JP4269150B2 - ロボット制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
この発明はロボットの制御装置に関し、特に、運動指令発生部分に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業用ロボット等で搬送や溶接などの作業を行わせる場合、いくつかのポイントを教示し、その教示点までの補間方法を指定して、ロボットの各関節のモータへの指令を発生させることで、動作させている。例えば図18のように、ポイントデータとロボット言語で構成されるジョブファイル1を読み込み、逐次実行していく。ジョブファイル1から読み出されたロボット言語(コマンド)は運動指令生成部2によって、直線や円弧など指定された補間方法で、現在位置から目標位置までを補間しながら一定周期毎に指令を生成していく。生成された位置指令は逆運動学演算部3によって、各関節角度指令に変換される。また、その各関節角度指令に応じて、位置・速度フィードバック制御部4によって、モータへのトルク指令を生成する。このように生成されたトルク指令によって、各関節軸のモータが駆動され、ロボットが教示位置まで動作し、作業に必要な動作を行う。この指令演算について、制御系の出力から位置指令への関係を表す逆伝達関数に基づいて付加軸先端の参照位置関数を生成する指令生成方法がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−149210号公報(第3頁右上第4行〜第19行、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ロボットは必ずしも指令通りに運動するわけではない。なぜならば、ジョブファイル1で指定するのは、ポイント、速度、補間方法であり、サーボ系の遅れ、機構の特性などを含んだロボットの運動特性を反映していないからである。つまり、サーボ系の応答遅れによって、ロボット先端の運動指令からの追従遅れが生じたり、多自由度アームの動力学特性による運動指令からのずれが生じたりする。
また、特許文献1のように、サーボ系と機構を考慮した逆伝達関数による指令生成方法があるが、逆伝達関数に応じた高次の位置指令関数が必要であり、台形指令など従来から使われている指令関数が使えないという問題があった。
本発明は、理想とする動作軌道に沿ってロボットを正確に動作させるロボット制御装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
本発明の請求項1記載のロボット制御装置は、ロボットの各関節軸のモータを動作させるロボット制御装置であって、予め教示された位置データ、動作速度、補間方法に応じて制御周期毎の前記ロボット先端の直交座標系での位置指令を生成する運動指令生成部と、前記直交座標系での位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する逆運動学演算部と、前記各関節座標系での角度指令に基づいて前記モータへのトルク指令を生成する位置・速度フィードバック制御部と、前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、角度指令からシミュレーション角度を計算して出力する制御シミュレーション部と、前記角度指令と前記シミュレーション角度との差分を角度指令修正量として出力する修正量演算部と、を有し、前記角度指令に前記角度指令修正量を加算した修正角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力して制御を行うロボット制御装置において、前記角度指令修正量の大きさが所定の値以下であるかを判定する修正量判定部と、前記位置・速度フィードバック制御部の前段に配置され前記逆運動学演算部から出力された角度指令または前記修正角度指令を格納する指令格納部と、前記指令格納部に格納された指令値に前記角度指令修正量を加算した値を新たな修正角度指令として前記指令格納部に再格納するとともに、前記修正量判定部によって前記角度指令修正量の大きさが前記所定の値より大きいと判定された場合には前記指令格納部に格納された修正角度指令を前記制御シミュレーション部へ入力させ、前記角度指令修正量の大きさが前記所定の値以下と判定された場合にのみ前記指令格納部に格納された修正角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力させて前記モータを動作させる指令修正部と、を有することを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2記載のロボット制御装置は、ロボットの各関節軸のモータを動作させるロボット制御装置であって、予め教示された位置データ、動作速度、補間方法に応じて制御周期毎の前記ロボット先端の直交座標系での位置指令を生成する運動指令生成部と、前記ロボットの各関節座標系での角度指令に基づいて前記モータへのトルク指令を生成する位置・速度フィードバック制御部と、前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、位置指令からシミュレーション位置を計算して出力する制御シミュレーション部と、前記位置指令と前記シミュレーション位置との差分を位置指令修正量として出力する修正量演算部と、前記位置指令に前記位置指令修正量を加算した修正位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する逆運動学演算部と、を有し、前記逆運動学演算部が出力する角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力して制御を行うロボット制御装置において、前記位置指令修正量の大きさが所定の値以下であるかを判定する修正量判定部と、前記逆運動学演算部の前段に配置され前記運動指令生成部から出力された位置指令または前記修正位置指令を格納する指令格納部と、前記指令格納部に格納された指令値に前記位置指令修正量を加算した値を新たな修正位置指令として前記指令格納部に再格納するとともに、前記修正量判定部によって前記位置指令修正量の大きさが所定の値より大きいと判定された場合には前記指令格納部に格納された修正位置指令を前記制御シミュレーション部へ入力させ、前記位置指令修正量の大きさが前記所定の値以下と判定された場合にのみ前記指令格納部に格納された修正位置指令を前記逆運動学演算部へ入力させて前記モータを動作させる指令修正部と、を有することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項3記載のロボット制御装置は、前記制御シミュレーション部は、入力された直交座標系での位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する第2逆運動学演算部と、前記変換された角度指令に基づき前記位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルにて計算した各関節座標系でのシミュレーション角度を直交座標系でのシミュレーション位置に変換する順運動学演算部とを有することを特徴とするものである。
本発明の請求項4記載のロボット制御装置は、前記ロボットの作業対象物の形状データと、前記ロボットと前記作業対象物との位置関係から、前記作業対象物に対して直交座標系での理想的な軌道を生成する理想軌道生成部を有し、前記修正量演算部は、前記運動指令生成部が生成する位置指令と前記制御シミュレーション部が出力するシミュレーション位置との差分に前記運動指令生成部が生成する位置指令と前記理想軌道のデータとのずれを加えた値を前記位置指令修正量として出力することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項5記載のロボット制御装置は、前記逆運動学演算部から出力された角度指令と前記ロボットの各関節を動作させるモータの角度検出手段にて検出されたフィードバック角度との差分を求め、角度指令の補正量として出力する補正量演算部と、前記角度指令の補正量を格納し前記指令修正部へ出力する補正量格納部と、を有し、前記指令修正部は、前記指令格納部に格納された修正角度指令に前記角度指令の補正量を加算した値を前記指令格納部に再格納することを特徴とするものである。
本発明の請求項6記載のロボット制御装置は、前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、前記指令格納部から出力される修正角度指令から前記ロボットの各関節について関節速度と関節加速度を計算して出力する第2制御シミュレーション部と、前記関節速度と前記関節加速度の各々について予め決められた最大速度、最大加速度に対する、前記関節速度、前記関節加速度のそれぞれの倍率を求め、前記倍率のうち最大のものが1より大きい場合には前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定する関節速度・加速度判定部と、前記関節速度・加速度判定部によって前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定された場合には、前記ロボットの動作速度あるいはその加減速パターンを再計算し運動指令生成部に入力する直交速度・加減速パラメータ演算部と、を有し、前記運動指令生成部は前記再計算されたパターンに応じて前記位置指令を生成することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項7記載のロボット制御装置は、前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、前記指令格納部から出力される修正位置指令から前記ロボットの各関節について関節速度と関節加速度を計算して出力する第2制御シミュレーション部と、前記関節速度と前記関節加速度の各々について予め決められた最大速度、最大加速度に対する、前記関節速度、前記関節加速度のぞれぞれの倍率を求め、前記倍率のうち最大のものが1より大きい場合には前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定する関節速度・加速度判定部と、前記関節速度・加速度判定部によって前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定された場合には、前記ロボットの動作速度あるいはその加減速パターンを再計算し運動指令生成部に入力する直交速度・加減速パラメータ演算部と、を有し、前記運動指令生成部は前記再計算されたパターンに応じて前記位置指令を生成することを特徴とするものである
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
この発明の第1の実施例を図1から図3で説明する。図1は本発明のロボット制御装置の構成概略図である。JOBファイル1は作業を教示する時に作成するもので、教示位置データや動作速度、補間方法等がロボット言語で記述されている。このJOBファイル1は教示時に装置に付随するROMやハードディスク等のストレージに格納される。実際にロボットが作業動作する時には、このJOBファイル1を内部メモリに読み込み、コマンドとして、運動指令生成部2に送られる。運動指令生成部2では位置データや速度、補間方法、加速度等の内部パラメータに応じて、制御周期毎のロボット先端の位置指令を生成する。逆運動学演算部3ではロボット先端の位置指令をロボットの各関節角度指令に変換するための演算を行う。通常は、この各関節角度指令に応じて、位置・速度フィードバック制御部4での処理が行われ、角度指令に応じたトルク指令を生成し、モータを駆動するためのアンプへ信号を送り、モータを駆動する。位置・速度フィードバック制御部4では、角度指令および各関節軸モータの角度検出器からの角度フィードバックに応じて、位置・速度制御演算が行われてトルク指令を生成する。
【0011】
しかしながら、本発明では、指令系にシミュレーション部を内蔵することによって、生成軌道を保つように運動指令を修正していくところに特徴がある。これを実現するために、まず、逆運道学演算部3で生成され、指令格納部9aに格納された各関節の角度指令を制御シミュレーション部5aに入力する。制御シミュレーション部5aでは位置速度フィードバック制御部4とロボット機構のモデルが構成されており、サーボ系の遅れと機構の特性を考慮したシミュレーション角度が出力される。
【0012】
修正量演算部6aでは制御シミュレーション部5aで計算された軌道と逆運動学演算部3からの各関節角度指令とから、修正量を演算する。例えば、6自由度のロボットで、制御周期毎の角度指令時系列をθref(k)=(θref1(k),θref2(k),θref3(k),θref4(k),θref5(k),θref6(k)),(k=0,1,2,...)、シミュレーション角度時系列をθsim(k)=(θsim1(k),θsim2(k),θsim3(k),θsim4(k),θsim5(k),θsim6(k)),(k=0,1,2,...)とすると、修正量Δθ(k)は以下のように計算される。
【0013】
Δθ(k)=θref(k)−θsim(k) ・・・(1)
【0014】
修正量判定部7aにて、この修正量の絶対値の平均を取り、これが例えば、精度等で表わされる所定の値以下かどうか判定する。所定の値以下の場合は判定結果を0とし、そうでなければ判定結果を1とする。その後、前記判定結果および前記修正量を出力する。指令修正部8aにおいて、修正量判定部7aから入力される前記判定結果が1の場合には、修正量判定部7aから入力される前記修正量と指令格納部9aから入力される各関節の角度指令値とから、次式のように修正角度指令θref‘(k)を生成する。
【0015】
θref‘(k)=θref(k)+Δθ(k) ・・・(2)
【0016】
この修正角度指令θref‘(k)を角度指令θref(k)の代わりに指令格納部9aに格納し修正角度指令を更新する。更新された修正角度指令を制御シミュレーション部5aへ渡して上記の処理を繰り返す。前記判定結果が0の場合には、(2)式の修正を行った後、更新された修正角度指令を指令格納部9aに格納して、位置・速度フィードバック制御部4に出力して実制御を行う。
このようにすることで、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に各関節角度の運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られる。
【0017】
図2は制御シミュレーション部5aの構成例である。位置・速度制御を行うフィードバック演算部5a1、ロボットの機構をモデル化したメカモデル部5a2から構成されている。フィードバック演算部5a1は位置・速度フィードバック演算部4と同等の演算処理を行う。このとき、ゲインなどのパラメータも位置・速度フィードバック演算部4と同じ値にしておく。フィードバック演算部5a1で演算されたトルク指令をメカモデル部5a2に送り、メカモデル部5a2からの応答をフィードバック演算部5a1にフィードバックしてシミュレーションを行う。
【0018】
図3は図2の制御シミュレーション部5aの構成例をより詳細に示した図である。フィードバック演算部5a1では、位置比例、速度比例積分の制御を行っている。ここで、Kpは位置ループゲイン、Kvは速度ループゲイン、Kiは速度積分ゲイン、Jmはモータの慣性モーメント、Nは減速比である。メカモデル部5a2はロボットの機構を2慣性系で近似した例を示している。ここで、Jmはモータの慣性モーメント、Dmはモータの粘性係数、Nは減速比、Kcは減速器のバネ定数、Dcは減速器の粘性係数、Jlは負荷側の慣性モーメント、Dlは負荷側の粘性係数である。このようにシミュレーション部を構成することで、フィルタやサーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ等がシミュレーションできる。
【0019】
ここで示した制御シミュレーション部は5aは一例である。例えばフィードバック演算部5a1は位置・速度フィードバック制御部4をシミュレーションするものであるが、すべてを忠実にシミュレーションしてもよいし、簡単に1次遅れで近似してもよい。またメカモデル部5a2はロボットの機構を2慣性系機構としてモデル化したものであるが、さらにベルト駆動等がある場合は3慣性機構として詳細にモデル化するなど、必要に応じてモデルを決定する。どこまで詳細にシミュレーションするかは、実際にロボットに作業をさせる際に要求される精度やCPUの演算負荷などに応じて決定すればよい。
【0020】
(第2実施例)
第2の実施例を図4と図5で説明する。第2の実施例は第1の実施例と比較して、修正量を各関節角度で算出するのでなく、直交位置で算出するところが異なる。図4は第2の実施例のロボット制御装置の構成概略図である。JOBファイル1を内部メモリに読み込み、コマンドとして、運動指令生成部2に送られる。運動指令生成部2では位置データや速度、補間方法、加速度等の内部パラメータに応じて、制御周期毎のロボット先端の位置指令を生成する。逆運動学演算部3ではロボット先端の位置指令をロボットの各関節角度指令に変換するための演算を行う。通常は、この各関節角度指令に応じて、位置・速度フィードバック制御部4での処理が行われ、角度指令に応じたトルク指令を生成し、モータを駆動するためのアンプへ信号を送り、モータを駆動する。位置・速度フィードバック制御部4では、角度指令および各関節軸モータの角度検出器からの角度フィードバックに応じて、位置・速度制御演算が行われてトルク指令を生成する。
【0021】
しかしながら、本発明では、指令系にシミュレーション部を内蔵することによって、生成軌道を保つように運動指令を修正していくところに特徴がある。これを実現するために、まず、運動指令生成部2で生成され、指令格納部9aに格納された直交座標系での位置指令を制御シミュレーション部5bに入力する。制御シミュレーション部5bでは逆運動学演算部3と、位置速度フィードバック制御部4、ロボット機構のモデルが構成されており、サーボ系の遅れと機構の特性を考慮したシミュレーション角度が出力される。このシミュレーション角度を順運動学演算によって直交座標系でのシミュレーション位置に変換する。
【0022】
修正量演算部6bでは制御シミュレーション部5bで計算された軌道と運動指令生成部2で生成された直交座標系での位置指令とから、修正量を演算する。例えば、制御周期毎の直交座標系での位置指令時系列をPref(k)=(Prefx(k),Prefy(k),Prefz(k),Prefα(k),Prefβ(k),Prefγ(k)),(k=0,1,2,...)、直交座標系でのシミュレーション位置時系列Psim(k)=(Psimx(k),Psimy(k),Psimz(k),Psimα(k),Psimβ(k),Psimγ(k)),(k=0,1,2,...)とすると、修正量ΔP(k)は以下のように計算される。
【0023】
ΔP(k)=Pref(k)−Psim(k) ・・・(3)
【0024】
修正量判定部7bにて、この修正量の絶対値の平均を取り、これが例えば、精度等で表わされる所定の値以下かどうか判定する。所定の値以下の場合は判定結果を0とし、そうでなければ判定結果を1とする。その後、前記判定結果および前記修正量を出力する。指令修正部8bにおいて、修正量判定部7bから入力される前記判定結果が1の場合には、修正量判定部7bから入力される前記修正量と指令格納部9bから入力される直交座標系での位置指令値とから、次式のように修正位置指令Pref‘(k)を生成する。
【0025】
Pref‘(k)=Pref(k)+ΔP(k) ・・・(4)
【0026】
この修正位置指令Pref‘(k)を位置指令Pref(k)の代わりに指令格納部9bに格納し修正位置指令を更新する。更新された修正位置指令を制御シミュレーション部5bへ渡して上記の処理を繰り返す。前記判定結果が0の場合には、(4)式の修正を行った後、更新された修正位置指令を指令格納部9bに格納して、逆運動学演算部3に出力して実制御を行う。
このようにすることで、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に直交座標系での運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られる。
【0027】
図5は制御シミュレーション部5bの構成例である。図2で示したように、位置・速度制御を行うフィードバック演算部5a1、ロボットの機構をモデル化したメカモデル部5a2から構成される制御シミュレーション部5aがあり、この前段に、位置指令値から各関節角度指令値へ変換するためにの逆運動学演算部5b1と、後段に、各関節角度指令値から位置指令値に変換するための順運動学演算部5b2を設けている。フィードバック演算部、メカモデル部の詳細は図3と同様である。
このようにシミュレーション部を構成することで、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ等が直交座標系でシミュレーションできる。
【0028】
(第3実施例)
第3の実施例を図6で説明する。第3の実施例は第2の実施例(図4)に理想軌道生成部11を追加したものである。運動指令生成部2による運動指令から生成された生成軌道はあくまで、目標到達位置と動作速度により生成されたもので、これをつなぎあわせて1つの作業動作を行うことになる。例えばこのつなぎあわせのところで軌道にひずみが生じることがあり、教示者が所望する軌道とずれる可能性がある。ここで、作業対象物のCADデータなどがあればこのCADデータ上で軌道を指定し、これを運動指令から生成される軌道と重ねあわせることによって、修正量を算出できればより理想軌道に近づけることが可能となる。
【0029】
理想軌道生成部11では作業対象物のCADなどのデータ10からロボット先端が通過するべき理想軌道を生成する。ここでロボットと作業対象物との位置関係からロボット座標系での理想軌道が算出できる。また、ここでは理想軌道生成部11にCADデータを直接入力しているが、CADデータから3次元の通過点位置データを別のパソコン等で作成し、そのデータをこの理想軌道生成部11に入力してもよい。理想軌道生成部11では、入力された3次元位置データがCAD座標系である場合、これをロボット座標系での位置データに変換する。
ここで生成された理想軌道位置データと、運動指令生成部2で生成された位置指令とを比較することで、修正量を算出する。ただし、ロボットと作業対象物の位置関係はCADデータと実際とは誤差があるため、絶対量で比較を行うのではなく、相対的な位置関係で比較を行う。例えば、図のように両者の始点と進行ベクトルを一致させるようにすることで、理想軌道とのずれが相対的に算出できる。
【0030】
これに制御シミュレーション部5bで演算されたシミュレーション位置による修正量を加える。具体的には、第2の実施例と同様に直交座標系での位置指令Pref(k)、直交座標系でのシミュレーション位置Psim(k)、理想軌道とのずれΔPideal(k)=(Pidealx(k),Pidealy(k),Pidealz(k),Pidealα(k),Pidealβ(k),Pidealγ(k)),(k=0,1,2,...)とすると、修正量ΔP(k)は以下の式によって算出される。
【0031】
ΔP(k)=Pref(k)−Psim(k)+ΔPideal(k) ・・・(5)
【0032】
あとは第2の実施例と同じように、修正量判定部7bにて、この修正量が所定の範囲内にあるかの判定を行い、指令修正部8bにおいて、修正量判定部7bから入力される判定結果が1の場合には、修正量判定部7bから入力される前記修正量と指令格納部9bから入力される直交座標系での位置指令値とから、次式のように修正位置指令Pref‘(k)を生成する。
【0033】
Pref‘(k)=Pref(k)+ΔP(k) ・・・(6)
【0034】
この修正位置指令Pref‘(k)を位置指令Pref(k)の代わりに指令格納部9bに格納し修正位置指令を更新する。更新された修正位置指令を制御シミュレーション部5bへ渡して上記の処理を繰り返す。前記判定結果が0の場合には、(6)式の修正を行った後、更新された修正位置指令を指令格納部9bに格納して、逆運動学演算部3に出力して実制御を行う。
このようにすることで、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に直交座標系での運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られるとともに、さらに、CADデータなどから生成された理想軌道とのずれも修正できより正確な軌道が実現できる。
【0035】
(第4実施例)
第4の実施例を図8で説明する。第4の実施例は第1の実施例(図1)にモータの角度検出器からのフィードバック値および指令から補正量を演算する補正量演算部12および前記補正量を格納する補正量格納部13を追加したものである。まず第1の実施例のように制御シミュレーションに応じて運動指令を修正し、実際にロボットを動作させる。この時、ロボットの各関節のモータに付随するエンコーダ信号を補正量演算部12に取り込み、関節角度に換算して逆運動学演算部3からの出力である角度指令との比較を行い、補正量を演算する。例えば、制御周期毎の角度指令時系列をθref(k)=(θref1(k),θref2(k),θref3(k),θref4(k),θref5(k),θref6(k)),(k=0,1,2,...)、補正量演算部12に取り込まれたフィードバック角度時系列をθfb(k)=(θfb1(k),θfb2(k),θfb3(k),θfb4(k),θfb5(k),θfb6(k)),(k=0,1,2,...)とすると、補正量Δθr(k)は以下のように計算される。
【0036】
Δθr(k)=θref(k)−θfb(k) …(7)
【0037】
この補正量Δθr(k)を補正量格納部13に格納しておく。そして次回動作時に、補正量格納部13に格納された補正量Δθr(k)を指令修正部8aに読み込んで、指令格納部9aに格納された修正角度指令θref‘(k)から、次式のように最終的な修正角度指令θref“(k)を生成する。
【0038】
θref“(k)=θref‘(k)+Δθr(k) ・・・(8)
【0039】
この修正角度指令を指令格納部9aに格納し、位置・速度フィードバック制御部4へ出力して実制御を行う。
このようにすることで、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に各関節角度の運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られるとともに、実際のロボットの動作結果に応じて指令を補正するので、より生成軌道に近い軌道が得られる。
本実施例ではモータのエンコーダからのフィードバック値を実際の動作データとして扱っているが、これに留まらず、ロボット先端に取り付けた距離センサ等の外界センサの信号で指令補正を行ってもよい。
【0040】
(第5実施例)
第1から4の実施例の位置・速度フィードバック制御部4において、入力された角度指令に対して、移動平均やローパスフィルタ等といった加減速をなめらかにするためのフィルタ処理を行った場合、フィードバック演算部5a1の前段に同じフィルタ処理を入れることによって、フィルタの遅れを考慮した修正が可能となる。
例えば、第1の実施例の場合、各関節の角度指令をフィルタ処理を含んだ制御シミュレーション部5aに入力すると、フィルタやサーボ系の遅れと機構の特性を考慮したシミュレーション角度が出力される。
その後、修正量演算部6aにて制御シミュレーション部5aで計算された軌道と逆運動学演算部3からの各関節角度指令とから、修正量Δθ(k)を次式のように演算する。
【0041】
Δθ(k)=θref(k)−θsim(k+kf) ・・・(9)
【0042】
ここでkfはフィルタ処理による遅れを調整する調整量で予め与えられた値である。
あとは、第1の実施例と同様に、修正量判定部7aにて、この修正量が所定の範囲内にあるかの判定を行い、指令修正部8aにて、前記修正量を用いて次式のように修正角度指令θref‘(k)を生成し、
【0043】
θref‘(k)=θref(k)+Δθ(k) ・・・(10)
【0044】
修正角度指令θref‘(k)を指令格納部9aに格納し、修正量判定部7aでの判定結果が0になるまで上記の処理を繰り返す。判定結果が0になったら、位置・速度フィードバック制御部4に出力して実制御を行う。
このようにすることで、加減速のフィルタが入った場合でも、フィルタによる軌道ずれを補正する方向に運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られる。
【0045】
(第6実施例)
第6の実施例を図9から図12で説明する。図9は第6の実施例のロボット制御装置の構成概略図である。修正角度指令時系列θref‘(k)を生成するまでは第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
第6の実施例では、さらに、第2制御シミュレーション部5aにて、各関節の速度および加速度のシミュレーションを行う。第2制御シミュレーション部5aは制御シミュレーション部5aと同じものである。また、フィードバック演算部5a1およびメカモデル部5a2は図10に示すように第1の実施例と同等な形態のモデルを使用することができる。ただし、メカモデル部5a2において、関節角度だけでなく、関節速度や関節加速度も出力できるようになっている。第2制御シミュレーション部5aにより前記修正角度指令時系列θref‘(k)からサーボ系の遅れと機構の特性を考慮した関節速度時系列ωsim‘(k)=(ωsim‘1(k),ωsim‘2(k),ωsim‘3 (k),ωsim‘4(k),ωsim‘5(k),ωsim‘6(k))、関節加速度時系列αsim‘(k)=(αsim‘1(k),αsim‘2(k),αsim‘3 (k),αsim‘4(k),αsim‘5(k),αsim‘6(k))を求める。
【0046】
関節速度・加速度判定部101においては、前記関節速度時系列ωsim‘(k)および前記関節加速度時系列αsim‘(k)が所定の範囲を超えているかの判定を次のようにして行う。まず、予め設定されたロボットの特性などから決定される各関節の最大速度をωmaxi、最大加速度をαmax ,(i=1,2,...,6)とし、これらと関節速度時系列ωsim‘ (k)、関節加速度時系列αsim‘ (k),(i=1,2,...,6)の各々の絶対値|ωsim‘ (k)|、|αsim‘ (k)|とから、倍率データbω (k)、bα (k),(i=1,2,...,6)を以下のようにして求める。
【0047】
bωi(k)=|ωsim‘i(k)|/ωmaxi ・・・(11)
bαi(k)=|αsim‘i(k)|/αmaxi ・・・(12)
【0048】
全倍率データbωi(k)、bαi(k)のうち最大のものをbmaxとすると、bmax>1となった場合は倍率パラメータbmをbmaxとして各関節の速度および加速度が所定の範囲を超えたと判定し、直交速度・加減速パラメータ演算部102に前記倍率パラメータbmを出力する。bmax≦1の場合は倍率パラメータbmを1として各関節の速度および加速度が所定の範囲を超えていないと判定し、その判定結果を指令格納部9aに送って前記修正角度指令時系列θref‘(k)を用いて位置・速度フィードバック制御部4による実制御を行う。
このように各関節の速度や加速度を確認することで、減速機等の機械要素に過大な負荷をかけないようにして、ロボットに衝撃を与えないようにすることができる。
【0049】
また、上記の例では、第2制御シミュレーション部5aから各関節の速度や加速度を出力し、関節速度・加速度判定部101にて前記速度や加速度が所定の範囲にあるかの判定を行っていたが、図11のように第2制御シミュレーション部5aから各関節のモータへの速度指令やトルク指令を出力して、関節速度・加速度判定部101にて前記速度指令やトルク指令が所定の範囲にあるかの判定を行ってもよい。ただし、このときの判定は、モータの特性から決定される速度やトルクの最大値による。
このようにモータへの指令を確認することで、モータに過大な負荷をかけないようにして、ロボットに衝撃を与えないようにすることができる。
直交速度・加減速パラメータ演算部102においては、bm>1となった場合に直交座標系の速度Vrefあるいは加減速時間taを再計算する。再計算は再計算後の直交座標系の速度をVref’、加減速時間をta’とすると(13)式、(14)式のどちらかを行うことになる。
【0050】
ta’=bm・ta ・・・(13)
Vref’=Vref/bm ・・・(14)
【0051】
(13)、(14)のどちらを行うかの判定は、再計算後の移動時間により次のように行う。
今回、速度が加速度一定の台形パターンであるものとすると直交座標系の速度Vref、加減速時間taのときの目標位置までの移動距離Sは以下のようになる。
【0052】
S=Vref(ta+tb) ・・・(15)
【0053】
ただし、tbは上記の条件での定速時間である。
また、(13)式により直交座標系の加減速時間taを再計算した場合は、目標位置までの移動距離Sは以下のようになる。
【0054】
S=Vref(bm・ta+tb’) ・・・(16)
【0055】
ただし、tb’は上記の条件での定速時間である。
このときの移動時間T1は、移動距離Sは変わらないので、(15)式、(16)式より以下のようになる。
【0056】
T1=(1+bm)ta+tb ・・・(17)
【0057】
一方、(14)式により直交座標系の速度Vrefを再計算した場合、再計算前と同じ加速度で速度パターンを生成したとすると、目標位置までの移動距離Sは以下のようになる。
【0058】
S=(Vref/bm)(ta’’+tb’’) ・・・(18)
【0059】
ただし、ta’’は再計算前と加速度が同じという条件のもとで、以下の式より求められ、tb’’は上記の条件での速度パターンにおける定速時間である。
【0060】
Vref/(bm・ta’’)=Vref/ta ・・・(19)
【0061】
このときの移動時間T2は、移動距離Sは変わらないので、(15)式、(18)式、(19)式より以下のようになる。
【0062】
T2=(1/bm+bm)ta+bm・tb ・・・(20)
【0063】
以上より、T1が小さくなる、すなわち、直交座標系の加減速時間taを再計算する条件は(17)式、(20)式から以下のようになる。
【0064】
ta≦bm・tb ・・・(21)
【0065】
すなわち、再計算前の加減速時間taおよび定速時間tbと、倍率パラメータbmと、により(21)式を満たすような場合は、(13)式を実行して直交座標系の加減速時間taを再計算すれば良く、(21)式を満たさない場合は、(14)式を実行して直交座標系の速度Vrefを再計算すれば良いことになる。
その後、再計算されたパラメータを用いて前記運動指令生成部2から処理をやり直すようにし、前記倍率パラメータbmが1以下になるまで繰り返す。
【0066】
また、通常は、n個の速度指令があり、速度パターンが例えば、図12(a)、(b)のようになっている。なお、図12(a)、(b)はn=3のときの速度パターンである。このような場合は、前記速度指令が与えられた移動命令毎に倍率パラメータbmi(i=0,1,2,...,n−1)を求め、図12(a)のように加減速時間を再計算した場合と図12(b)のように速度を再計算した場合についての移動時間を計算し、移動時間が小さくなった方についてのパラメータを再計算すればよい。
このようにすることで、生成軌道に近い応答が得られるように修正された関節座標系の運動指令に対して、ロボットに衝撃を与えない、かつ、作業時間の増加を抑えた指令を生成することができる。
【0067】
この実施例において、関節速度・加速度判定部101であらかじめ設定された条件データから自動的に判定を行い、また、その結果を用いて直交速度・加減速パラメータ演算部102で自動的にパラメータを演算している。ここで別の方法として、関節速度・加速度判定部101で第2制御シミュレーション部5aから出力された関節速度・加速度の時系列データを人間が判断しやすいようにディスプレイに表示する。ここで人間が可否の判定をおこない、可であれば指令格納部9aに指令を格納するようにする。また否であれば直交速度・加減速パラメータ演算部102に設けたキーボードやダイヤル等による手動調整手段によって、人間がパラメータを調整し、運動指令生成部2へ送る。このように人間が介在する形にすることで、より細かな調整が可能となる。
【0068】
(第7実施例)
第7の実施例は、第6の実施例と第2制御シミュレーション部5cが異なる。図13に示すように関節速度・加速度演算部5c1から構成され、修正角度指令時系列θref‘(k)から差分法により1階および2階微分値を求め、各関節の速度および加速度を生成する。
このようにすることで、シミュレーションの計算量を少なくすることができる。
【0069】
(第8実施例)
第8の実施例を図14から図15で説明する。図14は第8の実施例のロボット制御装置の構成概略図である。修正位置指令時系列Pref‘(k)を生成するまでは第2の実施例と同様であるので説明を省略する。
第8の実施例では、さらに、第2制御シミュレーション部5dにて、各関節の速度および加速度のシミュレーションを行う。第2制御シミュレーション部5dは図15に示すように逆運動学演算部5d1を有し、直交座標系の修正位置指令時系列Pref‘(k)から、第6の実施例と同様にサーボ系の遅れと機構の特性を考慮した関節速度時系列ωsim‘(k)および関節加速度時系列αsim‘(k)を求めることができる。
その後は、第6の実施例と同様に、関節速度・加速度判定部101、直交速度・加減速パラメータ演算部102の処理を行い、各関節の速度および加速度が所定の範囲内にあるような修正位置指令を生成して、逆運動学演算部3および位置・速度フィードバック制御部4による実制御を行う。
このようにすることで、生成軌道に近い応答が得られるように修正された直交座標系の運動指令に対して、ロボットに衝撃を与えない、かつ、作業時間の増加を抑えた指令を生成することができる。
【0070】
(第9実施例)
第9の実施例は、第8の実施例と第2制御シミュレーション部5eが異なる。図16に示すように逆運動学演算部5e1および関節速度・加速度演算部5e2から構成され、修正位置指令時系列Pref‘(k)を修正角度指令時系列θref‘(k)に変換し、差分法により1階および2階微分値を求め、各関節の速度および加速度を生成する。
このようにすることで、シミュレーションの計算量を少なくすることができる。
【0071】
(第10実施例)
第10の実施例を図17で説明する。図17は第10の実施例のロボット制御装置の構成概略図である。第10の実施例は第3の実施例と第8の実施例の組み合わせである。修正位置指令時系列Pref‘(k)を第3の実施例のように生成し、前記修正位置指令時系列Pref‘(k)から、第8の実施例のように第2制御シミュレーション部5d、関節速度・加速度判定部101、直交速度・加減速パラメータ演算部102の処理を行い、各関節の速度および加速度が所定の範囲内にあるような修正位置指令を生成して、逆運動学演算部3および位置・速度フィードバック制御部4による実制御を行う。
また、第9の実施例のように第2制御シミュレーション部5dは5eを使ってもよい。
このようにすることで、サーボ系や機構の特性による軌道ずれだけでなく、CADデータなどから生成された理想軌道とのずれも修正した直交座標系の運動指令に対して、ロボットに衝撃を与えない、かつ、作業時間の増加を抑えた指令を生成することができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明の請求項1及び2によれば、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に直交座標系、あるいは関節座標系での運動指令を修正するため、生成軌道に近い応答が得られる。
請求項3によれば、直交座標系でのシミュレーションが可能になる。
請求項4によれば、運動指令生成部で生成された軌道自体にひずみが生じていても、理想軌道を保つことが可能となる。
請求項5によれば、実際のロボットの動作結果に応じて指令を補正するので、より生成軌道に近い軌道を生成させることが可能となる。
請求項6から記載のロボット制御装置によれば、サーボ系の遅れと機構の特性による振動や軌道ずれ、あるいは追従遅れを補正する方向に直交座標系、あるいは関節座標系での運動指令を修正し、修正した運動指令に対し各関節の速度、加速度等を確認し、それらが所定の範囲を超えた場合は移動時間の増加が小さくなるように直交座標系の速度パラメータあるいは加減速パラメータを再計算して各関節の速度、加速度等が所定の範囲におさまるような指令を生成することにより、ロボット先端の軌跡精度を向上することができるとともに、ロボットに衝撃を与えない、かつ、作業時間の増加を抑えて作業時間短縮を図った指令を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図
【図2】本発明の第1の実施例の制御シミュレーション部の構成図
【図3】本発明の第1の実施例の制御シミュレーション部の詳細図
【図4】本発明の第2の実施例の構成図
【図5】本発明の第2の実施例の制御シミュレーション部の構成図
【図6】本発明の第3の実施例の構成図
【図7】本発明の第3の実施例での理想軌道と運動指令の重ねあわせの概念図
【図8】本発明の第4の実施例の構成図
【図9】本発明の第6の実施例の構成図
【図10】本発明の第6の実施例の制御シミュレーション部、第2制御シミュレーション部の詳細図
【図11】本発明の第6の実施例の制御シミュレーション部、第2制御シミュレーション部の出力データを替えた場合の詳細図
【図12】本発明の第6の実施例での複数の移動命令がある場合の速度パターン
【図13】本発明の第7の実施例の第2制御シミュレーション部の構成図
【図14】本発明の第8の実施例の構成図
【図15】本発明の第8の実施例の第2制御シミュレーション部の構成図
【図16】本発明の第9の実施例の第2制御シミュレーション部の構成図
【図17】本発明の第10の実施例の構成図
【図18】従来のロボット制御装置の構成図
【符号の説明】
1:JOBファイル
2:運動指令生成部
3:逆運動学演算部
4:位置・速度フィードバック制御部
5a:制御シミュレーション部、第2制御シミュレーション部
5a1:フィードバック演算部
5a2:メカモデル部
5b:制御シミュレーション部
5b1:逆運動学演算部
5b2:順運動学演算部
5c:第2制御シミュレーション部
5c1:関節速度・加速度演算部
5d:第2制御シミュレーション部
5d1:逆運動学演算部
5e:第2制御シミュレーション部
5e1:逆運動学演算部
5e2:関節速度・加速度演算部
6a、6b:修正量演算部
7a、7b:修正量判定部
8a、8b:指令修正部
9a、9b:指令格納部
10:CADデータファイル
11:理想軌道生成部
12:補正量演算部
13:補正量格納部
14:角度検出器
101:関節速度・加速度判定部
102:直交速度・加減速パラメータ演算部

Claims (7)

  1. ロボットの各関節軸のモータを動作させるロボット制御装置であって、
    予め教示された位置データ、動作速度、補間方法に応じて制御周期毎の前記ロボット先端の直交座標系での位置指令を生成する運動指令生成部と、
    前記直交座標系での位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する逆運動学演算部と、
    前記各関節座標系での角度指令に基づいて前記モータへのトルク指令を生成する位置・速度フィードバック制御部と、
    前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、角度指令からシミュレーション角度を計算して出力する制御シミュレーション部と、
    前記角度指令と前記シミュレーション角度との差分を角度指令修正量として出力する修正量演算部と、を有し、
    前記角度指令に前記角度指令修正量を加算した修正角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力して制御を行うロボット制御装置において、
    前記角度指令修正量の大きさが所定の値以下であるかを判定する修正量判定部と、
    前記位置・速度フィードバック制御部の前段に配置され前記逆運動学演算部から出力された角度指令または前記修正角度指令を格納する指令格納部と、
    前記指令格納部に格納された指令値に前記角度指令修正量を加算した値を新たな修正角度指令として前記指令格納部に再格納するとともに、前記修正量判定部によって前記角度指令修正量の大きさが前記所定の値より大きいと判定された場合には前記指令格納部に格納された修正角度指令を前記制御シミュレーション部へ入力させ、前記角度指令修正量の大きさが前記所定の値以下と判定された場合にのみ前記指令格納部に格納された修正角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力させて前記モータを動作させる指令修正部と、
    を有することを特徴とするロボット制御装置。
  2. ロボットの各関節軸のモータを動作させるロボット制御装置であって、
    予め教示された位置データ、動作速度、補間方法に応じて制御周期毎の前記ロボット先端の直交座標系での位置指令を生成する運動指令生成部と、
    前記ロボットの各関節座標系での角度指令に基づいて前記モータへのトルク指令を生成する位置・速度フィードバック制御部と、
    前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、位置指令からシミュレーション位置を計算して出力する制御シミュレーション部と、
    前記位置指令と前記シミュレーション位置との差分を位置指令修正量として出力する修正量演算部と、
    前記位置指令に前記位置指令修正量を加算した修正位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する逆運動学演算部と、を有し、
    前記逆運動学演算部が出力する角度指令を前記位置・速度フィードバック制御部へ入力して制御を行うロボット制御装置において、
    前記位置指令修正量の大きさが所定の値以下であるかを判定する修正量判定部と、
    前記逆運動学演算部の前段に配置され前記運動指令生成部から出力された位置指令または前記修正位置指令を格納する指令格納部と、
    前記指令格納部に格納された指令値に前記位置指令修正量を加算した値を新たな修正位置指令として前記指令格納部に再格納するとともに、前記修正量判定部によって前記位置指令修正量の大きさが所定の値より大きいと判定された場合には前記指令格納部に格納された修正位置指令を前記制御シミュレーション部へ入力させ、前記位置指令修正量の大きさが前記所定の値以下と判定された場合にのみ前記指令格納部に格納された修正位置指令を前記逆運動学演算部へ入力させて前記モータを動作させる指令修正部と、
    を有することを特徴とするロボット制御装置。
  3. 前記制御シミュレーション部は、入力された直交座標系での位置指令を前記ロボットの各関節座標系での角度指令に変換する第2逆運動学演算部と、
    前記変換された角度指令に基づき前記位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルにて計算した各関節座標系でのシミュレーション角度を直交座標系でのシミュレーション位置に変換する順運動学演算部とを有することを特徴とする請求項2記載のロボット制御装置。
  4. 前記ロボットの作業対象物の形状データと、前記ロボットと前記作業対象物との位置関係から、前記作業対象物に対して直交座標系での理想的な軌道を生成する理想軌道生成部を有し、
    前記修正量演算部は、前記運動指令生成部が生成する位置指令と前記制御シミュレーション部が出力するシミュレーション位置との差分に前記運動指令生成部が生成する位置指令と前記理想軌道のデータとのずれを加えた値を前記位置指令修正量として出力することを特徴とする請求項2または3記載のロボット制御装置。
  5. 前記逆運動学演算部から出力された角度指令と前記ロボットの各関節を動作させるモータの角度検出手段にて検出されたフィードバック角度との差分を求め、角度指令の補正量として出力する補正量演算部と、
    前記角度指令の補正量を格納し前記指令修正部へ出力する補正量格納部と、を有し、
    前記指令修正部は、前記指令格納部に格納された修正角度指令に前記角度指令の補正量を加算した値を前記指令格納部に再格納することを特徴とする請求項1記載のロボット制御装置。
  6. 前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、前記指令格納部から出力される修正角度指令から前記ロボットの各関節について関節速度と関節加速度を計算して出力する第2制御シミュレーション部と、
    前記関節速度と前記関節加速度の各々について予め決められた最大速度、最大加速度に対する、前記関節速度、前記関節加速度のそれぞれの倍率を求め、前記倍率のうち最大のものが1より大きい場合には前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定する関節速度・加速度判定部と、
    前記関節速度・加速度判定部によって前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定された場合には、前記ロボットの動作速度あるいはその加減速パターンを再計算し運動指令生成部に入力する直交速度・加減速パラメータ演算部と、を有し、
    前記運動指令生成部は前記再計算されたパターンに応じて前記位置指令を生成することを特徴とする請求項1記載のロボット制御装置。
  7. 前記位置・速度フィードバック制御部と同様の演算を行う位置・速度フィードバック演算部および前記ロボットの機構モデルを有し、前記指令格納部から出力される修正位置指令から前記ロボットの各関節について関節速度と関節加速度を計算して出力する第2制御シミュレーション部と、
    前記関節速度と前記関節加速度の各々について予め決められた最大速度、最大加速度に対する、前記関節速度、前記関節加速度のぞれぞれの倍率を求め、前記倍率のうち最大のものが1より大きい場合には前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定する関節速度・加速度判定部と、
    前記関節速度・加速度判定部によって前記関節速度および前記関節加速度が所定の範囲を超えたと判定された場合には、前記ロボットの動作速度あるいはその加減速パターンを再計算し運動指令生成部に入力する直交速度・加減速パラメータ演算部と、を有し、
    前記運動指令生成部は前記再計算されたパターンに応じて前記位置指令を生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載のロボット制御装置。
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