JP2005272685A - セルロース体組成物及びセルロース体フイルム - Google Patents
セルロース体組成物及びセルロース体フイルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005272685A JP2005272685A JP2004089007A JP2004089007A JP2005272685A JP 2005272685 A JP2005272685 A JP 2005272685A JP 2004089007 A JP2004089007 A JP 2004089007A JP 2004089007 A JP2004089007 A JP 2004089007A JP 2005272685 A JP2005272685 A JP 2005272685A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- cellulose
- cellulose acylate
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 ***(C(c(c(**1=CC1)c1*)c(*)c(*)c1O)=O)c1c(*)c(*)c(*)c(*)c1** Chemical compound ***(C(c(c(**1=CC1)c1*)c(*)c(*)c1O)=O)c1c(*)c(*)c(*)c(*)c1** 0.000 description 1
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A45—HAND OR TRAVELLING ARTICLES
- A45C—PURSES; LUGGAGE; HAND CARRIED BAGS
- A45C11/00—Receptacles for purposes not provided for in groups A45C1/00-A45C9/00
- A45C11/24—Etuis for purposes not covered by a single one of groups A45C11/02 - A45C11/22, A45C11/26, A45C11/32 - A45C11/38
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A45—HAND OR TRAVELLING ARTICLES
- A45C—PURSES; LUGGAGE; HAND CARRIED BAGS
- A45C13/00—Details; Accessories
- A45C13/10—Arrangement of fasteners
- A45C13/1069—Arrangement of fasteners magnetic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65D—CONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
- B65D85/00—Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
- B65D85/18—Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for wearing apparel, headwear or footwear
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
Description
本発明は、セルロース体組成物及びそれを用いたフイルム、特に、安息香酸アニリド化合物を含有するセルロース体組成物及びそれを用いたフイルムに関するものである。
セルロース体フイルム、中でもセルロースアセテートフイルムは、他のポリマーフイルムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)という特徴がある。従って、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、通常セルロースアセテートフイルムが用いられている。一方、液晶表示装置等の光学補償シート(位相差フイルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。従って、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフイルムやポリスルホンフイルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフイルムを用いることが普通であった。
以上のように光学材料の技術分野では、ポリマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求される場合にはセルロースアセテートフイルムを使用することが一般的であった。
以上のように光学材料の技術分野では、ポリマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求される場合にはセルロースアセテートフイルムを使用することが一般的であった。
しかし最近になって光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフイルムが要求され、それに対応した技術が提案されている(例えば特許文献1)。該文献ではセルローストリアセテートで高いレターデーション値を実現するために、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物、中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物を添加し、延伸処理を行っている。
一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、上記特許文献1では添加剤を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくすることを可能にし、高いレターデーション値を実現している。
一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、上記特許文献1では添加剤を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくすることを可能にし、高いレターデーション値を実現している。
一方、近年、液晶表示装置の軽量化、製造コスト低減のために液晶セルの薄膜化が必須となっている。そのために光学補償シートに必要とされる光学性能は、1,3,5−トリアジン環を有する化合物で実現できる光学異方性(Reレターデーション値、Rthレターデーション値)に対して、さらにより高いReとより低いRthが要求されるようになってきた。
欧州特許出願公開0911656A2号明細書
しかしながら、特許文献1で開示された方法で鋭意検討した結果、該手法では、前述のReレターデーション値とRthレターデーション値を任意に組み合わせることができないという問題があることが判明した。そこで、新たな光学性能制御技術の開発が必要となってきた。
従って、本発明の第1の目的は、光学性能に優れたフイルムを形成できるセルロース体組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、光学特性に優れたセルロースアシレートフイルムを提供することにある。
従って、本発明の第1の目的は、光学性能に優れたフイルムを形成できるセルロース体組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、光学特性に優れたセルロースアシレートフイルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記手段により達成された。
[1]セルロース体と、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするセルロース体組成物。
[1]セルロース体と、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするセルロース体組成物。
(式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R3およびR8はそれぞれ水素原子以外の置換基を表す。R11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)
[2]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−A)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
[2]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−A)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
(式中、R12はアルキル基を表す。R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11はそれぞれ一般式(1)におけるそれらと同義である。)
[3]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−B)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
[3]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−B)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
(式中、R13は水素原子またはアルキル基を表す。R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12それぞれ一般式(1−A)におけるそれらと同義である。)
[4]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−C)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
[4]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−C)で表されることを特徴とする[1]記載のセルロース体組成物。
(式中、R14はアルキル基を表す。R2、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R12およびR13それぞれ一般式(1−B)におけるそれらと同義である。)
[5]上記[1]〜[4]のいずれかのセルロース体組成物より形成されたことを特徴とするセルロース体フイルム。
[6]セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする[5]のセルロース体フイルム。
[7]一般式(1)、一般式(1−A)〜(1−C)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするフイルム。
[6]セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする[5]のセルロース体フイルム。
[7]一般式(1)、一般式(1−A)〜(1−C)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするフイルム。
本発明のセルロース体組成物はRe発現性の高いフイルムを形成するのに有用であり、また、本発明の組成物より形成されたフイルムは光学性能に非常に優れている。
[セルロース体組成物]
まず、本発明の上記一般式(1)で表される化合物に関して詳細に説明する。
一般式(1)中、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、かかる置換基としては、下記の置換基Tが適用できる。また、可能な場合にはそれぞれが連結して環を形成してもよい。
まず、本発明の上記一般式(1)で表される化合物に関して詳細に説明する。
一般式(1)中、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、かかる置換基としては、下記の置換基Tが適用できる。また、可能な場合にはそれぞれが連結して環を形成してもよい。
置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
上記一般式(1)において、R1は水素原子または置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R1として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくはメトキシ基、ヒドロキシ基である。
R1として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくはメトキシ基、ヒドロキシ基である。
R2は水素原子または置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましく水素原子である。
R2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましく水素原子である。
R4は水素原子または置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましくメトキシ基である。
R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましくメトキシ基である。
R5は水素原子または置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R5として好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、メトキシ基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
R5として好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、メトキシ基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
R6、R7、R9およびR10は水素原子または置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R6、R7、R9およびR10として好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、メトキシ基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
R6、R7、R9およびR10として好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、メトキシ基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
上記一般式(1)において、R3は水素原子以外の置換基を表し、R3として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシル基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4アシルアミノ基、塩素原子、フッ素原子、シアノ基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピル基、n−ブトキシ基、アセチル基、フェニル基、塩素原子、シアノ基であり、特に好ましくはメチル基、メトキシ基、シアノ基であり、最も好ましくはメトキシ基である。
R8は水素原子以外の置換基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
R8として好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜12のアシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、シアノ基であり、更に好ましくはフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、シアノ基である。
R8として好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜12のアシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、シアノ基であり、更に好ましくはフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、シアノ基である。
R11は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、可能な場合には更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては前述の置換基Tを適用することができる。また、可能な場合にはR6、R7、R9およびR10のいづれかと連結して環を形成してもよい。R11として好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、メチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(1)で表される化合物のうち好ましくは下記一般式(1−A)で表される化合物である。
(式中、R12はアルキル基を表す。R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11はそれぞれ一般式(1)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
一般式(1−A)中、R12は炭素数1〜12のアルキル基を表し、R12で表されるアルキル基は直鎖でも分岐があってもよく、また更に置換基を有してもよいが、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜8アルキル基、更に好ましくは炭素数1〜6アルキル基、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる)を表す。
一般式(1)で表される化合物のうちより好ましくは下記一般式(1−B)で表される化合物である。
(式中、R13は水素原子またはアルキル基を表す。R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12それぞれ一般式(1−A)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
一般式(1−B)中、R13は水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基は直鎖でも分岐があってもよく、また更に置換基を有してもよい。R13として好ましくは水素原子、炭素数1〜8アルキル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜6アルキル基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる)であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
一般式(1)で表される化合物のうち更に好ましくは下記一般式(1−C)で表される化合物である。
(式中、R14はアルキル基を表す。R2、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R12およびR13それぞれ一般式(1−B)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
一般式(1−C)中、R14はアルキル基を表し、アルキル基は直鎖でも分岐があってもよく、また更に置換基を有してもよい。R14として好ましくは、炭素数1〜8アルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜6アルキル基であり、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる)であり、特に好ましくはメチル基である。
以下に一般式(1)で表される化合物に関して具体例を挙げて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、置換安息香酸とフェノール誘導体の一般的なアミド反応によって合成でき、アミド結合形成反応であればどのような反応を用いてもよい。例えば、置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、アニリン誘導体と縮合する方法、縮合剤または触媒を用いて置換安息香酸とアニリン誘導体を脱水縮合する方法などが挙げられる。
製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、フェノールと縮合する方法が好ましい。
製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、フェノールと縮合する方法が好ましい。
反応溶媒として炭化水素系溶媒(好ましくはトルエン、キシレンが挙げられる)、エーテル系溶媒(好ましくはジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる)、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。これらの溶媒は単独でも数種を混合して用いてもよく、反応溶媒として好ましくはトルエン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドである。
反応温度としては、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃、更に好ましくは0〜90℃であり、特に好ましくは20℃〜90℃である。
本反応には塩基を用いないのが好ましく、塩基を用いる場合には有機塩基、無機塩基のどちらでもよく、好ましくは有機塩基であり、ピリジン、3級アルキルアミン(好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプルピルアミンなどが挙げられる)である。
本発明の一般式(1)及び式(1−A)〜(1−C)で表される化合物のうちのいずれか少なくとも1種をセルロース体に対して0.1〜20質量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜16質量%、更に好ましくは1〜12質量%、特に好ましくは2〜8質量%である。最も好ましくは3〜7質量%である。
[セルロース体組成物]
本発明のセルロース体組成物中のセルロース体とは、セルロースまたはセルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物と前記一般式(1)及び(1−A)〜(1−C)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む組成物である。セルロース骨格を有する化合物として好ましくはセルロースエステルであり、より好ましくはセルロースアシレート(セルローストリアシレート、セルロースアシレートプロピオネート等が挙げられる。)である。また、本発明においては異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いても良い。
以下、セルロース体としてセルロースアシレートを用いた場合を代表例として本発明を説明する。
本発明のセルロース体組成物中のセルロース体とは、セルロースまたはセルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物と前記一般式(1)及び(1−A)〜(1−C)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む組成物である。セルロース骨格を有する化合物として好ましくはセルロースエステルであり、より好ましくはセルロースアシレート(セルローストリアシレート、セルロースアシレートプロピオネート等が挙げられる。)である。また、本発明においては異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いても良い。
以下、セルロース体としてセルロースアシレートを用いた場合を代表例として本発明を説明する。
セルロース体の中で好ましいセルロースアシレートは以下の素材を挙げることができる。すなわち、セルロースアシレートが、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(I) 2.3≦SA+SB≦3.0
(II) 1.5≦SA≦3.0
(III) 0≦SB≦0.8
(I) 2.3≦SA+SB≦3.0
(II) 1.5≦SA≦3.0
(III) 0≦SB≦0.8
ここで、式中SA及びSBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、SAはアセチル基の置換度、またSBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。本発明では、水酸基のSAとSBの置換度の総和は、より好ましくは2.7〜2.96であり、特に好ましくは2.80〜2.95である。また、SBの置換度は0〜0.8であり、特には0〜0.6である。さらにSBは好ましくはその28%以上が6位水酸基の置換基部分であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、35%以上がさらに好ましく、特には40%以上が6位水酸基の置換基のものであることも好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上であり、さらには0.85以上であり特には0.90以上であるセルロースアシレートフイルムも挙げることができる。
本発明においてセルロースアシレートの上記のSBを示す炭素数3〜22のアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいSBを示す置換基としては、プロピオニル、ブタノイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、ピバロイル、シクロヘキサンカルボニル、オレイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、ピバロイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。
無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、フイルムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。『実質的に』とは、ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。残部は可塑剤、紫外線吸収剤などである。フイルム製造の原料としてセルロース組成物などを調製する際、セルロースアシレートの粒子を使用することが好ましい。使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子径を有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは250〜550、更に好ましくは250〜400であり、特に好ましくは粘度平均重合度250〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538に詳細に記載されている。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。
なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下の含水率を有するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でセルロースアシレートの含水率を小さくにするためには、乾燥が必要であり、その方法は目的とする含水率(例えば2質量%以下)にできれば特に限定されない。
本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロースアシレートフイルムには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開平2001−151901号などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフイルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明のセルロースアシレートが溶解される有機溶媒について記述する。
まず、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。
まず、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。
エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロースアシレートに用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは以下のとおりである。すなわち、本発明のセルロースアシレートの好ましい溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、より好ましくは炭素数1〜8のアルコールである。
なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましく、これらの混合液であってもよい。
第3の溶媒であるアルコールの好ましくは、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特に好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。
なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%含まれることが好ましい。以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて12頁〜16頁に詳細に記載されている。本発明の好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・1、3ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5/5、質量部)
などを挙げることができる。
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・1、3ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5/5、質量部)
などを挙げることができる。
更に下記の方法でセルロースアシレート溶液を用いることもできる。
本技術に用いるドープには、上記本技術の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
本技術に用いるドープには、上記本技術の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
また、本発明のセルロースアシレートの溶液(組成液)を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いられ以下に記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りはその塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。
また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが必要である。本発明の併用される非塩素系有機溶媒について以下に記す。すなわち、好ましい非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロースアシレートに対して用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明の好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
などを挙げることができる。
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
などを挙げることができる。
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に濃度10〜30質量%で溶解していることが好ましいが、より好ましくは濃度13〜27質量%であり、特に濃度15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
本発明ではセルロースアシレート溶液を同一組成の有機溶媒で0.1〜5質量%にした希釈溶液のセルロースアシレートの会合体分子量が15万〜1500万であることが好ましい。さらに好ましくは、会合分子量が18万〜900万である。この会合分子量は静的光散乱法で求めることができる。その際に同時に求められる慣性自乗半径は10〜200nmになるように溶解することが好ましい。さらに好ましい慣性自乗半径は20〜200nmである。更にまた、第2ビリアル係数が−2×10-4〜4×10-4となるように溶解することが好ましく、より好ましくは第2ビリアル係数が−2×10-4〜2×10-4である。ここで、本発明での会合分子量、さらに慣性自乗半径および第2ビリアル係数の定義について述べる。
これらは下記方法に従って、静的光散乱法を用いて測定した。測定は装置の都合上希薄領域で測定したが、これらの測定値は本発明の高濃度域でのドープの挙動を反映するものである。まず、セルロースアシレートをドープに使用する溶剤に溶かし、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%の溶液を調製した。なお、秤量は吸湿を防ぐためセルロースアシレートは120℃で2時間乾燥したものを用い、25℃,10%RHで行った。溶解方法は、ドープ溶解時に採用した方法(常温溶解法、冷却溶解法、高温溶解法)に従って実施した。
続いてこれらの溶液、および溶剤を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過した。そして、ろ過した溶液を静的光散乱を、光散乱測定装置(大塚電子(株)製DLS−700)を用い、25℃に於いて30度から140度まで10度間隔で測定した。得られたデータをBERRYプロット法にて解析した。なお、この解析に必要な屈折率はアッベ屈折系で求めた溶剤の値を用い、屈折率の濃度勾配(dn/dc)は、示差屈折計(大塚電子(株)製DRM−1021)を用い、光散乱測定に用いた溶剤、溶液を用いて測定した。
次に本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組合せで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、特開昭58−127737号、特開平9−95544号、特開平10−95854号、特開平10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、さらに特開平11−322947号、特開平2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、特開平04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、特開平11−302388号などにセルロースアシレート溶液の調製法、が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。
これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径 4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instrumennts社製)を用いて測定した。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで 40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度 n*(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率 G’(Pa)を求めた。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始した。本発明では、40℃での粘度が1〜400Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上が好ましく、より好ましくは40℃での粘度が10〜200Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が100〜100万が好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万〜100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万〜500万Paが好ましい。
[フイルム・セルロースフイルム]
次に、本発明の一般式(1)及び式(1−A)〜(1−C)で表される化合物のうちの少なくともいずれか1種の化合物を含有するフイルムに関して説明する。フイルムの素材はフイルムを作成できる化合物であれば何でもよいが、好ましくは分子量5000以上のポリマーであり、例えばポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、セルロースなどから選ばれ、より好ましくはセルロースであり、さらにセルロースエステルが好ましく、特にセルロースアシレートが好ましい。
次に、本発明の一般式(1)及び式(1−A)〜(1−C)で表される化合物のうちの少なくともいずれか1種の化合物を含有するフイルムに関して説明する。フイルムの素材はフイルムを作成できる化合物であれば何でもよいが、好ましくは分子量5000以上のポリマーであり、例えばポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、セルロースなどから選ばれ、より好ましくはセルロースであり、さらにセルロースエステルが好ましく、特にセルロースアシレートが好ましい。
次に、本発明のフイルム・セルロースフイルムとしてセルロースアシレート溶液を用いたフイルムを例に製造方法について述べる。
本発明のセルロースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
本発明のセルロースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組合せはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフイルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離,延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜+50℃であることが好ましい。更には−30〜+40℃であることが好ましく、特には−20〜+30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフイルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%RHが好ましく、さらには0〜50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50〜+130℃であり、好ましくは−30〜+25℃であり、更には−20〜+15℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
本発明においてその各層の内容と流延については、特に以下の構成が好ましい。すなわち、セルロースアシレート溶液が25℃において、少なくとも一種の液体又は固体の可塑剤をセルロースアシレートに対して0.1〜20質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の液体又は固体の紫外線吸収剤をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の固体でその平均粒径が5〜3000nmである微粒子粉体をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシレートに対して0.001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の剥離剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の劣化防止剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の光学異方性コントロール剤をセルロースアシレートに対して0.1〜15質量%含有していること、及び/又は少なくとも一種の赤外吸収剤をセルロースアシレートに対して0.1〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液およびそれから作製されるセルロースアシレートフイルムが好ましい。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延しても良い。2層以上からなる流延工程を有する場合は、作製されるセルロースアシレート溶液及びセルロースアシレートフイルムにおいて、各層の塩素系溶媒の組成が同一であるか異なる組成のどちらか一方であること、各層の添加剤が一種類であるかあるいは2種類以上の混合物のどちらか一方であること、各層への添加剤の添加位置が同一層であるか異なる層のどちらか一方であること、添加剤の溶液中の濃度が各層とも同一濃度であるかあるいは異なる濃度のどちらか一方であること、各層の会合体分子量が同一であるかあるいは異なる会合体分子量のどちらか一方であること、各層の溶液の温度が同一であるか異なる温度のどちらか一方であること、また各層の塗布量が同一か異なる塗布量のどちらか一方であること、各層の粘度が同一であるか異なる粘度のどちらか一方であること、各層の乾燥後の膜厚が同一であるか異なる厚さのどちらか一方であること、さらに各層に存在する素材が同一状態あるいは分布であるか異なる状態あるいは分布であること、各層の物性が同一であるかあるいは異なる物性のどちらか一方であること、各層の物性が均一であるか異なる物性の分布のどちらか一方であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液及びその溶液から作製されるセルロースアシレートフイルムであることも好ましい。
ここで、物性とは発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の6頁〜7頁に詳細に記載されている物性を含むものであり、例えばヘイズ、透過率、分光特性、レターゼーションRe、同Rth、分子配向軸、軸ズレ、引裂強度、耐折強度、引張強度、巻き内外Rt差、キシミ、動摩擦、アルカリ加水分解、カール値、含水率、残留溶剤量、熱収縮率、高湿寸度評価、透湿度、ベースの平面性、寸法安定性、熱収縮開始温度、弾性率、及び輝点異物の測定などであり、さらにはベースの評価に用いられるインピーダンス、面状も含まれるものである。
また、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることが出来る。
また、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることが出来る。
セルロースアシレートフイルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフイルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行う。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、5秒以上5分以下がさらに好ましく、20秒以上3分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
フイルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフイルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフイルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されている。
本発明で作製されたセルロースアシレートの用途についてまず簡単に述べる。本発明の光学フイルムは特に偏光板保護フイルム用、液晶表示装置の光学補償シート、反射型液晶表示装置の光学補償シート、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体として有用である。
したがって本発明のフイルムの厚さはこれらの用途によって定まり、特に制限はないが、好ましくは30μm以上、より好ましくは30〜200μmである。
したがって本発明のフイルムの厚さはこれらの用途によって定まり、特に制限はないが、好ましくは30μm以上、より好ましくは30〜200μmである。
偏光板保護フイルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフイルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフイルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フイルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フイルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフイルムを、反対面にセパレートフイルムを貼合して構成される。プロテクトフイルム及びセパレートフイルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。
この場合、プロテクトフイルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフイルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フイルムを適用した偏光板保護フイルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フイルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フイルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロースアシレートフイルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。
セルロースアシレートフイルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフイルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフイルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。
一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフイルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフイルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースアシレートフイルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。
その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。以上述べてきたこれらの詳細なセルロースアシレートフイルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて45頁〜59頁に詳細に記載されている。
次に、本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定されることはない。
まず、本発明の化合物の合成法に関して具体的に記載する。
まず、本発明の化合物の合成法に関して具体的に記載する。
[合成例1:例示化合物(A−13)の合成]
2,4,5−トリメトキシ安息香酸21.2g(0.1モル)、トルエン80mL、ジメチルホルムアミド1mLを60℃に加熱した後、塩化チオニル13.1g(0.11モル)をゆっくりと滴下し、2時間65〜70℃で加熱した。その後、あらかじめ4−メトキシアニリン14.8g(0.12モル)トリエチルアミン13.2g(0.13モル)をアセトニトリル80mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、80〜85℃で3時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル、水で分液操作を行い、得られた有機相を硫酸マグネシウムで水分を除去した後、溶媒を減圧留去し、メタノールを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を24.0g(収率76%)得た。
2,4,5−トリメトキシ安息香酸21.2g(0.1モル)、トルエン80mL、ジメチルホルムアミド1mLを60℃に加熱した後、塩化チオニル13.1g(0.11モル)をゆっくりと滴下し、2時間65〜70℃で加熱した。その後、あらかじめ4−メトキシアニリン14.8g(0.12モル)トリエチルアミン13.2g(0.13モル)をアセトニトリル80mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、80〜85℃で3時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル、水で分液操作を行い、得られた有機相を硫酸マグネシウムで水分を除去した後、溶媒を減圧留去し、メタノールを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を24.0g(収率76%)得た。
[合成例2:例示化合物(A−20)の合成]
4−(n−ブトキシカルボニル)アニリン19.3g(0.10モル)、トリエチルアミン11.1g(0.11モル)、アセトニトリル100mLを室温で攪拌し、4−シアノ安息香酸クロライド116.5g(0.1モル)をアセトニトリル50mLに溶解した液を氷水で冷却しながら、ゆっくりと滴下し、滴下後反応液を4時間加熱還流した。その後、反応液を室温まで冷却し、水400mLに添加した。得られた結晶をろ過回収し、メタノール300mL、アセトニトリル50mLを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を21.1g(収率72%)得た。
4−(n−ブトキシカルボニル)アニリン19.3g(0.10モル)、トリエチルアミン11.1g(0.11モル)、アセトニトリル100mLを室温で攪拌し、4−シアノ安息香酸クロライド116.5g(0.1モル)をアセトニトリル50mLに溶解した液を氷水で冷却しながら、ゆっくりと滴下し、滴下後反応液を4時間加熱還流した。その後、反応液を室温まで冷却し、水400mLに添加した。得られた結晶をろ過回収し、メタノール300mL、アセトニトリル50mLを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を21.1g(収率72%)得た。
[実施例1]
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
別のミキシングタンクに、本発明の化合物、または比較化合物16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤は、セルロースアセテート100質量部に対する量を表1に記載した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤は、セルロースアセテート100質量部に対する量を表1に記載した。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、150℃の条件で、テンターを用いて26%の延伸倍率で横延伸して、セルロースアセテートフイルム(厚さ:92μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長633nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果を表1に示す。
<Rth、Reの測定>
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフイルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めた。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フイルムの厚さ(単位:nm)
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用いて、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフイルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めた。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フイルムの厚さ(単位:nm)
表1の結果から分かるように、本発明の化合物を添加することにより、公知の円盤状化合物(比較化合物1)では実現できなかった大きなRe/Rth比を有する(Re発現性の高い)新規なセルロースフイルムの作製が可能になった。また、本発明の化合物と化合物と、比較化合物1の併用により任意のRe/Rth比を有するセルロースフイルムの作製が可能になる。
Claims (5)
- 請求項1又は2記載のセルロース体組成物より形成されたセルロース体フイルム。
- セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする請求項3記載のセルロース体フイルム。
- 請求項1記載の一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするフイルム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089007A JP2005272685A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | セルロース体組成物及びセルロース体フイルム |
KR1020050024603A KR101160859B1 (ko) | 2004-03-25 | 2005-03-24 | 셀룰로오스체 조성물 및 셀룰로오스체 필름 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089007A JP2005272685A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | セルロース体組成物及びセルロース体フイルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005272685A true JP2005272685A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35172695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004089007A Pending JP2005272685A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | セルロース体組成物及びセルロース体フイルム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005272685A (ja) |
KR (1) | KR101160859B1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007049779A1 (en) * | 2005-10-24 | 2007-05-03 | Fujifilm Corporation | Cellulose compound composition and cellulose compound film |
JP2015214707A (ja) * | 2012-09-28 | 2015-12-03 | 富士フイルム株式会社 | セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4920116A (en) | 1985-06-28 | 1990-04-24 | Schering A.G. | N-(aminoalkyl)-substituted(N or C alkyl)-aryl-4(methylsulfonylamino)benzamides |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089007A patent/JP2005272685A/ja active Pending
-
2005
- 2005-03-24 KR KR1020050024603A patent/KR101160859B1/ko not_active IP Right Cessation
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007049779A1 (en) * | 2005-10-24 | 2007-05-03 | Fujifilm Corporation | Cellulose compound composition and cellulose compound film |
JP2015214707A (ja) * | 2012-09-28 | 2015-12-03 | 富士フイルム株式会社 | セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20060044697A (ko) | 2006-05-16 |
KR101160859B1 (ko) | 2012-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4147584B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4186063B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用の改質剤 | |
JP2005154764A (ja) | セルロースアセテートフイルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2009235374A (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、偏光板及び画像表示装置 | |
KR20060050302A (ko) | 셀룰로오스체 조성물, 셀룰로오스 필름, 및트리알콕시벤조산 유도체 화합물 | |
JP4272092B2 (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置およびハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2005139263A (ja) | セルロース溶液、セルロースフイルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4537789B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフイルム、および安息香酸フェニルエステル化合物 | |
JP4667047B2 (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置、ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2005330443A (ja) | セルロース体組成物およびセルロース体フィルム | |
JP4480601B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフイルム、およびトリアルコキシ安息香酸化合物 | |
KR101160859B1 (ko) | 셀룰로오스체 조성물 및 셀룰로오스체 필름 | |
JP4447998B2 (ja) | セルロース誘導体組成物、およびセルロース誘導体フイルム | |
JP4193652B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルムの添加剤 | |
JP4257456B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用改質剤 | |
JP2010235555A (ja) | グルコース化合物、セルロース組成物、セルロースフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4272038B2 (ja) | セルロースアシレートフイルム、偏光板保護膜、液晶表示装置、ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2005247961A (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フィルム、セルロース体フィルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置及びハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP4299114B2 (ja) | セルロースエステル体フイルム | |
JP2005247943A (ja) | セルロース化合物溶液及びセルロースフィルム | |
JP2005113113A (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置、およびハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2006096793A (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フィルム、セルロース体フィルム用添加剤、偏光板保護膜、液晶表示装置およびハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2009298950A (ja) | セルロースアシレートフィルム、及びその用途 | |
JP4269868B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用改質剤 | |
KR20050076831A (ko) | 셀룰로오스체 조성물, 셀룰로오스체 필름, 셀룰로오스체필름용 개질제, 편광판 보호막, 액정표시장치, 할로겐화은 사진 감광재료 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060327 |