JP6277095B2 - セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、および偏光板および液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置等の表示装置の光学補償フィルム、保護フィルム、基材フィルム等の各種フィルム部材として広く用いられている。このようなセルロースアシレートフィルムの性能向上のために添加剤を加えることが、例えば特許文献1、2に提案されている。
特開2012−67218号公報 特開2006−22306号公報
セルロースアシレートフィルムを偏光板用保護フィルム等として用いる場合、実用上求められる特性としては、以下の2つの特性を挙げることができる。
第一には、優れた耐擦傷性を有することである。セルロースアシレートフィルムを加工する際や、液晶表示装置において偏光板用保護フィルムとして使用する際等にフィルムに傷が発生することを防ぐためである。
第二には、水分を通しにくい性質、すなわち低透湿性である。これは次の理由による。液晶表示装置に含まれるフィルム部材が低透湿性に劣るものであると、このフィルム部材を通過した水分により、液晶表示装置を構成する部材が寸法変化や変質を起こすことが懸念される。一例として、偏光子としてポリビニルアルコール系フィルムを含む偏光板を有する液晶表示装置では、ポリビニルアルコールの吸湿による変形、偏光子の劣化が発生することが懸念される。このような変形や劣化は、液晶表示装置の表示性能を低下させてしまうため、表示性能に優れる液晶表示装置を提供するためには、セルロースアシレートフィルムの透湿度が低いこと(低透湿性に優れること)が望ましい。
一方、特許文献1、2には、セルロースアシレートフィルムに添加剤を含有させることが提案されているが、かかる添加剤によりセルロースアシレートフィルムの耐擦傷性および低透湿性を改善することの記載はない。
本発明の目的は、耐擦傷性および低透湿性がともに優れるセルロースアシレートフィルムを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式1で表される化合物を含有するセルロースアシレートフィルムを新たに見出し、本発明を完成させた。
一般式1中、Hetは、置換基を有してもよい芳香族ヘテロ環を表し、Xは、単結合、または、−O−、−NR−、−CR−、−S−および−CO−からなる群から選択される基を表し、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Rは、n価の部分構造を表し、nは1以上の整数を表す。nが2以上の整数を表す場合、複数存在するHet、Xは、それぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。一般式1で表される化合物は、−NH−および−CO−からなる群から選択される基(以下、「官能基1」とも記載する。)を1分子中に少なくとも1つ含み、かつ下記群:−X−(C=X)−X−、−NR−(SO)−、−CO−NR−CO−、−O−、−S−、−COOH、−CN、−NR、−OH、および−SHからなる群、から選択される基(以下、「官能基2」とも記載する。)を1分子中に少なくとも1つ含む。X、Xは、それぞれ独立に、単結合、−NR−、−O−または−(CR1011)m−を表す。R、R、R、R、R、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。mは1以上の整数を表す。Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。なお、−CO−は、−C(=O)−と表記することもできる。
一態様では、一般式1中、Hetで表される芳香族ヘテロ環は、含窒素芳香族ヘテロ環である。
一態様では、一般式1で表される化合物は、−X−(C=X)−X−および−NR−(SO)−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含む。
一態様では、一般式1中、nは1〜6の範囲の整数を表す。
一態様では、一般式1で表される化合物は、トリアジン環を少なくとも1つ含む。
一態様では、一般式1で表される化合物は、下記一般式2で表される化合物である。
一般式2中、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、X、R、nは、それぞれ一般式1と同義である。
一態様では、一般式2中、R10、R11は、それぞれ独立に、−NR12−または−CO−によりトリアジン環に連結する置換基であり、R12は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
一態様では、一般式2中、nは1を表し、R10およびR11の少なくとも一方は、−NR1213を表し、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
一態様では、一般式2中、R、R10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれる。
一態様では、上記環状構造は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環である。
一態様では、一般式2中、nは2を表し、Rで表される部分構造は−NH−および−CO−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含む。
一態様では、一般式2中、Rで表される部分構造は、−NH−X−NH−を少なくとも1つ含み、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
一態様では、一般式2中、R10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれる。
一態様では、上記環状構造は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環である。
一態様では、一般式1で表される化合物は、−NH−CO−O−X−、−X−NH−CO−O−、−NH−CO−NR21−X−および−NR22−CO−NH−X−からなる群から選択される結合を含有する連結基を1分子中に少なくとも1つ含み、X〜Xは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R21およびR22は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。
一態様では、一般式1で表される化合物の含有量は、セルロースアシレート100.0質量部に対して、1.0〜50.0質量部の範囲である。
本発明の更なる態様は、上記セルロースアシレートフィルムと偏光子とを有する偏光板に関する。
本発明の更なる態様は、上記偏光板を有する液晶表示装置に関する。
本発明によれば、優れた耐擦傷性および低透湿性を有するセルロースアシレートフィルムを提供することができる。更に本発明によれば、かかるセルロースアシレートフィルムを有する偏光板、およびこの偏光板を有する液晶表示装置を提供することもできる。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。尚、本発明において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本発明において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素数が限定されている基の場合の炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。
また、上記の置換基としては、下記置換基群Tから選択される置換基が挙げられる。また、特記しない限り、本発明における置換基とは、下記置換基群Tから選択される置換基である。
置換基群T:
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシル基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、及びシリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、上記一般式1で表される化合物を含有するセルロースアシレートフィルムである。
本発明者らは、上記セルロースアシレートフィルムが、優れた耐擦傷性と低透湿性を有することができる理由について、次のように考えている。
一般式1で表される化合物は、1分子中に、−NH−および−CO−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含む。このことが、セルロースアシレートフィルムの耐擦傷性の向上に寄与していると、本発明者らは推察している。また、芳香族ヘテロ環が含まれることも耐擦傷性の向上に寄与していると、本発明者らは考えている。
更に、一般式1で表される化合物は、下記群:−X−(C=X)−X−、−NR−(SO)−、−CO−NR−CO−、−O−、−S−、−COOH、−CN、−NR、−OH、および−SHからなる群、から選択される基を1分子中に少なくとも1つ含む。上記群に含まれる基は、他の官能基と水素結合を形成することができる性質、いわゆる水素結合性を有し得るものである。そのような基はセルロースアシレート中に存在するエステル結合やヒドロキシル基などの局所的な部位や分子鎖と相互作用し自由体積を小さくすることできると考えられる。このことが、セルロースアシレートフィルムの表面硬度(ヌープ硬度)向上に寄与するのではないかと、本発明者らは考えている。また、上記の相互作用が、セルロースアシレートフィルムの低透湿性向上にも寄与するのではないかと、本発明者らは推察している。
ただし、以上は、本発明者らによる推察であって、本発明を何ら限定するものではない。
<一般式1で表される化合物>
上記セルロースアシレートフィルムは、下記一般式1で表される化合物を含む。一般式1で表される化合物は、一種のみ用いてもよく、構造の異なる二種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。この点は、本発明において、後述する各種成分についても、同様である。
以下、一般式1について、更に詳細に説明する。
(一般式1中のHet)
一般式1中、Hetは、置換基を有してもよい芳香族ヘテロ環を表す。Hetで表される芳香族ヘテロ環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、上記置換基群Tに含まれるものを例示できる。
芳香族ヘテロ環に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を挙げることができる。芳香族ヘテロ環に含まれるヘテロ原子の数は、少なくとも1つであり、2つ以上であってもよく、例えば1〜3つであるが、特に限定されるものではない。
芳香族ヘテロ環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。一態様では、芳香族ヘテロ環は、単環であることが好ましい。芳香族ヘテロ環の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜12である。また、芳香族ヘテロ環としては、3〜8員環のものが好ましく、5〜6員環のものがより好ましい。
芳香族ヘテロ環の具体例としては、トリアジン環、ピリミジン環、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、オキサジアゾール環、インドール環、ベンズイミダゾール環、プリン環、キノリン環、キノキサリン環、クマリン環、ベンゾフラン環、ベンゾトリアゾール環、カルバゾール環、アクリジン環等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環の好ましい一態様としては、ヘテロ原子として少なくとも1つの窒素原子を含有する芳香族ヘテロ環(含窒素芳香族ヘテロ環)を挙げることができる。含窒素芳香族ヘテロ環は、トリアジン環、ピリミジン環、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環が好ましく、トリアジン環がより好ましい。
トリアジン環は、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環のいずれであってもよく、1,3,5−トリアジン環が好ましい。
ただし、一般式1で表される化合物が、1分子中に1つのみ1,3,5−トリアジン環を有する場合には、かかる1,3,5−トリアジン環は、下記(i)、(ii)の少なくとも一方を満たすものとする。なお、一般式1で表される化合物が、1分子中に2つ以上の1,3,5−トリアジン環を有する場合には、一態様では、かかる1,3,5−トリアジン環の少なくとも1つが、下記(i)、(ii)の少なくとも一方を満たすことができる。または、一態様では、2つ以上の1,3,5−トリアジン環が、下記(i)、(ii)の少なくとも一方を満たすことができる。
(i)1,3,5−トリアジン環に−NHが直接置換しない。
(ii)1,3,5−トリアジン環の2位、4位、6位の少なくとも1つに、少なくとも1つのアルキレン基を含む置換基が置換する。
一般式1で表される化合物であって1,3,5−トリアジン環を有する化合物としては、一般式2で表される化合物を挙げることができる。詳細は後述する。
(一般式1中のX、R、n)
一般式1中、Xは、単結合、または、−O−、−NR−、−CR−、−S−および−CO−からなる群から選択される基を表す。R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、前述の置換基群Tに含まれる置換基を挙げることができ、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましくき、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、無置換の炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。耐擦傷性の一層の向上の観点からは、Xは、−NR−または−CO−を表すことが好ましく、−NH−または−CO−を表すことが好ましい。
一般式1中、Rは、n価の部分構造を表し、nは1以上の整数を表す。nは、1〜6の範囲の整数であることが好ましい。nは、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、より好ましくは3以下の整数を表す。
nが1を表す場合、一態様では、Rに環状構造が少なくとも1つ含まれることが好ましい。含まれる環状構造は、芳香環構造であっても脂環構造であってもよく、芳香環構造が好ましい。芳香環構造は、芳香族炭化水素環であっても芳香族ヘテロ環であってもよく、芳香族炭化水素環が好ましい。芳香族炭化水素環としては、炭素数が6〜30(より好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素環が好ましく、置換または無置換のベンゼン環がより好ましい。置換基としては、アルキル基、エーテル基、エステル基、アミド基等が挙げられ、アルキル基によって置換されたベンゼン環または無置換ベンゼン環がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基によって置換されたベンゼン環または無置換ベンゼン環が更に好ましい。
上記のRに含まれる環状構造は、Rで表される部分構造のいずれの位置に存在していてもよいが、末端に存在することが好ましい。
nが1を表す場合、一態様では、Rに極性基を示す構造が少なくとも1つ含まれることが好ましい。ここで極性基とは、ClogP値が0.85以下である化合物の残基をいうものとする。また、ClogPにおけるPとは、n−オクタノール−水系での分配係数を表し、n−オクタノールと水を用いて測定することができるが、これら分配係数は、ClogP値推算プログラム(Daylight Chemical Information Systems 社のPC Modelsに組み込まれたCLOGPプログラム)を使用して推算値を求めることもできる。ClogP値は、化合物として算出されるものである。この計算のために、ClogPを求める対象の残基を、ラジカルまたはイオンとしてではなく、完全な分子として入力する。例えば、残基B、Bについては、水素原子と共に、B−H、B −H部分として決定する。実際には存在しない構造の化合物であっても、計算化学的手法または経験的方法により見積もられる値として、ClogP値を求めることができる。
上述のClogP値は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0以下である。また、セルロースアシレートとの相溶性の点からは、極性基のClogP値は、−5.0以上であることがより好ましい。具体的には、シアノ基、環状または鎖状のイミド基(例えば、フタルイミド基、スクシンイミド基、ヘキサヒドロフタルイミド基、など)、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホンアミド基、カルボンアミド基、カルボキシル基、アミノ基、−(NR)n1−(C=O)−OR(ここでRは水素原子または置換基を表し、2つのRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、n1は0または1を表す)で表される一価の置換基、アミノカルボニルオキシ基(−O−(C=O)−NRR、ここでRは水素原子または置換基を表し、2つのRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)、アミノカルボニルアミノ基(−NR−(C=O)−NRR、ここでRは水素原子または置換基を表し、複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)が挙げられる。好ましくは、シアノ基、イミド基、アルコキシカルボニル基(−(C=O)−OR100、ここでR100はアルキル基を表す)、ヒドロキシル基、アルキルアミノカルボニルオキシ基(−O−(C=O)−NR−R100、ここでRは水素原子または置換基を表し、R100はアルキル基を表す)、アルコキシカルボニルアミノ基(−NR−(C=O)−OR100(ここでRは水素原子または置換基を表し、R100はアルキル基を表す)、アルキルアミノカルボニルアミノ基(−NR−(C=O)−NR−R100、ここでRは水素原子または置換基を表し、2つのRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R100はアルキル基を表す)である。
上記イミド基としては、環状イミド基が好ましい。環状イミド基としては、スクシンイミド基、フタルイミド基、ヘキサヒドロフタルイミド基が好ましい。
また、R100で表されるアルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。アルキルアミノカルボニルオキシ基については、R100がメチル基であり、Rが水素原子であるメチルアミノカルボニルオキシ基がより好ましい。アルコキシカルボニル基としては、R100が炭素数1〜3のアルキル基であるものが好ましく、R100がメチル基であるメトキシカルボニル基がより好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基としては、R100が炭素数1〜3のアルキル基であるものが好ましく、R100がメチル基であるメトキシカルボニルアミノ基がより好ましい。アルキルアミノカルボニルアミノ基としては、R100が炭素数1〜3のアルキル基であるものが好ましく、R100がメチル基であるメチルアミノカルボニルアミノ基がより好ましい。
一方、nが2以上の整数を表す場合、好ましくはnが2を表す場合では、Rで表される部分構造は、−NH−および−CO−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含むことが好ましく、2つ以上含むことがより好ましく、2〜6つ含むことがより好ましい。また、Rで表される部分構造中に−NH−が2つ以上含まれる場合、−NH−と−NH−とが連結基を介して結合していることが好ましい。連結基については、一般式2中のXについて後述する通りである。
nが2以上の整数を表す場合、複数存在するHet、Xは、それぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。この点は、一般式1で表される化合物および後述の一般式2で表される化合物に含まれる複数存在し得る部分構造についても同様である。
(官能基1、官能基2)
一般式1で表される化合物は、一分子中に、−NH−および−CO−からなる群から選択される基(官能基1)を少なくとも1つ含み、かつ−X−(C=X)−X−、−NR−(SO)−、−CO−NR−CO−、−O−、−S−、−COOH、−CN、−NR、−OH、および−SHからなる群から選択される基(官能基2)を少なくとも1つ含む。この点に関する本発明者らの推察は、先に記載した通りである。
なお、官能基1は、官能基2に含まれていることもある。また、官能基2に含まれる基として官能基1を少なくとも1つ含むとともに、官能基2以外の部分に官能基1を少なくとも1つ含む化合物も、一般式1で表される化合物に包含される。なお官能基1について、一般式1で表される化合物は、−NH−および−CO−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含み、2つ以上の組み合わせを含むこともできる。また官能基2についても、一般式1で表される化合物は、上記群から選択される基を少なくとも1つ含み、2つ以上の組み合わせを含むこともできる。
上記のX、Xは、それぞれ独立に、単結合、−NR−、−O−または−(CR1011)m−を表し、R、R、R、R、R、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。なお、CR1011において、炭素原子(C)、R10およびR11は2つ以上が連結して環構造を形成してもよい。置換基を有していてもよいアルキル基を置換する置換基としては、上述の置換基群Tに含まれる置換基を例示できる。一態様では、置換基を有していてもよいアルキル基は、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の無置換アルキル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが更に好ましい。
−NR−は、好ましくは−NH−である。
−(CR1011)m−は、すなわち、置換基を有していてもよいアルキル基によって置換されていてもよいアルキレン基である。アルキル基は、無置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4の無置換アルキル基であることがより好ましい。好ましくはCR1011において少なくともR10、R11の一方が水素原子であり、両方が水素原子であってもよい。
CR1011において、炭素原子(C)、R10およびR11が連結して環構造を形成する場合、形成される環構造は飽和環、不飽和環のいずれであってもよく、飽和炭化水素環または不飽和炭化水素環であることが好ましく、炭素数1〜12の飽和炭化水素環または不飽和炭化水素環であることがより好ましく、置換基を有していてもよいシクロヘキサン環または置換基を有していてもよいベンゼン環であることが更に好ましい。ここで置換基としては炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
mは1以上の整数であり、1〜3の範囲の整数であることが好ましい。mが2以上の整数を表す場合、複数存在するR10およびR11は同一であっても異なっていてもよい。
は、酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子を表すことが好ましい。
一般式1で表される化合物において、官能基1が含まれる位置は特に限定されるものではなく、Het、X、Rの少なくとも1つに含まれていればよい。ただし、Hetに−CO−が含まれる場合、耐擦傷性向上の観点からは、芳香族ヘテロ環の環状構造中に−CO−が存在しないことが好ましい。
一態様では、Het中の芳香族ヘテロ環に置換する置換基が、−NH−または−CO−によって芳香族ヘテロ環に置換することが好ましい。また、一態様では、Xが−NH−または−CO−を表すことが好ましい。即ち、一態様では、芳香族ヘテロ環に、官能基1が直結していることが好ましい。
一般式1に含まれる官能基1の数は、1分子中に少なくとも1つであり、2つ以上であることが好ましく、2〜5つであることがより好ましく、2〜4つであることが更に好ましい。なお先に記載した通り、官能基1が官能基2に含まれている態様も、一般式1で表される化合物に包含される。この場合、官能基1の数を数える際には、官能基2に含まれているものも数えるものとする。
一般式1で表される化合物において官能基2が含まれる位置も、特に限定されるものではなく、Het、X、Rの少なくとも1つに含まれていればよい。
一般式1中のnが1を表す場合、官能基2は、少なくともRまたは−X−R−に含まれることが好ましい。また、Rまたは−X−R−に含まれるとともに、Hetにおいて芳香族ヘテロ環に置換する置換基に含まれていることも好ましい。
一方、一般式1中のnが2以上の整数を表す場合、官能基2は、少なくとも、Hetにおいて芳香族ヘテロ環に置換する置換基に含まれるか、または、Rまたは−X−R−に含まれることが好ましい。
一般式1に含まれる官能基2の数は、1分子中に少なくとも1つであり、2つ以上であることが好ましく、2〜5であることがより好ましく、2〜4つであることが更に好ましい。
上記の通り、官能基1は、−NH−および−CO−からなる群から選択されるが、−NH−と−CO−とが連結し、−NH−CO−として一般式1で表される化合物に含まれることも好ましい。このような連結基を含む態様としては、セルロースアシレートフィルムの耐擦傷性および低透湿性の観点から、−NH−CO−O−X−、−X−NH−CO−O−、−NH−CO−NR21−X−および−NR22−CO−NH−X−からなる群から選択される結合を含有する連結基(以下、「連結基A」と記載する。)を1分子中に少なくとも1つむ態様がより好ましい。ここで、X〜Xは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R21およびR22は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。かかるアルキレン基の詳細は、−(CR1011)m−についての先の記載を参照できる。X〜Xで表されるアルキレン基は、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基である。また、連結基Aは、直接または連結基を介して環状構造と連結していることが好ましい。環状構造としては、nが1を表し、Rに環状構造が少なくとも1つ含まれる態様について記載した通りである。連結基Aと環状構造を連結する連結基は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキレン基である。かかるアルキレン基については、−(CR1011)m−についての先の記載を参照できる。
一般式1で表される化合物は、上記の連結基Aを、1分子中に少なくとも1つ含むことが好ましく、1〜4つ含むことがより好ましい。
(一般式1で表される化合物の分子量)
一般式1で表される化合物の分子量は特に限定されるものではないが、セルロースアシレートとの相溶性の観点からは、2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましく、600以下であることが一層好ましく、450以下であることがより一層好ましい。セルロースアシレートフィルムに添加される化合物がセルロースアシレートとの相溶性に優れることにより、セルロースアシレートフィルムのヘイズの上昇を抑制することができる。この点は、透明性に優れるセルロースアシレートフィルムを得るうえで好ましい。一方、セルロースアシレートフィルムの透明性の観点からは、セルロースアシレートフィルムに添加した化合物の揮散等による白化を抑制することが好ましい。この点から、一般式1で表される化合物の分子量は、230以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましく、300以上であることが更に好ましい。
なお上記化合物が多量体である場合、分子量とは、重量平均分子量をいうものとする。本発明における平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で測定される平均分子量を言うものとする。具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。
GPC装置:HLC−8320(東ソー製):
カラム:TSK gel SuperHZM−H、TSK gel SuperHZ4000、TSK gel SuperHZ2000併用、(東ソー製、4.6mmID(内径)×15.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
先に記載した通り、一般式1で表される化合物は、トリアジン環を有することが好ましく、1,3,5−トリアジン環を有することが好ましい。一般式1で表され、1,3,5−トリアジン環を有する化合物としては、下記一般式2で表される化合物を挙げることができる。
<一般式2で表される化合物>
以下に、一般式2で表される化合物について、更に詳細に説明する。
一般式2中、X、R、nは、それぞれ一般式1と同義であり、詳細は先に一般式1について記載した通りである。
一般式2中、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、前述の置換基群Tに例示されている置換基を挙げることができる。好ましくは、R10、R11は、それぞれ独立に、−NR12−または−CO−によりトリアジン環に連結する置換基であり、R12は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。置換基を有していてもよいアルキル基については、−(CR1011)m−で表されるアルキレン基に含まれ得るアルキル基についての先の記載を参照できる。−NR12−は、より好ましくは−NH−である。
一般式2中、nが1を表す場合、R10およびR11の少なくとも一方は、−NR1213で表される置換基を表すことが好ましい。R10およびR11の両方が−NR1213で表される置換基を表すことがより好ましい。ここで、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。置換基を有していてもよいアルキル基については、−(CR1011)m−で表されるアルキレン基に含まれ得るアルキル基についての先の記載を参照できる。
上記態様において、より好ましくは、R、R10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれる。ここに含まれる環状構造については、一般式1で表される化合物において、nが1を表し、Rに環状構造が少なくとも1つ含まれる態様について記載した通りである。なおR10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれる場合、R10、R11は、末端に環状構造を有することが好ましく、前述の連結基Aと直接または連結基を介して連結した環状構造を有することがより好ましい。連結基Aと環状構造を連結する連結基は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキレン基である。かかるアルキレン基については、−(CR1011)m−で表されるアルキレン基についての先の記載を参照できる。
一方、一般式2中、nが2以上の整数を表す場合、好ましくはnが2を表す場合、Rで表される部分構造は−NH−および−CO−からなる群から選択される基を少なくとも1つ含むことが好ましい。この点については、一般式1中、nが2以上の整数を表す場合について、先に記載した通りである。先に記載した通り、2つの−NH−が連結基を介して連結することが好ましく、連結基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ましい。即ち、nが2以上の整数を表す場合、好ましくはnが2を表す場合、Rで表される部分構造は、−NH−X−NH−を少なくとも1つ含むことが好ましい。ここで、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基であり、詳細は、−(CR1011)m−で表されるアルキレン基についての先の記載を参照できる。
一般式2中、nが2以上の整数を表す場合、好ましくはnが2を表す場合、R10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれることが好ましい。環状構造については、一般式1で表される化合物において、nが1を表し、Rに環状構造が少なくとも1つ含まれる態様について記載した通りである。なおR10およびR11からなる群から選択される少なくとも1つに、環状構造が含まれる場合、R10、R11は、末端に環状構造を有することが好ましく、前述の連結基Aと直接または連結基を介して連結した環状構造を有することがより好ましい。連結基Aと環状構造を連結する連結基は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキレン基である。かかるアルキレン基については、−(CR1011)m−で表されるアルキレン基についての先の記載を参照できる。
以上記載した一般式1で表される化合物の具体例としては、下記例示化合物を挙げることができる。ただし本発明は、これらに限定されるものではない。
表1、2中、A1、A2、B1、B2、C部として含まれる部分構造は、以下の通りである。
一般式1で表される化合物としては、以下の化合物を挙げることもできる。
一般式1で表される化合物は、既知の方法、例えば、J. Org. Chem. , 2011,P1804-1813やJ. Am. Chem. Soc. , 2001, 123, P8914-8922に記載の方法等により、またはそれらの方法を参考にして合成することができる。
(含有量)
セルロースアシレートフィルムの一般式1で表される化合物の含有量は特に限定されるものではないが、セルロースアシレート100.0質量部に対して、1.0〜50.0質量部とすることが好ましく、2.0〜30.0質量部とすることがより好ましく、2.0〜20.0質量部とすることが更に好ましく、4.0〜15.0質量部とすることが特に好ましい。なお、一般式1で表される化合物は、セルロースアシレートフィルムへ、異なる構造のものを2種以上添加してもよい。2種類以上添加する場合も、含有量の好ましい範囲は、上記と同一である。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートは、セルロースアシレートフィルムの製造に用いられる公知のセルロースアシレートを何ら制限なく用いることができる。セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つのヒドロキシル基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存ヒドロキシル基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
セルロースアシレートの置換度は、1.5以上3.0以下であることが好ましく、2.00〜2.97であることがより好ましく、2.50以上2.97未満であることが更に好ましく、2.70〜2.95であることが特に好ましい。
また、セルロースアシレートのアシル基としてアセチル基のみを用いたセルロースアセテートにおいては、置換度は、上記化合物によるフィルム耐擦傷性改善効果が大きい点で、2.0以上3.0以下であることが好ましく、2.3〜3.0であることがより好ましく、2.60〜3.0であることが更に好ましく、2.6〜2.97であることが更に好ましく、2.70〜2.95で特に好ましい。
セルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも本発明においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アシル基としてアセチル基を含む場合の置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満が更に好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基を含む場合の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明においては、置換基および置換度の一方または両方の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
さらに特開2008−20896号公報の段落0023〜0038に記載の脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明に好まく用いることができる。
セルロースアシレートは、250〜800の重量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の重量平均重合度を有することが更に好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、40000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、60000〜230000の数平均分子量を有することが更に好ましく、75000〜200000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。上記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースアシレートを合成する。
以上の方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在するヒドロキシル基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースアシレートの重合度が低下し、製造するセルロースアシレートフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースアシレートの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
<セルロースアシレートフィルムに任意に含まれ得る添加剤>
上記セルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートおよび一般式1で表される化合物に加え、他の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などが例示される。これらについては、特開2012−155287号公報の段落番号0062〜0097の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。これらの合計含有量はセルロースアシレートの50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
<セルロースアシレートフィルムの製造方法>
上記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、溶融製膜法または溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することが好ましく、溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することがより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号および同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、セルロースアシレートフィルムは、延伸処理が施されていてもよい。延伸処理の方法および条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参考にすることができる。
(流延方法)
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルロースアシレート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することができる。
・共流延
セルロースアシレートフィルムの形成においては、共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。共流延ギーサを用い、流延用支持体の上に表層用ドープとコア層用ドープを3層同時に押出して流延することができる。
逐次流延法は、流延用支持体の上に先ず第1層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って乾燥し、セルロースアシレートフィルムを成形する流延法である。塗布法は、一般的には、コア層を溶液製膜法によりフィルム状に成形し、表層に塗布する塗布液を調製し、適当な塗布機を用いて、コア層の片面ずつまたは両面同時に塗布液を塗布・乾燥して積層構造のセルロースアシレートフィルムを成形する方法である。
上述の化合物をこれらの層のいずれか一層以上またはすべての層に含有させることにより、高い耐擦傷性および低透湿性を示すセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
(延伸処理)
セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの延伸方向はセルロースアシレートフィルム搬送方向(MD(Machine Direction)方向)と搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)のいずれでも好ましいが、セルロースアシレートフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)であることが、後に続くセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
TD方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。MD方向の延伸の場合、例えば、セルロースアシレートフィルムの搬送ローラーの速度を調節して、セルロースアシレートフィルムの剥ぎ取り速度よりもセルロースアシレートフィルムの巻き取り速度の方を速くするとセルロースアシレートフィルムは延伸される。TD方向の延伸の場合、セルロースアシレートフィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもセルロースアシレートフィルムを延伸できる。セルロースアシレートフィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
セルロースアシレートフィルムを偏光子の保護膜(偏光板保護フィルムとも呼ぶ)として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの面内の遅相軸を平行に配置する必要がある。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、上記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状のセルロースアシレートフィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、セルロースアシレートフィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従ってTD方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
TD方向の延伸は5〜100%の延伸が好ましく、より好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜40%延伸を行う。なお、未延伸とは延伸が0%であることを意味する。延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%で好ましく延伸することができる。残留溶剤量が0.05〜5%の状態で5〜80%延伸を行うことが特に好ましい。
上述の一般式1で表される化合物を含有したセルロースアシレートフィルムに延伸処理を施すことで、フィルムの耐擦傷性をさらに高めることができる。
<セルロースアシレートフィルムの物性>
(ヌープ硬度)
上記セルロースアシレートフィルムは、一般式1で表される化合物を含むことにより、優れた耐擦傷性を有することができる。耐擦傷性の指標の1つとしては、表面硬度を挙げることができ、後述の実施例ではヌープ硬度を用いている。なお本発明におけるヌープ硬度とは、JIS Z 2251の方法に準じて、以下の方法により求められる値とする。なお、JIS Z 2251は、ISO4545を基に作成された日本工業規格である。
フィッシャーインスツルメンツ(株)社製フィッシャースコープH100Vp型硬度計を用い、JIS Z 2251の方法に準じて圧子の短軸の向きをセルロースアシレートフィルム製膜時の搬送方向(長手方向)に対して平行に配置したヌープ圧子により、ガラス基板に固定したサンプル表面を負荷時間5sec、クリープ時間5sec、除荷時間10sec、最大荷重50mNの条件で測定する。押し込み深さから求められる圧子とサンプルとの接触面積と最大荷重の関係より硬度を算出し、この5点の平均値を求める。以上の操作を、同じ条件で作製した10枚のポリマーフィルムに対して行い、得られた値の算術平均をヌープ硬度とする。
特記しない限り、本発明におけるヌープ硬度とは、上記の方法により求められたヌープ硬度をいうものとする。
上記セルロースアシレートフィルムは、少なくとも一方の表面、好ましくは両方の表面において、210N/mm以上のヌープ硬度を示すことが好ましく、220N/mm以上のヌープ硬度を示すことがより好ましい。ヌープ硬度は、例えば315N/mm以下程度、または300N/mm以下程度であってもよいが、高いほど耐擦傷性向上の観点から好ましいため、上限は特に限定されるものではない。
(透湿度)
上記セルロースアシレートフィルムは、一般式1で表される化合物を含むことにより、優れた低透湿性を示すこともできる。セルロースアシレートフィルムの透湿性の指標としては、透湿度を用いることができる。上記セルロースアシレートフィルムは、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1mかつ膜厚60μmの値に換算した値として求められる透湿度が、1480g/m・day以下であることが好ましく、1470g/m・day以下であることがより好ましく、1460g/m・day以下であることが更に好ましい。また、透湿度は、例えば1200g/m・day以上であるが、低いほど好ましいため下限は特に限定されるものではない。
(その他物性)
含水率:
セルロースアシレートフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は上記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースアシレートフィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下が更に好ましく、3質量%未満が更に好ましい。セルロースアシレートフィルムの含水率を小さくすることにより、セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿状態に起因する液晶表示装置の表示性能低下を起こしにくくすることができる。含水率の下限値は、例えば0.1質量%以上であるが、特に限定されない。
ヘイズ:
セルロースアシレートフィルムは、下記方法により測定されるヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下とすることにより、セルロースアシレートフィルムの透明性がより高くなり、偏光板および液晶表示装置の構成部材として好ましい。ヘイズの下限値は、例えば0.001%以上であるが、特に限定されない。
ヘイズは、セルロースアシレートフィルム40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いて、JIS K7136に従って測定する。
膜厚:
セルロースアシレートフィルムの膜厚は、用途に応じ適宜定めることができるが、例えば、5〜100μmである。5μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、100μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。セルロースアシレートフィルムの膜厚は、8〜80μmがより好ましく、10〜70μmが更に好ましい。
また、セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが、3層構造の場合、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。なおコア層とは、3層構造で中心部に位置する層のことをいい、スキン層A、Bとは3、層構造で外側に位置する層のことをいう。
幅:
セルロースアシレートフィルムを製造する場合は、その幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1300〜2500mmであることが特に好ましい。
(鹸化処理)
セルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法としては、例えば、特開2007−86748号公報の段落0211と段落0212に記載される方法を用いることができる。
例えば、セルロースアシレートフィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。上記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることが更に好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることが更に好ましい。
または、アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工をセルロースアシレートフィルムに施してもよい。
[偏光板]
(偏光板の構成)
本発明の偏光板は、上述のセルロースアシレートフィルムと偏光子とを有する。
一態様では、偏光板は、偏光子とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルムとを含み、上記セルロースアシレートフィルムを少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして有することができる。
また、液晶表示装置は、通常、視認側偏光板とバックライト側偏光板との間に、液晶セルが配置された構成を有する。視認側偏光板およびバックライト側偏光板において、偏光板と液晶セルとの間に位置する偏光板保護フィルムを、インナー側保護フィルム、インナー側とは反対側に位置する保護フィルムをアウター側保護フィルムと呼ぶと、上述のセルロースアシレートフィルムは、視認側偏光板のインナー側、アウター側、バックライト側偏光板のインナー側、アウター側のいずれの保護フィルムとしても用いることができる。
上記セルロースアシレートフィルムとともに、他のフィルム部材を偏光板保護フィルムとして用いることもできる。この場合に用いられる他のフィルム部材は特に限定されるものではなく、偏光板保護フィルムとして通常用いられる各種フィルム部材を用いることができる。
また、偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸した偏光子を用いる場合、例えば、接着剤を用いて偏光子の少なくとも一方の面に上記セルロースアシレートフィルムの鹸化処理面を直接貼り合わせることができる。上記接着剤としては、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
偏光板保護フィルムの偏光子への貼り合せは、偏光板保護フィルムが光学異方性を有している場合には偏光子の透過軸と偏光板保護フィルムの遅相軸が実質的に平行、直交または45°となるように貼り合せることが好ましい。遅相軸の測定は、公知の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRADH、王子計測機器(株)製)を用いて行うことができる。
ここで、実質的に平行、直交または45°であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
(偏光板の多機能化)
上記偏光板は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として用いることもできる。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0242、段落0249〜0250、特開2012−215812公報の段落0086〜0103の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
一例としてハードコート層について以下に説明する。
(ハードコート層)
セルロースアシレートフィルム上には、所望によりハードコート層を設けることもできる。セルロースアシレートフィルムに一般式1で表される化合物を含有させることにより、ハードコート層等の隣接する層との密着性を高めることもできる。例えば、塗布組成物をセルロースアシレートフィルム上に塗布し、硬化させることによって、セルロースアシレートフィルム上にハードコート層を形成することができる。ハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的な物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層に付与することもできる。ハードコート層の厚みは0.1〜6μmの範囲であることが好ましく、3〜6μmの範囲であることが更に好ましい。このような範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む偏光板を得ることができる。
ハードコート層形成用の塗布組成物の一例は、マトリックス形成バインダー用モノマーまたはオリゴマー、ポリマー類および有機溶媒を含有する。この塗布組成物を塗布後に硬化することでハードコート層を形成することができる。硬化には、架橋反応、または重合反応を利用することができる。これらの詳細は、特開2012−215812号公報の段落0088〜0101の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
塗布組成物は、例えば、上述の成分を有機溶媒に溶解および/または分散することで、調製することができる。ハードコート層の形成に好適な塗布組成物は、(メタ)アクリレート系化合物を含有する硬化性組成物である。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚含む。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。本発明の偏光板は、視認側偏光板、バックライト側偏光板のいずれの偏光板としても用いることができる。
なお、例示していないが、他の構成として、反射型や半透過型の液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)等の自発光素子の反射防止用途として配置される円偏光版の一部として、本発明の偏光板を用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
1.セルロースアシレートフィルムの作製例
−セルロースアシレートフィルムの製膜−
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート 100.0質量部
アセチル置換度2.87、重合度370
下記表3に記載の化合物 表3に記載
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラム流延装置を用い、上記調製したセルロースアシレート溶液を流延した。ドープ中の残留溶媒量が約70質量%の状態で剥ぎ取り、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、膜厚 60μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
2.評価方法
(1)セルロースアシレートフィルムのヌープ硬度の測定
JIS Z 2251の方法に準じてフィッシャーインスツルメンツ(株)社製“フィッシャースコープH100Vp型硬度計”を用い、圧子の短軸の向きをセルロースアシレートフィルム製膜時の搬送方向(長手方向)に対して平行に配置したヌープ圧子により、ガラス基板に固定したサンプル表面を負荷時間10sec、クリープ時間5sec、除荷時間10sec、最大荷重50mNの条件で測定した。押し込み深さから求められる圧子とサンプルとの接触面積と最大荷重の関係より硬度を算出し、この5点の平均値を求めた。以上の操作を、同じ条件で作製した10枚のセルロースアシレートフィルムに対して行い、求められた値の算術平均をヌープ硬度とした。
さらに、同じ押し込み位置において、ヌープ圧子を10°ずつ回転させて測定を行った。こうして合計18方位等角度回転させて測定して全方位のヌープ硬度の測定を行い、最小値を求めたところ、上記のヌープ圧子の短軸の向きをセルロースアシレートフィルム製膜時の搬送方向(長手方向)に対して平行に配置して測定した値と一致した。
(2)セルロースアシレートフィルムの透湿度の測定
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1mかつ膜厚60μmあたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算した値として求めた。透湿度が1480g/m・day以下であれば、例えば偏光板保護フィルムとして用いた場合に、水分による偏光子の変形や劣化を効果的に防ぐことができる。
(3)セルロースアシレートフィルムとハードコート層との密着性評価
(ハードコート層付き光学フィルムの作製)
上記で作製した各セルロースアセテートフィルムの表面に下記の硬化組成のハードコート層溶液を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、厚み6μmのハードコート層を形成したハードコート層付き光学フィルムを作製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ハードコート層溶液の硬化組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
モノマー ペンタエリスリトールトリアクリレート/
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(混合質量比3/2)
53.5質量部
UV開始剤 Irgacure(登録商標)907
(BASFジャパン(株)社製) 1.5質量部
酢酸エチル 45.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(密着性評価方法)
上記で作製した各ハードコート層付き光学フィルムについて、JIS K 5600に準処した碁盤目試験を行った。具体的には、硬化済みハードコート層付き光学フィルムにキセノン(Xe)を48時間照射した。Xeの照射後のハードコート層に1mm間隔で縦横に11本の切れ込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作った。この上にセロハンテープおよびマイラーテープを貼り付け、素早く剥がし剥がれた箇所を目視観察し、下記評価基準により密着性を評価した。なお、Xeの照射はスガ試験機株式会社製のスーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いて行った。評価結果が「C」以上のセルロースアシレートフィルムは、実用上十分なハードコート層との密着性を有すると言える。
密着性の評価基準
A:剥がれ箇所0〜35マス
B:剥がれ箇所36〜55マス
C:剥がれ箇所56〜80マス
D:剥がれ箇所81マス以上
比較化合物1は、特開2012−67218号公報に記載の化合物、比較化合物2は、特開2006−22306号公報に記載の化合物である。
表3に示す結果から、実施例のセルロースアシレートフィルムは、耐擦傷性(ヌープ硬度)、低透湿性(透湿度)とも比較例のセルロースアシレートフィルムより優れること、更にはハードコート層との密着性も良好であることが確認できる。
3.偏光板の作製例
(1)偏光板保護フィルムの鹸化処理
実施例で得られた各セルロースアシレートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
(2)偏光板の作製
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各セルロースアシレートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後の市販のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸については、直交するように配置した。
このようにして各偏光板を作製した。
また、こうして作製した偏光板を組み込むことにより液晶表示装置を作製することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式2で表され、かつ分子量が2000以下の化合物を含有するセルロースアシレートフィルム;
    一般式2中、nは1を表し、R1は環状構造を含む1価の基を表し、 1 は−NHCO−を含み、R 1 で表される1価の基に含まれる環状構造は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環であり、かつ前記環状構造はR 1 で表される1価の基の末端に含まれ、10およびR11は、それぞれ独立に−NR1213または−OR14を表し、R12は水素原子または炭素数1〜4の無置換アルキル基を表し、R13およびR14は、それぞれ独立に炭素数1〜4の無置換アルキル基を表し、X1、−O−または−NR2 −を表し、R 2 は、水素原子または置換基を表す。
  2. 前記化合物の含有量は、セルロースアシレート100.0質量部に対して、1〜50.0質量部の範囲である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルムと偏光子とを有する偏光板。
  4. 請求項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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