JP6005863B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
例えば、特開2004−331512号公報には、ヘマトコッカス属に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物が提案されており、アスタキサンチン、粗黒砂糖の色素成分、防腐剤等を含有する乳液、又は、アスタキサンチン、ラウリル硫酸ナトリウム、3,4−ジメトキシフェニル−4’−O−D−グルコース等を含有するボディシャンプーなどが開示されている。
例えば、特開2008−273888号公報には、変色又は光による褪色を長期にわたり抑制し、外観劣化を防止するための、カロテン及びその誘導体と、トコトリエノール又はトコフェロールと、ピロリン酸、エデト酸、グリコール酸等とを所定の比率で組み合わせた頭皮頭髪用組成物が開示されている。
また、特開2005−2175号公報には、アスタキサンチンの含有率の低下を抑えるための、開口部と、遮光性を有する容器と、該容器に収容されるアスタキサンチンを含有する石鹸又はリンスとを備えた容器入りアスタキサンチン含有液体石鹸及びリンスが開示されている。
また、液体洗浄剤組成物にカロテノイドを配合すると、カロテノイドの安定性が低下する場合があることがわかった。特に、液体洗浄剤組成物に配合されるアニオン性界面活性剤として一般的に用いられているラウリル硫酸塩等の界面活性剤をカロテノイドと共に用いた場合に、カロテノイドの安定性が低下傾向にあることが見出された。また、液体洗浄剤組成物には種々の成分が配合されており、水の混入を想定した場合の充分な防腐性を液体洗浄剤組成物に付与するには、他の成分との関係を考慮して防腐剤を選択する必要がある。一方、液体洗浄剤組成物には、化粧品等の他の用途と比較して界面活性剤が多量に配合される傾向がある。このため、一般的な防腐剤では、界面活性剤に可溶化され、充分な防腐性を発揮できない場合がある。
以上の点から、従来の液体洗浄剤組成物は、カロテノイドの安定性と防腐性とを共に高めるものではなかった。
[1] 安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤と、カロテノイドと、を含む、液体洗浄剤組成物。
[2] pHが4.5〜7.5である[1]に記載の液体洗浄剤組成物
[3] カロテノイドが、アスタキサンチン及びリコピンからなる群より選択される少なくとも1つである[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4] 安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種の含有量が、組成物全体の質量に対し0.01質量%〜1.0質量%である[1]〜[3]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[5] カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤の含有量が、組成物全体の質量に対し3質量%〜20質量%である[1]〜[4]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[6] カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤が、アラニン骨格を有するアミノ酸系界面活性剤、サルコシン骨格を有するアミノ酸系界面活性剤及びグルタミン酸骨格を有するアミノ酸系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つである[1]〜[5]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[7] 更にクエン酸を含有する[1]〜[6]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[8] 更にトコフェロール化合物を含有する[1]〜[7]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[9] 頭皮頭髪用液体洗浄剤組成物である[1]〜[8]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
本発明の液体洗浄剤組成物は、カロテノイドに、安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤とを組み合わせることで、カロテノイドの安定性を飛躍的に向上させ、かつ、良好な防腐性も有する。この効果を発明者らが見出し、本発明を完成した。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、カロテノイドを含有する。カロテノイドは天然の抗酸化成分であり、例えば、活性酸素を消去することができ、脂質の酸化を抑制することができる。本発明の液体洗浄剤組成物はカロテノイドを含有するので、活性酸素の消去作用及び脂質の酸化抑制作用により、頭皮の炎症抑制、頭皮臭の発生の抑制などの効果が期待できる。
アスタキサンチンは、アスタキサンチンを含有する天然物から分離又は抽出したものであるアスタキサンチン含有オイルとして、液体洗浄剤組成物に含まれていてもよい。アスタキサンチンは、天然物からの分離又は抽出したものを、必要に応じて適宜精製したものでもよい。また、アスタキサンチンは、合成品であってもよい。
アスタキサンチンを組成物に含有させる場合の方法には、エタノール等の溶剤又は油剤に溶解して添加する方法と、可溶化剤等により可溶化させて添加する方法とがある。また、アスタキサンチンが溶解するオイルに溶解させて乳化した後、液体洗浄剤組成物に添加する方法がある。
天然物であるアスタキサンチンとしては、例えば、赤色酵母ファフィア、ヘマトコッカス藻、海洋性細菌、オキアミ等が挙げられる。また、その培養物からの抽出物等を挙げることができ、ヘマトコッカス藻から抽出されるもの(ヘマトコッカス藻抽出物ともいう。)、及び、オキアミ由来の色素が、品質又は生産性の点から特に好ましい。
また、本発明で用いられるリコピンは、天然物からの抽出物でもよく、天然物からの抽出物を必要に応じて更に適宜精製したものでもよく、また、合成品であってもよい。
ここで、トマトパルプから抽出された脂溶性抽出物とは、トマトを粉砕して得られた粉砕物を遠心分離して得られたパルプ状の固形物から、油性溶剤を用いて抽出された抽出物を意味する。
脂溶性抽出物であるリコピンとしては、リコピン含有オイル又はペーストとして広く市販されているトマト抽出物を用いることができる。リコピン含有オイル又はペーストとしては、例えば、サンブライト(株)より販売されているLyc−O−Mato 15%、Lyc−O−Mato 6%、協和発酵工業(株)より販売されているリコピン18等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「安息香酸又はその塩」と称する場合がある)を含む。安息香酸又はその塩は、適度な親水性及び防腐性を有し、界面活性剤、特にアミノ酸系界面活性剤の存在下において充分な防腐性が期待できる。また、安息香酸又はその塩は、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤と組み合わせても、カロテノイドの安定性を損わずに、防腐性を維持することができる。
安息香酸塩としては、安息香酸の無機塩及び有機塩を挙げることができ、防腐性の観点で無機塩が好ましい。安息香酸の無機塩としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸アルミニウム等が挙げられる。安息香酸の有機塩としては、安息香酸アンモニウム、安息香酸トリエチルアミン等が挙げられる。安息香酸塩としては、防腐性の観点で、無機塩が好ましく、なかでも、安息香酸ナトリウムを用いることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤を含む。カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤は、液体洗浄剤組成物に含有されるアニオン性界面活性剤のなかでも、カロテノイドの安定性を損なわずに、キメの細かい泡を形成することができる。
対塩基としては特に制限はなく、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)等が挙げられ、洗浄性と安全性の点で、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン等が好ましい。
液体洗浄剤組成物は、カロテノイド、安息香酸又はその塩、及びカルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤以外の任意の成分を、必要に応じて含むことができる。
液体洗浄剤組成物は、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤以外の他の界面活性剤を含むことができる。他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを挙げることができる。
液体洗浄剤組成物が他の界面活性剤として他のアニオン性界面活性剤を含む場合、他のアニオン性界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物全質量に対して0.0001質量%〜20質量%とすることができ、0.001質量%〜15質量%とすることが好ましい。また、他のアニオン性界面活性剤の含有量は、アニオン性界面活性剤全体の質量の0.0001質量%〜70質量%とすることができ、0.001質量%〜60質量%とすることが好ましい。
液体洗浄剤組成物における界面活性剤全体の含有量は、組成物全体の質量の5質量%〜40質量%とすることができ、7質量%〜30質量%とすることが好ましい。
液体洗浄剤組成物は、安息香酸又はその塩以外の防腐剤を含むことができる。安息香酸又はその塩と組み合わせて使用可能な他の防腐剤としては、例えば、パラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、過酸化水素、ギ酸、ギ酸エチル、ジ亜塩素酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ペクチン分解物、ポリリジン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、フェノキシエタノール、レゾルシン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チモール、チラム、ティートリー油、ヒノキチオールなどが挙げられる。
液体洗浄剤組成物が他の防腐剤を含む場合、防腐剤の防腐力によって、配合量を決定することができる。
液体洗浄剤組成物は、カロテノイドの安定性向上という観点から、抗酸化剤を含むことができる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸化合物、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール化合物等が挙げられる。カロテノイドの安定向上の観点から、抗酸化剤としては、トコフェロール化合物であることが好ましい。
トコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群としては、例えば、トコトリエノール及びトコトリエノールのカルボン酸エステルが挙げられ、具体的には、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が含まれる。また、トコトリエノールのカルボン酸エステルとしては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。
液体洗浄剤組成物剤における抗酸化剤の総含有量としては、カロテノイドの安定性の観点から、組成物全体に対して0.0001質量%〜5質量%で配合することができ、好ましくは0.001質量%〜3質量%とすることができる。
液体洗浄剤組成物は、更にpH調整剤を含むことができる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機酸又はその塩、塩酸、過塩素酸、炭酸、リン酸等の無機酸とその塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。カロテノイドの安定性とpH調整の観点から、pH調整剤としては、クエン酸及びクエン酸塩であることが好ましく、クエン酸であることがより好ましい。pH調整剤は1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
液体洗浄剤組成物には、更にパール光沢を付与するため、分散質であるパール粒子として、グリコール脂肪酸エステルを含むことができる。
グリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数14〜22の脂肪酸とエチレングリコールとのモノエステル又はジエステル、炭素数14〜22の脂肪酸とトリエチレングリコールとのモノエステル又はジエステル等が挙げられ、具体的には、エチレングリコールモノステアレート(ステアリン酸グリコール)、エチレングリコールジステアレート(ジステアリン酸グリコール)、エチレングリコールパルミテート(パルミチン酸グリコール)等が挙げられる。これらの中でも炭素数14〜22の脂肪酸とエチレングリコールとのモノエステル及びジエステルが、優れたパール状外観を与えることから特に好ましい。なお、ジエステルにおいては、結合している脂肪酸が対称構造又は非対称構造のいずれも使用することができる。パール状外観の観点から、パール剤としては、エチレングリコールジステアレート(ジステアリン酸グリコール)が好ましい。
液体洗浄剤組成物におけるパール剤の総含有量は、液体洗浄剤組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、更に好ましくは0.5質量%〜5質量%であり、最も好ましくは、1.0質量%〜3.0質量%である。
液体洗浄剤組成物は、増粘剤又はゲル化剤を含むことができる。
増粘剤又はゲル化剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、クィーンスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、タラガム、タマリンド、ファーセレラン、カラヤガム、トロロアオイ、キャラガム、トラガントガム、ペクチン、ペクチン酸及びナトリウム塩等の塩、アルギン酸及びナトリウム塩等の塩、マンナン;コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等のデンプン;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸及びその塩、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、キチン、キトサン、寒天、カッソウエキス、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、コラーゲン、メチル化コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ゼラチン等の分子量5000超のタンパク質、アルブミン;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム等の塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース及びその誘導体;可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルデンプン等のデンプン系高分子、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウム等のデンプン誘導体;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等アルギン酸誘導体;ポリビニルピドリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピドリドン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルメチルエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体;(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー等の両性メタクリル酸エステル共重合体;(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP;ポリ酢酸ビニル部分けん化物、マレイン酸共重合体;ビニルピロリドン/メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル共重合体;アクリル樹脂アルカノールアミン;ポリエステル、水分散性ポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸エチル等のポリアクリル酸エステル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩等の塩、アクリル酸/メタアクリル酸エステル共重合体;アクリル酸/メタアクリル酸アルキル共重合体;ポリクオタニウム−10等のカチオン化セルロース、ポリクオタニウム−7等のジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、ポリクオタニウム−22等のアクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体、ポリクオタニウム−39等のアクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、アクリル酸/カチオン化メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/カチオン化メタアクリル酸アミド共重合体、ポリクオタニウム−47等のアクリル酸/アクリル酸メチル/塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体、塩化メタクリル酸コリンエステル重合体;カチオン化オリゴ糖、カチオン化デキストラン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等のカチオン化多糖類;ポリエチレンイミン;カチオンポリマー;ポリクオタニウム−51等の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体及びメタクリル酸ブチル共重合体等との共重合体;アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス、合成ラテックス等の高分子エマルジョン;ニトロセルロース;ポリウレタン類及び各種共重合体;各種シリコーン類;アクリル−シリコーングラフト共重合体等のシリコーン系各種共重合体;各種フッ素系高分子;12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル;無水ケイ酸、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、金属石鹸、ジアルキルリン酸金属塩、ベントナイト、ヘクトライト、有機変性粘土鉱物、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルが好ましいものとして挙げられる。
液体洗浄剤組成物は、粉体を含むことができる。
粉体としては、通常の液体洗浄剤組成物に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)又は粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。粉体は、複合化した粉体、又は、油剤、シリコーン、フッ素化合物等で表面処理を行なった粉体でもよい。
液体洗浄剤組成物は、上記必須及び任意の成分の他に、水を配合することが好ましい。
水としては、例えば、精製水、温泉水、深層水、植物の水蒸気、蒸留水等を挙げることができ、これらを必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。水の液体洗浄剤組成物における含有量は、特に限定されず、適宜、他の成分量に応じて配合することができる。液体洗浄剤組成物における水の含有量は、例えば、50質量%〜90質量%であることが好ましく、60質量%〜87質量%であることがより好ましく、65質量%〜85質量%であることが更に好ましい。
液体洗浄剤組成物には、上記成分の他、液体洗浄剤組成物に通常用いられる添加成分を、その形態に応じて適宜含有させることができる。
その他の添加成分としては、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2−メチル−2,4ペンタンジオール等の多価アルコールソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトールなどの糖アルコール;チアミン等のビタミンB1化合物;リボフラビン等のビタミンB2化合物;ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のビタミンB3化合物;ナイアシン、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル等のビタミンB5化合物、ピリドキシン等のビタミンB6化合物、ビオチン等のビタミンB7化合物、コバラミン等のビタミンB12化合物、葉酸等のビタミンB群;γ−オリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニンなどの水溶性ビタミン化合物;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)等のアミノ酸及びそれらの誘導体;フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、フェノール酸化合物(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル等)、リグナン化合物、クルクミン化合物、クマリン化合物、プテロスチルベン等を含むヒドロキシスチルベン;セラミド及びその誘導体;18−メチルエイコサン酸等;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質、又はこれらの類似物、大豆レシチン、卵黄レシチン、又はこれらの水素添加物等のリン脂質及びその誘導体などを挙げることができる。これらの添加成分は、その機能に基づいて、例えば、機能性成分、賦形剤、粘度調整剤、ラジカル捕捉剤等として、液体洗浄剤組成物に含まれてもよい。
その他、液体洗浄剤組成物には、油剤、色素、染毛剤、芳香剤、柔軟剤、保湿剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、育毛剤、植物等の抽出エキス等を加えることができる。
植物等の抽出エキスとしては、センブリエキス、ニンジンエキス等、育毛効果を有するエキスを配合することが好ましい。
液体洗浄剤組成物のpHは、例えば、4.5〜7.5とすることができる。
液体洗浄剤組成物のpHが上記範囲内であれば、カロテノイドの安定性を確保しやすい傾向がある。液体洗浄剤組成物のpHが7.5以下であれば、安息香酸又はその塩の防腐性が期待できる。液体洗浄剤組成物のpHとしては、カロテノイドの安定性及び防腐性の両立の観点から、4.5〜7.0であることが好ましく、4.5〜6.5であることより好ましく、5.0〜6.5であることが更に好ましい。液体洗浄剤組成物のpHが5.0又はそれ以上となるに従って、カロテノイドの安定性がより高まる傾向があり、pH7.0又はそれ以下となるに従って、安息香酸又はその塩の防腐性がより高まる傾向がある。
液体洗浄剤組成物は、上述した各成分を常法に従って配合することにより得ることができる。具体的には、各成分を組み合わせ、必要に応じて加温下で、攪拌混合して各成分を溶解又は分散させ、適温まで冷却することにより得ることができる。
液体洗浄剤組成物は、カロテノイド及び他の成分による効果の発揮が期待される洗浄剤用途に好ましく用いることができる。例えば、液体洗浄剤組成物は、シャンプー等の頭皮頭髪用洗浄剤組成物、洗顔料、ボディソープ、ハンドソープ等の身体用洗浄剤組成物等として好ましく用いられる。液体洗浄剤組成物は、これらの中でも、頭皮頭髪用洗浄剤組成物として用いられることが特に好ましい。
表1及び表2に記載の各成分を、水中にて組み合わせて80℃にて攪拌混合し、室温まで冷却して、表1及び表2に記載の最終含有量(質量%)及びpHの各液体洗浄剤組成物を調製した。
なお、表1及び表2における空欄は、未配合であることを意味する。また、アニオン性界面活性剤における「スルホン酸塩」とは、スルホン酸塩構造を有するアニオン性界面活性剤であって、化合物中のスルホニル基が塩を形成しているアニオン性界面活性剤であることを意味する。
各液体洗浄剤組成物を50℃の環境下におき、試験開始前と、4週間保存した後におけるカロテノイド量を比較し、カロテノイドの残存率を求めた。
カロテノイド量の測定には、UV分光光度計(透過測定、1cmセル使用)を使用した。液体洗浄剤組成物に2倍量(質量比)の水を添加して希釈し、フィルターにて不要物を除去し、測定用試料を調製した。カロテノイドのみの色変化を評価するためにカットフィルタを使用し、400nm〜500nmの吸光度を測定し、それぞれのカロテノイドの初期ピークトップの波長を用いて、カロテノイド量とした。初期(試験開始直後)のカロテノイド量を100%としたときの、50℃4週間(W)保存後のカロテノイド量を、カロテノイドの残存率とし、以下の指標に基づき評価した。残存率が70%以上であれば、カロテノイドの安定性が認められると評価できる。
A:カロテノイドの残存率が85%以上
B:カロテノイドの残存率が70%以上85%未満
C:カロテノイドの残存率が70%未満
防腐性能は、「日本薬局方 第十五改正」(2006年)中、「28.保存効力試験法」に従い評価した。
評価には真菌を2種、即ち、Aspergillus niger ATCC16404(黒色麹菌クロカビ)、Candida albicans ATCC 10231(酵母)、を用いた。
A:2週間で、生菌数が104個以下である。
B:2週間で、生菌数が104個を超え、105個以下である。
C:2週間で、生菌数が接種時とほぼ変化がない。
女性10名に、各液体洗浄剤組成物を1週間連続使用してもらい、「洗髪中の泡立ち」及び「洗髪中の泡のキメ」の各項目について、評点「5」を最もよいとする5段階での評価を得た。得られた評点の平均点を各項目毎に算出し、以下の判定基準に従って判定した。B以上で泡立ち特性が良好と評価した。
A:4以上
B:3以上
C:3未満
一方、比較例1のラウレス硫酸Naを使用した液体洗浄剤組成物、及び比較例2のオレフィンスルホン酸Naを使用した液体洗浄剤組成物では、実施例の液体洗浄剤組成物と比較して、カロテノイドの安定性が悪かった。また、安息香酸Naを配合していない比較例3、安息香酸又はその塩以外の防腐剤を用いた比較例4及び比較例5の液体洗浄剤組成物では、実施例の液体洗浄剤組成物と比較して防腐性が悪く、カロテノイドの安定性と防腐性の両立の点で劣っていた。
本発明の液体洗浄剤組成物を用いて、以下処方に従ってシャンプーを調製した(pH6.0)。以下の数値は、処方の全質量に対する質量%を意味する。
<組成> (質量%)
・ココイルアラニンTEA 5.0
・ココイルサルコシンナトリウム 5.0
・PEG−3ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸ナトリウム 2.0
・ラウラミドDEA 3.0
・コカミドプロピルベタイン 4.0
・ジステアリン酸グリコール 2.0
・1,3−ブチレングリコール 2.0
・グリセリン 0.5
・トコフェロール 0.1
・セラミド2 0.0001
・コレステロール 0.001
・グリチルレチン酸 0.001
・水溶性コラーゲン 0.001
・アスタキサンチン 0.001
・ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
・センブリエキス 0.001
・オタネニンジン根エキス 0.001
・グリチルレチン酸ジカリウム 0.01
・ポリクオタニウム−10 1.0
・塩化ナトリウム 0.1
・ラウロイルサルコシンイソプロピル 0.01
・オレイルアルコール 0.01
・デシルテトラデカノール 0.01
・ラウロイルグルタミン酸
ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.01
・イソステアリン酸ポリグリセリル−10 0.01
・レシチン 0.01
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 0.01
・ミリスチン酸ポリグリセリル−10 0.01
・アルキル(C12,14)オキシヒドロキシ
プロピルアルギニン塩酸塩 0.01
・ダマスクバラ花油 適量
・クエン酸ナトリウム 適量
・クエン酸 0.5
・安息香酸ナトリウム 0.3
・メチルパラベン 0.1
・ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル 0.0001
・水 残量
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (9)
- 安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤と、カロテノイドと、を含む、液体洗浄剤組成物。
- pHが4.5〜7.5である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- カロテノイドが、アスタキサンチン及びリコピンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項1又は請求項2記載の液体洗浄剤組成物。
- 安息香酸及びその塩から選択される少なくとも1種の含有量が、組成物全体の質量に対し0.01質量%〜1.0質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤の含有量が、組成物全体の質量に対し3質量%〜20質量%である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- カルボン酸塩構造を有するアミノ酸系界面活性剤が、アラニン骨格を有するアミノ酸系界面活性剤、サルコシン骨格を有するアミノ酸系界面活性剤及びグルタミン酸骨格を有するアミノ酸系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- 更にクエン酸を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- 更にトコフェロール化合物を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- 頭皮頭髪用液体洗浄剤組成物である請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
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