JP5994716B2 - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石からなるロータと、複数相のステータコイルとを有するブラシレスモータの制御装置に関する。
例えば特許文献1には、モータによって圧縮機を駆動する場合に、圧縮機内部のオイルの粘度が高くなったり、内部に侵入した水分が凝固したりしたことが原因でモータが高負荷状態となり、当該モータの起動が失敗したとき、モータの起動電圧を大きくするとともに、モータの回転位置を変更する処理を行う装置が開示されている。
特開2009−270786号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、最初にモータを起動するときは、モータの回転位置(ロータの磁極位置)をなんら考慮することなく、モータ駆動回路を介して、モータに起動電圧が印加される。
ここで、ブラシレスモータをセンサレス駆動にて起動する場合、その起動を効率的に行うには、ロータを所定の角度位置に位置決めした後、その角度位置から、ブラシレスモータを同期回転することが望まれる。
このロータの位置決めは、例えば特定の相(W相)から他の相(U相又はV相)へ直流電流を出力することによって行なうことが可能である。また、特定の相から他の相への通電処理を、相を変更しつつ2回以上行なうことによっても可能である。
ただし、ブラシレスモータが高負荷状態であるときに、その負荷に打ち勝ってロータを所定の角度位置に位置決めできるようにするには、例えばブラシレスモータのステータコイルに通電する電流を大きくして、ブラシレスモータを高トルクで回転させることが必要である。その一方で、ブラシレスモータが定常負荷状態であるときに、ブラシレスモータを高トルクで回転させると、ブラシレスモータが回り過ぎてしまい、ロータを狙いとする角度位置に位置決めすることが困難になる。さらに、この場合、消費電流も増加するとの問題も生じる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、ブラシレスモータをセンサレス駆動にて起動する際に、ブラシレスモータの負荷に応じて、位置決めのための適切な電流をステータコイルに通電することが可能なブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によるブラシレスモータ(10)の制御装置は、
少なくともステータコイルの特定の相に電流を通電してロータの位置決めを行う第1の位置決め処理と、当該位置決めされたロータを回転させる回転磁界が発生するように、通電する相を切り替えつつ複数相のステータコイルに電流を通電して、ブラシレスモータを回転させる第1の回転処理とを実行することにより、ブラシレスモータを起動する第1の起動手段(S110、S120)と、
ステータコイルの非通電相に誘起される誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段(18)と、
誘起電圧検出手段によって検出される誘起電圧からロータの回転位置を検出し、当該ロータの回転位置に基づいて、第1の起動手段によるブラシレスモータの起動が成功したか否かを判定する判定手段(S140)と、
判定手段によって起動が失敗したと判定された場合、少なくともステータコイルの特定の相に電流を通電してロータの位置決めを行う第2の位置決め処理と、通電する相を切り替えつつ複数相のステータコイルに電流を通電して、ブラシレスモータを回転させる第2の回転処理とを実行することにより、ブラシレスモータを起動する第2の起動手段(S150、S160)と、を備え
第1及び第2の起動手段は、ステータコイルの特定の相への通電により誘起電圧が検出されると、当該誘起電圧に基づいてロータの回転位置及び回転方向を求め、それらロータの回転位置及び回転方向に応じて、特定の相から、通電を切り替えるべきステータコイルの通電相を決定し、その通電相に電流を通電することによりロータの位置決めを完了するものであり、
第2の起動手段の第2の位置決め処理において、特定の相への通電、及び特定の相から切り替えられる通電相への通電に関し、第1の起動手段の第1の位置決め処理に比較して、電流値の増加と電流通電時間の伸長との少なくとも一方が行なわれることを特徴とする。
上記構成により、ブラシレスモータの起動は、まず第1の起動手段により実行される。この第1の起動手段は、位置決めのために、ステータコイルの特定の相に通電される電流が、第2の起動手段よりも、電流値が小さいか、もしくは電流通電時間が短くなっている。このため、ブラシレスモータが定常負荷状態にある場合に、ロータを位置決めするためのトルクとして、過剰なトルクが発生することがなく、ロータを狙いとする角度位置に適切に位置決めすることができる。
そして、第1の起動手段によるブラシスレスモータの起動が失敗したときには、第2の起動手段による起動が試みられる。この第2の起動手段は、ステータコイルの特定の相に電流を通電する際に、第1の起動手段よりも、通電電流値が増加されるか、もしくは電流通電時間が伸長されている。このため、ブラシレスモータが高負荷状態であって、第1の起動手段による起動が失敗した場合であっても、ブラシレスモータを起動する可能性を高めることができる。
なお、上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の本発明の特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
実施形態におけるブラシレスモータの制御装置の全体構成を示す構成図である。 モータコントローラにより実行されるブラシレスモータの制御処理を示したフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS110の処理の詳細を示したフローチャートである。 第1の位置決め処理後に、第2の位置決め処理が行われて、ブラシレスモータが起動されたときの様子を表したタイムチャートである。 第1の変形例における、ブラシレスモータの制御処理を示したフローチャートである。 第2の変形例における、ブラシレスモータの制御処理を示したフローチャートである。 第3の変形例における、ブラシレスモータの制御処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態によるブラシレスモータの制御装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態におけるブラシレスモータは、車両において、燃料タンクに貯留された燃料を汲み上げて、燃料噴射システムへ提供する燃料ポンプを駆動するために用いられるものである。
図1において、ブラシレスモータ10は、3相の永久磁石同期モータであり、例えば埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)を用いることができる。
ブラシレスモータ10は、インバータ16を介して、バッテリに接続されている。インバータ16は、公知のように、ブラシレスモータ10の各相のステータコイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)に対応して、それぞれバッテリとグランドとの間で直列接続された3対のスイッチング素子を有している。そして、それぞれ対となるスイッチング素子の接続点が、各相のコイルに接続されている。このような構成において、モータコントローラ14から与えられる操作信号により、3対のスイッチング素子の内、所定の組み合わせの高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子とが同時にオンされるとともに、そのオンされる高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の組み合わせが切り替えられる。これにより、順番にバッテリから各相のコイルに駆動電流が通電され、ブラシレスモータ10の回転子を回転させるための回転磁界が発生される。
本実施形態によるブラシレスモータの制御装置は、ブラシレスモータ10の各相のコイルにおいて、駆動電流が流れていない空きコイルに誘起される誘起電圧を検出するための電圧検出部18を備えている。すなわち、本実施形態によるブラシレスモータの制御装置では、いわゆるセンサレスにて、ブラシレスモータ10(ロータ)の回転位置を検出する。
電圧検出部18は、各相のコイルの誘起電圧を検出して、モータコントローラ14に出力する。モータコントローラ14は、入力された各相のコイルの誘起電圧に基づき、ロータの回転位置や回転速度を検出する。具体的には、ステータコイルの仮想中性点の電圧またはバッテリ電圧の1/2の電圧等の基準電圧を持ち、この基準電圧と誘起電圧との比較結果に基づいて、ロータの回転位置を検出する。また、複数回のロータの回転位置から、その回転位置の単位時間あたりの変化量である回転速度を検出する。
そして、モータコントローラ14は、検出したロータの回転位置に応じた通電相に駆動電流を通電し、かつ回転位置の変化に応じて通電相を切り替えるように、インバータ16の3対のスイッチング素子を操作する操作信号を生成して出力する。この操作信号は、PWM信号であり、操作信号のデューティ比により、各相のコイルに通電される駆動電流の大きさを制御することが可能である。そして、駆動電流が大きくなるとモータトルクが高くなり、逆に、駆動電流が小さくなると、モータトルクは減少する。
さらに、モータコントローラ14は、ロータの位置決めのため、ステータコイルの特定の相に電流を通電しているときにも、電圧検出部18から、非通電相のコイルの誘起電圧を入力する。そして、誘起電圧が検出されたコイルの相と、誘起電圧の極性に基づき、ロータの回転位置及び回転方向を検出する。そして、検出したロータの回転位置及び回転方向に応じて、上述した特定の相から、通電を切り替えるべきステータコイルの通電相を決定する。その決定した通電相に電流を通電することにより、ロータの位置決めが完了される。このような位置決め処理を行うことにより、ロータの位置決めを完了するまでの時間を短縮することができる。なお、ロータの位置決め処理を含むブラシレスモータ10の起動処理について、後に詳細に説明する。ただし、位置決め処理に関しては、特定の相(W相)から他の相(U相又はV相)へ直流電流を出力するだけの処理であっても良いし、特定の相から他の相への通電処理を、相を変更しつつ2回以上行なう処理であっても良い。
上位ECU12とモータコントローラ14とは、車内LANを介して接続されており、CANプロトロルやLINプロトコルなどの通信プロトコルに従って相互に通信を行うことが可能である。上位ECU12は、ブラシレスモータ10の制御に関する目標値を決定し、通信により、その目標値をモータコントローラ14に与える。
例えば、上位ECU12は、車両のエンジンの運転状態、運転負荷などに基づき、燃料ポンプから燃料噴射システムに供給すべき燃料の燃料圧を算出し、その燃料圧を達成するためのブラシレスモータ10の目標回転数を定める。そして、上位ECU12は、算出した目標回転数をモータコントローラ14に与える。すると、モータコントローラ14は、ブラシレスモータ10の回転数を目標回転数に一致させるための操作信号を生成し、インバータ16に出力する。このようにして、ブラシレスモータ10の回転数が目標回転数に一致するように、回転制御が行われる。
次に、モータコントローラ14によって行われるブラシレスモータ10の制御について、図2及び図3のフローチャート及び図4のタイムチャートを用いて詳細に説明する。図2のフローチャートに示す制御処理は、ブラシレスモータ10が停止しているときに、ブラシレスモータ10を起動させ、その後、目標回転数に一致するように、ブラシレスモータの回転数を制御するためのものである。
ブラシレスモータ10が停止しているときは、ステータコイルは誘起電圧を発生していないため、ロータの回転位置を検出することはできない。そのため、モータコントローラ14は、まず、ステップS110において、ブラシレスモータ10のロータを所定の回転位置に位置決めするための第1の位置決め処理を実行する。この第1の位置決め処理では、ブラシレスモータの負荷が定常負荷である場合に、そのブラシレスモータを回転させることが可能なトルクが発生され、それにより、ロータが所定の回転位置に位置決めされる。その後、ステップS120において、位置決めされたロータを回転させるための回転磁界をステータコイルにより発生させて、ロータを同期回転させる第1の同期回転処理を実行する。従って、ブラシレスモータの負荷が定常負荷である場合には、このような第1の位置決め処理及び第1の同期回転処理からなる第1の起動処理により、ブラシレスモータ10を起動することが可能である。
ここで、第1の位置決め処理について説明する。図3のフローチャートは、第1の位置決め処理の詳細を示している。以下、図3のフローチャートを参照しつつ、第1の位置決め処理について説明する。
まず、ステップS210において、予め定められた所定の二相のコイルに対して二相通電を実行する。この二相通電では、操作信号のデューティ比を変化させることにより、通電電流値を時間の経過とともに徐々に増加させる。例えば、二相通電として、U相コイルからV相コイルへ電流を流す。これにより、ステータにはU相を基準(0度)としてU相からV相、W相を順に角変位する回転方向に150度だけ角変位した位置にN極が形成され、330度だけ角変位した位置にS極が形成されるようになる。この磁界によりロータが回転すると、非通電の空きコイルであるW相コイルに誘起電圧が発生する。なお、二相通電は任意の相を選択して実行することが可能である。
続くステップS220では、空きコイルに発生した誘起電圧を検出するとともに、ステータコイルの仮想中性点の電圧またはバッテリ電圧の1/2の電圧を、基準電圧として検出する。そして、ステップS230において、空きコイルにより誘起電圧が発生され、その誘起電圧が検出できたか否かを判定する。ブラシレスモータの負荷が定常負荷であれば、ロータは回転可能であり、空きコイルにより発生された誘起電圧を検出することができる。一方、ブラシレスモータの負荷が高負荷である場合には、ロータは回転することができず、誘起電圧が検出できない場合がある。
なお、燃料内には、各種の異物が混入する可能性がある。燃料ポンプには、通常、フィルタが設けられ、異物等が燃料ポンプ内に侵入しないようにしているが、全ての異物等を捕獲することは困難である。そして、異物を含む燃料が燃料ポンプの可動部に噛み込むと、燃料ポンプが高負荷状態となる。
ステップS230において、誘起電圧が検出できたと判定されるとステップS240に進み、誘起電圧が検出できないと判定されると、ステップS290に進む。ステップS240では、二相通電されるモータ電流の電流値の増加が停止される。つまり、ステップS210において、所定の二相のコイルに通電されるモータ電流は、時間の経過とともに徐々に増加されるが、誘起電圧が検出されると増加が停止され、その検出時点の電流値に維持もしくは減少される。一方、ステップS290では、モータ電流が、予め定められた第1の上限値に達したか否かが判定される。この判定処理において、モータ電流は第1の上限値に達していないと判定されると、ステップS220、S230の処理が繰り返されるが、第1の上限値に達したと判定されると、図3のフローチャートに示す処理を終了する。
このように本実施形態では、第1の位置決め処理において、二相通電されるモータ電流の上限値(第1の上限値)が予め定められており、モータ電流は、その第1の上限値まで徐々に増加される。ただし、その増加途中で、ロータが回転し、空きコイルが誘起電圧を発生すると、その時点で、モータ電流の増加は停止される。このため、ロータを回転させ始めることができる範囲で極力小さい電流を通電するだけで済むので、位置決め時の消費電流を低減することができる。一方、モータ電流が第1の上限値まで上昇しても、誘起電圧が検出されない場合には、第1の位置決め処理による位置決めはできないとみなして、図3のフローチャートに示す処理を終了するのである。
ステップS240の後に実行されるステップS250では、誘起電圧を発生したステータコイルの相に基づき、ロータの磁極位置範囲を推定する。この磁極位置範囲は、ロータの磁極位置が誘起電圧の極性に応じて予め定められる角度範囲に存在するものとして求められる。例えば上記のケースにおいて、誘起電圧の極性が負である場合には、磁極位置範囲は、空きコイル(W相コイル)が位置する基準位置から回転方向に90度だけ角変位する位置までの第一の角度範囲(すなわち、240度〜330度の範囲)と、回転中心についてこの第一の角度範囲と点対称の関係にある第二の角度範囲(すなわち、60度〜150度の範囲)とからなる範囲として求められる。また、上記のケースにおいて、誘起電圧の極性が正である場合には、磁極位置範囲は、空きコイル(W相コイル)が位置する基準位置から逆回転方向に90度だけ角変位する位置までの第三の角度範囲(すなわち、150度〜240度の範囲)と、回転中心についてこの第三の角度範囲と点対称の関係にある第四の角度範囲(すなわち、0度〜60度の範囲及び330度〜360度の範囲)とからなる範囲として求められる。
次に、ステップS260において、検出された誘起電圧及び基準電圧に基づいて、誘起電圧の極性を判定する。誘起電圧の極性が負である場合には、ステップS270の処理に進み、正である場合には、ステップS280の処理に進む。
ステップS270では、誘起電圧の極性が負であるときに求められる磁極位置範囲に含まれない角度範囲であって、その境界角度から90度以内の角度範囲にS極を形成するように、ステータコイルの各相に通電する。この際、ステータコイルの各相に通電される電流値は、ステップS230において誘起電圧が検出されたと判定された時点の電流値を用いることが好ましい。これにより、ブラシレスモータの負荷に応じた適切な電流値にて、ロータの回転位置の位置決めを行うことができる。ただし、電流値は、第1の上限値であっても良い。このようにして、そのS極の形成角度を位置決め角度とする位置決め処理を実行する。
例えば、上記のケースでは、S極の形成角度の範囲は、330度〜360度及び0度〜60度の範囲となる。そして、この角度範囲にS極を形成するための通電パターンの一例としては、U相コイルからV相コイル及びW相コイルに電流が通電されるようにすれば良い。これにより、0度(U相コイルに対応する位置)にS極を形成することができる。
一方、ステップS270では、誘起電圧の極性が正であるときに求められる磁極位置範囲に含まれない角度範囲であって、その境界角度から90度以内の角度範囲にS極を形成するように、ステータコイルの各相に通電する。例えば、上記のケースでは、S極の形成角度の範囲は、240度〜330度の範囲となる。そして、この角度範囲にS極を形成するための通電パターンの一例としては、U相コイル及びW相コイルからV相コイルに電流が通電されるようにすれば良い。これにより、300度(U相コイルとW相コイルの中間に対応する位置)にS極を形成することができる。
上述したように、空きコイルが発生した誘起電圧の極性、すなわち回転方向を考慮しつつ、位置決め角度を定めて、位置決め処理を実行することにより、ロータの位置決めが完了するまでの時間を短縮することが可能となる。
なお、上述した位置決め処理は、本出願人が出願した特開2001−36083号公報に詳しく説明されているので、これ以上の説明は省略する。
再び、図2のフローチャートに戻って説明を続ける。ステップS110,S120の後に実行されるステップS130では、空きコイルによって発生される誘起電圧に基づき、ロータの磁極位置の検出を行う。そして、ステップS140では、ステップS130にて検出された磁極位置からロータの回転速度を求め、この回転速度が所定速度以上となったか否かにより、ブラシレスモータ10の起動が成功したか否かを判定する。この判定処理において、起動が失敗したと判定された場合、ステップS150の処理に進み、成功したと判定された場合、ステップS170の処理に進む。
ステップS150では、ブラシレスモータ10のロータを所定の回転位置に位置決めするための第2の位置決め処理が実行される。この第2の位置決め処理の内容は、基本的に、図3のフローチャートを用いて説明した第1の位置決め処理と同様である。
ただし、第2の位置決め処理では、ブラシレスモータ10の負荷が高負荷であっても、ブラシレスモータ10を回転させることが可能なトルクが発生できるように、位置決めのために二相通電される電流の上限値(第2の上限値)が、第1の位置決め処理における第1の上限値よりも高く設定されている。
また、第2の位置決め処理では、二相通電を行う際に、電流値を増加する勾配を、第1の位置決め処理よりも急峻にしても良い。第2の位置決め処理は、第1の位置決め処理では、ブラシレスモータ10の起動が失敗したときに実行されるものであり、第1の上限値以下の電流値では、ロータが回転を開始する可能性は低い。そのため、第1の位置決め処理よりも、素早く電流値を上昇させることで、ロータが回転し始めるまでの時間を短くすることが可能になる。なお、第1の位置決め処理と第2の位置決め処理とで、二相通電する際の特定の相と他の相の組み合わせは、同じであっても良いし、異なっていても良い。
さらに、二相通電の後に、誘起電圧の極性に応じて決定される位置決め角度にS極を形成するための通電パターンにて各相コイルに通電される電流値を、誘起電圧が検出されたときの電流値とすることにより、第2の位置決め処理における電流値は、第1の位置決め処理における電流値よりも大きくなる。これにより、第2の位置決め処理を実行することにより、ブラシレスモータが高負荷であっても、ロータを狙いとする角度へ確実に位置決めすることが可能になる。なお、第2の位置決め処理において、二相通電の後に、各相コイルに通電される電流の値は、第2の上限値であっても良い。
そして、ステップS160では、位置決めされたロータを回転させるための回転磁界をステータコイルにより発生させて、ロータを同期回転させる第2の同期回転処理を実行する。この第2の同期回転処理も、基本的には、第1の同期回転処理と同様である。ただし、回転磁界を発生させるためにステータコイルに通電する電流の値は、第2の同期回転処理の方が、第1の同期回転処理よりも大きくなるように設定されている。これにより、ブラシレスモータ10の負荷の大きさに見合った電流値により、同期回転処理を行うことが可能になる。
従って、ブラシレスモータの負荷が高負荷であっても、このような第2の位置決め処理及び第2の同期回転処理からなる第2の起動処理により、ブラシレスモータ10を起動することが可能となる。
ステップS170では、上位ECU12から制御指令信号を受診する。この制御指令信号は、ブラシレスモータ10を駆動する必要があるときには目標回転速度を含み、停止する必要があるときには、停止指示を含むものである。続くステップS180では、制御指令信号により停止が指示されたか否かを判定する。停止が指示された場合には、図2のフローチャートに示す処理を終了する。一方、ブラシレスモータ10の駆動が指示され、目標回転速度が与えられた場合には、ステップS190に進んで、ブラシレスモータ10の回転数が目標回転数に一致するように、インバータ16を介して、ブラシレスモータ10を駆動する。
モータコントローラ14の電源がオンされた後、上述した制御処理を実行することにより、図4のタイムチャートに示すように、まず、第1の位置決め処理を含む第1の起動処理により、ブラシレスモータ10の起動が試みられる。第1の位置決め処理では、特定の相に通電される電流値が、第1の上限値によって制限される。このため、第1の位置決め処理における通電電流値は、第2の位置決め処理よりも小さくなる。その結果、ブラシレスモータ10が定常負荷状態にある場合に、ロータを位置決めするためのトルクとして、過剰なトルクが発生することがなく、ロータを狙いとする角度位置に適切に位置決めすることができる。
そして、第1の起動処理によるブラシスレスモータ10の起動が失敗したときには、第2の位置決め処理を含む第2の起動処理による起動が試みられる。この第2の起動処理では、第2の位置決め処理において、二相通電によりステータコイルの特定の相に電流を通電する際に、第1の上限値よりも大きな第2の上限値を用いるので、第1の起動処理よりも、大きな値の電流を通電することが可能である。このため、ブラシレスモータ10が高負荷状態であって、第1の起動処理による起動が失敗した場合であっても、ブラシレスモータ10を起動する可能性を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、第2の起動処理の各場面において、第1の起動処理の各場面と比較して、通電電流値を大きくする例について説明した。しかしながら、第1の起動処理と第2の起動処理とで、通電する電流値は同じにしつつ、第2の起動処理において、第1の起動処理に比較して、電流通電時間を長くするようにしても良い。このようにしても、第2の起動処理により、高負荷状態のブラシレスモータ10を起動する可能性を高めることができる。さらに、第2の起動処理において、通電電流値の増加と、電流通電時間の伸長とを同時に採用しても良い。
また、上述した図2のフローチャートに対して、図5のフローチャートに示すように、ブラシレスモータの起動が成功することなく、第2の起動処理による起動の失敗時間(もしくは第1及び第2の起動処理の失敗累積時間)、あるいは失敗回数(もしくは第1及び第2の起動処理の失敗累積回数)が所定値以上となったか否かを判定するステップS145を追加しても良い。第2の起動処理によっても起動できないほどブラシレスモータの負荷が大きい場合に、無駄に起動処理を繰り返すことを防止するためである。
この場合、図6のフローチャートに示すように、上位ECU12から停止指示がなされたときに、失敗時間(失敗累積時間)あるいは失敗回数(失敗累積回数)をクリアするステップS192を追加しても良い。これにより、ブラシレスモータ10の起動に失敗して、失敗時間や失敗回数が記録されていても、その後、正常にブラシレスモータが起動された上で停止される場合に、その記録を消去することができる。
あるいは、図7のフローチャートに示すように、ステップS194、S196を追加して、1回でも起動失敗の事実があれば、その旨を示す起動失敗情報を記憶するようにしても良い。そして、次回、ブラシレスモータ10を起動する際には、ステップS105において、起動失敗情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、第1の起動処理を行うことなく、最初から、第2の起動処理によりブラシレスモータ10を起動するようにしても良い。このような処理を追加することにより、例えば、温度や経時変化等の原因で、燃料の粘度が上昇してブラシレスモータ10の負荷が増加している場合であっても、ブラシレスモータ10を円滑に起動することが可能になる。
10 ブラシレスモータ
12 上位ECU
14 モータコントローラ
16 インバータ
18 電圧検出部

Claims (6)

  1. 永久磁石からなるロータと、複数相のステータコイルとを有するブラシレスモータ(10)の制御装置であって、
    少なくとも前記ステータコイルの特定の相に電流を通電して前記ロータの位置決めを行う第1の位置決め処理と、当該位置決めされたロータを回転させる回転磁界が発生するように、通電する相を切り替えつつ前記複数相のステータコイルに電流を通電して、前記ブラシレスモータを回転させる第1の回転処理とを実行することにより、前記ブラシレスモータを起動する第1の起動手段(S110、S120)と、
    前記ステータコイルの非通電相に誘起される誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段(18)と、
    前記誘起電圧検出手段によって検出される誘起電圧から前記ロータの回転位置を検出し、当該ロータの回転位置に基づいて、前記第1の起動手段による前記ブラシレスモータの起動が成功したか否かを判定する判定手段(S140)と、
    前記判定手段によって起動が失敗したと判定された場合、少なくとも前記ステータコイルの特定の相に電流を通電して前記ロータの位置決めを行う第2の位置決め処理と、通電する相を切り替えつつ前記複数相のステータコイルに電流を通電して、前記ブラシレスモータを回転させる第2の回転処理とを実行することにより、前記ブラシレスモータを起動する第2の起動手段(S150、S160)と、を備え
    前記第1及び第2の起動手段は、前記ステータコイルの特定の相への通電により前記誘起電圧が検出されると、当該誘起電圧に基づいて前記ロータの回転位置及び回転方向を求め、それらロータの回転位置及び回転方向に応じて、前記特定の相から、通電を切り替えるべき前記ステータコイルの通電相を決定し、その通電相に電流を通電することにより前記ロータの位置決めを完了するものであり、
    前記第2の起動手段の第2の位置決め処理において、前記特定の相への通電、及び特定の相から切り替えられる通電相への通電に関し、前記第1の起動手段の第1の位置決め処理に比較して、電流値の増加と電流通電時間の伸長との少なくとも一方が行なわれることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  2. 前記第1及び第2の起動手段は、前記ステータコイルの特定の相に電流を通電するとき、その電流値を時間の経過とともに増加させ、第2の位置決め処理における電流の上限値は、第1の位置決め処理における電流の上限値よりも大きい値に設定されており、
    前記第1及び第2の起動手段は、それぞれの電流の上限値に向けて電流を増加させている途中で、前記誘起電圧が検出されると、その時点で、電流の増加を停止することを特徴とする請求項に記載のブラシレスモータの制御装置。
  3. 前記第2の起動手段の第2の回転処理において、通電する相を切り替えつつ前記複数相のステータコイルに電流を通電する際、前記第1の起動手段の第1の回転処理に比較して、電流値の増加と電流通電時間の伸長との少なくとも一方が行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシレスモータの制御装置。
  4. 前記第2の起動手段による前記ブラシレスモータの起動によっても、起動の失敗が所定時間継続するか、もしくは所定回数に達した場合、前記第2の起動手段は、前記ブラシレスモータを起動させるための処理を停止することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のブラシレスモータの制御装置。
  5. 前記ブラシレスモータの起動が少なくとも1回失敗した後に、前記ブラシレスモータの起動に成功した場合、前記ブラシレスモータが停止されるまでに、前記ブラシレスモータの起動失敗時間もしくは起動失敗回数をクリアすることを特徴とする請求項に記載のブラシレスモータの制御装置。
  6. 前記第1の起動手段及び第2の起動手段による、前記ブラシレスモータの起動が少なくとも1回失敗した場合、起動に失敗した旨を示す情報を記憶する記憶手段(S196)を有し、
    前記記憶手段に起動に失敗した旨を示す情報が記憶されている場合、前記第1の起動手段は前記ブラシレスモータの起動処理を行なわず、最初から、前記第2の起動手段が前記ブラシレスモータの起動処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のブラシレスモータの制御装置。
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