JP2001064692A - 液状洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 泡立ち、清浄性、使用感等の液状洗浄剤組成
物としての基本性能を満たしつつ、外観に優れ、しかも
安全性及び安定性の良好な液状洗浄剤組成物を提供す
る。 【解決手段】 界面活性剤を５〜５５重量％、水を３５
〜９０重量％含有する液状洗浄剤組成物において、無機
有色顔料を0.0001〜0.1重量％配合したことを特徴とす
る液状洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボディー用、洗顔
用、手洗い用等の用途を有する液状洗浄剤組成物に関
し、特に外観に優れ、安全性及び安定性の良好な液状洗
浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に顔面及び身体用洗浄剤組成物にお
ける基本性能として、泡立ち、清浄性の他に、外観の美
しさは重要な要因であるといえる。この外観の美しさを
実現するために、従来タール色素を中心とした有機系着
色剤を用いることが主として行われてきた。

【０００３】しかしながら、上記有機系着色剤では、肌
に対する安全性や、温度・紫外線に対する安定性の点で
問題があった。一方無機顔料を使用する場合には、液状
洗浄剤組成物において顔料成分の沈降や凝集などの経時
安定性の問題があるため、実際に無機有色顔料を配合し
たものは見られなかった。従って、従来液状洗浄剤組成
物においては、安全性及び安定性が良好な着色された外
観のものは得られておらず、もっぱら不透明の容器に収
容されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、泡立ち、清
浄性、使用感等の液状洗浄剤組成物としての基本性能を
満たしつつ、外観に優れ、しかも安全性及び安定性の良
好な液状洗浄剤組成物を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み鋭意検討した結果、界面活性剤及び水を特定量含有
する液状洗浄剤組成物において、無機有色顔料を特定量
配合することで上記課題を解決できることを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は以下の発明を包含
する。 （１）界面活性剤を５〜５５重量％、水を３５〜９０重
量％含有する液状洗浄剤組成物において、無機有色顔料
を0.0001〜0.1重量％配合したことを特徴とする液状洗
浄剤組成物。

【０００６】（２）無機有色顔料と共にタルクを0.0001
〜0.1重量％の範囲で配合することを特徴とする、前記
（１）に記載の液状洗浄剤組成物。 （３）更にパール剤を配合することを特徴とする、前記
（２）に記載の液状洗浄剤組成物。 （４）界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を含有す
ることを特徴とする、前記（１）または（２）に記載の
液状洗浄剤組成物。 （５）炭素数８〜２２の高級脂肪酸塩を含有することを
特徴とする、前記（４）に記載の液状洗浄剤組成物。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の液状洗浄剤組成物におい
て必須に含有される界面活性剤としては、化粧品一般に
用いられている界面活性剤であればよく、アニオン系界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、両性界面活性剤等が挙げられる。

【０００８】本発明において好適に用いられるアニオン
系界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸塩、アルキル
ベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィ
ンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−ス
ルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、Ｎ−メチ
ル−Ｎ−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル燐酸塩、Ｎ−アシルアミノ酸塩、
Ｎ−アシル−Ｎ−アルキルアミノ酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩等が挙げられ、特に限定されるものではない
が、良好な泡立ち、さっぱりした使用感を有し、皮膚刺
激が少ないものを得るためには高級脂肪酸塩を使用する
ことが好ましい。

【０００９】本発明において特に好適に用いられる高級
脂肪酸塩は、炭素数８〜２２のものであり、起泡性及び
溶解性の点から、炭素数１０〜２０のものが好ましく、
炭素数１２〜１８のものが更に好ましい。このような高
級脂肪酸としては、例えば、牛脂、羊油等の動物油脂、
ヤシ油、パーム核油、大豆油、オリ−ブ油、綿実油等の
植物油脂等を常法により高圧分解して得られる脂肪酸混
合物や、これらを分離精製して得られるラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステア
リン酸等が挙げられる。これらは単独で使用しても、複
数種を併用してもよい。

【００１０】前述のような高級脂肪酸とイオン結合して
塩を構成するための対イオンとしては、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニ
ウムイオン、炭素数２〜３のヒドロキシアルキル基を有
するアルカノールアンモニウムイオン等が挙げられる。

【００１１】また、ノニオン系界面活性剤としては、例
えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレング
リコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそ
のアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール
脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、
ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコー
ル付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアル
キレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂
肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリ
コール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、
ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。

【００１２】カチオン系界面活性剤としては、塩化アル
キルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチル
アンモニウム等が挙げられる。両性界面活性剤として
は、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、
硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のも
のがあり、人体に対して安全とされるものが使用でき
る。

【００１３】本発明において、前記界面活性剤の配合割
合は、液状洗浄剤組成物に対して、通常５〜５５重量
％、好ましくは１０〜５０重量％である。また、本発明
において必須に含有される水は、通常液状洗浄剤組成物
に配合されるものであればいずれでもよく、好ましくは
精製水であり、本発明の液状洗浄剤組成物において３５
〜９０重量％の範囲で含有される。

【００１４】本発明において、優れた外観を達成するた
めに配合される無機有色顔料としては、化粧品一般に使
用されるものであればいずれでもよい。具体的には、コ
ンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化
クロム、水酸化クロム等が挙げられ、これらを一種又は
二種以上用いることができる。また、これら粉体は一種
または二種以上の複合化した複合粉体を用いても良い。
更に、公知の方法により表面処理を施したものであって
も良い。本発明において、無機有色顔料は、球状、板
状、針状、不定形等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等
の粒子構造等により特に限定されないが、好ましくは粒
径が0.1〜10μmのものが安定性を得る上で特に好まし
い。無機有色顔料は本発明の液状洗浄剤組成物中に0.00
01〜0.1重量％の範囲で配合する。この範囲未満では外
観の良さが得られず、この範囲を越えると安定性が低下
し、また使用感、使用性も悪くなるので好ましくない。

【００１５】本発明において、上記無機有色顔料と共
に、タルクを配合すると、安定性の上で更に優れたもの
が得られることが明らかになった。タルクは化粧料にお
いて使用されるものであればいずれでもよく、上記無機
有色顔料と予め混合してから液体洗浄剤組成物に配合す
るのが好ましい。本発明の液状洗浄剤組成物におけるタ
ルクの配合量は0.0001〜0.1重量％の範囲である。この
範囲未満では安定性向上効果が見られず、この範囲を越
えると安定性が低下し、また使用感、使用性も悪くなる
ので好ましくない。また、上記配合量の範囲であれば、
無機有色顔料とタルクの配合比率は特に限定されない
が、本発明において好適な効果を得るためには、無機有
色顔料：タルクの配合比が２：１〜１：５であることが
好ましい。

【００１６】本発明の液状洗浄剤組成物において、粘度
は200〜10,000cpsの範囲であると安定性及び液状洗浄剤
組成物としての使用性が良好である。特に、本発明の液
状洗浄剤組成物はポンプタイプの容器に収容されること
が多いことからも、上記粘度範囲が選択される。上記粘
度範囲は上記必須成分の配合によって達成される場合も
あるが、脂肪酸ジエタノールアミド等の界面活性剤、塩
化ナトリウム等の無機塩、メチルセルロースやキサンタ
ンガム等の水溶性高分子等の増粘剤を使用して調整する
ことが好ましい。

【００１７】更に本発明においては、高級感を感じさせ
る優れた外観を付与するために上記無機有色顔料と共に
パール剤を配合しても良い。本発明において使用可能な
パール剤としては、モノステアリン酸エチレングリコー
ル、ジステアリン酸エチレングリコール等の高級脂肪酸
エチレングリコールやパルミチン酸モノエタノールアミ
ド等のアルキロールアミド、ステアリン酸等の高級脂肪
酸等が挙げられる。パール剤の本発明組成物中の配合量
は0.05〜10重量％の範囲である。

【００１８】本発明の洗浄剤組成物においては、上記必
須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で無機酸
塩；有機酸；高級脂肪酸以外の有機酸の塩；水溶性高分
子等を使用してもよい。ここで、無機酸塩としては、例
えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、ピロリン酸ナ
トリウム等の無機酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金
属塩が挙げられ；有機酸としては、例えばラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステア
リン酸等の高級脂肪酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸
が挙げられ；有機酸塩としては、例えばクエン酸ナトリ
ウム、グルコン酸ナトリウム等のヒドロキシ酸のアルカ
リ金属塩やアルカリ土類金属塩、エデト酸四ナトリウム
又はこれらの水和物が挙げられ；界面活性剤としては、
例えばラウリン酸ジエタノールアミド、ジステアリン酸
エチレングリコール、アシルイセチオン酸ナトリウム、
アルキル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等
が挙げられ；水溶性高分子としては、例えばメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース
系高分子やキサンタンガム、グアーガム等の多糖類、ア
クリル酸系の合成水溶性高分子等が挙げられる。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物には、前述した各成
分の他に、必要に応じて、通常の皮膚洗浄剤の含有成
分、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、ソルビトール、白糖等の保湿剤、高
級アルコール、エステル、シリコーン等の油剤、香料、
色素、紫外線吸収剤、殺菌剤、防腐剤、安定化剤、植物
抽出物等を配合することができる。

【００２０】本発明の液体洗浄剤組成物は、従来公知の
方法によって製造することができ、製剤の状態により、
必要に応じて、投入の順序を変更したり、加温、冷却を
適宜行えば良い。ここで、本発明における必須成分であ
る無機有色顔料は、予め液状原料に混合して添加する
か、分散力の強い攪拌装置、例えばホモミキサー等で混
合するのが望ましい。

【００２１】

【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。 実施例１ 表１に示す組成の液状洗浄剤組成物を以下のようにして
製造した。製法 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸及び予め無機有色顔料を混合したオレイン酸を加熱混
合した後、水酸化カリウムと精製水の混合物を加え、均
一にする。その後その他の成分を順次冷却しながら加え
る。

【００２２】

【表１】

【００２３】上記の如くして得られた液状洗浄剤組成物
について、高温における経時安定性を検討した。分離状
態は、５０℃にて２週間保管後に目視にて確認した。そ
の結果、黒酸化鉄とタルクの混合物を配合した本発明の
液状洗浄剤組成物は、グレー色でパール状光沢のある美
しい外観を有し、光安定性及び高温安定性に優れたもの
であった。また、良好な泡立ち、さっぱりした使用感を
有する、液状洗浄剤組成物としての優れた性能を有して
いた。 実施例２ 以下の表２に示す組成の液体洗浄剤組成物を実施例１と
同様にして製造した。

【００２４】

【表２】

【００２５】上記の如くして製造した液状洗浄剤組成物
は、黄橙色でパール状光沢のある美しい外観を有し、光
安定性及び高温安定性に優れたものであった。また、良
好な泡立ち、さっぱりした使用感を有する、液状洗浄剤
組成物としての優れた性能を有していた。 実施例３ 表３に示す組成の液体洗浄剤組成物を実施例１と同様に
して製造した。

【００２６】

【表３】

【００２７】

【表４】

【００２８】上記の如くして得られた液状洗浄剤組成物
について、高温における経時安定性及び外観を検討し
た。分離状態は、５０℃にて１ケ月保管後に目視にて確
認した。判定基準 安定性 ○：異常なし △：やや沈殿、オリ等あり ×：沈殿、オリ等著しい 外観 ◎：よい ○：ややよい △：やや悪い ×：悪い 上記の結果から明らかな如く、無機有色顔料である黒酸
化鉄の配合量が0.1重量％以下の場合に安定性が良好で
あり、また外観上も優れたものが得られた。 実施例４ 表５に示す組成の液状洗浄剤組成物を、全成分を加え、
均一にして製造した。

【００２９】

【表５】

【００３０】上記の如くして製造した液状洗浄剤組成物
は黄色の美しい外観を有し、光安定性及び高温安定性に
優れたものであった。また、良好な泡立ち、さっぱりし
た使用感を有する、液状洗浄剤組成物としての優れた性
能を有していた。 実施例５ 表６に示す組成の液状洗浄剤組成物を以下のようにして
製造した。製法 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸
を加熱混合した後、水酸化カリウムと精製水の混合物を
加え、均一にする。その後、その他の成分を順次冷却し
ながら加える。

【００３１】

【表６】

【００３２】

【表７】

【００３３】上記の如くして得られたNo.１〜３の液状
洗浄剤組成物について、高温安定性及び光安定性を検討
した。温度安定性の評価は、５０℃、１ケ月保管後目視
にて行ない、光安定性の評価は、太陽光に2週間暴露
後、目視にて行った。判定基準 温度安定性 ○：異常なし △：やや変色、退色有り ×：変色、退色著しい 光安定性 ○：異常なし △：やや変色、退色有り ×：変色、退色著しい

【００３４】上記の結果から明らかな如く、無機有色顔
料を特定量配合した本発明に係るNo.２の液状洗浄剤組
成物は、温度安定性及び光安定性共に優れたものであっ
た。また、良好な泡立ち、さっぱりした使用感を有す
る、液状洗浄剤組成物としての優れた性能を有してい
た。一方、有機系着色剤を配合したNo.３のものは、温
度安定性及び光安定性共に問題があり、液状洗浄剤組成
物として使用できないものであった。

【００３５】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によって、外
観に優れ、安全性、及び温度・光に対する安定性、経時
安定性の良好な液状洗浄剤組成物が提供される。特に、
有機系着色剤を使用していないので、肌に対して安全
で、光安定性に優れ、従来不可能であった半透明容器へ
の収納が可能となった。また、無機有色顔料と共にパー
ル剤を配合することにより、より高級感のある、嗜好性
の高い製品を得ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4H003 AB03 AB44 AC13 BA12 DA02 EA19 EA25 EA27 EB09 EB16 ED02 FA02 FA12 FA16 FA18 FA35

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 界面活性剤を５〜５５重量％、水を３５
   〜９０重量％含有する液状洗浄剤組成物において、無機
   有色顔料を0.0001〜0.1重量％配合したことを特徴とす
   る液状洗浄剤組成物。
2. 【請求項２】 無機有色顔料と共にタルクを0.0001〜0.
   1重量％の範囲で配合することを特徴とする、請求項１
   に記載の液状洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】 更にパール剤を配合することを特徴とす
   る、請求項２に記載の液状洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】 界面活性剤としてアニオン系界面活性剤
   を含有することを特徴とする、請求項１または２に記載
   の液状洗浄剤組成物。
5. 【請求項５】 炭素数８〜２２の高級脂肪酸塩を含有す
   ることを特徴とする、請求項４に記載の液状洗浄剤組成
   物。