JP7132812B2 - 作業車両 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、後進時における自働操舵を簡単に行うことができる作業車両を提供することを目的とする。
作業車両は、車体と、前記車体の操舵を行うステアリングハンドルと、前記車体の位置を検出可能な測位装置と、前記測位装置によって検出された前記車体の位置を走行基準ラインに設定する指令スイッチと、前記ステアリングハンドルによる手動操舵とは別の自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、前記操舵切換スイッチによって前記自動操舵の開始が行われた際に、前記走行基準ラインに対応する走行予定ラインに沿って前記車体が後進するように、前記後進の自動操舵の指令を行う制御装置と、前記車体の後部に設けられる作業装置と、前記作業装置を昇降可能な昇降装置と、前記車体が後進したことを作動条件として前記昇降装置を上昇させるオートアップ装置と、を備え、前記制御装置は、前記手動操舵で且つ前記車体が後進した場合は前記オートアップ装置による前記昇降装置の上昇を行い、前記後進の自動操舵の場合は前記オートアップ装置による前記昇降装置の上昇を行わない。
前記車体の終了位置に対して前記車体の幅方向にシフトしたシフト位置に、前記車体が近づいたことを報知する報知装置を備えている。
図11は作業車両1の一実施形態を示す側面図であり、図11は作業車両1の一実施形態を示す平面図である。本実施形態の場合、作業車両1はトラクタである。但し、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
図11に示すように、トラクタ1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
また、車体3の後部には、昇降装置8を含む連結部が設けられている。連結部には、作業装置を着脱可能である。作業装置を連結部に連結することによって、車体3によって作業装置を牽引することができる。作業装置は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
図1に示すように、トラクタ1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、運転者の操作によって車体3の操舵を行う手動操舵と、運転者の操作によらずに自動的に車体3の操舵を行う自動操舵とを行うことが可能な装置である。
図2に示すように、自動操舵を行うに際しては、まず、自動操舵を行う前に走行基準ラインL1を設定する。走行基準ラインL1の設定後に、当該走行基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2の設定を行うことによって自動操舵を行うことができる。自動操舵では、測位装置40によって測定された車体位置と走行予定ラインをL2とが一致するように、トラクタ1(車体3)の進行方向の操舵を自動的に行う。
図1に示すように、トラクタ1は、設定スイッチ51を備えている。設定スイッチ51は、少なくとも自動操舵の開始前の設定を行う設定モードに切り換えるスイッチである。設定モードは、自動操舵を開始する前に当該自動操舵に関する様々な設定を行うモードであり、例えば、走行基準ラインL1の始点、終点の設定等を行うモードである。
補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、当該プッシュスイッチの操作回数に基づいて、補正量が設定される。補正量は、補正量=操作回数×1回の操作回数当たりの補正量により決定される。例えば、図3Aに示すように、プッシュスイッチを操作する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。プッシュスイッチの操作回数は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが操作回数に基づいて補正量を設定(演算)する。
図5Aは、自動操舵中で直進中に演算車体位置W1が右にずれた場合の状態を示している。図5Aに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際のトラクタ1(車体3)の位置(実際位置W2)と演算車体位置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、測位装置40の測位に誤差がなく、測位装置40で検出した車体位置(演算車体位置W1)が実際位置W2と同じである区間P1では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。なお、測位装置40の測位に誤差がなく補正も行われていない場合は、演算車体位置W1と、補正量で補正した補正後の車体位置(補正車体位置)W3とは同じ値である。補正車体位置W3は、補正車体位置W3=演算車体位置W1-補正量である。
図6に示すように、ステアリングシャフト31の外周は、ステアリングポスト180により覆われている。ステアリングポスト180の外周は、カバー177により覆われている。カバー177は、運転席10の前方に設けられている。カバー177は、パネルカバー178とコラムカバー179とを含んでいる。
設定スイッチ51は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。本実施形態の場合、操舵切換スイッチ52は、揺動可能なレバーから構成されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31側に設けられた基端部を支点として揺動可能である。操舵切換スイッチ52の基端部は、コラムカバー179の内部に設けられている。操舵切換スイッチ52は、コラムカバー179の一側方(左方)に突出している。
第1制御装置60Aは、受信装置41が受信した衛星信号(受信情報)と、慣性計測装置42が測定した測定情報(加速度、角速度等)を受信し、受信情報及び測定情報に基づいて車体位置を求める。例えば、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による補正量が零である場合、即ち、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されていない場合、受信情報と測定情報とで演算された演算車体位置W1に対して補正を行わず、演算車体位置W1を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。一方、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されている場合、補正スイッチ53の操作回数及び補正スイッチ53の操作量(変位量)のいずれかに基づいて車体位置の補正量を設定し、演算車体位置W1を補正量で補正した補正車体位置W3を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。
第3制御装置60Cは、トラクタ1に関する様々な制御を行う。第3制御装置60Cは、手動昇降制御、オートアップ制御等を行うことができる。手動昇降制御では、第3制御装置60Cに接続された昇降スイッチ101の操作に基づいて昇降装置8を昇降する制御である。具体的には、昇降スイッチ101は、運転席10の周囲に設けられていて、3位置切換スイッチである。昇降スイッチ101を中立位置から一方に切り換えると、昇降装置8(リフトアーム8a)を上昇させる上昇信号が第3制御装置60Cに入力される。また、昇降スイッチ101を中立位置から他方に切り換えると、昇降装置8(リフトアーム8a)を下降させる下降信号が第3制御装置60に入力される。第3制御装置60Cは、上昇信号を取得すると制御弁29に制御信号を出力することで昇降装置8を上昇させ、下降信号を取得すると制御弁29に制御信号を出力することで昇降装置8を下降させる。つまり、第3制御装置60は、昇降スイッチ101の手動操作に応じて昇降装置8を昇降させる手動昇降制御をすることができる。
さて、トラクタ1は、後進しながら自動操舵を行うことができる。図9は、トラクタ1における前進の自動操舵と、後進の自動操舵とを示した図である。図9に示すように、圃場H1内で自動操舵を行うに際して、操舵切換スイッチ52によって自動操舵の開始を操作する毎に、複数の走行予定ラインL2の直線部分SLn(n=1、2、3・・・)が設定される。例えば、開始位置ST1にて操舵切換スイッチ52を操作し、自動操舵の開始が指令されると、1本目の直線部分SL1が設定される。そして、自動操舵制御部200によって、直線部分SL1に沿ってトラクタ1を前進させながら自動操舵を行うことができる。また、終了位置EN1にて操舵切換スイッチ52を操作し、自動操舵の終了が指令されると、直線部分SL1に沿う自動操舵を終了することができる。トラクタ1に装着した作業装置で作業を行う際は、て、1本目の直線部分SL1における前進の自動操舵が終了後、トラクタ1を旋回させずに、後進の自動操舵を行う。
さて、図1に示すように、トラクタ1は、報知装置80を備えている。報知装置80は、自動操舵の終了の位置にトラクタ1(車体3)が近づいた場合に、報知を行う装置である。報知装置80は、スピーカ、ランプ等であって、運転席10の近傍に設けられている。具体的には、報知装置80は、自動操舵の終了をしたときの車体3の位置(自動操舵の終了位置)に対して車体3の幅方向にシフトしたシフト位置に、車体3が近づいたことを、スピーカによる音声出力、警告音、ランプの点灯、点滅等により報知する。
自動操舵の終了位置をENnとした場合、直線部分SLnが偶数本目(n=2、4、6・・・)における自動操舵の終了位置ENnは、圃場において一方側に並ぶ(図9では紙面上側)。
さて、トラクタ1は、記憶装置81を備えている。記憶装置81は、操舵切換スイッチ52によって自動操舵の開始又は終了に切り換えた場合のトラクタ1の位置(開始位置STn、終了位置ENn)、即ち、測位装置40で検出した検出位置(車体位置)を記憶する装置である。記憶装置81は、制御装置60又は表示装置45に内蔵されていてもよいし、別体であってもよい。
作業車両1は、車体3と、車体3の操舵を行うステアリングハンドル30と、車体3の位置を検出可能な測位装置40と、測位装置40によって検出された車体3の位置を走行基準ラインL1に設定する指令スイッチと、ステアリングハンドル30による手動操舵とは別の自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチ52と、操舵切換スイッチ52によって自動操舵の開始が行われた際に、走行基準ラインL1に対応する走行予定ラインL2に沿って車体3が後進するように、後進の自動操舵の指令を行う制御装置60と、を備えている。これによれば、自動操舵時に走行予定ラインL2に沿って車体3を簡単に後進させることができる。即ち、後進時における自働操舵を簡単に行うことができる。
制御装置60は、車体3が後進を開始してから所定距離を進んだ場合に、操舵切換スイッチ52を自動操舵の終了に切り換えた際の車体3の終了位置を保持する。これによれば、自動操舵を終了したときの終了位置を把握することができ、後進しながらの作業の終了位置(自動操舵の終了位置)を揃えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 作業装置
3 車体
8 昇降装置
30 ステアリングハンドル
60 制御装置
60C 第3制御装置
L1 走行基準ライン
Claims (4)
- 車体と、
前記車体の操舵を行うステアリングハンドルと、
前記車体の位置を検出可能な測位装置と、
前記測位装置によって検出された前記車体の位置を走行基準ラインに設定する指令スイッチと、
前記ステアリングハンドルによる手動操舵とは別の自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、
前記操舵切換スイッチによって前記自動操舵の開始が行われた際に、前記走行基準ラインに対応する走行予定ラインに沿って前記車体が後進するように、前記後進の自動操舵の指令を行う制御装置と、
前記車体の後部に設けられる作業装置と、
前記作業装置を昇降可能な昇降装置と、
前記車体が後進したことを作動条件として前記昇降装置を上昇させるオートアップ装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記手動操舵で且つ前記車体が後進した場合は前記オートアップ装置による前記昇降装置の上昇を行い、前記後進の自動操舵の場合は前記オートアップ装置による前記昇降装置の上昇を行わない作業車両。 - 前記昇降装置による昇降を操作する昇降スイッチを備え、
前記制御装置は、前記後進の自動操舵の場合は前記昇降スイッチの操作による前記昇降を実行する請求項1に記載の作業車両。 - 前記制御装置は、前記車体が後進を開始してから所定距離を進んだ場合に、前記操舵切換スイッチを前記自動操舵の終了に切り換えた際の前記車体の終了位置を保持する請求項1又は2に記載の作業車両。
- 前記車体の終了位置に対して前記車体の幅方向にシフトしたシフト位置に、前記車体が近づいたことを報知する報知装置を備えている請求項3に記載の作業車両。
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