JP2007252036A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ及びその周辺の機械系から発生する振動を抑制し高速域まで応答させ、所望の慣性モーメントでモータを駆動させることができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータ120を、モータ駆動回路130を介して制御するモータ制御装置10であって、電動モータ120の出力トルクを検出するトルク検出手段110と、トルク検出手段110の出力値に基づき、電動モータ120の駆動に伴う過渡及び/又は定常的な振動の抑制を行ない、モータ駆動回路130の遅れを補償し、電動モータ120を第1の目標トルク値に追従するように制御する第1の駆動トルク指令値をモータ駆動回路130に出力する第1の制御手段30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの出力トルクを制御するモータ制御装置に関するものである。
従来、自動車のトランスミッションなどの駆動伝達系の実稼働試験は、実車の構成と同様にして供試体(トルクコンバータを介したトランスミッション)をエンジンに接続した試験装置により供試体の試験データを測定している。しかし、このような試験装置は、種類の異なる供試体へと変更するたびに、エンジン及び複雑なその周辺機器を供試体へ取り付けなければならないため、必要な機材などの準備や、組み付け作業に非常に多く手間を要していた。そのため、昨今では、エンジンよりも簡易な設備で所望の回転が得られる電動モータを用い、供試体に回転トルクを伝達させる試験装置により、供試体の試験データを測定している(例えば、特許文献1)。
しかし、このような電動モータを用いた試験装置は、電動モータ及びその周辺設備などの機械系の剛性が影響して捩れ振動などの共振が発生するため、機械系の共振周波数以上の高域の試験データの測定が困難であった。
また、駆動源となる電動モータの慣性モーメントとエンジンの慣性モーメントとが異なるので、供試体へ加わる影響も異なり、供試体の特性が試験装置の特性によって見たい現象が強調されたり、減少されたりすることがある。これにより、実車に供試体を搭載したときの試験データと、試験装置による試験データとの整合性が取り辛くなり、供試体の開発へも影響をもたらすことがある。
さらに、従来の電動モータの制御器は、電動モータの回転部をパルス式の回転速度計で測定して測定値をフィードバックし、制御器内で近似微分などの演算をして回転トルクへと変換している。そのため、パルス式の回転速度計の短所である低回転域の速度信号の精度の不安定性さや、近似微分の演算において、回転速度計の応答速度と制御器のサンプリング時間との関係(例えば、エイリアス現象)などが影響して制御精度が低下することがある。また、回転速度計で電動モータの正転又は反転の判別が困難であるので、制御器側に何らかの対応をとる必要があるなどの問題もある。
特開2001−165282号公報
本発明の課題は、モータ及びその周辺の機械系から発生する振動を抑制し高速域まで応答させ、所望の慣性モーメントでモータを駆動させることができるモータ制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を括弧内に付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、電動モータ(120)を、モータ駆動回路(130)を介して制御するモータ制御装置(10)であって、前記電動モータ(120)の出力トルクを検出するトルク検出手段(110)と、前記トルク検出手段(110)の出力値に基づき、前記電動モータ(120)の駆動に伴う過渡及び/又は定常的な振動の抑制を行ない、前記モータ駆動回路(130)の遅れを補償し、前記電動モータ(120)を第1の目標トルク値に追従するように制御する第1の駆動トルク指令値を前記モータ駆動回路(130)に出力する第1の制御手段(30)とを備えるモータ制御装置(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置(10)において、前記第1の制御手段(30)は、前記トルク検出手段(110)の出力値を時間微分する微分器(31)と、前記第1の駆動トルク指令値から前記モータ駆動回路(130)の遅れ要素を予測演算させる遅れ補償器(32)と、特定の周波数以下の信号を通過させる分波器(33)とを有し、前記遅れ補償器(32)の出力値及び前記トルク検出手段(110)の出力値の差分値を前記分波器(33)に入力し、前記分波器(33)の出力値、前記第1の目標トルク値、及び、前記微分器(31)の出力値を加算した値を前記第1の駆動トルク指令値として出力することを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置(10)において、前記トルク検出手段(110)の出力値に基づき、前記電動モータ(120)の駆動に伴う振動及び外乱の抑制を行ない、前記電動モータ(120)を第2の目標トルク値に追従するように制御する第2の駆動トルク指令値を出力する第2の制御手段(40)を備え、前記第2の駆動トルク指令値は、前記第1の目標トルク値に置き換えて、前記第1の制御手段(30)へ入力することを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のモータ制御装置(10)において、前記第2の制御手段(40)は、制御対象の閉ループ系の伝達特性からなるH∞制御器(41)を有し、前記第2の目標トルク値及び前記トルク検出手段(110)の出力値の差分値を前記H∞制御器(41)に入力し、前記第2の駆動トルク指令値を出力することを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載のモータ制御装置(10)において、前記電動モータ(120)の慣性モーメントを補正する補正手段(50)を備えることを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のモータ制御装置(10)において、前記補正手段(50)は、前記電動モータ(120)の慣性モーメント及び設定慣性モーメントの差分と前記電動モータ(120)の慣性モーメントとの比で決まる第1の補正値を有し、前記第1の制御手段(30)の前記分波器(33)の出力値に前記第1の補正値を乗算する第1の補正器(51)と、前記設定慣性モーメント及び前記電動モータ(120)の慣性モーメントの比で決まる第2の補正値を有し、前記第1の制御手段(30)から前記モータ駆動回路へ出力される前記第1の駆動トルク指令値を分岐し、分岐した第1の駆動トルク指令値に前記第2の補正値を乗算する第2の補正器(52)と、前記第2の制御手段(40)に入力する前記トルク検出手段(110)の出力値に前記第1の補正値を乗算する第3の補正器(53)とを備え、前記第1の補正器(51)の出力値は、前記第1の制御手段(30)の前記分波器(33)の出力値に置き換わり、前記第2の補正手段(52)及び前記第3の補正手段(53)の出力の加算値は、前記第2の制御手段(40)に入力される前記トルク検出手段(110)の出力値に置き換わることを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のモータ制御装置(10)において、前記電動モータ(120)は、交流電流で駆動する誘導電動モータであり、前記モータ駆動回路は、直流を交流に変換するAC/DC変換器を含むことを特徴とするモータ制御装置(10)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のモータ制御装置(10)において、前記トルク検出手段(110)は、前記電動モータ(120)のトルク伝達軸のひずみを検出するひずみゲージと、前記ひずみゲージの出力値からトルク演算値を演算し、出力するトルク演算器とを備えることを特徴とするモータ制御装置(10)である。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)モータ制御装置は、トルク検出手段の出力値をフィードバックしているので、回転速度に依存しない制御を行なうことができ、低回転領域から高精度に電動モータを制御することができる。
(2)第1の制御手段は、微分器と遅れ補償器を備えているので、電動モータの過渡及び/又は定常的な振動を抑制し、また、モータ駆動回路の時間遅れを補償することでき、電動モータを第1の目標トルク値に追従して駆動させることができる。
(3)第2の制御手段は、H∞制御器を備え、第1の制御手段とともに電動モータを制御しているので、電動モータの駆動に伴う振動及び外乱の抑制を行ない、電動モータを第2の目標トルク値に追従して駆動させることができる。
(4)電動モータの慣性モーメントの補正手段を設けているので、電動モータの慣性モーメントとは異なる慣性モーメントで電動モータを駆動させることができる。
(5)トルク検出手段は、トルク演算器を備えており、ひずみゲージの出力値からトルク演算値を出力するので、フィードバック信号に電動モータのトルク伝達軸のひずみ量を用いることができる。
本発明は、モータの機構系から発生する振動を抑制し高速域まで応答させ、所望の慣性モーメントでモータを駆動させることができるモータ制御装置を提供するという目的を、モータ制御装置に、振動抑制効果をもつ第1の制御手段及び第2の制御手段を備え、また、慣性モーメントを設定できる補正手段を備えることにより実現する。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明による実施例1の駆動系試験装置の制御系を示すブロック線図である。
駆動系試験装置10は、図1に示すように、モータ制御器20が試験機100に接続された構成であり、自動車の駆動伝達系(トランスミッションなど)の試験を行なう装置である。
試験機100は、トルク検出手段110、電動モータ120、モータ駆動回路130、及び、供試体140で構成されている。
トルク検出手段110は、電動モータ120の回転トルクを測定し、計測データをトルク検出値として出力するトルクフランジである。
電動モータ120は、交流電流を供給することで回転する回転モータであり、供試体140に回転トルクを伝達する。
モータ駆動回路130は、DC/AC変換器を含み、第1の制御手段30から出力される駆動トルク指令値Cmd_tqの信号を交流の電流信号に変換し電動モータ120へ出力する回路である。
供試体140は、駆動系試験装置10の試験対象である自動車の駆動伝達系であり、電動モータ120と接続されている。供試体140は、試験内容に応じて付け替えることができ、例えば、フライホイールや、トルクコンバータ介したトランスミッションなどである。
モータ制御器20は、第1の制御手段30及び第2の制御手段40から構成されている試験機100の駆動制御部である。
第1の制御手段30は、微分器31、遅れ補償器32、及び、分波器33から構成され、第2の制御手段30の出力値HI_out及びトルク検出手段110の出力値Act_tqを入力し、駆動トルク指令値Cmd_tqをモータ駆動回路130へ出力する。
微分器31は、トルク検出手段110の出力値Act_tqを微分演算し、所定のゲインをかけたものを出力する演算部であり、主に試験機100のトルク検出手段110により検出される過渡及び/又は定常的な振動成分のピーク値(最大振幅)を減衰させることができる。
遅れ補償器32は、モータ駆動回路130の時間遅れ要素を予測演算し駆動トルク指令値Cmd_tqを補償する演算部である。
分波器33は、特定の周波数以下の信号だけを通過させる特性をもつローパスフィルタである。
第2の制御手段40は、H∞制御器41で構成され、目標トルク値Ref_tqと、トルク検出手段110の出力値Act_tqとの差分をH∞制御器41に入力し、H∞制御器41の出力値HI_outを第1の制御手段へ出力する。
H∞制御器41は、駆動系試験装置10の閉ループ系の伝達関数からなるH∞制御理論を用いた制御演算部であり、制御系のパラメータの調整部も含んでおり、主に装置の振動及び外乱を抑制させ、目標トルク値Ref_tqに追従させる制御を行なうことができる。また、閉ループ系の伝達関数から供試体140の運動モデルを除外することで、供試体140はモータ制御器20の制御に影響されない固有運動モードを含んだ試験データを取得することができる。本実施例においては、供試体140がトランスミッション及びトルクコンバータのときは、トランスミッション固有の回転時の挙動を試験データとして測定するのが目的となるので、トランスミッションの伝達特性を上述した閉ループ系の伝達関数に含めないようにH∞制御器41を設計する。これにより、電動モータ120は供試体140のトランスミッションを含まない制御系で回転トルクが制御され、トランスミッション固有の振動を抑制する制御は行なわれず、トランスミッションの挙動を試験データとして測定することができる。
次に、実施例1の駆動系試験装置10についての制御方法について説明する。
モータ制御器20は、図1に示すように、所望の駆動トルクが目標トルク値Ref_tqに設定されると、第2の制御手段40で目標トルク値Ref_tq及びトルク検出手段110の出力値Act_tqとの差分をとり、その差分値をH∞制御器41へ入力する。H∞制御器41は、周波数に依存した制御ゲイン調整が可能であり、内包した制御系の伝達特性により予測できる機械振動及び外乱を抑制する制御信号を演算し、演算結果HI_outを第1の制御手段30へと入力する。
第1の制御手段30は、トルク検出手段110の出力値Act_tqを微分器21で時間微分し、電動モータ120及びその周辺の機械構造体の過渡及び/又は定常的な振動を抑制する制御信号を演算する。また、モータ駆動回路130の時間遅れ成分を補償するために、駆動トルク指令値Cmd_tqを遅れ補償器22に入力し、遅れ補償器22の出力値とトルク検出手段の出力値Act_tqとの差分をとり、遅れによる補償値Obs_outを出力し、更に、遅れによる補償値Obs_outを分波器33に入力することで高域ノイズなどの制御に必要のない周波数成分を除去し、演算結果LPF_outを出力する。最後に、H∞制御器41の演算結果HI_out、微分器31の演算結果Der_out、及び、分波器33の演算結果LPF_outを加算し、加算結果を駆動トルク指令値Cmd_outとしてモータ駆動回路130へ出力する。
第1の制御手段30から出力された駆動トルク指令値Cmd_outは、モータ駆動回路130に入力され、駆動トルク指令値Cmd_outに準じた指令電流を電動モータ120へ出力し、電動モータ120を駆動させ、供試体140を回転させる。
図4は、本実施例1の形態における実測結果を示す図である。実測結果は、供試体140にフライホイールを用いたときの駆動系試験装置10の周波数応答図であり、入力である駆動指令Ref_tqに対し、出力であるトルク検出手段の出力値Act_tqが追従しているか否かを評価するグラフである。なお、図4の縦軸は、入出力比[dB]、横軸は、周波数[Hz]である。
また、同様にして、図5は、図3に示すように、第1の制御手段30のみを使用したときの実測結果を示す図であり、図6は、モータ制御器20を使用しないときの実測結果を示す図である。
モータ制御器20を用いないときは、図6に示すように、電動モータ120は、約450Hzで共振点を持ち、低域の周波数においても応答周波数としては約200Hz程度であること示している。また、200Hz以下の領域においては、入出力比が0dBとなっておらず、駆動指令Ref_tqに対し、出力であるトルク検出手段の出力値Act_tqが追従しきれていないことを示している。
それに対し、図3に示すような第1の制御手段30のみを使用して制御したときは、図5に示すように、約450Hzの共振ピークが約20dB減衰しており、振動抑制効果があることを示している。
更に、本実施例1にあるモータ制御器20を使用して制御したときは、図4に示すように、電動モータ120は、約450Hzの振動ピークをほぼ0dBまで減衰させ、約600Hzまでの応答特性を示し、低域周波数から600Hz近傍まで、縦軸は0dBを示し、入力に対し出力が十分に追従していることを示している。
以上より、実施例1の駆動系試験装置10には以下のような効果がある。
(1)駆動系試験装置10は、トルク検出手段110の出力値Act_tqをフィードバックしているので、回転速度に依存しない制御を行なうことができ、低回転領域から高精度に電動モータ120を制御することができる。
(2)第1の制御手段30は、微分器31と遅れ補償器32を備えているので、電動モータ120の過渡及び/又は定常的な振動を抑制し、また、モータ駆動回路130の時間遅れを補償することができ、電動モータ120を目標トルク値Ref_tqに追従して駆動させることができる。
(3)第2の制御手段40は、H∞制御器41を備え、第1の制御手段30とともに電動モータ120を制御しているので、電動モータ120の駆動に伴う振動及び外乱の抑制を行ない、電動モータ120を目標トルク値Ref_tqに追従して駆動させることができる。
図2は、本発明による実施例2の駆動系試験装置の制御系を示すブロック線図である。
なお、前述した実施例1と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施例2の駆動系試験装置10−2は、実施例1と同様に、自動車の駆動伝達系(トランスミッションなど)の試験を行なう装置であり、モータ制御器20が試験機100に接続された構成である。
モータ制御器20は、第1の制御手段30、第2の制御手段40、及び、補正手段50から構成されている試験機100の駆動制御部である。
第1の制御手段30は、微分器31、遅れ補償器32、分波器33、及び、第1の補正器51から構成され、第2の制御手段30の出力値HI_out及びトルク検出手段110の出力値Act_tqを入力し、駆動トルク指令値Cmd_tqをモータ駆動回路130へ出力する。
第2の制御手段40は、H∞制御器41で構成され、目標トルク値Ref_tqと、第2の補正手段52の出力値Rev_2及び第3の補正手段53の出力値Rev_3の加算値との差分をH∞制御器41に入力し、H∞制御器41の出力値HI_outを第1の制御手段へ出力する。
補正手段50は、第1の補正器51、第2の補正器52及び第3の補正器53により構成され、電動モータ120を自己とは異なる慣性モーメントで駆動させるための慣性モーメントの補正演算部である。本実施例では、供試体140は、最終製品の状態(自動車に組み込まれた状態)においては、エンジンに接続され回転するので、駆動系試験装置10で電動モータ120を使用する場合においても、エンジンを接続したときと同等の条件で供試体140を回転させる必要がある。そのために、補正手段50は、エンジンと電動モータ120との回転部の慣性モーメントの差異による供試体140の応答特性(試験データ)の変化をなくすために、電動モータ120の慣性モーメントJmによる回転をエンジンの慣性モーメント(Jt)による回転となるように補正するために使用される。
第1の補正手段51は、電動モータ120の慣性モーメントJm及び設定慣性モーメントJt(エンジンの慣性モーメント)の差分とJmとの比(Jm−Jt/Jm)を補正ゲインとした演算部である。
第2の補正手段52は、JtとJmとの比(Jt/Jm)を補正ゲインとした演算部である。
第3の補正手段53は、第1の補正ゲイン51と同様に、Jm及びJtの差分とJmとの比(Jm−Jt/Jm)を補正ゲインとした演算部である。
なお、設定慣性モーメントJtが0のとき、第1の補正手段51及び第3の補正手段53の補正ゲインは1となり、第2の補正手段52の補正ゲインは0となり、図2は、図1のブロック線図と同等になる。
次に、実施例2の駆動系試験装置10−2についての制御方法について説明する。なお、前述した実施例1と重複する制御方法の説明は適宜省略する。
設定慣性モーメントJtに所定の値、本実施例では、エンジンの慣性モーメントの値を設定する。第1の制御手段30は、図2に示すように、遅れ補償器32及び分波器33の演算結果に慣性モーメントの補正を加えるために、第1の制御手段30の分波器33の後に第1の補正器51を備える。第1の補正器51の演算結果Rev_1は、第2の制御手段40の演算結果HI_out及び微分器31の演算結果Der_outと加算され駆動トルク指令値Cmd_outとなる。
また、モータ制御器20は、第2の制御手段40に慣性モーメントの補正を含めた制御を行なわせるために、第2の補正器52に駆動トルク指令値Cmd_outの分岐信号を入力し、また、第3の補正器53にトルク検出手段110の出力値Act_tqを入力する。続いて、第2の補正器52及び第3の補正器53の演算結果Rev_2及びRev_3を加算して第2の制御手段40へ入力する。
以上より、モータ制御器20は、第1の補正器51及び第2の補正器52の演算結果の加算値Rev_2+Rev_3をフィードバック値とし、第2の制御手段40及び第1の補正器51を含んだ第1の制御手段30により制御演算するので、電動モータ120は設定慣性モーメントJtで駆動する。
続いて、実施例2の駆動系試験装置10−2についての実測結果について説明する。
実施例2は、供試体140にトルクコンバータを介したトランスミッションを用いている。
図7は、本実施例2の形態における慣性モーメント補正の評価結果を示す図である。図7の評価結果は、実測した慣性モーメントと設定慣性モーメントJtとの比を評価したものであり、縦軸は、実測及び設定慣性モーメントの比(誤差率)[%]、横軸は、周波数[Hz]である。
また、図8は、本実施例2の形態における実測結果を示す図である。実測結果は、図4〜6と同様に、入力である駆動指令Ref_tqに対し、出力であるトルク検出手段の出力値Act_tqが追従しているか否かを評価する周波数応答図である。同様にして、図9は、モータ制御器20を使用しないときの実測結果を示す図である。
補正手段50は、図7に示すように、設定慣性モーメントJtに対し約400Hzまで±20%以下の誤差率(Error)で制御できており、設定慣性モーメントJtを0から0.02、0.1と変更しても同等の誤差率で制御できていることを示している。
また、図8のA及び図9のBの比較より、供試体140がトルクコンバータを介したトランスミッションであっても、実施例1の実測結果(図4〜6)と同様に、モータ制御器20が試験機100の共振などの振動を抑制し、高周波数領域まで制御でき、また、図8のB、Cのように、Jtが変化しても周波数応答特性には変化がないことが示されている。
以上より、実施例2の駆動系試験装置10−2には、前述した実施例1の効果に加え、以下のような効果がある。
(1)電動モータ120の慣性モーメントJmの補正手段50を設けているので、電動モータ120の慣性モーメントJmとは異なる設定慣性モーメントJtで電動モータ120を駆動させることができる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)実施例1及び実施例2では、駆動系試験装置10は、自動車の駆動伝達系の試験機100であったが、それ以外に用いてもよい。例えば、加振器や電気自動車の駆動系に用いることも可能である。また、実施例1及び実施例2において、供試体140に対し加わる負荷要素として別途電動モータを設け、その電動モータの制御にモータ制御器20の制御系を用いることも可能である。
(2)実施例1及び実施例2では、電動モータ120に誘導電動モータを用い、モータ駆動回路130にDC/AC変換器を含んでいるが、電動モータ120にDCモータを用い、モータ駆動回路130にDCモータドライバを用いてもよい。
(3)実施例1及び実施例2では、トルク検出手段110にトルクフランジを用いたが、それ以外の測定器を用いてもよい。例えば、トルク検出手段110に、ひずみゲージ及びトルク演算器を用い、電動モータ120のトルク伝達軸のひずみをひずみゲージにて測定し、その出力値をトルク演算器にてトルク演算値へと変換し、出力することも可能であり、必要とする制御精度や、コストに応じて変更することができる。
本発明による実施例1の駆動系試験装置のブロック線図である。 本発明による実施例2の駆動系試験装置のブロック線図である。 本発明による第1の制御手段により構成された試験機のブロック線図である。 本発明による実施例1の駆動系試験装置の実測結果を示す図である。 本発明による第1の制御手段により構成された試験機の実測結果を示す図である。 本発明による実施例1のモータ制御器を用いないときの試験機の実測結果を示す図である。 本発明による実施例2の駆動系試験装置の慣性モーメント補正の評価結果を示す図である。 本発明による実施例2の駆動系試験装置の実測結果を示す図である。 本発明による実施例2のモータ制御器を用いないときの試験機の実測結果を示す図である。
符号の説明
10 駆動系試験装置
20 モータ制御器
30 第1の制御手段
40 第2の制御手段
50 補正手段
100 試験機



Claims (8)

  1. 電動モータを、モータ駆動回路を介して制御するモータ制御装置であって、
    前記電動モータの出力トルクを検出するトルク検出手段と、
    前記トルク検出手段の出力値に基づき、前記電動モータの駆動に伴う過渡及び/又は定常的な振動の抑制を行ない、前記モータ駆動回路の遅れを補償し、前記電動モータを第1の目標トルク値に追従するように制御する第1の駆動トルク指令値を前記モータ駆動回路に出力する第1の制御手段と、
    を備えるモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記第1の制御手段は、
    前記トルク検出手段の出力値を時間微分する微分器と、
    前記第1の駆動トルク指令値から前記モータ駆動回路の遅れ要素を予測演算させる遅れ補償器と、
    特定の周波数以下の信号を通過させる分波器とを有し、
    前記遅れ補償器の出力値及び前記トルク検出手段の出力値の差分値を前記分波器に入力し、前記分波器の出力値、前記第1の目標トルク値、及び、前記微分器の出力値を加算した値を前記第1の駆動トルク指令値として出力すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記トルク検出手段の出力値に基づき、前記電動モータの駆動に伴う振動及び外乱の抑制を行ない、前記電動モータを第2の目標トルク値に追従するように制御する第2の駆動トルク指令値を出力する第2の制御手段を備え、
    前記第2の駆動トルク指令値は、前記第1の目標トルク値に置き換えて、前記第1の制御手段へ入力すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ制御装置において、
    前記第2の制御手段は、制御対象の閉ループ系の伝達特性からなるH∞制御器を有し、前記第2の目標トルク値及び前記トルク検出手段の出力値の差分値を前記H∞制御器に入力し、前記第2の駆動トルク指令値を出力すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記電動モータの慣性モーメントを補正する補正手段を備えること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項5に記載のモータ制御装置において、
    前記補正手段は、
    前記電動モータの慣性モーメント及び設定慣性モーメントの差分と前記電動モータの慣性モーメントとの比で決まる第1の補正値を有し、前記第1の制御手段の前記分波器の出力値に前記第1の補正値を乗算する第1の補正器と、
    前記設定慣性モーメント及び前記電動モータの慣性モーメントの比で決まる第2の補正値を有し、前記第1の制御手段から前記モータ駆動回路へ出力される前記第1の駆動トルク指令値を分岐し、分岐した第1の駆動トルク指令値に前記第2の補正値を乗算する第2の補正器と、
    前記第2の制御手段に入力する前記トルク検出手段の出力値に前記第1の補正値を乗算する第3の補正器とを備え、
    前記第1の補正器の出力値は、前記第1の制御手段の前記分波器の出力値に置き換わり、
    前記第2の補正手段及び前記第3の補正手段の出力の加算値は、前記第2の制御手段に入力される前記トルク検出手段の出力値に置き換わること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記電動モータは、交流電流で駆動する誘導電動モータであり、
    前記モータ駆動回路は、直流を交流に変換するAC/DC変換器を含むこと、
    を特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記トルク検出手段は、前記電動モータのトルク伝達軸のひずみを検出するひずみゲージと、
    前記ひずみゲージの出力値からトルク演算値を演算し、出力するトルク演算器とを備えること、
    を特徴とするモータ制御装置。

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