの回転方向位置によって異なる。しかし、各軸に対応する補正係数を個別に適用すると、各軸の遅れ量が大きく異なって、当初に予定した手先の移動軌跡が維持できなくなる可能性が有る。そこで、補正量演算部が、補正係数のうち最大値を示したものを用いて各軸に適用する補正量を決定することにより、移動軌跡を維持できる範囲で振動を抑制できる。
請求項5記載のロボットの制御装置によれば、補正量演算部は、バネ定数を1次近似式により演算する。例えば、請求項3のようにし演算して得られるバネ定数Kは、距離Lの2乗に対して曲線を描く。その曲線に対して値域を複数に区切った区間については、誤差を大きくすることなく1次近似を行うことができる。したがって、補正に使用するバネ定数Kをより簡単に得ることができる。
請求項6記載のロボットの制御装置によれば、指令値補正部は、補正した指令値に対しローパスフィルタ処理を行う。補正値には加速度がパラメータとして含まれているため、加速度に広域のノイズ成分が重畳されたり、立上りが急峻になるとトルクが飽和する場合がある。そこで、補正した指令値についてローパスフィルタ処理を行うことにより、トルクが飽和することを防止できる。
請求項7記載のロボットの制御装置によれば、指令値補正部は、イナーシャをバネ定数で除した補正係数に応じて、ローパスフィルタの遮断周波数を可変設定する。これにより、イナーシャ及びバネ定数も考慮して遮断周波数を適切に設定できる。
第1実施形態であり、ロボットシステムにおけるコントローラの構成を中心に示す機能ブロック図 ロボットシステムの構成を示す図 制振制御に用いるロボットのモデルを説明する図 本実施形態を適用対象とするロボットの構成を説明する図(その1) 本実施形態を適用対象とするロボットの構成を説明する図(その2) 本実施形態を適用対象とするロボットの構成を説明する図(その3) 制振制御の原理を説明する図 バネ定数Kを求める式の導出を説明する図 制振制御の内容を示すフローチャート 比較例及び本実施形態の制振制御を適用した角速度パターンを示すタイムチャート 比較例及び本実施形態における目標位置と実際の手先位置との誤差を示すタイムチャート 第2実施形態であり、制振制御の内容を示すフローチャート 第3実施形態であり、バネ定数Kを(7)式で求めた曲線を示す図 図13に示すバネ定数Kを一次近似した一例を示す図
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図11を参照しながら説明する。図2に示すように、ロボットシステム1は、垂直多関節型のロボット2、ロボット2を制御するコントローラ3、コントローラ3に接続されたペンダント4を備えている。このロボットシステム1は、一般的な産業用に用いられている。
ロボット2は、いわゆる6軸の垂直多関節型ロボットとして周知の構成を備えており、ベース5上に、Z方向の軸心を持つ第1軸(J1)を介してショルダ6が水平方向に回転可能に連結されている。ショルダ6には、Y方向の軸心を持つ第2軸(J2)を介して上方に延びる下アーム7の下端部が垂直方向に回転可能に連結されている。下アーム7の先端部には、Y方向の軸心を持つ第3軸(J3)を介して第一上アーム8が垂直方向に回転可能に連結されている。
第一上アーム8の先端部には、X方向の軸心を持つ第4軸(J4)を介して第二上アーム9が捻り回転可能に連結されている。第二上アーム9の先端部には、Y方向の軸心を持つ第5軸(J5)を介して手首10が垂直方向に回転可能に連結されている。手首10には、X方向の軸心を持つ第6軸(J6)を介してフランジ11が捻り回転可能に連結されている。
ベース5、ショルダ6、下アーム7、第一上アーム8、第二上アーム9、手首10およびフランジ11は、ロボット2のアームとして機能し、アームの先端となるフランジ11には、図1に示すようにワーク13を保持するための図示しないツールが取り付けられる。ロボット2に設けられている各軸(J1〜J6)には、それぞれに対応して駆動源となる図示しないモータが設けられている。
コントローラ3は、ロボット2の制御装置であり、図示しないCPU、ROMおよびRAM等で構成されたコンピュータからなる制御手段においてコンピュータプログラムを実行することで、ロボット2を制御している。具体的には、コントローラ3は、インバータ回路等から構成された駆動部を備えており、各モータに対応して設けられているエンコーダで検知したモータの回転位置に基づいて例えばフィードバック制御によりそれぞれのモータを駆動する。
コントローラ3は、CPU、ROM、RAM、駆動回路、及び位置検出回路等を備えている。ROMは、ロボット2のシステムプログラムや動作プログラム等を記憶している。RAMは、これらのプログラムを実行する際にパラメータの値等を記憶する。位置検出回路には、ロボット2の各関節に設けられた図示しない各エンコーダの検出信号がそれぞれ入力される。位置検出回路は、各エンコーダの検出信号に基づいて、各関節に設けられたモータの回転角度位置を検出する。図1に示すように、こうしたコントローラ3において、軌道生成部21、指令値補正部22及びサーボ機構23が構成されている。
コントローラ3は、ロボット2の動作プログラム等に基づいて、第6軸の先端部である手先の目標停止位置を算出する。そして、コントローラ3は、目標停止位置に基づいて、各軸の目標停止角度位置を算出する。軌道生成部21は、各軸の目標停止角度位置に基づいて、各軸の角度位置を目標停止角度位置まで変更する際の各軸の角速度パターンを生成する。軌道生成部21は、各軸の角速度パターンに基づいて、各軸の直近の目標角度位置である指令値θnを算出する。駆動制御部に相当するサーボ機構23は、各エンコーダにより検出された各軸の角度θenと指令値θnとに基づいて、各軸の角度を指令値θnとするように、各モータを各駆動トルクTnで制御する。指令値補正部22は、指令値θnに補正を加えた指令値θn’をサーボ機構23に出力する。その補正の詳細については後述する。
本実施形態では、コントローラ3は、ロボット2を図3に示す動作モデルとして捉え、手先の振動を抑制する制振制御を実行する。同図に示すように、6軸のロボット2は、基部にある第1軸のモータに対して6軸のアームが連結されており、そのアームの先端にワーク13が保持されている。この場合、6軸のアームを1つのバネとして見ると、そのバネにアームのイナーシャと、ワーク13である負荷のイナーシャとが連結されたモデルとして見ることができる。
次に、このモデルが適用可能なロボットのアーム構造について図4から図6を参照して説明する。図4は、図2に示す垂直6軸ロボットに対応したもので、設置面に対し垂直となる第1軸と、この第1軸に対して垂直となる第2軸と、この第2軸以降に連結される複数の軸のうち、少なくとも1つが第2軸に対して平行となる第3軸を備える4軸以上のアームを有するロボットである。図5は、図4に示す構成の第5軸を除いて、第6軸に相当するものを第5軸とした垂直5軸ロボットである。また、図6は、図4に示す構成の第2軸と第3軸との間に、第2軸に直行する第7軸を加えた垂直7軸ロボットである。これらに対して、図2に示すモデルが同様に適用できる。
図7は、本実施形態の制振制御の原理を説明するもので、本実施形態における制御と比較例とを示す。図中における上方のポイントがアームの基部側,第1軸のモータ側に、下方のポイントが先端側,負荷側に相当し、アームを1つのリンクのみに単純化している。このモデルにより、基部側が図中右方向にリニアに移動する場合について説明する。上段の図が、基部側を単に移動させる場合の比較例であり、下段の図が本実施形態の制御原理を適用した場合である。
比較例では、基部が停止状態から移動を開始して右方向に加速すると、先端部には慣性力が作用するため、その分だけ移動が遅れる。逆に、基部が移動状態から停止させるために減速すると、先端部には慣性力が作用する分だけ移動位置が進む。そして、基部が停止すると、先端部の位置は、先に進んだ位置から左方向に戻る。このような動きが、アームに振動を発生させている。
この比較例の動きに対して本実施形態の制御原理を適用すると、基部が加速する際には、先端部の移動が遅れる分だけ基部を先行させるように加速させる。また、基部が減速する際には、先端部の位置が進んでいる分だけ基部を遅らせるように減速させる。そして、基部を停止させる際には、先端部が左方向に戻ろうとする復元力に合せて基部を移動させる。このように制御することで、アームの振動を抑制する。
次に、実際の制御に使用するバネ定数Kの求め方について、図8を参照して説明する。図中右側のポイントが、6軸ロボット2の第1軸及び第2軸(J1,J2)の位置を示し、図中左側のポイントが手先の位置を示し、それらの間にあるポイントが第3軸(J3)の位置を示す。
アームを横から見た状態のXZ平面内において、第1軸及び第2軸から第3軸までの距離をL,第3軸から手先までの距離をL,第1軸及び第2軸から手先までの距離をLとする。また、アームを上から見た状態のXY平面内において、X軸を基準とする第3軸のY軸方向への角度偏差をΔθ12とし、X軸を基準とする手先のY軸方向への角度偏差をΔθとする。
手先に対し、質量M,加速度aによる慣性力F(=M・a)が作用した際に、第1軸及び第2軸作用するトルクτ12,第3軸に作用するトルクτは、それぞれ
τ12=L×F,τ=L×F …(1)
となる。
第1軸及び第2軸を基準とする手先のバネ係数をK12とし、第3軸を基準とする手先のバネ係数をKとすると、角度偏差Δθ12,Δθは、
Δθ12=τ12/K12,Δθ=τ/K …(2)
となり、Y軸方向への位置変位ΔY12,ΔYは、
ΔY12=L×τ12/K12=L ×F/K12
ΔY=L×τ/K=L ×F/K …(3)
となる。
位置変位の合計ΔYは、
ΔY=ΔY12+ΔY=L ×F/K12+L ×F/K
=(L /K12+L /K)F …(4)
である。また(1)式より、F=τ12/Lであるから、
ΔY=(L /K12+L /K)τ12/L …(5)
となる。
角度偏差の合計Δθは、ここでは、サンプリング周期毎の角度偏差であり、
Δθ≒0であるから、
Δθ≒tanΔθ=ΔY/L
=(L /K12+L /K)τ12/L
=(1/K12+1/K×L /L )τ12 …(6)
となる。そして、(6)式の括弧内部は、バネ定数Kの逆数であるから、
1/K=(1/K12+1/K×L /L ) …(7)
である。このようにバネ定数Kは、各軸の剛性,つまりバネ定数K12,K及び手先距離Lの逆数に依存した関数となる。バネ定数K12,Kについては、第2軸,第3軸に使用されているクロスローラベアリングの剛性値を用いるか、予め実測した値を用いる。本実施形態では、この(7)式で示されるバネ定数Kを制振制御に使用する。
図9は、本実施形態における制振制御の手順を示すフローチャートである。軌道生成部21は、各軸の目標位置である手先の停止時の角度位置を取得すると(S1)、その各軸の目標位置に基づいて各軸の角速度パターンを生成する(S2)。例えば、後述する図10に破線で示す指令角速度のように、台形の角速度パターンを生成する。尚、各図中に示す「速度」は何れも「角速度」である。また、ステップS1における目標位置は、最終目標位置に相当する。
続いて、軌道生成部21は、生成した角速度パターンに基づいて、指令値である各軸の目標角度θ(n=1〜6)を算出する(S3)。ここでの目標角度θnは、今回の制御周期,つまり各軸エンコーダが検出した角度θenをサンプリングする周期における第n軸の目標角度に相当する。また、軌道生成部21は、速度パターン生成部及び指令値生成部に相当する。
次に、指令値補正部22は、各軸の目標角度から手先の目標位置Pを求めると(S4)、その目標位置Pに応じたバネ定数Kを(7)式で求めると共に、イナーシャIを求める(S5)。尚、目標位置Pを求める際に、(7)式の演算パラメータである距離L及びLも求められる。イナーシャIは、ワーク13及びアームの質量と距離Lとの積である。目標位置Pは通過目標位置に相当する。続いて、各軸の速度パターンから、各軸がそれぞれ目標角度に至る間の角加速度ω(ドット)を計算する(S6)。
次に、指令値補正部22は、角度の補正量{Iω(ドット)/K}を計算する(S7)。すなわち、Δθ=T/K=I・dω/dt/Kである。そして、各軸の角度指令値θnに補正量{Iω(ドット)/K}を加えた修正指令値θn’を計算すると(S8)、その修正指令値θn’にローパスフィルタ処理を行ってから(S9)サーボ機構23に転送する(S10)。それから、ステップS3に戻る。指令値補正部22は、バネ定数演算部,イナーシャ演算部,加速度算出部及び補正量演算部に相当する。
尚、ステップS9においてローパスフィルタ処理を行うのは、以下の理由による。補正量に角加速度ω(ドット)がパラメータとして含まれているため、角加速度に広域のノイズ成分が重畳されたり、立上りが急峻になるとトルクが飽和する場合がある。そこで、補正した指令値についてローパスフィルタ処理を行うことにより、トルクが飽和することを防止する。その遮断周波数は、例えば数Hz〜10数Hz程度である。
図10は、比較例である通常制御及び本実施形態による角速度パターンを示すタイムチャートである。破線は、ステップS2において生成された角速度パターンに相当し、指令角速度を示している。一点鎖線は、生成された角速度パターンに基づきステップS3で算出した指令値θを、そのままサーボ機構23に転送した場合の角速度を示している。実線は、本実施形態の制振制御を実行した場合の角速度を示している。
同図に示すように、停止状態からの加速開始時に、本実施形態の制御では比較例よりも角速度が上昇するタイミングが早くなっている。これは、図7に示す(2)加速時の動きに対応する。またこのとき、ステップS9において修正指令値θ’がローパスフィルタ処理されているため、修正指令値θ’の急激な変化が抑制されている。これにより、修正指令値θ’に基づいて各軸モータが制御された際に、各軸の角速度が急激に変化することが抑制されている。
また、加速時から等速時への移行時に、本実施形態の制御では比較例よりも角速度が一定になるタイミングが遅くなっている。これは、図7に示す(3)減速時の動きに対応する。
次の等速時から減速時への移行時においても、本実施形態の制御では比較例よりも角速度の低下するタイミングが早くなり、次の減速時から移動終了時への移行時においても、本実施形態制御では比較例よりも角速度が低下するタイミングが遅くなっている。これは、図7に示す(3)減速時及び(4)停止時の動きに対応する。
図11は、上記の移動終了時における比較例及び本実施形態における目標位置と実際の手先位置との誤差をシミュレーションしたタイムチャートである。同図に一点鎖線で示すように、比較例では、目標位置との誤差が負側と正側とに交互に変化しており、アームの手先が振動している。これに対して、実線で示すように、本実施形態の制御では、目標位置に対する誤差が0に近くなっている。すなわち、手先の振動が抑制されている。
以上のように本実施形態によれば、軌道生成部21は、アームの手先を移動させる最終目標位置が与えられると、その手先を最終目標位置に移動させる速度パターンを生成し、手先をサンプリング周期毎の目標位置に移動させるように、サーボ機構23に与える角度指令値θnを算出する。指令値補正部22は、手先の現在位置に応じてアームのバネ定数Kを演算し、アームと手先に保持されるワークとについてのイナーシャIを演算し、指令値がサンプリング周期毎に変化する際の加速度ω(ドット)を算出する。そして、これらの値から指令値の補正量{Iω(ドット)/K}を演算すると、指令値θnを前記補正量に基づき補正してサーボ機構23に出力する。
これにより、アームの加速時には、先端側が遅れる分だけアームの基部側が先に進むように指令値が補正され、アームの減速時には、先端側が進む分だけアームの基部側が遅れるように指令値が補正されて、振動が抑制される。したがって、アームの先端部に加速度センサ等を取り付けずとも、アームが手先に保持したワーク13を移動させる際に発生する振動を抑制することができる。
また、指令値補正部22は、アーム全体のバネ定数Kを演算し、アーム全体及びワーク13を含むイナーシャIを演算するので、演算量を減らして補正処理を高速に実行できる。具体的には、バネ定数Kを(7)式で求めるので、アームを一体的にバネとして捉えた際のバネ定数Kを迅速に求めることができる。これにより、ロボット2を高速で動作させることができる。
また、指令値補正部22は、補正した指令値θn’に対しローパスフィルタ処理を行う。これにより、加速度に広域のノイズ成分が重畳されたり、立上りが急峻になる場合でも、トルクが飽和することを防止できる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図12に示す第2実施形態の制御では、ステップS4を実行すると、指令値補正部22は、目標位置Pから、各軸のバネ定数K1〜K6と、イナーシャI1〜I6とを求める(S11)。バネ定数K1〜K6については、各軸に(7)式を適用することで計算する。更に、それらに基づき、各軸の補正係数I1/K1〜I6/K6を求めると(S12)、それらのうち値が最大となる補正係数max(I/K)をMaxAとして選択する(S13)。続いて、ステップS6を実行すると、補正係数MaxAを用いて補正量Adj{=MaxA・ω(ドット)}を計算し(S14)、指令値θに補正量Adjを加えて修正する(S15)。
すなわち、アームの各軸の物理特性は、それぞれの回転方向位置によって異なる。しかし、各軸に対応する補正係数を個別に適用すると各軸の遅れ量が大きく異なり、当初に予定した手先の移動軌跡が維持できなくなる可能性が有る。そこで、補正係数の最大値MaxAを用いて各軸に適用する補正量Adjを決定することで、移動軌跡を維持できる範囲で振動を抑制する。続いて、ステップS9と同様に修正指令値θ’に対してローパスフィルタ処理を行うが、ここでのフィルタの帯域,遮断周波数は、補正係数MaxAの逆数の平方根で設定する(S16)。それから、ステップS10に移行する。
以上のように第2実施形態によれば、指令値補正部22は、アームの各軸についてバネ定数K1〜K6を演算すると共に、アームの各軸についてイナーシャI1〜I6を演算する。そして、補正係数I/Kが最大となるものとMaxAとして選択し、その最大補正係数に基づく補正量Adjにより各軸の指令値θnを修正するようにした。このような制御による場合も、第1実施形態と同様に手先の振動を抑制できる。また、イナーシャIをバネ定数Kで除した補正係数に応じてローパスフィルタの遮断周波数を可変設定するので、それらの値を考慮して遮断周波数を適切に設定できる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、バネ定数Kを(7)式により求めることに替えて、1次近似式を用いて求める。図13は、バネ定数Kを(7)式で求めた場合の一例であり、横軸に距離Lの2乗を取ると、曲線を描く。図13は、距離Lの値域は300mm〜1500mmであるが、図14に示すように、手先の振動が顕著になる900mm以上の領域とそれ未満の領域とを分けてそれぞれの領域に1次近似を適用すると、少ない誤差で近似できる。
そして、1次近似で求めた2つのバネ定数K1,K2による連立方程式を解くことで、2つの直線の交点が求められる。その交点で、2つのバネ定数K1,K2の適用を切り替えるようにすれば良い。図14に示す例では、交点はL=767mmとなっている。
以上のように第3実施形態によれば、指令値補正部22は、バネ定数Kを1次近似式により演算するので、指令値の補正に使用するバネ定数Kをより簡単に得ることができる。
本発明は上記した、又は図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
ステップS9,S16におけるローパスフィルタ処理は、必要に応じて行えば良い。
第1実施形態におけるバネ定数Kは、(7)式以外の式によって求めても良い。
第3実施形態における一次近似は、3以上の領域に分けて近似を行っても良い。
図面中、1はロボットシステム、2はロボット、3はコントローラ、13はワーク、21は軌道生成部、22は指令値補正部を示す。

Claims (7)

  1. 設置面に対し垂直となる第1軸と、この第1軸に対して垂直となる第2軸と、この第2軸以降に連結される複数の軸のうち、少なくとも1つが前記第2軸に対して平行となる軸を備える4軸以上のアームと、
    このアームをサーボ機構を介して駆動制御するロボットの制御装置であって、
    前記アームの手先を移動させる最終目標位置が与えられると、前記手先を前記最終目標位置に移動させる速度パターンを生成する速度パターン生成部と、
    前記手先を、制御周期毎の通過目標位置に移動させるように、前記サーボ機構に与える指令値を算出する指令値算出部と、
    前記手先の現在位置に応じて、前記アームのバネ定数を演算するバネ定数演算部と、
    前記手先の現在位置に応じて、前記アームと前記手先に保持されるワークとについてのイナーシャを演算するイナーシャ演算部と、
    前記指令値が前記制御周期毎に変化する際の加速度を算出する加速度算出部と、
    前記バネ定数、前記イナーシャ及び前記加速度から、前記指令値の補正量を演算する補正量演算部と、
    前記指令値を、前記補正量に基づき補正して前記サーボ機構に出力する指令値補正部とを備えるロボットの制御装置。
  2. 前記バネ定数演算部は、前記アーム全体のバネ定数を演算し、
    前記イナーシャ演算部は、前記アーム全体及び前記ワークを含むイナーシャを演算する請求項1記載のロボットの制御装置。
  3. 前記バネ定数演算部は、第3軸から前記手先までの距離をL
    前記第1軸から前記手先までの距離をL
    前記第1軸を基準とする前記第3軸までのバネ定数をK12
    前記第3軸を基準とする前記手先までのバネ定数をKとすると、
    前記補正量を求めるために使用するバネ定数Kを、次式
    1/K={1/K12+L /(K )}
    で求める請求項2記載のロボットの制御装置。
  4. 前記バネ定数演算部は、前記アームの各軸を基準とするバネ定数を演算し、
    前記イナーシャ演算部は、前記アームの各軸を基準とするイナーシャを演算し、
    前記補正量演算部は、各軸に対応するイナーシャを各軸に対応するバネ定数で除すことで、各軸に対応する補正係数を求め、前記補正係数のうち最大値を示したものを用いて各軸に適用する補正量を決定する請求項1記載のロボットの制御装置。
  5. 前記補正量演算部は、前記バネ定数を1次近似式により演算する請求項1から4の何れか一項に記載のロボットの制御装置。
  6. 前記指令値補正部は、補正した指令値に対しローパスフィルタ処理を行う請求項1から5の何れか一項に記載のロボットの制御装置。
  7. 前記指令値補正部は、前記イナーシャを前記バネ定数で除した補正係数に応じて、前記ローパスフィルタ処理の遮断周波数を可変設定する請求項6記載のロボットの制御装置。
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