JP2007326972A - セルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置 Download PDF

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【課題】高温高湿下での耐久性を保ったまま、フィルムの面状故障がなく、さらに光学特性を所望の範囲に調整することが可能であるセルロースアシレートフィルムを提供し、さらには該フィルムを用いた光学補償シート、偏光板、および少なくともこれらのいずれかを備えた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 特定の構造の紫外線吸収剤を2種類以上含有し、該紫外線吸収剤の下記式(A)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)とセルロースアシレートのアシル化度(DS)が下記式(B)の関係を満たすセルロースアシレートフィルムを用いる。
【数1】
Figure 2007326972

5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1 式(B)
【選択図】なし

Description

本発明はセルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは適度な水蒸気透過性を有し、かつ加工が容易であることから液晶表示装置用偏光板保護フィルムとして広く使用されている。該セルロースアシレートフィルムには、紫外線に長時間暴露された際の黄変を防止する目的で紫外線吸収剤が添加されている。しかしながら使用環境の厳しい高温多湿の条件下、例えば温度80℃、90%RH以上の雰囲気下に1000時間程度経時した場合、紫外線吸収剤が均一に分散含有されたフィルムはブリード現象により光学特性が劣化し、黄変して紫外線吸収性能が著しく劣化し満足されるものではなく、その改良が強く望まれていた。
これに対して、特許文献1ではベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の少なくとも一つを0.2〜3g/m含有させ、かつ膜厚を30〜200μmとすることにより、耐久性に優れたセルロースアシレートフィルムを作製する方法を例示している。しかしながら、上記フィルムは面状故障が起きやすく、光学特性の調整が困難であるという問題があった。
特開2002−350644号公報
本発明の目的は、高温高湿下での耐久性を保ったまま、フィルムの面状故障がなく、さらに光学特性を所望の範囲に調整することが可能であるセルロースアシレートフィルムを提供することにあり、さらには該フィルムを用いた光学補償シート、偏光板、および少なくともこれらのいずれかを備えた液晶表示装置を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、上記課題を解決するには、含有される紫外線吸収剤の置換基の種類による影響が大きいこと、該紫外線吸収剤の親疎水性の平均値が適度な値を有する必要があること、セルロースアシレートのアシル化度が特定範囲に入る必要があることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1)下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤を2種類以上含有し、該紫外線吸収剤の下記式(A)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)とセルロースアシレートのアシル化度DSが下記式(B)の関係を満たすセルロースアシレートフィルム。
Figure 2007326972
(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基を表し、R、RおよびRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ互いに異なる。)
Figure 2007326972
5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1 式(B)
2)セルロースアシレートのアシル化度DSが2.83以上2.91以下である1)に記載のセルロースアシレートフィルム。
3)630nmにおける25℃60%RHのReが下記式(C)の範囲を満たし、25℃60%RHのRthが下記式(D)の範囲を満たすことを特徴とする1)または2)に記載のセルロースアシレートフィルム。
0nm≦Re≦20nm 式(C)
30nm≦Rth≦60nm 式(D)
4)1)〜3)のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする光学補償シート。
5)1)〜3)のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を有することを特徴とする光学補償シート。
6)偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、1)〜3)のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
7)液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が請求項6に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、高温高湿下での耐久性を保ったまま、フィルムの面状故障がなく、さらに光学特性を所望の範囲に調整することが可能であり、該フィルムを用いた光学補償シート、偏光板、および少なくともこれらのいずれかを備えた液晶表示装置は極めて高い実用性を有するものである。
以下、本発明のセルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置について詳細に説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置は、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤を2種類以上含有し、該紫外線吸収剤に関する下記式(A)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)とセルロースアシレートのアシル化度DSが下記式(B)の関係を満たすセルロースアシレートフィルムが関与していることを特徴とする。
Figure 2007326972
(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基を表し、R、RおよびRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ互いに異なる。)
Figure 2007326972
5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1 式(B)
[紫外線吸収剤]
本発明に用いられる前記紫外線吸収剤のlogPの平均値は(5.0×DS−6.7)以上(5.0×DS−5.1)以下であり、(5.0×DS−6.5)以上(5.0×DS−5.2)以下が好ましい。logPの平均値が大きすぎると面状が悪化し、logPの平均値が小さすぎると高温高湿下での紫外線吸収剤の保留性が悪化する。また、一般式(1)で表される化合物は330〜360nmの波長範囲に吸収極大を有するものである。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
紫外線吸収剤は、セルロースアシレートフイルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
(化合物添加量)
上述した本発明において用いられる紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアシレートに対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜3質量%であることが特に好ましい。
(化合物添加の方法)
またこれら紫外線吸収剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
次に一般式(1)で表される紫外線吸収剤について詳しく説明する。
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基を表し、R、RおよびRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ互いに異なる。置換基としては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよく、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよいが、R、RおよびRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ互いに異なる。
1およびR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
2として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
4およびR5として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
以下に一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2007326972
[セルロースアシレート]
次に、本発明のセルロースアシレートについて説明する。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸エステルまたは芳香族カルボン酸エステルであり、特にセルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートフタレート等や、特開平10−45804号公報、同8−231761号公報、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。或いは、特開2002−179701号公報、特開2002−265639号公報、特開2002−265638号公報に記載の芳香族カルボン酸とセルロースとのエステルも好ましく用いられる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルは、セルローストリアセテートと後述するセルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは混合して用いることも出来る。
セルロースアシレートの置換度(DS)は、セルロースの構成単位(β1→4グリコシド結合しているグルコース)に存在している三つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度は、セルロースの構成単位重量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、ASTM-D817-91に準じて実施する。
本発明のセルロースアシレートはアシル基の疎水性と水酸基の親水性を適度にバランスさせることにより、レターデーションの湿度依存性と寸度安定性を両立させるものである。すなわち、アシル基中のアルキル鎖が平均的に短かすぎる、及び/あるいは水酸基比率が高すぎるとレターデーションの湿度依存性は大きくなってしまう。また、アシル基中のアルキル鎖が平均的に長すぎる、及び/あるいは水酸基比率が高すぎるとTgが低下し、寸度安定性が悪化してしまう。
したがって、本発明で好ましく用いられるセルローストリアセテートはアセチル化度が2.83以上2.91以下で炭素数3以上の他のアシル基を有しないものが好ましい。アセチル化度は2.84以上2.89以下がさらに好ましい。
また、セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基の置換度をYとした時、下記式(a)及び(b)を同時に満たすセルロースエステルである。
式(a) 2.6≦X+Y≦2.9
式(b) 0≦X≦2.5
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらは公知の方法で合成することが出来る。
本発明のセルロースアシレートは、350〜800の重量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の重量平均重合度を有することがさらに好ましい。本発明のセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例、酢酸)や塩化メチレンが使用される。触媒としては、硫酸のようなプロトン性触媒が用いられる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物が用いられる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。この方法において、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖β1→4グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフイルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定する必要がある。
重合度の高い(分子量の大きい)セルロースエステルを得るためには、エステル化反応工程における最高温度を50℃以下に調節することが重要である。最高温度は、好ましくは35〜50℃、さらに好ましくは37〜47℃に調節する。反応温度が35℃未満では、エステル化反応が円滑に進行しない場合がある。反応温度が50℃を越えると、セルロースエステルの重合度が低下しやすい。エステル化反応の後、温度上昇を抑制しながら反応を停止すると、さらに重合度の低下を抑制でき、高い重合度のセルロースエステルを合成できる。すなわち、反応終了後に反応停止剤(例、水、酢酸)を添加すると、エステル化反応に関与しなかった過剰の酸無水物は、加水分解して対応する有機酸を副成する。この加水分解反応は激しい発熱を伴い、反応装置内の温度が上昇する。反応停止剤の添加速度が大きいと、反応装置の冷却能力を超えて急激に発熱する。そのため、セルロース主鎖の加水分解反応が著しく進行し、得られるセルロースエステルの重合度が低下する。また、エステル化の反応中に触媒の一部はセルロースと結合しており、その大部分は反応停止剤の添加中にセルロースから解離する。しかし、反応停止剤の添加速度が大きいと、触媒が解離するために充分な反応時間がなく、触媒の一部がセルロースに結合した状態で残る。強酸の触媒が一部結合しているセルロースエステルは安定性が非常に悪く、製品の乾燥時の熱などで容易に分解して重合度が低下する。これらの理由により、エステル化反応の後、好ましくは4分以上、さらに好ましくは4〜30分の時間をかけて反応停止剤を添加して、反応を停止することが望ましい。なお、反応停止剤の添加時間が30分を越えると、工業的な生産性が低下する。反応停止剤としては、一般に酸無水物を分解する水やアルコールが用いられている。ただし、本発明では、各種有機溶媒への溶解性が低いトリエステルを析出させないために、水と有機酸との混合物が、反応停止剤として好ましく用いられる。以上のような条件でエステル化反応を実施すると、重量平均重合度が500以上である高分子量セルロースエステルを容易に合成することができる。
[セルロースアシレートフイルムの製造]
本発明のセルロースアシレートフイルムは、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、および炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上記した好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2-エトキシエチルアセテート、2-メトキシエタノールおよび2-ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロライドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
有機溶媒はメチレンクロライドとアルコールを混合して用いることが好ましく、メチレンクロライドに対するアルコールの比率は1重量%以上50重量%以下が好ましく、10重量%以上40重量%以下が好ましく、12重量%以上30重量%以下が最も好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましく、2種類以上のアルコールを混合して使用してもよい。
0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で、セルロースアシレート溶液を調製することができる。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常圧における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。
加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。
容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアシレートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアシレートの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜
−20℃)中で実施できる。冷却によりセルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアシレートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよく、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアシレート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量計(DSC)による測定によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアシレートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45-4554号、同49-5614号、特開昭60-176834号、同60-203430号、同62-115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5-17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて二層以上の流延を行いフイルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフイルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
二層以上の複数のセルロースアシレート液を流延する場合、複数のセルロースアシレート溶液を流延することが可能で、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフイルムを作製してもよい。例えば、特開昭61-158414号、特開平1-122419号、および、特開平11-198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによってもフイルム化することもできる。例えば、特公昭60-27562号、特開昭61-94724号、特開昭61-947245号、特開昭61-104813号、特開昭61-158413号、および、特開平6-134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56-162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押し出すセルロースアシレートフイルムの流延方法を用いることもできる。
また、二個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフイルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フイルムを作製することもできる。例えば、特公昭44-20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースアシレート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアシレート溶液を用いてもよい。複数のセルロースアシレート層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明のセルロースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフイルムの厚さにするためには高濃度で高粘度のセルロースアシレート溶液を押し出すことが必要である。その場合セルロースアシレート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となったりして問題となることが多かった。この問題の解決方法として、複数のセルロースアシレート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押し出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフイルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアシレート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フイルムの生産スピードを高めることができる。
セルロースアシレートフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3-199201号、同5-1907073号、同5-194789号、同5-271471号、同6-107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
セルロースアシレートフィルムの好ましい延伸倍率は、一方向の延伸倍率が1.01〜2.0倍に延伸され、もう一方の延伸倍率が0.9〜1.5倍に延伸されたものが好ましく、一方向の延伸倍率が1.01〜1.5倍に延伸され、もう一方の延伸倍率が1.0〜1.4倍に延伸されたものが更に好ましく、一方向の延伸倍率が1.05〜1.4倍に延伸され、もう一方の延伸倍率が1.0〜1.3倍に延伸されたものが特に好ましい。延伸は縦延伸、横延伸を同時に行っても、別々に行ってもよく、ウェブを流延支持体から剥離する時から乾燥終了の間までに延伸することができる。縦横を同時に延伸する工程を有することが好ましい。これにより、光学的等方性に優れると共に、平面性の良好なセルロースアシレートフィルムを得ることが出来る。製膜工程のこれらの幅規制或いは横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよく、2軸延伸テンターが特に好ましく用いられる。
本発明に用いるセルロースアシレートフイルムの製造に用いる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
[セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度]
セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度の測定はJIS規格K7121記載の方法によりおこなうことができる。
本発明のセルロースアシレ-トフィルムのガラス転移温度は80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上170℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度は可塑剤、溶剤等の低分子化合物を含有させることにより低下させることが可能である。
[フィルムの厚み]
また、セルロースアシレートフィルムの厚み(乾燥膜厚)は、120μm以下であり、
20〜100μmが好ましく、30〜90μmがより好ましい。
[フィルムのレターデーション]
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフイルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレタデーションの値がゼロとなる方向をもつフイルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレタデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 2007326972
測定されるフイルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフイルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx-nz)/(nx-ny)が更に算出される。
ここで平均屈折率の仮定値は、「ポリマーハンドブック」(JOHN WILEY & SONS,Inc.)、および各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。
主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHによりn(製膜方向の屈折率)、n(幅方向の屈折率)、n(厚み方向の屈折率)を算出する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは液晶表示装置用の偏光板保護フィルムとして好ましく使用することができる。この場合セルロースアシレートフィルムの632nmにおけるReは0〜20nmが好ましく、0〜10nmがさらに好ましく、0〜5nmが最も好ましい。また、Rthは30nm〜60nmが好ましく、35nm〜55nmがさらに好ましく、40nm〜50nmが最も好ましい。
本発明においては、25℃60%RHのRthの400nm以上700nm以下の波長範囲での変動が25nm以下であることが好ましく、15nm以下がさらに好ましい。
また、25℃60%RHのReの400nm以上700nm以下の波長範囲での変動が10nm以下であることが好ましく、4nm以下がさらに好ましい。
[セルロースアシレートフイルムの含水率]
セルロースアシレートフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は一定温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料重量(g)で除して算出したものである。
本発明のセルロースアシレートフィルムの25℃80%RHにおける平衡含水率は6重量%以下が好ましく、4重量%以下がさらに好ましく、3.5重量%以下が最も好ましい。
[透湿度]
透湿度はJIS Z 0208に記載の方法により、各試料の透湿度を測定し、面積1m2あたり24時間で蒸発する水分量(g)として算出する。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は様々な方法により調節可能である。
セルロースアシレートフィルムに疎水性化合物を添加し、セルロースアシレートフィルムの含水率を低下させることにより透湿度を低下させることができる。また、透湿度は製膜時に搬送方向及び/あるいは幅方向に延伸し、セルロースアシレートの分子鎖の配向を密にすることによっても低下させることが可能である。
JIS Z 0208、条件Aの方法で測定した本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、20g/m2以上250g/m2以下が好ましく、40g/m2以上225g/m2以下がさらに好ましく、100g/m2以上200g/m2以下が最も好ましい。
[吸湿膨張係数]
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。額縁状の透過率上昇を防止するために、セルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数は、30×10-5/%RH以下とすることが好ましく、15×10-5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10-5/%RH以下とすることが最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。作製したセルロースアシレートフィルムから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R0)の雰囲気下にぶら下げた。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L0 )を測定した。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R1 )にして、長さ(L1 )を測定した。吸湿膨張係数は下式により算出した。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用した。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L1 -L0 )/L0 }/(R1 -R0 )
上記吸湿による寸度変化を小さくするには、製膜時の残留溶剤量を低くしセルロースアシレートフィルム中の自由体積を小さくすることが好ましい。残留溶剤を減らすための一般的手法は、高温かつ長時間で乾燥することであるが、あまり長時間であると、当然のことながら生産性が落ちる。従ってセルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤の量は、0.01〜1質量%の範囲にあることが好ましく、0.02〜0.07質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.03〜0.05質量%の範囲にあることが最も好ましい。
上記残留溶剤量を制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することができる。
残留溶剤量は、一定量の試料をクロロフォルムに溶解し、ガスクロマトグラフ(GC18A、島津製作所(株)製)を用いて測定した。
溶液流延法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。溶液流延法での乾燥は、後述するように、ドラム(またはバンド)面での乾燥と、フイルム搬送時の乾燥に大きく分かれる。ドラム(またはバンド)面での乾燥時には、使用している溶剤の沸点を越えない温度(沸点を越えると泡となる)でゆっくりと乾燥させることが好ましい。また、フイルム搬送時の乾燥は、ポリマー材料のガラス転移点±30℃、更に好ましくは±20℃で行うことが好ましい。
また、上記吸湿による寸度変化を小さくする別な方法として、疎水基を有する化合物を添加することが好ましい。疎水基を有する素材としては、分子中にアルキル基やフェニル基のような疎水基を有する素材であれば特に制限はないが、前記のセルロースアシレートフイルムに添加する可塑剤や劣化防止剤の中で該当する素材が特に好ましく用いられる。これら好ましい素材の例としては、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリベンジルアミン(TBA)などを挙げることができる。
これらの疎水基を有する化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01〜30質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜20質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
[寸度変化率]
セルロースアシレートフィルムの寸度変化率はピンゲージにより一定温度での経時前後の寸度変化を測定し、下記式により算出することができる。L1を経時前の寸度、L2を経時後の寸度とし、
寸度変化率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
本発明のセルロースアシレートフィルムの90℃24hr経時での寸度変化率は、-0.5%以上0.5%以下が好ましく、-0.3%以上0.3%以下がさらに好ましく、-0.2%以上0.2%以下が最も好ましい。
[セルロースアシレートフイルムの弾性率]
セルロースアシレートフィルムの弾性率は引っ張り試験により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムは幅方向あるいは流延方向の少なくとも1つの方向が1.0GPa以上6.0GPa以下が好ましく、2.0Gpa以上5.5GPa以下がさらに好ましく2.5Gpa以上5.0GPa以下が最も好ましい。
[光弾性]
本発明のセルロースアシレートフィルムの光弾性係数は60×10-8cm2/N以下が好ましく、20×10-8cm2/Nがさらに好ましい。光弾性係数はエリプソメーターにより求めることができる。
[セルロースアシレートフイルムの面状]
セルロースアシレートフイルムの面状は目視で観察し、ブリードアウトの起こっている面積を測定することで評価することができる。
[セルロースアシレートフイルムの表面処理]
セルロースアシレートフイルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7-333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましい。
偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光子との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。
以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。
セルロースアシレートフイルムのアルカリ鹸化処理は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1〜3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.0Nの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。
本発明のセルロースアシレートフイルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアシレートフイルムに滴下し、液滴の表面とフイルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフイルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフイルムの表面エネルギーを算出できる。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに前記セルロースアシレートフィルムをベースフィルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。また、前記機能性層が、少なくとも一種の滑り剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらに、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらには、前記機能性層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。セルロースアシレートフィルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
(用途)
前記セルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用である。セルロースアシレートフィルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号公報には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフィルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフィルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフィルムとして光学補償フィルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フィルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特開2005−104148号公報(例えば、[1088]段落から[1265]段落)に詳細が記載されている。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を得ることができる。前記TACフィルムは、偏光板保護フィルムや写真感光材料のベースフィルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フィルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フィルムを用いて偏光板を構成しても良い。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。

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セルロースアシレート溶液A組成
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セルローストリアセテート(アセチル置換度2.86) 100.0質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 6.0質量部
ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 3.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
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(マット剤溶液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Aを調製した。

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マット剤溶液A組成
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平均粒径16nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.2質量部
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 2.0質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 0.2質量部
ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 0.1質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 83.5質量部
メタノール(第2溶媒) 12.0質量部
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(紫外線吸収剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、
紫外線吸収剤溶液Aを調製した。

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紫外線吸収剤溶液A組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
UV−1(紫外線吸収剤1) 3.0質量部
UV−10(紫外線吸収剤2) 12.0質量部
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.86) 4.4質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤1) 0.4質量部
ビフェニルフォスフェート(可塑剤2) 0.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 70.0質量部
メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
上記セルロースアシレート溶液Aを97.4質量部、マット剤溶液Aを1.3質量部、紫外線吸収剤溶液A1.3質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤が60%でフィルムをバンドから剥離し、100℃の条件でフィルムをクリップテンターを用いて幅を保持し、5%延伸後の幅のまま130℃で30秒間保持した。その後、クリップを外して130℃で40分間乾燥させ(乾燥(1))、セルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は80μmであった。
(セルロースアシレートフィルム2〜5、12、13、20の作製)
セルロースアシレートの種類及び紫外線吸収剤の種類、添加量、膜厚を表1の内容に変更した以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム2〜5、12、13、20を作製した。
紫外線吸収剤のlogP値はDaylight Information System社のlogP計算プログラムを用いて算出した。
〔実施例2〕
(セルロースアシレート溶液の調製)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液Bの組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルローストリアセテート(アセチル化度2.86) 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1-ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ビフェニル、ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV−1(紫外線吸収剤1) 0.3質量部
UV−10(紫外線吸収剤2) 0.9質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、
ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(粒径15nm)) 0.05質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1−1)ドープ仕込み
攪拌羽根を有する4000Lのステンレス性溶解タンクに、前記複数の溶媒を混合して混合溶媒としてよく攪拌・分散しつつ、セルローストリアセテート粉体(フレーク)を徐々に添加し、全体が2000kgになるように調製した。なお、溶媒は、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。まず、セルローストリアセテートの粉末は、分散タンクに紛体を投入して、攪拌剪断速度を最初は5m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2 )の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および、中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2)で攪拌する条件下で30分間分散した。分散の開始温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。分散終了後、高速攪拌は停止し、アンカー翼の周速を0.5m/secとしてさらに100分間攪拌し、セルローストリアセテートフレークを膨潤させた。膨潤終了までは窒素ガスでタンク内を0.12MPaになるように加圧した。この際のタンク内の酸素濃度は2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。またドープ中の水分量は0.5質量%以下であることを確認し、本実験では0.3質量%であった。
(1−2)溶解・濾過
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、更に2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。
次に36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を通過させドープを得た。この際、濾過1次圧は1.5MPa、2次圧は1.2MPaとした。高温にさらされるフイルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
(1−3)濃縮・濾過・脱泡・添加剤
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧のタンク内でフラッシュさせて、蒸発した溶剤を凝縮器で回収分離した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、21.8質量%となった。なお、凝縮された溶剤は調製工程の溶剤として再利用すべく回収工程に回された(回収は蒸留工程と脱水工程などにより実施されるものである)。フラッシュタンクには中心軸にアンカー翼を有するものを用いて、周速0.5m/secで攪拌して脱泡を行った。タンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内の平均滞留時間は50分であった。このドープを採集して25℃で測定した剪断粘度は剪断速度10(sec-1)で450(Pa・s)であった。
つぎに、このドープは弱い超音波照射することで泡抜きを実施した。その後、1.5MPaに加圧した状態で、最初に公称孔径10μmの焼結繊維金属フイルターを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フイルターを通過させた。それぞれの一次圧は、1.5,1.2MPaであり、二次圧は1.0、0.8MPaであった。濾過後のドープ温度は、36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有するものを用いて、周速0.3m/secで常時攪拌された。以下の説明において、このドープを試料1と称する。なお、濃縮前ドープからドープを調製する際に、ドープ接液部には、腐食などの問題は全く生じなかった。
UV―1,UV−10、剥離促進剤であるクエン酸エチルエステルとマット剤である二酸化ケイ素とを用いない以外は試料1と同じ成分かつ同じ条件でドープを作製し、固形分が21.8質量%のドープを得た。以下の説明において、このドープを試料2と称する。
また、メチレンクロライドが86.5質量部,アセトンが13質量部,ブタノール0.5質量部の混合溶媒を作製した。以下の説明において、この混合溶媒を試料3と称する。
(1−4)吐出・直前添加・流延・ビード減圧
続いてストックタンク内のドープを1次増圧用のギアポンプで高精度ギアポンプの1次側圧力が0.8MPaになるようにインバーターモーターによりフィードバック制御を行い送液した。高精度ギアポンプは容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であった。また、吐出圧力は1.5MPaであった。
流延ダイは、幅が1.8mであり共流延用に調整したフィードブロックを装備して、主流のほかに両面にそれぞれ積層して3層構造のフイルムを成形できるようにした装置を用いた。以下の説明において、主流から形成される層を中間層と称し、支持体面側の層を支持体面と称し、反対側の面をエアー面と称する。なお、ドープの送液流路は、中間層用,支持体面用,エアー面用の3流路を用いた。
UV−1、UV−10を試料3(混合溶媒)と、試料2ドープを混合させて溶液とした。この溶液をインラインで送液中の試料2に静止型混合器を介して混合させて、中間層用ドープとした。全固形分濃度が21.8質量%,UV−1、UV−10剤がフイルム形態で1.2質量%となるように混合量の調整を行った。以下の説明において、このドープを試料4と称する。
マット剤(二酸化ケイ素)と剥離促進剤(クエン酸エチルエステル)と、試料2を試料3に溶解または分散させて分散液とした。この分散液をインラインで送液中の試料2に静止型混合器を介して混合させて、支持体面用ドープを作製した。添加量は、全固形分濃度が20.5質量%,マット剤濃度が0.05質量%,剥離促進剤濃度が0.03質量%となるように行った。以下の説明において、このドープを試料5と称する。
マット剤(二酸化ケイ素)を試料3に分散させて分散液とした。この分散液をインラインで送液中の試料2に静止型混合器を介して混合させて、エアー面用ドープを作製した。添加量は、全固形分濃度が20.5質量%,マット剤濃度が0.1質量%となるように行った。以下の説明において、このドープを試料6と称する。これら試料4,5,6からなるものを以下の説明において、ドープ試料7と称する。
(セルロースアシレートフィルム6の作製)
上記ドープ試料7を流延口から0℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、膜厚(エアー面,中間層,支持体面)がそれぞれ4μm,73μm,3μm、製品厚みが80μmとなるように各ドープの流量を調整した。流延したドープ膜をドラム上で30℃の乾燥風により乾燥させ、残留溶剤が150%の状態でドラムより剥離し、フィルムの幅方向(流延方向に対して直交する方向)の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で固定し、110℃の乾燥風で乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することによりさらに乾燥し、セルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は80μmであった。
(セルロースアシレートフィルム7〜10の作製)
セルロースアシレートの種類及び紫外線吸収剤の種類、添加量、膜厚を表1の内容に変更した以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム7〜10を作製した。
紫外線吸収剤のlogP値はDaylight Information System社のlogP計算プログラムを用いて算出した。
〔比較例1〕
セルロースアシレートの種類及び紫外線吸収剤の種類、添加量、膜厚を表1の内容に変更した以外は実施例1と同様にしてセルロースアシレートフィルム11、14〜19を作製した。
Figure 2007326972
Figure 2007326972
〔実施例3〕
実施例1、2で作製したセルロースアシレートフィルムの632nmにおけるRe、Rthを“KOBRA 21ADH”{王子計測機器(株)製}を用いて測定した。また、上記フィルムの面状を評価した。
◎・・・ブリードアウトが生じている面積が0.1%以下
○・・・ブリードアウトが生じている面積が0.1〜0.5%
△・・・ブリードアウトが生じている面積が0.5〜1%
×・・・ブリードアウトが生じている面積が1%以上
〔比較例2〕
比較例1で作製したセルロースアシレートフィルムの632nmにおけるRe、Rthを“KOBRA 21ADH”{王子計測機器(株)製}を用いて測定した。また、上記フィルムの面状を評価した。
◎・・・ブリードアウトが生じている面積が0.1%以下
○・・・ブリードアウトが生じている面積が0.1〜0.5%
△・・・ブリードアウトが生じている面積が0.5〜1%
×・・・ブリードアウトが生じている面積が1%以上
実施例3および比較例2の結果を表2に示す。表2からわかるように、本発明の方法によれば面状故障の少ないフィルムを作製することができる。
Figure 2007326972
〔実施例4〕
(セルロースアシレートフィルム1の鹸化処理)
作製したセルロースアシレートフィルム1を、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルム1表面の鹸化処理を行った。
(セルロースアシレートフィルム2〜10、12、13、20)
セルロースアシレートフィルム1と同様にしてセルロースアシレートフィルム2〜10のセルロースアシレート表面をそれぞれ鹸化した。
〔偏光板1−1の作製〕
(偏光子の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1を偏光子の両側に貼り付けた。偏光子の吸収軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。このようにして偏光板1−1を作製した。
(偏光板2−1〜10−1、12−1、13−1、20−1の作製)
セルロースアシレートフィルム2〜10、12、13、20についても上記と同様にして偏光板2−1〜10−1、12−1、13−1、20−1を作製した。
〔実施例5]
(光学補償フィルム1の作製)
<セルロースアシレート溶液Cの調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Cを調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液Cの組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル化度2.80、重合度420のセルロースアセテート
100.0質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤) 6.0質量部
ビフェニルフォスフェート(可塑剤) 3.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<マット剤溶液Cの調製>
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Cを調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液Cの組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液 0.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<レターデーション発現剤C溶液の調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション発現剤溶液Cを調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レターデーション発現剤溶液Cの組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レターデーション発現剤 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 67.2質量部
メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
セルロースアシレート溶液C 12.8質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2007326972
上記マット剤溶液Cの1.3質量部とレターデーション発現剤溶液Cの6.0質量部をそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液Cを92.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、バンド流延機を用いて流延し、100℃で残留溶媒含量40%まで乾燥し、フィルムを剥ぎ取った。140℃の雰囲気温度で残留溶媒含量15%のフィルムをテンターを用いて延伸倍率25%で横延伸したのち、140℃で30秒間保持した。延伸開始時の残留溶媒含量は10%であった。その後、クリップを外して130℃で40分間乾燥させ、光学補償フィルム1を製造した。作製された光学補償フィルム1の残留溶媒量は0.1%であり、膜厚は82μmであった。また、WR KOBRAで測定した、Re(548)は55nm、Rth(548)は198nmであった。
〔実施例6〕
(セルロースアシレートフィルム1〜10、12、13、20、光学補償フィルム1の鹸化処理)
実施例4と同様にしてセルロースアシレートフィルム1〜10、12、13、20、光学補償フィルム1のセルロースアシレート表面をそれぞれ鹸化した。
<偏光板1−2の作製>
(偏光子の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1を偏光子の片側に貼り付けた。偏光子の吸収軸とセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。
さらに上記で鹸化処理した光学補償フィルム1を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に偏光子の吸収軸と光学補償フィルム1の遅相軸とが垂直になるように貼り付けた。このようにして偏光板1−2を作製した。
(偏光板2〜10、12、13、20の作製)
セルロースアシレートフィルム2〜10、12、13、20についても上記と同様にして偏光板2−2〜10−2を作製した。
〔実施例7〕
(液晶表示装置の作製)
VAモードの液晶セルに、図1における観察者側の偏光板101として偏光板1−1を、また、バックライト側の偏光板102には偏光板1−2を光学補償フィルム1が液晶セル側となるように、粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。このようにして液晶表示装置1を作製した。
さらに、上側偏光板、下側偏光板を下記表4の内容に変更して本発明の液晶表示装置1〜10、12、13、20を作製した。
Figure 2007326972
(液晶表示装置の評価)
本発明の液晶表示装置はいずれもコントラストが高く、視認性に優れていた。
本発明の液晶表示装置を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤を2種類以上含有し、該紫外線吸収剤の下記式(A)で表されるオクタノール/水分配係数(以下logP)の平均値(以下平均logP)とセルロースアシレートのアシル化度(DS)が下記式(B)の関係を満たすセルロースアシレートフィルム。
    Figure 2007326972
    (式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の有機基を表し、R、RおよびRの少なくとも1つは総炭素数4〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基を表し、R、RおよびRはそれぞれ互いに異なる。)
    Figure 2007326972
    5.0×DS−6.7≦平均logP≦5.0×DS−5.1 式(B)
  2. セルロースアシレートのアシル基がアセチル基であり、アセチル基置換度(DS)が2.83以上2.91以下である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. セルロースアシレートのアシル基がアセチル基及びプロピオニル基であり、アセチル基置換度とプロピオニル基置換度の和(DS)が2.60以上2.90以下である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 630nmにおける25℃60%RHのReが下記式(C)の範囲を満たし、25℃60%RHのRthが下記式(D)の範囲を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
    0nm≦Re≦20nm 式(C)
    30nm≦Rth≦60nm 式(D)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする光学補償シート。
  6. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする偏光板。
  7. 液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が請求項6に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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