JP2023089761A - バックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッド - Google Patents

バックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッド Download PDF

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Abstract

【課題】強度を維持しつつ、軽量化し、かつ、鳴きの発生を抑制するバックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッドを提供する。【解決手段】一方の面に摩擦材30が固着される、ディスクブレーキパッド用のバックプレート100であって、前記摩擦材30が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部60を備えるバックプレート。前記摩擦材30が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部60を備えるバックプレート100を備えるディスクブレーキパッド。【選択図】図1

Description

本発明は、バックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッドに関する。
近年、自動車の環境対応化及び低燃費化の進行に伴い、自動車の各部品の軽量化が検討及び実施されている。通常、自動車における原材料の構成は、金属材が半分以上を占めているが、車体の軽量化のため、その使用量は年々低下傾向にある。また、車体の軽量化にあたっては、近年、素材としてアルミニウム(アルミニウム合金又はアルミニウム複合材)又は樹脂の使用が増加傾向にある。このような軽量化への動きの中、車両においては、ボディ、フレームのみならず、車両を構成する各要素に対しても軽量化の要求が大きくなってきている。
このような車体軽量化の要求は、車両の制動に用いられるブレーキシステムの構成要素の一つであるディスクブレーキパッドにおいても同様に大きくなってきている。従来、ディスクブレーキパッドには鋼製の板材からなるバックプレートが用いられているが、近年では軽量素材であるアルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等を主原料とするバックプレートが提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2000-46078号公報 特開2013-60974号公報 特開2015-135177号公報
しかしながら、アルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等の軽量素材は、鋼材と比較して強度に劣る傾向にあり、鋼材は、アルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等の軽量素材と比較して軽量化が難しいという課題があった。したがって、強度を維持しつつ、更に軽量化されたバックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッドの実現が望まれていた。
また、バックプレートに固着される摩擦材が、車両のブレーキ操作時に、車両の車輪とともに回転するディスクロータに対して摩擦接触するため、摩擦による振動で鳴きが生じるという課題があった。
本発明は、上記課題の存在に鑑みてなされたものであり、強度を維持しつつ、軽量化し、かつ、鳴きの発生を抑制するバックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッドを提供することを課題とする。
本発明者らは、以下の構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、下記[1]~[9]に関する。
[1] 一方の面に摩擦材が固着される、ディスクブレーキパッド用のバックプレートであって、前記摩擦材が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部を備えるバックプレート。
[2] バックプレートの長手方向に沿う状態で又はバックプレートの長手方向に対して傾斜した状態で1条以上の前記厚肉部を配置する、上記[1]に記載のディスクブレーキパッド。
[3] 前記厚肉部の長手方向の長さが、バックプレートの長手方向の長さの1/3以上である、上記[2]に記載のディスクブレーキパッド。
[4] 連続的又は断続的に前記厚肉部を配置する、上記[1]~[3]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[5] 前記バックプレートの上部と下部のそれぞれに前記厚肉部を備える、上記[1]~[4]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[6] 前記バックプレートが貫通孔を備え、前記貫通孔の周囲が厚肉化された環状厚肉部を備える、上記[1]~[4]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[7] 前記バックプレートの摩擦材が固着される面の中央部に、円形状又は多角形状を有する中央厚肉部を備える、[1]~[6]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[8] 前記摩擦材が固着される面と反対の面に、段差を有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[9] 上記[1]~[8]のいずれかに記載のバックプレートを備える、ディスクブレーキパッド。
本発明によれば、強度を維持しつつ、軽量化し、かつ、鳴きの発生を抑制するバックプレート及び該バックプレートを備えるディスクブレーキパッドが提供される。
第一の実施形態に係るバックプレートを例示する外観正面図であり、取付け時において車輪側を向く面を示している。 第一の実施形態に係るバックプレートを例示する外観底面図であり、図中の分図(a)は、摩擦材を取付ける前のバックプレートを例示する外観概略底面図であり、図中の分図(b)は、摩擦材を固着したバックプレートを例示する外観概略底面図である。 第一の実施形態に係るバックプレートがトルク受部材に取り付けられた状態を例示する外観背面図であり、ブレーキ操作時に、バックプレートを押圧する押圧部材により押圧される押圧面を示している。 変形例に係るバックプレートを例示する外観底面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観正面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観正面図である。 第二の実施形態に係るバックプレートを例示する外観正面図である。 第三の実施形態に係るバックプレートを例示する外観正面図である。 第四の実施形態に係るバックプレートを例示する外観正面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須なものではない。
数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
なお、本明細書中、「略」とは、特に記載がない限り、同一性を失わない程度の差や変形を含む概念をいう。本明細書中、「反X部」とは、X部とは反対側に位置することをいう。
第一の実施形態に係るバックプレート100について、図1乃至図3を用いて説明する。図1は、第一の実施形態に係るバックプレートを例示する外観正面図であり、取付け時において車輪側を向く面を示している。図2は、第一の実施形態に係るバックプレートを例示する外観底面図であり、図2中の分図(a)は、摩擦材を取付ける前のバックプレートを例示する外観概略底面図であり、図2中の分図(b)は、摩擦材を固着したバックプレートを例示する外観概略底面図である。図3は、第一の実施形態に係るバックプレートがトルク受部材に取り付けられた状態を例示する外観背面図であり、ブレーキ操作時に、バックプレートを押圧する押圧部材により押圧される押圧面を示している。
[第一の実施形態に係るバックプレート100]
図1乃至図3に示すように、第一の実施形態に係るバックプレート100は、一方の面に摩擦材30が固着される、ディスクブレーキパッド用のバックプレート100であって、摩擦材30が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部60を備えて構成される。
図3に示すように、本実施形態に係るバックプレート100は、ブレーキ操作時に、バックプレート100を押圧する押圧部材(不図示)により押圧されるバックプレート100に固着され、不図示の車両の車輪とともに回転するディスクロータ40に対して摩擦接触して、発生した摩擦力により、ディスクロータ40と結合されて一体回転する車輪(不図示)の回転を制動する。摩擦材30は、図2中の分図(b)に示すように、後述するバックプレート100の耳部13を除く部分と固着されていればよく、摩擦材30の形状は、後述するバックプレート100のバックプレート本体部11と略同一形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。摩擦材30とバックプレート100との固着方法は、特に限定されず、例えば、公知の接着剤を使用して固着することができる。
摩擦材30としては、特に制限されるものではなく、公知の摩擦材を使用することができる。例えば、結合材、有機充填材、無機充填材及び繊維基材を含有する摩擦材組成物から形成された摩擦材が好ましい一態様である。摩擦材30は、例えば、摩擦材組成物又は摩擦材組成物の予備成形体をバックプレート100と重ね合わせて熱圧成形し、次いで加熱処理して結合材である熱硬化性樹脂を硬化させることで形成できる。また、摩擦材30は、上張り材と下張り材の2種類の摩擦材組成物を組み合わせて構成してもよい。このとき、バックプレート100上に下張り材を介して上張り材が摩擦摺動面に位置するように設けられた形態を有することができる。前記摩擦材30が上張り材となり、また、前記下張り材は主に剪断強度及び耐クラック性等に優れる層として機能し、公知の下張り材を使用することができる。
摩擦材30の厚みは、図2中の分図(b)に示すように、一定でなくてもよいが、一定であってもよい。摩擦材30の厚みは、特に限定されないが、例えば、4mm以上15mm以下とすることができ、6mm以上15mm以下とすることができ、7mm以上13mm以下とすることができる。
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係るバックプレート100は、バックプレート本体部11と、バックプレート本体部11の両側に配置される一対の耳部13,13と、摩擦材30が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された1条の厚肉部60と、を備えることとすることができる。
本実施形態に係るバックプレート100は、バックプレート本体部11と一対の耳部13,13とを一体成形することができる。バックプレート本体部11と一対の耳部13,13とが一体成形されることにより、耐久性が向上する傾向にある。バックプレート本体部11と一対の耳部13,13とは同じ材質で構成されていてもよいし、異なる材質で構成されてもよい。
バックプレート本体部11及び耳部13の板厚方向の厚みは、バックプレートに使用される材料の比重等に応じて適宜変更可能であり、特に限定されないが、例えば、いずれも2mm以上15mm以下とすることができ、3mm以上11mm以下とすることができ、4mm以上10mm以下とすることができる。本実施形態に係るバックプレート100は、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部60を備えているため、バックプレート本体部11及び耳部13の厚さを薄くすることにより軽量化しても、強度を維持できる。バックプレート本体部11と耳部13の板厚方向の厚みは、略同一であってもよく、異なっていてもよい。また、図4に示すように、バックプレート100Aは、摩擦材30が固着される面と反対側に段差19を有していてもよい。すなわち、バックプレート本体部11の摩擦材30が固着される面とは反対側の面は、厚み差を有して構成されていてもよい。段差19は、図4に示すように、摩擦材30が固着される面とは反対側のバックプレート本体部11の両側部よりも厚みが小さい部分とすることができる。このような構成により、バックプレート100Aをより軽量化することができる。また、バックプレート本体部11の摩擦材30が固着される面とは反対側の面が、摩擦材30が固着される面と同様の厚肉部を有していてもよい。
バックプレート本体部11の板厚方向の厚みの測定位置は、厚肉部60が形成されている部分にかぶらないように、取付け時において車輪側を向く面から見て(図1の紙面上において)、バックプレート本体部11の中央部、右下部、及び左上部の3点を測定し、その平均値をバックプレート本体部11の板厚方向の厚みとすることができる。この時、バックプレート本体部11に追加工として刻印、穴加工もしくはスリット加工及びそれらに準ずる加工が施されている場合、厚肉部60が形成されている部分にかぶらない位置であって、該追加工から2mm以上離れた位置で測定を行うことが好ましい。なお、バックプレート本体部11の摩擦材30が固着される面とは反対側の面が、段差19等の厚み差を有している場合には、バックプレート本体部11の板厚方向の厚みが最も薄い部分の厚みをバックプレート本体部11の板厚方向の厚みとする。
図1及び図3に示すように、本実施形態に係るバックプレート本体部11は、面取り加工が施された略矩形形状を有しているが、バックプレート本体部11の形状はこれに限定されず、面取り加工が施されない略矩形形状を有していてもよい。また、バックプレート本体部11には、例えば、ディスクロータ40からのトルクを受けにくい箇所に軽量化のための軽量化穴を設けたり、刻印したりしてもよい。
図1乃至図3に示すように、一対の耳部13,13は、バックプレート本体部11のディスクロータ周方向の両側に突出して配置される耳状の部分である。図3に示すように、一対の耳部13,13は、ブレーキ操作時に、不図示の押圧部材によりバックプレート100が押圧されて生じる摩擦力の反力として作用するディスクロータ40からのトルクを受けるトルク受部材50に保持される。本実施形態に係る一対の耳部13,13は、ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部11の両側部の略中央に配置されているが、耳部13の配置位置は、特に限定されない。なお、「ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部11の両側部の略中央」とは、ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部11の両側部の長さの1/3~2/3の位置のことをいう。トルク受部材50は、耳部13を保持する耳部保持部51が、耳部13に対応する形状を有していると、バックプレート100のトルク受部材50への設置が容易になる。
図1及び図3に示すように、耳部13は、バックプレート本体部11に隣接して曲線形状を有して接続する付根部15を備えることとすることができる。より詳しくは、曲線形状を有する付根部15(15A,15B)において、バックプレート本体部11側で曲線形状が終了する部分である付根部端部とバックプレート本体部11の端部とが接続するように構成することができる。耳部13が曲線形状を有する付根部15(15A,15B)を介してバックプレート本体部11と接続されることにより、バックプレート本体部11と耳部13との接続部分の耐久性をより向上させることができる。本実施形態に係る付根部15は、ディスクロータ外周側の付根部15A(以下、単に外周側の付根部15Aともいう)と、ディスクロータ内周側の付根部15B(以下、単に内周側の付根部15Bともいう)とからなるが、ディスクロータ外周側の付根部15Aのみを有して構成されていてもよいし、ディスクロータ内周側の付根部15Bのみを有して構成されていてもよいし、付根部15を有していなくてもよい。
図1及び図2に示すように、厚肉部60は、摩擦材30が固着された面に、摩擦材方向に厚肉化されたと見なすことができる部分であり、図2に示すように、バックプレート本体部11及び耳部13を含まない。換言すれば、厚肉部60は、バックプレート本体部11又は耳部13よりも厚みが厚い部分をいう。本実施形態に係るバックプレート100は、厚肉部60を有することにより、強度を維持しつつ、軽量化し、かつ、鳴きの発生を抑制することができる。バックプレート100が厚肉部60を有することにより、バックプレート100の固有振動数のピーク値が、バックプレート100に固着される摩擦材30と接するディスクロータ40の固有振動数のピーク値や、バックプレート100を押圧する押圧部材(不図示)を備えるキャリパ(不図示)の固有振動数のピーク値と差を有することとなり、鳴きの発生を抑制することができる。ただ単にバックプレート100の厚みを小さくして軽量化した場合、強度が劣るだけではなく、バックプレート100の固有振動数のピーク値が小さくなり、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値との差が小さくなり、鳴きが発生しやすい傾向がある。バックプレート100が厚肉部60を有することにより、バックプレート100の固有振動数のピーク値を、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値よりも大きくすることができ、それぞれの固有振動数のピーク値が差を有するため、鳴きの発生を抑制することができる。
図1に示すように、本実施形態に係る厚肉部60は、バックプレート100の長手方向(ディスクロータ周方向)に沿う状態で、ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部11の略中央に、一対の耳部13,13のディスクロータ径方向における長さの中間地点を結ぶセンターラインCLを基準として、センターラインCLよりもディスクロータ外周側であるバックプレート100の上部と、センターラインCLよりもディスクロータ内周側であるバックプレート100の下部とにまたがって、略矩形状を有し、1条配置されているが、その配置位置や形状、数は特に限定されない。例えば、厚肉部60は、楕円形状を有していてもよいし、多角形状を有していてもよい。
例えば、図5に示すように、厚肉部60は、バックプレート100Bの長手方向(ディスクロータ周方向)に対して傾斜した状態で配置されてもよい。なお、バックプレート100Bの長手方向(ディスクロータ周方向)に対する傾斜の方向や角度は特に限定されない。また、例えば、図6に示すように、厚肉部60は、バックプレート100Cの長手方向(ディスクロータ周方向)に沿う状態で断続的に配置されていてもよい。また、例えば、バックプレートの長手方向(ディスクロータ周方向)に対して傾斜した状態で配置された厚肉部60(図5参照)が、断続的に配置されていてもよい。
厚肉部60の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さは、特に限定されないが、バックプレート100の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さ、すなわち、一対の耳部13,13においてバックプレート本体部11とは反対側に位置する一対の反バックプレート本体部側部17,17間の距離の1/3以上とすることができ、1/2以上とすることができる。このような構成により、強度を維持しつつ、軽量化しやすい。なお、厚肉部60が断続的に配置されている変形例に係るバックプレート100Bのような場合、厚肉部60の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さは、断続的に配置されている複数の厚肉部60の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さの合計を意味する。
厚肉部60のディスクロータ径方向の長さは、特に限定されないが、バックプレート100のディスクロータ径方向の最大長さの1/10以上とすることができ、1/8以上とすることができ、1/5以上とすることができる。このような構成により、強度を維持しつつ、軽量化しやすい。
厚肉部60は、特に限定されないが、バックプレート本体部11及び一対の耳部13,13とともに一体成形することにより厚肉化されて形成されてもよいし、バックプレート本体部11及び耳部13に厚肉部60を接着等することにより厚肉化されて形成されてもよいし、バックプレート100において厚肉部60以外の部分に切削加工等を施すことにより形成されてもよい。
厚肉部60の板厚方向の厚みは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。厚肉部60の板厚方向の厚みは、特に限定されないが、摩擦材30の厚みと同等か、それ以下とすることができる。厚肉部60の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上5.0mm以下とすることができ、0.5mm以上4.0mm以下とすることができ、1.0mm以上3.0mm以下とすることができる。
バックプレート100の材質(バックプレート本体部11、耳部13及び厚肉部60それぞれの材質のことであり、以下同様。)については、特に限定されないが、鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、樹脂、又はこれらのうちの少なくとも2種以上からなる複合材料を用いることができる。また、バックプレート100には、例えば、表面塗装を施す場合の表面塗装の密着性向上と耐食性向上のために、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ジルコニウム処理、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、ベーマイト処理、アルマイト処理、シランカップリング処理、電解ニッケルめっき処理、無電解ニッケルめっき処理、ジオメット処理等を好適に実施することができる。
バックプレート100の素材としては、例えば、Cu成分が1%以下であるアルミニウム合金又は該アルミニウム合金を用いたアルミニウム複合材料を用いることができる。アルミニウム合金中のCu成分の比率を1%以下にすることで、耐腐食性が良好となる傾向にある。
また、バックプレート100の素材としては、例えば、Cu成分が1%以下であり、かつ、Mg成分が3%以下であり、高力アルミニウム合金に属さないいずれかのアルミニウム合金又は該アルミニウム合金を用いたアルミニウム複合材料を用いることができる。上記素材を用いることにより、応力腐食割れの発生を回避し易い傾向にある。ここで、応力腐食割れとは、結晶粒界に腐食が発生した粒界腐食先端部に応力が発生することで結晶粒界に沿って亀裂が生じることをいう。アルミニウム合金中のMg成分を3%以下とすることで、結晶粒界内にAl-Mg合金が析出することを効果的に抑制でき、粒界腐食が発生し難くなる傾向がある。また、低強度であるほど亀裂の進行による割れが発生し難い傾向がある。そのため、バックプレート100の材質としては、耐応力腐食割れ性を有する上記合金を好適に用いることができる。
バックプレート100の素材として、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材料の展伸材を用いる場合、特に限定されないが、ディスクロータ20からのトルク及び押圧部材の押圧力に対する強度の観点から、2000系(Al-Cu系)、4000系(Al-Si系)、5000系(Al-Mg系)、6000系(Al-Mg-Si系)、7000系(Al-Zn-Mn系)等のアルミニウム合金を好適に用いることできる。
バックプレート100の材質として、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材料の展伸材を用いる場合、特に限定されないが、100℃及び250℃の高温環境においても材料強度、耐力の低下が少ない材料であることが好ましい。これは、制動中のバックプレート100の温度上昇で材料強度が低下しないことが望まれるためであり、高温環境での材料強度低下の小さいアルミニウム合金としては、例えば、A5454が挙げられる。
前記アルミニウム複合材料は、前記アルミニウム合金中にセラミックス粒子を分散させるか、セラミックスの多孔質成形体に前記アルミニウム合金を含浸させることで製造することにより、前記アルミニウム合金に比してヤング率が高くなるため、バックプレート30の素材として用いると、より剛性を高くすることができる。前記セラミックスとしては、例えば、Al、TiO、SiO、ZrO等の酸化物系セラミックス、SiC、TiC等の炭化物系セラミックス、TiN等の窒化物系セラミックスを用いることができる。
以上、第一の実施形態に係るバックプレート100について説明した。次に、図7を用いて、第二の実施形態に係るバックプレート110について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
[第二の実施形態に係るバックプレート110]
図7に示すように、第二の実施形態に係るバックプレート110は、バックプレート本体部11と、バックプレート本体部11の両側に配置される一対の耳部13,13と、摩擦材30が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された2条の厚肉部60と、を備えることとすることができる。
第二の実施形態に係るバックプレート110は、摩擦材30が固着される面において、バックプレート110の上部と下部のそれぞれに、摩擦材方向に厚肉化され、略矩形状を有する1条の厚肉部60を備えることとすることができる。より詳しくは、上述したように、一対の耳部13,13のディスクロータ径方向における長さの中間地点を結ぶセンターラインCLを基準として、バックプレート110の上部と下部のそれぞれに、1条ずつ厚肉部60を備えることとすることができる。このような構成により、強度を維持しつつ、軽量化しやすく、より鳴きの発生を抑制することができる。より詳しくは、本実施形態に係る厚肉部60を有することにより、上述したように、バックプレート110の固有振動数のピーク値が、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値とより大きな差を有するようになるため、鳴きの発生をより抑制することができる。
厚肉部60のディスクロータ径方向の長さは、特に限定されないが、上述したように、バックプレート110のディスクロータ径方向の最大長さの1/10以上とすることができ、1/8以上とすることができ、1/5以上とすることができる。本実施形態に係るバックプレート110のように、ディスクロータ径方向において複数の厚肉部60を有する場合、厚肉部60のディスクロータ径方向の長さは、複数の厚肉部60のディスクロータ径方向の長さの合計を意味する。
厚肉部60の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さは、特に限定されないが、上述した実施形態と同様に、バックプレート110の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さ、すなわち、一対の耳部13,13においてバックプレート本体部11とは反対側に位置する一対の反バックプレート本体部側部17,17間の距離の1/3以上とすることができ、1/2以上とすることができる。このような構成により、強度を維持しつつ、軽量化しやすい。
以上、第二の実施形態に係るバックプレート110について説明した。次に、図8を用いて、第三の実施形態に係るバックプレート120について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
[第三の実施形態に係るバックプレート120]
図8に示すように、第三の実施形態に係るバックプレート120は、バックプレート本体部11と、バックプレート本体部11の両側に配置される一対の耳部13,13と、2条の略矩形状を有する厚肉部60,60とを備え、更に、バックプレート120が貫通孔21を備え、貫通孔の周囲が厚肉化された環状厚肉部61とを備えることとすることができる。
本実施形態に係るバックプレート120は、バックプレート120の正面視において左右対称に2つの貫通孔21,21を備えて構成されているが、その配置位置や数は特に限定されず、1つの貫通孔21を有していてもよいし、3つ以上の貫通孔21を有していてもよい。
本実施形態に係るバックプレート120は、厚肉部60として、ディスクロータ径方向に2条配置される略矩形状の厚肉部60,60と、貫通孔21の周囲が厚肉化された環状厚肉部61とを備えることとすることができる。このような構成により、強度をより維持しつつ、より軽量化し、かつ、鳴きの発生をより抑制しやすい。上述した場合と同様に、ただ単にバックプレート120に貫通孔21を設けて軽量化した場合、強度が劣るだけではなく、バックプレート120の固有振動数のピーク値が小さくなり、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値との差が小さくなり、鳴きが発生しやすい傾向がある。バックプレート120が厚肉部60(61)を有することにより、強度を維持しつつ、軽量化でき、また、バックプレート120の固有振動数のピーク値を、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値よりも大きくすることができ、それぞれの固有振動数のピーク値が差を有するため、その結果として、鳴きの発生を抑制することができる。
環状厚肉部61は、貫通孔21の周囲を厚肉化するものであればよく、図8に示すように、連続的に配置されてもよいし、バックプレート120の強度を維持できる範囲内で断続的に配置されてもよい。
本実施形態に係る厚肉部60のディスクロータ径方向の長さは、特に限定されないが、上述したように、バックプレート120のディスクロータ径方向の最大長さの1/10以上とすることができ、1/8以上とすることができ、1/5以上とすることができる。本実施形態に係るバックプレート120のように、ディスクロータ径方向において複数の厚肉部60(61)を有する場合、厚肉部60(61)のディスクロータ径方向の長さは、複数の厚肉部60(61)の、バックプレート120のディスクロータ径方向の長さ又は直径の合計を意味する。
本実施形態に係るバックプレート120のように、複数の厚肉部60(61)を有する場合、複数の厚肉部60(61)の中で最大の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さを有する厚肉部60(61)の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さが、特に限定されないが、上述した実施形態と同様に、バックプレート120の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さ、すなわち、一対の耳部13,13においてバックプレート本体部11とは反対側に位置する一対の反バックプレート本体部側部17,17間の距離の1/3以上とすることができ、1/2以上とすることができる。このような構成により、強度を維持しつつ、軽量化しやすい。
以上、第三の実施形態に係るバックプレート120について説明した。次に、図9を用いて、第四の実施形態に係るバックプレート130について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
[第四の実施形態に係るバックプレート130]
図9に示すように、第四の実施形態に係るバックプレート130は、バックプレート本体部11と、バックプレート本体部11の両側に配置される一対の耳部13,13と、厚肉部60として、摩擦材30が固着される面の中央部に、摩擦材方向に厚肉化された円形状の中央厚肉部63と、を備えることとすることができる。
本実施形態に係る厚肉部60としての中央厚肉部63は、摩擦材30が固着される面の中央部に、円形状又は多角形状を有して構成される部分である。多角形状としては、特に制限されるものではないが、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状が挙げられる。バックプレート130が、厚肉部60として中央厚肉部63を備えることにより、強度を維持しつつ、軽量化しやすく、鳴きの発生を抑制しやすい。より詳しくは、バックプレート130が厚肉部60(63)を有することにより、上述したように、バックプレート130の固有振動数のピーク値が、ディスクロータ40の固有振動数のピーク値や不図示のキャリパの固有振動数のピーク値と大きな差を有するようになるため、鳴きの発生を抑制しやすい。中央厚肉部63は、特に限定されないが、バックプレート本体部11とともに一体成形することにより形成されてもよいし、バックプレート本体部11に中央厚肉部63を接着等することにより形成されてもよいし、バックプレート100において中央厚肉部63以外の部分に切削加工等を施すことにより形成されてもよい。
本実施形態に係る厚肉部60としての中央厚肉部63の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さは、特に限定されないが、上述したように、1/3以上とすることができる。また、本実施形態に係る厚肉部60としての中央厚肉部63のディスクロータ径方向の長さは、特に限定されないが、上述したように、バックプレート130のディスクロータ径方向の最大長さの1/10以上とすることができ、1/8以上とすることができ、1/5以上とすることができる。本実施形態に係るバックプレート130のように、厚肉部60としての中央厚肉部63が円形状を有する場合には、厚肉部60(63)の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さ及び厚肉部60(63)のディスクロータ径方向の長さは、円形状を有する、厚肉部60としての中央厚肉部63の直径を意味する。なお、厚肉部60としての中央厚肉部が多角形状を有する場合、中央厚肉部の長手方向(ディスクロータ周方向)の長さ及びディスクロータ径方向の長さは、それぞれ、中央厚肉部の長手方向(ディスクロータ周方向)の最大の長さ及びディスクロータ径方向の最大の長さを意味する。
以上、本実施形態に係るバックプレートについて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載された範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
上述した実施形態では、厚肉部60が1条又は2条配置されているが、3条以上配置されてもよく、複数条配置される厚肉部60が、ディスクロータ径方向に等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。
また、上述したバックプレート100Cでは、断続的に配置される厚肉部60が、1箇所途切れて構成されているが、途切れる箇所の数は特に限定されず、2箇所以上途切れて構成されていてもよい。
上記の様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100(100A,100B,100C),110,120,130:バックプレート、
11:バックプレート本体部、13:耳部、15(15A,15B):付根部、17:反バックプレート本体部側部、19:段差、21:貫通孔、
30:摩擦材、
40:ディスクロータ、
50:トルク受部材、51:耳部保持部、
60:厚肉部、61:環状厚肉部、63:中央厚肉部、
CL:センターライン

Claims (9)

  1. 一方の面に摩擦材が固着される、ディスクブレーキパッド用のバックプレートであって、
    前記摩擦材が固着される面に、摩擦材方向に厚肉化された厚肉部を備えるバックプレート。
  2. バックプレートの長手方向に沿う状態で又はバックプレートの長手方向に対して傾斜した状態で1条以上の前記厚肉部を配置する、請求項1に記載のバックプレート。
  3. 前記厚肉部の長手方向の長さが、バックプレートの長手方向の長さの1/3以上である、請求項2に記載のバックプレート。
  4. 連続的又は断続的に前記厚肉部を配置する、請求項1~3のいずれか1項に記載のバックプレート。
  5. 前記バックプレートの上部と下部のそれぞれに前記厚肉部を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のバックプレート。
  6. 前記バックプレートが貫通孔を備え、前記貫通孔の周囲が厚肉化された環状厚肉部を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のバックプレート。
  7. 前記バックプレートの摩擦材が固着される面の中央部に、円形状又は多角形状を有する中央厚肉部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のバックプレート。
  8. 前記摩擦材が固着される面と反対の面に、段差を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のバックプレート。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のバックプレートを備える、ディスクブレーキパッド。
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