JP2015028120A - セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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靖和 桑山
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Abstract

【課題】硬度が高く、光耐久性に優れたセルロースエステルフィルムの提供。【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム。一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3、R8は、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子または置換基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。特に、偏光板保護フィルムとして有用なセルロースエステルフィルム、並びにこれを用いた偏光板および前記偏光板を有する液晶表示装置に関する。
近年、TV用途を中心に液晶表示装置の大型化・薄型化が進んでおり、これに伴って構成部材である光学補償フィルム(保護フィルム)も薄型化が必要とされている。従来より、光学補償フィルムは加工性の観点からも適切な硬度、良好な裁断性が重要視されてきたが、薄型化によって特にこれらの性能の向上が求められるようになった。
かかる問題を解決するため、従来よりセルロースアシレートフィルムに対して特許文献1〜4に記載されているような化合物を添加剤として加える手法が行われてきた。
米国特許第2824017号 米国特許第2824016号 米国特許第2824018号 特開2003−012823号公報
本発明者が上記文献を検討したところ、特許文献1〜4に記載の化合物は、いわゆる可塑剤として作用するため、十分な硬度が得られないこと、更に、分解反応が生じる波長領域に吸収があるため、光耐久性に問題があることが分かった。ここでの光耐久性とは、光照射によって保護フィルム内部で分解反応が生じてフィルムが劣化し、偏光子との密着性が低下、剥がれやすくなることが挙げられる。また、薄膜の場合では厚膜と同等の硬度や裁断性を維持するため、更なる改良が必要とされており、特に視認者側の偏光板表面に用いられる保護フィルムにおいてこれらの性能による影響が顕著に表れている。
上記課題のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する化合物を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。すなわち、アミド結合、エステル結合、フェニル基を有し、かつ、特定の骨格構造を有する化合物を用いることにより、これらの基とセルロースエステルフィルムの局所的な部位(アセチル基や水酸基)が水素結合を形成することにより、セルロースエステル鎖の運動が抑制され、硬度が向上すると考えられた。さらに驚くべきことに、かかる化合物は光耐久性も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<10>により上記課題は解決された。
<1>下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム。
一般式(I)
Figure 2015028120
(一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3およびR8は、それぞれ、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子または置換基を表す。)
<2>R8が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される、<1>に記載のセルロースエステルフィルム。
<3>R1〜R7、R9およびR10が、それぞれ、水素原子または非共役置換基である、<1>または<2>に記載のセルロースエステルフィルム。
<4>X1およびX2が、それぞれ、単結合または炭素数1〜3の脂肪族連結基である、<1>〜<3>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
<5>R12が、水素原子、アルコール基、アルキル基および下記一般式(IV)で表される基から選択され、R13およびR14が、水素原子、アルコール基、アルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、および下記一般式(III)で表される基から選択される、<1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
一般式(II)
Figure 2015028120
(一般式(II)中、R6、R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表し、X2は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
一般式(III)
Figure 2015028120
(一般式(III)中、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3は、水素原子または非共役置換基を表し、X1は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
一般式(IV)
Figure 2015028120
(一般式(IV)中、R6、R7、R9およびR10は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表す。)
<6>R11が、水素原子、アルコール基、アルキル基で表される基から選択される、<1>〜<5>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルム。
<7><1>〜<6>のいずれかに記載のセルロースエステルフィルムと偏光子を有する偏光板。
<8><7>に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
<9>偏光板は、少なくとも、視認側に設けられている<8>に記載の液晶表示装置。
<10>下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム用アミドエステル系添加剤。
Figure 2015028120
(一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3およびR8は、それぞれ、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子、または置換基を表す。)
本発明によれば、硬度が高く、光耐久性に優れたセルロースエステルフィルムを提供することができる。また、本発明の偏光板を使用した液晶表示装置を提供することができる。
本発明の偏光板と液晶表示装置の位置関係を示す一例である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本明細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素数が限定されている基の場合、前記炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。
本発明のセルロースエステルフィルムは、一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする。このような化合物を用いることにより、フィルムの硬度を向上させることができ、さらに、光耐久性に優れたものを提供することが可能になる。通常、可塑剤等を添加剤として用いた場合、適度な硬度と脆性改良(柔軟性向上)との両立が困難であるが、一般式(I)で表される化合物では達成可能となる。
Figure 2015028120
(一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3およびR8は、それぞれ、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子または置換基を表す。)
1、R2、R4〜R7、R9およびR10は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、水素原子または非共役置換基であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、フッ素原子および/または塩素原子で置換されたアルキル基、無置換のアルキル基、アルコキシ基がさらに好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、フッ素原子および/または塩素原子で置換された、炭素数1〜3のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基がよりさらに好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
8は、水素原子または非共役置換基である。共役系置換基であった場合、透明性が求められる光学フィルムが着色してしまう他、光照射によって保護フィルム内部で分解反応が起き、光耐久性が低下するような波長領域に吸収帯を有してしまうためである。
従って、一般式(I)で表される化合物の塩化メチレン溶液の290nmにおけるモル吸光係数は、1500以下であることが望ましい。
本発明における、非共役置換基とは、共役性基を有さない置換基をいう。共役性基としては、カルボニル基、イミノ基、ビニル基、シアノ基、ニトロ基、芳香族基等が挙げられる。R8は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、フッ素原子および/または塩素原子で置換されたアルキル基、無置換のアルキル基、アルコキシ基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、フッ素原子および/または塩素原子で置換された、炭素数1〜3のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
11は、水素原子または置換基を表し、水素原子または非共役置換基であることが好ましい。置換基としてのR11は、水素原子、アルコール基、アルキル基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3の1級アルコール基、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基である。
脂肪族連結基とは、炭素原子を必須とし、非芳香族性の基をいう。具体的には、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルキニレン基、または、アルケニレン基)、または、脂肪族炭化水素基と他の基の組み合わせからなる基が例示され、脂肪族炭化水素基、または、脂肪族炭化水素基と、−O−、−C(=O)−および−S−の少なくとも1種の組み合わせからなる基が例示される。より好ましくは、アルキレン基、または、アルキレン基と−O−の組み合わせからなる基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、特に好ましくは無置換のアルキレン基である。脂肪族連結基が有する炭素数は、1〜3が好ましい。
Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子または置換基を表す。
12は、水素原子または置換基を表し、水素原子または非共役置換基であることが好ましい。置換基としてのR12は、水素原子、アルコール基、アルキル基、下記一般式(IV)で表される基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3の1級アルコール基、炭素数1〜5のアルキル基、下記一般式(IV)で表される基がさらに好ましく、下記一般式(IV)で表される基がよりさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
13およびR14は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、水素原子または非共役置換基であることが好ましい。
置換基としてのR13およびR14は、それぞれ、水素原子、アルコール基、アルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、下記一般式(III)で表される基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜3の1級アルコール基、炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、下記一般式(III)で表される基がさらに好ましい。
一般式(II)
Figure 2015028120
(一般式(II)中、R6、R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表し、X2は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
一般式(III)
Figure 2015028120
(一般式(III)中、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3は、水素原子または非共役置換基を表し、X1は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
一般式(IV)
Figure 2015028120
(一般式(IV)中、R6、R7、R9およびR10は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表す。)
一般式(II)におけるR6〜R11およびX2は、それぞれ、一般式(I)におけるR6〜R11およびX2と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(III)におけるR1〜R5およびX1は、それぞれ、一般式(I)におけるR1〜R5およびX1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(I)で表される化合物の分子量は250〜600であることが好ましく、350〜500であることがより好ましい。
以下に本発明で好ましく用いられる一般式(I)で表される化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 2015028120
Figure 2015028120
Figure 2015028120
Figure 2015028120
次に、本発明のセルロースエステルフィルムで使用するフィルム基材であるセルロースエステルについて説明する。セルロースエステルとしては、セルロースアシレートが好ましい。以下、セルロースアシレートについて説明する。
(セルロースアシレート)
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
本発明に用いることができるセルロースアシレートの全アシル置換度が2.0〜2.97であることが好ましく、2.2〜2.95であることがより好ましく、2.3〜2.95であることが特に好ましい。本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物は、特にこのような全アシル置換度の範囲のセルロースアシレートと併用したときに硬度改善効果が高い。特に、セルロースアシレートの全アシル置換度が2.5〜2.95であると、硬度がさらに向上する傾向にあり好ましい。メカニズムは定かではないが、このようなセルロースアシレートを用いることで、セルロースアシレート中に存在するヒドロキシル基同士の相互作用が減り、本発明における一般式(I)で表される化合物がより効果的にセルロースアシレートと相互作用することができるためと考えられる。
本発明に用いることができるセルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましく、アセチル基がより特に好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも本発明においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アセチル基の置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満がさらに好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明においては、置換基および/または置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
さらに特開2008−20896号公報の段落0023〜0038に記載の脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明に好ましく用いることができる。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、250〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましく、350〜600の平均重合度を有することが特に好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。前記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
前記方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
含有量
前記一般式(I)で表される化合物の含有量は特に限定されないが、セルロースエステル100質量部に対して、3〜50質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムは、セルロースエステルおよび一般式(I)で表される化合物に加え、他の添加剤を含んでいても良い。これらの添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などが例示される。これらの記載は、特開2012−155287号公報の段落番号0062〜0097の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。これらの合計配合量はセルロースエステルの50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、溶融製膜法又は溶液製膜法により製造することが好ましい。
溶液製膜法による製造がより好ましい。
溶融製膜法および溶液製膜法ともに、一般的に行われている方法と同様に、本発明のセルロースエステルフィルムを製造することができる。例えば、溶融製膜に関しては、特開2006−348123号公報を、溶液製膜に関しては、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムを溶液製膜法により製造する方法の一例について説明する。
溶液製膜法は、セルロースエステルを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を調製し、前記溶液を支持体表面に流延してフィルムを製造する。
前記有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
セルロースエステル溶液(ドープ)は、0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で調製することができる。セルロースエステル溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースエステル溶液中におけるセルロースエステルの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースエステルの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
セルロースエステル溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースエステルと有機溶媒とを撹拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体的には、セルロースエステルと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、且つ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら撹拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
撹拌は、容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて行うことが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、セルロースエステル溶液を調製することもできる。冷却溶解法の詳細については、特開2007−86748号公報の段落0115〜段落0122に記載されている技術を用いることができる。
調製したセルロースエステル溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースエステルフィルムを製造する。ドープにはレターデーション発現剤を添加することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号および同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
また、得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して、残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
セルロースエステルフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースエステルフィルムの延伸方向はセルロースエステルフィルム搬送方向(MD方向)と搬送方向に直交する方向(TD方向)のいずれでも好ましいが、セルロースエステルフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)であることが、後に続く該セルロースエステルフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
TD方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。MD方向の延伸の場合、例えば、セルロースエステルフィルムの搬送ローラーの速度を調節して、セルロースエステルフィルムの剥ぎ取り速度よりもセルロースエステルフィルムの巻き取り速度の方を速くするとセルロースエステルフィルムは延伸される。TD方向の延伸の場合、セルロースエステルフィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもセルロースエステルフィルムを延伸できる。セルロースエステルフィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
セルロースエステルフィルムを偏光子の保護膜として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸とセルロースエステルフィルムの面内の遅相軸を平行に配置する必要がある。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、上記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状のセルロースエステルフィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、セルロースエステルフィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従ってTD方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
TD方向の延伸は5〜100%の延伸が好ましく、より好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜40%延伸を行う。なお、未延伸とは延伸が0%であることを意味する。延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%で好ましく延伸することができる。残留溶剤量が0.05〜5%の状態で5〜80%延伸を行うことが特に好ましい。
一般式(I)で表わされる化合物を含有したセルロースエステルフィルムに延伸処理を施すことで、フィルムの表面硬度をさらに高めることができる。
調製したセルロースエステル溶液(ドープ)を用いて2層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースエステルフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
2層以上の複数のセルロースエステル溶液を流延する場合、複数のセルロースエステル溶液を流延することが可能であり、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースエステルを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。これらは、例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースエステル溶液を流延することによっても、フィルム化することもできる。これは、例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および、特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。さらに特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースエステル溶液の流れを低粘度のセルロースエステル溶液で包み込み、その高・低粘度のセルロースエステル溶液を同時に押し出すセルロースエステルフィルムの流延方法を用いることもできる。
また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースエステル溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースエステル溶液を2種以上用いてもよい。複数のセルロースエステル層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースエステル溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明におけるセルロースエステル溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
以上のようにして得られた、前記セルロースエステルフィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
大画面用液晶表示装置用の光学補償フィルムとして用いる場合は、例えば、フィルム幅を1470mm以上として成形するのが好ましい。また、本発明の偏光板保護フィルムには、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様のフィルムのみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様のフィルムも含まれる。後者の態様の偏光板保護フィルムは、その状態で保管・搬送等され、実際に液晶表示装置に組み込む際や偏光子等と貼り合わされる際に、所望の大きさに切断されて用いられる。また、同様に長尺状に作製されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子等と、長尺状のまま貼り合わされた後に、実際に液晶表示装置に組み込む際に、所望の大きさに切断されて用いられる。ロール状に巻き上げられた光学補償フィルムの一態様としては、ロール長が2500m以上のロール状に巻き上げられた態様が挙げられる。
<セルロースエステルフィルムの物性>
表面硬度:
本発明のセルロースエステルフィルムは、上述の化合物を含有することにより、高い表面硬度を有することができる。セルロースエステルフィルムの表面硬度は、一般式(I)で表される化合物の種類または含有量によって調整できる。セルロースエステルフィルムの表面硬度の指標としては、ヌープ硬度を用いることができる。ヌープ硬度は、後述の製造例に示す方法によって測定することができる。
引裂き強度:
セルロースエステルフィルムの引裂き強度は、そのJIS K−7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づいて60μm換算の値を示す。引裂き強度は、2g以上であるのが、後述の膜厚(20〜100μm)においても膜の強度が充分に保持できる点で好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更に好ましくは6〜25gである。また60μm換算では、8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。具体的には、試料片51mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定できる。
弾性率:
セルロースエステルフィルムは実用上十分な弾性率を示す。弾性率の範囲は特に限定されないが、製造適性およびハンドリング性という観点から1.0〜6.0GPaであることが好ましく、2.0〜5.0GPaであることがより好ましい。上述の化合物は、セルロースエステルフィルム中に添加されることにより、セルロースエステルフィルムを疎水化することで弾性率を向上させる作用があり、その点も本発明における利点である。
光弾性係数:
セルロースエステルフィルムの光弾性係数の絶対値は、好ましくは8.0×10-122/N以下、より好ましくは6×10-122/N以下、さらに好ましくは5×10-122/N以下である。セルロースエステルフィルムの光弾性係数を小さくすることにより、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。光弾性係数は、特に断らない限り、以下の方法により測定し算出するものとする。
光弾性率の下限値は特に限定されないが、0.1×10-122/N以上であることが実際的である。
弾性係数の測定としては、セルロースエステルフィルムを3.5cm×12cmに切り出し、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重におけるReをエリプソメーター(M150、日本分光(株))で測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから算出することにより光弾性係数を測定する。
含水率:
セルロースエステルフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は上記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースエステルフィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、3質量%未満がさらに好ましい。セルロースエステルフィルムの含水率を小さくすることにより、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下における液晶表示装置の表示ムラの発生を抑制することができる。含水率の下限値は特に限定されないが、0.1質量%以上であることが実際的である。
透湿度:
セルロースエステルフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%RHの雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2あたりの値に換算することにより評価することができる。
セルロースエステルフィルムの透湿度は、500〜2000g/m2・dayであることが好ましく、900〜1300g/m2・dayであることがより好ましく、1000〜1200g/m2・dayであることが特に好ましい。
ヘイズ:
セルロースエステルフィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下とすることにより、セルロースエステルフィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。ヘイズは、特に断らない限り、下記方法により測定し算出するものとする。ヘイズの下限値は特に限定されないが、0.001%以上であることが実際的である。
ヘイズは、セルロースエステルフィルム40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いて、JIS K7136に従って測定する。
膜厚:
セルロースエステルフィルムの平均膜厚は、用途に応じ適宜定めることができるが、例えば、20〜100μmである。セルロースエステルフィルムの平均膜厚は、10〜100μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。20μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。
また、セルロースエステルフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましく、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましく、0.5〜3μmが最も好ましい。コア層とは、3層構造で中心部に位置する層のことをいい、スキン層とは3層構造で外側に位置する層のことをいう。
(鹸化処理)
前記セルロースエステルフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の段落0211と段落0212に記載される方法を用いることができる。
例えば、セルロースエステルフィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
[偏光板]
次に、本発明のセルロースエステルフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる態様について説明する。本発明の偏光板の一例は、偏光子とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(透明フィルム)からなり、本発明のセルロースエステルフィルムを少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして有する。
本発明のセルロースエステルは、特に、上側偏光板10の視認側の保護フィルムとして好ましく用いられる。図1は、本発明の偏光板と液晶表示装置の位置関係を示した一例であって、1は本発明のセルロースエステルを、2は偏光子を、3は位相差フィルムを、4は液晶セルをそれぞれ示している。位相差フィルムは、他の保護フィルムであってもよい。また、図1の上側が視認側になる。
図1に例示するとおり、本発明のセルロースエステルフィルムが用いられない側の偏光板保護フィルムとしては、位相差フィルム3が好ましく用いられるが、かかる位相差フィルムとしては、セルロースエステルフィルムに各種添加剤を配合したり、延伸して所望の位相差を発現させた位相差フィルムや、支持体の表面に液晶組成物からなる光学異方性層を有する位相差フィルムが例示される。具体的には、特開2008−262161号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した偏光子を用いる場合、接着剤を用いて偏光子の両面に本発明のセルロースエステルフィルムの表面処理面を直接貼り合わせることができる。前記接着剤としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
本発明の偏光板保護フィルムの前記偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸が実質的に平行となるように貼り合せることが好ましい。
ここで、実質的に平行であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下、光抜けが抑制され好ましい。
<偏光板の機能化>
本発明の偏光板には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0250の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<合成例1−化合物5の合成>
(化合物5の合成)
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(25g)と、ピリジン(68.6g)をアセトニトリル(400mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(121.8g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体(87g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、d−DMSO):δ4.95(s、6H)、δ7.4−8.0(m、20H)、δ8.5(s、1H)
Figure 2015028120
<合成例2−化合物9の合成>
(化合物9の合成)
ジエタノールアミン(20g)と、ピリジン(49.6g)をアセトニトリル(300mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(88.2g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体(54g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ3.7−4.1(m、4H)、4.3−4.8(m、4H)、δ7.3−7.6(m、11H)、δ7.9−8.1(m、4H)
Figure 2015028120
<合成例3−化合物15の合成>
(化合物15の合成)
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(20g)と、ピリジン(50.1g)をアセトニトリル(300mL)中で氷冷攪拌し、ベンゾイルクロリド(89g)を滴下した後、30〜40℃で3時間反応した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル300mLと重曹水400mLで分液操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータにて溶媒を留去した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体(48g)を得た。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ3.7−3.9(m、4H)、3.9−4.0(m、2H)、4.4−4.5(m、2H)、δ7.2−7.6(m、12H)、δ7.8(m、2H)、δ7.9(m、2H)
Figure 2015028120
その他の化合物に関しても、アミノアルコールを原料として同様の方法を用いて、合成した。
<製造例1−セルロースエステルフィルムの製膜>
(セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.43、重合度340のセルロースアセテート
100.0質量部
下記表に記載の一般式(I)で表される化合物 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースエステル溶液を、バンド流延機を用いて流延し、100℃で残留溶媒含量40%まで乾燥した後、フィルムを剥ぎ取った。剥ぎ取ったフィルムは、さらに140℃の雰囲気温度で20分乾燥させた。製造されたセルロースエステルフィルムの膜厚は60μmであった。
<表面硬度の評価>
上記で得られたセルロースエステルフィルムを、押し込み荷重50mNでヌープ圧子を用いた、ナノインデンテーション法により表面硬度の指標としてヌープ硬度を測定した。単位は、N/mm2で表した。
<光耐久性(密着性)評価方法>
JIS K 5600に準処した碁盤目試験を行った。具体的には、上記作製したフィルムの表面にハードコート層を塗布し、紫外線照射による硬化後、フィルムに切れ込みを入れる前にXeを24時間照射した。Xeの照射後のサンプル表面上に1mm間隔で縦横に11本の切れ込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作った。この上にセロハンテープおよびマイラーテープを貼り付け、素早く剥がし剥がれた箇所を目視観察により密着評価した。Xeの照射にはスガ試験機株式会社製のスーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いた。
光耐久性 A:剥がれ箇所0〜40マス。
光耐久性 B:剥がれ箇所41〜70マス。
光耐久性 C:剥がれ箇所71マス以上。
<引裂き強度評価法>
セルロースエステルフィルムの引裂き強度は、そのJIS K−7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づいて60μm換算の値を示す。試料片51mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定した。
Figure 2015028120
比較例で用いた化合物は以下の通りである。
Figure 2015028120
Figure 2015028120
ヌープ硬度は実施例8が最も優れていた。これらの結果からフェニル基を有している本発明の化合物は、セルロースエステルの分子鎖内の隙間に入り込みやすい上に、アミド結合中のプロトン部位やエステル結合が効果的にアセチル基、ヒドロキシ基に作用して水素結合を形成し、セルロースエステルの分子鎖の動きを抑制していると考えられる。さらに、本発明の化合物は、光を照射しても、高い密着性を維持できることが分かった。
比較例4はベンゼン環にアミド結合が直結した共役構造により、保護フィルムの分解反応が生じる波長領域に吸収を有するために実施例1〜3よりも光耐久性が劣ったと考えられる。
また、引裂き強度においても本発明のセルロースエステルフィルムは高い値を示し、硬度と脆性改良の両立が可能であることが分かった。TPPは引裂き強度では優れた値を示したが、本発明のように硬度の改良とは両立できなかった。
上記の結果から硬度と脆性改良を行い、更に光耐久性を向上させるためには本発明が有効であることが分かった。
<製造例2−セルロースエステルフィルムの製膜>
製造例1において用いたアセチル置換度2.43、重合度340のセルロースエステルの代わりに、アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースエステルを用いて製造例1と同様にセルロースエステルフィルムを作製した。製造されたセルロースエステルフィルムの膜厚は60μmであった。
製造例1と同様の方法で評価した結果を下記表に示す。
Figure 2015028120
*添加量はセルロースエステル100質量部に対する添加量を表す。
実施例12〜15では、光耐久性改善の他、さらにヌープ硬度が上昇した。高置換度のセルロースエステルを用いているため、セルロースエステル中に存在するヒドロキシル基同士の相互作用が減ったことで、本発明の一般式(I)で表される化合物がより効果的にセルロースエステルと相互作用をしたためと考えられる。この結果、高置換度のセルロースエステルを用いた場合であっても、硬度と脆性改良に本発明の一般式(I)で表される化合物が有効であることが分かった。
<偏光板の作製>
セルロースエステルフィルムの鹸化処理
上記製造例1、2で得られた各セルロースエステルフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースエステルフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
偏光板の作製
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理したセルロースエステルフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各セルロースエステルフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたセルロースエステルフィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして偏光板を作製した。
<液晶表示装置の作製>
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認側の偏光板をはがし、本発明の偏光板として、上記実施例で作製した各偏光板を、上記各実施例のセルロースエステルフィルムが液晶セル側と反対側となるように、粘着剤を介して、観察者側に一枚ずつ貼り付けて液晶表示装置を得た。
1 本発明のセルロースエステルフィルム
2 偏光子
3 位相差フィルム
4 液晶セル
10 上側偏光板

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム。
    一般式(I)
    Figure 2015028120
    (一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3およびR8は、それぞれ、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子または置換基を表す。)
  2. 8が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される、請求項1に記載のセルロースエステルフィルム。
  3. 1〜R7、R9およびR10が、それぞれ、水素原子または非共役置換基である、請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルム。
  4. 1およびX2が、それぞれ、単結合または炭素数1〜3の脂肪族連結基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  5. 12が、水素原子、アルコール基、アルキル基および下記一般式(IV)で表される基から選択され、R13およびR14が、水素原子、アルコール基、アルキル基、水酸基、下記一般式(II)で表される基、および下記一般式(III)で表される基から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
    一般式(II)
    Figure 2015028120
    (一般式(II)中、R6、R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表し、X2は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
    一般式(III)
    Figure 2015028120
    (一般式(III)中、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3は、水素原子または非共役置換基を表し、X1は、単結合または脂肪族連結基を表す。)
    一般式(IV)
    Figure 2015028120
    (一般式(IV)中、R6、R7、R9およびR10は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表す。)
  6. 11が、水素原子、アルコール基、アルキル基で表される基から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムと偏光子を有する偏光板。
  8. 請求項7に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
  9. 前記偏光板は、少なくとも、視認側に設けられている請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 下記一般式(I)で表される化合物を含有する、セルロースエステルフィルム用アミドエステル系添加剤。
    Figure 2015028120
    (一般式(I)中、R1、R2、R4〜R7およびR9〜R11は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、R3およびR8は、それぞれ、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ、水素原子、または置換基を表す。)
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