JP6006513B2 - 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6006513B2
JP6006513B2 JP2012067322A JP2012067322A JP6006513B2 JP 6006513 B2 JP6006513 B2 JP 6006513B2 JP 2012067322 A JP2012067322 A JP 2012067322A JP 2012067322 A JP2012067322 A JP 2012067322A JP 6006513 B2 JP6006513 B2 JP 6006513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
layer
thermal spray
resistant
spray coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012067322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199011A (ja
JP2013199011A5 (ja
Inventor
章太 是永
章太 是永
隆 熊井
隆 熊井
斉藤 誠
誠 斉藤
洸二 成澤
洸二 成澤
島田 政紀
政紀 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD.
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD.
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD., Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical YOSHIKAWAKOGYO CO.,LTD.
Priority to JP2012067322A priority Critical patent/JP6006513B2/ja
Publication of JP2013199011A publication Critical patent/JP2013199011A/ja
Publication of JP2013199011A5 publication Critical patent/JP2013199011A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6006513B2 publication Critical patent/JP6006513B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

本発明は、一般に、炭素繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック等の繊維強化複合材に関し、特に、表面にセラミックス、サーメット、金属等が溶射された耐摩耗性に優れたロール材として使用される耐摩耗性、耐熱性を有し、更には、表面平滑性を有した繊維強化複合材である搬送用ロール及びその製造方法に関するものである。
従来、炭素繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック等の繊維強化複合材にてロール材、板材などの構造体を作製することが行われているが、特に、これら繊維強化複合材で作製された構造体の表面の耐摩耗性、耐熱性を向上させるために、表面にセラミックス、サーメット、金属等を溶射することが提案されている。
特許文献1は、プラスチックや繊維強化プラスチックのロール表面に有機高分子材料と無機質材料とから成るアンダーコート層を設け、その上にセラミックスを溶射してセラミックス皮膜を形成した耐摩耗性、表面平滑性に優れたローラーを記載している。
また、特許文献2は、繊維強化プラスチック基材の表面に、基材の樹脂と同種の樹脂とセラミックス粒子の混合物を中間層として設け、トップコートとして炭化物サーメットから成る溶射皮膜層を設けた構成の耐摩耗性等の表面特性に優れたプラスチック基複合材料を記載している。
しかしながら、上記特許文献に記載されるローラー、プラスチック基複合材料は、その製造に際して、繊維強化プラスチックを成型するのに加熱(焼付け)が必要なのに加えて、アンダーコート層(特許文献1)或いは中間層(特許文献2)を形成するのに再度加熱(焼付け)することが必要であり、溶射に至るまでに複数の工程が必要とされる。また、少なくとも二度の加熱(焼付け)が必須であり、エネルギーコストがかかり、コスト高となっている。
そこで、本件特許出願人は、特許文献3に記載するように、繊維強化プラスチックロール、板材などとして使用し得る耐摩耗性の繊維強化複合材を提案した。本願添付の図2(a)、(b)、(c)を参照して説明すると、耐摩耗性の繊維強化複合材1は、繊維強化プラスチック基材層2と、繊維強化プラスチック基材層2の表層に積層されたガラス繊維強化プラスチック層3と、ガラス繊維強化プラスチック層3の表層に溶射により被覆された溶射皮膜層4とを有する構成とされる。
特許文献3に記載する繊維強化複合材1は、繊維強化プラスチック基材2の表層にガラス繊維強化プラスチック層3を積層し、基材となる繊維強化プラスチックの成形時に同時に加熱硬化させ、表層にガラス繊維強化プラスチック層3を形成し、その後、ブラスト処理してから溶射を行うことで、上記特許文献1、2に記載するようなアンダーコート層、或いは、セラミックス粒子が食い込んだトップコート層を設けることなく、良好な接着強度を有する溶射皮膜層4を形成することができる。
実公平4−7378号公報 特許第4436957号公報 特願2010−225867号
上記特許文献3に記載する繊維強化複合材1は、表面層として良好な接着強度を有する溶射皮膜層4が形成された耐摩耗性、耐熱性に優れたものである。
本発明者らは、上記繊維強化複合材1の耐摩耗性、耐熱性、更には、表面平滑性を改良するべく多くの研究実験を行った結果、繊維強化複合材1のこれら特性は、溶射皮膜層4の「気孔率」と大きく関係していることを見出した。
本願明細書、特許請求の範囲にて「気孔率」とは、「溶射工学便覧」(日本溶射協会2010年1月出版第600頁)に記載の画像処理による気孔率の測定に基づいて行い気孔率を算出した。即ち、鏡面研磨した試料断面を光学顕微鏡により観察し、画像を2値化処理し、黒色領域の全体に占める面積の割合から気孔率を算出した。
つまり、繊維強化複合材1の溶射皮膜層の気孔率を制御することにより、繊維強化複合材1の耐摩耗性、耐熱性、更には、スーパーフィニッシュ研磨(以下、「SF研磨」という。)仕上げ加工により表面平滑性が飛躍的に増大し、安定した品質の繊維強化複合材を提供し得ることを見出した。
本発明は、斯かる本発明者らの新規な知見に基づくものである。
本発明の目的は、アンダーコート層、或いは、セラミックス粒子が食い込んだトップコート層を設けることなく、良好な接着強度を有する溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性、更には、表面平滑性に優れたロール状繊維強化複合材である搬送用ロール及びその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、特に、溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性、更には表面平滑性に優れたロール状の炭素繊維強化複合材である搬送用ロール及びその製造方法を提供することである。
上記目的は本発明に係る溶射皮膜を有する耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、最外層に溶射皮膜層を有する耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールであって、
繊維強化プラスチック基材層と、前記繊維強化プラスチック基材層の表層に積層されたガラス繊維強化プラスチック層と、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表層に溶射により被覆された溶射皮膜層とを有し、
前記溶射皮膜層は、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に溶射により被覆された下部溶射皮膜層と、前記下部溶射皮膜層の表面に溶射により被覆され、前記搬送用ロールの表面層を形成する上部溶射皮膜層とを有し、前記下部溶射皮膜層の気孔率は、前記上部溶射皮膜層の気孔率より大とされ、
前記下部溶射皮膜層の気孔率は、10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールである。
第1の本発明にて、一実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層の気孔率は、15〜20%であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1〜3%とされる。
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が×10−610×10−6(1/℃)である。
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.05〜0.1mmである。
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.10.3mmであり、ビッカース硬度HVが6001000、表面の平均粗さRaが0.05〜0.15μmである。
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層及び上部溶射皮膜層を形成する溶射材料は、粒状のセラミックス、サーメット又は金属、又はこれらの混合物である。
第1の本発明にて、他の実施態様によれば、前記繊維強化プラスチック基材層の強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用され、
前記繊維強化プラスチック基材層及び前記ガラス繊維強化プラスチック層の樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂、又は、ナイロン若しくはビニロンが使用される。
第2の本発明は、耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法であって、
(a)マンドレルに、ロール基材となる繊維強化プラスチック基材層を形成するために所定の強化繊維を所定の樹脂を用いて巻き付けて基材となる強化繊維層を形成し、引き続いて、前記基材となる強化繊維層の上に、ガラス繊維強化プラスチック層を形成するために所定の樹脂を用いてガラス繊維を巻き付けてガラス繊維層を積層する工程、
(b)前記基材となる強化繊維層及び前記ガラス繊維層の樹脂を同時に加熱硬化させる工程、
(c)前記ガラス繊維層の樹脂が硬化して形成された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面を粗面化処理する工程、
(d)前記粗面化処理された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に所定の溶射材料を溶射して下部溶射皮膜層を形成する工程、
(e)前記下部溶射皮膜層の表面に所定の溶射材料を溶射して、気孔率が、前記下部溶射皮膜層の気孔率より小さくなるようにして上部溶射皮膜層を形成する工程、
を有し、
前記下部溶射皮膜層の気孔率は10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法である。
第2の本発明にて、一実施態様によれば、前記基材となる強化繊維層の強化繊維は、炭素繊維である。
第2の本発明にて、他の実施態様によれば、前記工程(a)にて、前記ガラス繊維は、前記マンドレルに同一の角度方向で巻き付ける。
第3の本発明は、耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法であって、
(a)マンドレルに、ロール基材となる繊維強化プラスチック基材層を形成するための所定の強化繊維を使用した基材となるプリプレグを巻き付け、引き続いて、前記基材となるプリプレグの上に、ガラス繊維強化プラスチック層を形成するためのガラス繊維プリプレグを巻き付けて積層する工程、
(b)前記基材となるプリプレグ及び前記ガラス繊維プリプレグの樹脂を同時に加熱硬化させる工程、
(c)前記ガラス繊維プリプレグが硬化して形成された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面を粗面化処理する工程、
(d)前記粗面化処理された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に所定の溶射材料を溶射して下部溶射皮膜層を形成する工程、
(e)前記下部溶射皮膜層の表面に所定の溶射材料を溶射して、気孔率が、前記下部溶射皮膜層の気孔率より小さくなるようにして上部溶射皮膜層を形成する工程、
を有し、
前記下部溶射皮膜層の気孔率は10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法である。
第3の本発明にて、一実施態様によれば、前記基材となるプリプレグの強化繊維は、炭素繊維である。
第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記ガラス繊維プリプレグは、ガラス繊維が一方向に引き揃えて形成されたUD形状プリプレグであるか、又は、ガラス繊維織物を使用して形成されたガラスクロスプリプレグである。
第2及び第3の本発明にて、一実施態様によれば、前記工程(c)にて、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面は、ブラスト処理により平均粗さRaが2〜10μmに粗面化処理される。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層の気孔率は、15〜20%であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1〜3%とされる。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が×10−610×10−6(1/℃)である。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.05〜0.1mmである。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.10.3mmであり、ビッカース硬度HVが6001000、表面の平均粗さRaが0.05〜0.15μmである。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記下部溶射皮膜層及び上部溶射皮膜層を形成する溶射材料は、粒状のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物である。
本発明によれば、アンダーコート層、或いは、セラミックス粒子が食い込んだトップコート層を設けることなく、良好な接着強度を有する溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性、更には、表面平滑性に優れたロール状の繊維強化複合材である搬送用ロールを得ることができる。特に、本発明によれば、溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性、更には、表面平滑性に優れたロール状の炭素繊維強化複合材である搬送用ロール及びその製造方法が得られる。
本発明に係る繊維強化複合材の断面構造を説明する概略図である。 図2(a)は、先行技術における繊維強化複合材の断面構造を説明する概略図であり、図2(b)は、図2(a)に示す繊維強化複合材の一例であるロール状の繊維強化複合材の製造方法を説明する図であり、図2(c)は、先行技術における繊維強化複合材の一例である板状の繊維強化複合材の製造方法を説明する図である。
以下、本発明に係る溶射皮膜を有する耐摩耗性、耐熱性及び表面平滑性に優れたロール状の繊維強化複合材である搬送用ロール及びその製造方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1に、本発明に係る溶射皮膜層4を有する耐摩耗性、耐熱性、更には、SF研磨を施すことによりすぐれた表面平滑性をも有することができる繊維強化複合材1の概略断面構成を示す。本発明の繊維強化複合材1は、繊維強化プラスチック基材層2と、この繊維強化プラスチック基材層2の表層に積層されたガラス繊維強化プラスチック層3と、このガラス繊維強化プラスチック層3の表層に溶射により被覆された溶射皮膜層4とを有している。本発明の特徴ある構成によれば、溶射皮膜層4は、下部溶射皮膜層5と上部溶射皮膜層6とにて構成される。
次に、各層について更に詳しく説明する。
繊維強化プラスチック基材層2となる繊維強化プラスチックの強化繊維としては、炭素繊維が最も好ましいが、その他、種々の繊維を使用し得る。例えば、強化繊維としては、炭素繊維の他に、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
また、繊維強化プラスチック基材層2及びガラス繊維強化プラスチック層3にて強化繊維に含浸されるマトリクス樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などが好適に使用され、又、熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ビニロンなどが好適に使用可能である。又、樹脂含浸量は、30〜70重量%、好ましくは、40〜60重量%とされる。
繊維強化プラスチック基材層2は、通常、層厚さt2が1〜30mm、ガラス繊維強化プラスチック層3は、通常、層厚さt3が0.5〜5mmとされ、用途に応じて適宜選定される。
溶射皮膜層4は、ガラス繊維強化プラスチック層3の表層に溶射により被覆された下部溶射皮膜層5と、この下部溶射皮膜層5の表層に溶射された上部溶射皮膜層6とにて構成される。
ここで、本発明によれば、下部溶射皮膜層5の気孔率は、上部溶射皮膜層6の気孔率より大とされる。次に、下部溶射皮膜層5と上部溶射皮膜層6とについて更に詳しく説明する。
(下部溶射皮膜層)
本実施例によれば、下部溶射皮膜層5は、皮膜厚さt5が0.02〜1.0mmとされ、下部溶射皮膜層5の気孔率は、上部溶射皮膜層6より大とされ、10%以上、30%以下とされる。皮膜厚さt5が0.02mm未満では、ガラス繊維強化プラスチック層3の凹部が埋まりきらず、ガラス繊維強化プラスチック層3が露出してしまう個所ができて十分な密着力を得ることができず、耐熱200℃を達成することができない。また、1.0mmを超えるとコスト高の問題がある。更に、気孔率が10%未満の場合は、溶射皮膜の残留応力が大きくなり、使用温度が200℃では皮膜の割れといった問題がある。気孔率が30%を超えると、下部溶射皮膜層5内の密着力が低下し、研磨時に皮膜割れという問題がある。下部溶射皮膜層5の最適な仕様は、皮膜厚さt5が0.05〜0.1mmとされ、気孔率が15〜20%とされる。
また、下部溶射皮膜層5を形成する溶射材料としては、粒状のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物等を使用し得る。詳しくは、セラミックスとしては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、クロミア、サーメットとしては、タングステンカーバイド+コバルト、タングステンカーバイド+ニッケルクロム、クロムカーバイド+ニッケルクロムなどがあり、金属としては、コバルト化合物、モリブデン、ニッケル、ニッケルクロムなどを単体又はこれらの混合物を使用し得る。溶射材料の粒径としては、平均粒径で5〜100μmが好適に使用可能である。
また、下部溶射皮膜層5を形成する溶射材料は、線膨張係数が3×10-6〜12×10-6(1/℃)の範囲内にある材料特性を示すものとされる。線膨張係数が3×10-6(1/℃)未満又は12×10-6(1/℃)を超えれば、ガラス繊維強化プラスチック層3との線膨張差が大きく、使用温度200℃では、皮膜の割れや剥離といった問題がある。最適な使用としては、下部溶射皮膜層5の材料は、線膨張係数が7×10-6〜10×10-6(1/℃)とされる。
(上部溶射皮膜層)
本実施例によれば、上部溶射皮膜層6は、皮膜厚さt6が0.03〜1.0mmとされ、上部溶射皮膜層6の気孔率は、下部溶射皮膜層5よりも小さくされ、1%以上、10%未満とされる。更に、表面粗さが平均粗さRaで0.05〜1.0μm、表面硬度がビッカース硬度HVで400〜1200、とされる。
皮膜厚さt6が0.03mm未満では、研磨代が少なく十分な表面平滑性が得られないといった問題があり、また、1.0mmを超えると皮膜の割れ、コスト高になるといった問題がある。更に、気孔率が1%未満の場合は、上部溶射皮膜の残留応力が大きくなり、使用温度200℃では下部溶射皮膜層5と上部溶射皮膜層6との界面で割れるという問題がある。気孔率が10%を超えると、表面粗さRaを1.0μm以下にするためには、SF研磨すなわちスーパーフィニッシュ研磨に時間がかかりコスト高になるという問題がある。
表面粗さについていえば、平均粗さRaが0.05μm未満では、SF研磨すなわちスーパーフィニッシュ研磨に時間がかかりコスト高となるといった問題があり、また、1.0μmを超えると表面の凹凸が大き過ぎて、十分な表面平滑性を得ることができず、フィルム搬送用ロール等に使用する場合、フィルムに傷が入り、実使用に耐えないといった問題がある。
更に、表面硬度についていえば、ビッカース硬度HVが400未満では、十分な耐摩耗性が得られないといった問題があり、また、1200を超える仕様にするには高価な溶射材料を用いることとなりコスト高になるといった問題がある。
最適な仕様としては、皮膜厚さt6が0.1〜0.3mm、気孔率が1〜3%、表面粗さRaが0.05〜0.15μm、表面硬度HVが600〜1000、とされる。
また、上部溶射皮膜層6を形成する溶射材料としては、上記下部溶射皮膜層5の溶射材料と同様のものを使用することができる。即ち、粒状のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物等を使用し得る。詳しくは、セラミックスとしては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、クロミア、サーメットとしては、タングステンカーバイド+コバルト、タングステンカーバイド+ニッケルクロム、クロムカーバイド+ニッケルクロムなどがあり、金属としては、コバルト化合物、モリブデン、ニッケル、ニッケルクロムなどを単体又はこれらを混合して使用し得る。溶射材料の粒径としては、平均粒径で5〜100μmが好適に使用可能である。
また、上部溶射皮膜層6を形成する溶射材料は、下部溶射皮膜層5の溶射材料と同様に、線膨張係数が3×10-6〜12×10-6(1/℃)の範囲内にある材料特性を示すものとされる。上部溶射皮膜層6と下部溶射皮膜層5の溶射材料として、同様の線膨張係数を有した材料を使用することにより、使用温度200℃といった高温環境下での皮膜の割れや剥離といった問題を回避することができる。最適な使用としては、上部溶射皮膜層6の材料は、下部溶射皮膜層5の材料と同様に、線膨張係数が7×10-6〜10×10-6(1/℃)とされる。
上記構成から成る繊維強化複合材1は、繊維強化プラスチック基材層2と、その表層に積層されたガラス繊維強化プラスチック層3とは、基材層2となる繊維強化プラスチックの成形時に同時に加熱して(焼付けて)硬化させる。その後、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面をブラスト処理し、次いで、溶射材料が所定厚さで溶射され、下部溶射皮膜層5及び上部溶射皮膜層6とにて構成される溶射皮膜層4が形成される。
本発明に係る繊維強化複合材1は、ロール状或いは板状に成形され、例えば、耐摩耗性のロール状繊維強化複合材は、例えば、150〜200℃といった高温の環境下にて使用されるフィルム搬送用ロール等のような種々の産業機械装置におけるロールとして、或いは、耐摩耗性の板状繊維強化複合材は、フィルム、シート製造時の板状ガイド部材などとして有効に使用される。
次に、本発明の繊維強化複合材の製造方法についてさらに詳しく説明する。
(繊維強化プラスチック基材及びガラス繊維強化プラスチック層の成形)
本発明の繊維強化複合材の一実施例である繊維強化複合材ロールの場合について説明する。また、基材となる繊維強化プラスチック層2の強化繊維としては、炭素繊維を使用するものとして説明する。
本実施例の炭素繊維強化複合材ロール(以下、「CFRPロール」という。)は、従来当業者には周知のフィラメントワインディング法或いはシートワインディング法を用いて好適に作製することができる。
(フィラメントワインディング法)
CFRPロールをフィラメントワインディング法にて作製する場合を、図2(b)を参照して説明する。本実施例では、先ず、マンドレル100に炭素繊維を所定の樹脂を用いて巻き付け、ロール基材となる繊維強化プラスチック基材層2のための基材となる強化繊維層2A、即ち、本実施例では、炭素繊維強化プラスチック基材層2のための炭素繊維層(基材となる炭素繊維層)2Aを形成する。
引き続いて、基材となる炭素繊維層2Aの上に、所定の樹脂を用いてガラス繊維を巻き付けてガラス繊維強化プラスチック層3のためのガラス繊維層3Aを積層する。この時、ガラス繊維を直接に基材となる炭素繊維層2Aの上に巻き付けることもできるが、ガラス繊維にて作製されたガラス繊維織物であるガラスクロスを所定幅に切断して作製したガラスクロステープを巻き付ける方法でも良い。
ガラス繊維巻き付け時に使用する樹脂は、炭素繊維巻き付け時に使用した樹脂と同じか或いは同系統の樹脂が好ましい。また、樹脂にアルミナ等の溶射に用いる無機粉末を樹脂に添加することも有効である。添加量としては、樹脂量に対して30〜70重量%とされる。
なお、フィラメントワインディング法にて基材となる炭素繊維層2Aの最外層にガラス繊維を巻付ける場合に、プラスマイナスのヘリカル巻を行った場合には、繊維の交差部で樹脂だけの部分ができてしまい、溶射材料を溶射した場合に充分な付着強度が得られない部分が発生するために、プラス方向のみ、或いは、マイナス方向のみの同一角度方向に巻き付けるのが望ましい。
次いで、ガラス繊維層3Aの上からテーピングを行い、基材となる炭素繊維層2A及びガラス繊維層3Aを巻き締めた後、マンドレル100ごと硬化炉に装入し、基材となる炭素繊維層2A及びガラス繊維層3Aの樹脂を硬化させる。これにより、炭素繊維プラスチック基材層2及びガラス繊維強化プラスチック層3の積層体から成るロール素管1Aが成形される。
その後、テープを除去後、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面を研削し、ロール径を所定寸法に合わせる。所定径とされたロール表面、即ち、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面をブラスト処理し、所定の粗さとする。この時のガラス繊維強化プラスチック層3の表面粗さは、平均粗さRaで2〜10μm、最適には4〜8μm、とされる。2μm未満だと密着力が弱く、10μmを越えると基材にダメージを与える。
このように、溶射前に、ロール表面を研磨し、また、ブラスト処理してロール表面を所定の粗面とすることにより、ロール表層にガラス繊維のガラス部分30(図1(a)参照)が露出して、溶射皮膜層4(即ち、下部溶射皮膜層5)のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物がガラス部分30に付着して十分な接着性(接着強度)を示すためであると推定される。
次いで、この粗面とされた表面に対して所定の溶射材料を使用して溶射し、ロール表面に下部溶射皮膜層5を形成する。
(シートワインディング法)
シートワインディング法は、シート状のプリプレグ繊維シートを使用する点を除けば、上記フィラメントワインディング法と同様にして実施される。
つまり、CFRPロールをシートワインディング法にて作製する場合には、図2(b)を参照して説明すると、先ず、マンドレル100に所定の積層構成で、炭素繊維強化プラスチック基材層2を形成するための炭素繊維プリプレグ2Aを巻き付けた後、ガラス繊維強化プラスチック層3を形成するためのガラス繊維プリプレグ3Aを炭素繊維プリプレグ2Aの最外層に巻き付ける。ガラス繊維プリプレグ3Aは、ガラスクロスのプリプレグでも、ガラス繊維を一方向に引き揃えたUD形状プリプレグでも良い。ガラス繊維プリプレグ3Aの樹脂は、炭素繊維プリプレグ2Aに使用した樹脂と同じか或いは同系統の樹脂が好ましい。
次いで、テーピングを行い、炭素繊維プリプレグ2A及びガラス繊維プリプレグ3Aを巻き締めた後、マンドレルごと硬化炉に装入し、炭素繊維プリプレグ2A及びガラス繊維プリプレグ3Aの樹脂を硬化させ、炭素繊維強化プラスチック基材層2及びガラス繊維強化プラスチック層3から成るロール素管1Aを作製する。その後、上記フィラメントワインディング法と同様に、テープを除去後、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面を研磨し、ロール径を所定寸法に合わせる。所定径とされたロール表面、即ち、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面をブラスト処理し、所定の粗さとする。
次いで、この表面に対して所定の溶射材料を使用して溶射し、ロール表面に溶射皮膜層4(即ち、下部溶射皮膜層5)を形成する。
本発明の繊維強化複合材1は、上記ロール形状の構造体に限定されず、図2(c)に図示するように、平板状或いは複雑な形状をした構造体の繊維強化複合材とすることもできる。
この場合にも、構造体基材となるプリプレグ2Aの最外層にガラス繊維プリプレグ3Aを積層し、樹脂を硬化させて、繊維強化プラスチック層2とガラス繊維強化プラスチック層3から成る板状の素材1Aを作製する。その後、硬化したガラス繊維強化プラスチック層3の表面を研削し、ガラス繊維強化プラスチック層3の表面をブラスト処理し、所定の粗さとする。
次いで、この表面に対して所定の溶射材料を使用して溶射し、ロール表面に溶射皮膜層4を形成する。
(溶射皮膜層の形成)
(A)下部溶射皮膜層の形成
上記粗面化されたガラス繊維強化プラスチック層3の表面は、プラズマ溶射装置を用いて所定の溶射材料を厚さt5が0.02〜1.0mmとなるように溶射して下部溶射皮膜層5が形成(被覆)される。この時、下部溶射皮膜層5の気孔率が10%以上、30%以下となるようにする。方法は特に限定しないが、例えば溶射距離を適正に調節することにより達成することができる。
(B)上部溶射皮膜層の形成
上述の下部溶射皮膜層5の表面には、プラズマ溶射装置を用いて所定の溶射材料を厚さt6が0.03〜1.0mmとなるように溶射して上部溶射皮膜層6が形成(被覆)される。この時、上部溶射皮膜層6の気孔率が1%以上、10%未満となるようにする。方法は特に限定しないが、例えば溶射距離を適正に調節することにより達成することができる。
溶射被覆処理後には、必要に応じて溶射皮膜の研磨処理、その後、溶射皮膜の封孔処理工程を設けることができる。
なお、本実施例では、上記溶射被覆処理後に研磨処理し、その後、封孔処理を実施した。封孔剤としては、シラン系封孔処理剤(例えば、株式会社ディ・アンド・ディ製のパーミエイト(商品名))などがあり、この封孔剤を溶射皮膜上に10〜30g/m2で塗布した後に、硬化を促進するために高温炉内(50〜100℃)にて30分〜3時間程度硬化させる。
封孔処理後に、溶射皮膜表面をSF研磨する。これにより、溶射皮膜表面の表面粗さ(平均粗さ)Raは0.05〜1.0μmとされる、厚さ0.03〜1.0mmの上部溶射皮膜層6を形成する。
次に、本発明の繊維強化複合材の性能を立証するために、本発明に従った構成の繊維強化複合材ロールを作製し、比較例と比較した実験例について説明する。
実験例1
フィラメントワインディング法により、本発明に従った構成とされるCFRPロールを作製した。
炭素繊維として、モノフィラメント平均径7μm、収束本数12000本の繊維束、即ち、PAN系炭素繊維ストランド(三菱レイヨン株式会社製「TR50」(商品名))を用い、樹脂としてはエポキシ樹脂(新日鉄マテリアルズ株式会社製「HP100」)を用いて、外径88mm、長さ2mのマンドレルに90°(周方向)、±45°、±15°の角度にて、基材となる炭素繊維層2Aが5mm厚み(繊維体積含有率Vf=57%)となるように巻き付けた。
引き続いて、上記基材となる炭素繊維層2Aの上に、同一の樹脂を用い、ガラス繊維としては、TEX1174g/km、即ち、Eガラス繊維ストランド(日東紡績株式会社製「RS110QL」(商品名))を用いて、ガラス繊維を+60°の同一の角度で2mm厚み(Vf=57%)になるように巻き付けた。樹脂含浸量で言えば、基材となる炭素繊維層2Aは、32重量%であり、ガラス繊維層3Aは、21重量%であった。
その後、幅25mm、厚さ0.1mmのPETテープを用いてテーピングを行った後、樹脂が含浸された基材となる炭素繊維層2A及びガラス繊維層3Aを巻き付けたマンドレル100を加熱硬化炉に装入し、2℃/分の昇温速度で180℃まで昇温し、3時間ホールドした後に降温し、硬化した強化繊維プラスチック成形物(素管)1Aをマンドレル100より脱型した。これにより、ガラス繊維強化プラスチック層3が表層に形成された内径88mm、炭素繊維強化プラスチック基材層2の厚さ(t2)が5mm、ガラス繊維強化プラスチック層3の厚さ(t3)が2mm、長さ1800mmの炭素繊維強化プラスチック管(素管)1Aを得た。
このロール素管1Aに軸付けを行い、ロール直径が100mmになるように研磨し、ガラス繊維強化プラスチック層3の研削された面を露出させた。
次に、ブラスト処理によりガラス繊維強化プラスチック層3の表面の粗面化を行った。表面粗さRaは、7.6μmであった。
この粗面化されたガラス繊維強化プラスチック層3に対して、下部溶射皮膜層5を形成するために、溶射材料としてセラミックス粒子であるアルミナ・チタニアを用い、プラズマ溶射を行った。溶射材料であるアルミナ・チタニアの線膨張係数は、8.5×10-6(1/℃)であった。
このようにして形成した下部溶射皮膜層5の厚さ(t5)は、0.1mmであった。また、下部溶射皮膜層5の気孔率が15%となるように、溶射距離を150mmに設定して溶射を行なった。
更に、このようにして形成された下部溶射皮膜層5に対して、上部溶射皮膜層6を形成するために、溶射材料としてセラミックス粒子であるアルミナ・40%チタニアを用い、プラズマ溶射を行った。溶射材料であるアルミナ・40%チタニアの線膨張係数は、8.7×10-6(1/℃)であった。
このようにして形成した上部溶射皮膜層6の厚さ(t6)は、0.2mmであった。また、上部溶射皮膜層6の気孔率が5%となるように、溶射距離を70mmに設定して溶射を行なった。
上記溶射により、下部溶射皮膜層5と上部溶射皮膜層6との合計膜厚(t5+t6)は、0.3mmであった。
上記下部溶射皮膜層5及び上部溶射皮膜層6を形成するための溶射において用いた溶射材料であるアルミナ・チタニア粒子及びアルミナ・40%チタニアは、それぞれ、昭和電工株式会社製の「K−13」(商品名)及び「K−40M」(商品名)であり、プラズマ溶射装置は、SULZER METCO株式会社製の「9MBプラズマ溶射」(商品名)であった。溶射条件は、使用ガス:N2/H2、流量N2:35〜40L/min、H2:10〜15L/min、使用ガス比率:N2:H2=3:1、電圧:70〜76V、粉末供給量:5〜10g/minであった。
溶射後に研磨処理し、その後封孔処理を実施した。封孔剤は、株式会社ディ・アンド・ディ製のパーミエイト(商品名)であり、溶射皮膜上に30g/m2で塗布した後に、80℃、30分硬化させた。
封孔処理後に、溶射皮膜表面をSF研磨した。
溶射皮膜表面に対して、SF研磨後に接触式の表面粗度計で粗度測定を実施した。結果は、表面粗さ(平均粗さ)Raが0.1μmであった。また、ビッカース硬度計にて表面硬度を測定した。ビッカース硬度HVは、630であった。
更に、耐熱試験を実施した。試験条件は、180℃の炉中に2時間保持し、その後、炉より取り出し、溶射皮膜の割れ、剥離を目視で確認した。皮膜の割れ、剥離等の問題は発生せず、良好な皮膜を得ることができた。耐熱試験後にロールを切断して気孔率を測定すると、下部溶射皮膜層5における気孔率は19%であり、上部溶射皮膜層6の気孔率は3%であった。
比較例1
比較のために、上記実験例1の場合と同じ材料及び製造条件により、ブラスト処理によりガラス繊維強化プラスチック層3の表面の粗面化を行ったロール素管1Aを得た。表面粗さRaは、7.6μmであった。
次に、この粗面化されたガラス繊維強化プラスチック層3に対して、下部溶射皮膜層5を形成するために、溶射材料として、線膨張係数が17.3×10-6(1/℃)の80Ni−20Crを用い、実験例1と同様の溶射条件にてプラズマ溶射を行った。
その結果、溶射によって吹き付けた80Ni−20Cr粒子がガラス繊維強化プラスチック層3から弾けてしまい、充分な皮膜厚みが得られなかった。
比較例2
比較のために、上記実験例1の場合と同じ材料及び製造条件により、ブラスト処理によりガラス繊維強化プラスチック層3の表面の粗面化を行ったロール素管1Aを得た。表面粗さRaは、7.6μmであった。
次に、この粗面化されたガラス繊維強化プラスチック層3に対して、下部溶射皮膜層5を形成するために、溶射材料として、線膨張係数が8.5×10-6(1/℃)のアルミナ・チタニアを用い、気孔率が5%となるように溶射距離70mmとして、その他は、実験例1と同様の溶射条件にてプラズマ溶射を行った。
その後、実験例1と同様に、下部溶射皮膜層5に対して、上部溶射皮膜層6を形成するために、溶射材料としてセラミックス粒子であるアルミナ・40%チタニアを用い、プラズマ溶射を行った。溶射材料であるアルミナ・40%チタニアの線膨張係数は、8.7×10-6(1/℃)であった。
このようにして形成した上部溶射皮膜層6の厚さ(t5)は、0.2mmであった。また、上部溶射皮膜層6の気孔率が5%となるように、溶射距離を70mmに設定して溶射を行なった。
上記溶射により、下部溶射皮膜層5と上部溶射皮膜層6との合計膜厚は、0.3mmであった。
この皮膜を実験例1と同様に研磨処理し、その後封孔処理、SF研磨を実施した。このロールを実験例1と同様に、耐熱試験を実施し、皮膜の割れ、剥離を確認した。その結果、ロール全面に、皮膜の割れ、剥離が確認された。耐熱試験後にロールを切断して気孔率を測定すると、下部溶射皮膜層5における気孔率は6%であり、上部溶射皮膜層6の気孔率は3%であった。
表1に、実験例1、比較例1、2の試験結果を纏めて示す。
Figure 0006006513
上述にて理解されるように、本発明によれば、アンダーコート層、或いは、セラミックス粒子が食い込んだトップコート層を設けることなく、良好な接着強度を有する溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性、及び、表面平滑性に優れた繊維強化複合材を得ることができる。特に、本発明によれば、溶射皮膜が形成された耐摩耗性、耐熱性及び表面平滑性に優れたロール状の炭素繊維強化複合材を得ることができる。
1 繊維強化複合材
1A ロール状素管、板状素材
2 繊維強化プラスチック基材層
2A 基材となる強化繊維層、基材となるプリプレグ
3 ガラス繊維強化プラスチック層
3A ガラス繊維層、ガラス繊維プリプレグ
4 溶射皮膜層
5 下部溶射皮膜層
6 上部溶射皮膜層
30 ガラス部分

Claims (19)

  1. 最外層に溶射皮膜層を有する耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールであって、
    繊維強化プラスチック基材層と、前記繊維強化プラスチック基材層の表層に積層されたガラス繊維強化プラスチック層と、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表層に溶射により被覆された溶射皮膜層とを有し、
    前記溶射皮膜層は、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に溶射により被覆された下部溶射皮膜層と、前記下部溶射皮膜層の表面に溶射により被覆され、前記搬送用ロールの表面層を形成する上部溶射皮膜層とを有し、前記下部溶射皮膜層の気孔率は、前記上部溶射皮膜層の気孔率より大とされ、
    前記下部溶射皮膜層の気孔率は、10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
    前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
    前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
    前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
    ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  2. 前記下部溶射皮膜層の気孔率は、15〜20%であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1〜3%とされることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  3. 前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が×10−610×10−6(1/℃)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  4. 前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.05〜0.1mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  5. 前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.10.3mmであり、ビッカース硬度HVが6001000、表面の平均粗さRaが0.05〜0.15μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  6. 前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成する溶射材料は、粒状のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  7. 前記繊維強化プラスチック基材層の強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用され、
    前記繊維強化プラスチック基材層及び前記ガラス繊維強化プラスチック層の樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂、又は、ナイロン若しくはビニロンが使用されることを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール
  8. 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法であって、
    (a)マンドレルに、ロール基材となる繊維強化プラスチック基材層を形成するために所定の強化繊維を所定の樹脂を用いて巻き付けて基材となる強化繊維層を形成し、引き続いて、前記基材となる強化繊維層の上に、ガラス繊維強化プラスチック層を形成するために所定の樹脂を用いてガラス繊維を巻き付けてガラス繊維層を積層する工程、
    (b)前記基材となる強化繊維層及び前記ガラス繊維層の樹脂を同時に加熱硬化させる工程、
    (c)前記ガラス繊維層の樹脂が硬化して形成された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面を粗面化処理する工程、
    (d)前記粗面化処理された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に所定の溶射材料を溶射して下部溶射皮膜層を形成する工程、
    (e)前記下部溶射皮膜層の表面に所定の溶射材料を溶射して、気孔率が、前記下部溶射皮膜層の気孔率より小さくなるようにして上部溶射皮膜層を形成する工程、
    を有し、
    前記下部溶射皮膜層の気孔率は10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
    前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
    前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
    前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
    ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  9. 前記基材となる強化繊維層の強化繊維は、炭素繊維であることを特徴とする請求項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  10. 前記工程(a)にて、前記ガラス繊維は、前記マンドレルに同一の角度方向で巻き付けることを特徴とする請求項又はに記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  11. 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法であって、
    (a)マンドレルに、ロール基材となる繊維強化プラスチック基材層を形成するための所定の強化繊維を使用した基材となるプリプレグを巻き付け、引き続いて、前記基材となるプリプレグの上に、ガラス繊維強化プラスチック層を形成するためのガラス繊維プリプレグを巻き付けて積層する工程、
    (b)前記基材となるプリプレグ及び前記ガラス繊維プリプレグの樹脂を同時に加熱硬化させる工程、
    (c)前記ガラス繊維プリプレグが硬化して形成された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面を粗面化処理する工程、
    (d)前記粗面化処理された前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面に所定の溶射材料を溶射して下部溶射皮膜層を形成する工程、
    (e)前記下部溶射皮膜層の表面に所定の溶射材料を溶射して、気孔率が、前記下部溶射皮膜層の気孔率より小さくなるようにして上部溶射皮膜層を形成する工程、
    を有し、
    前記下部溶射皮膜層の気孔率は10%以上、30%以下であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1%以上、10%未満とされ、
    前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が3×10 −6 〜12×10 −6 (1/℃)であり、
    前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.02〜1.0mmであり、
    前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.03〜1.0mmであり、ビッカース硬度HVが400〜1200、表面の平均粗さRaが0.05〜1.0μmである、
    ことを特徴とする耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  12. 前記基材となるプリプレグの強化繊維は、炭素繊維であることを特徴とする請求項11に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  13. 前記ガラス繊維プリプレグは、ガラス繊維が一方向に引き揃えて形成されたUD形状プリプレグであるか、又は、ガラス繊維織物を使用して形成されたガラスクロスプリプレグであることを特徴とする請求項11又は12に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  14. 前記工程(c)にて、前記ガラス繊維強化プラスチック層の表面は、ブラスト処理により平均粗さRaが2〜10μmに粗面化処理されることを特徴とする請求項13のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  15. 前記下部溶射皮膜層の気孔率は、15〜20%であり、前記上部溶射皮膜層の気孔率は、1〜3%とされることを特徴とする請求項8〜14のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  16. 前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成するための溶射材料は、線膨張係数が×10−610×10−6(1/℃)であることを特徴とする請求項8〜15のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  17. 前記下部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.05〜0.1mmであることを特徴とする請求項8〜16のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  18. 前記上部溶射皮膜層は、皮膜厚さが0.10.3mmであり、ビッカース硬度HVが6001000、表面の平均粗さRaが0.05〜0.15μmであることを特徴とする請求項8〜17のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
  19. 前記下部溶射皮膜層及び前記上部溶射皮膜層を形成する溶射材料は、粒状のセラミックス、サーメット、金属、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項8〜18のいずれかの項に記載の耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロールの製造方法。
JP2012067322A 2012-03-23 2012-03-23 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法 Active JP6006513B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067322A JP6006513B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067322A JP6006513B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013199011A JP2013199011A (ja) 2013-10-03
JP2013199011A5 JP2013199011A5 (ja) 2015-04-23
JP6006513B2 true JP6006513B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=49519641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012067322A Active JP6006513B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6006513B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103552252A (zh) * 2013-10-25 2014-02-05 中国电子科技集团公司第三十九研究所 高精度碳纤维复合材料天线面板制造方法
EP3285935B1 (en) * 2015-04-24 2021-07-07 Carbon Revolution Limited Method of producing thermally protected composite
JP2017163752A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社明電舎 永久磁石式回転電機の回転子
US20190119802A1 (en) * 2016-06-03 2019-04-25 Tocalo Co., Ltd. Method for producing milling roll
JP6739069B2 (ja) * 2017-04-14 2020-08-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 キッチンカウンター
CN107215018A (zh) * 2017-05-17 2017-09-29 南通德瑞森复合材料有限公司 一种玻璃钢复合板
JP2018059398A (ja) * 2017-12-18 2018-04-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂成形体とその製造方法、並びにキッチンカウンター、浴室用床パン、便器及び洗面化粧台
JP2018080574A (ja) * 2017-12-18 2018-05-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂成形体とその製造方法、並びにキッチンカウンター、浴室用床パン、便器及び洗面化粧台
JP2018048554A (ja) * 2017-12-18 2018-03-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂成形体とその製造方法、並びにキッチンカウンター、浴室用床パン、便器及び洗面化粧台
CN108102369A (zh) * 2017-12-28 2018-06-01 浙江大学台州研究院 耐高温耐磨高填充复合材料及其制备方法
CN111674057A (zh) * 2020-06-17 2020-09-18 湖北三江航天红阳机电有限公司 一种舱段的防隔热层成型方法
CN114476356A (zh) * 2022-02-25 2022-05-13 贵州至当科技有限公司 一种聚合物基复合材料瓶盖及制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6032833A (ja) * 1983-08-02 1985-02-20 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 難燃性ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形品の製法
JPH10157323A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Nippon Steel Hardfacing Co Ltd インクが付着しにくい表面特性をもつ印刷装置用ロールおよびその製造方法
JP3653388B2 (ja) * 1998-03-13 2005-05-25 東芝セラミックス株式会社 焼成用道具材
JP4523142B2 (ja) * 2000-10-31 2010-08-11 第一高周波工業株式会社 溶融塩浴用ローラー
JP4500070B2 (ja) * 2004-03-09 2010-07-14 吉川工業株式会社 コロナ放電処理用セラミックスロール
CN101970365A (zh) * 2008-03-13 2011-02-09 旭硝子株式会社 玻璃运送用辊及其制造方法以及使用该辊制造平板玻璃的方法
JP2011167994A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Hitachi Ltd 遮熱コーティングを有する耐熱部材と、それを用いたガスタービン用部品
JP5738567B2 (ja) * 2010-10-05 2015-06-24 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 耐摩耗性の繊維強化複合材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199011A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006513B2 (ja) 耐摩耗性、耐熱性の搬送用ロール及びその製造方法
JP5738567B2 (ja) 耐摩耗性の繊維強化複合材及びその製造方法
US20200254654A1 (en) Coated fiber-reinforced resin molded article and manufacturing method of the same
RU2622306C2 (ru) Конструирование поверхности термопластических материалов и оборудования
EP3019711B1 (en) Plated polymer nosecone
US10654246B2 (en) Composite article and methods therefor
WO2013099040A1 (ja) 耐摩耗性の繊維強化複合材及びその製造方法
JP7052207B2 (ja) 接着構造部材
JP5999721B2 (ja) 繊維強化樹脂中間体及びその製造方法
US20140154472A1 (en) Thermoplastic resin prepreg, molded preform and molded composite using same, and methods for producing them
US11433626B2 (en) Method for producing a composite material component
JP2013199011A5 (ja)
KR102119305B1 (ko) 섬유강화 프라이머 도료 조성물이 코팅된 섬유강화 플라스틱
JP2013202890A (ja) 成形材料とその製造方法
EP3444294A1 (en) Fiber-reinforced resin intermediate material, fiber-reinforced resin molded article, and method for producing fiber-reinforced resin intermediate material
JP4436954B2 (ja) 耐摩耗性等の表面特性に優れるプラスチック基複合材料およびその製造方法
JP7047755B2 (ja) 繊維強化樹脂シート
JP4436957B2 (ja) 耐摩耗性に優れるプラスチック基複合材料およびその製造方法
EP3266607B1 (en) Fiber-reinforced resin structure and method for producing fiber-reinforced resin structure
KR20140037949A (ko) 가이드 롤러 및 그 제조방법
JP6193431B2 (ja) 耐熱用繊維強化プラスチックロール
JP2006137143A (ja) プラスチック基複合材料およびその製造方法
JP5912057B2 (ja) 耐熱用繊維強化プラスチックロール
JP6253957B2 (ja) セラミックコーティングローラの製造方法
JP5693290B2 (ja) アンテナリフレクタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6006513

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250