JP5999974B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
図1は、この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。図2は、図1の要部の構成を示す拡大断面図である。図3は、図1の第1フレームの拡大斜視図である。図4は、図1の第2バランサの配置位置の説明図で、図1の第2バランサを含む周辺部を抽出して示した斜視図である。図1〜図4では、スクロール圧縮機1が縦置型スクロール圧縮機である場合を例に示している。図1〜図4及び後述の図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。更に、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
冷媒ガスは吸入管44から密閉容器40内の油分離空間81に流入する。油分離空間81に流入した冷媒は、吸入流路80を通り、第1フレーム60の吸入ポート64から圧縮機構20の圧縮室に流入される。そして、圧縮機構20にて圧縮された後、吐出ポート46から吐出管45を経て密閉容器40の外へ吐出される。第1バランサ31の収納空間に溜まった潤滑油42は排油機構90によって密閉容器40底部の油溜め41に返油される。
このように動作する圧縮機において、第1バランサ31が第1フレーム60内に収納されているため、運転時に油分離空間81に吸入された冷媒ガスが第1バランサ31によって攪拌されることがなく、油上がりを抑制することができる。
実施の形態2は、実施の形態1よりも更に油上がりの抑制向上を図ったものである。以下では、実施の形態2が、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態2のスクロール圧縮機1は、第2分割フレーム62の貫通孔65の内周面に、上方に向かう螺旋溝66を電動機構10の回転方向と同一方向回りに設けた構成を有する。すなわち、ロータ12が右回転の場合は右上がりの螺旋溝となり、左回転の場合は左上がりの螺旋溝となる。
実施の形態3は、油分離空間81の設計により油上がりの抑制向上を図ったものである。以下では、実施の形態3が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
吸入管44の開口端44aより密閉容器40に流入した冷媒は、上述したようにリング状に形成された油分離空間81で減速するので、冷媒回路(図示せず)内を冷媒と共に循環してきた潤滑油42が自重で落下し、これにより油分離する。このような冷媒ガス流の減速による油滴落下の油分離は、油分離空間比率に応じてその効果が増減する。油分離空間比率は、次式で表される。次式のD、R、Hは図6に示したD、R、Hに対応している。
ここで、
D:密閉容器40の内径
R:主軸30の半径方向において、主軸30の中心から吸入流路80までの寸法
H:第2分割フレーム62の下端からステータ11の上端までの寸法
図7に示すように、油分離空間比率が上昇するにつれ、油上がり比率が低下する。油分離空間比率を150以上とすると、油上がり比率を従来の80%以下に抑制する効果が得られる。よって、油分離空間比率を150以上確保する設計とする。
実施の形態4は、吸入管44の密閉容器40に対する貫通方向の向きを工夫して更なる油上がりの抑制効果を図ったものである。以下では、実施の形態4が、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態4のスクロール圧縮機1は、吸入管44の軸線の向きを図8に示すように、ロータ12の接線方向としたものである。このようにすることで、油分離空間81内で旋回流が形成され、冷媒ガスよりも密度の大きな油滴を、密閉容器40内面に付着させて分離することができる。このような遠心分離効果を併せて用いることにより、更に油分離効果の高いスクロール圧縮機1を得ることが可能となる。
実施の形態5は、組立性の向上を図ったものである。以下では、実施の形態5が、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
この実施の形態5のスクロール圧縮機1は、第2分割フレーム62の第1分割フレーム61への取り付けを容易にするため、第2分割フレーム62を、貫通孔65を中心として分割フレーム62aと分割フレーム62bとに分割したものである。分割フレーム62aと分割フレーム62bの互いの対向面には、位置決めピン67及び位置決めピン67が嵌合する凹部(図示せず)が設けられ、位置決め容易に両者を組み立てることが可能となっている。
(1)主軸30の偏心部30aを基準にして主軸30を固定し、第1バランサ31の偏心部で位相調整をしながら、加熱した第1バランサ31を主軸30に焼嵌めする。
(2)上記(1)の組立品を冷却する。
(3)軸受け60bを第1バランサ31と反対側(図9の下側)から主軸30に通す。
(4)同様に第1バランサ31を下側から第2分割フレーム62を主軸30に通す。
(5)主軸30の偏心部30a、或いは第1バランサ31の偏心部を基準にして、上記(4)の組立品を固定し、第2バランサ32が下端に取り付けられたロータ12を、同様に下側から主軸30に通し、ロータ12の偏心部で位相調整をしながらロータ12を焼嵌めする。
(6)冷却してロータ組立品が完成。
Claims (10)
- 電動機構と、
揺動スクロール及び固定スクロールを噛み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構と、
上下方向に延びるように設置され、前記圧縮機構が前記電動機構よりも上部側に位置するようにして前記電動機構と前記圧縮機構とを連結し、前記電動機構の回転力を前記圧縮機構に伝達する主軸と、
前記電動機構と前記圧縮機構との間に設けられ、前記圧縮機構を密閉容器に固定する第1フレームと、
前記主軸と共に回転し、前記圧縮機構における偏心回転運動に伴うアンバランスを平衡させるための第1バランサと、
前記電動機構、前記圧縮機構、前記主軸、前記第1フレーム及び前記第1バランサを収容し、底部に油溜めが形成された密閉容器と
を備え、
前記第1フレームと前記電動機構との間に油分離空間を形成しており、前記油分離空間に冷媒が吸入されるように吸入管が前記密閉容器に取り付けられ、
前記第1フレームは、
前記主軸方向に2つに分割された前記圧縮機構側の第1分割フレーム及び前記電動機構側の第2分割フレームと、
前記第1分割フレームと前記第2分割フレームの少なくとも一方の分割面に形成された凹部によって形成され、前記吸入管の開口端から前記圧縮機構に至る吸入流路から隔離されたバランサ室と、
前記バランサ室内に溜まった潤滑油を前記油溜めに導くための排油機構とを有し、
前記バランサ室内に前記第1バランサが配置されており、
前記第2分割フレームにおいて前記主軸を挿通する貫通孔の内周面に、上方に向かう螺旋状の螺旋溝が前記電動機構の回転方向と同一方向回りに設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記第2分割フレームを前記主軸を中心として分割した構成としたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 電動機構と、
揺動スクロール及び固定スクロールを噛み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構と、
前記電動機構と前記圧縮機構とを連結し、前記電動機構の回転力を前記圧縮機構に伝達する主軸と、
前記電動機構と前記圧縮機構との間に設けられ、前記圧縮機構を密閉容器に固定する第1フレームと、
前記主軸と共に回転し、前記圧縮機構における偏心回転運動に伴うアンバランスを平衡させるための第1バランサと、
前記電動機構、前記圧縮機構、前記主軸、前記第1フレーム及び前記第1バランサを収容し、底部に油溜めが形成された密閉容器と
を備え、
前記第1フレームと前記電動機構との間に油分離空間を形成しており、前記油分離空間に冷媒が吸入されるように吸入管が前記密閉容器に取り付けられ、
前記第1フレームは、
前記主軸方向に2つに分割された前記圧縮機構側の第1分割フレーム及び前記電動機構側の第2分割フレームと、
前記第1分割フレームと前記第2分割フレームの少なくとも一方の分割面に形成された凹部によって形成され、前記吸入管の開口端から前記圧縮機構に至る吸入流路から隔離されたバランサ室と、
前記バランサ室内に溜まった潤滑油を前記油溜めに導くための排油機構とを有し、
前記バランサ室内に前記第1バランサが配置されており、
前記第2分割フレームが前記主軸を中心として分割されていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記第1フレームの前記電動機構側の面が平面状に構成され、前記油分離空間が略リング状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
- 電動機構と、
揺動スクロール及び固定スクロールを噛み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構と、
前記電動機構と前記圧縮機構とを連結し、前記電動機構の回転力を前記圧縮機構に伝達する主軸と、
前記電動機構と前記圧縮機構との間に設けられ、前記圧縮機構を密閉容器に固定する第1フレームと、
前記主軸と共に回転し、前記圧縮機構における偏心回転運動に伴うアンバランスを平衡させるための第1バランサと、
前記電動機構、前記圧縮機構、前記主軸、前記第1フレーム及び前記第1バランサを収容し、底部に油溜めが形成された密閉容器と
を備え、
前記第1フレームと前記電動機構との間に油分離空間を形成しており、前記油分離空間に冷媒が吸入されるように吸入管が前記密閉容器に取り付けられ、
前記第1フレームは、前記吸入管の開口端から前記圧縮機構に至る吸入流路から隔離されたバランサ室と、
前記バランサ室内に溜まった潤滑油を前記油溜めに導くための排油機構とを有し、
前記バランサ室内に前記第1バランサが配置されており、
前記第1フレームの前記電動機構側の面が平面状に構成され、前記油分離空間が略リング状に形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記吸入流路が、前記第1フレームの外周と前記密閉容器の内周との間に設けた隙間により形成されており、
前記油分離空間を、次式で求められる油分離空間比率で150以上としたことを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
油分離空間比率=(D/R)×H
ここで、
D:密閉容器の内径
R:主軸の半径方向において、主軸の中心から吸入流路までの寸法
H:フレームと電動機構のステータとの間の主軸方向の寸法 - 前記第1フレームは、前記主軸方向に2つに分割されて前記圧縮機構側の第1分割フレームと前記電動機構側の第2分割フレームとにより構成され、前記第1分割フレームと前記第2分割フレームの少なくとも一方の分割面に形成された凹部によって前記バランサ室が形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のスクロール圧縮機。
- 前記排油機構は、前記バランサ室の内外を連通させる排油孔と、前記排油孔に取り付けられ、前記バランサ室内に溜まった潤滑油を前記油溜め側に導く排油パイプとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
- 前記吸入管の前記密閉容器への取り付け部分の軸線の向きを、前記電動機構のロータの接線方向としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
- 前記電動機構の前記圧縮機構と反対側の端部に第2バランサを設け、前記主軸において前記第2バランサ側の端部を、前記密閉容器に固定した第2フレームで支持して、前記主軸の両端を支持した両持ち構造としたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
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