JP5146102B2 - 車両挙動試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両挙動試験装置に係り、特にシャシーダイナモメータシステムにおいて、拘束装置と車両剛性の特性、及びタイヤ特性を考慮した過渡的な車両挙動試験装置に関するものである。
動力計計測システムの負荷側または駆動側で、動力計測対象の機械慣性成分を電気的に補償するために電気慣性制御方式が採られている。この電気慣性制御方式としては、特許文献1が公知となっている。この特許文献1には、設置された軸トルクメータにより車両の動力伝達軸に発生する軸トルクを検出する。動力計は、軸トルクの検出値と、機械慣性分を除いた走行抵抗分のトルク設定値と、動力計の機械慣性及び設定慣性から電気慣性トルク設定値を求め、この電気慣性トルク設定値と走行抵抗分のトルク設定値との和で吸収トルクを制御する。そして、電気慣性制御のための加速度検出を不要としたことにより、電気慣性制御の応答性を高め、かつ安定化した制御を可能とすることが記載されている。
特開2004−361255
シャシーダイナモメータシステムは、図8で示すように動力計DyとローラRとを軸トルクメータTMを介して直結されており、軸トルクメータTM、第1及び第2のエンコーダEC1,EC2によって検出された軸トルク、動力計回転数及びローラ回転数を電気慣性制御回路EIに導入してトルク電流指令を生成し、インバータIVを介して動力計を制御するよう構成されている。また、電気慣性制御回路EIは計測制御ユニットMUの内部に構成される。図9は、図10で示すシステムをモデル化したものである。すなわち、ローラR上に被試験車両Vcを載置し、拘束装置Reを用いて固定側に拘束する。この拘束した状態で、走行抵抗制御などの運転を行って耐久試験や性能試験を実施している。
図9において、50はエンジンのトルク信号と駆動力信号等を元にタイヤ速度を算出する駆動系モデル、51はシャシーダイナモメータモデル部で、このモデル部51で推定された推定値Vrollerと車速Vcarとの偏差分Vが減算部において求められる。この差分Vは、さらに減算部に出力されて駆動系モデル50からのタイヤ速度との差演算が実行され、その差分によるタイヤ速度はタイヤモデル52に入力される。タイヤモデル52では入力された信号に基づいて駆動力Fxを演算し、その駆動力信号Fxを駆動系モデル50とシャシーダイナモメータモデル部51に出力されると共に、減算部を介して車両速度演算部53に出力されて車速Vcarが演算される。54は拘束力演算部で、車両速度演算部53で求められた車速Vcarに応じた拘束力Fbindを算出して拘束装置Reの拘束力とすると共に、減算部において駆動力Fxとの偏差が求められ、その差分が車両速度演算部53に入力される。
なお、拘束力算出部54のパラメータCcはダビング、Kcはバネ剛性、sはラプラス演算子である。
図9で示す走行モデルでは、ダイナモメータ分部がシャシーダイナモメータモデル部51であり、図10で示すローラから上部の車体部分がシャシーダイナモメータモデル部51を除いた各要素である。
上述のようにシャシーダイナモメータシステムでは、実際に路上を走行した走行データに基づいてシャシーダイナモメータ上で耐久試験や性能試験を実行するが、その際、実路上では図11(a)で示すようなモデルとなり、シャシーダイナモメータ上では(b)図のすようなモデルとなる。○で囲んだ部分が両者の相違箇所であり、シャシーダイナモメータでは拘束装置の剛性が存在することにより、例えば、スロットル、若しくはアクセル開度全開(WOT)操作を複数回行った時等の過渡的な挙動試験を行う場合、次のような問題を有している。
(1)試験車両の質量と駆動側から見た質量を一致させるために、制御によりローラの慣性を等価的に変更している。このため、制御応答が悪いと過渡的に設定した質量での試験が出来ない。
(2)車体を拘束する装置と車体の剛性が低いと、過渡的に車で発生したエネルギーの一部が拘束装置と車体に蓄えられるため、試験が正確に実施できない。これによって、図12で示すよう、実路上の駆動力とシャシーダイナモ上の駆動力に差異が発生する。
すなわち、図12(a)で示すようにアクセル開度を全開としたとき、(b)図で示すように実線で示す実路と点線で示すシャシーダイナモ上で駆動力の差異が生じる。
そこで本発明が目的とするとこは、上記(1)(2)の問題点を解決した車両挙動試験装置を提供することにある。
本発明の請求項1は、ローラに載置した被試験車両を拘束装置で拘束し、オブザーバ、ASR部、及び慣性部を有する電気慣性制御回路に、動力計の回転信号、軸トルク信号、ローラ回転信号を入力してトルク電流指令を演算し、求めたトルク電流指令によりインバータを介して電気慣性制御を行うシャシーダイナモメータシステムにおいて、
前記オブザーバとASR部とをコントローラ設計手法に基づきパラメータ設計し、このオブザーバとASR部に軸トルク検出信号と角速度検出信号を入力すると共に、オブザーバの出力信号から走行抵抗指令と機械損失指令を減算し、求められた信号を前記慣性部に入力して設定電気慣性信号を生成し、この設定電気慣性信号から車体速度検出信号を減算してASR部に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項2は、実路上とシャシーダイナモメータ上の相違によるタイヤ特性を補正するためのタイヤ特性補正マップを設け、このタイヤ特性補正マップに前記オブザーバが演算した駆動力信号を入力し、この入力信号に応じたタイヤ速度補正信号を前記設定電気慣性信号に加算すると共に、設定電気慣性信号から前記角速度検出信号と車体速度検出信号を減算して設定電気慣性信号を生成するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項3は、前記オブザーバの一般化プラントは、それぞれ重みつけされたローラ表面駆動力信号と動力計トルク指令を入力してローラ角速度とシャフトの軸トルク及び動力計角速度を演算する機械系モデル、この機械系モデルからの軸トルク信号を入力して軸トルクの検出特性を表すトルクメータ特性モデル、機械系モデルからの動力計角速度を入力して動力計角速度を検出するエンコーダ特性モデルを有し、
前記トルクメータ特性モデルを介して生成されたトルク検出信号と重み付された軸トルク検出誤差信号の和を軸トルク検出信号とし、且つ前記エンコーダ特性モデルを介して検出された動力計角速度信号と重みつけされた動力計角速度信号との和を動力計角速度の検出信号としてそれぞれコントローラへの観測信号として入力し、このコントローラの出力と前記ローラ表面駆動力信号と差信号を重みつきのローラ表面駆動力の指令信号とするよう構成すると共に、
前記ASR部の一般化プラントは、重みつけされたローラ表面駆動力信号と動力計トルク信号を入力してローラ角速度とシャフトの軸トルク及び動力計角速度を演算する機械系モデル、この機械系モデルからの軸トルク信号を入力して軸トルクの検出特性を表すトルクメータ特性モデル、機械系モデルからの動力計角速度を入力して動力計角速度を検出するエンコーダ特性モデル及びコントローラの出力信号に基づくインバータトルク電流制御特性を表すインバータ特性モデルを有し、
前記トルクメータ特性モデルを介して生成されたトルク検出信号と重み付された軸トルク検出誤差信号の和を軸トルク検出信号とし、且つ前記エンコーダ特性モデルを介して検出された動力計角速度信号と重みつけされた動力計角速度信号との和と、重みつけされた角速度指令との差信号を動力計角速度の検出信号としてそれぞれコントローラへの観測信号として入力し、このコントローラからの出力をインバータへのトルク電流指令をコントローラからの出力信号とするよう構成したことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、拘束装置と車両剛性の特性を考慮した過渡的な車両の挙動試験が可能となる。また、電気慣性制御回路のオブザーバ部とASR部をH∞制御、・設計法と呼称されるコントローラ設計手法を用いて設計したことによって所望の電気慣性制御回路の設計が可能となり、電気慣性制御の応答性能に影響する各特性を考慮した電気慣性制御回路の設計が可能となる。
図1は、本発明の実施例を示す電気慣性制御回路の構成図で、オブザーバ(ローラ表面駆動力推定)101、慣性部[1/(EICJ*s)]102及びASR(速度制御)部103を有し、電気慣性制御の設定慣性量はEICJで行われる。
本発明は、このようなシャシーダイナモメータシステムの電気慣性制御回路におけるオブザーバ部101とASR部103は、H∞制御、・設計法と呼称されるコントローラ設計手法により車体相当の慣性モーメントが設計される。角速度検出と軸トルク検出はオブザーバ101とASR部103に入力する。オブザーバ101の出力信号から走行抵抗指令と機械損失指令の偏差分を減算し、その信号を慣性部102に入力して設定電気慣性EICJを所望の値に設定し積分する。積分された出力信号と対地車速検出器等の検出器により検出された車体速度Vcarを減算部106減算して角速度指令を生成し、速度制御することで拘束装置と車両剛性の特性を考慮した過渡的な車両の挙動試験を可能としたものである。以下、実施例に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施例を示す電気慣性制御回路におけるオブザーバの一般化プラントモデル図、図3は、この一般化プラントモデル内の機械系モデルの伝達関数を示したものである。図2で示す電気慣性制御のためのオブザーバの一般化プラントモデルには、その外乱としてローラ表面駆動力w1、動力計トルク指令w2、軸トルク観測ノイズw3、及び動力計角速度観測ノイズw4が入力され、観測量A,Bが検出されてコントローラ10に入力される。外乱信号は、実際にシャシーダイナモメータシステムが駆動されていることを想定し、その時の制御ループに発生するノイズが外乱信号となり、ここではw1〜w4の4つになっている。コントローラ10では、電気慣性の状態方程式のパラメータを設定し、ゲインが小さくなるようアルゴリズムに基づいてパラメータを決定する。また、一般化プラントモデルでは、制御量としてz1〜z4が生成される。
入力された外乱には、それぞれは重み係数付加手段1(Ow1(s))〜4(Ow4(s))、及び11(Oz1(s))〜14(Oz4(s))において各別に重み付けされ、求める特性が得られるようになっている。すなわち、手段1では、車両駆動力にかける重みで、ある定数がかけられてローラの回転モーメントトルクJ1.Tとし機械系モデル20(Omec(s))に出力されると共に、減算手段7に出力される。手段2では、動力計のトルク指令にかける重みで、ある定数がかけられてその出力はJ2.Tとして機械系モデル20に出力される。手段3では、軸トルクの検出誤差にかける重みで、ある定数、または、高域でゲインが高くなるような特性にされ、加算手段5に出力される。手段4では、動力計角速度検出誤差にかける重みで、ある定数、または、高域でゲインが高くなるような特性にされて、加算手段6に出力される。
8(Otm(s))は軸トルクを検出するトルクメータ特性生成手段(トルクメータ特性モデル)で、機械モデル20からの結合シャフトの軸トルクK12.Tを入力して所定のトルクメータ特性として加算手段5に出力する。加算手段5では、重み付けされた軸トルクの検出誤差信号とトルクメータ特性を加算して軸トルク検出値を生成して観測量Aとしてコントローラ10に入力される。9(Oenc(s))はエンコーダ特性生成手段(エンコーダ特性モデル)で、機械モデル20からの動力計角速度J2.wを入力して所定のエンコーダ特性を生成し、加算部6に出力する。加算部6では、重み付けされた動力計角速度検出誤差信号とエンコーダ特性を加算して動力計角速度検出値を生成し、観測量Bとしてコントローラ10に出力する。コントローラ10では入力された信号に基づいて所定の演算を実行する。その演算信号は減算手段7に出力してローラの回転モーメントトルクJ1.Tとの減算が行われ、手段11に出力される。
手段11(Oz1(s))は、ローラ表面駆動力推定の偏差値に重み付けをする手段で、積分特性、または、高域でゲインが低くなるような所定の特性にして重みつきローラ表面駆動力推定値z1とし出力する。手段12(Oz2(s))は、軸トルクに重みをかける手段で、機械系モデル20からの軸トルクK12.Tを入力してある定数、または、高域でゲインが高くなるような所定の特性にして軸トルク制御指令z2とし出力する。手段13(Oz3(s))は、機械系モデル20からの動力計角速度J2.wに重みをかける手段で、ある定数、または、高域でゲインが高くなるような所定の特性にして重み付けされた動力計角速度指令z3とし出力する。手段14(Oz4(s))は機械系モデル20からのローラ角速度検出に重みをかける手段で、ある定数、または、高域でゲインが高くなる特性として重みつきローラ角速度指令z4として出力する。
図3で示すオブザーバの機械系モデル20は、動力計の機械特性を伝達関数で表現したもので、2慣性機械系のモデルである。この実施例の機械系モデルは、J1.TとJ2.Tを入力として持ち、J1.w、K12.T、及びJ2.wを出力として持つ。
同図において、21はローラ慣性モーメント要素で、その出力はローラ角速度J1.wとして一般化プラントへ出力すると共に、減算手段26に出力する。22はばね剛性要素で、減算手段26により演算された動力計角速度とローラ角速度の差信号が入力されてシャフト捩れトルクK12.T信号として一般化プラントへ出力すると共に、加算手段24と減算手段25に出力する。加算手段24では、ローラ表面にかかる車両駆動力によるローラの回転モーメントJ1.Tとシャフト捩れトルクK12.Tが加算されてローラ慣性モーメント要素21に入力される。また、減算手段25では、入力された動力計トルク信号J2.Tとシャフト捩れトルクK12.Tの差信号が求められて動力計慣性モーメント要素23に出力され、この動力計慣性モーメント要素23において動力計角速度J2.wを演算して一般化プラントへ出力すると共に、減算手段26に出力される。
図4はASR部4の一般化プラントモデル図で、外乱としてローラ表面駆動力w1、インバータトルク制御誤差w2、角速度指令w3、軸トルク観測ノイズw4、及び動力計角速度観測ノイズw5が入力され、観測量A',B'が検出されてコントローラ40に入力される。外乱信号は、実際にシャシーダイナモメータシステムが駆動されていることを想定し、その時の制御ループに発生するノイズが外乱信号となり、ここではw1〜w5の5つになっている。コントローラ40では、電気慣性の状態方程式のパラメータを設定し、ゲインが小さくなるようアルゴリズムに基づいてパラメータを決定する。また、このASRの一般化プラントモデルでは、制御量としてz1〜z4が生成される。
入力された外乱と後述する制御量z1〜z4には、それぞれは重み係数付加手段31(Gw1(s))〜35(Gw5(s))、及び44(Gz1(s))〜47(Gz4(s))において各別に重み付けされ、所望の特性が得られるようになっている。すなわち、手段31(Gw1(s))では、車両駆動力にかける重みで、ある定数がかけられてローラの回転モーメントトルクJ1.Tとし機械系モデル50(Gmec(s))に出力される。手段32(Gw2(s))はインバータトルク制御誤差w2にある定数、または、高域でゲインが高くなる特性とされ、加算手段43に出力される。手段33(Gw3(s))は角速度指令w3にある定数、または、高域でゲインが高くなる特性とされ、減算手段41に出力される。手段34(Gw4(s))は軸トルクの検出誤差w4にかける重みで、ある定数、または、高域でゲインが高くなるような特性にされ、加算手段39に出力される。手段35(Gw6(s))は動力計角速度の検出誤差にある定数、または、高域でゲインが高くなる特性とされて加算手段42に出力される。
手段37(Gtm(s))は軸トルクを検出するトルクメータ特性生成手段(トルクメータ特性モデル)で、機械モデル50からの結合シャフトの軸トルクK12.Tを入力して所定のトルクメータ特性として加算手段39に出力する。加算手段39では、重み付けされた軸トルクの検出誤差信号とトルクメータ特性を加算して軸トルク検出値を生成して観測量A'としてコントローラ40に入力される。手段38(Genc(s))はエンコーダ特性生成手段(エンコーダ特性モデル)で、機械モデル50からの動力計角速度J2.wを入力して所定のエンコーダ特性を生成し、加算部42に出力する。加算部42では、重み付けされた動力計角速度検出誤差信号とエンコーダ特性を加算し、この加算信号は減算手段41において角速度指令と差演算が実行されて動力計角速度制御の偏差信号を生成し、観測量B'としてコントローラ40と手段48に出力する。手段48では動力計角速度制御の偏差信号に積分特性を持つ重み関数が付加され、手段46を介して動力計角速度制御信号z3として出力される。
コントローラ40では、入力された軸トルク検出値A'と動力計角速度検出値B'とを基に電気慣性の状態方程式のパラメータを設定し、ゲインが小さくなるようアルゴリズムに基づいてパラメータを決定するための所定の演算を実行し、手段44を介してトルク電流指令z1として出力すると共に、手段36に出力する。
手段36はインバータのトルク指令に対して実際に発生するトルク出力の応答特性を表すインバータ特性生成手段(インバータ特性モデル)で、応答特性としては、ある定数、または、高域でゲインが低くなるような特性にされ、そのトルク指令は加算手段43において重み付インバータのトルク制御誤差と加算された後、機械系モデル50へ動力計トルク信号J2.Tとして出力される。
なお、重み付けを実行する手段44〜47のうち、手段46のみはある定数、または、高域でゲインが低くなる特性にされているが、他の手段はある定数、又は、高域でゲインが高くなる特性にされている。
図5で示すASRの機械系モデル50は、図3で示すオブザーバの機械系モデルと同様の機能のものが使用されるため、便宜上同一符号を付してその説明を省略する。
電気慣性制御回路のオブザーバとASR部をH∞制御、・設計法と呼称されるコントローラ設計手法を用いて設計したことにより所望の電気慣性制御回路が設計される。このため、機械系の共振特性、軸トルク検出特性、動力計角速度検出特性、及びインバータ応答特性など、シャシーダイナモメータシステムの電気慣性制御の応答性能に影響する各特性を考慮した電気慣性制御回路の設計が可能となることにより、従来のものより高応答で安定なシャシーダイナモメータシステムの電気慣性制御が可能となるものである。また、電気慣性制御回路に走行抵抗を加算する場合や、設定慣性量を変更する場合でも容易に対応が可能となるものである
本発明では、コントローラ設計手法を用いて設計されたオブザーバ部とASR部を用い、且つ慣性部の出力側において、設定電気慣性信号から車体速度検出信号Vcarを減算するよう構成したものである。この構成により、シャシーダイナモメータ上で実路上と同じ挙動が得られる理由を説明する。
駆動力Fxに対する車両速度Vの応答を、実路上とシャシーダイナモメータ上で一致させるようにダイナモメータを制御するためには、実路上の特性は(1)式となり、シャシーダイナモメータ上の特性は(2)式となる。
Figure 0005146102
Figure 0005146102
ただし、Vcarondynamoはローラ上車速、Gcarは走行演算部の伝達関数、Gbindは拘束力演算部の伝達関数、Gdynamoはシャシーダイナモメータモデル部の伝達関数、
拘束装置により拘束されている車体特性は(3)式となり、実路上の特性は(4)式となる。
Figure 0005146102
Figure 0005146102
駆動力Fxに対する車両速度Vの応答を、実路上とシャシーダイナモメータ上とで一致させるためには(5)式の特性となる。
Figure 0005146102
よって、1/ECI-J・sを演算する慣性部の出力に対して車体速度検出であるVcarを減算して補正することによりGdynamoと等しくなる。これにより、
駆動力Fxに対する車両速度Vの応答を、実路上とシャシーダイナモメータ上とで一致させることが可能となり、車両の挙動試験が精度よく実施できる。
図6は車両の過渡的な挙動試験結果を示したもので、実路上とシャシーダイナモメータ上で一致していることが分かる。
図7は第2の実施例を示したものである。図9で示す走行モデルの駆動系モデルは、一般にエンジンからタイヤまでの駆動系は実物を使用して、駆動力に対する仮想的な車体速度Vの伝達特性を路上と一致するよう構成されている。このため、タイヤ特性は路上とシャシーダイナモメータ上で異なることから、路上と同じ特性が正確に得られない問題があった。この実施例は、タイヤ特性をも考慮したものである。105はタイヤ特性が考慮されたタイヤ特性補正マップで、オブザーバ101が出力した駆動力信号を入力し、この駆動力信号に対応したタイヤ速度補正信号を加減算部107に出力するよう構成される。他は第1の実施例と同様である。
すなわち、オブザーバ101とASR部103は、角速度検出と軸トルク検出を入力する。オブザーバ101の出力信号は、減算部104において走行抵抗指令と機械損失指令との差分との差演算が実行され、その信号は慣性部102に入力されて設定電気慣性EICJを所望の値に設定し積分する。その信号は、減算部106で動力計の角度速度検出と対地車両速度検出器などにより検出された車体速度検出Vcarとの差分が求められ、加算部107に出力される。
一方、オブザーバ101の出力信号はタイヤ特性補正マップ105にも出力され、このタイヤ特性補正マップ105では入力信号に対応した補正値を求めて加算部107に出力する。加算部107では、106からの信号と補正値との和演算を実行して設定電気慣性信号を生成し、ωeとしてASR部103に入力される。ASR部103にて演算された信号に基づいて速度制御することで、駆動力と拘束装置の特性とタイヤ特性を考慮した車両の過渡的な挙動試験が可能となる。
この実施例によれば、タイヤ特性を考慮したマップにて補正するようなコントローラ構成としたことにより、第1の実施例よりもさらに忠実に車両の過渡的な挙動試験が可能となるものである。
本発明の第1の実施例を示すダイナモ制御コントローラの構成図。 オブザーバ一般化プラントモデル図。 オブザーバ機械系モデル図。 ASR一般化プラントモデル図。 ASR機械系モデル図。 アクセル−駆動力波形図で、(a)はアクセル開度、(b)駆動力。 本発明の第2の実施例を示すダイナモ制御コントローラの構成図。 動力計システムの構成図。 シャシーダイナモメータシステムによる走行モデル図。 シャシーダイナモメータシステム図。 振動波形の伝達モデル図で、(a)は実路上、(b)はシャシーダイナモメータシステム上。 従来のアクセル−駆動力波形図で、(a)はアクセル開度、(b)駆動力。
符号の説明
101… オブザーバ
102… 慣性部
103… ASR部
105… タイヤマップ

Claims (3)

  1. ローラに載置した被試験車両を拘束装置で拘束し、オブザーバ、ASR部、及び慣性部を有する電気慣性制御回路に、動力計の回転信号、軸トルク信号、ローラ回転信号を入力してトルク電流指令を演算し、求めたトルク電流指令によりインバータを介して電気慣性制御を行うシャシーダイナモメータシステムにおいて、
    前記オブザーバとASR部とをコントローラ設計手法に基づきパラメータ設計し、このオブザーバとASR部に軸トルク検出信号と角速度検出信号を入力すると共に、オブザーバの出力信号から走行抵抗指令と機械損失指令を減算し、求められた信号を前記慣性部に入力して設定電気慣性信号を生成し、この設定電気慣性信号から車体速度検出信号を減算してASR部に入力するよう構成したことを特徴とした車両挙動試験装置。
  2. 実路上とシャシーダイナモメータ上の相違によるタイヤ特性を補正するためのタイヤ特性補正マップを設け、このタイヤ特性補正マップに前記オブザーバが演算した駆動力信号を入力し、この入力信号に応じたタイヤ速度補正信号を前記設定電気慣性信号に加算すると共に、設定電気慣性信号から前記角速度検出信号と車体速度検出信号を減算して設定電気慣性信号を生成するよう構成したことを特徴とした請求項1記載のシャシーダイナモ制御装置。
  3. 前記オブザーバの一般化プラントは、それぞれ重みつけされたローラ表面駆動力信号と動力計トルク指令を入力してローラ角速度とシャフトの軸トルク及び動力計角速度を演算する機械系モデル、この機械系モデルからの軸トルク信号を入力して軸トルクの検出特性を表すトルクメータ特性モデル、機械系モデルからの動力計角速度を入力して動力計角速度を検出するエンコーダ特性モデルを有し、
    前記トルクメータ特性モデルを介して生成されたトルク検出信号と重み付された軸トルク検出誤差信号の和を軸トルク検出信号とし、且つ前記エンコーダ特性モデルを介して検出された動力計角速度信号と重みつけされた動力計角速度信号との和を動力計角速度の検出信号としてそれぞれコントローラへの観測信号として入力し、このコントローラの出力と前記ローラ表面駆動力信号と差信号を重みつきのローラ表面駆動力の指令信号とするよう構成すると共に、
    前記ASR部の一般化プラントは、重みつけされたローラ表面駆動力信号と動力計トルク信号を入力してローラ角速度とシャフトの軸トルク及び動力計角速度を演算する機械系モデル、この機械系モデルからの軸トルク信号を入力して軸トルクの検出特性を表すトルクメータ特性モデル、機械系モデルからの動力計角速度を入力して動力計角速度を検出するエンコーダ特性モデル及びコントローラの出力信号に基づくインバータトルク電流制御特性を表すインバータ特性モデルを有し、
    前記トルクメータ特性モデルを介して生成されたトルク検出信号と重み付された軸トルク検出誤差信号の和を軸トルク検出信号とし、且つ前記エンコーダ特性モデルを介して検出された動力計角速度信号と重みつけされた動力計角速度信号との和と、重みつけされた角速度指令との差信号を動力計角速度の検出信号としてそれぞれコントローラへの観測信号として入力し、このコントローラからの出力をインバータへのトルク電流指令をコントローラからの出力信号とするよう構成したことを特徴とした請求項1又は2記載の車両挙動試験装置。


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