JP5995034B1 - 蓄電デバイス電極用バインダー組成物、蓄電デバイス電極用スラリー、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス電極用バインダー組成物、蓄電デバイス電極用スラリー、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】初期効率に優れると共に、充放電サイクルの繰り返しによる容量劣化の程度が少ない蓄電デバイスを与える、蓄電デバイス電極用バインダー組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物は、(A)重合体と、(B)特定有機溶剤と、を含有し、前記(A)重合体が、テトラカルボン酸二無水物aモル及びジアミンbモル(ただし、比a/bが0.9500を超え0.9999以下である)を反応させて得られたポリアミック酸、及びこの誘導体、並びにこれらのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記(A)成分の含有量をMa質量部、前記(B)成分の含有量をMb質量部としたときに、両者の比Ma/Mbが50〜5,000であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイス電極用バインダー組成物、蓄電デバイス電極用スラリー、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイスに関する。
近年、電子機器の駆動用電源として高電圧、高エネルギー密度を有する蓄電デバイスが要求されている。特にリチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタは、高電圧、高エネルギー密度を有する蓄電デバイスとして期待されている。
蓄電デバイスに使用される電極は、通常、活物質と、バインダーとして機能する重合体とを含有する組成物(電極用スラリー)を集電体表面へ塗布及び乾燥することにより製造される。電極用バインダーとして使用される重合体に要求される特性としては、活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力、電極を巻き取る工程における耐擦性、その後の裁断などによっても、塗布及び乾燥された組成物塗膜(以下、単に「電極合剤層」ともいう。)から活物質の微粉などが脱落しない粉落ち耐性などを挙げることができる。重合体がこれらの種々の要求特性を満足することにより、得られる電極の折り畳み方法、捲回半径の設定などの蓄電デバイスの構造設計の自由度が高くなり、デバイスの小型化を達成することができる。
なお、上記の活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力、並びに粉落ち耐性については、性能の良否がほぼ比例関係にあることが経験上明らかになっている。従って本明細書では、以下、これらを包括して「密着性」という用語を用いて表す場合がある。
近年、このような蓄電デバイスの高出力化及び高エネルギー密度化の要求を達成するために、リチウム吸蔵力の大きい材料を適用する検討が進められている。例えばケイ素は、リチウムと金属間化合物を形成することにより、リチウムを可逆的に吸蔵・放出することができる(例えば、特許文献1参照)。このケイ素の理論容量は最大で約4,200mAh/gであり、従来用いられていた炭素材料の理論容量約370mAh/gと比較して極めて大きいから、ケイ素材料を負極活物質として用いることによって蓄電デバイスの容量が大幅に向上するはずである。しかしながら、ケイ素材料は充放電に伴う体積変化が大きいことから、従来使用されているバインダー材料をケイ素材料に適用すると、初期密着性を維持することができずに充放電に伴って顕著な容量低下が発生する。
このようなケイ素材料を電極合剤層に保持するための電極バインダーとして、ポリイミドを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。これらの技術は、ポリイミドの剛直な分子構造でケイ素材料を束縛することによって、ケイ素材料の体積変化を抑え込もうという技術思想である。特許文献2〜4には、ポリアミック酸を含有する負極用スラリーを集電体表面へ塗布して塗膜を形成した後、該塗膜を高温で加熱してポリアミック酸を熱イミド化することによりポリイミドを形成する技術が開示されている。
特開2004−185810号公報 特開2012−129068号公報 特開2011−86480号公報 特開2009−302046号公報
しかしながら、これらのポリイミドを用いたバインダーはイミド化に必要な高温処理が必須となるため、蓄電デバイス製造において他の材料に影響を与えてしまう虞があった。また、これらのポリイミドを用いたバインダーは、イミド骨格によるリチウムイオンの捕捉によって初回充電時の充放電効率が低下してしまうことがあり、材料として本質的な懸念が内在していた。蓄電デバイスとして高い初期効率を示すことは極めて重要であり、初期効率の向上あるいは低下抑制機能を示すバインダー設計が要求されている。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、初期効率に優れると共に、充放電サイクルの繰り返しによる容量劣化の程度が少ない蓄電デバイスを与える、蓄電デバイス電極用バインダー組成物を提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物の一態様は、
(A)重合体と、
(B)N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ブチロセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、脂肪族エーテル及び脂肪族アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、
を含有し、前記(A)重合体が、テトラカルボン酸二無水物aモル及びジアミンbモル(ただし、比a/bが0.9500を超え0.9999以下である)を反応させて得られたポリアミック酸、及びこの誘導体、並びにこれらのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(A)重合体の含有量をMa質量部、前記(B)化合物の含有量をMb質量部としたときに、両者の比Ma/Mbが50〜5,000であることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の蓄電デバイス電極用バインダー組成物において、
前記イミド化重合体のイミド化率が80%以上であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の蓄電デバイス電極用バインダー組成物において、
さらに、(C)イソチアゾリン系化合物を含有し、
バインダー組成物中の前記(C)イソチアゾリン系化合物の濃度が15ppm以上500ppm以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の蓄電デバイス電極用バインダー組成物において、pHが5.0以上11.0以下であることができる。
[適用例5]
本発明に係る蓄電デバイス電極用スラリーの一態様は、
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の蓄電デバイス電極用バインダー組成物と、活物質とを含有することを特徴とする。
[適用例6]
適用例5の蓄電デバイス電極用スラリーにおいて、
前記活物質が、ケイ素原子を含有する活物質を含むことができる。
[適用例7]
本発明に係る蓄電デバイス電極の一態様は、
集電体と、前記集電体の表面に適用例5または適用例6の蓄電デバイス電極用スラリーを用いて作成された電極合剤層とを備えることを特徴とする。
[適用例8]
本発明に係る蓄電デバイスの一態様は、
適用例7の蓄電デバイス電極を備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物によれば、初期効率に優れると共に、充放電サイクルの繰り返しによる容量の劣化が可及的に抑制された蓄電デバイスを製造することが可能となる。したがって、本発明に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物を用いて製造された蓄電デバイスは、初回充電時の充放電効率が高く、寿命が長い。また、本発明に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物は、均一な電極合剤層を形成できるため、所期する性能を発揮する蓄電デバイスを与えることができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
1.蓄電デバイス電極用バインダー組成物
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用バインダー組成物(以下、単に「バインダー組成物」ともいう。)は、(A)重合体(以下、単に「(A)成分」ともいう。)と、(B)N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ブチロセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、脂肪族エーテル及び脂肪族アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、単に「(B)成分」ともいう。)と、を含有する。また、本実施形態に係るバインダー組成物は、必要に応じて(C)イソチアゾリン系化合物(以下、単に「(C)成分」ともいう。)を含有してもよい。本実施形態に係るバインダー組成物は、活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力並びに粉落ち耐性を向上させた蓄電デバイス電極(電極合剤層)を作製するための材料として使用することができる。以下、本実施形態に係るバインダー組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)成分
本実施形態に係るバインダー組成物は、(A)重合体として、テトラカルボン酸二無水物aモル及びジアミンbモル(ただし、比a/bが0.9500を超え0.9999以下である)を反応させて得られたポリアミック酸、及びこの誘導体、並びにこれらのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。(A)成分としては、ポ
リアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のみでもよいが、該ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体を加熱または触媒を用いて脱水閉環反応(イミド化反応)を進めたイミド化重合体を含んでいてもよい。(A)成分は、蓄電デバイス電極を構成する電極合剤層において、活物質同士の結合能力及び活物質と集電体との密着能力並びに粉落ち耐性を向上させるためのバインダーとしての機能を有する。
ポリアミック酸誘導体としては、例えば、ポリアミック酸のエステル化等により合成されるポリアミック酸エステルの他、ポリアミック酸やポリアミック酸エステルの塩が挙げられる。
本実施形態に係るバインダー組成物に含まれるポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体の一部がイミド化されている場合、該ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化率は、特に限定されるものではないが、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらにより好ましくは70%以下、特に好ましくは50%以下である。バインダー組成物に含まれるポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化率を上記の範囲とすることにより、該バインダー組成物を用いて調製される蓄電デバイス電極用スラリーの安定性が良好となるので、密着性及び充放電特性に優れる蓄電デバイス電極を製造することができることとなり好ましい。
なお、本実施形態に係るバインダー組成物がポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化重合体を含有する場合、イミド化率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。イミド化率が上記の範囲にあるイミド化重合体は高弾性となるので、密着性及び充放電特性に優れる蓄電デバイス電極を製造することができる。
(A)成分として、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化重合体を含有する場合、イミド化重合体のイミド化率が上記の好ましい範囲にあれば、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体とそのイミド化重合体との使用割合は任意の割合とすることができる。
このイミド化率とは、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化率は、H−NMRを用いて求めることができる。
(A)成分としてのポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物aモル及びジアミンbモル(ただし、比a/bが0.9500を超え0.9999以下である)とを反応させることにより得ることができる。(A)成分としてのポリアミック酸誘導体の1種であるポリアミック酸エステルは、上記ポリアミック酸が有するカルボキシル基の少なくとも一部をエステル化することにより合成することができる。(A)成分としてのポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のイミド化重合体は、上記ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のアミック酸構造の一部を加熱または触媒を用いて脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
本発明で用いられるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。上記脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物などを;上記脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸
二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオンなどを;上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
これらのポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物の中でも、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含むものであることが好ましい。本発明で用いられるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物のみからなるか、あるいは芳香族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物の混合物のみからなるものであることが、バインダー組成物の安定性の観点から好ましい。後者の場合、脂環式テトラカルボン酸二無水物の使用割合は、全テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するために用いられるジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。上記脂肪族ジアミンとしては、例えば1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;上記脂環式ジアミンとしては、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;上記芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェ
ニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸などを;ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体を合成する際に用いられるジアミンは、芳香族ジアミンを、全ジアミン100モル%に対して、30モル%以上含むものであることが好ましく、50モル%以上含むものであることがより好ましく、80モル%以上含むものであることが特に好ましい。
本発明で用いられるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するに際して、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、テトラカルボン酸二無水物の使用量をaモル、ジアミンの使用量をbモルとしたときに、比a/bが0.9500を超え0.9999以下となる割合である。この比a/bは、0.9800以上0.9990以下となる割合であることが好ましく、0.9900以上0.9980以下となる割合であることがより好ましい。比a/bを前記範囲内とすることにより、本実施形態に係るバインダー組成物は、下記のような作用効果を奏するものと推察される。
第1に、比a/bを前記範囲内に設定することにより、合成されるポリアミック酸の分子量が十分に大きくなり、その結果得られるバインダー組成物の粘度を適度な値に調整することが容易となる。さらに該バインダー組成物を用いて調製される電極用スラリーの塗布性が良好になるため、均一な電極合剤層の形成がより容易となる。加えて高い分子量に至ることで、分子鎖の立体的な絡まりにより活物質粒子を良好に分散することが可能となる。
第2に、得られる蓄電デバイスの初回充電時の効率低下を防ぐことができる。蓄電デバイスにおいては、LiPFやLiClOなどのリチウム含有電解質を含有する非水系電解液を用いるが、これらの電解質は水分子と化学的に反応して、HFやHClOなどの強酸が発生する。発生した酸は特に正極のリチウム遷移金属酸化物から遷移金属イオンを溶出させる主要因となるため、溶出した遷移金属イオンがリチウムイオンの拡散を阻害し、充放電容量が劣化してしまう。正極から溶出される遷移金属イオンは初回充電時の負極において電気的還元状態の影響を受け0価金属に還元されるため、本来負極電極合剤層に吸蔵されるはずのリチウムイオンが吸蔵されなくなり、その結果初回の充放電効率が著しく低下してしまう。蓄電デバイス製造において主要因の微量残存水分の除去が重要な工程となるが、減圧乾燥などの手法により蓄電デバイス内の水分を完全除去することは困難である。
ところが、比a/bが前記範囲内にあることで、テトラカルボン酸二無水物に対してジアミンが過剰の状態で重合反応を行うことになり、合成されるポリアミック酸の末端がアミノ基となることが期待される。ポリアミック酸の末端にアミノ基が存在すると、該アミノ基が塩基として作用するため発生した酸を速やかに中和して、正極活物質からの遷移金属イオンの溶出を抑制できる。そのため、得られる蓄電デバイスの初回充電時の効率低下を防ぐことができ、すなわち初期効率に優れ、繰り返し充放電に伴う活物質の体積変化に対しても電極合剤層の導電ネットワークが維持され、容量劣化の少ない蓄電デバイスが得られる。
本発明で用いられるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を合成するに際して、テトラカルボン酸二無水物及びジミアンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成してもよい。
上記分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水
フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルコハク酸無水物、n−ドデシルコハク酸無水物、n−テトラデシルコハク酸無水物、n−ヘキサデシルコハク酸無水物などを;モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンなどを;モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを、それぞれ挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
ポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは0〜100℃において、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは0.5〜12時間行われる。
ここで、有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール及びその誘導体、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、炭化水素など一般的にポリアミック酸の合成反応に使用できる有機溶媒を使用することができる。上記非プロトン性極性溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−メトキシエチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを;上記フェノール誘導体としては、例えばm−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどを;アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどを;上記ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを;上記エーテルとしては、例えばジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、フランなどを、それぞれ挙げることができる。上記エステルとしては、例えば乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチルなどを;上記炭化水素としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、それぞれ挙げることができる。これらの有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体の脱水閉環反応は、好ましくはポリアミック酸もしくはポリアミック酸誘導体を加熱する方法またはポリアミック酸もしくはポリアミック酸誘導体を有機溶媒に溶解した溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記ポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を加熱する方法における反応温度は、好ましくは140〜250℃であり、より好ましくは180℃〜220℃である。反応温度
が140℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が250℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下する場合がある。ポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体を加熱する方法における反応時間は、好ましくは0.5〜20時間であり、より好ましくは2〜10時間である。
上記ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用割合は、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜1.0モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、イソキノリン、トリエチルアミンなどのアミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用割合は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜1.0モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜180℃である。反応時間は好ましくは1〜10時間であり、より好ましくは2〜5時間である。
また、以上のようにして得られる(A)成分につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1,000〜500,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましい。さらに、上記Mwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
以上のようにして得られた(A)成分は、そのまま、または必要に応じて公知の方法によって精製した上で後述の蓄電デバイス電極用スラリーの調製に供される。
(A)成分としては、市販のポリアミック酸溶液を使用してもよい。市販のポリアミック酸溶液としては、例えばU―ワニスA(宇部興産(株)製)などを挙げることができる。
1.2.(B)成分
本実施形態に係るバインダー組成物は、(B)N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ブチロセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、脂肪族エーテル及び脂肪族アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する。なお、本発明における「脂肪族」との用語は、芳香族を除くという意味で用いられる。
上記脂肪族エーテルは、鎖状であっても環状であってもよい。上記脂肪族エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテルが挙げられる。これらの中でも、(A)成分の溶解性の観点から、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランが好ましい。
上記脂肪族アルコールは、鎖状であっても環状であってもよい。上記脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、
(A)成分の溶解性の観点から、メタノール、エタノールが好ましい。
これらの(B)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態に係るバインダー組成物中における(B)成分の含有割合は、組成物中の(B)成分の含有量をMb質量部、(A)成分の含有量をMa質量部としたときに、両者の比Ma/Mbが50〜5,000であり、好ましくは100〜4,000であり、より好ましくは130〜3,500である。(B)成分の含有割合が前記範囲内であることにより、本実施形態に係るバインダー組成物は、下記のような作用効果を奏するものと推察される。
(B)成分の含有割合が前記範囲内であることにより、バインダー組成物を構成する液状媒体と(A)成分との親和性を高めることができる。すなわち、(A)成分は溶解性に乏しく、各種液状媒体とのバインダー組成物の調製が限定的である。一方、(B)成分は、極性が高くかつ(A)成分に対する親和性が高い。そのため、(A)成分に対して(B)成分を上記所定割合で含有することにより、各種液状媒体に対する(A)成分の溶解性を高めることができ、多様なバインダー組成物群の調製が可能となる。特に、水系媒体もしくは水を液状媒体とするバインダー組成物を調製することが可能となり、これによって電極製造プロセス上の有害な揮発性有機化合物を大幅に低減することができ、低環境負荷型のプロセスとして適用可能となる。上記の両者の比Ma/Mbが5,000を超えると、バインダー組成物を構成する液状媒体と(A)成分との親和性が低くなるので、均一な電極合剤層を形成することが困難となる。一方、上記の両者の比Ma/Mbが50未満であると、電極製造プロセスにおける大気中への(B)成分の放出が多くなり、環境及び製造作業従事者に対する負荷が大きくなってしまう。
1.3.(C)成分
本実施形態に係るバインダー組成物は、(C)イソチアゾリン系化合物を15ppm以上500ppm以下の濃度で含有してもよい。本実施形態に係るバインダー組成物中の(C)成分の濃度は、15ppm以上500ppm以下であり、好ましくは20ppm以上400ppm以下、より好ましくは50ppm以上300ppm以下である。バインダー組成物中の(C)成分の濃度が前記範囲内であると、(C)成分が防腐剤として作用して、バインダー組成物を貯蔵した際に、細菌や黴などが増殖して異物が発生することを抑制することができる。また、蓄電デバイスの充放電時にバインダーの劣化が抑制されるため、蓄電デバイスの充放電特性の低下を抑制することができる。
蓄電デバイスの充放電時にバインダーの劣化が抑制される効果の発現機構は明らかではないが、以下のように考えられる。(C)成分と(A)成分との親和性が良好であるために、電解液に電極合剤層が浸された場合でも(C)成分はバインダーとして機能する(A)成分に吸着されるなどして保持され、電極合剤層から電解液へほとんど溶出しないと考えられる。(C)成分が(A)成分に保持されることで、バインダーとして機能する(A)成分の電解液による劣化が抑制されるとともに電解液自身の変質も抑制されるので、充放電特性の低下を抑制できると推察される。
本発明で用いられる(C)成分としては、イソチアゾリン骨格を有する化合物であれば特に制限されないが、具体的には下記一般式(1)で表される化合物や下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005995034
上記一般式(1)中、Rは水素原子または炭化水素基であり、R及びRはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表す。R、R、Rが炭化水素基である場合、直鎖あるいは分岐鎖のような鎖状の炭素骨格を有していてもよく、環状の炭素骨格を有していてもよい。また、炭化水素基の炭素数は1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜8であることが特に好ましい。このような炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
Figure 0005995034
上記一般式(2)中、Rは水素原子または炭化水素基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。Rが炭化水素基である場合、上記一般式(1)で説明した炭化水素基と同様の炭化水素基であることができる。また、Rが有機基である場合、この有機基にはアルキル基やシクロアルキル基である脂肪族基や芳香族基が含まれるが、脂肪族基であることが好ましい。アルキル基の炭素数は1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜8であることが特に好ましい。これらのアルキル基及びシクロアルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。前記脂肪族基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。上記一般式(2)中、nは0〜4の整数を表す。
本発明で用いられる(C)成分の具体例としては、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
1.4.液状媒体
本実施形態に係るバインダー組成物に使用される液状媒体は、水系媒体及び非水系媒体のいずれであってもよいが、水系媒体であることが好ましく、水であることがより好ましい。本発明における「水系媒体」とは、水を含有する液状媒体のことをいう。本発明における「非水系媒体」とは、水以外の液体のみを含有する液状媒体のことをいう。
本実施形態に係るバインダー組成物における液状媒体の使用割合は、バインダー組成物の固形分濃度(組成物中の液状媒体以外の成分の合計質量が組成物の全質量に対して占める割合)が、5〜70質量%となる割合とすることが好ましく、10〜55質量%となる割合とすることがより好ましい。
1.5.蓄電デバイス電極用バインダー組成物のpH
本実施形態に係るバインダー組成物のpHは、(A)成分の液状媒体への溶解性の観点から、3.0以上12.0以下であることが好ましく、5.0以上11.0以下であることがより好ましく、6.0以上10.0以下であることが特に好ましい。組成物のpHの調整には、公知の酸または塩基を用いることができる。このような酸や塩基としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸などの酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、トリエチルアミン、ピペリジンなどの塩基を、それぞれ挙げることができる。したがって、本実施形態に係るバインダー組成物は、上述の成分以外に、上記の酸または塩基を、pHの調整に必要な範囲で含有してもよい。
1.6.蓄電デバイス電極用バインダー組成物の調製方法
本実施形態に係るバインダー組成物は、上記の成分を含有するものである限り、どのような方法によって調製されたものであってもよい。本実施形態に係るバインダー組成物を調製するには、(A)成分を合成した重合混合物に(B)成分及び必要に応じて加えられるその他の成分を添加する方法;(A)成分を合成した重合混合物から単離した重合体を、(B)成分及び必要に応じて加えられるその他の成分とともに液状媒体に溶解する方法など、適宜の方法によることができる。これらのうち、前者の方法が簡便であることから好ましい。
2.蓄電デバイス電極用スラリー
上記のような蓄電デバイス電極用バインダー組成物を用いて、蓄電デバイス電極用スラリー(以下、単に「スラリー」ともいう。)を製造することができる。蓄電デバイス電極用スラリーとは、集電体の表面上に電極合剤層を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施形態に係るスラリーは、少なくとも上記の蓄電デバイス電極用バインダー組成物と活物質とを含有する。以下、本実施形態に係るスラリーに含まれる成分について説明する。本実施形態に係るスラリーに含まれる蓄電デバイス電極用バインダー組成物については、上記の通りである。
2.1.活物質
本実施形態に係るスラリーに含まれる活物質としては、特に限定されず、例えば炭素材料、リチウム原子を含む酸化物、ケイ素原子を含む活物質、チタンを含む活物質、鉛化合物、錫化合物、砒素化合物、アンチモン化合物、アルミニウム化合物などを挙げることができる。
上記炭素材料としては、例えばアモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ピッチ系炭素繊維などを挙げることができる。
上記リチウム原子を含む酸化物としては、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、Li0.90Ti0.05Nb0.05Fe0.30Co0.30Mn0.30POなどを挙げることができる。
上記ケイ素原子を含む活物質としては、例えばケイ素単体、ケイ素酸化物、ケイ素合金などを挙げることができるほか、特開2004−185810号公報に記載されたケイ素
材料を使用することができる。上記ケイ素酸化物としては、組成式SiOx(0<x<2、好ましくは0.1≦x≦1)で表されるケイ素酸化物が好ましい。上記ケイ素合金としては、ケイ素と、チタン、ジルコニウム、ニッケル、銅、鉄及びモリブデンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属との合金が好ましい。これらの遷移金属のケイ化物は、高い電子伝導度を有し、かつ、高い強度を有することから好ましく用いられる。また、活物質がこれらの遷移金属を含むことにより、活物質の表面に存在する遷移金属が酸化されて表面に水酸基を有する酸化物となるから、バインダーとの結着力がより良好になる点でも好ましい。ケイ素合金としては、ケイ素−ニッケル合金またはケイ素−チタン合金を使用することがより好ましく、ケイ素−チタン合金を使用することが特に好ましい。ケイ素合金におけるケイ素の含有割合は、該合金中の金属元素の全部に対して10モル%以上とすることが好ましく、20〜70モル%とすることがより好ましい。ケイ素原子を含む活物質は、単結晶、多結晶及び非晶質のいずれであってもよい。
本実施形態に係るスラリーを蓄電デバイスの負極を製造するために使用する場合、スラリーに含まれる負極活物質としては、ケイ素原子を含む活物質を含有するものであることが好ましい。ケイ素原子は単位重量当たりのリチウムの吸蔵量がその他の活物質群と比較して大きいことから、活物質がケイ素原子を含む活物質を含有することにより、得られる蓄電デバイスの蓄電容量を高めることができ、その結果、蓄電デバイスの出力及びエネルギー密度を高くすることができる。負極活物質としては、ケイ素原子を含む活物質と炭素材料との混合物からなることがより好ましい。炭素材料は、充放電に伴う体積変化が小さいから、負極活物質としてケイ素原子を含む活物質と炭素材料との混合物を使用することにより、ケイ素原子を含む活物質の体積変化の影響を緩和することができ、電極合剤層と集電体の密着性をより向上させることができる。負極活物質は、ケイ素原子を含む活物質とグラファイトとの混合物からなることが特に好ましい。
活物質100質量%中に占めるケイ素原子を含む活物質の割合は、1質量%以上とすることが好ましく、1〜50質量%とすることがより好ましく、5〜45質量%とすることがさらにより好ましく、10〜40質量%とすることが特に好ましい。
活物質の形状としては、粒状であることが好ましい。粒子の粒径(平均メジアン粒径)としては、0.1〜100μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
活物質の使用割合は、バインダー組成物中の(A)成分の含有量が、活物質100質量部に対して、0.1〜25質量部となる割合とすることが好ましく、0.5〜15質量部となる割合とすることがより好ましい。このような使用割合とすることにより、密着性により優れ、しかも電極抵抗が小さく充放電特性により優れた電極を製造することができる。
2.2.その他の成分
本実施形態に係るスラリーは、上記の蓄電デバイス電極用バインダー組成物及び活物質以外に、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば導電付与剤、増粘剤などを挙げることができる。
2.2.1.導電付与剤
導電付与剤の具体例としては、リチウムイオン二次電池においてはカーボンなどを挙げることができる。カーボンとしては、活性炭、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレンなどを挙げることができる。これらの中でも、アセチレンブラックまたはケッチェンブラックを好ましく使用することができる。導電付与剤の使用割合は、活物質100質量部に対して、好ましくは20質量部以下
であり、より好ましくは1〜15質量部であり、特に好ましくは2〜10質量部である。
2.2.2.増粘剤
本実施形態に係るスラリーは、その塗工性を改善する観点から、増粘剤を含有してもよい。増粘剤の具体例としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;上記セルロース誘導体のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸、変性ポリ(メタ)アクリル酸などのポリカルボン酸;上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系(共)重合体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びフマル酸などの不飽和カルボン酸と、ビニルエステルとの共重合体の鹸化物などの水溶性ポリマーなどを挙げることができる。増粘剤の使用割合は、活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜5質量部である。
2.3.蓄電デバイス電極用スラリーの製造方法
本実施形態に係るスラリーは、上記の蓄電デバイス電極用バインダー組成物及び活物質を含有するものである限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。より良好な分散性及び安定性を有するスラリーを、より効率的且つ安価に製造するとの観点から、バインダー組成物に、活物質及び必要に応じて用いられる任意的添加成分を加え、これらを混合することにより製造することが好ましい。
バインダー組成物、活物質及びその他の成分を混合するためには、公知の手法による攪拌によって行うことができる。スラリーを製造するための混合撹拌としては、スラリー中に活物質の凝集体が残らない程度に撹拌し得る混合機と、必要にして十分な分散条件とを選択する必要がある。分散の程度は粒ゲージにより測定可能であるが、少なくとも100μmより大きい凝集物がなくなるように混合分散することが好ましい。このような条件に適合する混合機としては、例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、脱泡機、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを例示することができる。
スラリーの調製(各成分の混合操作)は、少なくともその工程の一部を減圧下で行うことが好ましい。これにより、得られる電極合剤層内に気泡が生じることを防止することができる。減圧の程度としては、絶対圧として、5.0×10〜5.0×10Pa程度とすることが好ましい。
2.4.スラリーの曳糸性
本実施形態に係るスラリーにおいて、その曳糸性の下限値は、28%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、33%以上であることがさらにより好ましく、35%以上であることが特に好ましい。また、その曳糸性の上限値は、85%以下であることが好ましく、83%以下であることがより好ましく、81%以下であることがさらにより好ましく、79%以下であることが特に好ましい。曳糸性が28%未満であると、スラリーを集電体上へ塗布する際、レベリング性が不足するため、電極合剤層の厚みの均一性が得られにくい。このような厚みが不均一な電極を使用すると、ケイ素材料がリチウムイオンを吸蔵することで電極合剤層の体積変化が局所的に発生し導電ネットワークを損失し、その結果安定した電池性能の発現が困難となる。一方、曳糸性が85%を超えると、スラリーを集電体上に塗工する際、液ダレが起き易くなり、安定した品質の電極が得られにくい。曳糸性が前記範囲内に入ることでこれらの問題の発生を抑制することができ、良好な電気的特性と結着性とを両立させた電極の作製が可能となる。
なお、本発明における「曳糸性」は、以下のようにして測定することができる。まず、直径5.2mmの開口部を底部に有するザーンカップ(太佑機材株式会社製、ザーンビスコシティーカップNo.5)を準備する。このザーンカップの開口部を閉じた状態で、ザーンカップにスラリーを40g流し込む。その後、開口部を開放すると、開口部からスラリーが流れ出す。ここで、開口部を開放した時をT、スラリーの曳糸が終了した時をT、スラリーの流出が終了した時をTとした場合に、本発明におけるスラリーの曳糸性は下記式(3)から求めることができる。
曳糸性(%)=((T−T)/(T−T))×100 ・・・・・(3)
3.蓄電デバイス電極
本実施形態に係る蓄電デバイス電極(以下、単に「電極」ともいう。)は、集電体と、前記集電体の表面に上記蓄電デバイス電極用スラリーを用いて作成された電極合剤層とを備える。金属箔などの適宜の集電体の表面に、上記のバインダー組成物を用いて製造されたスラリーを塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜から液状媒体を乾燥させて除去することにより、集電体の表面に電極合剤層が形成される。このようにして、集電体の表面に電極合剤層が形成された蓄電デバイス電極を製造することができる。
このようにして製造された電極は、集電体の表面に、上述の(A)成分、(B)成分及び活物質、さらに必要に応じて使用される任意添加成分を含有する電極合剤層が結着されてなるものである。したがって、本実施形態に係る蓄電デバイス電極は、初期効率に優れ、充放電サイクルを繰り返した時の充放電容量の劣化の程度が少ないものである。
3.1.集電体
集電体は、導電性材料からなるものであれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池においては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属製の集電体が使用されるが、特に正極にアルミニウムを、負極に銅を用いた場合、本発明のスラリーの効果が最もよく現れる。ニッケル水素二次電池における集電体としては、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維焼結体、金属メッキ樹脂板などが使用される。
集電体の形状及び厚さは特に制限されない。集電体の厚さは、1〜500μmであることが好ましく、5〜150μmであることがより好ましく、10〜50μmであることが特に好ましい。集電体の形状としてはシート状のものが好ましく使用される。
3.2.蓄電デバイス電極の製造方法
本実施形態に係る蓄電デバイス電極の製造方法の一例を以下に示す。まず、集電体の表面に、上記のバインダー組成物及び活物質を含有するスラリーを塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜を必要に応じて加熱して該塗膜から液状媒体を乾燥させて除去することにより、集電体の表面に電極合剤層が形成される。このようにして、集電体の表面に電極合剤層が形成された蓄電デバイス電極を製造することができる。
スラリーの集電体への塗布方法については、特に制限はない。塗布は、例えばドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬法、ハケ塗り法などの適宜の方法によることができる。スラリーの塗布量も特に制限されないが、液状媒体を除去した後に形成される電極合剤層の厚さが、5〜250μmとなる量とすることが好ましく、20〜100μmとなる量とすることがより好ましい。
塗布後の塗膜からの液状媒体の除去方法についても特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥;真空乾燥;(遠)赤外線、電子線などの照射による乾燥などによる
ことができる。乾燥速度としては、応力集中によって電極合剤層に亀裂が入ったり、電極合剤層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ速く液状媒体が除去できるように適宜に設定することができる。
さらに、液状媒体除去後の電極合剤層をプレスすることにより、電極合剤層の密度を高めることが好ましい。プレス方法としては、金型プレス、ロールプレスなどの方法が挙げられる。プレスの条件は、使用するプレス機器の種類及び電極合剤層の密度の所望値によって適宜に設定されるべきである。この条件は、当業者による少しの予備実験により、容易に設定することができるが、例えばロールプレスの場合、ギャップ式、加圧式のどちらでもよく、その線圧力は0.1〜10t/cm、好ましくは0.5〜5t/cmの圧力において、例えばロール温度が20〜100℃において、液状媒体除去後の塗膜の送り速度(ロールの回転速度)が1〜80m/分、好ましくは5〜50m/分で行うことができる。
プレス後の電極合剤層の密度は、電極を正極として使用する場合には、1.5〜2.4g/cmとすることが好ましく、1.7〜2.2g/cmとすることがより好ましく;電極を負極として使用する場合には、1.2〜1.9g/cmとすることが好ましく、1.3〜1.8g/cmとすることがより好ましい。
プレス後の塗膜は、さらに、減圧下で加熱して液状媒体を完全に除去することが好ましい。この場合の減圧の程度としては、絶対圧として50〜200Paとすることが好ましく、75〜150Paとすることがより好ましい。加熱温度としては、塗膜中のポリアミック酸構造が全て熱イミド化しない温度範囲が好ましく、100〜300℃とすることが好ましく、150〜200℃とすることがより好ましい。加熱時間は、2〜12時間とすることが好ましく、4〜8時間とすることがより好ましい。
本実施形態に係るスラリーを用いて集電体の表面に電極合剤層を形成するためのいずれの工程においても工程温度が200℃を超えないことが好ましく、180℃を超えないことがより好ましい。ここで、電極合剤層を形成するための工程とは、上記のスラリーの塗布工程及び塗膜からの液状媒体の除去工程ならびに任意的に行われるプレス工程、減圧下における加熱工程、プレス工程など、およそ当業者が電極合剤層を形成するために行う工程のすべてを含む。上記工程温度とは、スラリー、集電体または電極合剤層自体の温度、これらを囲繞する周囲雰囲気の温度、これらに接触または近接する装置・器具などの温度をいう。このようにして製造された蓄電デバイス電極は、初期効率に優れ、充放電サイクルを繰り返した時の充放電容量の劣化の程度が少ないものである。
4.蓄電デバイス
本実施形態に係る蓄電デバイスは、上記の蓄電デバイス電極を備える。このような蓄電デバイスは、上記の蓄電デバイス電極を備えるものであり、さらに電解液を含有し、セパレータなどの部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に収納し、該電池容器に電解液を注入して封口する方法などを挙げることができる。電池の形状は、コイン型、円筒型、角形、ラミネート型など、適宜の形状であることができる。
電解液は、液状でもゲル状でもよく、活物質の種類に応じて、蓄電デバイスに用いられる公知の電解液の中から電池としての機能を効果的に発現するものを選択すればよい。電解液は、電解質を適当な溶媒に溶解した溶液であることができる。
上記電解質としては、例えばリチウムイオン二次電池においては、従来から公知のリチ
ウム塩のいずれをも使用することができ、その具体例としては、例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCFSO、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウムなどを例示することができる。
上記電解質を溶解するための溶媒は、特に制限されるものではないが、その具体例として、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネートなどのカーボネート化合物;γ−ブチロラクトンなどのラクトン化合物;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル化合物;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド化合物などを挙げることができ、これらのうちから選択される一種以上を使用することができる。
電解液中の電解質の濃度としては、好ましくは0.5〜3.0モル/Lであり、より好ましくは0.7〜2.0モル/Lである。
5.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
5.1.ポリアミック酸及びポリアミック酸誘導体の合成
<合成例1>
攪拌装置、温度計及びコンデンサーを備えた容量3Lのフラスコ内部を減圧した状態でヒートガンにて加熱して容器内部の残存水分を除去した後、乾燥窒素ガスを満たした。このフラスコに、溶媒として予め水素化カルシウムを用いた脱水蒸留法により脱水処理を施したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1,166g、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物78.945g(245.000ミリモル)及びジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50.059g(250.000ミリモル)を仕込み、25℃において3時間攪拌下に反応を行うことにより、ポリアミック酸を10質量%含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液に対して、使用したテトラカルボン酸二無水物の2当量であるKOH27.492g(490.000ミリモル)を添加すると重合体の塩(ポリアミック酸誘導体Q1)が析出した。この沈殿物を濾過乾燥させ、ポリアミック酸誘導体Q1が10質量%となるようにイオン交換水で溶解させることによりポリアミック酸誘導体Q1の水溶液を得た。
<合成例2〜5及び比較合成例1>
上記合成例1において、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類・使用量を、それぞれ表1に記載のとおりとした他は合成例1と同様にしてポリアミック酸誘導体Q2〜Q5及びR1をそれぞれ10質量%含有する重合体水溶液を得た。
<合成例6>
上記合成例1においてテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類・使用量を、それぞれ表1に記載のとおりとし、添加するKOHを使用したテトラカルボン酸二無水物の1.8当量である25.197g(449.100ミリモル)とした他は合成例1と同様にしてポリアミック酸誘導体Q6を10質量%含有する重合体水溶液を得た。
<比較合成例2、3>
上記合成例1においてテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類・使用量を、それぞれ表1に記載のとおりとし、添加するKOHを使用したテトラカルボン酸二無水物の2.2当量とした他は合成例1と同様にしてポリアミック酸誘導体R2、R3を10質量%含有する重合体水溶液を得た。
<合成例7>
上記合成例1において、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物79.912g(248.000ミリモル)、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50.059g(250.000ミリモル)をそれぞれ使用した以外は合成例1と同様に反応を行うことによりポリアミック酸を10質量%含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液に、ピリジン3.96g及び無水酢酸5.11gを加え、溶液の温度を110℃とし4時間攪拌しながら反応させポリアミック酸のイミド化重合体溶液を得た。これを放冷した後、KOH28.053g(500.000ミリモル)添加すると重合体の塩(ポリアミック酸誘導体のイミド化重合体Q7)が析出した。この沈殿物を濾過乾燥させ、ポリアミック酸誘導体のイミド化重合体Q7が10質量%となるようにイオン交換水に溶解させることにより、ポリアミック酸誘導体のイミド化重合体Q7の水溶液を得た。この重合体水溶液に含有される重合体Q7のイミド化率をH−NMR測定により求めたところ、95%であった。
Figure 0005995034
上表1における各成分の略称は、それぞれ以下の意味である。また、上表1中の「−」は、該当する成分を含有していないことを表す。
<テトラカルボン酸二無水物>
・BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
・PMDA:1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物
・TDA:4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−カルボン酸無水物
<ジアミン>
・DDE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
・DDP:4,4’−ジアミノビフェニル
5.2.活物質の合成
粉砕した二酸化ケイ素粉末(平均粒径10μm)と炭素粉末(平均粒径35μm)との混合物を、温度を1,100〜1,600℃の範囲に調整した電気炉中で、窒素気流下(0.5NL/分)、10時間の加熱処理を行い、組成式SiOx(x=0.5〜1.1)で表される酸化ケイ素の粉末(平均粒径8μm)を得た。この酸化ケイ素の粉末300gをバッチ式加熱炉内に仕込み、真空ポンプにより絶対圧100Paの減圧を維持しながら、300℃/hの昇温速度にて室温(25℃)から1,100℃まで昇温した。次いで、加熱炉内の圧力を2,000Paに維持しつつ、メタンガスを0.5NL/分の流速にて導入しながら、1,100℃、5時間の加熱処理(黒鉛被膜処理)を行った。黒鉛被膜処理終了後、50℃/hの降温速度で室温まで冷却することにより、黒鉛被膜酸化ケイ素の粉末約330gを得た。この黒鉛被膜酸化ケイ素は、酸化ケイ素の表面が黒鉛で被覆された導電性の粉末(活物質)であり、その平均粒径は10.5μmであり、得られた黒鉛被膜酸化ケイ素の全体を100質量%とした場合の黒鉛被膜の割合は2質量%であった。
5.3.実施例1
(1)蓄電デバイス電極用バインダー組成物の調製
Ar置換されたグローブボックス中で、上記合成例1で得たポリアミック酸誘導体Q1を含有する重合体水溶液100g(ポリアミック酸誘導体Q1を10g含有する。)に対して、N−メチルピロリドン(NMP)及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを表2に記載の含有割合となるようにマイクロシリンジを用いて添加することにより、バインダー組成物を調製した。
(2)蓄電デバイス電極用スラリーの調製
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス(株)製、商品名「TKハイビスミックス
2P−03」)中に、負極活物質として、平均粒子径22μmのグラファイト(日立化成工業(株)製、製品名「SMG−HE1」)80質量部(固形分換算)及び上記で合成した黒鉛被覆酸化ケイ素20質量部、並びに導電付与剤としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブラック50%プレス品」)1質量部を投入して20rpmで3分間混合した。次いで、さらに上記で調製したバインダー組成物を100質量部及び水20質量部を投入して、60rpmで1時間攪拌を行った。その後、攪拌脱泡機((株)シンキー製、商品名「ARV930−TWIN」)を使用して、絶対圧25kPaの減圧下において600rpmで5分間攪拌混合することにより、スラリーを調製した。
(3)蓄電デバイス電極の製造
厚み10μmの銅箔からなる集電体の表面に、上記で調製したスラリーを、溶媒除去後の電極合剤層の質量が4.50mg/cmになるように膜厚を調整してドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で5分間乾燥処理して塗膜を形成した。次いで上記塗膜を、ギャップ間調整式ロールプレス機(テスター産業(株)製、商品名「SA−601」)を用いて、ロール温度30℃、線圧力1t/cm及び送り速度0.5m/分の条件でプレスし、電極合剤層の密度が1.60g/cmとなるように調整した。さらに、絶
対圧100Paの減圧下、160℃において6時間加熱して電極合剤層を形成することにより、蓄電デバイス電極(負極)を得た。
(4)蓄電デバイスの製造
露点が−80℃以下となるようアルゴン置換されたグローブボックス内で、上記で製造した負極を直径15.5mmに打ち抜き成形したものを、電極合剤層を上側にして、2極式コインセル(宝泉(株)製、商品名「HSフラットセル」)上に載置した。次いで、直径24mmに打ち抜いたポリプロピレン製多孔膜からなるセパレータ(セルガード(株)製、商品名「セルガード#2400」)を上記の負極上に載置し、さらに、空気が入らないように電解液を500μL注入した後、対電極(正極)として厚さ200μmのリチウム箔を直径16.6mmに打ち抜き成形したものを載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで閉めて封止することにより、リチウムイオン電池セル(蓄電デバイス)を組み立てた。ここで使用した電解液は、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1(質量比)の溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度で溶解した溶液である。このようにして得られた蓄電デバイスを「(5)蓄電デバイスの評価(初期効率及び充放電サイクル特性の評価)」に供した。
(5)蓄電デバイスの評価(初期効率及び充放電サイクル特性の評価)
上記で製造した蓄電デバイスにつき、定電流(0.2C)にて充電を開始し、電圧が0.01Vになった時点で引き続き定電圧(0.01V)にて充電を継続し、電流値が0.05Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。次いで、定電流(0.2C)にて放電を開始し、電圧が2.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)として、初回充放電を終了した。このとき、初回の充電容量Aに対する初回の放電容量Bの割合を初期効率として定義し、下記式(4)によって初期効率(%)を算出した。
初期効率(%)=(B/A)×100 ・・・・・(4)
この値が85%以上であれば初期効率が良好であると判断でき、90%以上であれば初期効率が極めて良好であると判断できる。一方、この値が85%未満であれば初期効率が不良であると判断できる。その結果を表2に併せて示す。
次に、初回充放電を行った上記の蓄電デバイスにつき、0.5Cの充放電を、以下のようにして行った。まず、定電流(0.5C)にて充電を開始し、電圧が0.01Vになった時点で引き続き定電圧(0.01V)にて充電を継続し、電流値が0.05Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。次いで、定電流(0.2C)にて放電を開始し、電圧が2.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、0.5Cにおける放電容量(1サイクル目の0.5C放電容量=C)を測定した。この0.5Cの充放電を繰り返し行い、100サイクル目の0.5C放電容量をDとしたとき、100サイクル後の容量維持率を下記式(5)によって算出した。
容量維持率(%)=(D/C)×100 (5)
その評価結果を表2に併せて示す。この100サイクル後の容量維持率の値が90%以上であれば充放電サイクル特性が優良であると判断することができ、90%未満であれば充放電サイクル特性が不良であると判断することができる。
5.4.実施例2〜8及び比較例1〜7
上記実施例1において、(A)成分として表2または表3に記載の種類となるように上記合成例1〜7または比較合成例1〜3のいずれかで得た10質量%の重合体水溶液を用い、(B)成分及び(C)成分の種類・含有割合を表2または表3に記載の通りとしたほかは、実施例1と同様にして蓄電デバイス電極用バインダー組成物をそれぞれ調製した。これらの各バインダー組成物を用いて、実施例1と同様にして蓄電デバイス電極用スラリーを調製し、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイスを製造して評価した。これらの評価結果を表2または表3に併せて示す。
5.5.評価結果
下表2に各実施例、下表3に各比較例の評価結果を示す。
Figure 0005995034
Figure 0005995034
表2または表3における各成分の略称または記号は、それぞれ以下の化合物を表す。また、表2または表3中の「−」は、該当する成分を含有していないことを表す。
<(B)成分>
・NMP:N−メチルピロリドン
・NEP:N−エチルピロリドン
・GBL:γ−ブチロラクトン
・DMF:ジメチルホルムアミド
・THF:テトラヒドロフラン
・EGMBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
・PEGMEA:プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート
<(C)成分>
・C1:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
・C2:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
・C3:N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
・C4:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
<活物質>
・C/Si:上記で合成した黒鉛被覆酸化ケイ素
・グラファイト:日立化成工業(株)製、商品名「SMG−HE1」
上表2及び上表3から明らかなように、実施例1〜8に示した本発明に係るバインダー組成物は、比較例1〜7のバインダー組成物と比較して(A)重合体の水系媒体に対する溶解性が良好となるので、ケイ素材料を含有する活物質を含むスラリーは、集電体の表面に塗工するに際して、適切な流動性及び分散均一性を有していた。そのため、欠陥が少なく、均一な電極合剤層を備えた電極が得られた。また、(A)重合体が末端にアミノ基を有しているので、電解液中で発生するHFやHClOなどの酸を速やかに中和することができ、その結果初回充電時の効率低下を効果的に抑制できたと推察される。実施例1〜8に示した本発明に係るバインダー組成物を用いることにより、上述のような作用効果を奏するため、初期効率に優れ、100サイクル後の放電容量を高いレベルで維持できる蓄電デバイスを作製することができたと考えられる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (8)

  1. (A)重合体と、
    (B)N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ブチロセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、脂肪族エーテル及び脂肪族アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、
    を含有し、前記(A)重合体が、テトラカルボン酸二無水物aモル及びジアミンbモル(ただし、比a/bが0.9500を超え0.9999以下である)を反応させて得られたポリアミック酸、及びこの誘導体、並びにこれらのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記(A)重合体の含有量をMa質量部、前記(B)化合物の含有量をMb質量部としたときに、両者の比Ma/Mbが50〜5,000である、蓄電デバイス電極用バインダー組成物。
  2. 前記イミド化重合体のイミド化率が80%以上である、請求項1に記載の蓄電デバイス電極用バインダー組成物。
  3. さらに、(C)イソチアゾリン系化合物を含有し、
    バインダー組成物中の前記(C)イソチアゾリン系化合物の濃度が15ppm以上500ppm以下である、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス電極用バインダー組成物。
  4. pHが5.0以上11.0以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス電極用バインダー組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス電極用バインダー組成物と、活物質とを含有する、蓄電デバイス電極用スラリー。
  6. 前記活物質が、ケイ素原子を含有する活物質を含む、請求項5に記載の蓄電デバイス電極用スラリー。
  7. 集電体と、前記集電体の表面に請求項5または請求項6に記載の蓄電デバイス電極用スラリーを用いて作成された電極合剤層とを備える、蓄電デバイス電極。
  8. 請求項7に記載の蓄電デバイス電極を備える蓄電デバイス。
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