JP6000060B2 - 作業車 - Google Patents

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本発明は、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させる作業車に関する。
従来、上記のような作業車としては、畦際においてステアリングハンドルを切ると、PTOクラッチ「切」にして田植装置を上昇させ、旋回内側の後輪伝動軸の回転数が設定値N1を超えると田植装置を下降させ、その後、後輪伝動軸の回転数が設定値N2になるとPTOクラッチ「入」にするように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−149305号公報
作業車の一例である乗用田植機では、畦に接近する畦際旋回時に、走行を停止して、畦から乗用田植機への苗補給や肥料補給などを行うことがある。そして、苗補給や肥料補給などにおける燃料の無駄な消費を防止するために、メインスイッチを操作してエンジンを停止させることがある。そして、メインスイッチを操作してエンジンを停止させた場合には、機体に搭載した制御装置への通電も停止されることになる。
しかしながら、上記の従来技術では、メインスイッチの操作によるエンジン停止時に、後輪伝動軸の回転数を不揮発性記憶装置に書き込むように構成していないことから、制御装置への通電停止に伴って、エンジン停止前までの後輪伝動軸の回転数が消去されることになる。そのため、エンジンを再始動させた作業走行再開直後では、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができなくなっていた。
本発明の目的は、畦際旋回行程でエンジンを停止させた場合であっても、エンジンを再始動させた作業走行再開直後から、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させられるようにすることにある。
本発明の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置と、前記エンジン停止指令手段により前記エンジンの停止が指令されると作動し、前記エンジン始動検出器により前記エンジンの始動が検出されると作動停止する表示ランプとを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成した。
この手段によると、畦に接近する畦際旋回時に、畦から乗用田植機への苗補給や肥料補給などを行うために走行を停止し、更に、苗補給や肥料補給などにおける燃料の無駄な消費を防止するために、メインスイッチを操作してエンジンを停止させたとしても、このときのエンジン停止指令手段の指令に基づいて、エンジン停止前までの計測処理で得た計測距離を不揮発性記憶装置に書き込むことができる。これにより、エンジンの停止に伴って、エンジン停止前までの計測処理で得た計測距離が消去されるのを防止することができる。そして、エンジンを再始動させて作業走行を再開した場合には、再開後の計測処理で得た計測距離と、不揮発性記憶装置に書き込んだ計測距離とに基づいて、計測距離の制御目標距離への到達を正確に判別することができる。
従って、畦際旋回行程でエンジンを停止させた場合であっても、エンジンを再始動させた作業走行再開直後から、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
前記作業装置への伝動を断続する作業クラッチの断続操作に関する情報を出力する作業クラッチ断続出力器を備え、
前記作業クラッチ断続出力器が出力する前記作業クラッチの遮断操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記作業クラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記作業クラッチ断続出力器が前記遮断操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた。
この手段によると、作業クラッチ断続出力器が出力する作業クラッチの断続操作に関する情報に基づく制御装置の制御作動によって、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記サイドクラッチ断続出力器が前記遮断操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた。
この手段によると、サイドクラッチ断続出力器が出力するサイドクラッチの遮断操作情報に基づく制御装置の制御作動によって、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記サイドクラッチ断続出力器が前記接続操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた。
この手段によると、サイドクラッチ断続出力器が出力するサイドクラッチの接続操作情報に基づく制御装置の制御作動によって、計測距離を短くした計測誤差の少ない状態で、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
前記作業装置への伝動を断続する作業クラッチの断続操作に関する情報を出力する作業クラッチ断続出力器と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
前記作業クラッチ断続出力器が出力する前記作業クラッチの遮断操作情報、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記作業クラッチ断続出力器及び前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を補正距離として備え、
前記制御装置が、前記作業クラッチ断続出力器の出力に基づいて前記作業クラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、この計測処理で得た計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した。
この手段によると、作業クラッチ断続出力器が出力する作業クラッチの断続操作に関する情報と、サイドクラッチ断続出力器が出力するサイドクラッチの断続操作に関する情報とに基づく制御装置の制御作動によって、計測距離を基本にして制御目標距離を設定した誤差の少ない状態で、かつ、計測距離を短くした計測誤差の少ない状態で、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
前記走行車体の前後進切り換え操作を検出する前後進検出器と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
前記前後進検出器が出力する後進操作情報、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記後進検出器及び前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を反転差距離として備え、
前記制御装置が、前記前後進検出器の出力に基づいて後進操作を検知するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記前後進検出器の出力に基づいて前進操作を検知するのに伴って、この前進操作を検知するまでの前記計測処理で得た後進計測距離を前記反転差距離から差し引いた距離を補正距離として前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに、前進操作検知後の走行距離を計測し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、前進操作検知後の計測で得た前進計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した。
この手段によると、前後進検出器が検出する走行車体の前後進切り換え操作と、サイドクラッチ断続出力器が出力するサイドクラッチの断続操作に関する情報とに基づく制御装置の制御作動によって、より畦に近い位置まで作業を行えるようにしながら、計測距離を基本にして制御目標距離を設定した誤差の少ない状態で、かつ、計測距離を短くした計測誤差の少ない状態で、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記作業装置を昇降駆動する昇降駆動機構と、前記作業装置が接地する作業位置から浮上する非作業位置への前記作業装置の上昇操作を指令する上昇指令手段とを備え、
前記上昇指令手段が出力する上昇指令を前記計測開始指令とすることにより、前記上昇指令手段が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記上昇指令手段が前記上昇操作指令を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた。
この手段によると、上昇指令手段からの作業装置の上昇操作指令に基づく制御装置の制御作動によって、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
前記作業装置を昇降駆動する昇降駆動機構と、前記作業装置が接地する作業位置から浮上する非作業位置への前記作業装置の上昇操作を指令する上昇指令手段と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
前記上昇指令手段が出力する上昇指令、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記上昇指令手段及ぶ前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を補正距離として備え、
前記制御装置が、前記上昇指令手段の上昇指令を取得するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、この計測処理で得た計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した。
この手段によると、上昇指令手段からの作業装置の上昇操作指令と、サイドクラッチ断続出力器が出力するサイドクラッチの断続操作に関する情報とに基づく制御装置の制御作動によって、計測距離を基本にして制御目標距離を設定した誤差の少ない状態で、かつ、計測距離を短くした計測誤差の少ない状態で、畦際旋回行程の終了に伴って作業装置による作業を自動的に再開させることができる。
本発明の他の課題解決手段は、
走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
前記作業装置として苗植付装置と施肥装置とを備え、
前記苗植付装置の駆動開始から圃場に苗を植え付けるまでのタイムラグと前記施肥装置の駆動開始から圃場に施肥するまでのタイムラグとの差に応じた差動距離を備え、
前記制御装置が、前記制御目標距離に基づいて前記苗植付装置を非作業状態から作業状態に切り換え、かつ、前記制御目標距離から前記差動距離を差し引くことにより得た施肥開始用の制御目標距離に基づいて前記施肥装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成した。
この手段によると、畦際旋回行程の終了に伴って、苗植付装置による圃場への苗の植え付けと施肥装置による圃場への施肥とを同期して行うことができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
車速を検出する車速検出器を備え、
前記制御装置が、前記車速検出器の出力に基づいて前記車速が速いほど前記差動距離を長くする対車速補正処理を行うように構成した。
この手段によると、畦際旋回行程での車速の設定速度との差に起因して、苗植付装置による圃場への苗の植え付けと施肥装置による圃場への施肥とが同期しなくなる(施肥が遅れる)不都合の発生を防止することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記差動距離の設定変更を可能にする差動距離変更用操作具を備え、
前記制御装置が、前記差動距離変更用操作具の操作に基づいて前記差動距離を変更する手動差動距離変更処理を行うように構成した。
この手段によると、作業時の車速や肥料の種類などによる施肥装置内での肥料の搬送速度の違いなどに起因して、苗植付装置による圃場への苗の植え付けと施肥装置による圃場への施肥とが同期しなくなる(施肥が遅れる)不都合が生じる場合には、差動距離変更用操作具を操作することによって、その不都合を解消することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記制御目標距離の設定変更を可能にする目標距離変更用操作具を備え、
前記制御装置が、前記目標距離変更用操作具の操作に基づいて前記制御目標距離を変更する手動目標距離変更処理と、この手動目標距離変更処理による制御目標距離の変更に応じて前記差動距離を変更する自動差動距離変更処理とを行うように構成した。
この手段によると、圃場での後輪のスリップなどに起因して、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが位置ズレし、かつ、苗植付装置による圃場への苗の植え付けと施肥装置による圃場への施肥とが同期しなくなる不都合が生じる場合には、車輪のスリップ量などを考慮して目標距離変更用操作具を操作することによって、その不都合を解消することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記施肥装置に肥料搬送用の搬送風を生起するブロワを備え、
前記ブロワの駆動開始から定格回転数に至るまでに要する立ち上がり時間に応じた補助差動距離を備え、
前記制御装置が、前記施肥開始用の制御目標距離から前記補助差動距離を差し引くことにより得たブロワ駆動開始用の制御目標距離に基づいて前記ブロワを非作業状態から作業状態に切り換えるように構成した。
この手段によると、ブロワの回転が安定していない状態での施肥作動に起因して、苗植付装置による圃場への苗の植え付けと施肥装置による圃場への施肥とが同期しなくなる(施肥が遅れる)不都合の発生を防止することができる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記施肥装置に所定条数ごとの施肥の断続を可能にする複数の施肥断続機構を備え、
全施肥断続機構の遮断状態への切り換えに関する情報を出力する全遮断出力器を備え、
前記制御装置が、前記全遮断出力器の出力に基づいて全施肥断続機構の遮断状態への切り換えを検知すると、前記施肥装置に対する制御作動を実行しないように構成した。
この手段によると、全遮断出力器を操作することにより、作業状態を、植え付け作業と施肥作業の双方を行う状態と植え付け作業のみを行う状態とに簡単に切り換えることができる。又、施肥停止状態において、制御装置が、施肥装置に対する制御作動を不必要に行うことを防止することができる。
乗用田植機の左側面図である。 乗用田植機の平面図である。 走行用の伝動構成を示す概略平面図である。 作業用の伝動構成を示す概略平面図である。 サイドクラッチの操作構造を示す概略平面図である。 制御構成を示すブロック図である。 エンジンの始動と停止に関する回路図である。 自動作動切り換え制御のフローチャートである。 作業開始処理のフローチャートである。 第1畦際旋回処理のフローチャートである。 第2畦際旋回処理のフローチャートである。 第3畦際旋回処理のフローチャートである。 第1畦際旋回を示す概略平面図である。 第2畦際旋回を示す概略平面図である。 第3畦際旋回を示す概略平面図である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業車の作業状態切り換え構造を、作業車の一例としてのミッドマウント施肥仕様の乗用田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示するミッドマウント施肥仕様の乗用田植機は、4輪駆動型に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動で上下揺動する平行四連リンク式のリンク機構3を介して、作業装置Aの一例としての6条用の苗植付装置4を昇降可能に連結している。又、走行車体1の後端部と苗植付装置4とにわたって作業装置Aの一例としての6条用の施肥装置6を装備している。これにより、最大6条の植え付け及び施肥が可能な6条植え用のミッドマウント施肥仕様に構成している。
図1〜5に示すように、走行車体1は、その前部に防振搭載したエンジン7からの動力を主変速装置8にベルト伝動し、主変速装置8による変速後の動力を、トランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)9の内部において走行用と作業用とに分岐するように構成している。走行用の動力は、T/Mケース9に内蔵した副変速装置10を介して前輪用の差動装置11に伝達している。そして、その差動装置11から左右の差動軸12などを介して取り出した動力を前輪駆動用として左右の前輪13に伝達している。又、差動ケース14と一体回転する伝動ギア15から取り出した動力を、T/Mケース9から後車軸ケース16にわたる中継伝動軸17、及び、後車軸ケース16に内蔵した後輪用伝動軸18と左右のサイドクラッチ19、などを介して後輪駆動用として左右の後輪20に伝達している。一方、作業用の動力は、T/Mケース9に内蔵したワンウェイクラッチ21と株間変速装置22と作業クラッチBの一例としての植付クラッチ23、及び、T/Mケース9から苗植付装置4にわたる作業用伝動軸24、などを介して苗植付装置4に伝達している。
尚、エンジン7にはガソリンエンジンを採用している。主変速装置8には静油圧式の無段変速装置を採用している。副変速装置10には、作業用の低速状態と走行用の高速状態との高低2段に変速可能に構成したギア式の変速装置を採用している。左右の各サイドクラッチ19には、多板式の摩擦クラッチを採用し、接続状態に復帰付勢するバネ(図示せず)を備えている。株間変速装置22には、6段の変速が可能となるように構成したギア式の変速装置を採用している。
図1及び図2に示すように、苗植付装置4は、植付クラッチ23の断続操作によって走行車体1からの伝動を断続することにより、作動状態と非作動状態とに切り換えることができる。苗植付装置4の作動状態では、最大6条のマット状苗を載置する苗載台26が横送り機構(図示せず)の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動する。又、左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したロータリ式の6つの植付機構27が、苗載台26の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート28で整地した圃場の泥土部に植え付ける。そして、苗載台26が左右のストローク端に到達するごとにベルト式の縦送り機構29が作動して、各マット状苗を苗載台26の下端に向けて所定ピッチで縦送りする。これにより、苗載台26に載置したマット状苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付けることができる。
各整地フロート28は、それらの後部側を、左右向きのフロート支点軸30から後下向きに延設した3組の支持アーム31のうちの対応する支持アーム31の遊端部(後端部)に上下揺動可能に連結している。
図示は省略するが、苗植付装置4には、苗植付装置4に沿って起立した格納姿勢と、苗植付装置4から横外方に張り出した作用姿勢とにわたって起伏揺動可能な左右の線引きマーカを備えている。各線引きマーカは、格納姿勢では、遊端部に備えた走行基準線形成用の回転体が圃場泥面から離れる状態になる。又、作用姿勢では、走行基準線形成用の回転体が圃場泥面に突入する状態になり、現在の走行経路での走行に伴って、現在の走行経路に隣接する次の走行経路で使用する走行基準線を圃場泥面に形成する。
図1、図2、図6及び図7に示すように、施肥装置6は、走行車体1の後端部に配備した4基の繰出機構32及び電動式のブロワ33などにより構成している。各繰出機構32には、中継伝動軸17から動力分岐機構34を介して分岐した走行用の動力を施肥作業用として伝達している。ブロワ33には、走行車体1に搭載したバッテリ35からの電力を供給している。
施肥装置6は、動力分岐機構34に備えた作業クラッチBの一例としての施肥クラッチ36の断続操作によって走行車体1からの伝動を断続し、かつ、電気回路に備えたブロワリレー37の断続操作によってバッテリ35からブロワ33への通電を断続することにより、作動状態と非作動状態とに切り換えることができる。そして、その作動状態では、各繰出機構32が、それらの上部に連通装備したホッパ38に貯留した粒状肥料をホッパ38から所定量ずつ繰り出す。又、ブロワ33が搬送風を生起して、各繰出機構32が繰り出した粒状肥料を、各繰出機構32に連通接続した施肥ホース39を介して、各整地フロート28に2つずつ備えた作溝器40に搬送し、各作溝器40によって形成した圃場の溝内に供給する。これにより、ホッパ38に貯留した粒状肥料を所定量ずつ取り出して圃場の泥土内に埋没供給することができる。
各繰出機構32は、最大2条の粒状肥料を繰り出すことが可能な2条用に構成している。そして、左右両端の繰出機構32が2条の粒状肥料の繰り出しを行い、左右中央側の2つの繰出機構32が1条の粒状肥料の繰り出しを行うように設定することにより、4基の繰出機構32で6条の粒状肥料の繰り出しを行うように構成している。
図1及び図2に示すように、走行車体1の後部には搭乗運転部41を形成している。搭乗運転部41には、前輪操舵用のステアリングホイール42、主変速装置8の変速操作を可能にする主変速レバー43、副変速装置10の変速操作を可能にする副変速レバー44、制動装置(図示せず)の制動操作を可能にするブレーキペダル45、苗植付装置4の昇降操作と作動状態の切り換えなどを可能にする第1作業レバー46と第2作業レバー47、及び、運転座席48などを配備している。
ブレーキペダル45は、踏み込み解除位置に自動復帰するように構成している。第1作業レバー46は、植付、下降、中立、上昇、自動、の各操作位置への揺動操作が可能な揺動式で、各操作位置での位置保持が可能な位置保持型に構成している。第2作業レバー47は、上下方向及び前後方向への揺動操作が可能な十字揺動式で中立復帰型に構成している。
図1及び図5に示すように、ステアリングホイール42は操舵装置49を介して左右の前輪13に連動連結している。操舵装置49は、ステアリングホイール42の回動操作を、ステアリング軸(図示せず)と一体回動するステアリングギア(図示せず)、ステアリングギアと噛み合い連動するセクタギア(図示せず)、セクタギアと一体揺動する揺動部材50、及び、揺動部材50と左右の対応する前輪13の操作アーム51とにわたる左右のタイロッド52、などを備えて構成している。
走行車体1には、ステアリングホイール42の操作に連動して左右のサイドクラッチ19を断続操作するサイドクラッチ操作機構53を装備している。サイドクラッチ操作機構53は、操舵装置49の揺動部材50と左右のサイドクラッチ19の操作アーム54との連動を可能にする左右の連係ロッド55を備えている。左右の連係ロッド55は、操作アーム54との連係箇所に、揺動部材50の操作角度θと左右のサイドクラッチ19の断続関係を設定する長孔55aを形成している。
上記の構成から、例えば、ステアリングホイール42を直進位置から左方向に回動操作すると、その回動操作量に応じて揺動部材50が直進位置(基準角度)θoから右方向に揺動することにより、左右の前輪13を、ステアリングホイール42の回動操作量に応じて直進位置から左旋回方向に操舵することができる。そして、揺動部材50が直進位置θoから右側の第1設定角度θaに到達するまでの間は、各サイドクラッチ19のバネ及び各連係ロッド55の長孔55aの作用により、左右のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。その後、揺動部材50が右側の第1設定角度θaから第2設定角度θbに揺動するのに伴って、左側の連係ロッド55及び左側の操作アーム54の作用により、左側のサイドクラッチ10を接続状態から遮断状態に切り換えることができ、かつ、右側のサイドクラッチ19のバネ及び右側の連係ロッド55の長孔55aの作用により、右側のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。これにより、旋回内側に位置する左側の後輪20への伝動を遮断して車体の旋回半径を小さくする左小旋回状態を得ることができる。
この左小旋回状態において、ステアリングホイール42を直進位置に向けて右方向に回動操作すると、その回動操作量に応じて揺動部材50が直進位置θoに向けて左方向に揺動することにより、左右の前輪13を、ステアリングホイール42の回動操作量に応じて直進位置に向けて操舵することができる。そして、揺動部材50が右側の第2設定角度θbから第1設定角度θaに揺動するのに伴って、左側の連係ロッド55及び左側のサイドクラッチ19のバネの作用により、左側のサイドクラッチ10を遮断状態から接続状態に切り換えることができ、かつ、右側のサイドクラッチ19のバネ及び右側の連係ロッド55の長孔55aの作用により、右側のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。その後、揺動部材50が右側の第1設定角度θaから直進位置θoに到達するまでの間は、各サイドクラッチ19のバネ及び各連係ロッド55の長孔55aの作用により、左右のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。
逆に、ステアリングホイール42を直進位置から右方向に回動操作すると、その回動操作量に応じて揺動部材50が直進位置θoから左方向に揺動することにより、左右の前輪13を、ステアリングホイール42の回動操作量に応じて直進位置から右旋回方向に操舵することができる。そして、揺動部材50が直進位置θoから左側の第1設定角度θaに到達するまでの間は、各サイドクラッチ19のバネ及び各連係ロッド55の長孔55aの作用により、左右のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。その後、揺動部材50が左側の第1設定角度θaから第2設定角度θbに揺動するのに伴って、右側の連係ロッド55及び右側の操作アーム54の作用により、右側のサイドクラッチ10を接続状態から遮断状態に切り換えることができ、かつ、左側のサイドクラッチ19のバネ及び左側の連係ロッド55の長孔55aの作用により、左側のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。これにより、旋回内側に位置する右側の後輪20への伝動を遮断して車体の旋回半径を小さくする右小旋回状態を得ることができる。
この右小旋回状態において、ステアリングホイール42を直進位置に向けて左方向に回動操作すると、その回動操作量に応じて揺動部材50が直進位置θoに向けて右方向に揺動することにより、左右の前輪13を、ステアリングホイール42の回動操作量に応じて直進位置に向けて操舵することができる。そして、揺動部材50が左側の第2設定角度θbから第1設定角度θaに揺動するのに伴って、右側の連係ロッド55及び右側のサイドクラッチ19のバネの作用により、右側のサイドクラッチ10を遮断状態から接続状態に切り換えることができ、かつ、左側のサイドクラッチ19のバネ及び左側の連係ロッド55の長孔55aの作用により、左側のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。その後、揺動部材50が左側の第1設定角度θaから直進位置θoに到達するまでの間は、各サイドクラッチ19のバネ及び各連係ロッド55の長孔55aの作用により、左右のサイドクラッチ19を接続状態に維持することができる。
図示は省略するが、主変速レバー43は、主変速装置8の中立操作と前進変速操作と後進変速操作とが可能になるように、機械連係式の主変速用連係機構を介して主変速装置8に連係している。主変速用連係機構には、主変速レバー43及び主変速装置8の中立位置及び前進5段と後進3段の各変速位置での操作保持を可能にするデテント機構を備えている。
副変速レバー44は、前後揺動式で中立位置と作業走行用の低速位置と移動走行用の高速位置とに位置保持可能に構成している。そして、その揺動操作に応じて副変速装置10が中立状態と作業走行用の低速状態と移動走行用の高速状態とに切り換わるように、機械連係式の副変速用連係機構を介して副変速装置10に連係している。
図6及び図7に示すように、走行車体1には、CPU、不揮発性記憶装置Cの一例としてのEEPROM56A、及びタイマ56Bなどを備えるマイクロコンピュータを利用して構成した制御装置としての電子制御ユニット(以下、ECUと称する)56を搭載している。
図6及び図7に示すように、ECU56は、搭乗運転部41に備えたキー操作式のメインスイッチ57のOFF位置からON位置への回動操作で得られるバッテリ35からの通電により起動する。又、メインスイッチ57のON位置からOFF位置への回動操作でバッテリ35からの通電が断たれると、その内部に備えた自己保持回路56Cにより通電状態を維持して、メインスイッチ57がOFF位置に回動操作された段階でのエンジン7の総稼働時間や各種の設定情報などをEEPROM56Aに書き込み、その書き込み完了後に自己保持回路56Cによる通電を停止して作動を停止する。
メインスイッチ57は、開閉スイッチからなるブレーキスイッチ58を介してエンジン始動用のスタータ59に接続している。ブレーキスイッチ58は、ブレーキペダル45の制動位置への踏み込み操作に連動して開状態から閉状態に切り換わり、ブレーキペダル45の制動位置からの踏み込み解除操作に連動して閉状態から開状態に切り換わるように構成している。
つまり、ブレーキペダル45を制動位置に踏み込み操作した状態でメインスイッチ57のON位置からSTART位置への回動操作を行った場合にのみ、メインスイッチ57を経由したバッテリ35からスタータ59への通電を許容して、スタータ59の作動によるエンジン7の始動が可能となるように構成している。
図3〜6に示すように、この乗用田植機には、第1作業レバー46の前後方向での操作位置を検出する第1レバーセンサ60、第2作業レバー47の上下方向及び前後方向への操作を検出する第2レバーセンサ61、リンク機構3の所定の上限位置への到達を苗植付装置4の上限位置への到達として検出する上限センサ62、左右中央の整地フロート(以下、センタフロートと称する)28の上下揺動角度を検出するフロートセンサ63、対応する線引きマーカの格納姿勢及び作用姿勢への到達を検出する左右のマーカセンサ64、操舵装置49における揺動部材50の直進位置θoからの揺動操作角度を前輪13の舵角として検出する舵角センサ65、主変速レバー43の前進変速領域への操作と後進変速領域への操作とを検出するFRセンサ66、左右の後輪20の回転数を検出する後輪センサ67、エンジン7の出力回転数を検出するエンジンセンサ68、及び、副変速装置10の出力回転数に比例する中継伝動軸17の回転数を検出する検出する伝動軸センサ69、などを備えている。
第1レバーセンサ60、フロートセンサ63、舵角センサ65、及び、FRセンサ66には、回転式のポテンショメータを採用している。第2レバーセンサ61には多接点スイッチを採用している。上限センサ62にはリミットスイッチを採用している。左右のマーカセンサ64は、対応する線引きマーカの格納姿勢への到達を検出するリミットスイッチと作用姿勢への到達を検出するリミットスイッチとから構成している。後輪センサ67、エンジンセンサ68、及び、伝動軸センサ69には、電磁ピックアップ式の回転数センサを採用している。
図6に示すように、ECU56には、昇降シリンダ2に対するオイルの流れを制御する電磁制御弁からなる昇降弁70の作動を制御することにより、昇降シリンダ2の作動状態を切り換えて苗植付装置4を昇降させる昇降制御手段56Dを制御プログラムとして備えている。
昇降制御手段56Dは、第1レバーセンサ60、上限センサ62、及び、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4を昇降させる昇降制御を行うように構成している。
そして、この昇降制御では、第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の上昇位置への操作を検知すると、その検知に伴って、昇降弁70を昇降シリンダ2にオイルを供給する供給状態に切り換えることにより、昇降シリンダ2を収縮作動させて苗植付装置4を上昇させる上昇処理を行う。
第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の下降位置への操作を検知すると、その検知に伴って、昇降弁70を昇降シリンダ2からオイルを排出する排出状態に切り換えることにより、昇降シリンダ2を伸長作動させて苗植付装置4を下降させる下降処理を行う。
第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の中立位置への操作を検知すると、その検知に伴って、昇降弁70を昇降シリンダ2に対するオイルの給排を停止する給排停止状態に切り換えることにより、昇降シリンダ2の作動を停止させて苗植付装置4をそのときの高さ位置に停止させる昇降停止処理を行う。
上昇処理の実行中に上限センサ62の出力に基づいて苗植付装置4の上限位置への到達を検知すると、その検知に伴って前述した昇降停止処理を行うことにより、苗植付装置4を上限位置に停止させる。
下降処理の実行中にフロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の上下揺動角度が予め設定したセンタフロート28の制御目標角度に一致した(フロートセンサ63の出力が制御目標角度の不感帯幅内に収まった)ことを検知すると、その検知に伴って前述した昇降停止処理を行うことにより、苗植付装置4を、センタフロート28の制御目標角度に対応する作業高さ位置に停止させる。
つまり、第1レバーセンサ60の出力に基づく昇降制御手段56Dの制御作動により、第1作業レバー46の操作によって苗植付装置4を任意の高さ位置に昇降移動させることができる。そして、昇降シリンダ2及び昇降弁70により苗植付装置4を昇降駆動する昇降駆動機構Dを構成している。
尚、苗植付装置4の作業高さ位置(センタフロート28の制御目標角度)は、搭乗運転部41に備えた回転式のポテンショメータからなる作業高さ設定器71の操作によって任意に設定変更することができる。
図6に示すように、ECU56には、植付クラッチ23を断続操作する電動式の植付クラッチモータ72、施肥クラッチ36を断続操作する電動式の施肥クラッチモータ73、及び、ブロワリレー37の作動を制御することにより、苗植付装置4及び施肥装置6の作動状態を切り換える作動切換制御手段56Eを制御プログラムとして備えている。
作動切換制御手段56Eは、第1レバーセンサ60及びフロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4及び施肥装置6の作動状態を切り換える作動状態切り換え制御を行うように構成している。
そして、この作動状態切り換え制御では、第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の中立位置から下降位置への操作を検知した後に、フロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の接地を検知すると、その検知に伴って、ブロワリレー37に通電して、ブロワリレー37をバッテリ35からブロワ33への通電を許容する閉状態に切り換えることにより、ブロワ33を始動させるブロワ始動処理を行う。
その後、第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の植付位置への操作を検知すると、その検知に伴って、施肥クラッチモータ73の作動を制御して施肥クラッチ36を切り状態から入り状態に切り換えることにより、施肥装置6を非作業状態から作業状態に切り換える施肥開始処理を行う。
又、その植付位置への操作検知に伴ってタイマ56Bによる計時を開始し、植付位置への操作検知から所定時間が経過するのに伴って、植付クラッチモータ72の作動を制御して植付クラッチ23を切り状態から入り状態に切り換えることにより、苗植付装置4を非作業状態から作業状態に切り換える苗植え開始処理を行う。
尚、ここでの所定時間は、苗植付装置4の駆動開始から植付機構27が最初に苗を圃場に植え付けるまでのタイムラグと、施肥装置6における繰出機構32の駆動開始から繰出機構32が最初に繰り出した粒状肥料を圃場の泥土内に埋没供給するまでのタイムラグとの差を考慮して、苗植付装置4の植付機構27による圃場への苗の植え付けと、施肥装置6による圃場の泥土内への粒状肥料の埋没供給とが同期して行われるように設定した時間(以下、差動時間と称する)である。
その後、苗植付装置4及び施肥装置6の作動状態において、第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の植付位置から下降位置への操作を検知すると、その検知に伴って、ブロワリレー37への通電を停止して、ブロワリレー37をバッテリ35からブロワ33への通電を阻止する開状態に切り換えることにより、ブロワ33を停止させるブロワ停止処理と、施肥クラッチモータ73の作動を制御して施肥クラッチ36を入り状態から切り状態に切り換えることにより、施肥装置6を作業状態から非作業状態に切り換える施肥停止処理と、植付クラッチモータ72の作動を制御して植付クラッチ23を入り状態から切り状態に切り換えることにより、苗植付装置4を作業状態から非作業状態に切り換える苗植え停止処理とを行う。
つまり、第1レバーセンサ60の出力に基づく作動切換制御手段56Eの制御作動により、第1作業レバー46の操作によって苗植付装置4及び施肥装置6の作業状態と非作業状態との切り換えを任意に行うことができる。又、苗植付装置4による圃場への苗の植え付けと施肥装置6による圃場への施肥とを隣接位置に同期して行うことができる。
図6に示すように、ECU56には、左右の対応する線引きマーカを格納姿勢と作用姿勢とに切り換える電動式のマーカモータ74の作動を制御するマーカ制御手段56Fを制御プログラムとして備えている。
マーカ制御手段56Fは、第2レバーセンサ61、フロートセンサ63、及び、左右のマーカセンサ64の出力に基づいて、左右の線引きマーカを格納姿勢と作用姿勢とに切り換えるマーカ切り換え制御を行うように構成している。
そして、このマーカ切り換え制御では、第2レバーセンサ61の出力に基づいて第2作業レバー47の中立位置から左方への操作を検知すると、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4が接地しているか否かを判別し、苗植付装置4が接地している場合は、直ちに、左側のマーカセンサ64が左側の線引きマーカの作用姿勢への到達を検出するまで左側のマーカモータ74を正転作動させる左マーカ張り出し処理を行う。苗植付装置4が接地していない場合は、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4の接地を検知するのに伴って左マーカ張り出し処理を行う。
逆に、第2作業レバー47の中立位置から右方への操作を検知すると、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4が接地しているか否かを判別し、苗植付装置4が接地している場合は、直ちに、右側のマーカセンサ64が右側の線引きマーカの作用姿勢への到達を検出するまで右側のマーカモータ74を正転作動させる右マーカ張り出し処理を行う。苗植付装置4が接地していない場合は、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4の接地を検知するのに伴って右マーカ張り出し処理を行う。
そして、左右いずれかの線引きマーカを作用姿勢に切り換えた状態において、フロートセンサ63の出力に基づいて苗植付装置4の浮上を検知すると、その検知に伴って、作用姿勢の線引きマーカに対応するマーカセンサ64が線引きマーカの格納姿勢への到達を検出するまで、作用姿勢の線引きマーカに対応するマーカモータ74を逆転作動させるマーカ格納処理を行う。
つまり、第2レバーセンサ61、フロートセンサ63、及び、左右のマーカセンサ64の出力に基づくマーカ制御手段56Fの制御作動により、苗植付装置4の接地状態においては、第2作業レバー47の操作によって左右の線引きマーカを任意に作用姿勢に切り換えることができる。又、作用姿勢の線引きマーカを、苗植付装置4の浮上に伴って格納姿勢に切り換えることができる。
図6に示すように、ECU56には、第1レバーセンサ60の出力に基づいて第1作業レバー46の自動位置への操作を検知すると、その検知に伴って、各センサ60〜69及び作業高さ設定器71の出力などに基づいて、昇降弁70の作動を制御して苗植付装置4を昇降させるとともに、各クラッチモータ66,67及びブロワリレー37の作動を制御して苗植付装置4及び施肥装置6の作動状態を切り換える自動作動切り換え制御を開始し、第1作業レバー46の自動位置からの離脱操作を検知すると、その検知に伴って自動作動切り換え制御を終了する自動作動制御手段56Gを制御プログラムとして備えている。
図8に示すように、自動作動制御手段56Gは、自動作動切り換え制御では、第2レバーセンサ61の出力に基づいて第2作業レバー47の中立位置から下方への操作を検知すると、その検知に伴って、苗植付装置4及び施肥装置6を始動させる作業開始処理を行う〔#1,#2〕。これにより、作業走行行程に移行することができる。
その後、作業走行行程において、舵角センサ65の出力に基づいて前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の第1設定角度θaへの操舵を検知した場合には、前輪13の第1設定角度θaへの操舵によって作業走行行程から畦際旋回行程への移行が開始されたと判断し、その判断に基づいて第1畦際旋回処理を行う〔#3,#4〕。これにより、次の作業走行行程に移行することができる。
作業走行行程において、第2レバーセンサ61の出力に基づいて第2作業レバー47の中立位置から上方への操作を検知した場合には、第2作業レバー47の上方への操作によって作業走行行程から畦際旋回行程への移行が開始されたと判断し、その判断に基づいて第2畦際旋回処理を行う〔#5,#6〕。これにより、次の作業走行行程に移行することができる。
作業走行行程において、FRセンサ66の出力に基づいて主変速レバー43の後進変速領域への操作を検知した場合には、主変速レバー43の後進変速領域への操作によって作業走行行程から畦際旋回行程への移行が開始されたと判断し、その判断に基づいて第3畦際旋回処理を行う〔#7,#8〕。これにより、次の作業走行行程に移行することができる。
図9に示すように、作業開始処理では、その初期動作として前述した下降処理とブロワ始動処理とを行う〔#1,#2〕。
その下降処理の実行中にフロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の上下揺動角度が前述した制御目標角度に一致した(フロートセンサ63の出力が制御目標角度の不感帯幅内に収まった)ことを検知すると、フロートセンサ63の出力に基づいて、センタフロート28の上下揺動角度が前述した制御目標角度に一致する状態が維持されるように、昇降弁70の作動を制御して昇降シリンダ2を伸縮作動させることにより、苗植付装置4を、センタフロート28の制御目標角度に対応する作業高さ位置に維持する自動昇降処理を行う〔#3,#4〕。
その後、第2レバーセンサ61の出力に基づいて第2作業レバー47の中立位置から下方への再操作を検知すると、その検知に伴って前述した施肥開始処理を行う〔#5,#6〕。
又、その再操作の検知に伴ってタイマ56Bによる計時を開始し〔#7〕、再操作の検知から前述した差動時間が経過するのに伴って前述した苗植え開始処理を行う〔#8,#9〕。
つまり、第2レバーセンサ61の出力などに基づく自動作動制御手段56Gの制御作動により、第2作業レバー47の操作に基づいて苗植付装置4及び施肥装置6を始動させる作業開始処理を適正に行うことができる。これにより、作業走行行程への移行を簡単かつ円滑に行うことができる。又、作業開始後の苗植付装置4による圃場への苗の植え付けと施肥装置6による圃場への施肥とを隣接位置に同期して行うことができる。
図10及び図13に示すように、第1畦際旋回処理では、その初期動作として前述した上昇処理とブロワ停止処理と施肥停止処理と苗植え停止処理とを行うとともに、旋回内側の後輪センサ67が出力する旋回内側の後輪20の回転数に基づいて、このときの畦際旋回行程の開始位置Psとなる、舵角センサ65が前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の第1設定角度θaへの操舵を検出する走行位置(以下、畦際旋回開始位置と称する)Ptsからの走行距離L1を計測する計測処理を開始する〔#1〜#5〕。
そして、その計測処理で得た計測距離L1が予め設定したブロワ駆動開始用の制御目標距離L1aに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した下降処理とブロワ始動処理とを行う〔#6〜#8〕。
その下降処理の実行中にフロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の上下揺動角度が前述した制御目標角度に一致した(フロートセンサ63の出力が制御目標角度の不感帯幅内に収まった)ことを検知すると、その検知に伴って前述した自動昇降処理を行う〔#9,#10〕。
一方、計測処理で得た計測距離L1が予め設定した施肥開始用の制御目標距離L1bに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した施肥開始処理を行う〔#11,#12〕。
又、計測処理で得た計測距離L1が予め設定した植え付け開始用の制御目標距離L1cに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した苗植え開始処理を行うとともに計測処理を終了する〔#13〜#15〕。
尚、ここでの植え付け開始用の制御目標距離L1cは、畦際旋回開始位置Ptsから、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとが揃う状態となる畦際旋回行程の適正終了位置Peに到達するまでに要する推測走行距離である。
又、施肥開始用の制御目標距離L1bは、苗植付装置4の駆動開始から圃場に苗を植え付けるまでのタイムラグと施肥装置6の駆動開始から圃場に施肥するまでのタイムラグとの差に応じて予め設定した設定速度での差動距離Ldを、植え付け開始用の制御目標距離L1cから差し引くことにより得た推測走行距離である。
更に、ブロワ駆動開始用の制御目標距離L1aは、ブロワ33の駆動開始から定格回転数に至るまでに要する立ち上がり時間に応じて予め設定した設定速度での補助差動距離Leを、施肥開始用の制御目標距離L1bから差し引くことにより得た推測走行距離である。
つまり、舵角センサ65の出力に基づいて開始する第1畦際旋回処理により、畦際旋回行程(畦際旋回)の開始に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を一時的に停止させる作業中断処理と、作業走行行程の開始(畦際旋回の終了)に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を再作動させる作業再開処理とを適正に行うことができる。これにより、作業走行行程から畦際旋回行程への移行と畦際旋回行程から作業走行行程への移行を簡単かつ円滑に行うことができる。又、作業再開後の苗植付装置4による圃場への苗の植え付けと施肥装置6による圃場への施肥とを隣接位置に同期して行えるようにしながら、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとを自動的に揃えることができる。
図11及び図14に示すように、第2畦際旋回処理では、その初期動作として前述した上昇処理とブロワ停止処理と施肥停止処理と苗植え停止処理とを行うとともに、後輪センサ67が出力する後輪20の回転数に基づいて、畦際旋回行程の開始位置Psからの走行距離L2を計測する計測処理を開始する〔#1〜#5〕。
その後、舵角センサ65の出力に基づいて前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の直進位置θoから第1設定角度θaへの操舵を検知すると、その検知に伴って計測処理を終了するとともに、その検知までの計測処理で得た計測距離L2dに予め設定した補正距離Lfを加えた距離を、第2畦際旋回処理での植え付け開始用の制御目標距離L2cとして設定する〔#6〜#8〕。
又、この設定した植え付け開始用の制御目標距離L2cから前述した差動距離Ldを差し引いた距離を、第2畦際旋回処理での施肥開始用の制御目標距離L2bとして設定する〔#9〕。
更に、この設定した施肥開始用の制御目標距離L2bから前述した補助差動距離Leを差し引いた距離を、第2畦際旋回処理でのブロワ駆動開始用の制御目標距離L2aとして設定する〔#10〕。
そして、それらの各制御目標距離L2a〜L2cをEEPROM56Aに書き込む〔#11〕。
その後、舵角センサ65の出力に基づいて前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の第2設定角度θbから第1設定角度θaへの操舵を検知すると、その検知に伴って、後輪センサ67が出力する後輪20の回転数に基づいて、畦際旋回終了位置Pteからの走行距離L2を計測する計測処理を開始する〔#12,#13〕。
又、EEPROM56Aに書き込んだ各制御目標距離L2a〜L2cをEEPROM56Aから読み出す〔#14〕。
そして、その計測処理で得た計測距離L2が予め設定したブロワ駆動開始用の制御目標距離L2aに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した下降処理とブロワ始動処理とを行う〔#15〜#17〕。
その下降処理の実行中にフロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の上下揺動角度が前述した制御目標角度に一致した(フロートセンサ63の出力が制御目標角度の不感帯幅内に収まった)ことを検知すると、その検知に伴って前述した自動昇降処理を行う〔#18,#19〕。
一方、計測処理で得た計測距離L2が予め設定した施肥開始用の制御目標距離L2bに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した施肥開始処理を行う〔#20,#21〕。
又、計測処理で得た計測距離L2が予め設定した植え付け開始用の制御目標距離L2cに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した苗植え開始処理を行うとともに計測処理を終了する〔#22〜#24〕。
尚、ここでの補正距離Lfは、走行車体1を反転させた場合に生じる反転前の苗植付装置4の植え付け位置と反転後の苗植付装置4の植え付け位置との車体前後方向での差(反転差距離)に設定している(図14参照)。
つまり、第2レバーセンサ61の出力に基づいて開始する第2畦際旋回処理においても、畦際旋回行程の開始に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を一時的に停止させる作業中断処理と、作業走行行程の開始に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を再作動させる作業再開処理とを適正に行うことができる。これにより、作業走行行程から畦際旋回行程への移行と畦際旋回行程から作業走行行程への移行を簡単かつ円滑に行うことができる。又、作業再開後の苗植付装置4による圃場への苗の植え付けと施肥装置6による圃場への施肥とを隣接位置に同期して行えるようにしながら、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとを自動的に揃えることができる。
図12及び図15に示すように、第3畦際旋回処理では、その初期動作として前述した上昇処理とブロワ停止処理と施肥停止処理と苗植え停止処理とを行うとともに、後輪センサ67が出力する後輪20の回転数に基づいて、畦際旋回行程の開始位置Psからの後進方向の走行距離(後進計測距離)L3を計測する後進計測処理を開始する〔#1〜#5〕。
その後、FRセンサ66の出力に基づいて主変速レバー43の前進変速領域への操作を検知すると、その検知に伴って後進計測処理を終了するとともに、その後進計測処理で得た後進計測距離L3dを第2畦際旋回処理での補正距離Lf(反転差距離)から差し引いた距離を、第3畦際旋回処理での補正距離Lgとして設定し、EEPROM56Aに書き込む〔#6〜#9〕。
又、主変速レバー43の前進変速領域への操作を検知してからの前進方向の走行距離(前進計測距離)L3を計測する前進計測処理を開始する〔#10〕。
その後、舵角センサ65の出力に基づいて前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の直進位置θoから第1設定角度θaへの操舵を検知すると、その検知に伴って前進計測処理を終了するとともに、その前進計測処理で得た前進計測距離L3eに前述した補正距離Lgを加えた距離を、第3畦際旋回処理での植え付け開始用の制御目標距離L3cとして設定する〔#11〜#13〕。
又、この設定した植え付け開始用の制御目標距離L3cから前述した差動距離Ldを差し引いた距離を、第3畦際旋回処理での施肥開始用の制御目標距離L3bとして設定する〔#14〕。
更に、この設定した施肥開始用の制御目標距離L3bから前述した補助差動距離Leを差し引いた距離を、第3畦際旋回処理でのブロワ駆動開始用の制御目標距離L3aとして設定する〔#15〕。
そして、それらの各制御目標距離L3a〜L3cをEEPROM56Aに書き込む〔#16〕。
その後、舵角センサ65の出力に基づいて前輪13(操舵装置49の揺動部材50)の第2設定角度θbから第1設定角度θaへの操舵を検知すると、その検知に伴って、後輪センサ67が出力する後輪20の回転数に基づいて、畦際旋回終了位置Pteからの走行距離L3を計測する計測処理を開始する〔#17,#18〕。
又、EEPROM56Aに書き込んだ各制御目標距離L3b,L3cをEEPROM56Aから読み出す〔#19〕。
そして、その計測処理で得た計測距離L3が予め設定したブロワ駆動開始用の制御目標距離L3aに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した下降処理とブロワ始動処理とを行う〔#20〜#22〕。
その下降処理の実行中にフロートセンサ63の出力に基づいてセンタフロート28の上下揺動角度が前述した制御目標角度に一致した(フロートセンサ63の出力が制御目標角度の不感帯幅内に収まった)ことを検知すると、その検知に伴って前述した自動昇降処理を行う〔#23,#24〕。
一方、計測処理で得た計測距離L3が予め設定した施肥開始用の制御目標距離L3bに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した施肥開始処理を行う〔#25,#26〕。
又、計測処理で得た計測距離L3が予め設定した植え付け開始用の制御目標距離L3cに達したことを検知すると、その検知に伴って前述した苗植え開始処理を行うとともに計測処理を終了する〔#27〜#29〕。
つまり、FRセンサ66の出力に基づいて開始する第3畦際旋回処理においても、畦際旋回行程の開始に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を一時的に停止させる作業中断処理と、作業走行行程の開始に伴って苗植付装置4及び施肥装置6を再作動させる作業再開処理とを適正に行うことができる。これにより、作業走行行程から畦際旋回行程への移行と畦際旋回行程から作業走行行程への移行を簡単かつ円滑に行うことができる。又、作業再開後の苗植付装置4による圃場への苗の植え付けと施肥装置6による圃場への施肥とを隣接位置に同期して行えるようにしながら、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとを自動的に揃えることができる。
図6に示すように、ECU56には、伝動軸センサ69の出力に基づいて畦際旋回行程での車速を検知し、その検知した畦際旋回行程での車速が設定速度よりも速いほど前述した差動距離Ldを長くし、かつ、設定速度よりも遅いほど前述した差動距離Ldを短くする、といった差動距離Ldの対車速補正処理を行うように構成した差動距離適正化手段56Hを制御プログラムとして備えている。そして、この差動距離適正化手段56Hの制御作動により、畦際旋回行程での車速の設定速度との差に起因して、苗植付装置4による圃場への苗の植え付け位置と施肥装置6による圃場への施肥位置とが、車体の前後方向において位置ズレする不都合の発生を防止することができる。
又、ECU56には、搭乗運転部41に備えた回転式のポテンショメータからなる差動距離変更用操作具75の操作に基づいて前述した差動距離Ldを変更する手動差動距離変更処理を行うように構成した手動差動距離変更手段56Kを制御プログラムとして備えている。これにより、ブロワ33の個体差や肥料の種類などによる施肥装置内での肥料の搬送速度の違いに起因して、苗植付装置4による圃場への苗の植え付け位置と施肥装置6による圃場への施肥位置とが車体の前後方向において位置ズレする不都合が生じる場合には、差動距離変更用操作具75を操作することにより、この操作に基づく手動差動距離変更手段56Kの制御作動によって、その位置ズレを解消することができる。
更に、ECU56には、搭乗運転部41に備えた回転式のポテンショメータからなる目標距離変更用操作具76の操作に基づいて前述した各植え付け開始用の制御目標距離L1c〜L3cを変更する手動目標距離変更処理と、この手動目標距離変更処理による各植え付け開始用の制御目標距離L1c〜L3cの変更に応じて前述した差動距離Ldを変更する自動差動距離変更処理とを行うように構成した制御目標距離変更手段56Lを制御プログラムとして備えている。これにより、圃場での後輪20のスリップなどに起因して、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとが位置ズレし、かつ、苗植付装置4による圃場への苗の植え付け位置と施肥装置6による圃場への施肥位置とが車体の前後方向において位置ズレする不都合が生じる場合には、後輪20のスリップ量などを考慮して目標距離変更用操作具76を操作することにより、この操作に基づく制御目標距離変更手段56Lの制御作動によって、それらの位置ズレを解消することができる。
図6に示すように、苗植付装置4には、2条1組で植付機構27への伝動を断続する3つの植付用補助クラッチ77、及び、2条1組で縦送り機構29への伝動を断続する3つの縦送用補助クラッチ78を備えている。施肥装置6には、2条1組で繰出機構32への伝動を断続する3つの施肥断続機構としての施肥用補助クラッチ79を備えている。
ECU56には、搭乗運転部41に備えたオルタネイトスイッチからなる3つの条数選択スイッチ80〜82の操作に基づいて、各植付用補助クラッチ77と各縦送用補助クラッチ78とにそれらの2条を1組みとした入り切り操作が可能となるように機械式の第1補助連係機構83を介して連係した電動式の第1補助クラッチモータ84、及び、各施肥用補助クラッチ79にそれらの2条を1組みとした入り切り操作が可能となるように機械式の第2補助連係機構85を介して連係した電動式の第2補助クラッチモータ86の作動を制御する補助クラッチ制御手段56Mを制御プログラムとして備えている。
補助クラッチ制御手段56Mは、3つ全ての条数選択スイッチ80〜82からオン信号が出力されていない場合は、植付用と縦送用と施肥用の全ての補助クラッチ77〜79が入り状態になる全条作業状態が得られるように各補助クラッチモータ84,86の作動を制御する。左2条用の条数選択スイッチ80からオン信号が出力されている場合は、左側2条分の植付用と縦送用と施肥用の各補助クラッチ77〜79が切り状態になり、残りの各補助クラッチ77〜79が入り状態になる右4条作業状態が得られるように各補助クラッチモータ84,86の作動を制御する。左2条用と中2条用の条数選択スイッチ80,81からオン信号が出力されている場合は、左側4条分の植付用と縦送用と施肥用の各補助クラッチ77〜79が切り状態になり、残りの各補助クラッチ77〜79が入り状態になる右2条作業状態が得られるように各補助クラッチモータ84,86の作動を制御する。右2条用の条数選択スイッチ82からオン信号が出力されている場合は、右側2条分の植付用と縦送用と施肥用の各補助クラッチ77〜79が切り状態になり、残りの各補助クラッチ77〜79が入り状態になる左4条作業状態が得られるように各補助クラッチモータ84,86の作動を制御する。右2条用と中2条用の条数選択スイッチ81,82からオン信号が出力されている場合は、右側4条分の植付用と縦送用と施肥用の各補助クラッチ77〜79が切り状態になり、残りの各補助クラッチ77〜79が入り状態になる左2条作業状態が得られるように各補助クラッチモータ84,86の作動を制御する。
又、補助クラッチ制御手段56Mは、搭乗運転部41に備えたオルタネイトスイッチからなる施肥停止スイッチ87の操作に基づいて、施肥停止スイッチ87からのオン信号の出力を検知すると、その検知に伴って、全ての施肥用補助クラッチ79が遮断状態になる施肥停止状態が得られるように第2補助クラッチモータ86の作動を制御する。逆に、施肥停止スイッチ87からのオン信号の出力を検知しなくなると、それに伴って、各条数選択スイッチ80〜82の操作に基づく施肥作業状態が得られるように第2補助クラッチモータ86の作動を制御する。
つまり、施肥停止スイッチ87を操作することにより、作業状態を、植え付け作業と施肥作業の双方を行う状態と植え付け作業のみを行う状態とに簡単に切り換えることができる。
作動切換制御手段56E、自動作動制御手段56G、及び、差動距離適正化手段56Hなどは、施肥停止スイッチ87の操作に基づいて、施肥停止スイッチ87からのオン信号の出力を検知すると、その検知に伴って、施肥装置6に対する制御作動であるブロワ始動処理や差動距離Ldの対車速補正処理などを実行しない状態に切り換わる。又、施肥停止スイッチ87からのオン信号の出力を検知しなくなると、それに伴って、施肥装置6に対する制御作動であるブロワ始動処理や差動距離Ldの対車速補正処理などの実行が可能な状態に切り換わる。
これにより、前述した施肥停止状態において、作動切換制御手段56E、自動作動制御手段56G、及び、差動距離適正化手段56Hなどが、施肥装置6に対する制御作動を不必要に行うことを防止することができる。
図6及び図7に示すように、ECU56には、主変速レバー43のエンジン停止位置への操作を検出するリミットスイッチからなる停止センサ88の出力などに基づいて、バッテリ35とスタータ59との間にメインスイッチ57と並列に備えたスタータリレー89、及び、バッテリ35からエンジン7のイグナイタ90への通電を断続するイグナイタリレー91の作動を制御するエンジン制御手段56Nを制御プログラムとして備えている。
図示は省略するが、エンジン停止位置は、主変速レバー43の操作領域における前進変速領域の零速位置と後進変速領域の零速位置とを繋ぐ左右向きの中立領域において、前進変速領域を挟んで後進変速領域の反対側に位置するように設定した操作位置である。そして、エンジン停止位置には、主変速レバー43を後進変速領域に向けて揺動付勢するバネの作用に抗した主変速レバー43のエンジン停止位置での係合保持を可能にする保持機構を備えている。
エンジン制御手段56Nは、停止センサ88の出力に基づいて、主変速レバー43のエンジン停止位置への操作を検知すると、その検知に伴ってエンジン停止制御を行う。又、エンジン停止制御によるエンジン停止状態において主変速レバー43のエンジン停止位置からの離脱を検知すると、その検知に伴ってエンジン始動制御を行う。
エンジン停止制御では、主変速レバー43のエンジン停止位置への操作を検知すると、その検知に伴って、昇降制御手段56Dが出力する苗植付装置4の昇降に関する情報、及び、作動切換制御手段56Eが出力する作業動力の断続に関する情報、などの各種の情報をEEPROM56Aに書き込む。又、これらの情報からエンジン停止制御開始直前の状態が作業状態か否かを判別する。
そして、作業状態である場合は、前述したブロワ停止処理と施肥停止処理と苗植え停止処理の実行を作動切換制御手段56E(第1作業レバー46が植付位置にある場合)又は自動作動制御手段56G(第1作業レバー46が自動位置にある場合)に指令して作業停止状態に切り換えた後、エンジン停止用の条件が成立しているか否を判別する。
一方、作業状態でない場合は、直ちにエンジン停止用の条件が成立しているか否を判別する。
その判別としては、先ず、エンジンセンサ68の出力に基づいてエンジン7の出力回転数が設定回転数(例えばアイドリング回転数)以下か否かを判別する。又、バッテリ35の電圧を検出する電圧検出器92の出力に基づいてバッテリ35の電圧が設定値以上か否かを判別する。更に、エンジン冷却水の温度を検出する温度センサ93の出力に基づいてエンジン冷却水の温度が設定値(例えば55度)以上か否かを判別する。そして、エンジン7の出力回転数が設定回転数以下であり、バッテリ35の電圧が設定値以上であり、エンジン冷却水の温度が設定値以上である場合にのみエンジン停止用の条件が成立していると判断する。それ以外の場合はエンジン停止用の条件が成立していないと判断する。
エンジン停止用の条件が成立している場合は、搭乗運転部41に備えたLEDからなるエンジン停止ランプ(図示せず)を点灯させるとともに、イグナイタリレー91に通電して、イグナイタリレー91をバッテリ35からイグナイタ90への通電を停止する開状態に切り換えることによりエンジン7を停止させ、その後、エンジン停止制御を終了する。エンジン停止用の条件が成立していない場合はエンジン7を停止させずにエンジン停止制御を終了する。
つまり、例えば苗補給や肥料補給などのために走行停止させる場合には、主変速レバー43の中立領域への操作やブレーキペダル45の踏み込み操作などによって走行停止させた後、主変速レバー43をエンジン停止位置に操作することにより、エンジン7を自動停止させることが可能であり、これにより、苗補給や肥料補給などを行っている間もエンジン7が作動することによる無駄な燃料消費を防止することができる。
又、主変速レバー43をエンジン停止位置に操作しても、前述したエンジン停止用の条件が成立していない場合にはエンジン7の自動停止を行わないことから、バッテリ35の電圧が設定値未満である場合やエンジン冷却水の温度が設定値未満である場合にエンジン7を自動停止させることに起因してエンジン7の再始動に手間取るなどの不都合が生じる虞を未然に回避することができる。
エンジン始動制御では、主変速レバー43のエンジン停止位置からの離脱を検知すると、その検知に伴って、エンジン停止制御開始直前にEEPROM56Aに書き込んだ各種の情報を読み出す。
そして、読み出した各種の情報に基づいてエンジン停止制御開始直前の状態が作業状態か否かを判別し、作業状態であった場合は、先ず、前述したブロワ始動処理の実行を作動切換制御手段56E又は自動作動制御手段56Gに指令してブロワ33を始動させるとともに、タイマ56Bによる計時を開始する。
その後、ブロワ33の駆動開始から定格回転数に至るまでに要する立ち上がり時間を考慮して設定した所定時間が経過すると、その経過に伴って、イグナイタリレー91への通電を停止して、イグナイタリレー91をバッテリ35からイグナイタ90に通電する閉状態に切り換えることによりエンジン7の始動を許容した後、エンジン始動用の設定時間が経過するまでの間、スタータリレー89に通電してスタータリレー89をバッテリ35からスタータ59に通電する閉状態に切り換えることにより、メインスイッチ57を迂回したバッテリ35からスタータ59への通電によりスタータ59を作動させてエンジン7を始動させるエンジン始動処理を行う。
その後、エンジンセンサ68の出力に基づいてエンジン7の出力回転数が設定回転数以上か否かを判別し、設定回転数以上でない場合はエンジン7が始動しなかったと判断して再びエンジン始動処理を行う。設定回転数以上である場合はエンジン7の始動が完了したと判断し、エンジン停止ランプを消灯させる。
又、前述した施肥開始処理の実行を作動切換制御手段56E又は自動作動制御手段56Gに指令して施肥装置6を作業状態に切り換えるとともに、タイマ56Bによる計時を開始する。その後、施肥開始処理の実行から前述した差動時間が経過するのに伴って前述した苗植え開始処理を行って苗植付装置4を作業状態に切り換える。そして、エンジン停止制御開始前に自動作動切り換え制御を行っていた場合には、自動作動切り換え制御の再開を自動作動制御手段56Gに指令する。
一方、作業状態でなかった場合は、直ちにエンジン始動処理を行う。
その後、エンジンセンサ68の出力に基づいてエンジン7の出力回転数が設定回転数以上か否かを判別し、設定回転数以上でない場合はエンジン7が始動しなかったと判断して再びエンジン始動処理を行う。設定回転数以上である場合はエンジン7の始動が完了したと判断し、エンジン停止ランプを消灯させる。
そして、エンジン停止制御開始前に自動作動切り換え制御を行っていた場合には、自動作動切り換え制御の再開を自動作動制御手段56Gに指令する。
図示は省略するが、自動作動制御手段56Gは、前述した第1〜3の各畦際旋回処理における各計測処理の実行中に、メインスイッチ57のON位置からOFF位置への回動操作によってバッテリ35からの通電が断たれることによりエンジン7の停止を検知した場合、又は、停止センサ88の出力に基づいて前述したエンジン停止制御の実行を検知した場合には、エンジン7の停止に対応したエンジン停止用の計測処理を行うように構成している。
そして、エンジン停止用の計測処理では、エンジン7の停止又はエンジン停止制御の実行を検知するのに伴って、その検知までの計測処理で得た計測距離をEEPROM56Aに書き込むとともに計測処理を終了する。その後、エンジンセンサ68の出力に基づいてエンジン7の始動を検知すると、終了した計測処理を再開するとともに、その再開後の計測処理で得た計測距離と、EEPROM56Aに書き込んだ終了前の計測距離とに基づいて、計測距離L1〜L3の各制御目標距離L1a〜L1c,L2a〜L2c,L3a〜L3cへの到達を判別するように構成している。
これにより、例えば、第1畦際旋回処理での畦際旋回開始位置Ptsからの走行距離L1の計測中、第2畦際旋回処理での畦際旋回行程の開始位置Psからの走行距離L2の計測中、第2畦際旋回処理での畦際旋回終了位置Pteからの走行距離L2の計測中、第3畦際旋回処理での畦際旋回行程の開始位置Psからの後進方向の走行距離L3の計測中、第3畦際旋回処理での主変速レバー43の前進変速領域への操作を検知してからの前進方向の走行距離L3の計測中、及び、第3畦際旋回処理での畦際旋回終了位置Pteからの走行距離L3の計測中において、苗補給や肥料補給などを行うために停車した後、燃料の無駄な消費を防止するために、メインスイッチ57のON位置からOFF位置への回動操作によるエンジン7の停止操作や、主変速レバー43のエンジン停止位置への操作によるエンジン停止制御の実行が行われた場合であっても、メインスイッチ57のON位置からOFF位置への回動操作によるECU56への通電停止、又は、エンジン停止制御後のエンジン始動制御におけるスタータ59の作動によるECU56への電力供給量の低下、などに起因した計測距離の消去を阻止することができる。
その結果、畦際旋回行程での苗補給時や肥料補給時などにおける燃料の無駄な消費を防止しながら、作業走行行程から畦際旋回行程への移行と畦際旋回行程から作業走行行程への移行を簡単かつ円滑に行うことができる上に、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとを自動的に揃えることができる。
尚、この実施形態では、後輪センサ67が走行車体1の走行距離を計測する計測器Eとして機能する。植付クラッチ23、施肥クラッチ36、ブロワリレー37、及び昇降駆動機構Dが、作業装置Aを作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置Fとして機能する。第2レバーセンサ61、舵角センサ65、及びFRセンサ66が、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器G、作業クラッチBの断続操作に関する情報を出力する作業クラッチ断続出力器H、作業装置Aの上昇操作を指令する上昇指令手段K、及び、計測開始を指令する計測開始指令手段Mとして機能する。自動作動制御手段56G及び舵角センサ65が、計測終了を指令する計測終了指令手段Nとして機能する。舵角センサ65が、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器Oとして機能する。FRセンサ66が前後進検出器Qとして機能する。メインスイッチ57及び停止センサ88が、エンジン7の停止を指令するエンジン停止指令手段Rとして機能する。エンジンセンサ68が、エンジン7の始動を検出するエンジン始動検出器Sとして機能する。伝動軸センサ69が、車速を検出する車速検出器Tとして機能する。施肥停止スイッチ87が、全施肥断続機構79の遮断状態への切り換えに関する情報を出力する全遮断出力器Uとして機能する。
〔別実施形態〕
〔1〕作業車としては、走行車体1に苗植付装置4のみを備えて構成した乗用田植機、走行車体1に作業装置Aの一例である播種装置を備えて構成した乗用播種機、走行車体1としてのトラクタなどに作業装置Aの一例である施肥装置を備えて構成した乗用施肥装置、走行車体1としてのトラクタなどに作業装置Aの一例である薬剤散布装置を備えて構成した乗用薬剤散布機、走行車体1としてのトラクタに作業装置Aの一例である耕耘装置を備えて構成した乗用耕耘機、あるいは、コンバイン、などであってもよい。
〔2〕作業装置Aの種類及び作業幅(作業条数)などは種々の変更が可能である。例えば、作業装置Aとしては4条植え用あるいは8条植え用のなどの苗植付装置4であってもよく、又、プラウなどの非駆動型の作業装置Aであってもよい。
〔3〕エンジン7としてディーゼルエンジンを採用したものであってもよい。この場合には、ディーゼルエンジンに対する燃料の供給を遮断する燃料カットソレノイドなどの燃料遮断装置の操作でエンジンの停止操作を行うことなどが考えられる。
〔4〕制御目標距離L1cとして、作業クラッチ断続出力器Hが遮断操作情報を出力する走行位置(畦際旋回行程の開始位置)Psから、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとが揃う状態となる畦際旋回行程の適正終了位置Peに到達するまでに要する推測走行距離を備え、自動作動制御手段56Gが、走行位置Psにおいて作業クラッチ断続出力器Hが出力する遮断操作情報に基づいて計測器Eによる走行位置Psからの走行距離L1の計測を開始し、計測処理で得た計測距離が制御目標距離L1cに到達するのに伴って、作業状態切換装置Fの作動を制御して作業装置Aを非作業状態から作業状態に切り換えるように構成してもよい。
〔5〕制御目標距離L1cとして、上昇指令手段Kが上昇操作指令を出力する走行位置(畦際旋回行程の開始位置)Psから、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置Peに到達するまでに要する推測走行距離を備え、自動作動制御手段56Gが、走行位置Psにおいて上昇指令手段Kが出力する上昇操作指令に基づいて計測器Eによる走行位置Psからの走行距離L1の計測を開始し、計測処理で得た計測距離が制御目標距離L1cに到達するのに伴って、作業状態切換装置Fの作動を制御して作業装置Aを非作業状態から作業状態に切り換えるように構成してもよい。
〔6〕制御目標距離L2cとして、サイドクラッチ断続出力器Oが接続操作情報を出力する走行位置(畦際旋回の終了位置)Pteから、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置Pweと畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置Pwsとが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置Peに到達するまでに要する推測走行距離を備え、自動作動制御手段56Gが、走行位置Psにおいてサイドクラッチ断続出力器Hが出力する接続操作情報に基づいて計測器Eによる走行位置Pteからの走行距離L2の計測を開始し、計測処理で得た計測距離が制御目標距離L2cに到達するのに伴って、作業状態切換装置Fの作動を制御して作業装置Aを非作業状態から作業状態に切り換えるように構成してもよい。
〔7〕自動作動制御手段56Gとしては、自動作動切り換え制御の各畦際旋回処理において線引きマーカの格納姿勢と作用姿勢との切り換え操作を適正に行うように構成したものであってもよい。
〔8〕昇降駆動機構D、計測器E、作業状態切換装置F、判別情報出力器G、作業クラッチ断続出力器H、上昇指令手段K、計測開始指令手段M、計測終了指令手段N、サイドクラッチ断続出力器O、前後進検出器Q、エンジン停止指令手段R、エンジン始動検出器S、車速検出器T、及び全遮断出力器Uの構成は、作業車の種類や構造及び作業装置Aの種類や構造などに応じて種々の変更が可能である。
例えば、作業装置Aがプラウなどの非駆動型のものである場合には、昇降駆動機構Dによって作業状態切換装置Fを構成することができる。又、作業クラッチ断続出力器H及びサイドクラッチ断続出力器Oとしては、それらの断続操作を検出するスイッチなどの検出器によって構成することができる。
〔9〕不揮発性記憶装置Cとしてフラッシュメモリなどを採用してもよい。
〔10〕制御装置56に、主変速装置8の作動を制御して車速を変更する車速制御手段を備え、畦際旋回直前又は畦際旋回時などにおいて主変速装置8の手動操作による作業走行速度からの減速操作が行われた場合には、畦際旋回終了後又は畦際旋回終了間際などにおいて、車速制御手段の制御差動によって、作業走行速度まで自動増速させるように構成してもよい。
本発明、乗用田植機、乗用播種機、乗用施肥装置、乗用薬剤散布機、乗用耕耘機、及びコンバインなどの作業車に適用することができる。
1 走行車体
4 苗植付装置
6 施肥装置
7 エンジン
19 サイドクラッチ
20 後輪
33 ブロワ
56 制御装置
75 差動距離変更用操作具
76 目標距離変更用操作具
79 施肥断続機構
A 作業装置
B 作業クラッチ
C 不揮発性記憶装置
D 昇降駆動機構
E 計測器
F 作業状態切換装置
G 判別情報出力器
H 作業クラッチ断続出力器
K 上昇指令手段
L1 走行距離
L1a ブロワ駆動開始用の制御目標距離
L1b 施肥開始用の制御目標距離
L1c 制御目標距離
L2 走行距離
L2a ブロワ駆動開始用の制御目標距離
L2b 施肥開始用の制御目標距離
L2c 制御目標距離
L2d 計測距離
L3 走行距離
L3a ブロワ駆動開始用の制御目標距離
L3b 施肥開始用の制御目標距離
L3c 制御目標距離
L3d 後進計測距離
L3e 前進計測距離
Ld 差動距離
Le 補助差動距離
Lf 補正距離(反転差距離)
Lg 補正距離
M 計測開始指令手段
N 計測終了指令手段
O サイドクラッチ断続出力器
Pe 畦際旋回行程の適正終了位置
Ps 上昇指令手段が上昇操作指令を出力する走行位置
Ps 作業クラッチ断続出力器が遮断操作情報を出力する走行位置
Pte サイドクラッチ断続出力器が接続操作情報を出力する走行位置
Pwe 畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置
Pws 畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置
Q 前後進検出器
R エンジン停止指令手段
S エンジン始動検出器
T 車速検出器
U 全遮断出力器

Claims (15)

  1. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置と、前記エンジン停止指令手段により前記エンジンの停止が指令されると作動し、前記エンジン始動検出器により前記エンジンの始動が検出されると作動停止する表示ランプとを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成した作業車。
  2. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記作業装置への伝動を断続する作業クラッチの断続操作に関する情報を出力する作業クラッチ断続出力器を備え、
    前記作業クラッチ断続出力器が出力する前記作業クラッチの遮断操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記作業クラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記作業クラッチ断続出力器が前記遮断操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた作業車。
  3. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
    前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記サイドクラッチ断続出力器が前記遮断操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた作業車。
  4. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
    前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記サイドクラッチ断続出力器が前記接続操作情報を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた作業車。
  5. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記作業装置への伝動を断続する作業クラッチの断続操作に関する情報を出力する作業クラッチ断続出力器と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
    前記作業クラッチ断続出力器が出力する前記作業クラッチの遮断操作情報、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記作業クラッチ断続出力器及び前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を補正距離として備え、
    前記制御装置が、前記作業クラッチ断続出力器の出力に基づいて前記作業クラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、この計測処理で得た計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した作業車。
  6. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記走行車体の前後進切り換え操作を検出する前後進検出器と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
    前記前後進検出器が出力する後進操作情報、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記前後進検出器及び前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を反転差距離として備え、
    前記制御装置が、前記前後進検出器の出力に基づいて後進操作を検知するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記前後進検出器の出力に基づいて前進操作を検知するのに伴って、この前進操作を検知するまでの前記計測処理で得た後進計測距離を前記反転差距離から差し引いた距離を補正距離として前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに、前進操作検知後の走行距離を計測し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、前進操作検知後の計測で得た前進計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した作業車。
  7. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記作業装置を昇降駆動する昇降駆動機構と、前記作業装置が接地する作業位置から浮上する非作業位置への前記作業装置の上昇操作を指令する上昇指令手段とを備え、
    前記上昇指令手段が出力する上昇指令を前記計測開始指令とすることにより、前記上昇指令手段が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を計測終了指令とすることにより、前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記上昇指令手段が前記上昇操作指令を出力する走行位置から、畦際旋回行程前の作業走行行程での作業終端位置と畦際旋回行程後の作業走行行程での作業始端位置とが揃う状態となる前記畦際旋回行程の適正終了位置に到達するまでに要する推測走行距離を前記制御目標距離として備えた作業車。
  8. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記作業装置を昇降駆動する昇降駆動機構と、前記作業装置が接地する作業位置から浮上する非作業位置への前記作業装置の上昇操作を指令する上昇指令手段と、対応する左右いずれかの後輪への伝動を断続する左右のサイドクラッチと、対応するサイドクラッチの断続操作に関する情報を出力するサイドクラッチ断続出力器とを備え、
    前記上昇指令手段が出力する上昇指令、及び、前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの接続操作情報を前記計測開始指令とすることにより、前記上昇指令手段及ぶ前記サイドクラッチ断続出力器が前記計測開始指令手段として機能するように構成し、
    前記サイドクラッチ断続出力器が出力する前記サイドクラッチの遮断操作情報、及び、前記計測処理で得た計測距離の前記制御目標距離への到達検知を前記計測終了指令とすることにより、前記サイドクラッチ断続出力器及び前記制御装置が前記計測終了指令手段として機能するように構成し、
    前記走行車体を反転させた場合に生じる反転前の前記作業装置の作業位置と反転後の前記作業装置の作業位置との車体前後方向での差を補正距離として備え、
    前記制御装置が、前記上昇指令手段の上昇指令を取得するのに伴って前記計測処理を開始し、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて左右いずれか一方のサイドクラッチの遮断操作を検知するのに伴って前記計測処理を終了するとともに、この計測処理で得た計測距離に前記補正距離を加えた距離を前記制御目標距離として前記不揮発性記憶装置に書き込み、その後、前記サイドクラッチ断続出力器の出力に基づいて遮断状態のサイドクラッチの接続操作を検知するのに伴って、前記計測処理を開始するとともに、この計測処理で得た計測距離と前記制御目標距離とを比較するように構成した作業車。
  9. 走行車体の走行距離を計測する計測器と、前記走行車体に備えた作業装置を作業状態と非作業状態とに切り換える作業状態切換装置と、作業走行における畦際旋回行程か否かの判別を可能にする判別情報を出力する判別情報出力器と、計測開始を指令する計測開始指令手段と、計測終了を指令する計測終了指令手段と、前記作業状態切換装置の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、前記判別情報に基づいて畦際旋回行程であると判定している場合に、前記計測開始指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を開始し、かつ、前記計測終了指令手段の指令に基づいて前記計測器による走行距離の計測を終了する計測処理を実行し、前記計測処理で得た計測距離が予め設定した制御目標距離に到達するのに伴って、前記作業状態切換装置の作動を制御して前記作業装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成し、
    前記走行車体に搭載したエンジンの停止を指令するエンジン停止指令手段と、前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出器と、前記計測処理で得た計測距離を記憶する不揮発性記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記計測処理の実行中に前記エンジン停止指令手段の指令を取得すると、その指令を取得するまでの前記計測処理で得た計測距離を前記不揮発性記憶装置に書き込むとともに前記計測処理を終了し、その後、前記エンジン始動検出器の出力に基づいて前記エンジンの始動を検知すると、前記計測処理を再開するとともに、その再開後の前記計測処理で得た計測距離と、前記不揮発性記憶装置に書き込んだ指令取得前の計測距離とに基づいて、前記計測距離の前記制御目標距離への到達を判別するように構成し、
    前記作業装置として苗植付装置と施肥装置とを備え、
    前記苗植付装置の駆動開始から圃場に苗を植え付けるまでのタイムラグと前記施肥装置の駆動開始から圃場に施肥するまでのタイムラグとの差に応じた差動距離を備え、
    前記制御装置が、前記制御目標距離に基づいて前記苗植付装置を非作業状態から作業状態に切り換え、かつ、前記制御目標距離から前記差動距離を差し引くことにより得た施肥開始用の制御目標距離に基づいて前記施肥装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成した作業車。
  10. 前記作業装置として苗植付装置と施肥装置とを備え、
    前記苗植付装置の駆動開始から圃場に苗を植え付けるまでのタイムラグと前記施肥装置の駆動開始から圃場に施肥するまでのタイムラグとの差に応じた差動距離を備え、
    前記制御装置が、前記制御目標距離に基づいて前記苗植付装置を非作業状態から作業状態に切り換え、かつ、前記制御目標距離から前記差動距離を差し引くことにより得た施肥開始用の制御目標距離に基づいて前記施肥装置を非作業状態から作業状態に切り換えるように構成した請求項1〜8のいずれか一つに記載の作業車
  11. 車速を検出する車速検出器を備え、
    前記制御装置が、前記車速検出器の出力に基づいて前記車速が速いほど前記差動距離を長くする対車速補正処理を行うように構成した請求項9又は10に記載の作業車
  12. 前記差動距離の設定変更を可能にする差動距離変更用操作具を備え、
    前記制御装置が、前記差動距離変更用操作具の操作に基づいて前記差動距離を変更する手動差動距離変更処理を行うように構成した請求項9〜11のいずれか一つに記載の作業車
  13. 前記制御目標距離の設定変更を可能にする目標距離変更用操作具を備え、
    前記制御装置が、前記目標距離変更用操作具の操作に基づいて前記制御目標距離を変更する手動目標距離変更処理と、この手動目標距離変更処理による制御目標距離の変更に応じて前記差動距離を変更する自動差動距離変更処理とを行うように構成した請求項9〜12のいずれか一つに記載の作業車
  14. 前記施肥装置に肥料搬送用の搬送風を生起するブロワを備え、
    前記ブロワの駆動開始から定格回転数に至るまでに要する立ち上がり時間に応じた補助差動距離を備え、
    前記制御装置が、前記施肥開始用の制御目標距離から前記補助差動距離を差し引くことにより得たブロワ駆動開始用の制御目標距離に基づいて前記ブロワを非作業状態から作業状態に切り換えるように構成した請求項9〜13のいずれか一つに記載の作業車
  15. 前記施肥装置に所定条数ごとの施肥の断続を可能にする複数の施肥断続機構を備え、
    全施肥断続機構の遮断状態への切り換えに関する情報を出力する全遮断出力器を備え、
    前記制御装置が、前記全遮断出力器の出力に基づいて全施肥断続機構の遮断状態への切り換えを検知すると、前記施肥装置に対する制御作動を実行しないように構成した請求項9〜14のいずれか一つに記載の作業車
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