JP6425602B2 - 水田作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、走行機体の後方側で昇降作動可能に連結された主作業装置と、走行機体の前部に配備された前マーカと、その前マーカを上昇非使用姿勢と下降使用姿勢とに姿勢切換操作するマーカ操作装置とを備え、前記主作業装置の上昇作動に連動して下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に操作指令を出力する連係手段とを備えた水田作業機に関する。
上記のように、主作業装置の上昇作動に連動して下降使用姿勢にある前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するようにした水田作業機の従来技術としては、下記の特許文献1に記載した構造のものがある。
この従来技術による構造では、苗植付装置の上昇に基づいて前マーカを自動的に上昇させる、あるいは、別途設けた人為操作可能な操作機構による指令に基づいて、人為的に前マーカを上昇させている(特許文献1参照)。
特開2014−180227号公報(段落番号〔0048〕、〔0057〕、図1、図4、図9)
上記の水田作業機は、後方の苗植付装置側にではなく、走行機体側の前部に前マーカを備えることで、走行機体と前マーカによる線引き位置との左右方向での位置ずれがない状態で、比較的精度良く線引き作業が行われ易い点では有用なものである。
しかしながら、前マーカが走行機体の前部に配備されているので、後方側に備えた苗植付装置が植付作業終了位置に達した時点から、苗植付装置を上昇させ、この苗植付装置の上昇作動に連動して前マーカを上昇させながら旋回しようとした場合、次のような問題がある。
つまり、走行機体の前部に備えられた前マーカと走行機体の直前位置の畦との間には、植付作業終了時点では、必然的にあまり空間的な余裕がない状態となっている。
この状態から、苗植付装置の上昇操作と、これに伴う前マーカの上昇方向への格納操作とを行う場合に、苗植付装置の上昇開始と同時的に走行機体の旋回走行を開始すると、前マーカが十分に上がり切らないうちに畦等に近接しすぎて、接触してしまう虞がある。このような不具合を回避するには、前マーカが十分な高さに上がりきるまで走行機体の旋回走行を開始させずにおけばよいが、これでは作業時間のロスを招く傾向があるので、この点で改善の余地がある。特に、苗植付装置による植付予定条数が多い幅広のものほど前マーカの長さも長くなるので、他物との接触の可能性を招く傾向が強くなる。
本発明は、植付予定条数が多い幅広の苗植付装置を採用した構造のものであっても、前マーカの上昇作動を遅滞なく自動的に行わせ易い水田作業機を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために本発明の水田作業機において講じた技術手段は下記のとおりである。
〔解決手段1〕
解決手段1にかかる発明では、乗用型の走行機体の後方側で昇降作動可能に連結された主作業装置と、前記走行機体の走行に伴って圃場面に線状の走行目標を形成するように前記走行機体の前部に配備された前マーカと、その前マーカを上昇非使用姿勢と下降使用姿勢とに姿勢切換操作するマーカ操作装置とを備え、前記主作業装置の上昇作動に連動して下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に操作指令を出力する連係手段と、この連係手段による操作指令とは別に、下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に対して操作指令を出力可能な自動操作手段とを備え、前記自動操作手段は、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別する機体条件判別手段を備え、前記走行機体が旋回予定箇所に到達したことの判別情報に基づいて、前記走行機体が前記主作業装置での作業行程終端に到達するに先立って、前記マーカ操作装置に対して操作指令を出力し、下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように構成されているということである。
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別する機体条件判別手段を備え、走行機体が旋回予定箇所に到達したことの判別情報に基づいて前マーカを上昇非使用姿勢に自動的に切換操作することができる。
つまり、苗植付装置等の主作業装置の上昇操作の開始タイミングなどとは関係なく、走行機体が前マーカを上昇操作するのに最も適切なタイミングで前マーカの上昇操作を開始することができる。
したがって走行機体の旋回に際して、前マーカが畦などの他物へ接触する可能性を低減しやすいという利点がある。
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記機体条件判別手段は、全地球測位システムを用いて検出された圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との相対位置関係に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものであるということである。
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、全地球測位システムを用いて畦位置と走行機体の現在位置とから旋回予定箇所を判別するので、特別に計測起点となる位置を定めて、その起点からの走行距離を精度良く検出する装置を用いるなど、大掛かりな構造や複雑な構造を要さずに、簡単な構造で適切な旋回予定箇所を設定し得るという利点がある。
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記機体条件判別手段は、前記走行機体に装備させた実走行距離を検出するための走行距離計測装置を備えて、予め設定した起点からの走行距離の計測結果に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものであるということである。
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、予め設定した起点からの走行距離を精度良く検出して、旋回予定箇所を精度良く設定し易いという利点がある。
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記機体条件判別手段は、圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との離間距離を検出する距離センサーを備え、圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との離間距離の計測結果に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものであるということである。
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、計測対象が明確である場合には、その計測対象と走行機体との間の距離の測定で簡単に旋回予定箇所を設定できるので、計測対象が明確である箇所において、簡単な構造で精度良く旋回予定箇所を検出し得る利点がある。
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記機体条件判別手段は、前記走行機体の走行速度を検出する速度検出装置を備え、前記主作業装置を用いての作業走行中における前記走行機体の走行速度の変化状況に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものであるということである。
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、旋回走行が開始される前に減速するという、運転時の習性を利用することにより、特別な検出手段を用いずとも、一般に水田作業機が本来備えている速度検出装置を有効利用し、簡単な構造で旋回予定箇所を判別する手段を得られるという利点がある。
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記連係手段、及び前記自動操作手段とは別に、下降使用姿勢にある前記前マーカを、人為操作で上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に対して指令する人為操作手段を備えたものであるということである。
〔解決手段6にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、障害物を避けるため等に、旋回予定箇所以外の箇所で前マーカを上げたいとき、簡単に操作し得る利点がある。
水田作業機の全体を示す側面図である。 水田作業機の全体を示す平面図である。 マーカ格納状態のマーカ装置を示す正面図である。 作業走行時でのマーカ装置を示す平面図である。 作業走行時でのマーカ装置を示す正面図である。 上昇収容姿勢及び格納状態のマーカを示す正面図である。 マーカの支持構造及びロック機構を示す斜視図である。 制御装置を示すブロック図である。 畦際での旋回走行形態を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る水田作業機の一例である乗用型田植機の実施形態について説明する。
尚、実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、機体の作業走行時における前進側の進行方向(図2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
〔全体構成〕
図1は、乗用型田植機の全体を示す側面図である。図2は、その平面図である。
図1,2に示すように、本発明に係る水田作業機の一例である乗用型田植機は、左右一対の操向操作自在な前車輪1,1及び左右一対の後車輪2,2を備えている。この前車輪1,1及び後車輪2,2が、機体前部の原動部8に設けたエンジン3からの動力によって駆動され走行するよう構成された走行機体を備えている。走行機体の機体フレーム10の後部に上下揺動操作自在なリンク機構4を介して苗植付装置6(主作業装置に相当する)が連結され、苗植付装置6は、昇降シリンダ5によるリンク機構4の揺動操作によって下降作業状態と上昇非作業状態とに昇降操作される。また、走行機体上の後部には、運転座席14の後方側に施肥タンク30,30を有した施肥装置7が備えられている。
乗用型田植機、苗植付装置6を下降作業状態にして走行機体を走行させることにより、苗植付装置6によって10条植え可能な苗植え付け作業を行い、施肥装置7によって各植付条における植付苗の横側近くに肥料を供給する施肥作業を行う。
図1,2に示すように、走行機体は、機体後部に設けた運転座席14、及び運転座席14の前方に設けたステアリングハンドル11が装備された運転部Aを備え、運転部Aに搭乗して操縦するように乗用型になっている。走行機体には、運転座席14の前方下方に配備した運転ステップ12、運転ステップ12の両横端部の下方に配備した乗降用ステップ13を備えてある。
図1に示すように、機体フレーム10のうち、原動部8の下方でエンジン3等を搭載するエンジンフレーム10A部分は、その前端部下縁10Aaが、前上がり状の傾斜面となるように傾斜させてある。これにより、畦際での旋回の際に、エンジンフレーム10Aの前端が畦BBと接触する可能性をある程度低減し得る。
原動部8の前部における左右両側に前照灯17が設けられている。
図1,2に示すように、苗植付装置6は、リンク機構4の後部に前端部が連結された植付フレーム6Aと、植付フレーム6Aの後端部に走行機体横方向に一列に並べて取り付けられた10個の苗植付機構20と、植付フレーム6Aの前部の上方に設けられた苗載台21と、植付フレーム6Aの下部に走行機体横方向に並べて取り付けられた5つの接地フロート22とを備えている。
苗載台21は、苗植付機構20の苗植え運動に連動して走行機体横方向に往復移送され、各苗植付機構20に苗載置部21aから苗供給する。各接地フロート22は、苗植付装置6の下降作業状態において、圃場面に接地して、各苗植付機構20による苗植深さが所定深さになるように苗植付装置6を支持し、かつ苗植付機構20による苗植え箇所を整地する。
施肥装置7は、運転座席14の背部側に配置された粉粒状の肥料を貯留する施肥タンク30と、その下方側に配設される繰り出し部31と、繰り出された肥料を苗植付装置6に備えた作溝器32に向けて搬送する施肥ホース33とを備えている。施肥ホース33は軟質樹脂製などの可撓管で構成され、苗植付装置6の昇降動作に伴って弾性変形可能であるように構成されている。
繰り出し部31から繰り出された肥料を前記施肥ホース28で風力搬送するための搬送風の供給手段として、施肥用のブロワ34が、繰り出し部31の前方下方に設けてある。
〔センターマーカ〕
走行機体の前部には、前端部の左右中央箇所に位置させてセンターマーカ9を設けてある。このセンターマーカ9は、後述する左右両側の前マーカ40との併用により、機体の直進走行を行わせ易くするものである。
つまり、作業走行の際、走行機体横側方の圃場面箇所に前マーカ40によって走行目標線LL(図7参照)を形成する。そして、その作業行程による苗植付けを終えた苗植え済み箇所に隣接する作業対象箇所を、次の作業行程で走行する際、先に形成した走行目標線LLにセンターマーカ9を位置合わせしながら走行する。これにより、先行程の作業走行による植付苗の機体走行方向での苗列と、次行程の作業走行による植付苗の機体走行方向での苗列とが、平行又はほぼ平行になる状態で作業走行を行い易くなるようにしたものである。
図3に示すように、このセンターマーカ9は、原動部8の内部に設けたセンターマーカ用モータ9Aにより、運転部Aの操作パネル上に配備した操作スイッチ53(図8参照)を操作して、その前後方向での傾斜角度を多段に、もしくは無段階に変更可能に構成してある。
〔前マーカ及びマーカ操作装置〕
走行機体の前部の両横側には、それぞれ前マーカ40を設けてある。
左の前マーカ40と右の前マーカ40とは、走行機体から横外向きに突出する突出向きが左右で対称であるように構成されている点で相違しているが、その他の点では同じ構成を備えている。したがって、左右の前マーカ40,40のうち、左の前マーカ40についてのみ詳細な構造を図示し、右の前マーカ40については詳細な構造の図示は省略する。
図1〜6に示すように、前マーカ40は、走行機体の前部の横側部位に設けてある。つまり、乗降用ステップ13(図1参照)を備えた乗降通路の前側の部位に支持部41を設けてあり、この支持部41から延出するマーカ支持アーム42と、そのマーカ支持アーム42の延出端側に基端部が連結されたマーカ主部43とを備えている。
支持部41は、走行機体の下部の前輪上方箇所に配備され、機体フレーム10に固定された支持フレーム44のうちの、走行機体横向きの中央部分に対して走行機体前後向きに曲げ成形された端部分によって構成してある。支持フレーム44は予備苗台支柱Sを支持するよう構成されている。
マーカ支持アーム42の基部が支持部41に設けた支持板部41aに機体上下向きの連結軸45を介して回動自在に連結されている。マーカ支持アーム42は、連結軸45の軸芯であるところの機体上下向きの揺動軸芯Pまわりで、前後揺動自在に支持部41に取り付けられている。
連結軸45は、前後駆動用モータ63によって、前記揺動軸芯Pまわりで、機体前方側へ向けられる状態と、横外側方へ向けられる状態とにわたって、前後揺動可能に構成されている。マーカ支持アーム42を前後揺動操作することにより、マーカ支持アーム42の取付姿勢を、図4,5に示す如く延出端側が走行機体横外側に向かう状態で走行機体横方向に沿った横外向き取付け姿勢と、図1,2,3に示す如く延出端側が走行機体前方側に向かう状態で走行機体前後方向に沿った前向き取付姿勢とに変更できるようになっている。
マーカ主部43は、マーカ支持アーム42に連結している基端側部分43aに対して先端側部分43bが折れ曲がった形状に形成されたアーム部43cと、先端側部分43bの先端部に回転自在に支持された回転マーカ部43dとを備えて構成してある。
マーカ主部43は、アーム部43cの基端部に板金部材を取り付けて設けた基端側部分43aが、マーカ支持アーム42の延出端側に連結軸42cを介して回動自在に連結されている。これによって、マーカ主部43の全体が、マーカ支持アーム42の延出端側に連結軸42cの軸芯であるところの起伏軸芯Xまわりに上下揺動自在に支持されている。
マーカ主部43は、マーカ支持アーム42に対して下降揺動操作して倒伏させることにより、下降使用姿勢になって、回転マーカ部43dを圃場面に接地させることができる。マーカ主部43は、マーカ支持アーム42に対して上昇揺動操作して起立させることにより、上昇収容姿勢になって、回転マーカ部43dを圃場面から上昇させることができる。
マーカ主部43の起伏軸芯X回りの上下揺動操作は、マーカ支持アーム42に支持された電動モータ61と、その電動モータ61と基端側部分43aとを連結する連動部材62とによって構成されたマーカ操作装置60によって行われる。
マーカ支持アーム42の前記揺動軸芯Pまわりでの前後揺動操作は、連結軸45を回動操作する前後駆動用モータ63によって行われる。
そして、前記電動モータ61、及び前後駆動用モータ63の作動制御は、後述する制御装置100によって行われるように構成してある。
〔隣接マーカ〕
図1,3,5、及び図7に示すように、前マーカ40の存在箇所の後方側に相当する箇所に、隣接マーカ88を配設してある。
この隣接マーカ88は、走行機体の支持部41に備えさせた連結部41bに対して、上下方向の軸心を有した連結軸89の回りで前後方向に揺動操作可能に取り付けてある。
隣接マーカ88は、指示バー88aを備えてある延出端側が走行機体横外向きになる状態で走行機体横方向に沿った横外向き使用姿勢と、延出端側が走行機体前方向きになる状態で走行機体前後方向に沿った前向き格納姿勢とに姿勢切換えできるように構成してある。
隣接マーカ88の延出端側には、図1,3,5、及び図7に示すように、後方確認用のバックミラー80が装備されている。このバックミラー80は、走行機体を畦BBに沿って周回させながら回り植えを行う作業等の際、後方の苗植付装置6の端部を、運転座席14に搭座した状態のままで視認しながら行うことができ、作業効率を向上し得る可能性がある。
この隣接マーカ88の横外向き使用姿勢と前向き格納姿勢との姿勢変更は人為操作によって行うように構成されている。
〔機体条件判別手段〕
この乗用型田植機の適所には、走行機体の現在地を検出するためのGPS装置50(Global Positioning System(全地球測位システムに相当する))が搭載されている。
このGPS装置50により、作業対象圃場における畦BBの存在位置の情報、及び走行機体の現在位置に関する情報を検出する。そして、GPS装置50から得られた情報が、後述する制御装置100のマーカ上昇制御手段102に対して入力される。
マーカ上昇制御手段102では、走行機体が旋回予定箇所E2に到達した状態であるか否かを判別して、適切なタイミングでマーカ操作装置60に対して制御指令を出力する。つまり、GPS装置50と、マーカ上昇制御手段102との組み合わせにより、前マーカ40の上昇タイミングを適切に設定するための機体条件判別手段が構成されている。ここでいう旋回予定箇所E2とは、実際に走行機体が旋回走行を開始する箇所という意味ではなく、旋回開始にあたって何らかの準備を行う箇所を意味するものであり、ここでは、機体の旋回に先立って前マーカ40の上昇を開始する予定の箇所であることを意味する。
この機体条件判別手段を用いることにより、乗用型田植機における前マーカ40の自動上昇は後述するように行われる。
〔制御装置〕
苗植付装置6及び前マーカ40の作動を制御する制御装置100について説明する。
図8に示すように、制御装置100には、苗植付装置6の昇降作動、及び植付クラッチ26や施肥クラッチ27の入り切り、ならびに前マーカ40の昇降を行う自動昇降制御手段101が備えられている。
また、苗植付装置6の昇降作動とは関係せずに、前マーカ40の自動上昇作動を制御するマーカ上昇制御手段102や、センターマーカ9の角度変更を行うセンターマーカ制御手段103や、前照灯17の向き変更を行う照射方向変更手段104、前マーカ40のマーカ支持アーム42の向きを変更可能な前後向き変更手段105などが備えられている。
自動昇降制御手段101について説明する。
苗植付装置6の横軸芯P1周りに中央のフロート22の後部が上下に揺動自在に支持されている。苗植付装置6に対する中央のフロート22の高さを検出するポテンショメータ23が備えられ、そのポテンショメータ23の検出値が制御装置100に入力されている。機体の進行に伴って田面に接地追従する中央のフロート22の高さを、ポテンショメータ23の検出値で検出することによって、田面から苗植付装置6までの高さを検出することができる。
図8に示すように、昇降シリンダ5に作動油を給排操作する制御弁24が備えられており、制御装置100により制御弁24が操作される。制御弁24により昇降シリンダ5に作動油が供給されると、昇降シリンダ5が収縮作動して苗植付装置6が上昇し、制御弁24により昇降シリンダ5から作動油が排出されると、昇降シリンダ5が伸長作動して苗植付装置6が下降する。
つまり、苗植付装置6が田面から予め設定された高さに維持されるように、自動昇降制御手段101によって制御弁24が操作され、昇降シリンダ5が伸縮作動して、苗植付装置6が自動的に昇降作動する。
上記の苗植付装置6の昇降作動を行えるようにするための昇降レバー15は、図1及び図2に示すように、運転座席14の右横側に備えられている。この昇降レバー15について説明する。
苗植付装置6の自動昇降作動は、昇降レバー15が自動位置、または植付位置に存在する場合にのみ行われ、昇降レバー15が上昇位置、中立位置、下降位置(昇降レバー15を自動位置、または植付位置に操作されていない状態)にある状態では、自動昇降作動は行われない。
昇降レバー15を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した状態(昇降レバー15を自動位置に操作していない状態)において、制御装置100により、制御弁24及び電動モータ61,28が操作されて、昇降シリンダ5、植付及び施肥クラッチ26,27、右及び左の前マーカ40が操作される。この場合、後述する操作レバー16の上昇位置U及び下降位置Dの機能は作動せず、操作レバー16の右及び左マーカー位置Rm,Lmの機能だけが作動する。
昇降レバー15を上昇位置に操作すると、自動昇降制御手段101が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左の前マーカ40が格納姿勢(上昇非使用姿勢に相当する)に操作されて、昇降シリンダ5が収縮作動して苗植付装置6が上昇する。
昇降レバー15を下降位置に操作すると、自動昇降制御手段101が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作された状態で、昇降シリンダ5が伸長作動して苗植付装置6が下降する。
昇降レバー15を中立位置に操作すると、自動昇降制御手段101が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作された状態で、昇降シリンダ5が停止する。
昇降レバー15を植付位置に操作すると、右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作された状態で、自動昇降制御手段101が作動し、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
昇降レバー15を自動位置に操作すると、自動昇降制御手段101が作動し、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。右及び左の前マーカ40のうち、指示された側のマーカ−19が下降使用姿勢となる。
図2及び図3に示すように、ステアリングハンドル11の下側の右横側に操作レバー16が備えられている。この操作レバー16について説明する。
この操作レバー16は、昇降レバー15を自動位置に操作されている状態で、苗植付装置6の上昇、下降操作を可能にするものである。中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置Rm及び前方の左マーカー位置Lmの十字方向に操作自在に構成され、中立位置Nに復帰付勢されている。この操作レバー16の操作位置が制御装置100に入力されている。
昇降レバー15を自動位置に操作した状態において、以下の説明ように、操作レバー16の操作に基づいて、制御装置100により制御弁24及び電動モータ61,28が操作されて、昇降シリンダ5、植付及び施肥クラッチ26,27、右及び左の前マーカ40が操作される。
図8に示すように、操作レバー16を上昇位置Uに操作すると(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作すると)、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて、自動昇降制御手段101が停止し、昇降シリンダ5が収縮作動して苗植付装置6が上昇し、後述するように右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作される。苗植付装置6が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、昇降シリンダ5が自動的に停止する。
図3に示すように、操作レバー16を下降位置Dに操作すると(下降位置Dに操作して中立位置Nに操作すると)、自動昇降制御手段101が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作された状態で、昇降シリンダ5が伸長作動して苗植付装置6が下降する。中央のフロート22が田面に接地すると、自動昇降制御手段101が作動して、苗植付装置6が田面に接地して停止した状態となる(苗植付装置6が田面から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ23の検出値(ポテンショメータ23と中央のフロート22との上下間隔)が設定値に維持されるように)、苗植付装置6が自動的に昇降する状態)。
前述のように、操作レバー16を下降位置Dに操作した後(下降位置Dに操作して中立位置Nに操作した後)、操作レバー16を再び下降位置Dに操作すると(再び下降位置Dに操作して中立位置Nに操作すると)、自動昇降制御手段101が作動した状態で、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
右(左)の前マーカ40が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー16を右マーカー位置Rm(左マーカー位置Lm)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)の前マーカ40が下降使用姿勢に操作される。
右(左)の前マーカ40が下降使用姿勢に操作された状態において、操作レバー16を右マーカー位置Rm(左マーカー位置Lm)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)の前マーカ40が格納姿勢に操作される。
苗植付装置6が上昇して、ポテンショメータ29により検出される苗植付装置6の高さが、事前に設定された所定高さよりも高くなると、下降使用姿勢の右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作される。ポテンショメータ29により検出される苗植付装置6の高さが、事前に設定された所定高さよりも高い状態では、前述のように操作レバー16を右及び左マーカー位置Rm,Lmに操作しても、これに関係なく右及び左の前マーカ40が格納姿勢に維持される。
この制御装置100には、苗植付装置6の昇降作動に連動して前マーカ40の姿勢を変更する連係手段としての自動昇降制御手段101とは別に、前マーカ40の自動上昇作動を制御する自動操作手段としての、マーカ上昇制御手段102が備えられている。
図8に示すように、制御装置100には、GPS装置50による作業対象圃場における畦BBの存在位置の情報、及び走行機体の現在位置に関する検出情報が入力されている。
また、GPS装置50から入力される検出情報に基づいて前マーカ40の上昇操作を行う入力情報モードに設定するか、GPS装置50からの検出情報にかかわらず、自動昇降制御手段101による苗植付装置6の昇降作動に連動した前マーカ40の姿勢変更を行う植付連係モードにするかを切り換えるためのモード選択スイッチ51が設けられている。このモード選択スイッチ51からの選択信号が制御装置100に入力されている。
モード選択スイッチ51が切り状態に操作されると、植付連係モードに設定され、前述した自動昇降制御手段101による苗植付装置6の昇降作動に連動した、前マーカ40の姿勢変更が行われる。
モード選択スイッチ51が入り状態に操作されると、入力情報モードでの前マーカ40の上昇操作を行うことができる。この入力情報モードでの前マーカ40の上昇操作は次のようにして行われる。
図9に示されるように、乗用型田植機が往行程FLで畦BBに近づいてきたとき、その乗用型田植機の現在位置、及び畦BBの位置がGPS装置50によって検出される。
制御装置100のマーカ上昇制御手段102では、予めインプットされている走行機体の大きさや苗植付装置6での植付条数等から、乗用型田植機に必要な旋回半径が算出される。そして、その旋回半径で旋回した場合に、乗用型田植機が畦BBに接触せずに旋回可能な、畦BBからの離間距離L1が算出され、これが往行程FLにおける植付終端位置E1として設定される。
乗用型田植機による苗植付作業の終端位置、及び乗用型田植機の旋回開始位置は、上記の往行程FLにおける植付終端位置E1であるが、マーカ上昇制御手段102では、前記畦BBからの離間距離L1よりも少し大きな離間距離L2を有した箇所に旋回予定箇所E2を設定してある。
この旋回予定箇所E2は、実際に乗用型田植機が旋回走行を開始する位置ではないが、旋回に際して、植付終端位置E1に到達するに先立って、前マーカ40の上昇操作を開始する位置として、マーカ上昇制御手段102に認識されている。
つまり、旋回予定箇所E2は、乗用型田植機が植付終端位置E1から旋回を開始し、畦BBに最接近したとき、前マーカ40が畦BBとの接触を回避可能である程度に、前マーカ40を十分に大きく格納側へ上昇揺動させ得る時間的猶予を得られるようにするためのものである。
したがって、図9に示すように、往行程FLで畦BBに接近してきた乗用型田植機が、旋回予定箇所E2に到達したことがGPS装置50からの情報に基づいて検出されると、マーカ上昇制御手段102がマーカ操作装置60に上昇指令を発信する。これに伴って、マーカ操作装置60の電動モータ61が下降使用姿勢にある前マーカ40を上昇側に揺動操作する。
このように、苗植付装置6の昇降に関係なく、GPS装置50や、モード選択スイッチ51からの情報に基づいてマーカ上昇制御手段102がマーカ操作装置60に上昇指令を発信し得る制御形態のものが自動操作手段であり、ここでは、GPS装置50、モード選択スイッチ51、マーカ上昇制御手段102等によって構成されている。
このとき、苗植付装置6は植付作業を続行中であり、自動昇降制御手段101により制御されている。
そして、乗用型田植機がさらに畦BB側に近接して、植付終端位置E1に達し、この時点で操作レバー16を上昇位置U側に操作すると、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて、自動昇降制御手段101が停止し、昇降シリンダ5が収縮作動して苗植付装置6が上昇する。このとき、右及び左の前マーカ40が格納姿勢に操作されるが、前述したように、前マーカ40が既にある程度上昇側に揺動操作されているので、植付終端位置E1に達してから上昇側に揺動操作する場合よりも、より高く上昇揺動されている。
乗用型田植機の旋回が終了して、乗用型田植機が復行程BLの始端に達すると、操作レバー16を下降位置D側に操作する。これに伴い、昇降シリンダ5が伸長作動して苗植付装置6が下降する。中央のフロート22が田面に接地すると、自動昇降制御手段101が作動して、苗植付装置6が田面に接地して停止した状態となる。操作レバー16の操作に伴って前マーカ40は、往行程FLで下降使用姿勢にあった前マーカ40が格納姿勢となり、往行程FLで格納姿勢にあった前マーカ40が下降使用姿勢に操作される。
この復行程BLの始端は、植付終端位置E1と畦BBからの離間距離L1が同一であり、操作レバー16を再び下降位置Dに操作すると(再び下降位置Dに操作して中立位置Nに操作すると)、自動昇降制御手段101が作動した状態で、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
図8に示すように、制御装置100に備えられたセンターマーカ制御手段103には、運転部Aの操作パネル上に配備した操作スイッチ53からの指令信号が入力され、その指令に基づく出力信号がセンターマーカ制御手段103からセンターマーカ用モータ9Aのセンターマーカ用モータ9Aに出力され、センターマーカ9の前後方向での起伏角度が適宜に変更可能に構成されている。
図8に示すように、制御装置100に備えられた照射方向変更手段104には、ステアリング操作に基づく前車輪1の操向角度を検出するポテンショメータ47の検出信号が入力される。そのポテンショメータ47による操向角度に基づいて、前車輪1の向けられた方向と同方向に前照灯17の光軸が向けられるように、向き変更を行う電動モータ17Aに対して照射方向変更手段104からの操作信号が出力される。
図8に示すように、制御装置100に備えられた前後向き変更手段105には、運転部Aの操作パネル上に配備したマーカ向き変更用操作スイッチ54からの指令信号が入力される。そのマーカ向き変更用操作スイッチ54からの指令に基づく出力信号が、連結軸45を回動操作する前後駆動用モータ63に出力される。これによって、マーカ支持アーム42が前方向き、もしくは左右横向きに姿勢変更されるように構成してある。
〔別実施形態の1〕
実施の形態では、機体条件判別手段として、GPS装置50と、マーカ上昇制御手段102との組み合わせによる構造のものを例示したが、これに限定されるものではない。
例えば、図示しないが、走行機体に実走行距離を検出するための走行距離計測装置を装備させて、予め設定した起点からの走行距離の計測結果に基づいて、走行機体が旋回予定箇所E2に到達した状態であるか否かを判別するように構成したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の2〕
実施の形態では、機体条件判別手段として、GPS装置50と、マーカ上昇制御手段102との組み合わせによる構造のものや、走行距離計測装置を装備したものを例示したが、これに限定されるものではない。
例えば、図示しないが、圃場の畦BB位置と走行機体の現在位置との離間距離を検出する距離センサーを備え、圃場の畦BB位置と走行機体の現在位置との離間距離の計測結果に基づいて、走行機体が旋回予定箇所E2に到達した状態であるか否かを判別するように構成したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
実施の形態では、機体条件判別手段として、GPS装置50と、マーカ上昇制御手段102との組み合わせによる構造のものや、走行距離計測装置を装備したもの、あるいは距離センサーを装備したものを例示したが、これに限定されるものではない。
例えば、走行機体の走行速度を検出する速度検出装置を備え、主作業装置を用いての作業走行中における走行機体の走行速度の変化状況に基づいて、つまり、旋回予定箇所E2近くに達して機体が通常走行時よりも減速されたことの変化に基づいて、走行機体が旋回予定箇所E2に到達した状態であるか否かを判別するように構成したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の4〕
実施の形態では、前マーカを、上昇非使用姿勢に切換操作するための手段として、苗植付装置6の上昇作動に連動させる連係手段、あるいは、自動操作手段を用いた構造のものを示したが、これとは別に、図示しないが、専用の押しボタンスイッチなど、前マーカ40を任意の時点で人為操作により上昇させるための手段を設けてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の5〕
実施の形態では、マーカ支持アーム42と隣接マーカ88とは別部材で構成し、別々に揺動操作自在に構成した構造のものを示したが、これに限られるものではない。
例えば、図6及び図7に仮想線で示すように、マーカ支持アーム42と隣接マーカ88とにわたって、ある程度の融通を持って係脱可能な連結具81を設けて、互いに連動するように構成してもよい。
このように連結した場合には、マーカ支持アーム42の連結軸45を回動操作する前後駆動用モータ63によって、隣接マーカ88の揺動操作をも行うことができる。
また、マーカ支持アーム42の連結軸45を回動操作する前後駆動用モータ63とは別に、隣接マーカ88を駆動する専用の電動モータ(図示せず)を設けて、運転部パネルに設けた別の押しボタン(図示せず)の操作で揺動操作するように構成してもよい。
また、上記のような前後駆動用モータ63や隣接マーカ88を駆動する専用の電動モータなどを用いずに、それぞれを手動操作で位置変更させるように構成したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の6〕
上記した実施形態では、回転マーカ部43dによって圃場面に盛り上がり泥土の列を走行目標線LLとして形成するよう構成してマーカ主部43を採用した例を示したが、マーカの先端部が泥土内を移動して圃場面に溝型の走行目標線を形成する線引き型のマーカを採用して実施してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の7〕
実施の形態では、マーカ支持アーム42をほぼ垂直な姿勢で格納した構造のものを示したが、旋回時における前マーカ40の上昇角度としては、例えば水平姿勢に対して45度程度など、先端側を畦BBよりも高い位置に持ち上げる程度の、斜め姿勢に持ち上げて旋回するようにした構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明にかかる水田作業機は、苗植付装置を備えた乗用型田植機の他、直播装置を備えた播種機にも利用可能である。
6 主作業装置
40 前マーカ
60 マーカ操作装置
E2 旋回予定箇所

Claims (6)

  1. 乗用型の走行機体の後方側で昇降作動可能に連結された主作業装置と、
    前記走行機体の走行に伴って圃場面に線状の走行目標を形成するように前記走行機体の前部に配備された前マーカと、
    その前マーカを上昇非使用姿勢と下降使用姿勢とに姿勢切換操作するマーカ操作装置とを備え、
    前記主作業装置の上昇作動に連動して下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に操作指令を出力する連係手段と、
    この連係手段による操作指令とは別に、下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に対して操作指令を出力可能な自動操作手段とを備え、
    前記自動操作手段は、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別する機体条件判別手段を備え、前記走行機体が旋回予定箇所に到達したことの判別情報に基づいて、前記走行機体が前記主作業装置での作業行程終端に到達するに先立って、前記マーカ操作装置に対して操作指令を出力し、下降使用姿勢にある前記前マーカを上昇非使用姿勢に切換操作するように構成されている水田作業機。
  2. 前記機体条件判別手段は、全地球測位システムを用いて検出された圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との相対位置関係に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものである請求項1記載の水田作業機。
  3. 前記機体条件判別手段は、前記走行機体に装備させた実走行距離を検出するための走行距離計測装置を備えて、予め設定した起点からの走行距離の計測結果に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものである請求項1記載の水田作業機。
  4. 前記機体条件判別手段は、圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との離間距離を検出する距離センサーを備え、圃場の畦位置と前記走行機体の現在位置との離間距離の計測結果に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものである請求項1記載の水田作業機。
  5. 前記機体条件判別手段は、前記走行機体の走行速度を検出する速度検出装置を備え、前記主作業装置を用いての作業走行中における前記走行機体の走行速度の変化状況に基づいて、前記走行機体が旋回予定箇所に到達した状態であるか否かを判別するように構成されたものである請求項1記載の水田作業機。
  6. 前記連係手段、及び前記自動操作手段とは別に、下降使用姿勢にある前記前マーカを、人為操作で上昇非使用姿勢に切換操作するように、前記マーカ操作装置に対して指令する人為操作手段を備えたものである請求項1〜5のいずれか一項記載の水田作業機。
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