JP2009269746A - シート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冊子を形成するシート束の綴じ処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができるシート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法を提供する。
【解決手段】フィニッシャ500は、搬送された複数枚のシートをシート束として支持する製本処理トレイ560と、製本処理トレイ560に支持されたシート束を折り処理する折りローラ対556等とを備え、シート束を折り畳むことで冊子を形成する。また、フィニッシャ500は、糊を塗布するノズル530と、ノズル530による糊の塗布量を調整するフィニッシャ制御部とを備えている。このフィニッシャ制御部が、折り処理されるシート束の表紙に近いシートPほど塗布量を増やすので、シート束の折り処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができる。
【選択図】図1
【解決手段】フィニッシャ500は、搬送された複数枚のシートをシート束として支持する製本処理トレイ560と、製本処理トレイ560に支持されたシート束を折り処理する折りローラ対556等とを備え、シート束を折り畳むことで冊子を形成する。また、フィニッシャ500は、糊を塗布するノズル530と、ノズル530による糊の塗布量を調整するフィニッシャ制御部とを備えている。このフィニッシャ制御部が、折り処理されるシート束の表紙に近いシートPほど塗布量を増やすので、シート束の折り処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、シート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法に関し、特に画像形成済みのシートに対して製本処理を施すものに関する。
従来、シート処理装置の一例として、画像形成済みの複数枚のシートを整合し、整合したシート束を綴じ処理した後にこの綴じ処理位置を折りローラ対のニップに挿入して、シート束を折り畳んで冊子を形成(中綴じ製本)するものがある。
このような中綴じ製本処理を行う装置の中には、図27に示すような、中綴じ製本処理された冊子801の背折り面(綴じ側)をローラで圧接して平坦処理する平坦処理装置800により、中綴じ製本成果物を生成するものが提案されている(特許文献1参照)。
また、複写機等の画像形成装置において、中綴じ製本機構と平坦処理機構とを備える後処理装置によって、画像形成装置から出力されたシートを平坦処理された中綴じ製本成果物として生成する画像形成システムが提案されている(特許文献2参照)。
また、中綴じ製本を行う装置において、綴じ処理する冊子束の中紙に向かうほど用紙のトリム量を増加させ、製本後の成果物としての見た目の向上を図るものも提案されている(特許文献3参照)。
ところで、上記特許文献1ないし3に記載の発明においては、これらの発明に基づく処理が施された場合に、冊子の見栄え等の外観には影響を与え得るが、冊子としての強度の向上には繋がるものとなっていない。
例えば、中綴じ製本された一般的な冊子B0(図28参照)を、その表紙のみを挟持して扱ったような場合(図29参照)には、表紙の綴じ処理位置に集中的に応力が加わり、表紙が剥離したり綴じ処理位置近傍が裂けたりし易くなるという問題が生じていた。
そして、このような問題は、前述した特許文献1ないし3に記載の発明に基づく処理が施された冊子においても同様に生じるものとなっている。また、このような状況は、上記したステイプルによる綴じ処理のみで生じるものではなく、糸綴じや糊綴じのみで処理(無線綴じ)した冊子であっても同様に起こり得るものであった。特に、特許文献1,2のような折り処理した背表紙を平坦処理したものにおいては、この平坦処理されることによって形成された折れ曲がり部等にも応力が加わり易くなるおそれがあった。
そこで本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、冊子を形成するシート束の綴じ処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができるシート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、搬送されたシートを支持するシート支持手段と、前記シート支持手段により支持された複数枚のシートを折り畳む折り手段と、を備えたシート処理装置において、前記シート支持手段に搬送されたシートの、折り畳まれる際に折り目となる領域に接着剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段により塗布させる接着剤の塗布量を調整する塗布量調整手段と、を備え、前記塗布量調整手段は、折り畳まれた際にシート束の表紙となるシートに近いシートほど前記塗布手段により塗布させる接着剤の塗布量を増やすことを特徴とするものである。
本発明によれば、接着剤の塗布手段と塗布量を調整する塗布量調整手段とを備え、塗布量調整手段が、折り畳まれた際にシート束の表紙となるシートに近いシートほど塗布量を増やすので、シート束の折り処理位置を有効に補強し、その強度を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における多色カラー複写機1(以下複写機1という)のシート搬送方向に沿った断面図である。なお、本実施形態の画像形成装置は、多色カラー複写機であるが、この画像形成装置を、多色カラー複写機のみならず、モノクロ複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機などとしてもよい。従って、本発明の画像形成装置は、多色カラー複写機に限定されるものではない。
図1において、複写機(画像形成装置)1は、装置本体10、フィニッシャ(シート処理装置)500、平坦処理装置(平坦処理部)700、及び排出トレイ11から構成されている。複写機1における装置本体10は、その上部に設けられたイメージリーダ200と、装置本体10の下方に位置するプリンタ(画像形成部)300とを備えている。また、複写機1は、装置本体10の下部に設けられ、シートをプリンタ300に給送するシート給送部301と、装置本体10の側部に設けられ、シートをプリンタ300に給送する手差し給紙部125とを備えている。
イメージリーダ200は、原稿を光学的に読み取った画像を、イメージセンサ109によって画像データに変換して出力する。そして、このイメージセンサ109が出力した画像データは、プリンタ300にビデオ信号として入力される。プリンタ300は、前述したイメージセンサ109からのビデオ信号に応じてレーザ光を変調して出力し、このレーザ光に基づいて後述する感光ドラム111等を介してシート給送部301から給送されるシートに画像形成を行う。シート給送部301は、プリンタ300にて画像形成させるためのカセット114,115に収納されたシートを給送し、手差し給紙部125は、プリンタ300にて画像形成させるための手差し給紙されたシートを給送する。
上述したイメージリーダ200では、いわゆる流し読みや固定読み等によって原稿の読み取りがなされる。例えば、流し読みによる原稿読み取りの場合には、原稿給送装置100のトレイ100a上に原稿Dがセットされる。セットされた原稿Dは、原稿給送装置100によって先頭ページから順に1枚ずつ左方向(図の矢印方向)に搬送され、湾曲したパスを通ってプラテンガラス102上を左方向から右方向へと搬送された後に排紙トレイ112上に排出される。
この際、スキャナユニット104は所定の位置に停止された状態にあるため、原稿Dはスキャナユニット104の上を正面視左方から右方へと通過する。そして、原稿Dがプラテンガラス102上を通過する際、原稿Dに対してスキャナユニット104におけるランプ103からの光が照射される。スキャナユニット104は、上記光照射した際の反射光を、ミラー105,106,107、及びレンズ108を介してイメージセンサ109に導く。そして、イメージセンサ109により読み取られた原稿Dの画像データは、所定の画像処理が施されて露光装置110へと送られる。
一方、固定読みによる原稿読み取りの場合には、原稿給送装置100にセットされた原稿Dがプラテンガラス102上に搬送され、プラテンガラス102上で一旦停止する。この停止された原稿Dの下を、スキャナユニット104が左から右へと移動されることによって原稿Dの読み取り処理が行われる。また、上記固定読みにおいて原稿給送装置100を用いずに原稿の読み取りを行う場合には、ユーザーは、原稿給送装置100を紙面奥側に設けられた不図示のヒンジ部を軸として持ち上げるように開き、プラテンガラス102上に原稿をセットする。このセットされた原稿の下を、スキャナユニット104が左から右へと移動されることにより原稿の読み取り処理が行われる。
続いて、上述した構成の装置本体10の画像形成動作について説明する。
イメージリーダ200にて流し読みや固定読みがなされ、イメージセンサ109にて読み取られた原稿Dの画像データは、所定の画像処理が施された後に露光装置110へと送られる。
露光装置110は、上記画像データに応じたレーザ光を出力する。レーザ光が、ポリゴンミラー110aによって走査されながら感光ドラム111上に照射されると、感光ドラム111上には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。そして、感光ドラム111上に形成された静電潜像は、現像器113から供給される現像剤により、トナー像として可視化される。
一方、シートは、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット114,115、手差し給紙部125、両面搬送パス124のいずれかから、感光ドラム111と転写部116との間に給紙される。そして、前述した感光ドラム111に形成されたトナー像が、転写部116に給紙されたシート上へと転写される。このようにしてトナー像が転写されたシートは、定着部117へと搬送され、定着部117により熱圧されることによってトナー像が定着される。定着部117を通過したシートは、切替え部材121および排出ローラ対118を経て、プリンタ300からフィニッシャ500へと排出される。そして、フィニッシャ500では、綴じ処理や本実施の形態の特徴となる糊塗布処理等の各処理が行われ、平坦処理部としての平坦処理装置700ではフィニッシャ500にて上記処理がなされたシート束の折り部を平坦化する平坦処理が行われる。
なお、上記した画像形成処理の中で、シートの両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合には、切替え部材121の切り替え動作により、シートを反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へと搬送するようにする。そして、この両面搬送パス124に搬送されたシートは、前述した給紙タイミングで感光ドラム111と転写部116との間に再度給紙されるように制御される。
次に、プリンタ300にて画像形成されたシートに対して各種の処理を行うフィニッシャ500について説明する。
フィニッシャ500は、装置本体10から搬送されるシートを内部に取り込むための搬送パス520を備えており、搬送パス520には、入口ローラ対501をはじめとした複数の搬送ローラ対が配置されている。搬送パス520の搬送方向の上流側には、搬送されるシートの後端部に穴あけ(穿孔)処理を行う不図示のパンチユニットが設けられており、該パンチユニットは必要に応じて動作を行う。
また、搬送パス520における搬送方向の下流側には、切替え部材513が配置されており、搬送パス520は、この切替え部材513によって、上排紙パス521又は下排紙パス522に搬送経路が切り替えられるようになっている。ここで、上排紙パス521は、上排紙ローラ対509により上側のスタックトレイ601への排紙を行うものであり、下排紙パス522は、搬送ローラ対510〜512が配置され、処理トレイ602への排紙を行うものである。
上記切替え部材513により上排紙パス521に導かれたシートは、上排紙ローラ対509を介してスタックトレイ601上に排出される。また、切替え部材513により下排紙パス522に導かれたシートは、搬送ローラ対510〜512を介して中間トレイとしての処理トレイ540上に積載されてシート束とされる。処理トレイ540上に積載されたシート束は、操作表示装置400での設定に応じて、整合処理やステイプル処理が行なわれ、その後、束排紙ローラ対515により処理トレイ602上に排出される。なお、ステイプル処理はステイプラ561により行われ、処理トレイ602は上下方向に移動可能(破線部分により移動後の位置が例示されている)とされている。このようなスタックトレイ601,602は、大量のシートを積載することができるものであり、積載されたシートはその搬送方向上流端を上下方向に伸びる不図示の端部ガイドに規制されて整列される。
一方、搬送パス520の搬送方向の上流側には切替え部材551が配置されており、この切替え部材551によって、フィニッシャ500に入ってきたシートの経路を搬送パス520又は製本パス550に切り替える。製本パス550の搬送方向の下流側には、搬送ローラ対552及び製本処理トレイ(シート支持手段)560が配置されており、製本処理トレイ560は、搬送ローラ対552によって搬送されるシートを複数枚のシートからなるシート束にして支持する。
製本処理トレイ560のシートを支持する側(図1の正面視左側)の対向する位置には、製本処理トレイ560に搬送されてきたシートに接着剤を塗布するための本発明の特徴となるノズル(塗布手段)530(後述する図2参照)が配置されている。同様に製本処理トレイ560のシートを支持する側の対向する位置で、上記ノズル530の下方にはステイプル処理(以下綴じ処理ともいう)を行うステイプラ(綴じ手段)555が配置されている。更に、製本処理トレイ560のシートを支持する側の対向する位置で、ステイプラ555の下方には製本処理トレイ560に搬入されてきたシートを下端部まで送る中間ローラ553が配置されている。また、製本処理トレイ560には、製本処理トレイ560に搬送されて中間ローラ553に送られたシートの搬送方向下流端を規制して位置決めするシート位置決め部材554が上下移動可能な状態で配置されている。なお、上記したノズル530が塗布する接着剤は、普通紙、上質紙、コート紙、マットコート紙等のシートを接着し得るものであればどのような材質のものであってもよく、その材質は特に限定されるものではない。製本には一般的にEVA(Ethylene Vinyl Acetate)系の接着剤やPUR接着剤(Poly Urethane Reactive)が用いられるが、本実施の形態ではそれらを総称する形で単に糊として以下に説明する。
そして、上記シート位置決め部材554に規制されて製本処理トレイ560に支持されたシート束は、シート位置決め部材554の下降に伴って製本処理トレイ560の下方へと移動する。その際、製本処理トレイ560の下方へと移動されたシート束の一側(図1の正面視右側)の面の対向する位置には、突き出し部材557が配置される。そして、他側(図1の正面視左側)の面の対向する位置には突き出し部材557とともに折り手段を構成する折りローラ対556が配置されている。また、上記折りローラ対556の搬送方向の下流側には、搬送パス559と、搬送パス559の搬送方向上流端に位置する搬送ローラ対558とが配置されている。
次に、複写機1全体の制御を司るコントローラの構成について図7を参照しながら説明する。図7は、複写機1の制御を司るコントローラの構成を示す全体ブロック図である。
コントローラは、図7に示すように、CPU回路部900を有し、CPU回路部900は、CPU(図示せず)、ROM901、RAM902を内蔵している。そして、コントローラは、ROM901に格納されている制御プログラムによって各ブロック911,921,922,941,951を総括的に制御する。RAM902は、制御データを一時的に支持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
操作表示装置400は、画像形成動作を開始するためのスタートキー402、画像形成動作を中断するためのストップキー403、置数設定等を行うテンキー404〜412及び414、IDキー413、及びクリアキー415が配置されている。また、操作表示装置400は、置数設定等をリセットするリセットキー416、各種装置の設定を行うユーザモードキー417などが配置されている。また、操作表示装置400の上部には、タッチパネルが形成された液晶表示部420が配置されており、画面上にソフトキーを作成可能となっている。
本実施形態に係る複写機1は、後処理モードとしてノンソート、ソート、ステイプルソート(綴じモード)、製本モード等の各モードを有する。このような処理モードは、操作表示装置400からの入力操作によりユーザーによって設定される。図8に示すように、操作表示装置400の初期画面中のソフトキーには、ソータキー431及び両面キー432に並んで応用モードキー433が表示されている。この応用モードキー433が選択されると、図9に示すような応用モードの選択画面440が液晶表示部420に表示される。
応用モードの選択画面440には、画面最上段の左から、混載キー441、表紙/合紙キー442、及び縮小レイアウトキー443が表示され、右端に製本キー444が表示される。また、上から2段目には、とじしろキー445、枠消しキー446、シャープネスキー447、及び鏡像キー448が表示され、3段目には、ネガポジ反転キー449、移動キー450、及びパンチキー451が表示される。最下段には、設定取消キー452とOKキー453とが表示される。この応用モードの選択画面440において、製本キー444を選択(黒塗りで図示)し、OKキー453を選択すると、図10に示すような製本給紙段設定画面460が液晶表示部420に表示される。なお、設定取消キー452を選択した場合には、応用モードの選択画面440における設定が全て取り消され、図8に示した初期画面へと戻る。
図10に示すように、製本給紙段設定画面460の左部には、手差しキー461が表示され、右部には、上からA4キー462、B5キー463、A3キー464、B4キー465が表示される。この製本給紙段設定画面460において、上記したキー(手差しキー461等)のいずれかを選択し、下部に示された、次へキー468を選択すると、綴じ処理の設定画面470が液晶表示部420に表示される。本例では、A3キー464を選択(黒塗りで図示)した状態が示されている。なお、上記したキー(手差しキー461等)のいずれかを選択しても、本画面下部の戻るキー467を選択した場合には、本画面での設定が取り消され、応用モードの選択画面440へと戻る。
図11に示すように、綴じ処理の設定画面470の上部には、左から綴じ処理するキー471、綴じ処理しないキー472が表示され、下部には、左から断裁するキー473、断裁しないキー474が表示される。この綴じ処理の設定画面470において、上記したキー(綴じ処理するキー471等)のいずれかを選択し、下部に示された、OKキー476を選択すると、平坦処理の設定画面480が液晶表示部420に表示される。本例では、綴じ処理するキー471及び断裁するキー473を選択(それぞれ黒塗りで図示)した状態が示されている。なお、上記したキー(綴じ処理するキー471等)のいずれかを選択しても、本画面下部の設定取消キー475を選択した場合には、本画面の設定が取り消され、製本給紙段設定画面460へと戻る。
図12に示すように、平坦処理の設定画面480には、平坦処理キー481が表示される。この平坦処理の設定画面480において、平坦処理キー481を選択し、下部に示されたOKキー483を選択すると、本設定が完了して初期画面へと戻り、製本モードでの待機状態となる。この後、スタートキー402が押下されると、上記した設定での動作が開始される。なお、上記した平坦処理キー481を選択しても、本画面下部の設定取消キー482を選択した場合には、本画面の設定が取り消され、綴じ処理の設定画面470へと戻る。
次いで、フィニッシャ500における製本モード動作時のシートの流れについて、図2ないし図6を参照して説明する。なお、図2ないし図6は、それぞれ製本モード時のフィニッシャ500におけるシートの流れを示す第1から第5の状態を順に示した図である。
操作表示装置400での入力操作により製本モードが指定されると、図2の各矢印に示されたように入口ローラ対501、搬送ローラ対552がそれぞれ回転駆動され、装置本体10から排出されたシートがフィニッシャ500内に搬送される。切替え部材551は、搬送されてきたシートが製本パス550へと導かれる状態に予め切り替えられており、製本パス550に導かれたシートは、搬送ローラ対552によって製本処理トレイ560に搬送される。このとき、中間ローラ553は回転駆動されており、製本処理トレイ560に搬送されたシートの搬送方向下流端が位置決め部材554に接するまでシートを搬送する。シートの搬送方向下流端が位置決め部材554に達し、中間ローラ553による搬送が停止されると、図示しない整合部材がシート搬送方向と垂直方向に動作してシートが整合される。ここで、製本処理トレイ560に搬送されたシートが表紙以外の中紙である場合には、ノズル530によって折り畳まれる際のシート束の折り目となるシートの中心部Ce(後述する図13参照)に接着剤が塗布されることとなる。このノズル530によって接着剤を塗布する処理についての詳細は、図13を参照しつつ後述する。
複数枚のシートからなるシート束が製本処理トレイ560に整合されて支持されると、用紙位置決め部材554は、図3の矢印に示すように、収納されたシート束の中央部でステイプラ555による綴じ処理が行われる位置へと下降する。これにより、上述したシート束の中心部には、ステイプラ555による綴じ処理が行われる。
上記綴じ処理では、図4および図5に示すように、用紙位置決め部材554が、シート束の綴じ処理位置(シート束の折り目となる中心部)が折りローラ対556間のニップに対向する位置まで下降される。そして、これと同時に、折りローラ対556、搬送ローラ対558を回転駆動させ、突き出し部材557を突出させることによってシート束を折りローラ対556間に押し出す。これにより、シート束は、図6に示すように、折りローラ対556に折り畳まれて折り処理されつつ搬送パス559の下流側へと搬送され、搬送ローラ対558によって機外もしくは他装置(本実施の形態では平坦処理装置700)へと排出される。
ここで、上述したノズル530の構成について図13を参照して説明する。図13は、ノズル530の構成を示す説明図である。
ノズル530は、ガイドレール533、ステッピングモータ531、及びベルト532によって図13の正面視奥手前方向に移動可能となっており、製本処理トレイ560(図2参照)に支持されたシートPの表面に沿うように移動する。ノズル530は、不図示の奥側退避位置(ホーム位置)に位置する場合、糊補給口534より固形糊ビーズを補給し得るようになっており、この固形糊ビーズを補給するとヒータ536で加熱して溶融する。ノズル530は、この溶融した糊を、不図示のソレノイドにより開閉可能な弁537を開き、エアノズル535によって導かれる空気の圧力によって塗布する。これにより、ノズル530は、搬送されて製本処理トレイ560に支持されたシートの、折り処理によって折り畳まれる際の折り目となる領域に糊を塗布する。このときノズル530が塗布する糊の量は、フィニッシャ制御部(塗布量調整手段)951により、用紙位置決め部材554でシート位置を移動させつつ、ステッピングモータ531によってノズル530を奥手前に往復動作制御されることで調整される。なお、シートに塗布する糊の量の調整は、弁537の開き具合を制御したり、エアノズル535から与える空気圧を制御したりすることによって行わせるようにしてもよい。
そして、本実施の形態では、製本処理トレイ560に支持されたシート束の各シートに対してノズル530による糊の塗布量を、例えば、図13に示した糊(接着剤)g1,g2,g3のように下方から順に増やすように変える。言い換えると、折り処理によって折り畳まれたシート束の表紙に近いシートほど、ノズル530によって塗布させる糊の量を増やす、つまりノズル530の往復動作回数を多くするように制御する。これにより、例えば、図21のように冊子B1を形成するシート束が折り畳まれた場合には、同図に示すように、より表紙に近いシートほど接着剤により接着される面積が大きくなり、強固に補強されることとなる。
次に、平坦処理装置700の構成について図14を参照しながら説明する。図14は、図1に示した平坦処理装置700を示すもので、(a)はその断面図、(b)はその平面図である。
平坦処理装置700は、ベルト搬送ローラ701によりフィニッシャ500の製本処理部で折り処理されたシート束Bをセンター基準で受け取る。ベルト搬送ローラ701は、図14(a)に示すように、下ベルト搬送ローラ701aと上ベルト搬送ローラ701bとで構成されている。上ベルト搬送ローラ701bは、図示しないバネで下ベルト搬送ローラ701a方向に付勢された構成になっており、搬送されてくるシート束の厚さが変わってもそれぞれの厚さのシート束を受け取り、搬送し得る構成となっている。
ベルト搬送ローラ701の下流には、受け取ったシート束Bの斜行を取る為のレジ取りストッパ708が備えられている。このレジ取りストッパ708は、斜行取りが完了した時点で回転退避し、斜行取りが完了したシート束Bを排出搬送ローラ対702へ移動させ得るものとなっている。
レジ取りストッパ708で斜行補正されたシート束は、固定式の下グリップ707と、可動式の上グリッパ706とによってグリップ(挟持)される。ここで、レジ取りストッパ708は、搬送方向に移動自在な構成(図14(a)中の水平の矢印参照)となっている。レジ取りストッパ708がこのような構成となっていることにより、シート束Bの搬送方向のグリップされる位置は、レジ取りストッパ708のレジ取り位置を調整することで変え得ることとなる。従って、レジ取りストッパ708のレジ取り位置を調整することにより、シート束Bの折り処理位置(折り部)における下グリップ707と上グリッパ706とのグリップ位置からのはみ出し量の調整を実現している。
そして、下グリップ707と上グリッパ706とによって挟持されたシート束Bは、圧接ローラ709が装置奥から手前方向(図14(a)の紙面手前側)に移動することで、グリップ位置からはみ出した折り処理位置が圧接されて平坦化される。なお、平坦処理装置700における搬送パスには、平坦処理装置700へのシート束Bの搬入を検知する入り口センサ703と、シート束Bがレジ取り位置へ到達したかを検知するレジ前センサ704が配置されている。更に、平坦処理装置700における搬送パスの搬送方向の下流部には、シート束Bが平坦処理装置700から排出されたことを検出する為の排紙口センサ705が配置されている。
続いて、上記した平坦処理装置700における平坦処理の動作の流れについて図15ないし図19を参照して説明する。なお、図15は平坦処理装置700の平坦処理における第1状態を示すもので、(a)はその断面図で、(b)はその平面図、図16は平坦処理装置700の平坦処理における第2状態を示すもので、(a)はその断面図で、(b)はその平面図である。また、図17は平坦処理装置700の平坦処理における第3状態を示すもので、(a)はその断面図で、(b)はその平面図、図18は平坦処理装置700の平坦処理における第4状態を示すもので、(a)はその断面図で、(b)はその平面図である。更に、図19は、平坦処理装置700の平坦処理における第5状態を示すもので、(a)はその断面図で、(b)はその平面図である。
図15(a),(b)に示すように、ベルト搬送ローラ701は、フィニッシャ500にて綴じ及び折り処理されて排出されてくるシート束Bを、図15(a)中の矢印に示す方向にセンター基準で受け入れる。このとき、下グリップ707、上グリッパ706は開放状態となっており、レジ取りストッパ708は既にレジ取り位置に待機状態となっている。
ベルト搬送ローラ701により受け入れられたシート束Bが、図16(a),(b)に示すように、レジ取りストッパ708に突き当たって斜行取りがされると、ベルト搬送ローラ701は停止される。ベルト搬送ローラ701が停止されると、これと共に上グリッパ706が下降移動(図16(a)中の矢印参照)されることによってシート束Bが挟持されて固定される。
次に、圧接ローラ709を移動させるため、図17(a)に示すように、レジ取りストッパ708を矢印方向に回転させて退避させる。レジ取りストッパ708が退避されると、圧接ローラ709は、シート束Bに対して平坦処理を行うように移動制御される。このときの圧接ローラ709は、図18(b)に示すように、下グリップ707及び上グリッパ706からはみ出したシート束Bの折り部(折り処理位置)を、矢印に示す装置奥→装置手前→装置奥にわたって圧接しながら移動動作される。
圧接ローラ709により平坦処理された後、上グリッパ706は、図19(a)の矢印に示す向きに上昇されてシート束Bのグリップを解除する。そして、これと共に、ベルト搬送ローラ701及び排出搬送ローラ対702を、図19(a)の矢印に示す向きに回転させることにより、上記平坦処理されたシート束Bを機外へと排出する。
次いで、フィニッシャ制御部951による製本処理制御の流れを、図22を参照して説明する。図22は、製本処理のフローチャート図である。
製本処理の制御に際し、前述した搬送ローラ対552等の搬送系負荷の動作をスタートする(ステップS01)。そして、シートサイズに応じた位置に用紙位置決め部材554を移動する(ステップS02)。製本処理対象のシートがフィニッシャ500に到達する前に、製本パス550側へと搬送されるように切替え部材551を移動し切り替える(ステップS03)。
切替え部材551に導かれてシート(用紙)が製本パス550に到来したか否かを判定する(ステップS04)。到来していないと判定された場合には本判定を繰り返し行う。ステップS04でシートが製本パス550に到来したと判定された場合には、次に用紙位置決め部材554にシートの搬送方向下流端が到達したかを判定する(ステップS05)。到達していないと判定された場合には本判定を繰り返し行う。ステップS05でシートの搬送方向下流端が到達したと判定された場合には、その到達したシートが表紙であるか否かの判定を行う(ステップS06)。ここで、このステップS06では、到達したシートが、製本処理単位となるシート束の最終シートであった場合には表紙であると判定し、それ以外の場合には表紙ではないと判定する。
ステップS06で表紙ではないと判定されたシートには、後述する糊付動作(以下、糊塗布動作ともいう)を行う(ステップS07)。この糊塗布動作では、後述の図24にて詳述する用紙カウンタ値Cntが参照され、ノズル530による各シートに応じた糊付幅(即ち、塗布する糊の量)が決定される。そして、上記ステップS07の糊塗布動作の後には、次シートの糊付幅の決定時に参照するため、用紙カウンタ値Cntをインクリメント(増加)する(ステップS08)。本ステップS08の終了後、ステップS04の判定処理へと戻り、上述した処理を繰り返す。
一方、ステップS06で表紙であると判定されたシートに対しては、用紙カウント値Cntをゼロクリアし(ステップS09)、後述する製本動作を行う(ステップS10)。そして、上記シートが最終紙(最終シート)であるか否かを判定し(ステップS11)、最終紙と判定されなかった場合には、ステップS04の判定処理へと戻り、上述した処理を繰り返す。また、最終紙と判定された場合には本製本処理を終える。
次いで、糊塗布動作を行う際のノズル530の糊準備動作の流れを、図23を参照して説明する。図23は、ノズル530の準備動作のフローチャート図である。なお、本実施の形態のフィニッシャ500では、本準備動作が完了するまで製本動作を行わない。
ノズル530にて糊塗布動作を行うに際して、ノズル530がホーム位置に移動しているか否かを不図示のホームポジションセンサで判定する(ステップS20)。ノズル530がホーム位置に移動していない場合には、ノズル530をホーム位置へ移動する(ステップS21)。ノズル530が、元々ホーム位置にあった場合、又は上記ステップS21でホーム位置に移動した場合には、糊溶融用のヒータ536をONし(起動し)、糊溶融までの時間を計測するタイマをセットする(ステップS22)。
ステップS22の後、ヒータ536が所定の温度に到達したか否かを判定し(ステップS23)、到達していないと判定された場合には本判定を繰り返し行う。ステップS23でヒータ536が所定の温度に到達したと判定された場合には、続いて、タイマが所定時間経過したか否かを判定する(ステップS24)。所定時間が経過していないと判定された場合には本判定を繰り返し行う。
また、ステップS24で所定時間が経過したと判定された場合には、糊の残量を検知し、残量が少ないか否かを判定する(ステップS25)。糊の残量が少ないと判定された場合には、糊ビーズの補給を行って(ステップS26)本処理を終え、糊の残量が少ないと判定されなかった場合には、そのまま本準備動作の処理を終える。
次に、糊塗布動作の流れを、図24を参照して説明する。図24は、ノズル530における糊塗布動作の流れを示すフローチャート図である。
ノズル530における糊塗布動作を行うに際して、糊の塗布対象となるシートに応じた糊付幅を決定するために、用紙カウンタ値Cnt(図22のステップS08参照)を用いて糊塗布回数nを算出する(ステップS30)。ここで、この糊塗布回数nは、例えば、初期値が1で、用紙カウント値Cntが5増えるごとに1を加算して算出する。次いで、シート束を、糊塗布回数n×ノズル幅だけ用紙位置決め部材554によって上流側に移動させる(ステップS31)。このステップS31の後、弁537を開き、エアノズル535からの空気圧をもって糊をノズル530から塗布(エアON)させる(ステップS32)。
ステップS32の後、ノズル530が奥側(図1の紙面奥側)に位置しているか否かを判定する(ステップS33)。ノズル530が奥側に位置していると判定された場合には、ノズル530を手前側(図1の紙面手前側)に移動させ(ステップS34)、手前側に位置していると判定された場合には、ノズル530を奥側に移動させる(ステップS35)。そして、用紙位置決め部材554をノズル幅分だけ下流側に移動させることによりシート束を移動させる(ステップS36)。
ステップS36の後、糊塗布回数nを1だけデクリメント(減少)し(ステップS37)、糊塗布回数nが零であるか否かを判定する(ステップS38)。糊塗布回数nが零でないと判定された場合には、ステップS33の判定処理へと戻り、上述した処理を繰り返し行う。糊塗布回数nが零であると判定された場合には、弁537を閉じ、ノズル530からの糊塗布を終了(エアOFF)する(ステップS39)。そして,ノズル530をホーム位置に移動すると共に、用紙位置決め部材554を上流側に糊塗布回数n×ノズル幅分だけ移動させて(ステップS40)、本糊塗布動作の処理を終える。
ここで、上記した糊塗布動作の具体例を、図26を参照して説明する。図26は、ノズル530による糊塗布動作の具体例を示すもので、(a)は第1の状態を示す説明図、(b)は第2の状態を示す説明図、(c)は第3の状態を示す説明図、(d)は第4の状態を示す説明図である。
例えば、本実施の形態では、シート束を構成するシートの枚数を示す用紙カウンタ値Cntが15であった場合、図24のステップS30より糊塗布回数nは3と算出される。なお、ノズル530のノズル幅は、以下ではWとして記載する。このような条件の場合、用紙位置決め部材554は、糊塗布回数(3回)×Wの距離だけシート束を上流側(シート束が製本処理トレイ560に搬送されてきた際の搬送方向に対して)に移動させる。ノズル530は、この位置からシート束の最上のシートPに糊(接着剤)G1の塗布動作を行う(図26(a)参照)。なお、図26(a)〜(d)中の破線は、シート束におけるシートPの中心部(折られる際の折り目)を示すものである。
続いて、ノズル530は、図26(b)に示すように、用紙位置決め部材554によってノズル幅W分だけ下流側に移動された最上のシートPに対し、糊(接着剤)G2を塗布する。更に、ノズル530は、図26(c)に示すように、用紙位置決め部材554によって糊G2の位置からノズル幅W分だけ下流側に移動された最上のシートPに対し、糊(接着剤)G3を塗布する。そして、図26(d)に示すように、用紙位置決め部材554が、ノズル530に糊G3を塗布させた位置から上流側に糊塗布回数(3回)×Wの距離だけ移動されることによって本例の糊塗布動作が完了する。このように、上記糊塗布動作によって、ノズル530は、シートPの中心部である図中の破線を折り目として対称な領域に糊を塗布するものとなる。
次に、製本動作の流れを、図25を参照して説明する。図25は、製本動作の流れを示すフローチャート図である。
前述した図24のように糊塗布動作がなされた後、糊塗布されたシート束を、用紙位置決め部材554を移動させることによって綴じ処理を行うためのステイプル位置に移動させる(ステップS100)。なお、このステイプル位置は、例えば図3に示したようなシート束の位置である。ここで、ステイプラ555を動作させることにより綴じステイプル(綴じ処理)を行う(ステップS101)。
そして、ステップS101にて綴じ処理した後、用紙位置決め部材554をさらに移動させることによって、綴じ処理したシート束のステイプル位置を、折りローラ対556に対向する位置へと移動させる(S102)。シート束が折りローラ対556の対向する位置に移動されると、搬送ローラ対558を回転駆動しながら突き出し部材557を突出し、シート束を折りローラ対556の間に押し出す(ステップS103)。ステップS103にてシート束を折りローラ対556の間に押し出した後には、突き出し部材557を元の位置に戻して(ステップS104)、製本処理を終える。
なお、上記したステップS104を経たシート束は、後続する平坦処理装置700にて平坦処理が施されると、シート束の折り部が圧接されて平坦化されることとなる。この平坦処理後のシート束は、例えば図20に示すような冊子B2のように形成される。冊子B2は、糊の塗布量がフィニッシャ制御部951に調整されつつノズル530に塗布されて形成されている。これにより、冊子B2のシート間に存在する糊Gpの端部Eは、綴じ部材SPで綴じられたシート束の最も内側の綴じ処理位置(折り部)よりもシート束の開放端側(開放端OP側)に位置することとなる。そして、このような制御は、図21に示すような平坦処理が施されない冊子B1に対しても同様に行い得る。このように形成された冊子B1,B2は、背表紙部が補強されるとともに、各冊子を見開いた際の折り返し部分が糊Gpの端部Eにより決定されるため、背表紙の美しさが保たれ、見栄えが良くなる。
以上説明した本実施の形態におけるフィニッシャ500では、糊を塗布するノズル530と、ノズル530による糊の塗布量を調整するフィニッシャ制御部951とを備えている。このフィニッシャ制御部951が、折りローラ対556等によって折り処理されるシート束の表紙に近いシートPほどノズル530からの糊の塗布量を増やすので、シート束の折り処理位置を有効に補強し、折り処理後の冊子の強度を高めることができるようになる。
また、例えば、図26(d)に示すように、ノズル530が、シート束の各シートの中心部(図26(a)〜(d)の破線)を折り目として対称な領域に糊G1,G2,G3を塗布する。これにより、各シートの中心部を折り目とした左右側の頁をそれぞれ略々均等な支持状態に形成することができ、形成する冊子全体の強度向上を図ることができるようになる。
また、フィニッシャ500は、製本処理トレイ560により支持されたシート束を綴じ処理するステイプラ555を備え、突き出し部材557及び折りローラ対556は、ステイプラ555により綴じ処理された位置を折り目としてシート束を折り畳む。これにより、フィニッシャ制御部951は、ステイプラ555によって綴じ処理されるシート束の表紙に近いシートPほどノズル530からの糊の塗布量を増やすので、シート束の綴じ処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができるようになる。また、冊子が、綴じ部材(ステイプルや糸等)によって綴じ処理されているのみの場合には、各シートはその持ち上げ動作に応じて綴じ部材及びその周囲に応力が集中して加わることとなる。これに対して、本実施の形態のフィニッシャ500では、綴じ部材を含むようにして各シートの高さ方向全体が糊綴じされるので、持ち上げ動作に伴って発生する応力が分散され、冊子の強度が高まるものとなる。
また、フィニッシャ制御部951は、例えば、図20に示すように、冊子B2を形成するシート束の、折られたときにシート間に存在する糊Gpの端部Eが、綴じ部材SPよりもシート束の開放端OP側に位置するようにノズル530が塗布する糊の量を調整する。これにより、平坦処理して形成される冊子B2の、各シートの綴じ処理位置近傍に形成される折れ部(例えば図20の左右上方の角部)を、糊Gpにより接着される領域内に含めるようにして固定できるので、冊子の強度及び品質を向上することができるようになる。上述したように、冊子B2の折り部の平坦化された領域を超えるよう設定された接着剤の塗布領域を、さらに綴じ部材SPで綴じられたシート束の最も内側のシートの折り部よりもシート束の開放端側(開放端OP側)まで拡張することで見栄えが良くなる。
また、シート束の折り部を圧接して平坦化する平坦処理装置700を備え、平坦処理されるシートに塗布される接着剤の領域を平坦化される領域を超えるようにしたので、背表紙部を補強するとともに、背表紙の美しさを保って見栄えを良くすることができる。
また、複写機1が、糊を塗布するノズル530と、塗布量を調整するフィニッシャ制御部951とを備えたフィニッシャ500を備えるので、プリンタ300にて画像形成したシートによって品質の高い綴じ製本成果物を形成することができるものとなる。さらに、本実施の形態において中綴じ製本処理を例として説明したが、折り返し部分が、糊付け等の接着のみで製本する製本処理においても本発明は有効である。
また、本実施の形態のフィニッシャ500では、製本処理トレイ560に搬送されたシートへの糊の塗布量を、折り畳まれた際のシート束の表紙に近いシートほど増やすようにフィニッシャ制御部951が調整する。次いで、調整された塗布量の糊を、製本処理トレイ560に搬送されたシートの、折り畳まれる際の折り目となる領域にノズル530が塗布する。そして、製本処理トレイ560に搬送されて且つ糊が塗布された状態で支持されたシート束をステイプラ555によって綴じ処理し、綴じ処理されたシート束を、綴じ処理された位置を折り目として突き出し部材557によって折り畳むことで冊子を形成する。このように、フィニッシャ制御部951が、綴処理じ及び折り処理されるシート束の表紙に近いシートPほど塗布量を増やすので、シート束の綴じ処理位置を有効に補強し、製本後の冊子の強度を高めることができるようになる。
1 画像形成装置(多色カラー複写機、複写機)
300 画像形成部(プリンタ)
500 シート処理装置(フィニッシャ)
530 塗布手段(ノズル)
555 中綴じ手段(ステイプラ)
556 折り手段(折りローラ対)
557 折り手段(突き出し部材)
560 シート支持手段(製本処理トレイ)
700 平坦処理部(平坦処理装置)
951 塗布量調整手段(フィニッシャ制御部)
B2 冊子
Ce 中心部
E 端部
g1,g2,g3 接着剤(糊)
G1,G2,G3 接着剤(糊)
OP 開放端
P シート
SP 綴じ部材
300 画像形成部(プリンタ)
500 シート処理装置(フィニッシャ)
530 塗布手段(ノズル)
555 中綴じ手段(ステイプラ)
556 折り手段(折りローラ対)
557 折り手段(突き出し部材)
560 シート支持手段(製本処理トレイ)
700 平坦処理部(平坦処理装置)
951 塗布量調整手段(フィニッシャ制御部)
B2 冊子
Ce 中心部
E 端部
g1,g2,g3 接着剤(糊)
G1,G2,G3 接着剤(糊)
OP 開放端
P シート
SP 綴じ部材
Claims (7)
- 搬送されたシートを支持するシート支持手段と、前記シート支持手段により支持された複数枚のシートを折り畳む折り手段と、を備えたシート処理装置において、
前記シート支持手段に搬送されたシートの、折り畳まれる際に折り目となる領域に接着剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段により塗布させる接着剤の塗布量を調整する塗布量調整手段と、を備え、
前記塗布量調整手段は、折り畳まれた際にシート束の表紙となるシートに近いシートほど前記塗布手段により塗布させる接着剤の塗布量を増やす、
ことを特徴とするシート処理装置。 - 前記塗布手段は、シート束の折り目を中心として対称な領域に接着剤を塗布する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。 - 前記シート支持手段により支持された複数枚のシートからなるシート束を綴じ部材により綴じ処理する綴じ手段を備え、前記折り手段は、前記綴じ手段により綴じ処理された位置を折り目としてシート束を折り畳むことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
- 前記塗布量調整手段は、折られたときにシート間に存在する接着剤の端部が、前記綴じ処理位置よりもシート束の開放端側に位置するように前記塗布手段が塗布する接着剤の量を調整する、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。 - 折られたシート束の折り部を平坦化する平坦処理部を備え、平坦処理されるシートに塗布される接着剤の領域を平坦化される領域を超えるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備えた画像形成装置において、
前記シート処理装置が、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 搬送されたシートを支持するシート支持手段を備え、前記シート支持手段に支持された複数枚のシートからなるシート束を折り畳むことで冊子を形成するシート処理方法であって、
前記シート支持手段に搬送されたシートに塗布する糊の塗布量を、折り畳まれた際のシート束の表紙となるシートに近いシートほど増やすように調整する工程と、
前記調整された塗布量の糊を、前記シート支持手段に搬送されたシートの、折り畳まれる際の折り目となる領域に塗布する工程と、
前記シート支持手段に搬送されてきて、且つ糊が塗布された複数枚のシートからなるシート束を折り畳む工程と、
を有することを特徴とするシート処理方法。
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Publications (1)
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