JP6215016B2 - 電極用バインダ樹脂溶液、電極用塗液、および電極 - Google Patents

電極用バインダ樹脂溶液、電極用塗液、および電極 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなど電気化学素子の電極用のバインダ樹脂溶液に関する。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンから得られる芳香族ポリイミドは、耐熱性、機械的強度、電気特性、耐溶剤性などの特性が優れるために、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなど電気化学素子の電極用バインダ樹脂として利用することが検討されている。この芳香族ポリイミドは有機溶媒への溶解性が悪いので、通常は、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)等のアミド系溶媒に溶解した溶液が利用される。即ち、この芳香族ポリイミドを電極用のバインダ樹脂として利用する場合は、この溶液に活物質や導電剤などを配合して塗液としたのち、金属箔等からなる集電体表面に塗布し、次いで高温で硬化(イミド化)させて、電極を形成させている。(例えば、特許文献1および2)
しかしながら、このポリアミック酸溶液の溶媒に前記アミド系溶媒を使用した場合、ポリイミド成形時に、このアミド系溶媒が大気中に放出されるので、環境適合性の観点から改良すべき点があった。そこで、アミド系溶媒を使用しない電極用バインダ樹脂溶液が提案されている。
例えば、特許文献3にはポリアミック酸と1,2−ジメチルイミダゾ−ル等のイミダゾール類との塩を水に溶解させて得られるポリイミド前駆体溶液からなる電極用バインダ樹脂溶液が提案されている。
特許第4471836号 国際公開第2011/056847号 特開2012−207196公報
しかしながら、水を含有するポリイミド前駆体溶液を電極用バインダ樹脂溶液として用いた場合、水固有の高い表面張力の為、集電体表面に塗布して成形する際にレベリング性が充分ではなく、塗膜のはじき現象や厚みムラが発生しやすいという問題があった。さらに、この溶液に活物質や導電剤などを配合して電極形成用の塗液を調製する際、活物質や導電剤の凝集が起こりやすく、均一に分散したスラリとすることが難しいという問題があった。
さらに、この溶液を保存する際、共存している水によりポリアミック酸の加水分解が起こりやすい為、粘度変化が起こりやすく、その安定性にも問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、環境適合性や保存安定性が良好であり、均一な厚みの塗膜が容易に得られ、かつ活物質や導電剤の均一分散が容易な電極用バインダ樹脂溶液、およびこの溶液を用いて得られる電極用塗液、さらにはこの塗液を用いて得られる電極の提供を目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、ヘミアセタールエステル化ポリアミック酸が非アミド系溶媒に溶解したポリイミド前駆体溶液を、電極形成用のバインダ樹脂溶液として用いることにより、前記課題が解決できることを見出し本発明の完成に至った。即ち、本発明は下記を趣旨とするものである。
1)ヘミアセタールエステル化ポリアミック酸と非アミド系溶媒(ただし、水を除く。)とからなる電極用バインダ樹脂溶液。
2)前記電極用バインダ樹脂溶液を用いて得られる電極用塗液。
3)前記電極用塗液を用いて得られる電極。
本発明の電極用バインダ樹脂溶液は、非アミド系溶媒からなるので環境適合性に優れ、かつ水を使用しないので加水分解が起こりにくく保存安定性が良好である。さらに 均一な厚みの塗膜が容易に得られ、かつ活物質や導電剤等の添加剤の均一な分散が容易である。従い、本発明の電極用バインダ樹脂溶液は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなど電気化学素子の電極形成用のバインダ樹脂溶液として好適に使用することができる。
本発明のヘミアセタールエステル化ポリアミック酸とは、ポリアミック酸のカルボン酸がヘミアセタールエステル化ホモポリマーまたはコポリマーである。
このヘミアセタールエステル化ポリアミック酸は、一般式(1)で表すことができる。


(式中、R1は四価の有機基であり、R2は二価の有機基であり、R3は一般式(2)


で表される有機基を表す。一般式(2)中、Xはアルキル基を表し、Yはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、Zは水素原子またはアルキル基を表す。前記アルキル基やシクロアルキル基の水素は、その一部がヒドロキシル基またはハロゲン原子に置換されていても良い。前記アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよい。Y及びZは結合して環構造を形成しても良い。nは1〜100の正数を表す。)
これらヘミアセタールエステル化ポリアミック酸は、溶媒中で、ポリアミック酸とビニルエーテル類を反応させることによって得ることができる。
ここで、前記ポリアミック酸はテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得ることができる。
前記テトラカルボン酸成分は、芳香族環を有するテトラカルボン酸類(テトラカルボン酸、その二無水物或いはエステル化物など)であって、具体的には、例えば、ピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸類、4,4’−オキシジフタル酸類、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸類、p−ターフェニルテトラカルボン酸類、m−ターフェニルテトラカルボン酸類等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
これらの中で、ピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類、4,4’−オキシジフタル酸類、およびそれらの混合物が好ましい。
前記ジアミン成分は、芳香族ジアミンであって、具体的には、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トルエンジアミン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン、2,4−ジアミノトルエンなどを挙げることができる。
これらの中で、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およびそれらの混合物が好ましく用いられる。
前記ポリアミック酸は、非アミド系溶媒中で、前記テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られたものを用いることが好ましい。このポリアミック酸は、例えば、特許第2951484号公報や3386856号公報等に記載されている方法で得ることができる。即ち、前記テトラカルボン酸成分とジアミン成分の略等モルを、このポリアミック酸を溶解しない非アミド系溶媒中で反応させて得ることができる。この反応温度は、−20〜60℃、特に0〜30℃が好ましい。このように非アミド系溶媒中で反応させると、反応生成物であるポリアミック酸は、溶媒には溶解せずに、溶媒中に懸濁状態になっているので、濾過・乾燥などの通常の方法によって溶媒を除去して粉体状のポリアミック酸を得ることができる。ここで、非アミド系溶媒とは、分子内にアミド結合を有しない分子からなる溶媒を言う。本発明においては、この非アミド系溶媒の中で、25℃でポリアミック酸の溶解度が溶媒100gに対し1g未満である溶媒を用いることが好ましく、具体的には、エーテル類、ケトン類等の溶媒を用いることができる。これらの中で、THF(テトラヒドロフラン)、アセトンおよびそれらの混合物が好ましく用いられる。このようにすることにより、非アミド系溶媒が残留しないポリアミック酸を得ることができる。なお、アミド系溶媒中で、前記テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて均一な溶液とした後、これに、ポリアミック酸の貧溶媒である前記非アミド系溶媒を加えことにより、ポリアミック酸を沈殿させ、粉体状のポリアミック酸を採取する方法が知られているが、この方法では、ポリアミック酸中に相当量のアミド系溶媒が残留することがある。
前記ポリイミド前駆体の固有粘度[η]は、0.7以上が好ましく、1.0以上よりが好ましく、1.2以上がさらに好ましい。[η]の値が大きいほど、閉環させポリイミドとした時に強度や弾性率等の特性が良好なものが得られやすい。なお、[η]は重合体の分子量と直接関係する値であり、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中でポリイミド前駆体濃度0.5質量%、25℃で測定する。
本発明のヘミアセタールエステル化ポリアミック酸は、前記ポリアミック酸とビニルエーテル類とを溶媒中で反応させることにより得ることができる。 ビニルエーテル類の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、トリシクロデカニルメチルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルメチルビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、エチレングリコールエチルビニルエーテル、エチレングリコールプロピルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールエチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールプロピルビニルエーテル、ポリエチレングリコールブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルビニルエーテル、プロピレングリコールメチルビニルエーテル、プロピレングリコールエチルビニルエーテル、プロピレングリコールプロピルビニルエーテル、プロピレングリコールブチルビニルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルビニルエーテル、ポリプロピレングリコールエチルビニルエーテル、ポリプロピレングリコールプロピルビニルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルビニルエーテル、ポリプロピレングリコールオクチルビニルエーテル、ブチレングリコールメチルビニルエーテル、ブチレングリコールエチルビニルエーテル、ブチレングリコールプロピルビニルエーテル、ブチレングリコールブチルビニルエーテル、ポリブチレングリコールメチルビニルエーテル、ポリブチレングリコールエチルビニルエーテル、ポリブチレングリコールプロピルビニルエーテル、ポリブチレングリコールブチルビニルエーテル、ポリブチレングリコールオクチルビニルエーテル、2−ビニロキシテトラヒドロピラン3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、イソプロピルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、sec−ペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、トリシクロデカニルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、1−メトキシエチルビニルエーテル、1−エトキシエチルビニルエーテル、1−メチル−2−メトキシエチルビニルエーテル、1−メチル−2−エトキシエチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルビニルエーテルなどを挙げることができる。 これらの中で、n−ブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルが好ましく用いられる。
前記ポリアミック酸と前記ビニルエーテル類とを溶媒中で反応させる際の反応温度としては、0〜60℃が好ましく、特に20〜50℃がより好ましい。溶媒としては、エステル類、ケトン類、エーテル等の溶媒を用いることができ、具体的には、GBL(γ−ブチロラクトン)、MEK(メチルエチルケトン)、ジオキサン等の非アミド系溶媒が好ましく用いられる。また、前記反応の際、ポリアミック酸に対するビニルエーテル類の配合量としては、ポリアミック酸の構成ユニット1モルに対し、1〜6モルが好ましく、2.5〜4モルがより好ましい。このよう設定することにより、ポリアミック酸の側鎖のカルボン酸の一部または全部がヘミアセタールエステル化したポリアミック酸をポリイミド前駆体として含む、均一なバインダ樹脂溶液を得ることができる。溶液とする際、前記ポリイミド前駆体の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。
前記の如くして得られたバインダ樹脂溶液に、リチウム二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等の電極活物質粒子を配合、混合、撹拌することにより、電極形成のための均一な塗液とすることができる。バインダ樹脂の配合量としては、電極活物質質量当たり1〜30質量%とすることが好ましく、5〜25質量%とすることが好ましい。また、塗液の固形分濃度としては、10〜40質量%とすることが好ましく、20〜30質量%とすることがより好ましい。ここで、電極活物質とは、電極を構成する正極および負極において、リチウムイオンを吸蔵保存できるものである。なお、前記バインダ樹脂溶液には、電極活物質以外に、必要に応じ、導電性のカーボンブラックや黒鉛粒子等の導電材、界面活性剤や粘度調整剤等の添加剤を配合することができる。
前記電極活物質としては、公知の物を使用することができる。即ち、正極活物質層として用いられる材料としては、例えばマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiO、およびLi(0<x<2)等のリチウム複合酸化物、ポリアニリンおよびポリチオフェン等の高分子化合物を挙げることができる。この中でもLiMn等のマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiOが好ましい。また、負極活物質粒子として用いられる材料としては、例えばグラファイト粒子、アモルファスカーボン粒子、シリコン系粒子、錫系粒子等を挙げることができる。この中でもグラファイト粒子、シリコン系粒子が好ましい。前記シリコン系粒子としては、例えば、シリコン単体、シリコン合金、シリコン・2酸化珪素複合体等の粒子が挙げられ、これらシリコン系粒子の中でも、シリコン単体の粒子が、好ましい。ここで、シリコン単体とは、純度が95質量%以上の結晶質もしくは非晶質のシリコンを言う。これら活物質粒子の粒子径としては、正極、負極いずれの場合も50μm以下が好ましく、さらに10μm以下が好ましい。また、粒径が小さすぎても樹脂バインダによる結着が難しくなるので、0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上の粒径のものが好ましい。
前記の如くして得られた本発明の電極形成用塗液は、銅箔やアルミニウム箔等の金属箔の導電性の集電体上に塗布して、80〜350℃、より好ましくは120〜300℃の温度範囲で加熱処理して、溶媒を除去するとともにイミド化反応することにより前記集電体上に均一な厚みの活物質層が形成された電極を得ることができる。 ここで、活物質層の厚みは、10〜200μm程度、気孔率は10〜40体積%程度とすることが好ましい。得られた本発明の電極は、厚みが均一であるので、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタの電極として特に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<ポリアミック酸粉体の調製>
実施例および比較例で使用したポリアミック酸粉体Aを以下のようにして調製した。すなわち、特許第2951484号実施例3記載の方法により、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から[η]が1.96のポリアミック酸粉体Aを得た。
[実施例1]
ポリアミック酸粉体Aにn−ブチルビニルエーテルを添加し、GBL(γ−ブチロラクトン)中、撹拌下、40℃で24時間反応させ、前記一般式(2)において、Xがメチル基、Zが水素、Yがn−ブチル基であるヘミアセタールエステル化ポリアミック酸をバインダとして含む均一な電極用ポリイミド前駆体溶液A−1(固形分濃度:5質量%)を得た。ここで、n−ブチルビニルエーテルの使用量は、ポリアミック酸の構成ユニット1モルに対し3.5モルであった。このポリイミド前駆体溶液と平均粒径0.8μmのシリコン粒子と希釈用のGBLとを混合、撹拌して電極(リチウム二次電池用負極)活物質であるシリコン粒子が均一に分散された電極形成用塗液a−1を得た。ここで、この塗液の総固形分(ヘミアセタールエステル化ポリアミック酸とシリコン粒子)濃度は25質量%であり、バインダ樹脂の配合量は、シリコン粒子の質量当たり25質量%であった。
[実施例2]
n−ブチルビニルエーテルを2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとしたこと以外は、実施例1と同様にして、前記一般式(2)において、Xがメチル基、Zが水素、Yが2−ヒドロキシエチル基であるヘミアセタールエステル化ポリアミック酸をバインダとして含む電極用ポリイミド前駆体溶液A−2および電極形成用塗液a−2を得た。
[実施例3]
n−ブチルビニルエーテルをシクロヘキシルビニルエーテルとしたこと以外は、実施例1と同様にして、前記一般式(2)において、Xがメチル基、Zが水素、Yがシクロヘキシル基であるヘミアセタールエステル化ポリアミック酸をバインダとして含む電極用ポリイミド前駆体溶液A−3および電極形成用塗液a−3を得た。
[比較例1]
n−ブチルビニルエーテルを添加することなく、実施例1と同様にして、電極用ポリイミド前駆体溶液を得ようとしたが、ポリアミック酸粉体AはGBLに完全には溶解せず、均一な溶液を得ることはできなかった。
[比較例2]
n−ブチルビニルエーテルを1,2−ジメチルイミダゾールとし、GBLを水としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリアミック酸の1,2−ジメチルイミダゾール塩をバインダとして含む均一な、総固形分(ポリアミック酸のイミダゾール塩とシリコン微粒子)濃度が25質量%の電極用ポリイミド前駆体溶液A−4および電極形成用塗液a−4を得た。
[比較例3]
1,2−ジメチルイミダゾールを2ーエチル−4−メチルイミダゾールとしたこと以外は、比較例2と同様の操作を行い、ポリアミック酸の2ーエチル−4−メチルイミダゾールの塩をバインダとして含む均一な電極用ポリイミド前駆体溶液A−5および電極形成用塗液a−5を得た。
<前駆体溶液の評価>
前記ポリイミド前駆体溶液A−1〜A−5を25℃で100時間放置した後のポリアミック酸の固有粘度を測定した所、A−1〜A−3についてはその低下率が10%未満であったのに対し、A−4〜A−5についてはその低下率が10%を超えていた。
<電極の評価>
実施例1〜3および比較例2〜3で得られた電極形成用塗液a−1〜a−5を基材である集電体である厚さ18μmの銅箔上にフィルムアプリケーターを用いて塗布し、その塗膜を、窒素ガス雰囲気化、50℃で10分間、80℃で30分間、120℃で30分間、200℃で20分間、300℃で20分間、次いで350℃で10分間加熱処理して、厚みが約40μmで、気孔率が約30%の活物質層が形成されたリチウム二次電池用電極を得た。(これらの電極をa1〜a5とする。)これらの電極を10cm角(100cm)に切り出した後、任意の9か所の活物質層の厚みを測定した。その結果、電極a1〜a3は、その厚みの変動幅が平均値に対し±5%以下であったのに対し、電極a4〜a5は前記変動幅が±5%を超えていた。
前記評価結果から、本発明の電極用バインダ樹脂溶液およびそれから得られる電極用塗液は、保存安定性やレベリング性に優れ、かつ、この電極用塗液から得られる電極は厚み均一性が良好であることが明らかである。

Claims (3)

  1. ヘミアセタールエステル化ポリアミック酸と非アミド系溶媒(ただし、水を除く。)とからなる電極用バインダ樹脂溶液。
  2. 請求項1記載の電極用バインダ樹脂溶液を用いて得られる電極用塗液。
  3. 請求項2記載の電極用塗液を用いて得られる電極。
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