JP6001647B2 - 熱可塑性材料から形成されたキャリパ本体 - Google Patents

熱可塑性材料から形成されたキャリパ本体 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性材料から形成されたキャリパ本体に関する。
特に、本発明は、自動車用のディスク・ブレーキ用のキャリパ本体、及びそのようなキャリパ本体を備えるディスク・ブレーキに関する。
一般に、ディスク・ブレーキにおいて、ブレーキ・キャリパは、ブレーキ・ディスクの外周縁にまたがって配置される。ブレーキ・キャリパは、通常は、2つの細長い要素(側部と呼ぶ)を有する本体を備え、側部は、ディスクの両側の制動面に面するように配置される。キャリパの各側部とブレーキ・ディスクの制動面との間に、摩擦パッドが提供される。キャリパの本体の側部の少なくとも一方は、ピストンを受け入れるのに適したシリンダを有し、ピストンは、任意の適切な既知の様式で作動され(例えば、油圧又は電気ピストン)、パッドに対して推進作用を及ぼし、パッドをディスクの制動面に当接させることができ、車両に対する制動作用を及ぼす。
ブレーキ・キャリパは、通常は、例えば車両のサスペンションの車軸ジャーナルなど、車両に固定されたサポート構造に固定接続される。
典型的な構成では、2つの側部の一方は、例えば軸方向に設けられたスロット又は小穴、或いは、例えば半径方向に設けられた貫通穴などを提供することによって支持構造に対するキャリパ本体の2つ以上の取付け部分を有し、これらは、キャリパの取付け用のねじを受け入れるのに適し、ねじの端部が、キャリパの支持部に設けられたねじ穴に受け入れられる。
そのような側部を、取付け側部と呼ぶ。
他方の側部を、非取付け側部と呼ぶ。
キャリパ本体の典型的な構成では、ディスクの制動面に面する側部は、ディスクにまたがって配置されたブリッジ要素(ブリッジと呼ぶ)によって互いに接続される。
一般に、キャリパ本体は、主にアルミニウムから形成される。
そのような材料は、応力に対する耐性、及び剛性の観点から満足の行くものであるが、アルミニウム・キャリパ本体は、重量が大きい。
よく知られているように、重量が大きいキャリパ本体は、それが適用される車両の性能及び制動効率を含めた様々な理由から、大きな欠点となる。
そのような欠点は、軽量化が重要であるレース用車両の場合、さらに悪いものとなる。
十分な剛性及び応力に対する耐性を実現することに加えて、さらに重量が小さいキャリパ本体を得るために、様々な解決策が研究されている。
例えば、英国特許出願公開第2087490号は、鋼製又はチタン製インサートを備えるアルミニウムから形成されたディスク・ブレーキ用のキャリパを開示する。
ドイツ特許出願公開第19647999号は、金属マトリックスを有する複合材料から形成された補強材を備えたアルミニウム・キャリパを開示する。
欧州特許第0725697号は、キャリパを製造するための方法であって、ブリッジとアームの外側部分との成形を提供し、鉄合金から形成されたインサートが使用される方法を開示する。
米国特許出願公開第2010/0038190号は、軽量金属又はその合金を用いて成形することによって得られるキャリパであって、鉄又はその合金から形成された構造を備えるキャリパを開示する。
前述した既知の解決策は、望ましい機械的強度及び剛性を実現するが、軽量化の観点で満足の行く利益を実現しない。
英国特許出願公開第2087490号 ドイツ特許出願公開第19647999号 欧州特許第0725697号 米国特許出願公開第2010/0038190号
したがって本発明の目的は、十分な軽量化、並びに高い機械的強度及び構造的剛性を実現するディスク・ブレーキ用のキャリパ本体を提供することである。
これら及びその他の目的は、ディスク・ブレーキ用のディスクにまたがって配置するのに適したディスク・ブレーキ用のキャリパ本体であって、取付け側部と、非取付け側部と、そのような側部を接続するのに適し、且つディスクにまたがって配置するのに適した少なくとも1つのブリッジとを有しており、また少なくとも200℃の温度に対する耐性を有する炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された少なくとも1つの部分を有しているキャリパ本体によって実現される。
本発明の文脈では、特定の温度に対する材料の耐性は、材料がそのような温度で適切な機械的特徴を維持することができることを示す。
本発明の文脈では、耐温度値は、ASTM D1525及びISO306によって定められているビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature)値である。
高い耐熱性を有する熱可塑性材料の存在により、高温でさえディスク・ブレーキの機械的な性質を保証することができる。
炭素繊維から形成された補強材料の存在が、材料に十分な剛性を与える。
前述した特徴の組合せは、効率的であり、応力及び高温に対する耐性があり、とりわけ軽量のキャリパ本体を実現する。
請求項1に記載の構成が、明らかな利点を伴って、機械的特徴は変えずに、キャリパ本体の寸法の縮小を実現する。
好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性材料は、少なくとも230℃の温度に対する耐性を有する。
有利には、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分が、取付け側部と非取付け側部の少なくとも一方、及び/又は少なくとも1つのブリッジに配置される。
好ましい実施例によれば、キャリパ本体は2つのブリッジを有し、各ブリッジがキャリパ本体の1つの長手方向端部に配置され、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分が、前記2つのブリッジと、前記非取付け側部とに配置される。
代替実施例によれば、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、キャリパ本体の外面に配置される。
この場合、金属から形成された部分を熱可塑性材料のプレス成形のための型として使用することによって、熱可塑性材料から形成される部分を金属から形成された部分の上に直接的に得ることができる。
これは、金属材料と熱可塑性材料との優れた接着性を得ることができるようにする。
有利には、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、キャリパと一体である。
この場合、キャリパの最適な剛性値を得ることができる。
或いは、熱可塑性材料から形成された部分は、好ましくは、取付け手段によって残りの部分に固定される。
代替実施例によれば、キャリパ本体全体が、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成される。
好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性材料は、少なくともキャリパの開いた方向で、70GPa以上の弾性率を有する。
より好ましくは、そのような値は、100GPa以上である。
有利には、熱可塑性材料の炭素繊維は連続繊維である。これは、所望の機械的強度を有するように、キャリパの幾何形状に対して適切に伸長及び配向させることができるという利点を提供する。
好ましくは、強化された熱可塑性材料の炭素繊維は配向繊維である。これは、望まれる方向、典型的には材料が最も応力を受ける方向での機械的特性を改良する。
好ましい実施例によれば、熱可塑性材料は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPS(硫化ポリパラフェニレン)、PA46(ポリアミド46)、PPA(ポリフタルアミド)から選択される1又は複数の材料を含む。
好ましくは、強化された熱可塑性材料の炭素繊維は、HT繊維(高靭性繊維)、IM繊維(中間弾性率繊維)、及びHM繊維(高弾性率繊維)から選択される1又は複数の材料を含む。
一実施例によれば、キャリパ本体は、非ポリマー部分が存在する場合には、その部分において、アルミニウム若しくはその合金、又はマグネシウム若しくはその合金から形成される。
また、本発明は、そのようなキャリパ本体を備えるディスク・ブレーキに関する。
本発明をより良く理解し、その利点を把握できるように、本発明のキャリパ本体のいくつかの非限定の例示的な実施例の説明を、添付図面を参照しながら本明細書で以下に述べる。
本発明の第1の実施例によるキャリパ本体の斜視図である。 本発明の第2の実施例によるキャリパ本体の斜視図である。 本発明の第3の実施例によるキャリパ本体の斜視図である。 本発明の第4の実施例によるキャリパ本体の斜視図である。
それらの図を参照すると、ディスク・ブレーキ用のディスクにまたがって配置するのに適したディスク・ブレーキ用のキャリパ本体が、参照番号1で全体を示されている。
ディスクは、第1の制動面と、第1の制動面とは反対側の第2の制動面とを画定する。
キャリパ本体1は、その一方の軸方向内面に、第1の制動面に面するのに適した取付け側部2を備える。また、取付け側部2は、キャリパ用の支持構造(bearing structure)に接続するのに適しており、例えば、キャリパ本体1の支持構造自体にキャリパ本体1の取付け手段を受け入れるのに適した貫通穴を画定する部分、例えば車両のサスペンションの車軸ジャーナルに接続するのに適している。
また、キャリパ本体1は、その一方の軸方向内面に、第2の制動面に面するのに適した非取付け側部3も備える。
すなわち、それら側部は、ディスクの両面に配置される。
取付け側部2と非取付け側部3とは、少なくとも1つのブリッジ4によって一体に接続され、ブリッジ4は、それらの側部を接続するのに適しており、また、ディスク・ブレーキが組み立てられた後にディスクにまたがって配置するのに適している。
取付け側部2と非取付け側部3とは、好ましくは、少なくとも1つのキャビティ5を設けられ、キャビティ5は、少なくとも1つのシリンダを収容するか、又は少なくとも1つのシリンダを形成する。各シリンダは、側部とディスクのそれぞれの制動面との間に配置又は収容された少なくとも1つのパッドに対して圧力を及ぼすように、ピストンを受け入れるのに適している。
そのようなシリンダは、油圧式、電気式、又は任意の他の既知の様式で動作させることができる。
パッドは、有利には、摩擦ライニングのためのサポート・プレートを備える。
本発明によれば、キャリパ本体1は、高い耐熱性、すなわち少なくとも200℃の温度に対する耐性を有する炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された少なくとも1つの部分を含む。
好ましくは、そのような材料は、少なくとも230℃の温度に対する耐性を有する。
より好ましくは、そのような材料は、少なくとも250℃に耐性がある。
前述したように、特定の温度に対する材料の耐性は、材料がそのような温度で適切な機械的特徴(feature)を維持することができることを示す。
すなわち、温度が上昇するとき、そのような特定の温度に達するまで、材料の機械的特徴は、室温でのその材料の特徴と比べて実質的に変化しないか、又は変化はするが、適用可能範囲からは出ない。
すなわち、変化は、機械的特徴が依然として適切であるようなものである。
そのような変化は可逆でもあり、すなわち、材料を室温まで冷却することによって、機械的特性が加熱前の値に戻る。
さらに、変化は、そのような材料を用いて形成された部分がそのような特定の温度まで塑性変形を受けないようなものである。
炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、少なくとも1つのブリッジ4に配置される。
或いは、又はさらに、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成されたそのような部分は、取付け側部2と非取付け側部3の少なくとも一方に配置されることがある。
図1〜図3に示される実施例によれば、キャリパ本体1は、2つのブリッジ4を備え、各ブリッジ4が、キャリパ本体1の1つの長手方向端部に配置され、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、そのようなブリッジ4の両方に配置される。
特に、図1に示される第1の実施例では、熱可塑性材料は、両方のブリッジ4と、非取付け側部3とに配置される。
他方、図2に示される第2の実施例では、そのような熱可塑性材料は、2つのブリッジ4にのみ配置される。
図3に示される第3の実施例では、キャリパ本体1全体が、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成される。
図4に示される第4の実施例では、キャリパ本体1は、3つのブリッジ4を備え、そのうちの2つは、キャリパ本体1の各長手方向端部に配置され、第3のブリッジは、最初の2つのブリッジの間の中間位置に配置される。
図4で見ることができるように、そのような実施例では、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、3つのブリッジ4それぞれと、両方の側部、すなわち取付け側部2及び非取付け側部3とに配置される。
図面に図示されていないさらなる実施例は、熱可塑性材料から形成された部分がキャリパ本体1の外側部分を構成することを企図する。すなわち、キャリパ本体1のベース構造が任意の既知の材料から形成され、熱可塑性材料が、ベース構造の外面に配置され、ベース構造を外側で被覆する。
キャリパ本体1の一部分のみが、繊維で強化された熱可塑性材料から形成される場合、キャリパ本体1の残りの部分は、好ましくはアルミニウム又はマグネシウムから形成される。
さらに、好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、キャリパと一体である。
この実施例は、金属から形成された部分を、繊維強化熱可塑性材料のプレス成形のための型(mould)として使用して、熱可塑性材料から形成される部分を金属から形成された部分に直接実施することによって得ることができる。
或いは炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された部分は、キャリパと一体でない場合には、側部取付け表面と非取付け表面を接合して保つねじによってキャリパ本体1の残りの部分に固定され、側部取付け表面と非取付け表面との間に、ブリッジが、ディスクにまたがって挿入される。
この場合、接触面の粗さを高めることができ、それにより、熱可塑性材料から形成された部分が、キャリパの残りの部分と常に接触され、接触面の相互摺動が生じない。
要約すると、強化熱可塑性材料から形成される部分は、アルミニウムから形成される部分と個別に形成され、組み立てられ、機械的に制約することができ、或いは、アルミニウムから形成される構成要素に直接形成して、表面間の接着を促進することができる。
繊維強化熱可塑性材料は、好ましくは、プレテンションされて、キャリパの構造に対して力を及ぼす。
そのような炭素繊維強化熱可塑性材料は、70GPa以上、好ましくは100GPa以上の弾性率を有する。そのような値は、好ましくは、ASTM D790及びASTM F606規格に従った曲げ試験及び牽引試験を用いて測定される。
好ましい実施例によれば、熱可塑性材料は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPS(硫化ポリパラフェニレン)、PA46(ポリアミド46)、PPA(ポリフタルアミド)から選択される1つ又は複数の材料を含む。
好ましくは、熱可塑性材料の炭素繊維は、連続繊維及び/又は配向繊維である。
配向繊維の場合、ポリマー材料が、異方性特性を得る。
特に、繊維は、ディスクの外面に垂直な方向で高い機械的強度のキャリパ本体特性を提供するように配向される。そのような表面に位置されたキャリパの領域は、制動中に最も応力を受ける領域であり、ディスクの外面に垂直な方向で応力を受ける。
さらに、繊維は、制動中にブレーキ・キャリパに作用するねじり力にも高い耐性を提供するように配向される。
強化された熱可塑性材料の前記炭素繊維は、HT繊維(高靭性繊維)、IM繊維(中間弾性率繊維)、及びHM繊維(高弾性率繊維)から選択される1つ又は複数の材料を含む。
次に、限定ではなく例示の目的で、本発明によるキャリパ本体1のいくつかの実例を述べる。
「実例1」
キャリパ本体1を、2つのブリッジ4と、非取付け側部3とにおいて、IM7繊維(55体積%)で強化したPEI(ポリエーテルイミド)から形成された部分を備えるアルミニウムから形成した。
そのようなキャリパ本体1は、アルミニウムから形成される部分においては、金属材料を形成するための既知の処置に従って形成し、繊維強化熱可塑性材料から形成される部分、すなわちIM7繊維で強化されたPEIから形成される部分においては、連続繊維及び/又は配向繊維で強化された熱可塑材を形成するための既知の処置に従って形成した。
特に、熱可塑性部分に関しては、キャリパの閉止方向に80%で配向された繊維を有するレイアップを選択して、動作方向で最大の剛化寄与を与えた。この場合、材料は、そのような閉止方向に沿って、200℃の温度まで約120GPaの弾性率を有する。
温度に伴う熱可塑性材料の特性の傾向を示すグラフを以下に示す。特に、このグラフは、温度に伴う弾性率の推移を示す。
このグラフから分かるように、使用される材料の弾性率は、約200℃まで実質的に一定である。
約215℃で、弾性率は約70GPaであり、すなわち、機械的強度の特性は依然として本出願に関する許容範囲内である。
この実例で使用した繊維強化ポリマー材料は、約1.55g/cmの密度を有し、アルミニウムの密度は、約2.7g/cmである。したがって、ポリマー材料から形成される部分の大きさが増加すればするほど、体積を同じとして、キャリパ本体がより軽量になる。
「実例2」
キャリパ本体1を、2つのブリッジ4のみにおいて、IM7繊維(55体積%)で強化したPEIから形成された部分を備えるアルミニウムから形成した。
キャリパ本体は、実例1と同じ処置に従って形成した。
「実例3」
キャリパ本体1を、IM7繊維(55体積%)で強化したPEIから形成された外側ケーシングを備えるアルミニウムから形成した。
アルミニウムから形成される本体を、繊維強化熱可塑性材料から形成される部分の成形のためのベースとして、又は熱可塑性材料のプレス成形のための型として使用した。
アルミニウムと熱可塑材との接触面は、相互摺動が生じないことを保証するように形成した。
「実例4」
キャリパ本体1を、IM7繊維(55体積%)で強化したPEIから完全に形成した。
キャリパ本体は、ポリマー部分に関して、実例1で使用した処置に完全に従って形成した。
「実例5」(比較例)
キャリパ本体1を、当技術分野で知られている処置に従って、完全にアルミニウムから形成した。
上記の5つの実例で述べた各キャリパ本体1を、それらの性能をチェックするためにダイノテストを行った。そのようなテストは、鋼ディスクを用いた適用例(アプリケーション)と、炭素材料から形成されたディスク(CCM)を用いた適用例との両方で行った。
特に、テストは、以下の2つの条件で行った。
1.鋼ディスク
ディスク寸法=328×32mm
P4 38/42タイプのキャリパ
車両慣性=31kg・m
2.CCM(繊維で強化されたカーボンセラミック材料)から形成されたディスク
ディスク寸法=380×34mm
M6−30/34/38タイプのキャリパ
車両慣性=60kg・m
「結果」
実例1、2、3、及び4のキャリパ本体1は、両方の適用例で、実例5のキャリパ本体1よりも少なくとも20%高い剛性を示した。
また、実例3のキャリパ、すなわち、繊維強化熱可塑性材料から形成された全体ケーシングを有するキャリパは、油圧システムに向かうはるかに低い流量で生成される温度の低下を取り扱うという大きな改良も示した。
より良い結果は、実例4のキャリパ本体1で得られた。実例4のキャリパ本体1は、実例5のキャリパ本体1に比べて、40〜50%程度の軽量化と共に、40%の剛性増加を示した。
また、本発明は、前述したようなキャリパ本体1を備えるディスク・ブレーキに関する。
上記の説明及び添付の特許請求の範囲において、量、パラメータ、パーセンテージなどを示す数値はすべて、特に指示がない限り、すべての状況で、用語「約」が前に付いているものとみなすべきである。さらに、数値の範囲はすべて、最大の数値と最小の数値とのすべての可能な組合せ、及び本文に具体的に示した範囲を含む。
当然、当業者は、生じ得る特定の要件を満たすために、本発明によるキャリパ本体にさらなる修正及び変形を施すことができ、いずれにせよそれらすべてが本発明の範囲内にある。

Claims (14)

  1. ディスク・ブレーキ用のディスクにまたがって配置するのに適したディスク・ブレーキ用のキャリパ本体(1)であって、
    前記ディスクの第1の制動面に面するのに適し、且つキャリパ支持構造に接続するのに適した取付け側部(2)と、
    前記ディスクの第2の制動面に面するのに適した非取付け側部(3)と、
    それら側部を接続するのに適し、且つ前記ディスクにまたがって配置するのに適した少なくとも1つのブリッジ(4)と
    を有するキャリパ本体(1)において、
    前記キャリパ本体(1)が、少なくとも200℃の温度まで機械的特徴を維持することができる熱的耐性を有する炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された少なくとも1つの部分を有し、前記炭素繊維強化熱可塑性材料が、前記キャリパ本体(1)の外側部分に配置され、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、前記取付け側部(2)と前記非取付け側部(3)の少なくとも一方に配置されているキャリパ本体(1)。
  2. 前記熱可塑性材料が少なくとも230℃の温度に対する耐性を有している請求項1に記載のキャリパ本体(1)。
  3. 炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、少なくとも1つのブリッジ(4)に配置される請求項1又は2に記載のキャリパ本体(1)。
  4. 前記キャリパ本体(1)が2つのブリッジ(4)を有し、各ブリッジ(4)が前記キャリパ本体(1)の長手方向端部に配置され、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、前記2つのブリッジ(4)と、前記非取付け側部(3)とに配置される請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  5. 前記キャリパ本体(1)が3つのブリッジ(4)を有し、炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、前記3つのブリッジ(4)と、前記取付け側部(2)と、前記非取付け側部(3)とに配置される請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  6. 炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、前記キャリパと一体である請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  7. 炭素繊維強化熱可塑性材料から形成された前記部分が、取付け手段によって前記キャリパに接続される請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  8. 炭素繊維強化前記熱可塑性材料が、70GPa以上の弾性率を有している請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  9. 前記熱可塑性材料の炭素繊維が連続繊維である請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  10. 前記強化熱可塑性材料の炭素繊維が配向繊維である請求項1からまでのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  11. 前記熱可塑性材料が、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルスルホン)、PPS(硫化ポリパラフェニレン)、PA46(ポリアミド46)、PPA(ポリフタルアミド)から選択される1又は複数の材料を含む請求項1から10までのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  12. 前記強化熱可塑性材料の炭素繊維が、HT繊維(高靭性繊維)、IM繊維(中間弾性率繊維)、及びHM繊維(高弾性率繊維)から選択される1又は複数の材料を含む請求項1から11までのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  13. アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、又はマグネシウム合金から形成された部分を有している請求項1から12までのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項に記載のキャリパ本体(1)を有するディスク・ブレーキ。
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