以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置90の機械的構成を示す図である。
本実施の形態において、シート処理装置90として、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を有する複合機を例に説明する。しかしながら、シート処理装置90は、単機能の装置であってもよい。
図1において、シート処理装置90は、スキャナ119とドキュメントフィーダ(DF)2と、カラー4色ドラムを備えるプリンタエンジン120と、給紙デッキ14とフィニッシャ109とを有する。
まず、スキャナ119を中心に行われる読取動作について説明する。
原稿台に原稿をセットして読取動作を行う場合、ユーザは、原稿台に原稿をセットしてDF2を閉じる。開閉センサが、DF2が閉じられたことを検知すると、スキャナ119の筐体内にある反射式の原稿サイズ検知センサが、セットされた原稿サイズを検知する。
原稿サイズが検知されたら、光源10は原稿を照射し、照射された光が、反射板11、レンズ12を介してCCD43に入射する。CCD43は、入射された光をデジタル信号に変換し、スキャナ119のコントローラユニットに送る。
コントローラユニットは、送られてきたデジタル信号に、所望の画像処理を行ってレーザ記録信号に変換し、画像データとしてメモリに保存する。
DF2上に原稿をセットして読み込みを行う場合、ユーザは、DF2の原稿セット部3のトレイ上に原稿をフェイスアップで載置する。原稿が載置されると、原稿有無検知センサ4は、原稿がセットされたことを検知する。
コントローラユニットは、原稿有無検知センサ4によって、原稿がセットされたことを検知すると、原稿給紙ローラ5と搬送ベルト6を回転させて、原稿を原稿台の所定の位置まで搬送する。
原稿を所定の位置まで搬送すると、コントローラユニットは、原稿台での読み込みと同様の読取動作を行い、画像データをメモリに保存する。そして、読取動作が完了した原稿を、原稿排紙トレイ9へ排紙する。
DF2上にセットされた原稿が複数枚存在する場合、コントローラユニットは、読取動作が完了した原稿を排紙すると同時に、原稿給紙ローラ5を経由して次の原稿を給紙し、次の原稿の読取動作を行う。このようにして、複数枚の原稿の読取り動作を行う。
次に、記録紙に画像を形成する画像形成手段としてのプリンタエンジン120によって行われる印刷動作について説明する。
コントローラユニット内のメモリに一旦記憶された記録信号(印刷画像データ)は、プリンタエンジン120へと転送され、レーザ記録部でYellow、Magenta、Cyan、Blackのそれぞれの色のための記録レーザ光に変換される。
そして、当該記録レーザ光は、各色の感光体16に照射され、感光体に静電潜像を形成する。そして、トナーカートリッジ17から供給されるトナーによりトナー現像を行い、可視化された画像は中間転写ベルト21に一次転写される。
その後中間転写ベルト21は時計回転方向に回転し、給紙カセット18、あるいは給紙デッキ14から給紙搬送路19を通って給送された記録紙が二次転写位置20に来たところで、中間転写ベルト21から記録紙へと画像が転写される。
画像が転写された記録紙は、定着器22で、加圧と熱によりトナーが定着され、排紙搬送路を搬送される。そして、記録紙は、フェイスダウンのセンタートレイ23か、スイッチバックしてフィニッシャ109への排紙口24か、あるいはフェイスアップのサイドトレイ25へと排紙される。
フラッパ26,27は、これらの排紙口を切り替えるために搬送路を切り替えるためのものである。両面プリントの場合には、定着器22を通過後に、フラッパ27が搬送路を切り替え、その後用紙がスイッチバックして下方に送られ、両面印刷用紙搬送路31を経て再び二次転写位置20に給送され、両面動作が実現される。
両面循環制御は、この両面印刷用紙搬送路31や二次転写位置20、定着器22を含む搬送経路内を用いて行われる。A4サイズやLTRサイズは5枚循環制御、それ以上の用紙サイズについては3枚循環制御を行う。
続いて折丁を作成する作成手段としてのフィニッシャ109で行われる動作について説明する。フィニッシャ109は、ユーザに指定された設定に応じて、シートに対して後処理を加える。具体的には、ステープル(1個所・2箇所とじ)やパンチ(2穴・3穴)、中とじ製本処理等の機能を有する。
図1におけるフィニッシャ109は、排紙トレイ28,29,30を備え、フィニッシャ109への排紙口24を通過した用紙は、ユーザの設定によって、例えばコピー、プリンタ、FAXの機能ごとに排紙トレイが振り分けられる。
シート処理装置90がプリンタとして利用される場合、ドライバにより白黒プリント、カラープリント、用紙サイズ、2UP・4UP印刷・N−UP印刷、両面、ステープル、パンチ、中とじ製本、合紙、表紙、裏表紙などの各種設定が可能である。
次に図2〜7を参照して、図1におけるフィニッシャ109の構成及び動作を説明する。
図2において、フィニッシャ109は、搬送ローラ61〜69、先端検知センサ50,53、斜行修正ローラ51、ループ空間52、搬送パス71、ステイプラ72、突き板73、ストッパ74、折りローラ75,76、及び束搬送ローラ対77,78を備えている。また、Sはシートを示している。
フィニッシャ109は、シート処理装置90のコントローラユニットからのコマンドによって動作してもよいし、独自のコントローラユニットによって動作してもよい。
シート処理装置90から搬送されたシートは、ユーザによって設定されたシート処理の種類に応じて、排紙トレイ28,29,30のいずれかに排紙される。
例えば、シート処理を実行しない場合、シートは、排紙トレイ28に排紙される。通常のステイプル処理を実行する場合、排紙トレイ29に排紙され、中とじ製本処理や、中折り製本処理を実行する場合、排紙トレイ30に排紙される。
シート処理装置90から搬送されたシートは、搬送ローラ61〜68によりシートの先端が先端検知センサ50にくるまで搬送される。そして、図3に示されるように、先端検知センサ50でシートの先端が検知されると、シートを挟持している搬送ローラ68が減速し、斜行修正ローラ51のニップにシートの先端が突き当てられる。
シートの先端が斜行修正ローラ51のニップに突き当たった後も、搬送ローラ68はしばらく回転し続ける。そして、ループ空間52においてシートがループを形成した後、搬送ローラ68が停止する。
次に、斜行修正ローラ51が回転を始める。シートが斜行している場合は、斜行修正ローラ51によって斜行が修正される。そして斜行が修正されたシートは、搬送ローラ69の方向へ搬送される。
そして、図4に示されるように、シートの先端が先端検知センサ53によって検知されると、その時点から所定の量だけシートが搬送され、シートの先端がストッパ74aに突き当てられる。
この際、図4に示すように、ステイプラ72によるとじ位置がシートの中央部にくるように、シートはストッパ74aによって位置決めされる。上記の動作を繰り返し、複数枚のシートが搬送パス71内部に順次搬送される。
そして、冊子を構成する全てのシートが搬送パス71内部に搬送されると、それらのシートは図示しない幅方向整合板によって幅方向を整合され、図5に示されるように、搬送パス71内部でシート束81が形成される。
このとき、搬送パス71内部に搬送されるシートは、冊子の内側に位置するシート材から順次搬送され、冊子の表紙が最後になるように搬送される。
そして、中とじ製本処理を行うよう設定されている場合、ステイプラ72が、シート束81に対してとじ処理を行う。ステイプラ72によってシート束81がとじられると、シート束81を支持していたストッパ74aが搬送方向下流側へ移動して、図5に示されるように、ストッパ74bとなる。
それに伴いシート束81が搬送方向下流へ移動する。一方、中とじ製本処理を行うよう設定されておらず、中折り製本処理(サドル折り処理とも言う。)を行うよう設定されている場合、ストッパは、最初からストッパ74bの位置に位置決めされ、ステイプラ72によるステイプルの処理は省略される。
ストッパ74bは、シート束81の中央部が突き板73の位置にくるように、シート束81を位置決めする。そしてストッパ74bによって位置決めされたシート束81の折り目が形成される部分に対し、突き板73の先端が当接し、図6に示されるように、シート束を折りローラ75,76のニップに押し込んでシート材に折り目を形成する。
折りローラ75,76によって折り目が形成されたシート束81は、図7に示されるように、束搬送ローラ対77,78によって排紙トレイ30に排出される。
束搬送ローラ対77,78によって、シート束を搬送する場合、とじ処理が実行されていれば、シート束はとじられているため、シート束は安定して搬送される。
しかしながら、とじ処理をしていない場合には、複数枚のシートを折った状態で搬送する際に、シートの枚数が多いと、とじ処理をしている場合に比べてシート束を搬送する際の安定性は低下する。シート束に含まれるシートの枚数が多くなるほど、搬送されるシートの安定性は低下し、ずれたシートが搬送路内で詰まることによってジャムが発生する可能性も高くなる。
図8は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置90の電気的構成を示す図である。
図8において、シート処理装置90は、全体を制御するコントローラユニット100、後処理工程を行うフィニッシャ109、画像入力デバイスであるスキャナ119を有する。また、画像出力デバイスであるプリンタエンジン120、及び操作者からの指示の入力と、操作者への情報の表示を行うための操作部121を有する。
スキャナ119はスキャナ画像処理部117と接続され、プリンタエンジン120はプリンタ画像処理部118と接続される。
フィニッシャ109、スキャナ画像処理部117、プリンタ画像処理部118、及び操作部121はそれぞれ、コントローラユニット100に接続され、コントローラユニット100からの指示により制御される。
コントローラユニット100は、CPU101を有する。CPU101はシステムバス110を通して、RAM102、ROM103、HDD104、画像バスI/F105、操作部I/F106、アクセサリI/F108、及びネットワークI/F107と接続される。
RAM102はCPU101の作業領域を提供するためのメモリである。RAM102はパラメータ設定を一時的に保存するための設定値記憶メモリと、画像データを一部保存するための画像メモリとして使用される。
ROM103はブートROMであり、システムブートプログラムが保存されている。HDD104には、システムソフトウェア、パラメータ設定値履歴、画像データなどが保存される。
CPU101は、ROM103に保存されたシステムブートプログラムをRAM102に保存することができる。こうしてシステムブートプログラムをRAM102に保存することにより、CPU101がコントローラプログラムを実行することが出来る状態となる。
操作部I/F106は、操作部121との間で入出力を行うためのインタフェースである。操作部I/F106は、CPU101から指示を受け表示する画像データを操作部121へ出力し、操作者が操作部121を介して入力した情報を、CPU101へ伝送する。
アクセサリI/F108はフィニッシャ109を接続し、CPU101から受けた指示に従って、後処理の種別や設定値、調整値、機器状態のデータの伝送を行う。フィニッシャ109は後処理工程を行うための装置であり、接続されるフィニッシャの種類には、ホチキスユニットや折り機、パンチャなどがある。
ネットワークI/F107は、LAN122と接続され、LAN122に対して情報の入出力を行う。
画像バスI/F105は、システムバス110と画像バス111を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。RIP112は、LAN122から受信したPDLコードをビットマップ画像に展開する。
画像伸長部115は、プリンタ画像処理部118で画像処理をし、プリンタエンジン120に画像を出力する場合に、HDD104に圧縮、符号化されて保存されている画像データを復号化し伸長する。
また画像圧縮部116はRIP112やスキャナ画像処理部117で処理された画像データをHDD104へ保存する際に所定の圧縮方式で符号化する。
デバイスI/F113は、スキャナ画像処理部117、及びプリンタ画像処理部118を介してスキャナやプリンタを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換と、設定値、調整値、機器状態のデータの伝送を行う。
スキャナ画像処理部117は、スキャナ119から入力した画像データに対して、補正、加工、像域分離、変倍、2値化処理などの編集等の各種処理を行う。
スキャナ119は、図1で説明したように、複数枚の原稿の両面の読み取りを行うことが出来る。また図1で説明したように、原稿カバー開閉、原稿の有無、原稿サイズ検知を行うセンサを有している。検知した情報やスキャナ119の状態情報はスキャナ画像処理部117とデバイスI/F113を介してCPU101へ送信される。
プリンタ画像処理部118は、プリント出力する画像データに対して、プリンタエンジン120に応じた補正、解像度変換などの処理や、画像の印字位置の調整といった処理を行う。
また、図1で説明した給紙カセット18は保存された用紙のサイズを検知して、そのサイズをプリンタエンジン120、プリンタ画像処理部118、及びデバイスI/F113を介してCPU101に通知する。
また各給紙カセット18の用紙残量、カセットの開閉状態などの機器状態情報は、プリンタ画像処理部118、及びデバイスI/F113を介してCPU101へ送信される。
図9は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置90のソフトウェアモジュール構成を示す図である。
図9における各ソフトウェアモジュールは主にCPU101で動作する。ジョブコントロール処理部201は、図示または図示しない各ソフトウェアモジュールを制御し、コピー、プリント、スキャン、UI処理などのシート処理装置90で発生するあらゆるジョブの制御を行う。
UI処理部202は、主に操作部121、操作部I/F106に係る制御を行う。操作者が操作部121を操作した内容を、ジョブコントロール処理部201へ通知するとともに、ジョブコントロール処理部201からの指示に基づいて、操作部121上の表示画面の表示内容を制御する。またUI処理部202は、操作部121に表示するための描画データの編集などを制御する。
ネットワーク処理部203は主にネットワークI/F107を介して行われる外部との通信を制御するモジュールであり、LAN122上の各機器との通信制御を行う。
ネットワーク処理部203はLAN122の各機器からの制御コマンドやデータを受信すると、その内容をジョブコントロール処理部201へ通知する。またジョブコントロール処理部201からの指示に基づき、LAN122の各機器へ制御コマンドやデータを送信する。
RIP処理部204は、ジョブコントロール処理部201の指示に基づいて、PDL(ページ記述言語)の解釈(インタプリット)を行い、RIP112を制御してレンダリングすることで、ビットマップ画像への展開を行う。
フィニッシング処理部205は、ジョブコントロール処理部201の指示に基づいて、フィニッシャ109を制御して、フィニッシャ109による用紙の制御や用紙への仕上げ処理を指示する。またフィニッシャ109の状態を取得してそれらをジョブコントロール処理部201へ通知する。
画像編集処理部206は、ジョブコントロール処理部201の指示に基づいて、図示しない画像処理部を制御し、指定した画像に対して画像処理を行う。
画像編集処理部206はジョブコントロール処理部201より画像データや、画像データのサイズ、カラーモード、及び解像度などの画像情報を受け付ける。そして図示しない画像処理部、画像伸長部115、画像圧縮部116を制御して、画像データに対して適切な画像処理を施し、画像処理後の画像をジョブコントロール処理部201へ通知する。
スキャン処理部207は、ジョブコントロール処理部201の指示に基づいて、スキャナ119、およびスキャナ画像処理部117を制御して、スキャナ119に設置されている原稿の読み込みを指示する。
そしてスキャン処理部207は、読み込んだ原稿画像に対してスキャナ画像処理部117での画像処理を指示する。また、スキャン処理部207は、スキャナ画像処理部117とスキャナ119の状態情報を取得してそれらをジョブコントロール処理部201へ通知する。
プリント処理部208はジョブコントロール処理部201の指示に基づいて、図示しない画像処理部、プリンタ画像処理部118及びプリンタエンジン120を制御し、指定された画像処理に対して印刷処理を行う。
プリント処理部208はジョブコントロール処理部201より、画像データ、上述した画像情報、レイアウト情報、及び出力用紙情報などの情報を受け付ける。上記レイアウト情報は、オフセット、拡大縮小、及び面付けなどの情報である。また、出力用紙情報は、サイズ、及び印字方向などの情報である。
そして、プリント処理部208は、画像伸長部115、画像圧縮部116、図示しない画像処理部、及びプリンタ画像処理部118を制御して、画像データに対して適切な画像処理を施し、プリンタエンジン120を制御して印刷用紙への印刷を指示する。
また、プリント処理部208はプリンタ画像処理部118とプリンタエンジン120とを制御して印刷用紙への印刷を指示する。さらに、プリント処理部208はプリンタ画像処理部118とプリンタエンジン120との状態情報を取得して、それらをジョブコントロール処理部201へ通知する。
図10は、図8における操作部121に表示される画面の模式図である。
図10(A)はクリープ補正画面300を示す図である。図10(B)は製本設定画面310を示す図である。図10(C)はコピー機能の用紙選択画面を示す図である。図10(D)は印字位置調整機能画面を示す図である。図10(E)は製本ラップ差調整画面を示す図である。
また以下の説明ではコピー機能の設定を用いた例を挙げているが、プリントジョブに対してもプリントジョブにおける同様の機能を設定する画面があるものとする。そして、LAN122を介して図示しない情報処理装置からプリントジョブが投入された場合は、プリントジョブに対する各機能の設定画面で行われた設定が有効となる。
図示しない待機画面から、操作者が操作部121を介してクリープ補正機能を使用する要求を受け付けることで図10(A)のクリープ補正画面300が表示される。このクリープ補正画面はクリープ補正の行い方や、補正量の設定を行うための画面である。
クリープ補正機能は、製本印刷時に使用する用紙の厚さによって、用紙を重ねて折り曲げたときに内側の用紙が外側の用紙に比べて外にはみ出してしまうことを考慮して、印字位置を自動的にずらす機能である。このクリープ補正機能を用いた場合、1つの面に印刷されるページの間隔を内側の用紙に向かって徐々に狭めた印刷が行われる。
最終的に用紙は断裁され、はみ出た部分は切りそろえられる。クリープ補正機能が有効となるのは、後述する図10(B)において製本面付けをするボタン311が選択された状態であり、かつ使用する用紙が製本面付け可能な用紙である場合に限られる。
ボタン301,302には補正量の決め方を選択するためのボタンである。用紙の設定を使用するボタン301は、図示しない用紙の詳細画面から用紙に対して設定したクリープ補正量を適用することを選択するためのボタンである。
このボタンが選択された状態ではクリープ補正画面300が表示されている状態で、クリープ補正の調整量を操作者が入力することはできない。ユーザは、用紙の設定を使用するボタン301を選択、保存した状態で、図示しない用紙の詳細画面から用紙の種類に対してクリープ補正量を設定する。さらに、ユーザが、後述する図10(C)の画面によりクリープ補正量を設定した用紙の種類を使用する用紙として選択した場合に、クリープ補正が有効になる。
値を指定するボタン302はクリープ補正量を具体的に指定することを選択するためのボタンであり、これをユーザが選択することでプラスボタン304とマイナスボタン303が選択可能となる。
ここで指定されるクリープ補正量は、製本作成時に最も外側になる用紙と、最も内側になる用紙のずれの長さであるが、用紙1枚あたりの補正量を設定するようにしてもよい。この指定にはプラスボタン304とマイナスボタン303、または操作部121に含まれる図示しないテンキーが用いられる。
用紙の設定を使用するボタン301と値を指定するボタン302のうち、選択状態となるのはいずれか1つだけである。操作者が、用紙の設定を使用するボタン301を選択後、値を指定するボタン302を選択した場合には、用紙の設定を使用するボタン301の選択状態を解除し、値を指定するボタン302を選択状態とする。逆に関しても同様である。
マイナスボタン303、プラスボタン304に対して、値を指定するボタン302が選択されている状態で操作者による指示が可能となる。クリープ補正画面300がマイナスボタン303,プラスボタン304との指示を受け付けると、クリープ補正量の設定が行われる。
クリープ補正画面300がマイナスボタン303への指示を受け付けると一時的にクリープ補正量が減算され、表示されているクリープ補正量が更新される。
クリープ補正画面300がプラスボタン304への指示を受け付けると一時的にクリープ補正量が加算され、表示されているクリープ補正量が更新される。
またマイナスボタン303、プラスボタン304とが指示受付可能状態で、操作部121が持つ図示しないテンキーから入力を受け付けてクリープ補正をおこなってもよい。
キャンセルボタン305は、クリープ補正設定を終了するためのボタンである。クリープ補正画面300がキャンセルボタン305への指示を受けつけた場合は、一時的に保存されたクリープ補正量設定情報を破棄して、上記待機画面を表示する。
戻るボタン306は、クリープ補正設定を終了するためのボタンである。クリープ補正画面300が戻るボタン306への指示を受けた場合は、クリープ補正設定情報の一時的な保存を行うことなく上記待機画面を表示する。
OKボタン307はクリープ補正設定を終了ためのボタンである。用紙の設定を使用するボタン301、または値を指定するボタン302のいずれか一方が選択された状態で、操作者はOKボタン307を選択可能となる。
クリープ補正画面300は、用紙の設定を使用するボタン301と値を指定するボタン302のいずれも設定されていない場合、OKボタン307からの指示を受け付けない。
また、クリープ補正画面300を介してOKボタンへの指示を受け付けた場合には、用紙の設定を使用するボタン301、及び値を指定するボタン302のうちの選択されているボタンに応じたクリープ補正量の設定方法を一時的に保存し、上記待機画面を表示する。また、値を指定するボタン302が設定されているときには、設定されているクリープ補正量とを一時的に保存し、上記待機画面を表示する。
図10(B)の製本設定画面310はコピージョブにおいて製本印刷を行うための印刷の設定および印刷仕上げの設定を行うための画面の例である。
製本を行う際の設定項目には、製本面付けを行うか、印刷後印刷物を中折りするか、印刷後印刷物を中央でとじるかの3項目に加え、表紙の設定や、製本の開く方向といった項目があり、これらは組み合わせて設定することが可能である。
なお、面付けとは印刷する際のページの配置のことであり、通常にスキャンしたものをそのままの順序で印刷を行うと、中とじ製本作成時に正しいページ順序で印刷されない。これを正しい順序にして印刷を行う機能を製本面付け機能という。
製本面付け機能を使用するか否かの選択には、製本面付けをするボタン311と製本面付けをしないボタン312が用いられる。
製本面付けをするボタン311は操作者からの指示を受け付けた場合、選択状態になる。このボタンが選択状態で設定が保存されると、以降に受け付けたコピージョブは製本面付けにより行われる。後述する図10(C)の用紙選択画面において、読み込んだ原稿用紙に対して、製本面付け可能なサイズの用紙を操作者は選択しなくてはならない。
製本面付けをしないボタン312は操作者からの指示を受け付けた場合、選択状態になる。このボタンが選択状態で設定が保存されると、以降に受け付けたコピージョブは製本面付けせずに行われる。
操作者が、製本面付けをせずに後述する中折り機能を使用して製本を行う場合には、スキャンにより読み込んだ原稿が製本面付けされた原稿でなくてはならない。
製本面付けをするボタン311と製本面付けをしないボタン312のうち、選択状態となるのはいずれか1つだけである。操作者が製本面付けをするボタン311を選択後、製本面付けをしないボタン312を選択した場合には、製本面付けをするボタン311の選択状態が解除され、製本面付けをしないボタン312が選択状態となる。逆に関しても同様である。
印刷後の印刷物に対する仕上げ処理は、操作者がボタン313〜315に対して指示することで選択される。
折り+中とじボタン313、折らないボタン314、折りのみボタン315のそれぞれのボタンに操作者が指示可能なボタンは、アクセサリI/F108を介してシート処理装置90に接続されているフィニッシャ109の能力により制限される。
CPU101はアクセサリI/Fを介して、接続されているフィニッシャ109の能力情報を取得する。CPU101は取得した能力情報から、フィニッシャ109が中折りをできると判断した場合には、折りのみボタン315を選択可能とする。
また、CPU101は、フィニッシャ109が用紙の中央にホチキスを打つ処理である中とじをできると判断した場合には、折り+中とじボタン313を選択可能とする。CPU101が、フィニッシャ109が中折りをできないと判断した場合には折らないボタン314のみを選択可能とする。
折り+中とじボタン313は操作者からの指示を受け付けた場合、選択状態となる。このボタンが選択された状態で設定が保存されると、以降のコピージョブに対して中折り処理と中とじ処理が行われる。操作者は、後述する図10(C)の用紙選択画面において、中折りと中とじができる用紙を選択しなくてはならない。
また印刷物の枚数によっては中折り処理、及び中とじ処理の少なくとも一方を行うことができない場合もある。この判断はCPU101が行い、コピージョブのキャンセルまたは中折り、中とじ処理を行わずにコピージョブを終了する。
折らないボタン314は操作者からの指示を受け付けた場合、選択状態となる。このボタンが選択された状態で設定が保存されると、以降のコピージョブに対して中折り処理、及び中とじ処理が行われない。
折りのみボタン315は操作者からの指示を受け付けた場合、選択状態となる。このボタンが選択された状態で設定が保存されると、以降のコピージョブに対して中折り処理が行われる。操作者は後述する図10(C)の用紙選択画面において、中折りができる用紙を選択しなくてはならない。
また印刷物の枚数によっては中折り処理を行うことができない場合もある。この判断はCPU101が行い、中折り処理ができないと判断した場合、コピージョブのキャンセルまたは中折り処理を行わずにコピージョブを終了する。
前述のとおり、生産性、品質、及びとじ性能の観点から、中折り処理は、シート処理装置90とは別のシステム(オフライン装置)を使用して、とじ処理を行う場合に使用される機能である。とじ処理を別のシステムで行う場合には、後述する製本の小口に長さの差を付ける必要がある。この差のことを一般的にラップ差という。ラップ差の設定は後述する図10(E)により行うことができる。
折り+中とじボタン313、折らないボタン314、折りのみボタン315のうち、選択状態となるのはいずれか1つだけである。いずれかのボタンが選択された状態で、別のボタンが操作者によって指示された場合、選択されているボタンの選択を解除した上で、新しく指示されたボタンを選択状態とする。
表紙設定ボタン316が操作者からの指示を受け付けると、図示しない表紙設定を行うための表紙設定画面に画面が遷移する。この表紙設定画面では、製本の表紙にあたるページの印刷面や、印刷用紙などを本文の設定とは別に設定することができる。
開く向きボタン317が操作者からの指示を受け付けると、図示しない製本の開き方向(とじ方向)を設定するための開き方向設定画面に画面が遷移する。開き方向設定画面において、操作者は、製本面付けをするボタン311が指示されているときのみ表紙設定ボタン316を指示できる。製本面付けをするボタン311が選択されていない場合には、操作者が予め表紙設定画面によって開き方向を設定していたとしてもCPU101によって無効な設定とされる。
詳細設定ボタン318が操作者からの指示を受け付けると、図示しないその他の詳細な製本の設定を行うための詳細設定画面に画面が遷移する。
キャンセルボタン319は、製本設定を終了するためのボタンである。キャンセルボタン319が指示を受けつけた場合は、一時的に保存された製本設定情報が破棄されて、上記待機画面が表示される。
戻るボタン320は、製本設定を終了するためのボタンである。戻るボタン320が指示を受けた場合は、製本設定情報の一時的な保存が行われずに、上記待機画面が表示される。
OKボタン321は、製本設定を終了するためのボタンである。製本面付けをするボタン311、及び製本面付けをしないボタン312のいずれかと、折り+中とじボタン313、折らないボタン314、及び折りのみボタン315のいずれかが選択された状態で、操作者はOKボタン321を指示できる。
製本面付けをするボタン311、及び製本面付けをしないボタン312のいずれも選択されていない状態、または折り+中とじボタン313、折らないボタン314、及び折りのみボタン315のいずれも選択されていないと、OKボタン321を指示できない。
OKボタン321が指示を受け付けた場合には、ボタン311〜315のうち、選択状態であるボタンついて、それらが選択状態であることが一時的に保存される。
また図示しない表紙設定画面、開く向き設定画面、詳細設定画面で設定された設定も同様に保存され、上記待機画面が表示される。
図10(C)の用紙選択画面330は、プリンタエンジン120が備える給紙カセット18に対して設定されている用紙サイズ及び用紙タイプを表示するとともに、印刷するときの出力用紙サイズ及びタイプ情報の選択を受け付ける画面の例である。
出力用紙サイズ情報はA4,A3,B4,B5,Letterなどの定形の用紙サイズや、操作者が図示しない不定形サイズ入力画面において、操作部121を通して入力した不定形サイズを示し、各用紙サイズは縦方向の長さと横方向の長さと関連付けられている。
また用紙タイプ情報は、予めシート処理装置のHDD104内の領域に保存されている用紙タイプと、操作者が用紙タイプ登録画面において、操作部121を通して入力し、HDD104内の領域に保存した用紙タイプの2種類の用紙タイプを示す。
用紙タイプ情報には単位面積当たりの重さや、マット紙、光沢紙、普通紙などの表面性、インデックス紙や封筒などの形状に関する情報などが含まれている。これらの情報はプリンタエンジン120が用紙に対して最も適した設定で印刷を行うために使用される。
自動設定ボタン331は、印刷をする原稿画像サイズ、及び印刷設定から自動的に出力用紙設定を行うように指定するためのボタンである。自動設定ボタン331が指示されることにより、後述する出力用紙設定処理により出力用紙設定が行われることとなる。自動設定ボタン331は操作者から指示を受け付けた場合に選択状態となる。
用紙設定ボタン332は、プリンタエンジン120の保持する給紙カセット18に対応付けられている。用紙設定ボタン332は、シート処理装置90の構成により変化する給紙カセットの数と同じ数の用紙設定ボタン332を表示する。
この例ではプリンタエンジン120は給紙カセット18を4段備えるものとするので、用紙設定ボタンは4つ表示される。
RAM102内の設定情報に各給紙カセット18の用紙サイズ及び用紙タイプとして出力用紙サイズ情報が設定されている。用紙サイズ及び用紙タイプ設定に設定される用紙サイズ情報及び用紙タイプ情報は、操作部121を通じて操作者により設定される。もしくは、給紙カセット18が用紙サイズを自動的に検知する機能を備えている場合、検知されたサイズが、プリンタエンジン120、プリンタ画像処理部118、及びデバイスI/F113を介してCPU101へ用紙サイズ情報として通知される。そして、そのサイズは、用紙サイズ設定として設定される。
また給紙カセット18に用紙が設定されていないことが検知されたときには、用紙なし情報をCPU101が受け付けて、該当する給紙カセットに対応した用紙設定ボタン332を選択不可能状態とする。
用紙設定ボタン332には、対応した給紙カセット18に設定された出力用紙サイズ情報、出力用紙タイプ情報、及び給紙カセットが検知した給紙カセット18の用紙残量の目安が表示される。
この用紙残量の目安は、用紙残量がプリンタエンジン120、プリンタ画像処理部118、及びデバイスI/F113を介してCPU101に通知されることで設定される。
用紙設定ボタン332は選択不可能状態でないときに操作者からの指示を受け付けた場合に選択状態となる。
自動設定ボタン331と用紙設定ボタン332のうち、選択状態になるボタンはいずれか1つだけである。選択状態に関し、自動設定ボタン331は用紙設定ボタン332の1つと見なされ、用紙設定ボタン332と同様の動作をする。
用紙設定ボタン332を選択後、別の用紙設定ボタン332が選択されたときには、前に選択されていた用紙設定ボタン332の選択が解除され、新しく選択された用紙設定ボタン332が選択可能状態となる。
詳細ボタン333は、用紙設定ボタン332が選択されている状態でのみ選択可能であり、自動設定ボタン331が選択されている場合には選択不可能状態となる。
選択可能状態で詳細ボタン333が操作者により指示されたときには、そのとき選択されている用紙設定ボタン332に対応する給紙カセット18に設定されている用紙タイプ情報を表示するための図示しない用紙タイプ詳細画面が表示される。
この画面では用紙タイプ情報としてHDD104内に保存されている対応する用紙タイプ情報が表示され、操作者は必要に応じて登録されている用紙タイプ情報を操作部121の操作によって変更することが可能である。
キャンセルボタン334は出力用紙選択を終了するためのボタンである。キャンセルボタン334が指示を受け付けた場合は、出力用紙情報の一時的な保存が行われずに待機画面が表示される。
OKボタン335は、出力用紙選択を終了するためのボタンである。OKボタン335は、自動設定ボタン331、またはいずれかの用紙設定ボタン332が選択された状態で操作者により指示可能となる。
自動設定ボタン331、及び用紙設定ボタン332がいずれも選択されていない状態では、OKボタン335は指示を受け付けない。OKボタン335が指示を受け付けた場合は、選択されているボタンに対応した出力用紙サイズと出力用紙タイプの情報をコピー設定の出力用紙情報としてRAM102の設定情報に一時的に保存され、待機画面が表示される。
図10(D)の印字位置調整画面340はコピージョブにおいて印字位置調整を受けるける画面例である。
印字位置調整は出力用紙に対して原稿画像をずらしてレイアウトを行う機能である。表面ボタン341、及び裏面ボタン342はそれぞれ、用紙の表面の印刷で使用する設定値の設定と、裏面の印刷で使用する設定値の設定を行うことを選択するためのボタンである。
移動方向指定ボタン343,344,345,346には、それぞれ上方向、左方向、右方向、下方向が対応付けられている。
表面ボタン341、及び裏面ボタン342が選択を受け付けた場合、指示を受けたボタンが選択状態になる。選択状態になるのは表面ボタン341、裏面ボタン342のいずれかであり、一方の選択後に、移動方向指定ボタン343,344,345,346が選択されたときには、前に選択されていたボタンの選択が解除され、新しく選択されたボタンが選択状態となる。
移動方向指定ボタンは表面ボタン341、または裏面ボタン342が選択された状態で指示可能となり、その状態で操作者からの指示を受け付けた場合に選択状態になる。表面ボタン341、裏面ボタン342のいずれも選択されていない状態では、移動方向指定ボタンは指示は受け付けない。
移動方向指定ボタン343,344,345,346のうち、選択状態になるのはいずれか1つである。移動方向指定ボタン343,344,345,346のいずれかが選択後に、別の移動方向指定ボタンが選択されたときには、前に選択されていた移動方向指定ボタンの選択が解除され、新しく選択された移動方向指定ボタンが選択状態となる。
移動方向指定ボタン343,344,345,346のいずれかが選択されている状態で、操作部121の所有する図示しないテンキーを操作者が操作することによって、移動量を入力することが出来る。
テンキーが操作された場合、選択されている印刷面及び移動方向指定ボタンに対応する方向の移動量が一時的に変更され、表示されている移動量が更新される。
キャンセルボタン347は、印字位置調整を終了するためのボタンである。キャンセルボタン347が指示を受けつけた場合は、一時的に保存された印字位置調整が破棄され、待機画面が表示される。
戻るボタン348は、印字位置調整を終了するためのボタンである。戻るボタン348が指示を受けた場合は、印字位置調整の一時的な保存が行われずに、待機画面が表示される。
OKボタン321は、印字位置調整を終了するためのボタンである。OKボタン321は、表面ボタン341、及び裏面ボタン342のいずれかと、移動方向指定ボタン343,344,345,346のいずれかが選択された状態で操作者により指示可能となる。
表面ボタン341、及び裏面ボタン342のいずれもが選択されていない状態、または移動方向指定ボタン343,344,345,346のいずれもが選択されていない状態では、OKボタン349は指示を受け付けない。OKボタンが指示を受け付けた場合には、印字位置調整を行う面、移動方向、移動量が一時的に保存され、待機画面が表示される。
図10(E)の製本ラップ差調整画面350はコピージョブにおいて製本ラップ差調整を行う際に表示される画面の例である。
製本ラップ差調整は前述の通り、シート処理装置90によって製本印刷、中折りを行い、生産性や印刷物の品質、とじの性能などからとじ処理を別のシステムによって行う際に必要となる小口に長さの差であるラップ差を調整する機能である。
最低限必要なラップ差は5.0mm程度であり、10mm程度が最も望ましいとされている。図10(E)で設定された製本ラップ差調整は、図10(B)の仕上げ処理機能において折りのみ315が選択、保存が行われている状態でコピージョブを行う場合にのみ有効である。
マイナスボタン352とプラスボタン353が指示を受けると、製本ラップ差調整値の設定が行われる。
マイナスボタン352が指示を受け付けると一時的に製本ラップ差調整値が加算され、表示されている製本ラップ差調整値が更新される。
プラスボタン353が指示を受けつけると一時的に製本ラップ差調整値が減算され、表示されている製本ラップ差調整値が更新される。
プラスマイナスボタン351が指示を受け付けると製本ラップ差調整値の正負が反転され、表示されている製本ラップ差調整値が更新される。
また図10(E)の画面が表示されている状態で、操作者は、操作部121が持つ図示しないテンキーから製本ラップ差調整値を設定してもよい。
ここで、製本ラップ差調整値のプラスの値は、製本が左開き設定であるときのページが大きい方の小口が長くなる方向に対する設定値である。これにより設定される値を一般的に正ラップという。
一方、マイナスの値は製本が右開きの設定であるときのページが小さい方の小口が長くなる方向に対する設定値である。これにより設定される値を一般的に逆ラップという。なお、製本が右開きの設定である場合、正ラップ、逆ラップの方向が逆になる。
キャンセルボタン354は、製本ラップ差調整を終了するためのボタンである。キャンセルボタン354が指示を受けつけた場合は、一時的に保存された製本ラップ差調整が破棄され、待機画面が表示される。
戻るボタン355は、製本ラップ差調整を終了するためのボタンである。戻るボタン355が指示を受けつけた場合は、製本ラップ差調整の一時的な保存が行われずに、待機画面が表示される。
OKボタン356は、製本ラップ差調整を終了するためのボタンである。OKボタン356が指示を受け付けた場合には、製本ラップ差調整値が一時的に保存され、待機画面が表示される。
図10(F)の折り位置微調整画面360は折り位置微調整を行う際に表示される画面の例である。
折り位置微調整はシート処理装置固有の誤差や、用紙のばらつきによって発生する用紙の中央からの微量の折り位置のずれを補正するための機能である。
マイナスボタン362とプラスボタン363が指示を受けると、折り位置微調整値の設定が行われる。
マイナスボタン362が指示を受け付けると一時的に折り位置微調整値が加算され、表示されている折り位置微調整値が更新される。
プラスボタン363が指示を受けつけると一時的に折り位置微調整値が減算され、表示されている折り位置微調整値が更新される。
プラスマイナスボタン361が指示を受け付けると折り位置微調整値の正負が反転され、表示している折り位置微調整値が更新される。
また図10(F)の画面が表示されている状態で、操作者は、操作部121が持つ図示しないテンキーから位置微調整値を設定してもよい。
ここで、折り位置調整におけるプラス方向は左開き製本時に左側に調整する方向であり、マイナス方向は右側に調整する方向である。
キャンセルボタン364は、折り位置微調整を終了するためのボタンである。キャンセルボタン364が指示を受けつけた場合は、一時的に保存された折り位置微調整が破棄され、待機画面が表示される。
戻るボタン365は、折り位置微調整を終了するためのボタンである。戻るボタン365が支持を受けつけた場合は、折り位置微調整の一時的な保存が行われずに、待機画面が表示される。
OKボタン366は、折り位置微調整を終了するためのボタンである。OKボタン366が指示を受けつけた場合には、折り位置微調整値が一時的に保存され、待機画面が表示される。
図11は、図8におけるCPU101により実行される待機状態時処理の手順を示すフローチャートである。
図11におけるフローチャートは、操作者からコピー機能を使用する要求を受けたところから開始されるフローチャートを示している。このように、コピー機能の場合を例に説明するが、プリントジョブも同様の処理が行われる。
CPU101は操作部121に図示しない待機画面を表示し(ステップS401)、操作者によるボタン操作受付を待機する(ステップS402)。
この状態で、操作者から操作を受け付けると、CPU101はクリープ補正設定ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS403)。
ステップS403の判別の結果、クリープ補正設定ボタンの押下を受け付けたとき(ステップS403でYES)、CPU101は操作部121にクリープ補正画面300を表示する。そして、CPU101は、操作者によるクリープ補正操作を受け付けるクリープ補正設定処理を行う(ステップS404)。
このときのクリープ補正処理は図10(A)で説明した内容である。クリープ補正設定を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとS401へ進む。
一方、ステップS403の判別の結果、クリープ補正設定ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS403でNO)、CPU101は製本設定ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS405)。
ステップS405の判別の結果、製本設定ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS405でYES)、CPU101は操作部121に製本設定画面310を表示して、操作者による製本設定操作を受け付ける製本設定処理を行う(ステップS406)。
このときの処理は前述の図10(B)で説明に記載した内容である。製本設定を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとステップS401へ進む。
一方、ステップS405の判別の結果、製本設定ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS405でNO)、CPU101は印字位置調整ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS407)。
ステップS407の判別の結果、印字位置調整ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS407でYES)、CPU101は操作部121に印字位置調整画面340を表示する。そして、CPU101は、操作者による印字値調整設定操作を受け付ける印字位置調整設定処理を行う(ステップS408)。
このときの処理は前述の図10(C)で説明に記載した内容である。印字位置調整設定を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとステップS401へ進む。
一方、ステップS407の判別の結果、印字位置調整ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS407でNO)、CPU101は出力用紙選択ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS409)。
ステップS409の判別の結果、出力用紙選択ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS409でYES)、ステップS410に進む。そして、CPU101は操作部121に用紙選択画面330を表示して操作者による出力用紙選択操作を受け付ける出力用紙設定処理を行う(ステップS410)。
このときの処理は前述の図10(D)で説明に記載した内容である。出力用紙設定を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとステップS401へ進む。
一方、ステップS409の判別の結果、出力用紙選択ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS409でNO)、CPU101は製本ラップ差調整ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS411)。
ステップS411の判別の結果、製本ラップ差調整ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS411でYES)、CPU101は操作部121に製本ラップ差調整画面350を表示する。そして、CPU101は、操作者による製本ラップ差調整操作を受け付ける製本ラップ差調整処理を行う(ステップS412)。このステップS412は、プリンタエンジン120により画像が形成された記録紙に折り目を形成した折丁での小口の長さの差である製本ラップ差を設定するための設定手段に対応する。フィニッシャ109は、製本ラップ差が生じない折り位置を示す中心線から、このステップS412により設定された製本ラップ差だけずらした基準線に従って記録紙に折り目を形成する。
このときの処理は前述の図10(E)で説明に記載した内容である。製本ラップ差調整を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとステップS401へ進む。
一方、ステップS411の判別の結果、製本ラップ差調整ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS411でNO)、CPU101は折り位置微調整ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS413)。
ステップS413の判別の結果、折り位置微調整ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS413でYES)、CPU101は操作部121に折り位置微調整画面360を表示する。そして、CPU101は、操作者による折り位置微調整操作を受け付ける折り位置微調整処理を行う(ステップS414)。このステップS414は、フィニッシャ109により形成される折り目の位置を微調整する微調整手段に対応する。
このときの処理は前述の図10(F)の折り位置微調整画面360で説明に記載した内容である。折り位置微調整を受け付けるか、キャンセルを受け付けるとステップS401へ進む。
一方、ステップS413の判別の結果、折り位置微調整ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS413でNO)、CPU101はその他の機能ボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS415)。ここで、その他の機能とは、クリープ補正、製本設定、印字位置調整、出力用紙設定、製本ラップ差調整、折り位置微調整以外の印刷設定機能である。
ステップS415の判別の結果、その他の機能ボタンの押下を受け付けたときは(ステップS415でYES)、CPU101は操作部121に各機能に対応した設定画面を表示する。そして、CPU101は、操作者によりその他の機能の設定操作を受け付ける、その他の設定処理を行う(ステップS416)。このその他の設定処理の詳細は省略する。その他の設定を受け付けるかキャンセルを受けると、ステップS401へ進む。
一方、ステップS415の判別の結果、その他の機能ボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS415でNO)、CPU101は図示しないリセットボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS417)。
ステップS417の判別の結果、リセットボタンの押下を受け付けたときは(ステップS417でYES)、CPU101はRAM102に保存してある全てのコピー設定を初期値にリセットするリセット処理を行い(ステップS418)、ステップS401へ進む。
一方、ステップS417の判別の結果、リセットボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS417でNO)、CPU101は図示しないコピースタートボタンの押下を受け付けたか否か判別する(ステップS419)。
ステップS419の判別の結果、コピースタートボタンの押下を受け付けたときは(ステップS419でYES)、次の図12で示すスキャン処理へ進み、本処理は終了する。一方、ステップS419の判別の結果、コピースタートボタンの押下を受け付けていないときは(ステップS419でNO)、ステップS402へ進む。
図12は、図8におけるCPU101により実行されるスキャン処理の手順を示すフローチャートである。
図12において、CPU101は操作部121に原稿読み取り待機画面を表示する(ステップS501)。
次いで、CPU101はスキャナ119に対して原稿読み取りの開始を指示することで、原稿を読み取る(ステップS502)。
そして、CPU101はスキャナ119によって読み取られた原稿画像へ画像処理を行う(ステップS503)。画像処理内容は図11のフローチャートで設定され一時的に保存されているコピー設定内容から決定される。
CPU101はコピー設定内容に応じて、読み取った原稿画像への画像処理をスキャナ画像処理部117で行うのか、画像編集用画像処理部114で行うのかを決定し、それぞれに画像処理の指示をする。
CPU101はスキャナ画像処理部117と、画像編集用画像処理部114から画像処理終了通知を受け付けたか否かを確認し、受け付けた場合はステップS504へ進み、なければステップS503に留まる。さらに、CPU101はステップS503で画像処理が施された原稿画像を圧縮処理するように画像圧縮部116へ指示する。
圧縮処理が終了したら圧縮された原稿画像をCPU101はHDD104へ保存する(ステップS504)。
原稿画像の保存が終了すると、CPU101はステップS503で画像処理を施した結果の原稿画像の横方向と縦方向のサイズである原稿画像サイズを取得して(ステップS505)、それを一時的に保存する。
保存が終了すると、CPU101はスキャナ119が原稿を全て読み込んだか否か判別する(ステップS506)。これは、原稿の読み取りを終了した通知をスキャナ119から受け付けたか否かで判別される。
ステップS506の判別の結果、スキャナ119が原稿を全て読み込んでないときは(ステップS506でNO)、ステップS502に戻る。
一方、ステップS506の判別の結果、スキャナ119が原稿を全て読み込んだときは(ステップS506でYES)、CPU101は出力用紙設定が自動に設定にされているか否か判別する(ステップS507)。
ステップS507の判別の結果、出力用紙設定が自動に設定にされていないときは(ステップS507でNO)、ステップS510に進む。
一方、ステップS507の判別の結果、出力用紙設定が自動に設定にされているときは(ステップS507でYES)、CPU101は出力用紙設定処理を行う(ステップS5508)。この出力用紙設定処理については、次の図13で詳細に説明する。
出力用紙設定処理が終了すると、CPU101は選択状態になっている用紙設定ボタンに対応した用紙設定を出力用紙設定として、操作者が選択した給紙カセット18を出力用紙に設定する(ステップS509)。
次いで、CPU101は製本設定がされているか否かを判別する(ステップS510)。ステップS510の判別の結果、製本設定がされていないときは(ステップS510でNO)、図15で説明されるプリント処理に進む。
一方、ステップS510の判別の結果、製本設定がされているときは(ステップS510でYES)、CPU101は原稿画像と出力用紙設定、フィニッシャ109の能力値から製本判定処理を行う(ステップS511)。製本判定処理は後述の図14で詳細に説明する。
製本判定処理が終了すると、CPU101はステップS511で判定された製本印刷処理が実行可能であるか否かを判別する(ステップS512)。ステップS512の判別の結果、製本印刷処理が実行可能であると判別されたときは(ステップS512でYES)、上記プリント処理に進む。
一方、ステップS512の判別の結果、製本印刷処理が実行不可能であると判別されたとき(ステップS512でNO)、CPU101はコピー動作をキャンセルする。そして、CPU101は、ステップS514でHDD104に保存した原稿画像の消去を指示し(ステップS513)、内部の一時的に保存していた設定情報を削除し、本処理を終了する。
そしてCPU101はコピー動作の中止をスキャナ119、プリンタエンジン120、操作部121へ通知し、図11のステップS401に進み、本処理を終了する。
図13は、図8におけるCPU101により実行される出力用紙設定処理の手順を示すフローチャートである。
図8において、CPU101は、まずステップS505で保存された原稿画像の横方向と縦方向のサイズ(解像度)と、RAM102上に保存されている印刷設定処理と、プリンタエンジン120の印字解像度から印刷される原稿画像の大きさを計算する。
そして計算した印刷される原稿画像の大きさを印刷可能となる用紙サイズを設定している給紙カセットがあるか否かを判別する。併せて、RAM102上に保存されている印刷設定で、印刷を行うことができる用紙タイプであるか否かを判別する。
すなわち、CPU101は印刷設定と原稿画像サイズに適した給紙カセット18があるか否か判別する(ステップS601)。
ステップS601の判別の結果、印刷設定と原稿画像サイズに適した給紙カセット18があるときは(ステップS601でYES)、603に進む。そして、CPU101はステップS601で判別した印刷可能な用紙サイズが設定されている給紙カセット18を出力用紙設定として選択し、本処理を終了する(ステップS603)。
一方、ステップS601の判別の結果、印刷設定と原稿画像サイズに適した給紙カセット18がないときは(ステップS601でNO)、CPU101は操作部121に最適な用紙がないことを示す警告を表示する(ステップS602)。
次いで、CPU101は操作者によりボタン操作が行われるまで待機する(ステップS604)。すなわち、CPU101は操作部121に操作者から操作があったか否かを確認し、あればステップS605に進み、なければステップS604に留まる。
そして、CPU101はステップS604で受け付けた操作が、図示しないキャンセルボタンを押下する操作か否かを判別する(ステップS605)。
ステップS605の判別の結果、受け付けた操作が、キャンセルボタンを押下する操作のとき(ステップS605でYES)、CPU101はコピー動作をキャンセルする。そして、ステップS504でHDD104に保存した原稿画像の消去を指示し(ステップS606)、内部の一時的に保存していた設定情報を削除する。
そしてCPU101はコピー動作の中止をスキャナ119、プリンタエンジン120、操作部121へ通知し、図11のステップS401に進み、本処理を終了する。
一方、ステップS605の判別の結果、受け付けた操作がキャンセルボタンを押下する操作ではないとき(ステップS605でNO)、CPU101はステップS604で受け付けた操作が、出力用紙選択ボタンを押下する操作か否か判別する(ステップS607)。
ステップS607の判別の結果、受け付けた操作が、出力用紙選択ボタンを押下する操作のときは(ステップS607でYES)、本処理を終了する。一方、受け付けた操作が、出力用紙選択ボタンを押下する操作ではないときは(ステップS607でNO)、上記ステップS604に進む。
図14は、図8におけるCPU101により実行される製本判定処理の手順を示すフローチャートである。
図14において、CPU101は出力用紙設定の用紙サイズを取得する(ステップS701)。次いで、CPU101は一時的に保存されているコピー設定と出力レイアウト情報を取得する(ステップS702)。出力レイアウト情報は出力用紙基準位置に対して原稿画像基準位置をどのようにレイアウトするかの情報である。
そして、CPU101はステップS505で一時的に保存した原稿画像サイズを取得し(ステップS703)、コピー設定からプリント用の画像処理を施した後の原稿画像サイズを計算する。CPU101は計算結果の原稿画像サイズを出力時原稿画像サイズとして一時的に保存する。
次いで、CPU101はステップS702で取得した情報と計算した結果により、印字可能領域を算出する(ステップS704)。CPU101は算出した印刷可能領域をRAM102に一時的に保存する。そして、CPU101は出力レイアウト情報と出力時原稿画像サイズと印字可能領域から、出力ページ数を計算する。
次いで、CPU101は一時的に保存されている仕上げ設定情報を取得する(ステップS706)。
CPU101はステップS702で取得した情報とステップS703で計算した結果により、原稿サイズと用紙サイズが印刷可能な組み合わせであるか否か判別する(ステップS707)。ここでの判別基準は図10(B)で詳細に説明した製本面付けを行うか否かの設定によって決まるが、詳細は省略する。
ステップS707の判別の結果、原稿サイズと用紙サイズが印刷可能な組み合わせでないとき(ステップS707でNO)、CPU101は製本判定処理結果として製本印刷不可能とする(ステップS714)。そして、CPU101は、製本印刷不可能であることを一時的に保存し、本処理を終了する。
一方、ステップS707の判別の結果、原稿サイズと用紙サイズが印刷可能な組み合わせのときは(ステップS707でYES)、CPU101はステップS706で取得した情報から、中折り処理が設定されているか否かを判別する(ステップS708)。折り処理は図10(B)で詳細に説明した製本設定のうち仕上げ処理設定により行われる。
ステップS708の判別の結果、中折り処理が設定されていないときは(ステップS708でNO)、CPU101は製本判定処理結果として製本印刷可能であると判定し(ステップS713)、製本印刷可能であることを一時的に保存し、本処理を終了する。
一方、ステップS708の判別の結果、中折り処理が設定されているときは(ステップS708でYES)、CPU101はアクセサリI/F108を経由してフィニッシャ109の能力情報を取得する(ステップS709)。ここで取得する情報には、中折りが可能な用紙の枚数、用紙のサイズ、用紙のタイプ、また中とじ可能な用紙の枚数、用紙のサイズ、用紙のタイプなどが含まれる。
次いで、CPU101はステップS709で取得したフィニッシャ109の能力情報と、S709で算出した出力ページ数、S701で取得した出力用紙情報から、中折り処理が可能であるか否かを判別する(ステップS710)。
ステップS710の判別の結果、中折り処理が不可能であるときは(ステップS710でNO)、上記ステップS714に進む。
一方、ステップS710の判別の結果、中折り処理が可能であるときは(ステップS710でYES)、CPU101はステップS706で取得した情報から、中とじ処理が設定されているか否かを判別する(ステップS711)。中とじ処理は図10(B)で詳細に説明した仕上げ処理設定により行われる。
ステップS711の判別の結果、中とじ処理が設定されていないときは(ステップS711でNO)、上記ステップS713に進む。
一方、ステップS711の判別の結果、中とじ処理が設定されているときは(ステップS711でYES)、ステップS713に進む。そして、CPU101はステップS709で取得したフィニッシャ109の能力情報と、S709で算出した出力ページ数、S701で取得した出力用紙情報から、中とじ処理が可能であるか否かを判別する(ステップS712)。
ステップS712の判別の結果、中とじ処理が不可能であるときは(ステップS712でNO)、上記ステップS714に進む。一方、中とじ処理が可能であるときは(ステップS712でYES)、上記ステップS713に進む。
図15は、図8におけるCPU101により実行されるプリント処理の手順を示すフローチャートである。
図15において、CPU101はHDD104に保存された圧縮原稿画像を読み出し(ステップS801)、RAM102上に展開する。
RAM102への展開が終了したら、CPU101はステップS801でRAM102へ展開した圧縮原稿画像に対して、画像伸長部115に画像を伸長する画像処理を指示をする(ステップS802)。その後、画像編集用画像処理部114から処理終了通知を受け取ったらステップS803へ進む。画像編集用画像処理部114への処理は省略する。
次いで、CPU101はステップS802で画像処理が施された原稿画像をプリンタエンジン120で印刷するようにプリンタエンジン120へ指示をする(ステップS803)。
そして、CPU101は全ての原稿画像を印刷したか否か判別する(ステップS804)。ステップS804の判別の結果、全ての原稿画像を印刷していないときは(ステップS804でNO)、ステップS801に進む。
一方、ステップS804の判別の結果、全ての原稿画像を印刷したときは(ステップS804でYES)、CPU101はステップS803で印刷された全ての原稿画像をRAM102とHDD104から消去する(ステップS805)。
そして、消去が完了すると、CPU101は操作部121にプリント終了画面を表示して(ステップS806)、本処理を終了する。このプリント処理が終了すると次の図16で示す仕上げ処理へ進む。
図16は、図8におけるCPU101により実行される仕上げ処理の手順を示すフローチャートである。
図16において、CPU101は仕上げ設定情報を取得し(ステップS901)、フィニッシャ109の能力値を取得する(ステップS902)。
次いで、CPU101は折り設定処理を行う(ステップS903)。この折り設定処理については次の図17で詳細に説明する。
折り設定処理が終わると、CPU101はとじ設定処理を行う(ステップS904)。この処理は、とじの種類や位置とフィニッシャ109の能力値情報を比較し、とじが実施可能であるかを調べ、可能である場合には仕上げ設定としてとじ処理を追加する。
とじ設定処理が終わると、CPU101は断裁設定処理を行う(ステップS905)。この処理は、断裁の種類や断裁幅と高さと、フィニッシャ109の能力値情報を比較し、断裁が実施可能であるかを調べ、可能である場合には仕上げ設定として断裁処理を追加する。
次いで、CPU101はその他の仕上げ設定処理を行う(ステップS906)。その他の仕上げ設定にはパンチやシフト排紙設定などが含まれる。この処理は各その他の仕上げ設定における種類や設定値と、フィニッシャ109の能力情報を比較し、それぞれ実施可能であるかを調べ、実施可能である場合には、仕上げ設定として各仕上げ処理を追加する。
次いで、CPU101はステップS903〜S906によって設定された仕上げ設定によって行うべき処理に、組み合わせ不可能な仕上げ処理があるか否か判別する(ステップS907)。
このステップS907は、各仕上げ処理において、それぞれ単独では行うことができる仕上げ処理であるが、同時に行うことができない処理が設定されているか否かを判別するものである。
ステップS907の判別の結果、組み合わせ不可能な仕上げ処理があるときは(ステップS907でYES)、ステップS909に進む。そして、CPU101はステップS903〜S906で設定された全ての仕上げ処理設定を行うものとして、アクセサリI/F108を経由してフィニッシャ109に通知し(ステップS909)、本処理を終了する。その後、ジョブが終了すると、待機画面が表示されることとなる。
一方、ステップS907の判別の結果、組み合わせ不可能な仕上げ処理がないときは(ステップS907でNO)、ステップS908に進む。そして、CPU101はステップS903〜S906で設定された全ての仕上げ処理を無効とし(ステップS908)、一時的に保存した仕上げ処理の設定を削除し、本処理を終了する。
図17は、図8におけるCPU101により実行される折り設定処理の手順を示すフローチャートである。
図17において、CPU101はステップS901で取得した仕上げ設定情報から折りの種類の情報を取得する(ステップS911)。この折りの種類の情報には、折りの位置や向き、折りの枚数などの情報も含まれている。
次いで、CPU101はステップS911で取得した情報から折り処理が設定されているかの否か判別する(ステップS912)。
ステップS912の判別の結果、折り処理が設定されていないときは(ステップS912でNO)、CPU101は折り処理を全て無効とし(ステップS918)、本処理を終了する。なお、ステップS918を経由した場合には、ステップS918では、一時的に保存した折り処理の設定を削除してから本処理を終了する。
一方、ステップS912の判別の結果、折り処理が設定されているときは(ステップS912でYES)、ステップS913に進む。CPU101はステップS911で取得した折りの種類と、S902で取得したフィニッシャ109の能力情報から、設定された折り処理を行うことが可能か否かを判別する(ステップS913)。
ステップS913の判別の結果、設定された折り処理を行うことが不可能なときは(ステップS913でNO)、上記ステップS918に進む。
一方、ステップS913の判別の結果、設定された折り処理を行うことが可能なときは(ステップS913でYES)、CPU101はステップS911で取得した折りの種類に中折り処理が設定されているか否かを判別する(ステップS914)。
ステップS914の判別の結果、折りの種類に中折り処理が設定されていないときは(ステップS914でNO)、CPU101はステップS911で取得した折りの種類を仕上げ処理に設定し(ステップS915)、本処理を終了する。
一方、ステップS914の判別の結果、折りの種類に中折り処理が設定されているときは(ステップS914でYES)、CPU101はステップS911で取得した折りの種類に折り位置調整が設定されているか否か判別する(ステップS916)。この折り位置調整については図10(F)で詳細に説明を行った。
ステップS916の判別の結果、折りの種類に折り位置調整が設定されていないときは(ステップS916でNO)、ステップS919に進む。
一方、ステップS916の判別の結果、折りの種類に折り位置調整が設定されているときは(ステップS916でYES)、CPU101はステップS911で取得した折りの種類に含まれる折り位置調整を仕上げ処理に設定する(ステップS917)。
次いで、CPU101はステップS911で取得した折りの種類に製本ラップ差調整が設定されているか否かを判別する(ステップS919)。製本ラップ差調整については図10(E)で詳細に説明を行った。
ステップS919の判別の結果、折りの種類に製本ラップ差調整が設定されていないときは(ステップS919でNO)、CPU101は中折り処理を仕上げ処理に設定し(ステップS923)、本処理を終了する。
一方、ステップS919の判別の結果、折りの種類に製本ラップ差調整が設定されているときは(ステップS919でYES)、CPU101はステップS901で取得した仕上げ設定情報からとじ設定を取得する(ステップS920)。
次いで、CPU101はステップS920で取得したとじ設定から、中とじ処理が設定されているかを判別する(ステップS921)。
ステップS921の判別の結果、中とじ処理が設定されているときは(ステップS921でYES)、上記ステップS923に進む。
一方、ステップS921の判別の結果、中とじ処理が設定されていないときは(ステップS921でNO)、ステップS922に進む。そして、CPU101はステップS911で取得した折りの種類の情報に含まれる製本ラップ差調整を仕上げ処理に設定し(ステップS922)、上記ステップS923へ進む。
図18は本実施の形態によって製本ラップ差が設定され、中折り処理までが行われた際に得られる出力物(以下、「折丁」という)1000の例を示す図である。
図18において、一般的に折丁1000の開く側を小口1001といい、閉じている側を背1002という。本実施の形態では製本ラップ差を設定することにより小口1001に長さの差を作り出している。
この長さの差のことをラップ差1003という。ラップ差1003がなければ、シート処理装置90とは別のシステムである後処理装置により中とじ処理を行う際に、そのシステムは、折丁1000を正しく給紙し、開いた状態でギャザリングチェーン1101に乗せることができない。
折丁1000は単独、もしくは他の複数の折丁を重ねあわせて、中とじされ、断裁が行われることで最終的な中とじ製本となる。
図19(A)は、後処理工程装置1200により実行される後処理工程の概要を示す図である。
この図19(A)、図19(B)、図20を用いて、本実施の形態により作成された折丁が後処理工程装置1200によって中とじ製本となる工程について詳細を説明する。
まず図19(A)において、S1〜S4はそれぞれが折丁1000であり、説明のため重ねられる順番にS1〜S4という名称を使用している。また、図19(A)には、折丁を搬送するコンベア(ギャザリングチェーン)1101、送り爪1102、針金1103、天地断裁刃1104、及び小口断裁刃1105が示されている。
そして、A工程は丁合工程であり、シート処理装置90により作成された折丁1000を一冊の本となるように重ね合わせる工程である。
この丁合工程Aでは、最終的に一冊の中とじ製本となる複数の折丁S1101〜S1104を、一部ずつ小口1001を開けた状態でギャザリングチェーン1101上に給紙していく。給紙された折丁は送り爪1102によって揃えられて丁合される。
次のB工程はとじ処理であり、A工程により重ね合わせられた折丁を中央でとじて中とじ製本とする処理である。
とじ処理工程Bでは、前工程Aによって揃えて重ねられた折丁の集合体を、針金1103によってとじ合わされる。
次のC工程は断裁工程であり、B工程で作成された中とじ製本の天地及び小口を断裁することで形を整える処理である。
断裁工程Cでは、前工程Bによってとじられた折丁の集合体を、天地断裁刃1104により天地の化粧断ちを、小口断裁刃1105によって小口の化粧断ちを行う。
以上の中とじ処理工程により、本実施の形態により作成された折丁1000は中とじ製本となり、完成された製本は集積される。
以上の工程により折丁1000は中とじ、断裁処理のされた最終的な中とじ製本となる。以降の図で具体的に後処理工程装置1200の図を使用して説明する。なお、ここで説明する後処理工程装置1200は一例であり、本実施の形態はここで示した仕組みの後処理装置に限定せず、ラップ差を持つ折丁1000を扱う全ての後処理装置に有効な折丁1000を作成することが出来る。
図19(B)は、図19(A)における後処理工程装置1200の俯瞰図である。
図19(B)において、後処理工程装置1200は、ギャザリングチェーン制御装置1201、折丁供給装置1202〜1204、表紙供給装置1205、中央制御装置1206、を含む。また、後処理工程装置1200は、中とじ装置1207、断裁装置1208、断裁コンベアテーブル1209、及び自動集積装置1210を含む。
ギャザリングチェーン制御装置1201、及び折丁供給装置1202〜1204は図19(A)で示した丁合工程Aで使用される。中とじ装置1207は図19(A)で示したとじ処理工程Bで使用される。断裁装置1208、断裁コンベアテーブル1209は図19(A)で示した断裁工程Cで使用される。以下にそれぞれの装置の詳細を記載する。
ギャザリングチェーン制御装置1201は、ギャザリングチェーン1101の折り返しを制御する。中央制御装置1206までの経路は同一のギャザリングチェーン1101によりつながれており、この経路上に折丁供給装置1202〜1204、表紙供給装置1205が設置されている。
折丁供給装置1202〜1204はそれぞれ図19(A)のS1〜S3で示す折丁をギャザリングチェーン1101上に給紙する。折丁供給装置1202〜1204の動作は、中央制御装置1206によって制御されており、ギャザリングチェーン1101上を搬送される折丁のタイミングに合わせて適切なタイミングで折丁を給紙し、重ね合わせる。
表紙供給装置1205は、図19(A)のS4で示す折丁をギャザリングチェーン制御装置1201上に供給する。この折丁は中とじ製本完成時に表紙となるものであり、丁合工程の最後に丁合される。
中央制御装置1206は、後処理工程装置1200全体を制御する。中央制御装置1206はタッチスクリーン方式の操作パネルなどのUIを有しており、操作者はUIを操作することによって中とじ装置全体を集中的に制御することが出来る。
操作者が断裁前の折丁・仕上がり時の天地/小口の寸法、及び完成時の中とじ製本の厚みなどを入力する。そうすると、折丁供給装置1202〜1204、表紙供給装置1205、中とじ装置1207、断裁装置1208、断裁コンベアテーブル1209、及び自動集積装置1210を用いる全行程に対する設定が自動的に行われる。
また各折丁給紙装置1202〜1204とギャザリングチェーン1101、ギャザリングチェーン1101と中とじ装置1207の間のタイミングも自動的に同期する。中とじ装置1207の針金の送長も折丁の厚さに合わせて自動的に調整される。
中とじ装置1207は、中とじ工程Bを行い、丁合された折丁の集合を針金1103によってとじる処理を行う。中央制御装置1206からとじる折丁の厚さ、とじ箇所、とじ圧力などの設定を受ける。また通常は単独でも使用できるようになっており、中とじ装置1207自身からもこれらの設定を入力することができる。
断裁装置1208は、断裁工程Cを行い、中とじされた製本の小口の断裁を行い、そして天地を同時に断裁する。断裁時に発生した裁ち屑は図示しない回収容器に回収される。
中央制御装置1206から断裁する折丁の厚さや、仕上がりの小口/天地幅などの設定を受ける。中とじ装置1207と同様に、通常は断裁装置1208自身からも設定を入力することができる。
断裁コンベアテーブル1209は、断裁前後の折丁の搬送を行う。断裁時に折丁に傷がつかないように断裁の瞬間に搬送を止める処理や、自動集積装置1210への搬送を行う。自動集積装置1210は完成した中とじ製本を指定された部数で向きを変えて積み上げる。
図20は、図19(B)における折丁供給装置1202〜1204の断面図である。
図20において、ギャザリングチェーン上に設置された折丁供給装置1202〜1204のうちギャザリングチェーン制御装置1201に近いものからA1、A2…とする。
また、図20で扱う折丁供給装置をAn、対応する折丁をSn、Snの小口1001をSa、背側をSbとする。Gはギャザリングチェーン1101の断面である。
さらに、図20には、折丁集積部1301、サッカー1302、吸盤1303、アッパーシリンダー1304、アッパーシリンダーのグリッパー1305、アッパーシリンダーガイド1306、が示されている。また、図20には、ストッパー1307、逆転ロール1308、ラップシリンダー1309、ラップシリンダーのグリッパー1310、オープニングシリンダー1311、オープニングシリンダーのグリッパー1312、及びガイド1313が示されている。
図20において、折丁供給装置1202には、折丁集積部1301に折丁が棒積み状態にスタックされている。折丁は、小口Saの長い方を下側にして積載される。このスタックされた折丁Snの集合から一部ずつギャザリングチェーン1101上に供給する際の工程について説明する。
折丁Snに対して、まずサッカー1302が所有する吸盤1303で折丁Snの背部Sbを引っ掛けて引っ張り出し、アッパーシリンダー1304のグリッパー1305aまたはグリッパー1305bが折丁Snを一部ずつ引き出す。
引き出した折丁Snの背部Sbをそのまま半回転させて、アッパーシリンダーガイド1306a、1306bがアッパーシリンダー1304の周面に触れた状態でストッパー1307に当たるまで搬送する。
ストッパー1307に当たると同時に、グリッパー1305が開放され、逆転ロール1308がグリッパー1305から折丁Snを外して、アッパーシリンダーガイド1306にそって下方に折丁Snを落下させる。
折丁Snが落下する時に、ラップシリンダー1309のグリッパー1310がその折丁Snの小口Saの長い方を掴み、オープニングシリンダー1311のグリッパー1312が折丁Sの小口Saのラップが短い方を掴む。
ラップシリンダー1309とオープニングシリンダー1311は逆方向に回転しているため、折丁Snは左右に開く。すると開いた折丁Snが矢印方向に落下する。落下した折丁Snはガイド1313に乗る。
そして、ギャザリングチェーンGのギャザリングチェーン制御装置1201側にある折丁給紙装置A(A1〜An−1)から給紙された折丁S(S1〜Sn−1)を搬送してくるギャザリングチェーンGによって、折丁Sは送り爪1102で押される。
押された折丁Sは、前の折丁と同じ方向にガイド1313を滑っていき、ガイド1313の端部からギャザリングチェーンG上の前の折丁に重なるように落下する。こうして折丁は丁合される。
以上説明した折丁供給装置1202〜1204において、ラップシリンダー1309のグリッパー1310と、オープニングシリンダー1311のグリッパー1312とが、小口側Saの長い方と短い方を掴む際に現れる。
すなわち、小口側Saのラップに長さの差がない、もしくは折丁供給装置1202〜1204が必要とする長さよりも差が小さいと、各グリッパーが正しく小口を掴むことができない。
以上説明したように、中とじ製本印刷において、中折り処理までをシート処理装置90で行い、中とじ処理を別のシステムを用いて行う場合には、中とじ製本処理を行うシステムに応じて異なる必要なラップ差が存在する。
本実施の形態では、処理者は中折り処理時に作成するラップ差を指定することができる。
従って、シート処理装置90は、あらゆる中とじ製本処理を行うシステムに対応した中折り済み印刷物を生産することができ、これらシステム間の連携を高め、中とじ製本作成の生産性を向上することができる。
また中折りシステムに不適切な中折り済み印刷物を作成してしまうことを防ぎ、無駄なプリントを削減することが出来る。
なお本実施の形態では、コピー機能を用いた製本印刷処理を取り上げて説明を行ったが、プリント機能を用いる場合にも適用できる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態におけるシート処理装置90の構成及びソフトウェアモジュール構成は第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態では、図10(E)の製本ラップ差調整において操作者がラップ差を設定した際の中折り処理の際に、CPU101がアクセサリI/F108を通してフィニッシャ109に折り位置をずらして設定されたラップ差を作成する動作について説明した。
この第1の実施の形態では、操作者が図10(D)で説明した印字位置調整などを使用して、折り位置のずらし量に合わせて折り位置に対して画像の位置が正しくなるように調整を行う必要がある。
そこで、第2の実施の形態では、製本ラップ差調整によって折り位置をずらした際に必要となる印字位置調整をCPU101及びプリンタ画像処理部118が自動的に行い、画像が正しい位置になるように調整を行う実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様にコピー機能の選択を受け付けると操作部121に待機画面を表示し、図11の待機時処理を実行する。
また図11のステップS419においてCPU101が操作部121のコピースタートボタンの押下を受け付けたときに行われる図12のスキャン処理も第1の実施の形態と同様に行われる。
図21は製本ラップ差調整に合わせて行う自動印字調整を説明するための図である。
図21においては、用紙1401に対して、2ページの画像1404,1405を面付けする際の面付け位置について説明されている。
図21(A)は、製本ラップ差調整を行わなかった時の出力物の例を示している。
図10(D)において説明した印字位置調整によって操作者に印字位置調整値が指示されなかった場合、面付け済み画像例1406のように用紙1401の中心線1402を中心として2ページの画像1404,1405は面付けされる。
製本ラップ差調整が行われていないので、中折り処理の行われる折り位置は用紙1401の中心線1402に沿っている。
通常、用紙に対して2つのページが小さくされるか、または画像には印刷する上で重要ではない範囲(余白)が設けられている。従って、中心線1402に沿って2ページを印刷すると小口側に印刷されない部分、または重要ではない範囲が印刷される。
この印刷されない部分や範囲は小口側の断裁幅1408であり、断裁工程Cにおいてこの断裁幅1408の範囲が小口断裁され、最終的な成果物1409では余白がなくなる。
図21(B)は、第2の実施の形態により製本ラップ差調整を行った時の出力物の例を示している。
製本ラップ差調整を行った場合、中折り処理が行われる折り位置1411は用紙1401の中心線1402から製本ラップ差調整値の分だけずれた位置になる。
従って、印字位置調整を行わない場合、中心線1402に沿って面付けされる2ページの画像1404,1405は折り位置1411に対して正しい位置に印刷されず、断裁工程でも画像の重要な部分が断裁されてしまうことがある。
そのため第2の実施の形態では、製本ラップ差調整を行った際に、面付け済み画像1412のように折り位置に沿って面付けを行うように自動的に印字位置調整が行われる。
第2の実施の形態によって作成される印刷物1413は、ラップ差によって長くなる方の小口に多くの印刷されない部分、または重要でない部分を含んでおり、この印刷されない部分や範囲が小口側の断裁幅1414となる。
断裁工程Cにおいて断裁幅1414の範囲が小口断裁され、最終的な成果物1415では余白がなくなる。
図22は、図8におけるCPU101により実行される印刷指示処理の手順を示すフローチャートである。
図22における処理は、図15のプリント処理におけるステップS803のプリンタエンジン120へ印刷を指示する処理の手順を示している。
CPU101は印刷設定情報を取得し(ステップS1501)、仕上げ設定情報を取得する(ステップS1502)。
次いで、CPU101はステップS1502で取得した仕上げ設定情報から、中折り処理が設定されているか否かを判別する(ステップS1503)。ステップS1503の判別の結果、中折り処理が設定されていないときは(ステップS1503でNO)、ステップS1507に進む。
一方、ステップS1503の判別の結果、中折り処理が設定されているときは(ステップS1503でYES)、CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、製本ラップ差調整が設定されている否かを判別する(ステップS1504)。
ステップS1504の判別の結果、製本ラップ差調整が設定されていないときは(ステップS1504でNO)、ステップS1507に進む。
一方、ステップS1504の判別の結果、製本ラップ差調整が設定されているときは(ステップS1504でYES)、ステップS1505に進む。CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、製本ラップ差調整量を読み出し、面付けの際の位置の基準とする面付け基準線の位置を変更する(ステップS1505)。面付け基準線の位置の変更については、次の図23で説明する。また、第2の実施の形態では基準線の初期位置を用紙の中心線1402とする。
次いで、CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、製本面付けが設定されているか否かを判別する(ステップS1506)。製本面付け設定の詳細は図10(B)で説明をした。
ステップS1506の判別の結果、製本面付けが設定されていないときは(ステップS1506でNO)、ステップS1509に進む。一方、ステップS1506の判別の結果、製本面付けが設定されているときは(ステップS1506でYES)、CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、クリープ補正が設定されているか否かを判別する(ステップS1507)。
ステップS1507の判別の結果、クリープ補正が設定されていないときは(ステップS1507でNO)、ステップS1509に進む。一方、ステップS1507の判別の結果、クリープ補正が設定されているときは(ステップS1507でYES)、CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、クリープ補正量を読み出し、基準線に対してクリープ補正量を設定する。この設定についても次の図23で説明する。
次いで、CPU101はステップS1501で取得した印刷設定情報から、印字位置調整が設定されているか否かを判別する(ステップS1509)。ステップS1509の判別の結果、印字位置調整が設定されていないときは(ステップS1509でNO)、ステップS1511に進む。
一方、ステップS1509の判別の結果、印字位置調整が設定されているときは(ステップS1509でYES)、ステップS1510に進む。CPU101はステップS1501で読み込んだ印刷設定情報から、印字位置調整量を読み出し、基準線からの印字位置調整量を設定する(ステップS1510)。この設定についても次の図23で説明する。
次いで、CPU101はステップS1501で取得した画像処理設定と、ステップS1503〜S1510で算出した初期値の基準線(つまり中心線1402)からの画像の位置調整量の総和を計算した結果である面付け情報をプリンタ画像処理部118に通知する。すなわち、CPU101は面付け情報と画像処理設定とをプリンタ画像処理部118に通知する(ステップS1511)。
そして、CPU101はプリンタ画像処理部118を通してプリンタエンジン120に対して印刷の指示し、本処理を終了する。印刷指示後の、プリント処理および仕上げ処理は第1の実施の形態と同様である。
図23は、図22におけるCPU101がステップ1505において算出する面付けの基準位置の変更、ステップS1508において算出するクリープ補正量、ステップS1510で算出する印字位置調整量を説明するための図である。
図23において、Mは中心線1402、Kは画像位置の基準線である。用紙および面付けされた画像は製本折り時に外側を向いて折られるものとする。
図23(A)へ面付けの基準位置の変更について説明するための図である。ステップS1505において算出する基準線Kと中心線Mの位置のずれ1601は、図10(E)において設定された製本ラップ差調整の量と等しい。
設定された製本ラップ差をXとすると、図23におけるプラス方向は右方向であることから、画像位置の基準線は(X,0)だけ移動する。従って画像1404,1405と基準位置変更前の画像位置とのずれはともに(X,0)である。クリープ補正を行わない場合、プリンタエンジン120は、基準線が中心線と異なる場合には、折り目が中心線の場合に画像を形成する位置から、製本ラップ差Xだけずらして画像を形成する。
図23(B)は面付けの基準位置が変更された際に、更にクリープ補正が設定された際の中心線からの画像の面付け位置のずれ1602を説明するための図である。
クリープ補正は前述の通り中折り処理をした際に、用紙の厚みの分だけ内側になる用紙が外に飛びでてしまうため、その分一面に印刷される2ページの画像の幅を外側の用紙よりも狭めて印刷する機能である。
従って、図10(A)で設定されたクリープ補正量に従って、この用紙に設定されるクリープ補正量がaであると算出された場合の、左側の画像1404の基準位置変更とクリープ補正前の画像位置とのずれは(X+a,0)となる。また、右側の画像1405の基準位置変更とクリープ補正前の画像位置とのずれは(X−a,0)となる。
このように、プリンタエンジン120は、基準線が前記中心線と異なり、かつクリープ補正を行って画像を形成する場合には、折り目が中心線の場合に画像を形成する位置から、製本ラップ差だけずらした位置に対してさらにクリープ補正した位置に画像を形成する。図23の場合、クリープ補正した位置は、(X+a,0)、(X−a,0)である。
図23(C)は面付けの基準位置が変更された際に、更に印字位置が設定された際の中心線からの画像の面付け位置の横方向のずれ1603と横方向のずれ1604を説明するための図である。
印字位置調整は上下、左右に印字位置を調整する機能であり、図10(D)によって操作者により設定される。上側への印字位置調整を上下のプラス方向、右側への印字位置調整を左右のプラス方向とし、左右の設定値をx,上下の設定値をyとする。
このとき、画像1404,1405の基準位置変更と印字位置調整前の画像位置とのずれはともに、(X+x、y)となる。
図10(F)で説明した折り位置微調整は用紙の折り位置がずれている場合に微調整するためのものであるため、画像の印字位置を決める際には考慮しない。
このように、製本ラップ差調整が設定された際には、設定された製本ラップ差調整値に基づいて面付けの基準線を変更することで、シート処理装置90が自動的に折り位置に対して正しい位置へ面付けの位置を移動することが可能である。
これにより折り位置がずれた分だけ操作者が手動で印字位置を設定する手間を省くことが出来る。
ここではシート処理装置90によって面付けを行う場合を中心に説明したが、面付けされた画像を印刷する場合にも第2の実施の形態は適用できる。また、第2の実施の形態は第1の実施の形態と同時に行なうことも可能である。またコピージョブに限らずプリントジョブでも同様に行うことが可能である。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態におけるシート処理装置90の構成及びソフトウェアモジュール構成は第1,2の実施の形態と同様である。
第1,2の実施の形態では、シート処理装置90によって作成された折丁1000に対して中とじ処理を行うシステムで、必要な製本ラップ差を操作者が図10(E)の製本ラップ差調整画面350から中折り処理を行う都度設定する必要があった。
第3の実施の形態では、シート処理装置90が中とじ処理を行う各システム(以下、「中とじ処理装置」という)で必要な製本ラップ差を設定する。
具体的に、中とじ処理装置がシート処理装置90に接続されている場合には、CPU101がアクセサリI/F108を通して、接続されている中とじ処理装置の種別を認識する。
一方、中とじ処理装置がシート処理装置90に接続されていない場合には、中とじ処理装置の登録画面から登録されている中とじ処理装置の設定情報から、CPU101が中とじ処理装置を特定するための種別情報を認識する。
こうして種別を認識し、CPU101がLAN122を介してネットワーク経由で接続するデータベース、もしくはHDD104に保有するデータベースから該当する中とじ処理装置で必要な製本ラップ差を自動的に適用することで、必要なラップ差を設定する。
第3の実施の形態では、第1,2の実施の形態と同様に図11の待機時処理を行う。その後の図12のスキャン処理、図13の出力用紙設定処理、図14の製本判定処理、図16の仕上げ処理を第1の実施の形態と同様に行われる。
図24は、中とじ処理を行う装置を登録する際の中とじ処理装置登録画面1700の例を示す図である。
図24に示されるように、シート処理装置90に、折丁1000を作成後に中とじ処理装置を登録しておくことで、製本ラップ差調整に必要なラップ差を操作者が入力しなくも、シート処理装置90が自動的に必要なラップ差を設定することができる。
図24において、中とじ処理装置選択ボタン1701は、登録する中とじ処理装置を選択するためのものである。中とじ処理装置選択ボタン1701には、中とじ処理装置の名称、型名、及び必要なラップ差が表示されている。操作者により選択された中とじ処理装置はハイライトされる。
詳細ボタン1702は、中とじ処理装置選択ボタン1701が選択されている状態でのみ選択可能であり、選択されていない場合には選択不可能状態となっている。
選択可能状態で詳細ボタン1702が操作者により指示されたときには、そのとき選択されている中とじ処理装置に対応する中とじ処理装置の情報である中とじ処理装置情報を表示するための図示しない中とじ処理装置詳細画面が表示される。
この中とじ処理装置詳細画面では、中とじ処理装置に対応してHDD104に保存されている中とじ処理装置情報が表示され、操作者は必要に応じて登録されている中とじ処理装置情報を操作部121の操作によって変更することが可能である。
キャンセルボタン1703は、中とじ処理装置の登録を終了するためのボタンである。キャンセルボタン1703が指示を受けつけた場合は、一時的に保存された中とじ処理装置の登録を破棄して、図示しない待機画面が表示される。
戻るボタン1704は、中とじ処理装置の登録を終了するためのボタンである。戻るボタン1704が指示を受けた場合は、中とじ処理装置の登録を行わずに、待機画面が表示される。
OKボタン1705は、中とじ処理装置の登録を終了するためのボタンである。OKボタン1705が指示を受け付けた場合には、中とじ処理装置を登録し、待機画面が表示される。
操作者によるOKボタン1705への指示は、中とじ処理装置選択ボタン1701によっていずれかの中とじ処理装置が選択されている場合に限られる。中とじ処理装置が選択されていない場合、OKボタン1705への指示は受け付けられない。
図25は、図8におけるCPU101により実行される折り設定処理の手順を示すフローチャートである。
図25において、CPU101はステップS901で取得した仕上げ設定情報から折りの種類の情報を取得する(ステップS1801)。
次いで、CPU101はステップS1801で取得した情報から折り処理が設定されているかの否か判別する(ステップS1802)。
ステップS1802の判別の結果、折り処理が設定されていないときは(ステップS1802でNO)、CPU101は折り処理を全て無効とし(ステップS1810)、本処理を終了する。なお、ステップS1803を経由した場合には、ステップS1810で一時的に保存した折り処理の設定を削除して本処理を終了する。
一方、ステップS1802の判別の結果、折り処理が設定されているときは(ステップS1802でYES)、ステップS1803に進む。CPU101はステップS1801で取得した折りの種類と、S902で取得したフィニッシャ109の能力情報から、設定された折り処理を行うことが可能か否かを判別する(ステップS1803)。
ステップS1803の判別の結果、設定された折り処理を行うことが不可能なときは(ステップS1803でNO)、上記ステップS1810に進む。
一方、ステップS1803の判別の結果、設定された折り処理を行うことが可能なときは(ステップS1803でYES)、CPU101はステップS1801で取得した折りの種類に中折り処理が設定されているか否かを判別する(ステップS1804)。
ステップS1804の判別の結果、折りの種類に中折り処理が設定されていないときは(ステップS1804でNO)、CPU101はステップS1801で取得した折りの種類を仕上げ処理に設定し(ステップS1805)、本処理を終了する。
一方、ステップS1804の判別の結果、折りの種類に中折り処理が設定されているときは(ステップS1804でYES)、CPU101はステップS1801で取得した折りの種類に折り位置調整が設定されているか否か判別する(ステップS1806)。この折り位置調整については図10(F)で詳細に説明を行った。
ステップS1806の判別の結果、折りの種類に折り位置調整が設定されていないときは(ステップS1806でNO)、ステップS1808に進む。
一方、ステップS1806の判別の結果、折りの種類に折り位置調整が設定されているときは(ステップS1806でYES)、CPU101はステップS1801で取得した折りの種類に含まれる折り位置調整を仕上げ処理に設定する(ステップS1807)。
次いで、CPU101はステップS1801で取得した折りの種類に製本ラップ差調整が設定されているか否かを判別する(ステップS1808)。製本ラップ差調整については図10(E)で詳細に説明を行った。
ステップS1808の判別の結果、折りの種類に製本ラップ差調整が設定されていないときは(ステップS1808でNO)、CPU101は中折り処理を仕上げ処理に設定し(ステップS1818)、本処理を終了する。
一方、ステップS1808の判別の結果、折りの種類に製本ラップ差調整が設定されているときは(ステップS1808でYES)、CPU101はアクセサリI/F108を通してフィニッシャ109の情報を取得する(ステップS1809)。
次いで、CPU101はステップS1809で取得したフィニッシャ情報からフィニッシャ109として中とじ処理装置が装着されているか否かを判別する(ステップS1811)。
ステップS1811の判別の結果、中とじ処理装置が装着されているときは(ステップS1811でYES)、ステップS1813に進む。一方、ステップS1811の判別の結果、中とじ処理装置が装着されていないときは(ステップS1811でNO)、CPU101は図17で説明した中とじ装置登録によって中とじ処理装置が登録されているか否かを判別する(ステップS1812)。
ステップS1812の判別の結果、中とじ処理装置が登録されていないときは(ステップS1812でNO)、上記ステップS1818に進む。
一方、ステップS1812の判別の結果、中とじ処理装置が登録されているときは(ステップS1812でYES)、ステップS1813に進む。CPU101はステップS1809で取得した中とじ処理装置情報もしくは登録されている中とじ処理装置情報をから、中とじ処理装置の種別を取得する(ステップS1813)。
次いで、CPU101はLAN122を介してネットワーク経由で接続するデータベース、もしくはHDD104に保有するデータベースから、ステップS1813で取得した種別に対応する中とじ処理装置で必要な製本ラップ差を取得する(ステップS1814)。このステップS1814は、フィニッシャ109により作成された折丁に対して中とじ処理を行う中とじ処理装置で必要な製本ラップ差を取得する取得手段に対応する。そして、この取得手段は、上述したように、中とじ装置に対応する製本ラップ差が予め保存されたHDD104(記憶手段)から製本ラップ差を取得する。または、取得手段は、中とじ装置を特定するための種別情報を用いてネットワークで接続された機器から製本ラップ差を取得する。
そして、CPU101はステップS901で取得した仕上げ設定情報からとじ設定を取得する(ステップS1815)。
次いで、CPU101はステップS1815で取得したとじ設定から、中とじ処理が設定されているかを判別する(ステップS1816)。
ステップS1816の判別の結果、中とじ処理が設定されているときは(ステップS1816でYES)、上記ステップS1818に進む。
一方、ステップS1816の判別の結果、中とじ処理が設定されていないときは(ステップS1816でNO)、CPU101はステップS1814で取得した製本ラップ差を仕上げ処理に設定し(ステップS1817)、上記ステップS1818へ進む。
このように、中とじ処理装置が接続されている、もしくは中とじ処理装置が登録されている場合には、中とじ処理装置の種別から必要な量のラップ差を取得して、自動的に製本ラップ差調整量を設定することができる。
第3の実施形態は第1,2の実施の形態と同時に行なうことも可能である。またコピージョブに限らずプリントジョブでも同様に行うことが可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、まずプリンタエンジン120により画像が形成された記録紙に折り目を形成した折丁での小口の長さの差である製本ラップ差を設定する(ステップS412)。そして、フィニッシャ109によって、製本ラップ差が生じない折り位置を示す中心線から、設定された製本ラップ差だけずらした基準線に従って記録紙に折り目を形成することで折丁を作成する。従って、折丁の製本ラップ差を自由に設定できるので、折丁に対して中とじ処理を行う装置に好適な折丁を作成可能となる。
このように、本実施の形態によれば、シート処理装置90で折丁を作成した後、別のシステムを使用して中とじ処理以降の工程を行う場合、別のシステムが折丁を給紙するために必要な折丁の長さの差を作ることが出来る。また、中折りの位置に合わせて自動的に画像を適切に印刷することで、操作者がテスト印刷をして印字位置を調整する手間および不要な印刷を省くことが出来る。
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。