JP6001729B2 - セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
<1>下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム。
一般式(I)
<2>R8が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される、<1>に記載のセルロースエステルフィルム。
<3>R1〜R7、R9およびR10が、それぞれ、水素原子または非共役置換基である、<1>または<2>に記載のセルロースエステルフィルム。
<4>X1およびX2が、それぞれ、単結合または炭素数1〜3の脂肪族連結基である、<1>〜<3>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
<5>R12が、水素原子、アルコール基、アルキル基および下記一般式(IV)で表される基から選択され、R13およびR14が、水素原子、アルコール基、アルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、および下記一般式(III)で表される基から選択される、<1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
一般式(II)
一般式(III)
一般式(IV)
<6>R11が、水素原子、アルコール基、アルキル基で表される基から選択される、<1>〜<5>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
<7><1>〜<6>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムと偏光子を有する偏光板。
<8><7>に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
<9>偏光板は、少なくとも、視認側に設けられている<8>に記載の液晶表示装置。
<10>下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム用アミドエステル系添加剤。
従って、一般式(I)で表される化合物の塩化メチレン溶液の290nmにおけるモル吸光係数は、1500以下であることが望ましい。
脂肪族連結基とは、炭素原子を必須とし、非芳香族性の基をいう。具体的には、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルキニレン基、または、アルケニレン基)、または、脂肪族炭化水素基と他の基の組み合わせからなる基が例示され、脂肪族炭化水素基、または、脂肪族炭化水素基と、−O−、−C(=O)−および−S−の少なくとも1種の組み合わせからなる基が例示される。より好ましくは、アルキレン基、または、アルキレン基と−O−の組み合わせからなる基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、特に好ましくは無置換のアルキレン基である。脂肪族連結基が有する炭素数は、1〜3が好ましい。
R12は、水素原子または置換基を表し、水素原子または非共役置換基であることが好ましい。置換基としてのR12は、水素原子、アルコール基、アルキル基、下記一般式(IV)で表される基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3の1級アルコール基、炭素数1〜5のアルキル基、下記一般式(IV)で表される基がさらに好ましく、下記一般式(IV)で表される基がよりさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
置換基としてのR13およびR14は、それぞれ、水素原子、アルコール基、アルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、下記一般式(III)で表される基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3の1級アルコール基、炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、下記一般式(III)で表される基がさらに好ましい。
一般式(III)
一般式(IV)
一般式(III)におけるR1〜R5およびX1は、それぞれ、一般式(I)におけるR1〜R5およびX1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
本発明に用いることができるセルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましく、アセチル基がより特に好ましい。
本発明においては、置換基および/または置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
前記一般式(I)で表される化合物の含有量は特に限定されないが、セルロースエステル100質量部に対して、3〜50質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。
溶液製膜法による製造がより好ましい。
溶融製膜法および溶液製膜法ともに、一般的に行われている方法と同様に、本発明のセルロースエステルフィルムを製造することができる。例えば、溶融製膜に関しては、特開2006−348123号公報を、溶液製膜に関しては、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
溶液製膜法は、セルロースエステルを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を調製し、前記溶液を支持体表面に流延してフィルムを製造する。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般式(I)で表わされる化合物を含有したセルロースエステルフィルムに延伸処理を施すことで、フィルムの表面硬度をさらに高めることができる。
表面硬度:
本発明のセルロースエステルフィルムは、上述の化合物を含有することにより、高い表面硬度を有することができる。セルロースエステルフィルムの表面硬度は、一般式(I)で表される化合物の種類または含有量によって調整できる。セルロースエステルフィルムの表面硬度の指標としては、ヌープ硬度を用いることができる。ヌープ硬度は、後述の製造例に示す方法によって測定することができる。
セルロースエステルフィルムの引裂き強度は、そのJIS K−7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づいて60μm換算の値を示す。引裂き強度は、2g以上であるのが、後述の膜厚(20〜100μm)においても膜の強度が充分に保持できる点で好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更に好ましくは6〜25gである。また60μm換算では、8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。具体的には、試料片51mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定できる。
セルロースエステルフィルムは実用上十分な弾性率を示す。弾性率の範囲は特に限定されないが、製造適性およびハンドリング性という観点から1.0〜6.0GPaであることが好ましく、2.0〜5.0GPaであることがより好ましい。上述の化合物は、セルロースエステルフィルム中に添加されることにより、セルロースエステルフィルムを疎水化することで弾性率を向上させる作用があり、その点も本発明における利点である。
セルロースエステルフィルムの光弾性係数の絶対値は、好ましくは8.0×10-12m2/N以下、より好ましくは6×10-12m2/N以下、さらに好ましくは5×10-12m2/N以下である。セルロースエステルフィルムの光弾性係数を小さくすることにより、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。光弾性係数は、特に断らない限り、以下の方法により測定し算出するものとする。
光弾性率の下限値は特に限定されないが、0.1×10-12m2/N以上であることが実際的である。
セルロースエステルフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は上記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースエステルフィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、3質量%未満がさらに好ましい。セルロースエステルフィルムの含水率を小さくすることにより、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下における液晶表示装置の表示ムラの発生を抑制することができる。含水率の下限値は特に限定されないが、0.1質量%以上であることが実際的である。
セルロースエステルフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%RHの雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2あたりの値に換算することにより評価することができる。
セルロースエステルフィルムの透湿度は、500〜2000g/m2・dayであることが好ましく、900〜1300g/m2・dayであることがより好ましく、1000〜1200g/m2・dayであることが特に好ましい。
セルロースエステルフィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下とすることにより、セルロースエステルフィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。ヘイズは、特に断らない限り、下記方法により測定し算出するものとする。ヘイズの下限値は特に限定されないが、0.001%以上であることが実際的である。
ヘイズは、セルロースエステルフィルム40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いて、JIS K7136に従って測定する。
セルロースエステルフィルムの平均膜厚は、用途に応じ適宜定めることができるが、例えば、20〜100μmである。セルロースエステルフィルムの平均膜厚は、10〜100μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。20μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。
また、セルロースエステルフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましく、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましく、0.5〜3μmが最も好ましい。コア層とは、3層構造で中心部に位置する層のことをいい、スキン層とは3層構造で外側に位置する層のことをいう。
前記セルロースエステルフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の段落0211と段落0212に記載される方法を用いることができる。
次に、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる態様について説明する。本発明の偏光板の一例は、偏光子とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(透明フィルム)からなり、本発明のセルロースエステルフィルムを少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして有する。
本発明のセルロースエステルは、特に、上側偏光板10の視認側の保護フィルムとして好ましく用いられる。図1は、本発明の偏光板と液晶表示装置の位置関係を示した一例であって、1は本発明のセルロースエステルを、2は偏光子を、3は位相差フィルムを、4は液晶セルをそれぞれ示している。位相差フィルムは、他の保護フィルムであってもよい。また、図1の上側が視認側になる。
ここで、実質的に平行であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下、光抜けが抑制され好ましい。
本発明の偏光板には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0250の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(化合物5の合成)
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(25g)と、ピリジン(68.6g)をアセトニトリル(400mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(121.8g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体(87g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、d−DMSO):δ4.95(s、6H)、δ7.4−8.0(m、20H)、δ8.5(s、1H)
(化合物9の合成)
ジエタノールアミン(20g)と、ピリジン(49.6g)をアセトニトリル(300mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(88.2g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(54g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ3.7−4.1(m、4H)、4.3−4.8(m、4H)、δ7.3−7.6(m、11H)、δ7.9−8.1(m、4H)
(化合物15の合成)
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(20g)と、ピリジン(50.1g)をアセトニトリル(300mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(89g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体(48g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ3.7−3.9(m、4H)、3.9−4.0(m、2H)、4.4−4.5(m、2H)、δ7.2−7.6(m、12H)、δ7.8(m、2H)、δ7.9(m、2H)
(セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.43、重合度340のセルロースアセテート
100.0質量部
下記表に記載の一般式(I)で表される化合物 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記で得られたセルロースエステルフィルムを、押し込み荷重50mNでヌープ圧子を用いた、ナノインデンテーション法により表面硬度の指標としてヌープ硬度を測定した。単位は、N/mm2で表した。
JIS K 5600に準処した碁盤目試験を行った。具体的には、上記作製したフィルムの表面にハードコート層を塗布し、紫外線照射による硬化後、フィルムに切れ込みを入れる前にXeを24時間照射した。Xeの照射後のサンプル表面上に1mm間隔で縦横に11本の切れ込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作った。この上にセロハンテープおよびマイラーテープを貼り付け、素早く剥がし剥がれた箇所を目視観察により密着評価した。Xeの照射にはスガ試験機株式会社製のスーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いた。
光耐久性 A:剥がれ箇所0〜40マス。
光耐久性 B:剥がれ箇所41〜70マス。
光耐久性 C:剥がれ箇所71マス以上。
セルロースエステルフィルムの引裂き強度は、そのJIS K−7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づいて60μm換算の値を示す。試料片51mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定した。
比較例4はベンゼン環にアミド結合が直結した共役構造により、保護フィルムの分解反応が生じる波長領域に吸収を有するために実施例1〜3よりも光耐久性が劣ったと考えられる。
また、引裂き強度においても本発明のセルロースエステルフィルムは高い値を示し、硬度と脆性改良の両立が可能であることが分かった。TPPは引裂き強度では優れた値を示したが、本発明のように硬度の改良とは両立できなかった。
上記の結果から硬度と脆性改良を行い、更に光耐久性を向上させるためには本発明が有効であることが分かった。
製造例1において用いたアセチル置換度2.43、重合度340のセルロースエステルの代わりに、アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースエステルを用いて製造例1と同様にセルロースエステルフィルムを作製した。製造されたセルロースエステルフィルムの膜厚は60μmであった。
製造例1と同様の方法で評価した結果を下記表に示す。
セルロースエステルフィルムの鹸化処理
上記製造例1、2で得られた各セルロースエステルフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースエステルフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理したセルロースエステルフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各セルロースエステルフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたセルロースエステルフィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして偏光板を作製した。
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認側の偏光板をはがし、本発明の偏光板として、上記実施例で作製した各偏光板を、上記各実施例のセルロースエステルフィルムが液晶セル側と反対側となるように、粘着剤を介して、観察者側に一枚ずつ貼り付けて液晶表示装置を得た。
2 偏光子
3 位相差フィルム
4 液晶セル
10 上側偏光板
Claims (5)
- セルロースエステル100質量部に対して、下記一般式(I)で表される化合物を3〜50質量部含有する、セルロースエステルフィルム。
一般式(I)
一般式(III)
一般式(IV)
- 請求項1に記載のセルロースエステルフィルムと偏光子を有する偏光板。
- 請求項2に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
- 前記偏光板は、少なくとも、視認側に設けられている請求項3に記載の液晶表示装置。
- 下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム用アミドエステル系添加剤。
一般式(I)
一般式(III)
一般式(IV)
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