JP6007121B2 - デッキ材の取付部材およびデッキ - Google Patents
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Description
本発明によれば、間隔規制部の当接面が平坦面で形成されるから、デッキ材の側部に対して面接触し易くなる。このことから、デッキ材からの外力を当接面の大きな接触面で受けることができ、当接面自身の変形を抑制しつつ、間隔規制部全体を良好に弾性変形させることができる。また、傾斜面が曲面で形成されるので、メンテナンス時において、デッキ材を既設の取付部材に向けて押し入れる際に、デッキ材が間隔規制部に引っ掛かったりせず、押し入れ作業をよりスムーズに行える。
本発明によれば、当接面の周囲全体が面状部分と連続している訳ではないので、剛性が過度に大きくならず、デッキ材の熱伸縮にあわせて間隔規制部を確実に弾性変形させることができる。
このようなデッキとしても、本発明特有の取付部材を備えることで、前述した本発明の目的を達成できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3において、デッキ10は平面四角形状とされ、室外において、一端部10Aが建物の壁面1(図3参照)に近接している。より具体的にデッキ10は、地上の所定位置にある束基礎F上に立設される複数の束柱11と、束柱11の上部間に架け渡される複数の大引き12と、大引き12の上部間に目地10B(図4(中間リンク15)参照)の間隔を空けて架け渡される複数のデッキ材13と、デッキ材13の壁面1側を除いた三方を囲う複数の幕板14と、大引き12の長手方向と直交する方向において、束柱11間にわたって取り付けられた根がらみ15とを備えている。
なお、以下の説明において、大引き12およびデッキ材13における幅方向とは、各部材12,13の長手方向と直交する見付け幅方向のことである。
ただし、デッキ10としては、大引き12をその長手方向が壁面1に対して直交する方向と一致するように配置したうえで、大引き12の長手方向と直交する方向にデッキ材13を架け渡した横並びタイプとして構成してもよい。横並びタイプでは、平面視にて、壁面1とデッキ材13の長手方向とが平行となる。
大引き12も、アルミ製の押出形材であり、ねじ止めによって束柱11の上部に固定されている(図2、図3参照)。大引き12の断面形状は略凸形状である。大引き12の上部において、図4(B)に拡大して示すように、大引き12の幅方向の両側には、平坦な設置面12Aが設けられている。設置面12Aには、後述する取付部材20が設置さられるとともに、大引き12に対しては、この取付部材20を介してデッキ材13が取り付けられる。具体的に大引き12には、設置面12Aの上方を一部覆うように、上面部分からその幅方向の両側に向けて水平に張り出した係合部12Bが設けられている。これらの設置面12Aおよび係合部12Bは、大引き12の長手方向に連続している。この係合部12Bにより、設置面12Aとの間には溝が形成され、この溝に取付部材20の基部21が嵌め込まれることで、取付部材20が係合部12Bに係合される。
これに対して、右側に示す他方のデッキ材13では、凹部13Aの上方に2条の側面13C,13Cが設けられ、下方に側面13Bが設けられている。
つまり、デッキ材13の断面形状は、その断面中心を回転中心とした点対称である。このため、隣り合うデッキ材13の対向部分では、互いの側面13Bと2条の側面13C,13Cとが上下反転した位置にある。
また、本実施形態では、側面13Bの水平方向への突出量は、側面13C,13Cの水平方向への突出量よりも小さい。従って、各デッキ材13の上側と下側とでは、それら側面13Bと側面13C,13Cとの対向部分の位置が幅方向にずれている。このことから、デッキ10の上方からは、目地10Bを通して地面側が見えないようになっている。さらに、目地10Bを通してデッキ10の上面から地面へ物が落下するのを防止できる。
根がらみ15は、アルミ製の押出形材であり、デッキ材13の長手方向と平行に配置され、束柱11同士を連結している。このような根がらみ15は、デッキ材13の長手方向の熱伸縮(主に反り変形)に追従し、束柱11が傾いてしまうのを防止する。
図4(A)ないし図4(C)において、取付部材20は、ステンレス製板金の打抜加工、曲げ加工、ブリッジ加工等により製作されている。取付部材20は、大引き12の各設置面12Aに設置されるよう、間隔を空けて一対設けられた基部21と、基部21に一体で、かつ大引き12の幅方向に沿って立設された板状の立面部22と、立面部22の上部側から大引き12の長手方向に向けて水平に延設された複数の係合片23とを備える。
また、各縁21Aは、互いに平行に設けられている。縁21A間の間隔W1は、大引き12の係合部12B間の幅寸法W2よりも僅かに大きい。
さらに、第2基部212には、表裏を貫通する丸孔21Bが設けられている。丸孔21Bに挿通されるねじにより、取付部材20が必要に応じて大引き12に固定される。
間隔規制部30は、図4(A)に示すように、平面視において、立面部22の面状部分からから一方のデッキ材13側である第2方向に弓状に突出している。間隔規制部30は、両側の基端部分でのみ立面部22の面状部分と連続している。図4(B)において、間隔規制部30の基端部分の下部側は切欠開口22Aに臨み、上部側は開口部22Bに臨んで設けられている。図4(C)において、間隔規制部30には、その突出側に配置されるデッキ材13の側面13Bが当接される。他方のデッキ材13の側面13C,13Cは、立面部22に対して間隔規制部30とは反対側の面状部分に当接している。このことから、立面部22が間隔規制部30の位置で両側からデッキ材13に当接され、間隔規制部30がそれらのデッキ材13の間隔を規制し、デッキ材13間には所定幅の目地10Bが形成される。
初めに、大引き12の端部側にデッキ材13を1枚配置し、このデッキ材13に第1係合片231を挿入するようにして取付部材20を大引き12上に設置する。取付部材20の設置にあたっては先ず、取付部材20を設置したい箇所にて、第1、第2基部211,212の傾斜した縁21Aが大引き12の長手方向と平行になるように設置面12Aに落とし込み、所定角度だけ回動させて第1、第2基部211,212の広がった部分を係合部12Bに係合させる。この時、取付部材20の立面部22を、図5(C)に示すように、最初に配置された図中の左側のデッキ材13の側面13Cに確実に当接させる。
(1)すなわち、取付部材20では、間隔規制部30に設けられた当接面31の両側が、それぞれ拡開した傾斜面32を介して立面部22の面状部分と滑らかに連続しているから、間隔規制部30がデッキ材13に食い込むことがなく、デッキ材13の長手方向の熱伸縮を阻害しない。また、間隔規制部30が弾性変形自在に突出しているため、デッキ材13の幅方向の熱伸縮を確実に吸収できる。従って、デッキ材13の幅方向および長手方向の熱伸縮を確実に許容できる。そして、間隔規制部30がデッキ材13に食い込まないことにより、デッキ材13を交換する場合でも、デッキ材13の引き出しや押し入れを容易にでき、デッキ10のメンテナンスを容易にできる。
図5(A)ないし図5(C)には、本発明の第2実施形態に係る取付部材20が示されている。本実施形態の説明においては、前述した第1実施形態と同一部材および同一機能部位には同じ符号を付して、ここでのそれらの説明を省略または簡略化し、第1実施形態とは異なる構成について説明する。
このような本実施形態では、第1実施形態で説明した(1)、(2)、(4)、(5)、(7)の効果を同様に得ることができ、加えて以下の(9)の効果がある。
例えば、前記第1、第2実施形態の取付部材20では、第1、第2係合片231,232に押圧部23Aが設けられていたが、このような押圧部がない場合でも本発明に含まれる。そして、そのような場合には、上方に突出した押圧部をデッキ材側に設けることが望ましく、こうすることで、前述した(7)の効果を同様に得ることができる。
Claims (4)
- 大引き上に架け渡される複数のデッキ材を前記大引きに取り付けるための取付部材であって、
基部と、前記基部から立設された板状の立面部とを備え、
前記立面部には、該立面部の面状部分に直交する第1方向およびこれとは反対方向の第2方向に延出した第1係合片および第2係合片と、前記第1方向および前記第2方向の少なくともいずれかの方向に突出した弾性変形可能な間隔規制部と、前記間隔規制部よりも下方に位置する切欠開口と、前記間隔規制部よりも上方に位置する開口部とが設けられ、
前記間隔規制部は、前記立面部の前記面状部分において互いに離間した位置から延出され、かつ延出するに従って互いに近づく方向に傾斜した一対の傾斜面と、前記一対の傾斜面間を連結するとともに、前記デッキ材と当接する当接面とを有し、
前記立面部の長さ方向に沿った前記切欠開口および前記開口部の長さ寸法は、前記間隔規制部の長さ寸法よりも長い寸法とされ、
前記切欠開口は、前記間隔規制部の基端部分よりも下部側に臨んで位置し、
前記開口部は、前記間隔規制部の基端部分よりも上部側に臨んで位置する
ことを特徴とするデッキ材の取付部材。 - 前記当接面は、前記面状部分と平行な平坦面で形成され、
前記傾斜面は、外側に膨らんだ曲面で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデッキ材の取付部材。 - 前記間隔規制部は、前記傾斜面の基端部のみが前記面状部分に連続している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデッキ材の取付部材。 - 間隔を空けて配置された大引きと、
前記立面部の面状部分が前記大引きの幅方向に沿う向きで前記大引きに取り付けられた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の取付部材と、
長手方向の側面に形成された凹部が前記取付部材の各係合片に係合して取り付けられたデッキ材とを備える
ことを特徴とするデッキ。
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