JP6003131B2 - 二次電池用電解質ゲルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池用電解質ゲル及びその製造方法及びそれを用いた二次電池に関するものである。
小型・軽量の充電可能な電池として種々の二次電池が使われており、例えばリチウムイオン2次電池は、単位容積または重量あたりの蓄電容量が大きいことから、携帯情報端末やポータブル機器などの電源として広く利用されている。更に、近年では電動自動車に搭載する大型の2次電池の開発も進められている。このような二次電池では液状の電解質液、例えばリチウムイオン2次電池では、炭酸プロピレン、炭酸エチレンなどを主とした電解液溶媒にリチウム化合物を溶解した液状の電解質液が主に使用されている。しかし液状の電解質液は可燃性であるため、電解質液の漏洩に対する安全性の確保が大きな問題となっている。この課題の解決に向けて、電解質をゲル状または固体状の電解質で形成することが提案されている(特許文献1)。このように電解質液をゲル状または固体状の電解質に替えることにより、液漏れや有機溶媒の揮発性を抑えることが可能となり、安全性と信頼性が向上することが分かってきている。しかしながら、かかるゲル状または固体状の電解質を用いた電池は、イオン伝導度が低いために、リチウムイオンの移動が十分に得られず、そのために、放電容量や充放電を繰り返した時のサイクル特性が低くなる問題があった。また、特にゲル状電解質の場合はゲル強度が低い問題も併せ持ち、これらの欠点を克服することが課題となっていた。これに対して、これまで、特許文献2には従来の電池システムと同様、高分子ゲルをセパレータと複合した例が開示されている。また、特許文献3の明細書には高分子フィルム中にアルミナやシリカなどの無機フィラーを添加したゲルが開示されている。しかしいずれの例もセパレータ、無機フィラーは高分子ゲルそのものの性質を変えるものでではなく、イオン伝導度の低下、即ち放電容量の低下は避けられず、また工程も複雑になるなどの問題があった。さらに、特許文献4では、化学架橋された高分子ゲルからなる高分子固体電解質中に粘土鉱物を含有させることで、イオン伝導度と力学物性をいずれも向上させることができることが報告されている。しかし、上で述べたように、二次電池の使用範囲拡大に伴い、より優れた電池性能(安全性のために必要な優れた力学物性と高い放電容量、サイクル特性など)を有する二次電池が求められている。
日本特許第4597294号 特開平2−82457号 米国特許第5429891号 日本特許第3635302号
二次電池用電解質ゲルであって、力学的に優れたゲル物性を有すると共に、優れた放電容量やサイクル特性を可能とする電解質ゲル材料を提供すること、また、それを含む二次電池を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究に取り組んだ結果、特定の組成からなる重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と層状剥離した層状粘土鉱物により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体またはその微粒子に電解質液を含ませてなる二次電池用電解質ゲルが上記課題を解決することを見いだし本発明に至った。より具体的には、特定の組成を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と層状剥離した層状粘土鉱物により水媒体中で形成された三次元網目構造を有するヒドロゲル、またはその粉砕物(スラリー)、または微粒子形状ヒドロゲルを調製した後、電極に塗布し、乾燥した後、電解質液を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルを用いることで、優れた力学物性と非漏洩性、軽量性および優れた放電特性、サイクル特性が得られることが判明し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくはアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で微粒子状に合成し、得られた微粒子状ヒドロゲルを電極に塗布し、乾燥した後、電解質液(C)を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法を提供する。
また、本発明は、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくはアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で合成して得られたヒドロゲルを粉砕してスラリー状とした後、電極に塗布し、乾燥した後、電解質液(C)を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法を提供する。
更に、本発明は、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくはアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で合成して得られたヒドロゲルを電極に貼り付け、乾燥した後、電解質液(C)を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法を提供する。
本発明で得られた電解質ゲルを用いると、二次電池からの電解質液の漏洩がないばかりでなく、優れた力学物性を有すること、正/負極をわける隔壁安定性に優れていること、正極および負極との密着性に優れていること、二次電池の放電容量が高いこと、充放電を繰り返した場合のサイクル特性に優れていることなどの効果が得られる。また、これを用いた二次電池は優れた性能と共に軽量性、安全性、耐久性、信頼性が高いという極めて優れた効果を発揮する。
実施例1と比較例2のリチウムイオン電池における30℃環境下で測定された電流密度(I)−電位(V)特性を表す図である。 実施例1と比較例2のリチウムイオン電池における低温(5℃)環境下での電流密度(I)−電位(V)特性の測定結果を表す図である。 実施例1と比較例2のリチウムイオン電池における30℃環境下で測定された電流密度と放電容量の関係を示す図である。 実施例1と比較例2のリチウムイオン電池における5℃環境下で測定された電流密度と放電容量の関係を示す図である。 実施例1と比較例2のリチウムイオン電池における30℃環境下での充放電サイクル特性を示す図である。
本発明における二次電池用電解質ゲルは、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体(A−1)もしくは、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と、層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体、もしくはその微粒子に電解質液(C)を含ませてなるものである。
本発明における有機高分子/粘土鉱物架橋体は、特定組成の重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体もしくは共重合体(以下、水溶性有機モノマー重合体もしくは共重合体と呼ぶ)と、層状に剥離した層状粘土鉱物が分子レベルで複合化し、水素結合、イオン結合、配位結合などにより、層状剥離した層状粘土鉱物が多官能の架橋点として働くことで三次元網目構造を形成しているものである。有機高分子と粘土鉱物の三次元網目構造からなる架橋体を形成していることは、得られた材料の分析(透過型電子顕微鏡、X線回折、示差走査熱量測定、熱重量分析など)の他、水又は有機溶剤により膨潤し、且つ該ゲルを20℃で500時間以上処理しても構成成分である層状粘土鉱物及び水溶性有機モノマー重合体もしくは共重合体が抽出されないこと、延伸や圧縮の力学試験において大きな可逆的伸張性や圧縮性を示すことから確認される。
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしては、水に溶解する性質を有し、その重合体が水に均一分散可能な層状粘土鉱物と相互作用するものが好ましく、例えば、粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有するものが好ましい。特に好ましくは、水素結合、イオン結合、配位結合などの物理結合を形成できる官能基を有する物である。具体的には、層状剥離した粘土鉱物との三次元網目構造、即ち有機高分子/粘土鉱物架橋体を形成することができ、且つ、優れた二次電池用電解質ゲルとしての特性を発現できるものとして、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが特に好ましく用いられる。また、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーを併用することも同様に有効に用いられる。
アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類が挙げられ、より好ましくは、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリロイルホリン、アクリルアミドであり、特に好ましくは、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンである。ここでアルキル基としては炭素数が1〜4のものが好ましく選択される。一方、またエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしてはアルコキシアルキルアクリレートが好ましく、具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどがあげられる。
かかるアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)としては、例えば、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルホリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)が例示される。また、以上のような単一のアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーからの重合体の他、これらから選ばれる複数の異なる重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーを重合して得られる共重合体も用いられる。
一方、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)としては、前記したアミド基含有重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーと上で記したエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー、具体的にはメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどとの共重合体が例示される。特に好ましくは、N,N−ジエチルアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミドから選ばれたアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとメトキシエチルアクリレートとの共重合体である。アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合比率(モル比)は、100:0〜1:99が用いられ、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは10:90〜30:70、特に好ましくは20:80〜40:60である。
本発明における層状粘土鉱物(B)としては、水に膨潤性(水中で層間が膨潤する性質)を有し、水中で層状に剥離して分散できるものであり、特に好ましくは水中で1ないし10層以内の厚みの層状に剥離して均一分散できる層状粘土鉱物である。例えば、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などが用いられ、より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。特に水膨潤性ヘクトライトの内の合成ヘクトライトは層状剥離する分散性および有機高分子との三次元網目構造を形成する点などにおいて特に好ましい。
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくは共重合体(A−2)に対する層状粘土鉱物(B)の質量比(B/A)は、0.03〜2.0であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.5、特に好ましくは、0.1〜0.7である。0.03以下では得られる一体化された電解質ゲルの強度が弱い場合が多く、2.0以上ではゲルの柔軟性が低くなる場合がある。
本発明における有機高分子/粘土鉱物架橋体は正極と負極の間に塗布または配置され、その電極面積当たりの塗布量は目的に応じて設定でき、必ずしも限定されないが、例えば、0.2〜20mg/cm程度が好ましく用いられ、より好ましくは0.5〜10mg/cm、特に好ましくは1〜5mg/cmが用いられる。乾燥塗膜の厚みとしては、組成によって範囲が異なるが、特に好ましくは15〜80μmが用いられる。本発明における三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体に電解質液を含ませてなる二次電池用電解質ゲルは、力学物性に優れることなどから薄い膜厚で用いることが可能であり、そのことも優れた電池性能を発揮する原因となる。
本発明で用いる電解質液(C)としては、電解液に電解質塩を含ませたものである。電解液としては、非水電解液が好ましく用いられ、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状エステル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状エステル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタンの他、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチルジグライム等のグライム類、スルホラン、ジソイソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチルラクトンが挙げられる。この内、エチレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはこれらの混合物は特に好ましく用いられる。
本発明に用いる電解質塩としては、通常の電解質として用いられるものであれば特に制限はないが、例えば、LiBR(Rはフェニル基、アルキル基)、LiPF、LiSbF、LiAsF、LiBF、LiClO、CFSOLi、(CFSONLi、(CFSOCLi、CSOLi、C17SOLi、LiTFPB、LiAlCl等が例示される。電解液中の電解質塩の濃度は、通常用いられる範囲のものが全て適用される。
本発明で用いられる電解質液の量は、有機高分子/粘土鉱物架橋体に安定して含まれればよく、目標とする電池特性に応じて広い範囲から設定できる。具体的には、有機高分子/粘土鉱物架橋体の乾燥重量に対して3〜100倍量が好ましく用いられ、特に好ましくは5〜50倍量が用いられる。本発明においては、有機高分子/粘土鉱物架橋体を用いるため、その中に電解質液が安定して含まれ、且つ、優れた電池特性を示すことが特徴である。また、電解質液の量が比較的少なくても優れた特性を出す特徴も有する。用いる電解質液が少量であることにより、電解質液の漏洩の可能性が低く抑えられ、安全性が大きく向上される。また、少量の電解質液を用いても優れた電池性能を発揮することから、同じ性能で二次電池を軽量化できる特徴を有する。
本発明において、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体(A−1)もしくはアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と、層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体または有機高分子/粘土鉱物架橋体微粒子は、層状剥離した層状粘土鉱物存在下での有機モノマーの水媒体中でのインーシチュー重合によって得られたものであることが特に有効である。重合法としては熱重合開始剤を用いた熱重合、触媒を添加した室温重合、紫外線照射によるUV重合などが用いられ、これらを併用することも有効である。
重合で用いる開始剤および触媒としては、公知のラジカル重合開始剤および触媒のうちから適時選択して用いることができる。好ましくは水分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが用いられる。具体的には、重合開始剤として、水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えばVA−044、V−50、V−501(いずれも和光純薬工業株式会社製)の他、Fe2+と過酸化水素との混合物などが例示される。触媒としては、3級アミン化合物であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどは好ましく用いられる。重合温度は、重合触媒や開始剤の種類に合わせて例えば0℃〜100℃が用いられる。重合時間も数十秒〜数十時間の間で行える。また、紫外線照射による重合においては、公知の紫外線重合開始剤を用いることができる。具体的には、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン類、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2−メチルチオキサントンなどのケトン類、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル類、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ヒドロキシケトン類、メチルベンゾイルホルメートなどのフェニルグリオキシレート類、メタロセン類などが挙げられる。
本発明において水溶性有機モノマーと層状粘土鉱物の量に対する水量の割合が低い場合は一体化したヒドロゲルとして得られ、水量の割合が高い場合は微粒子状のヒドロゲルとして得られる。その境となる水量は有機高分子や粘土鉱物の種類や組成によって変化するため一概には言えないが、例えば、有機モノマーに対する層状粘土鉱物の重量比が0.4の場合、水溶性有機モノマーと層状粘土鉱物の合計量に対して水量が25倍以上ではヒドロゲル微粒子となる場合が多い。
本発明において、有機高分子/粘土鉱物架橋体微粒子は、上記のように重合時に多量の水媒体を用いることにより、インーシチュー重合で合成できるほか、一体化したヒドロゲル(有機高分子/粘土鉱物架橋体)を合成した後、得られたゲルを多量の水媒体中においてミキサーで撹拌することにより、スラリー状のヒドロゲル分散液とすることでも得られる。
本発明における有機高分子/粘土鉱物架橋体微粒子は、分散液として塗布して、乾燥後に電解質液を含ませることにより、一体化したゲルとなる特徴を有する。これは、微粒子が有機高分子と層状剥離した粘土鉱物からなる三次元網目構造を有していることに起因する。化学架橋されたゲルの場合は、同様な工程をへても一体化したゲルとはならない。有機高分子/粘土鉱物架橋体微粒子が一体化することにより、合成および塗布工程では微粒子またはスラリー状の分散液として取り扱いが容易であり、且つ、塗布して電解質液を含ませた後は一体化したゲルとして働くことで、力学物性、非漏洩性、放電特性などに優れた特徴を発揮することができる。
本発明における二次電池用電解質ゲルの製造方法は、特定の組成からなる有機高分子と層状剥離した層状粘土鉱物からなる三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を合成することが必須である。そのための好ましい方法としては、まず、水媒体中にて層状剥離した層状粘土鉱物存在下で水溶性有機モノマーのインシチュー重合を行い、ヒドロゲルまたはヒドロゲル微粒子を調製する。次いで、これらを(ヒドロゲルの場合はそのまま又はスラリー状に加工してから)電極の上に塗布し(ヒドロゲルの場合は配置し)、乾燥した後、電解質液を含浸させる方法で、目的とする電解質ゲルを得ることができる。水の代わりに電解質液を媒体として用いて直接に有機モノマーと粘土鉱物から合成して電解質ゲルを得る方法では、重合体と層状剥離した粘土鉱物からなる三次元網目構造を有する架橋体は得られない。
本発明における二次電池は、得られた電解質ゲルを正極と負極の間に含ませることで得られる。正極や負極およびその他の二次電池の構成は通常用いられるものが有効に用いられる。具体的には、正極活物質としては、TiS、MoS、FeO、Co、V、MnO、CoO等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化合物およびこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物:LiV、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiCoO等)、フッ化カーボン、導電性高分子(ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリー3−メチルチオフェンなど)が挙げられる。正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、金、白金、ニッケル、モリブデンなどの金属シート、金属泊、金属網、パンチングメタル、金属メッキ繊維の腐食などが挙げられる。負極活物質としては、リチウム、リチウムアルミ合金、リチウムスズ合金、リチウムマグネシウム合金などの金属負極、及び炭素、炭素ボロン置換体、酸化スズなどのリチウムイオンを吸蔵しうるインターカレート物質などが例示される。好ましくは、後者のリチウムインターカレート物質を用いたものである。炭素の場合は、天然黒鉛、コークス、ピッチコークス、メソカーボン、カーボンブラック、合成高分子や天然高分子の焼成体が挙げられる。
本発明ではアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくはこのモノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとの共重合体(A−2)と、層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体または有機高分子/粘土鉱物架橋体微粒子に電解質液(C)を含ませてなることが必須である。これに対して、層状剥離した層状粘土鉱物(B)を用いないで、代わりに多官能の有機モノマー、例えば、多官能アクリレート(例:エチレングリコールジメタクリレート)や多官能アクリルアミド(例:メチレンビスアクリルアミド)を用いて得られた有機高分子架橋体またはその微粒子に電解質液(C)を含ませたものでは、本発明における優れた電解質ゲルの特性(力学物性、ゲルの一体性、電極への密着性、高い放電容量、サイクル特性など)が得られない。
次いで本発明を実施例により、より具体的に説明するが、もとより本発明は、以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
(参考例1)リチウムイオン電池部材の作成
1−1.正極塗料の作成
下記の原料を配合したものに、分散メディアとしてビーズを加え、ペイントコンディショナーにて2時間混練して正極用ペーストとした。<組成>:コバルト酸リチウム45部、導電性カーボン2.5部、ポリフッ化ビニリデン2.5 部、N−メチル−2−ピロリドン50部
1−2.負極塗料の作成
下記の原料を配合したものを、分散機にて15分間攪拌混練して負極用ペーストとした。<組成>: グラファイト26.4部、導電性カーボン0.4部、ポリフッ化ビニリデン2.6部、N−メチル−2−ピロリドン62.3部
1−3.電極(正負極)の塗工
正極塗料をアルミ箔上にバーコーターで塗工後、塗膜を乾燥した。面積塗布量は6.5mg/cm。負極塗料を銅箔上にナイフ塗工機で塗工後、塗膜を乾燥した。面積塗布量は2.5mg/cmとした。
1−4.ヒドロゲルの塗工
ヒドロゲル分散液にカルボキシメチルセルロース(CMC−1380:ダイセルファイインケム社製)をヒドロゲル固形分に対して10重量%加え溶解した。この分散液を負極上にナイフ塗工機で塗工後、塗膜を乾燥した。面積塗布量は 2.5mg/cmとした。
(参考例2)リチウムイオン電池の組立作製
(i):1−3で作成した正極用集電体/塗膜を円形に打ち抜き、リチウムイオン電池用正極とした。
(ii):1−4で作成した、負極用集電体/塗膜にヒドロゲルを塗工、乾燥したものを円形に打ち抜き、リチウムイオン電池用負極とした。
(iii):電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチレンカーボネート(DEC)の1対1体積比混合液を用い、電解質(六フッ化リンリチウム(LiPF))濃度が 1モル/Lとなるように調製したものを使用した。
作製法(1):(i)(ii)で打ち抜いた正極、負極を電解質液に浸漬し24時間放置した。放置後、電解質液の浸漬した正極、負極を取り出し、付着した液を軽くおとした後、ゲル層を間にして正負極塗膜を重ねるようにしてリチウムイオン電池を組み立てた。電解質液を含浸したゲルを用いるのみで、電解質液の電池ケースへの充填は行わなかった。また、比較例ではゲル層を用いずに、代わりにフィルム型セパレータを用いた。
作製法(2):(i)(ii)で打ち抜いた正極、負極を電解液に浸漬し5分間放置した。放置後、浸漬した正極、負極を取り出し、フィルム型セパレータを間にして正負極塗膜を重ねるようにしてリチウム電池を組み立てた。その後、電解液を電池ケース内にフル充填した。
(参考例3)リチウムイオン電池の評価
(i)I−V特性
参考例2の方法で作製したリチウムイオン電池を、正極面積あたり0.8mA/cmの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電した後、電流の大きさを正極面積あたり5〜80mA/cmの範囲で変化させて放電したときの1秒後の電圧値を求めた。
(ii)放電特性
参考例2の方法で作製したリチウムイオン電池を、正極面積あたり0.8mA/cmの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電した後、電流の大きさを変化させて電圧が3.0Vになるまで放電し、活物質あたりの放電容量を求めた。
(iii)サイクル特性
参考例2の方法で作製したリチウム電池を、正極面積あたり0.8mA/cmの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電した後、正極面積あたり0.8mA/cmの定電流で3.0Vまで放電を行った。これを1サイクルとし、同様に4.2〜3.0Vの範囲で充放電を100サイクル繰り返し、放電容量を測定した。放電容量は活物質あたりの値で示した。サイクルに伴い放電容量が低下して行った。放電容量低下率は100×(1回目の放電容量−100回目の放電容量)/(1回目の放電容量)で示した。
(実施例1)
層状粘土鉱物には[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する水膨潤性の合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG)を、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーにはアクリロイルモルホリン(ACMO)、エステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーには2−メトキシエチルアクリレート(MEA)を用いた。ACMO及びMEAはアルミナカラムを用いた精製により重合禁止剤を取り除いてから使用した。
重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)をKPS/水=0.40/20(g/g)の割合で水溶液にして使用した。触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を使用した。
20℃の恒温室において、平底ガラス容器に、純水38.04gと0.914gのラポナイトXLGを加え、無色透明の溶液を調製した。これにACMO1.13gとMEA4.16g(ACMO:MEA=2:8モル比)を加えて無色透明溶液を得た。次にKPS水溶液2.0gとTEMED32μlを攪拌しながら加えた。この溶液を20℃の恒温水槽中で20時間静置して層状剥離した粘土鉱物存在下でのインーシチュー重合を行った。これらの溶液調製から重合までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。その結果、容器内に有機高分子(共重合体)と層状剥離した層状粘土鉱物からなる無色透明で均一なヒドロゲルが生成した。ヒドロゲルの乾燥収量およびその熱重量分析測定(セイコー電子工業株式会社製TG−DTA220:空気流通下、10℃/分で600℃まで昇温)から、重合収率はいずれのモノマーも99%以上で、また、ほぼ100%の層状粘土鉱物がヒドロゲル中に安定して取り込まれていることが明らかとなった。ヒドロゲル乾燥物のX線回折(理学電機社製RX−7)および超薄切片の透過型電子顕微鏡観察(日本電子株式会社製JEM−2200FS型、加速電圧:200KV)から、約1〜2層に層状剥離したラポナイトXLGが有機高分子(共重合体)中に均一に分散していることが明らかとなった。また、ヒドロゲルの水中での平衡膨潤試験から、有機高分子(共重合体)と層状剥離した層状粘土鉱物は三次元網目構造を形成していることが明らかとなった。また、ヒドロゲルを一辺0.5cm、長さ10cmの棒状に切り出し、延伸試験(株式会社島津製作所製AGS−H:評点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分)を行った所、破断伸びが1100%、破断強度が120kPaであった。
得られたヒドロゲルに約100倍量の水を加え、ミキサーで約10分間撹拌して、スラリー状となったヒドロゲル分散液を得た。上記と同様な分析方法によりスラリー状ヒドロゲルが三次元網目構造を有する有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体微粒子からなっていることが確認された。このスラリー状ヒドロゲル分散液を基材に塗布し元の含水率まで乾燥させることによって、再び、一体化したヒドロゲルとなることが確認された。得られたスラリー状ヒドロゲル分散液を用いて参考例1−4の方法で負極の上にゲルを塗工し、乾燥して、塗膜を形成させた。参考例1および参考例2の作製法(1)の方法でリチウムイオン電池を作製し、参考例3の方法で電池の評価を行った。なお、塗膜に保持された電解質量は塗膜乾燥重量に対して25倍量であった。30℃環境下で測定された電流密度(I)−電位(V)特性を図1に示す。また、低温(5℃)環境下でのI−V特性測定結果を図2に示す。放電後、電位2Vでの電流密度は各々63mA/cm、26mA/cmであり、共に高い電流密度が得られた。図3および図4に、30℃および5℃環境下で測定された電流密度と放電容量の関係を示す。電流密度が10mA/cm(30℃)及び5mA/cm(5℃)での放電容量は各々、57mAh/g及び20mAh/gであり、いずれも優れた放電特性を示した。また、図5に30℃環境下での充放電サイクル特性を示す。100回目までの繰り返し充放電による放電容量の低下率は15%であり、優れたサイクル特性を示した。また、以上の結果は通常のセパレーターを用い、電解質液を充填した比較例1の結果と比較して、いずれも優れた特性であった。
(実施例2)
アミド基およびエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとして、各々、アクリロイルモルホリン(ACMO)1.69g、および2−メトキシエチルアクリレート(MEA)3.64g(ACMO:MEA=3:7モル比)を用いる以外は実施例1と同様にして、ヒドロゲルおよびそれからスラリー状ヒドロゲル分散液を調製した。実施例1と同様にして、有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体およびその微粒子が形成していることが確認された。また、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
アミド基およびエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとして、各々、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)1.19g、および2−メトキシエチルアクリレート(MEA)3.64g(DMAA:MEA=3:7モル比)を用いること以外は実施例1と同様にして、ヒドロゲルおよびそれからスラリー状ヒドロゲル分散液を調製した。実施例1と同様にして、有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体およびその微粒子が形成していることが確認された。また、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
アミド基およびエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとして、各々、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)1.58g、および2−メトキシエチルアクリレート(MEA)3.12g(DMAA:MEA=4:6モル比)を用いること以外は実施例1と同様にして、ヒドロゲルおよびそれからスラリー状ヒドロゲル分散液を調製した。実施例1と同様にして、有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体およびその微粒子が形成していることが確認された。また、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
アミド基およびエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとして、各々、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)0.79g、および2−メトキシエチルアクリレート(MEA)4.16g(DMAA:MEA=2:8モル比)を用いること、層状粘土鉱物(ラポナイトXLG)を1.54g用いること以外は実施例1と同様にして、ヒドロゲルおよびそれからスラリー状ヒドロゲル分散液を調製した。実施例1と同様にして、有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体およびその微粒子が形成していることが確認された。また、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしてエステル基を有する有機モノマーを用いず、アミド基を有する有機モノマーを2種、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)3.16gおよびN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)1.19g(NIPA:DMAA=7:3モル比)を用いること以外は実施例1と同様にして、ヒドロゲルおよびそれからスラリー状ヒドロゲル分散液を調製した。実施例1と同様にして、有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体およびその微粒子が形成していることが確認された。また、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
得られたスラリー状ヒドロゲル分散液を更にホモジナイザーで15分間処理すること以外は実施例3と同様にして、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
純水を238g用いること、重合開始剤として、光開始重合開始剤(Irgacure184:チバスペシャリティケミカルズ)のメタノール溶液(2重量%)およびペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)の水溶液(KPS/水=0.40/20(g/g))を使用し、触媒(TEMED)を使用しないことを除くと、実施例2と同様にして均一な反応液を調製した。反応液に紫外線(365nm)を3分間照射し、次いで、80℃で30分保持した結果、均一なヒドロゲル分散液が得られた。動的光散乱装置(堀場製作所製LB−550)で測定した平均粒径は98nm、また、乾燥固化物の透過型電子顕微鏡写真から、ヒドロゲルは三次元網目構造を有する有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体微粒子からなっていることが確認された。このヒドロゲル分散液を基材に塗布し元の含水率まで乾燥させることによって、一体化したヒドロゲルとなることが確認された。得られたヒドロゲル分散液に界面活性剤(20重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液)を少量(150μl)添加した後、実施例2と同様な方法によりリチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
純水を158g用いること、重合開始剤として、光開始重合開始剤(Irgacure184)のメタノール溶液(2重量%)を使用し、触媒(TEMED)を使用しないことを除くと、実施例3と同様にして均一な反応液を調製した。反応液に紫外線(365nm)を10分間照射した結果、均一なヒドロゲル分散液が得られた。動的光散乱装置で測定した平均粒径は140nm、また、乾燥固化物の透過型電子顕微鏡写真から、ヒドロゲルは三次元網目構造を有する有機高分子(共重合体)/粘土鉱物架橋体微粒子からなっていることが確認された。このヒドロゲル分散液を基材に塗布し元の含水率まで乾燥させることによって、一体化したヒドロゲルとなることが確認された。得られたヒドロゲル分散液を用いて、実施例3と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
ヒドロゲルの厚みを40μmとなるようにフィルム作製容器に反応液を注入してヒドロゲルフィルムを作製する以外は実施例2と同様にしてヒドロゲルを作製し、次いで、ゲルフィルムを負極の上にゲルを配置し、乾燥して、塗膜を形成させた。参考例1および参考例2の作製法(1)の方法でリチウムイオン電池を作製し、参考例3の方法で電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
参考例2の作製法(2)の方法を用いる以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
層状粘土鉱物を用いずに、代わりに化学架橋剤であるメチレンビスアクリルアミドをモノマーに対して1モル%用いること以外は、実施例1と同様にしてヒドロゲルを調製した。得られたヒドロゲルは脆弱で、破断強度は9kPa、破断伸びは30%であった。また、実施例1と同様にしてヒドロゲルスラリー(分散液)を調製し、実施例1と同様な方法により、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ヒドロゲルスラリーを用いることなく、正極と負極の間にセパレータとして単層ポリプロピレンセパレーター(セルガードC2400:セルガード社(米国)製、厚み25μm)を用い、参考例2の作製方法2の方法により、電解質液を電池ケース内にフル充填したリチウムイオン電池を作製し、参考例3の方法で電池の評価を行った。30℃環境下で測定された電流密度(I)−電位(V)特性を図1に示す。また、低温(5℃)環境下でのI−V特性測定結果を図2に示す。放電後、電位2Vでの電流密度は各々45mA/cm、17.5mA/cmであった。図3および図4に、30℃および5℃環境下で測定された電流密度と放電容量の関係を示す。電流密度が10mA/cm(30℃)及び5mA/cm(5℃)での放電容量は各々、35mAh/g及び4.5mAh/gであった。また、図5に30℃環境下での充放電サイクル特性を示す。100回目までの繰り返し充放電による放電容量の低下率は30%であった。また、以上の結果は実施例1と比較していずれも低い特性であった。
(比較例3)
ヒドロゲルスラリーを用いることなく、正極と負極の間にセパレータとして単層ポリプロピレンセパレーター(セルガードC2400:セルガード社(米国)製、厚み25μm)を用い、このセルガードを電解質液に浸漬し24時間放置したものを用いる以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン電池を作製し、電池の評価を行った。なお、セルガードに含浸保持された電解質液はセルガードの乾燥重量の0.9倍量であり、十分なリチウム二次電池の特性を示さなかった。
表1

サンプル 放電容量(mAh/g) I−V特性:電流密度 サイクル特性
30℃ 5℃ (mA/cm2 at2V) 放電容量低下率
(at10mA/cm2)(at5mA/cm2) 30℃ 5℃ (% at 30℃)

実施例2 65 25 68 29 9
実施例3 57 18 64 27 14
実施例4 53 14 62 25 15
実施例5 60 16 65 28 17
実施例6 52 11 62 25 15
実施例7 64 26 65 27 17
実施例8 58 14 63 23 13
実施例9 54 13 56 22 17
実施例10 61 23 65 27 8
実施例11 60 22 66 28 10
比較例1 34 3 39 15 34

Claims (4)

  1. アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくはアミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で微粒子状に合成し、得られた微粒子状ヒドロゲルを電極に塗布し、乾燥した後、電解質液(C)を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法。
  2. アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくは
    アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不
    飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)
    により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で合成
    して得られたヒドロゲルを粉砕してスラリー状とした後、電極に塗布し、乾燥した後、電
    解質液(C)を含浸させることを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法。
  3. アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A−1)もしくは
    アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとエステル基を有する重合性不
    飽和基含有水溶性有機モノマーの共重合体(A−2)と層状剥離した層状粘土鉱物(B)
    により形成された三次元網目構造を有する有機高分子/粘土鉱物架橋体を水媒体中で合成
    して得られたヒドロゲルを電極に貼り付け、乾燥した後、電解質液(C)を含浸させるこ
    とを特徴とする二次電池用電解質ゲルの製造方法。
  4. アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが、アクリルアミド、N−ア
    ルキル置換アクリルアミド、N、N−ジアルキル置換アクリルアミドから選ばれる少なく
    とも一種であること、エステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーがアル
    コキシアルキルアクリレートから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか
    一つに記載の二次電池用電解質ゲルの製造方法。
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