JP6190575B2 - ゲル電解質、コンデンサ用ゲル電解質及びゲル電解質コンデンサ - Google Patents

ゲル電解質、コンデンサ用ゲル電解質及びゲル電解質コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、ゲル電解質を用いたコンデンサ、及びその製造方法に関する。
各種電子機器において、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサといったコンデンサが用いられている。かかるコンデンサは、例えば以下のように構成される。
(1)陽極箔と陰極箔を、セパレータを介して重ね合わせ、電極箔を形成する。セパレータには、マニラ紙やクラフト紙等の薄い低密度の紙が用いられる。
(2)電極箔にリード線を接続し、電解液を含浸させる。電解液は、有機溶媒に無機酸塩又は有機酸塩を溶解させた液状の電解質である。
特開2003−257794号公報 特開2002−53629号公報
海外の電力事情の悪い地域などにおいてコンデンサが使用される場合、コンデンサに過電圧が印加される事態が発生しやすい。その際、コンデンサ内部の電解液が漏れだし、コンデンサを搭載した機器の故障をもたらすという問題が発生していた。
このような問題を解決するために、ゲル電解質をコンデンサに使用することが検討されてきた。ゲル電解質は、有機架橋剤で三次元網目を形成させるゲル(以後このゲルを有機架橋ゲルと称する)に電解液を含浸させたものである。このゲル電解質を、従来のセパレータの代わりに陽極箔及び陰極箔の間に挟んでコンデンサを構成することができる(例えば、特許文献1参照)。このようなコンデンサは、ゲルの保持力によって過電圧印加時の電解液の漏れを抑制できる。
しかしながら、上述した有機架橋ゲルからなる高分子ゲルは力学的に脆弱であり、コンデンサの部品としては取扱いが難しかった。
本発明者らは、水溶性有機モノマーの重合体とナノサイズの層状粘土鉱物とが架橋されて形成された三次元網目を有する有機無機複合ゲル(以下、単に「複合ゲル」ともいう)が、力学的に優れていることに着目した(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、かかる複合ゲルは、一般に層状剥離したクレイの存在下で水溶性有機モノマーをインシチュ重合して得られるが、重合は酸素フリー、すなわち、酸素を遮断して行う必要があった。また場合によっては、重合後に残存モノマーを除去したりする精製工程が必要であった。したがって、複合ゲルを作製してから、コンデンサに使用するまでの期間が長い場合、含水率を一定に保つなどの保護手段が必要であり、品質管理、取り扱いにおいて特段の注意が必要であった。
本発明は、上述の課題を解決して、電解液の漏れを抑制でき、力学的強度に優れたゲル電解質を用いたコンデンサや、それらの簡便な製造方法を提供すること目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は次の特徴を有するゲル電解質を用いたコンデンサ(以下、単にゲル電解質コンデンサともいう)を提供する。
(1)有機無機複合ゲルの粒子を一体化した高分子ゲル中に、電解液が保持されているものを使用する。
(2)有機無機複合ゲルは、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された、三次元網目構造を有するものである。
さらに、本発明は上記ゲル電解質を用いたコンデンサの製造方法を提供する。該製造方法は、以下の工程を有する。
(A)重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルを、粉砕及び乾燥して粒子状乾燥物を形成する。
(B)該粒子状乾燥物を、水、溶質又は溶質を含有する水溶液と混合して高分子ゲル分散液を調製する。
(C)上記(A)、(B)の代わりに、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルを、水中にて粉砕して、スラリー状の高分子ゲル分散液を調製する。
(D)上記(A)、(B)の代わりに、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲル粒子を合成し、それを含む高分子ゲル分散液を調製する。
(E)該高分子ゲル分散液を素子構成材料上に塗布して乾燥する。
(F)素子構成材料に電解液を含浸してコンデンサを形成する。
上述の特徴により、本発明のゲル電解質コンデンサは、以下の効果を得られる。
(1)ゲルの保持力によって、コンデンサに過電圧が印加された時の電解液の漏れが抑制される。長寿命のコンデンサが得られる。
(2)有機無機複合ゲルを用いることによって、高い力学的強度を得ることができ、取り扱いが容易である。
さらに、本発明のゲル電解質コンデンサ及びコンデンサの製造方法は、上述の工程により以下の効果を得られる。
(3)有機無機複合ゲルをいったん乾燥粒状物とし、もしくは、有機無機複合ゲルをスラリー状とし、もしくは粒子状の有機無機複合ゲルを合成して、この複合ゲル粒子をコンデンサの製造に使用する。そのため、大気下中で製造作業を行うことができ、簡便で、品質管理等が容易な製造方法を提供できる。
本実施形態に係るゲル電解質の製造方法を概略的に示す図である。 本実施形態に係るゲル電解質コンデンサの製造方法を概略的に示す図である。 本実施形態の実施例1に係るラミネートセルのゲル電解質の厚みを変更してESRを測定した結果を示すグラフである。
[ゲル電解質]
本実施形態におけるゲル電解質は、有機無機複合ゲルの粒子が一体化した高分子ゲル中に、電解液が保持されているものである。図1に示すように、ゲル電解質を製造する工程は、大別すると以下のようになる。
(A)有機無機複合ゲルを、乾燥後に粉砕し又は粉砕後に乾燥して、該複合ゲルの粒子状乾燥物を作製する。
(B)該粒子状乾燥物を水、溶質又は溶質を含む水溶液と混合して、高分子ゲル分散液を調整する。
(C)上記(A)、(B)の代わりに、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルを、水中にて粉砕してスラリー状の高分子ゲル分散液を調製する。
(D)上記(A)、(B)の代わりに、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲル粒子を合成し、それを含む高分子ゲル分散液を調製する。
(E)該高分子ゲル分散液を基板上に塗布した後、乾燥して高分子ゲルシートを作製する。この基板としては、金属や樹脂等の板状部材や、コンデンサの素子を構成する陽極箔、陰極箔やセパレータなどが挙げられる。
(F)該高分子ゲルシートに電解液を含浸し、ゲル電解質を作製する。
(A)有機無機複合ゲルおよびその粒子状乾燥物の作製
(有機無機複合ゲルの合成)
本実施形態における有機無機複合ゲルは、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体と層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物が分子レベルで複合化し、三次元網目を形成している。この三次元網目の形成は、水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合などのいずれかまたは複数による。このことは、(1)該複合ゲルが水又は親水性有機溶剤により膨潤し、且つ該複合ゲルを20℃で500時間以上処理しても構成成分である水膨潤性粘土鉱物及び水溶性有機モノマー重合体が抽出されないことや、(2)延伸や圧縮の力学試験において、大きな可逆的伸張性や圧縮性を示すこと、から推定される。
有機無機複合ゲルは公知の方法で作製することができる。例えば、水に均一分散した水膨潤性粘土鉱物に、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー、ラジカル重合開始剤、及び触媒を添加して、不酸素雰囲気下にて重合を行うことにより作製することができる。またはラジカル重合開始剤の代わりに光重合開始剤を用いて不酸素雰囲気下にて紫外線照射を行う光重合により作製することもできる。
(重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー)
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしては、水に溶解する性質を有し、水に均一分散可能な水膨潤性粘土鉱物と相互作用を有するものが好ましい。例えば、粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有するものが好ましい。これらの官能基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしては、具体的には、アミド基、アミノ基、エステル基、水酸基、エーテル基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが挙げられる。なかでもアミド基、エステル基、水酸基、エーテル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが好ましく、特に好ましくはアミド基、エステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーである。なお、本発明で言う水には、水単独以外に、水と混和する有機溶媒をとの混合溶媒で水を主成分とするものが含まれる。
アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類が挙げられる。ここでアルキル基としては炭素数が1〜4のものが特に好ましく選択される。またエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどがあげられる。またエーテル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、側鎖にポリエチレングリコール鎖を有するアクリレート、具体的には、メトキシポリエチレングリコールアクリレートが挙げられる。ここでポリエチレングリコール鎖のエチレンオキサイドユニットの数としては1〜20が用いられ、特に好ましくは2〜15が用いられる。
(水溶性有機モノマー重合体)
かかる水溶性有機モノマー重合体としては、例えば、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルフォリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メトキシエチルアクリレート)、ポリ(エトキシエチルアクリレート)、ポリ(メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(メトキシポリエチレングリコール)アクリレートが例示される。また水溶性有機モノマー重合体としては、以上のような単一の重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーからの重合体の他、これらから選ばれる複数の異なる重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーを重合して得られる共重合体を用いることも有効である。具体的には、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類と、エステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとの共重合体、もしくは、かかるアミド基含有モノマーもしくはエステル基含有モノマーとエーテル基含有モノマーとの共重合体が好ましく用いられる。特に好ましい具体例としては、N,N−ジメチルアクリルアミドとメトキシエチルアクリレートの共重合体やメトキシエチルアクリレートとメトキシポリエチレングリコールアクリレートの共重合体があげられる。また上記水溶性有機モノマーとそれ以外の有機溶媒可溶性重合性不飽和基含有有機モノマーとの共重合体も、本発明にいう一体化した高分子ゲルが達成出来るものであれば使用することができる。
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー重合体は、上記水溶性有機モノマーを重合したものであり、水溶性または水を吸湿する性質を有する親水性または両親媒性を有する。具体的には、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)のような親水性を示すもの、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のような親水性/疎水性が温度により変化するもの、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)とポリ(メトキシエチルアクリレート)の共重合体のように重合比率により親水〜疎水の中間の性質をしめすものなどが含まれる。
(水膨潤性粘土鉱物)
本実施形態における有機無機複合ゲルに用いる水膨潤性粘土鉱物としては、水に膨潤性を有するものであり、好ましくは水によって層間が膨潤する性質を有するものが用いられる。より好ましくは少なくとも一部が水中で層状に剥離して分散できるものであり、特に好ましくは水中で1ないし10層以内の厚みの層状に剥離して均一分散できる層状粘土鉱物である。例えば、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などが用いられる。具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。この中でも、特に層状剥離後の基本サイズ(直径)が30nm前後と小さい合成ヘクトライトは三次元網目構造を効果的に形成するのに有効であり、一方、層状剥離後の基本サイズ(直径)が300〜1000nmと大きな天然モンモリロナイトは耐久性、耐水和性、耐熱性に優れたゲル電解質を調製するのに有効である。
本実施形態における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー重合体に対する水膨潤性粘土好物の質量比は、0.03〜2.0であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.5、特に好ましくは、0.1〜0.7である。0.03以下では得られる一体化された高分子ゲルの強度が弱い場合が多く、2.0以上では一体化が進みにくくなる。また、溶質を用いないで一体化する高分子ゲルの場合のより好ましい範囲は、0.05〜0.7である。
(粒子状乾燥物)
本発明における粒子状乾燥物は、有機無機複合ゲルを乾燥した粉末状のものである。従って、水を含んだヒドロゲルと異なり、水分の放出を防ぐための密封、カビの発生を抑えるための抗菌成分の添加、ヒドロゲルの変形を防ぐための無圧力下での保存などヒドロゲルに必要な特段の管理項目が必要でない特徴を有する。
本発明に用いる粒子状乾燥物の大きさは、最終的に粒子状乾燥物が一体化した高分子ゲルが得られればよく特に限定されない。しかし、例えば、早い一体化時間や高強度の高分子ゲルを得るためには、平均粒径が0.1μm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは、1μm〜300μm、更に好ましくは2μm〜200μm、特に好ましくは、3μm〜100μmである。平均粒径が0.1μm以下は調製が困難であったり、取り扱い性が悪くなる問題が生じ、1000μm以上では一体化が不均一となる問題が生じてくる場合がある。また、粒子状乾燥物の形状は種々のものが用いられ特に限定されない。例えば、球状、直方体状、扁平状、繊維状などが用いられ、表面も平滑なものと凹凸を有するものがいずれも可能である。このうち、有機無機複合ゲルを延伸、圧縮などの方法で変形した状態で乾燥粒子化したものは、その後の一体化力を高めるのに有効である。変形倍率としては、必ずしも限定されないが、延伸変形の場合、延伸倍率が2倍〜20倍が特に有効に用いられる。圧縮変形の場合は、圧縮率が30%〜95%が有効に用いられる。また、有機無機複合ゲルを凍結した状態で乾燥する方法も有効に用いられる。この場合、粒子状とするのは凍結乾燥させる前でも、凍結乾燥した後でもよい。一方、粒子状乾燥物における乾燥度合いは粉末状態を保つものであれば良く、必ずしも水分率0%の絶乾状態である必要はない。乾燥粉末の水分率(粉末全体に対する水含有率)としては、好ましくは、60%以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。
本発明における有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物を得る方法としては、有機無機複合ゲルを粉砕後乾燥する方法、有機無機複合ゲルを乾燥後粉砕する方法、両者を併せて用いる方法のいずれもが用いられる。粉砕方法としては、通常知られている機械的力および/または熱による方法が用いられ特に限定されない。
(B)高分子ゲル分散液の調製
本発明において、粒子状乾燥物を水、溶質または溶質を含む水溶液と混合することにより、特異的な高分子ゲル分散液が得られる。高分子ゲル分散液の特性は、粒子状乾燥物の性質のほか、分散液中での粒子状乾燥物の含有量や溶質の性質および濃度によって決まる。用いる溶質としては、水に溶解または混和することができる有機分子、有機高分子および水膨潤性粘土鉱物である。具体的には、エーテル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基などの親水性官能基を有する有機分子または有機高分子であり、例として、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルフォリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリアクリル酸、ヒアルロン酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、コラーゲン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース誘導体、キタンサンガム、ジェランガム、キトサンなどが挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリ(N,Nジエチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミンが用いられる。また、特に好ましくは、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンが用いられる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。また、これら溶質をあらかじめ水に溶解または分散しておいたものは有効に用いられる。高分子ゲル分散液における粒子状乾燥物の含有量は0.2〜20wt%であることが好ましく、より好ましくは1〜10wt%、特に好ましくは2〜5wt%である。
(C)スラリー状高分子ゲル分散液の調製
本発明においてスラリー状高分子ゲル分散液は、前述した(有機無機複合ゲルの合成)で記した方法により有機高分子/粘土鉱物架橋体からなる一体化した有機無機複合ゲルをいったん合成した後、該ゲルを多量の水中に投入し、ミキサーで撹拌・粉砕することにより得られる。用いる水の量は有機無機複合ゲルより多く、好ましくはゲル質量の2倍〜20倍量の水が用いられる。撹拌条件は目的に応じて広い範囲から設定できる。得られたスラリー状高分子ゲル分散液はそのまま、もしくは、その後、余分な水を除いたり、逆に水を追加して用いられる。
(D)粒子合成による高分子ゲル分散液の調製
前述した(有機無機複合ゲルの合成:水中に分散した水膨潤性粘土鉱物の存在下で、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーを重合する)において、反応水溶液の水量の割合を高くすることにより、粒子状の有機無機複合ゲルを含む高分子ゲル分散液を一段で合成することができる。一体化した有機無機複合ゲルが得られるか、粒子状の有機無機複合ゲル分散液が得られるかは、用いる水量により主に決定される。粒子合成のための適した水量は、用いる有機高分子や粘土鉱物の種類や濃度によって変化するため一概には限定できないが、一般には、水溶性有機モノマーと層状粘土鉱物の合計量の10〜300倍が好ましく用いられ、より好ましくは20〜150倍、特に好ましくは25〜100倍が用いられる。水量が300倍以上では濃度が低すぎて粒子合成の効率が悪い。得られた有機無機複合ゲル粒子の大きさは安定した分散状態を保つものであれば、目的により任意に選ばれ必ずしも限定されないが、好ましくは平均粒子径が0.01〜3μm、より好ましくは0.02〜0.5μm、特に好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。
(E)高分子ゲルシートの作製
上述した(B)〜(C)で得られた高分子ゲル分散液を、大気中にてアルミ箔、セパレータ等の基板に塗布し、さらに乾燥処理を行う。これによって、シート状の高分子ゲルが得られる。
このようにして得られた高分子ゲルは、優れた吸収性、力学物性、機能性を示す。例えば、力学物性としては、水含水率が85重量%である時の引っ張り強度が1kPa以上、より好ましくは3kPa以上、特に好ましくは5kPa以上であり、引っ張り破断伸びが50%以上、より好ましくは100%以上、特に好ましくは200%以上である。
これに対して、比較として、有機無機複合ゲルではなく、例えば一般に知られている化学架橋ゲル(例:ポリジメチルアクリルアミドの化学架橋ゲル)や物理架橋ゲル(例:アガロースの物理架橋ゲル)を用いた場合は、それらを粒子状乾燥物とした後、同様に水、溶質または溶質を含む水溶液と混合させても、いずれも一体化された高い力学物性を有する高分子ゲルは得られなかった。本発明における有機無機複合ゲルを用いることで極めて効果的に粒子状乾燥物を経て最終的に一体化された高分子ゲルが調製されることが明らかとなった。一体化する機構は必ずしも限定されていないが、例えば、粒子ゲルの表面にある片末端が自由な高分子鎖(もう一方の末端はクレイと結合)が媒体中で、隣接する他のクレイと再結合することにより一体化が生じることが考えられる。
また本発明における高分子ゲル分散液を経て調製された一体化した高分子ゲルは、粒子の融合体であるため電解液が容易に浸透し、且つ、安定して含まれる特徴を有する。
(F)ゲル電解質の作製
本実施形態におけるゲル電解質は、シート状の高分子ゲルに電解液を含浸させることによって得られる。
(電解液)
電解液としては、溶媒に溶質としてイオン解離性の塩を溶解させたものが挙げられる。
電解コンデンサに用いる場合は、溶媒として、水、プロトン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として、挙げられる。
また、溶質としては、有機酸および/または無機酸のオニウム塩が挙げられ、有機酸成分の具体例としては、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸などの芳香族モノカルボン酸類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、7−フェニル−7−メトキシ−1−オクタンカルボン酸、6−フェニル−6−メトキシ−1−ヘプタンカルボン酸などの脂肪族モノカルボン酸類;フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸など芳香族ジカルボン酸類;マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸などの直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸類;ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、2,4,4−トリメチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−カルボメトキシ−1,9−デカンジカルボン酸、2,8−ノナンジカルボン酸、7,8,11,12−テトラメチル−1,18−オクタデカンジカルボン酸、1−メチル−3−エチル−1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジカルボン酸、5−メチル−1,7−オクタンジカルボン酸、7,12−ジメチル−1,18−オクタデカンジカルボン酸、7−エチル−1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,6−ヘプタンジカルボン酸、6−メチル−6−カルボメトキシ−1,8−ノナンジカルボン酸、1,8−ノナンジカルボン酸、8−メチル−8−カルボメトキシ−1,10−ウンデカンジカルボン酸、6−エチル−1,4−テトラデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの分岐鎖を有する飽和脂肪族ジカルボン酸類;7−メチル−1,7,9−デカントリカルボン酸、6−メチル−1,6,8−ノナントリカルボン酸、8−メチル−1,8,10−ウンデカントリカルボン酸などのトリカルボン酸類等あるいはこれらの混合物が挙げられる。また、無機酸成分の具体例としては、ホウ酸、燐酸などが挙げられる。
上記した有機酸成分及び無機酸成分のうちでも定格電圧100V以下の低圧用コンデンサ向けには電気伝導率の高い電解液が得られるフタル酸、マレイン酸、安息香酸、アジピン酸が好ましい。定格電圧300V以上の高圧用コンデンサ向けには耐電圧の高い電解液が得られるアゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、ホウ酸が好ましい。定格電圧100Vを越え、300V未満の中圧用コンデンサ向けには適度の電気伝導率と耐電圧を有する電解液が得られる安息香酸、アジピン酸、アゼライン酸が好ましい。
オニウム塩の具体例としては、アンモニウム;メチルアンモニウム;ジメチルアンモニウム;トリメチルアンモニウム、エチルジメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムなどの三級アンモニウム類;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどの四級アンモニウム類等あるいはこれらの混合物が挙げられる。
中高圧用コンデンサに用いる場合は、エチレングリコール溶媒と1,6−デカンジカルボン酸などのジカルボン酸類との組み合わせにおいて高い耐電圧を有する電解液が得られるアンモニアが好ましい。低圧用コンデンサにはγ−ブチロラクトン溶媒とフタル酸などの組み合わせにおいて高い電気伝導率を有する電解液が得られる1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムが好ましい。溶質の使用量は溶媒と溶質との合計重量に対して5〜30重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
また、必要に応じて電解液にさらに添加剤を含有させることもできる。添加剤としては、ホウ酸、ホウ酸と多価アルコール類(エチレングリコール、マンニトール、ソルビトールなど)との錯化合物などのホウ素化合物類;リン酸、酸性リン酸エステル類〔リン酸ジブチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)〕、酸性ホスホン酸エステル類〔2−エチルヘキシルホスホン酸(2−エチルヘキシル)など〕のリン化合物類;p−ニトロ安息香酸、m−ニトロアセトフェノンなどのニトロ化合物類などが挙げられる。
また、コンデンサが電気二重層コンデンサ(キャパシタ)の場合は、電解液としてその主溶媒として、γ−ブチロラクトン、スルホランまたはその誘導体、プロピレンカーボネートを用いることができる。また、副溶媒として、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのオキソラン類;アセトニトリルやニトロメタンなどの含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの有機酸エステル類;リン酸トリエステルや炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルのような炭酸ジエステルなどの無機酸エステル類;ジグライム類;トリグライム類;3−メチル−2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトンなどのスルトン類等を用いることができる。
溶質としては金属の陽イオン、4級アンモニウムカチオン、カルボニウムカチオン等のカチオンと、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、またはRfSO3 -、(RfSO22-、RfCO2 -(Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基)から選ばれるアニオンの塩を挙げることができる。その他、電気化学キャパシタでは、上述の主溶媒及び副溶媒が用いられ、溶質としては特に第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩を使用することができる。
[コンデンサ]
本実施形態のゲル電解質をコンデンサに応用する場合は、図2に示すように、以下の工程によってコンデンサを製造することができる。
(E)図1の工程(B)、(C)または(D)で得られた高分子ゲル分散液を、素子構成材料上に塗布して乾燥させる(高分子ゲルシートの作製)。図2(E)では一例として陽極箔に塗布しているが、他の素子構成材料、例えば陰極箔やセパレータに塗布しても良い。
(F)陽極箔及び陰極箔を重ね合わせ、高分子ゲルが該陽極箔及び陰極箔の間に配置されるようにする。なお、セパレータを該陽極箔及び陰極箔の間に配置してもよい。電極箔にリード線を接続する。電極箔とリード線との接続部をあて紙で覆った後、電解液を含浸させる(ゲル電解質の作製)。
(G)電解液含浸後の電極箔をフィルム状封止体で覆うことにより、ラミネート型のコンデンサを得る。
陽極箔及び陰極箔としては、コンデンサの種類に応じて、公知の電極材料を使用することができる。例えば、コンデンサがアルミニウム電解コンデンサの場合には、アルミニウム箔の表面積をエッチング処理によって拡大した後、表面に酸化皮膜の誘電体層を形成した箔を陽極とし、エッチング処理を施した同種又は他の金属の箔を陰極とすることができる。
セパレータには、不織布、マニラ紙、クラフト紙、セルロース紙等が使用され、また、ガラス、合成高分子の繊維を用いたセパレータを使用することもできる。
一対の電極及びこれらの間に挟持されたゲル電解質を覆うフィルム状封止体としては、シリコーンフィルム、アルミニウム箔とポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムとを積層させたラミネートフィルムなどを使用することができる。
なお、図2の工程(F)では、陽極箔と陰極箔を重ね合わせた後、電解液を含浸しているが、陽極箔と陰極箔とを交互に複数枚重ね合わせた後、電解液を含浸してもよい。
アルミニウム電解コンデンサに用いられる電極箔は、アルミニウム箔の表面積をエッチング処理によって拡大しており、このエッチング処理によってアルミニウム箔の表面には、1μm以下の極小のエッチングピットが形成されている。粒子状乾燥物は、その粒子径によりエッチングピットの深部にまで入り込ませにくいが、電解液がこのエッチングピットの深部にまで入り込ませることができる。これにより、静電容量が向上し、アルミニウム箔の表層に形成される高分子ゲル層によってESRが改善されていると推定される。
[効果]
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得られる。
(1)水膨潤性粘土鉱物を含有する有機無機複合ゲルの粒子が一体化したものを用いることによって、高い力学的強度を有し、取り扱いが容易なゲル電解質を得ることができる。
(2)該高分子ゲル内に、容易に、且つ、安定して電解液が保持されることによって、過電圧印加時の電解液の漏れが抑制されるため、長寿命の電気化学素子が得られる。
(3)いったん乾燥粒状物とした有機無機複合ゲルを用いたり、有機無機複合ゲルをスラリー状としたものを用いたり、粒子状に合成した有機無機複合ゲルを用いて、ゲル電解質及びコンデンサの製造を行うことによって、大気下中で製造作業を行うことができるため、製造工程が簡便となり、品質管理等も容易である。
(4)ゲル電解質を作製するための電解液の含浸はコンデンサ製造と同時に行うため、高分子ゲルを作製してからコンデンサへの使用までに期間が空く場合も、電解液の保持率を維持する管理が必要ないため、高分子ゲルの保管取扱いも容易である。
(5)より具体的方法として、陽極箔、陰極箔又はセパレータから選択した素子構成材料に高分子ゲル分散液を塗布して乾燥した後に、素子構成材料全体を巻回又は積層し、その後に電解液を含浸してコンデンサ素子を形成する。これによって、製造工程が簡便となり、品質管理等も容易となる。また、ゲル電解質の作製及びコンデンサ素子の形成が同時に行われるので、作業効率を上げることができる。
(実施例1)
(高分子ゲル分散液)
水膨潤性粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG)を、水溶性有機モノマーには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA:興人株式会社製)を用いた。DMAAは精製により重合禁止剤を取り除いてから使用した。水溶性有機モノマー(DMAA)を0.68g、粘土鉱物(ラポナイトXLG)を0.21g、水を40gを混合したものに、重合開始剤として、光開始重合剤(Irgacure184:チバガイギー社製:2%メタノール溶液)を100μl、及び、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)水溶液(2%水溶液)140μlを添加して反応水溶液を調製した。石英製透明容器に反応水溶液を入れ、365nm、強度40mW/cmの紫外線を10分間照射した後、80℃恒温槽に移し1時間保持した。その結果、ゲル粒子が分散した高分子ゲル分散液が得られた。重合収率は99%以上であり、動的光散乱装置(堀場製作所製LD550V)を用いて測定したゲル粒子の平均粒子径は100nmであった。また、ゲル粒子乾燥物の熱重量分析、透過型電子顕微鏡測定、エネルギー分散X線スペクトラム(EDX)マッピング測定、FTIR測定から、ゲル粒子は高分子(PDMAA)と層状剥離した粘土鉱物(ヘクトライト)が複合した有機無機複合ゲル粒子であることが確認された。更に、この有機無機複合ゲル粒子は空気中および水中で可逆的に乾燥−膨潤を繰り返すこと及び下記に示す力学試験の結果から、有機無機複合ゲル粒子は層状剥離した粘土鉱物と高分子(PDMAA)が三次元網目構造を形成していることが確認された。
得られた高分子ゲル分散液の一部をポリ容器(5cm×7cm×1cm深さ)内に充填し25℃で静置して徐々に水分を乾燥除去し、含水率を50%以下にした結果、一体化した高分子ゲルフィルムが得られ、これを水中に浸漬すると再び膨潤した。含水率を85wt%に調整した一体化高分子ゲルフィルムの引っ張り試験を、引っ張り試験装置(株式会社島津製作所製、卓上型万能試験機AGS−H)を用い、評点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて行った。高分子ゲルは、大きな力学的タフネスおよび延伸性(弾性率=3.5kPa、強度=37kPa、破断伸び=1100%)を有するゴム的な力学物性を示した。また水中で大きな膨潤性(20℃水中での吸水量は乾燥物の20倍以上)を示した。このように、本実施形態の高分子ゲルは高い力学的強度と保持力を有する。
(ゲル電解質・コンデンサ)
上述の高分子ゲル分散液の一部を、14.5mm×22.0mmのサイズのアルミニウム陽極箔上に塗布し、80℃で1時間乾燥した。この高分子ゲル分散液の塗布及び乾燥工程を、3回繰り返し、乾燥後の高分子ゲル層の厚みを20μmとなるようにした。さらに、高分子ゲル分散液が塗布された面を内側にして、アルミニウム陰極と重ね合わせた。重ね合わせた電極箔にリード線を接続し、接続部分をクラフト紙のあて紙で覆った。その後、エチレングリコール100、ホウ酸6、D−マンニトール9を溶解した電解液に、減圧下で電極箔を浸漬した。これによって、陽極箔に塗布された高分子ゲル中に電解液が保持されるため、本実施形態のゲル電解質が得られる。なお、ゲル電解質の厚みは、含浸後40μmとなるようにした。
含浸後の電極箔を、さらにフィルム状封止体で覆うことにより、ラミネートセルを作製した。
なお、実施例1のラミネートセルのゲル電解質の厚みを変更したものについて、高温槽にて105℃で長時間放置した後のESRを測定した。測定結果は、図3に示すとおりである。ゲル厚さは、セル全体をマイクロメータ(ミツトヨ社製・MDC−25MJ)で測定し、陰極箔や陽極箔等の材料の厚さを減じて算出した。ESRは20℃で測定した。
図3からわかるように、ESR特性は、ゲル電解質の厚みが10〜170μmまでは良好であることがわかる。
(実施例2)
電解液を、エチレングリコール100に、水14、安息香酸アンモニウム10、アジピン酸アンモニウム5を溶解して調製した。その他の部分は、実施例1と同様にしてラミネートセルを作製した。
(実施例3)
電解液を、γ―ブチロラクトン75wt%に、フタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25wt%を溶解して調製した。その他の部分は、実施例1と同様にしてラミネートセルを作製した。
(実施例4、5、6、7、8)
実施例4では粘土鉱物(ラポナイトXLG)を0.42g用いること及び水を53g用いること、実施例5では反応水溶液にクエン酸を0.25mMを添加すること、実施例6では粘土鉱物としてモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製クニピアF)を0.21g用いること、実施例7では有機架橋剤(N,N−メチレンビスアクリルアミド)を水溶性モノマー(DMAA)の0.05モル比を添加すること、実施例8では水溶性有機モノマーとしてDMAA0.34gと2−メトキシエチルアクリレート(MEA:東亞合成)0.41gを用いること及び粘土鉱物(ラポナイトXLG)を0.105g用いること及び水を27g用いることを除くと、全て実施例1と同様にして重合を行い、いずれも有機無機複合ゲル粒子からなる均一な高分子ゲル分散液が得られた。DLSで測定した平均粒子径はそれぞれ60nm(実施例4)、103nm(実施例5)、550nm(実施例6)、94nm(実施例7)、133nm(実施例8)であった。また、得られた高分子ゲル分散液を用いて、実施例1と同様にしてゲル電解質およびコンデンサを調製した。
(実施例9)
ガラス容器に、純水38g、ラポナイトXLG1.23g、DMAA3.96gを加えて無色透明水溶液を得た。この水溶液に、重合開始剤として、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)をKPS/水=0.40/20(g/g)の割合で水溶液にして2.0g、また触媒として、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED:和光純薬工業株式会社製)32μlを攪拌しながら加え、反応水溶液を調製した。この溶液を直径が3.5cm、長さが10cmの密閉したガラス容器にして移した後、20℃の恒温水槽中で20時間静置して重合を行った。これらの溶液調製から重合までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。重合開始から20時間後に、容器内に有機モノマー重合体と層状剥離した粘土鉱物からなる無色透明で均一な有機・無機複合ゲルが生成した。
得られた有機・無機複合ゲルを約5mm角に切断後、最終固形分が2wt%となるように水を加え、ミキサー(岩谷産業(株)製)に投入して10分間粉砕を行って、スラリー状の高分子ゲル分散液が得られた。得られた高分子ゲル分散液を用いて、実施例1と同様にしてゲル電解質およびコンデンサを調製した。
(実施例10,11)
実施例10では、水溶性有機モノマーとしてアクリロイルモルホリン(ACMO:興人株式会社製)を0.73g、及び粘土鉱物としてラポナイトXLGを0.105gを用いること、及び水を33g用いること、また実施例11では水溶性有機モノマーとして、DMAA0.42gとメトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレンオキシド単位=17)0.34gを用いること、更にいずれの実施例でも、光開始重合剤を添加せず、且つ、光照射をしないで、熱重合(80℃1時間)のみを行うことを除くと実施例1と同様にして重合を行った。その結果、有機・無機複合ゲル粒子からなる高分子ゲル分散液を得た。重合収率はいずれも99%以上であり、粘土鉱物は全量がゲル粒子中に含まれていた。得られた高分子ゲル分散液を用いて実施例1と同様にしてまた、得られた高分子ゲル分散液を用いて、実施例1と同様にしてゲル電解質およびコンデンサを調製した。
(実施例12)
(有機無機複合ゲル)
平底ガラス容器に、純水38.04gと1.23gのラポナイトXLGを加え、無色透明の溶液を調製した。これにDMAA3.96gを加えて無色透明溶液を得た。次にKPS/水=0.40/20(g/g)の割合で調製したKPS水溶液2.0gとTEMED32μlを攪拌しながら加え、この溶液を直径が3.5cm、長さが10cmの密閉したガラス容器にして移した後、20℃の恒温水槽中で20時間静置して重合を行った。これらの溶液調製から重合までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。重合開始から20時間後に、容器内に有機モノマー重合体と層状剥離した粘土鉱物からなる無色透明で均一な有機・無機複合ゲルが生成した。
(高分子ゲル分散液)
得られた有機ポリマー(PDMAA)/クレイ複合ゲルを約5mm角に切断後、室温にて24時間、引き続き40℃にて3時間、更に、40℃真空乾燥にて1時間乾燥後、ミキサーにて粉末化を行った。得られたものを分級して3〜40μm範囲の粒子状乾燥物を得た(平均粒径=19μm)。次いで、この粒子状乾燥物にその6倍量のポリエチレングリコール水溶液(ポリエチレングリコール20000(平均分子量20000)(和光純薬工業(株)製)を1重量%含む水溶液)及び40倍量の水を加えて高分子ゲル分散液を得た。
高分子ゲル分散液の一部をポリ容器(5cm×7cm×1cm深さ)内に充填し25℃で静置して、元の粒子状乾燥物の7倍量の水分含有量になるまで、徐々に水分を乾燥除去した。30分後にポリ容器内から一体化した高分子ゲルフィルム(厚み約2mm)を取り出した。得られた高分子ゲル(含水率(100×水/高分子ゲル)=89wt%)の引っ張り試験を、引っ張り試験装置(株式会社島津製作所製、卓上型万能試験機AGS−H)を用い、評点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて行った。高分子ゲルは、大きな延伸性(弾性率=3.0kPa、強度=33kPa、破断伸び=1050%)を有するゴム的な力学物性を示した。また大きな膨潤性(20℃水中での吸水量は粒子状乾燥物の20倍以上)を示した。このように、本実施形態の高分子ゲルは高い力学的強度と保持力を有する。
次いで、得られた高分子ゲル分散液を用いて、実施例1と同様にしてゲル電解質およびコンデンサを調製した。
(比較例1)
厚さ約50μmのクラフトパルプ二重紙を酸化被膜を有するアルミニウム陽極と、アルミニウム陰極とで挟んだ。重ね合わせた電極箔にリード線を接続し、接続部分をクラフト紙のあて紙で覆った。その後、実施例1と同様にエチレングリコール100、ホウ酸6、D−マンニトール9を溶解した電解液に電極箔を浸漬した。含浸後の電極箔をフィルム状封止体で覆うことにより、ラミネートセルを作製した。
(比較例2)
電解液を実施例2と同様にエチレングリコール100に、水14、安息香酸アンモニウム10、アジピン酸アンモニウム5を溶解して調製した。その他の部分は、比較例1と同様にしてラミネートセルを作製した。
(比較例3)
比較例1のクラフトパルプ二重紙をマニラ紙に替え、さらに電解液を、実施例3と同様にγ―ブチロラクトン75wt%に、フタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25wt%を溶解して調製した。その他の部分は、比較例1と同様にしてラミネートセルを作製した。クラフトパルプ二重紙の代わりにマニラ紙を用いた理由は、クラフト紙がγ―ブチロラクトンとの濡れ性が悪く、ESRが高くなってしまい、実施例との比較対象として不適当だからである。
(比較例4)
有機架橋剤(N,N−メチレンビスアクリルアミド)をモノマー(DMAA)の1モル%を用いて化学架橋ゲルを作製した。この化学架橋ゲルを実施例12と同様の方法で粒子状乾燥物とした。その後、実施例12と同様に、粒子乾燥物をその6倍量のエチレングリコールと混合し、水分量の調整(減水、乾燥)を行ったが、化学架橋ゲルの分散状態のままで、それらが一体となることはなかった。また、実施例12と同様にしてゲル分散液を塗布してコンデンサを調製したが、十分な電解液保持性がなかった。
(高温寿命試験)
実施例1〜3、及び比較例1〜3において作製したラミネートセルについて、高温槽にて105℃で長時間放置した後のゲル厚さ及びESRを測定した。ゲル厚さは、セル全体をマイクロメータ(ミツトヨ社製・MDC−25MJ)で測定し、陰極箔や陽極箔等の材料の厚さを減じて算出した。ESRは20℃で測定した。
表1及び表2に示すように、実施例1〜3及び実施例4〜12のラミネートセルは、同一の電解液を用いている比較例と比べると、ESRが低く抑えられている。さらに、ゲル厚さの減少が少ないことから、高分子ゲルの保持力により電解液の漏れや蒸散が抑制されていると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、本発明に係るゲル電解質を巻回型コンデンサに用いることも可能である。従来の巻回型コンデンサは、マニラ紙等のセパレータを陽極箔及び陰極箔で挟んで巻回し電解液を含浸してコンデンサ素子を形成する。その後、コンデンサ素子をケースに収納し、開口部を封口部材で封口する。封口部材はゴム等の樹脂材で形成されるが、ガス透過性であるため、含浸された電解液が封口部材を透過して蒸散してしまい、コンデンサ素子の特性劣化が生じていた。本発明に係るゲル電解質を用いる場合には、セパレータの代わりにゲル電解質を陽極箔及び陰極箔で挟んで巻回し、電解液に含浸する。電解液はゲル内に保持されているため、封口部材を透過して蒸散する電解液の量を低減することができる。これによって、コンデンサ素子の特性劣化を低減することができる。

Claims (5)

  1. 重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体と水膨潤性粘土鉱物との架橋により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子を一体化した高分子ゲル中に、電解液が保持され、厚みが10〜53μmのゲル電解質であって、前記電解液の溶媒として少なくとも水を含む、ゲル電解質
  2. 前記電解液が、溶質として有機酸のオニウム塩を含む、請求項1に記載のゲル電解質。
  3. 前記重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが、アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーまたはエステル基を有する重合性不飽和基含有有機モノマーを含む、請求項1または2に記載のゲル電解質。
  4. 陽極箔と、
    陰極箔と、
    前記陽極箔および前記陰極箔の間に配置される請求項1〜のいずれか1項に記載のゲル電解質と、
    を含む、ゲル電解質コンデンサ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデンサ用ゲル電解質。
JP2012141481A 2012-06-22 2012-06-22 ゲル電解質、コンデンサ用ゲル電解質及びゲル電解質コンデンサ Active JP6190575B2 (ja)

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