JP5993997B2 - 火災報知設備 - Google Patents
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Description
図1は実施の形態に係る火災報知設備の一例を示すシステム構成図である。図1に示す火災報知設備は、監視対象となる建物に設置され、火災の発生を検知したときにこれを報知するシステムである。
感知器Dは、火災現象に基づく検知対象物の物理量または物理的変化を検出し、検出内容に応じた状態信号を無線信号として送信する。感知器Dとして、例えば、検出した煙濃度に基づくアナログ値または火災信号を無線信号として出力する無線式の煙感知器、検出した周囲温度に基づくアナログ値または火災信号を無線信号として出力する無線式の熱感知器等が使用されている。
リピータ中継器Cは、無線式中継器Bと感知器Dとの間に介在し、無線信号の中継を行う。そのリピータ中継器Cは、無線式中継器Bと感知器Dとの間で互いに電波が届かない場合に設けられる。図1のグループG1に示すリピータ中継器C2、C3のように、無線式中継器Bと感知器Dとの間に2台以上のリピータ中継器Cを設けて中継させることも可能である。
リピータ中継器Cは、制御回路11、電池2、定電圧回路3、電圧検出回路4、送受信回路5、アンテナ6、表示灯回路8、登録スイッチ9を備えている。リピータ中継器Cは、前述の感知器Dと異なり火災検出回路7を備えておらず、また、制御回路11の動作内容も異なるが、その他の構成については感知器Dと基本的に同様である。なお、リピータ中継器Cに例えば図2の感知器Dに示すような火災検出回路7や煙や熱等を感知するセンサを設け、リピータ中継器Cが火災検出機能を有する構成としてもよい。
無線式中継器Bは、感知器D及びリピータ中継器Cとの間で無線信号を送受信し、感知器Dあるいはリピータ中継器Cからの無線信号を火災受信機Aに転送する機能を有している。図示せぬ記憶素子には、本中継器Bの機能を実行させるプログラムや各種データ、グループIDと登録した機器のアドレス及び通信経路情報(後述する)等が保存されている。
無線式中継器Bは、制御回路21、定電圧回路3、電圧検出回路4、送受信回路5、アンテナ6、表示灯回路8、登録スイッチ9、受信機I/F回路22、電源線用端子20a、信号線用端子20bを備える。無線式中継器Bは、前述の感知器Dやリピータ中継器Cのように電池駆動ではなく、火災受信機Aと電源線用端子20aとを接続する電源線を介して火災受信機AからDC電源を供給される。また、火災受信機Aと信号線用端子20bとが信号線(伝送線CL)で接続されており、無線式中継器Bは受信機I/F回路22を介して火災受信機Aと信号を送受信する。また、制御回路21の動作内容及び記憶素子21aに記憶される情報が一部異なるが、その他の構成については感知器Dやリピータ中継器Cと基本的に同様である。
図5は実施の形態における外部試験器の主要構成を示すブロック図である。
外部試験器Eは、制御回路31、電池2、定電圧回路3、電圧検出回路4、送受信回路5、アンテナ6、表示灯回路8、表示部8a、例えば、試験機能等の実行を選択する処理選択スイッチ39、ブザー10を備えている。
電池2は、定電圧回路3に直流電圧を供給する。定電圧回路3は、電池2の直流電圧を所定電圧に制御し、制御回路31、送受信回路5、表示灯回路8、ブザー10等に供給する。電圧検出回路4は、例えば、定電圧回路3に印加される電池2の直流電圧を検出し、検出電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路31に出力する。電圧検出回路4は、電池残量が低下したこと、あるいは電池切れの閾値より低下したことを検出すると、制御回路31に出力して、表示灯回路8させる。
無線式中継器Bは外部試験器Eからの機器特定信号を受信すると、受信信号レベルが所定値以上かどうかを判定し、受信信号レベルが所定値以上のときは、所定期間内に乱数タイミングによって応答信号を外部試験器Eに無線送信する。この応答信号には、工場出荷時に予め記憶素子21aに記憶させた機器固有の機器IDが送信元として含まれる。
次に、外部試験器Eは無線式中継器Bからの応答信号を受信すると、応答信号に含まれる無線式中継器Bの機器IDを送信先として機器特定確認信号を送信する。
このとき、外部試験器Eが複数の無線式中継器Bから応答信号を受信したときは、応答信号の受信信号レベルが大きいものを選択してその機器IDを送信先に設定する。
無線式中継器Bは外部試験器Eからの機器特定確認信号を受信すると、外部試験器Eに応答信号を送信するとともに、例えば、表示部であるLEDを点滅することによって機器特定完了した旨を報知する。
火災報知設備100の主要な動作の一つ目は、火災監視である。具体的には、各感知器Dは、自身の監視領域において火災発生の有無を監視する。そして、感知器Dが火災による煙や熱などの環境の変化を検知すると、この検知情報が、リピータ中継器Cを介してあるいは直接、無線式中継器Bに無線信号により伝えられる。さらに無線式中継器Bから火災受信機Aに対し、検知情報が伝えられる。火災受信機Aは、火災の検知情報を受信すると、図示しない音響警報装置を制御して火災報知を行わせると共に、図示しない防火戸や排煙機、シャッター等を作動させて延焼を防ぐ。
また、火災報知設備100の主要な動作の二つ目は、状態収集処理である。火災報知設備100においては、これを構成する各機器に電池切れや無線通信の不良が生じると、火災通知が行えなくなってしまう。このような不具合が生じないようにするために、各機器の状態(電池状態や無線通信機能の状態など)を所定周期で収集する状態収集処理を行う。
次に、火災報知設備100における送受信処理の概要について説明する。
火災報知設備100における無線信号の主要な送受信処理は、(1)状態収集処理、(2)火災通知処理である。
状態収集処理は、無線式中継器Bが、自身と無線信号の送受信を行う機器(リピータ中継器C、感知器D)の状態情報(例えば、電池状態等)を収集する処理である。無線式中継器Bは、自身の下位機器に対してその機器自身の状態情報を送信するよう要求する状態要求信号を送信し、この状態要求信号を受信した機器は、更に自身の下位機器に対して状態要求信号を送信する。この状態要求信号は、その通信経路の末端に至るまで中継され、末端の機器である感知器Dは、自身の状態情報を含む信号を状態情報信号として上位機器に対して送信する。この状態情報信号を受信した上位機器は、受信した信号に対して自身の状態情報を含む信号を付加し、その信号を状態情報信号として上位機器へと送信する。この状態情報信号は、通信経路の最上位機器である無線式中継器Bに至るまで順に送信される。そして、無線式中継器Bは、下位機器から収集した状態情報信号を自ら状態判定して、必要があれば、その状態情報信号に含まれる情報を火災受信機Aに送信する。
これは、感知器Dが検知した火災情報に基づく無線信号を、無線式中継器Bを介して火災受信機Aに対して送信する処理である。信号の流れは、感知器D、リピータ中継器C(介在する場合のみ)、無線式中継器B、火災受信機A、という通信経路の下位機器から上位機器までの順となる。
また、無線式中継器B、リピータ中継器C、及び感知器Dは、基本的には所定時間おきに他の機器からの無線信号の受信を行う間欠受信を行っている。本実施の形態では、無線式中継器Bの間欠受信間隔をTB、リピータ中継器Cの間欠受信間隔をTC、感知器Dの間欠受信間隔をTDとする。
上記のような火災監視や状態収集の送受信処理においては無線信号により通信を行う。
無線式中継器B及びリピータ中継器Cは、火災受信機Aと感知器Dとの間に介在し、これらの間で行われるべき無線通信を中継する中継器として機能する。
グループIDは、図1に示すグループ毎に固有に割り当てられるIDである。このグループIDは、無線式中継器B、リピータ中継器C、及び感知器Dのすべての機器に対して設定されている。
自己アドレスは、各機器に固有に割り当てられた通信アドレスであり、無線式中継器B、リピータ中継器C、及び感知器Dのすべての機器に対して設定されている。
下位機器アドレスは、通信階層において自身の直近下位に位置する機器のアドレスである。ここで、下位とは、各機器に対して火災受信機Aから遠い側をいう。例えば、図1のグループG1において、リピータ中継器C2の下位機器はリピータ中継器C3であり、リピータ中継器C3の下位機器は感知器D31、D32である。この下位機器アドレスは、無線式中継器B及びリピータ中継器Cに対して設定されている。
共通IDは、火災報知設備100を構成する各機器における全ての同一機種(例えば、無線式中継器Bまたはリピータ中継器Cまたは感知器D)を無線信号の送信先として指定するものである。
機器IDは、製造番号等に基づいて付与される固有の番号である。各種アドレスや機器番号と共通としてもよい。
まず、上位機器となる無線式中継器Bとリピータ中継器Cは、通信経路を登録するための動作モードとして登録モードというモードを有している。また、下位機器となるリピータ中継器Cと感知器Dは、通信経路の登録を要求する登録要求信号の送信が可能である。
このような構成において、登録モード状態の上位機器(無線式中継器B又はリピータ中継器C)に対し、下位機器(リピータ中継器C又は感知器D)から自身のアドレスを含む登録要求信号が送信されると、上位機器は、登録要求信号に含まれるアドレスを自身の下位機器アドレスとして設定するとともに、その下位機器に対して自己アドレスを含む登録信号を送信する。この登録信号を受信した下位機器(リピータ中継器C又は感知器D)は、登録信号に含まれるアドレスを自身の上位機器アドレスとして設定する。このような処理を通信経路を構成する各機器について行うことにより、その通信経路が確立される。なお、登録モードへの移行や登録要求信号の送信は、登録スイッチ9を使用者に操作されることによって実行される。また、この登録処理は、火災報知設備100を新たに設置する際に行うほか、火災報知設備100を設置した後に機器を増設する場合にも行うことができる。
次に、本実施の形態に係る火災報知設備100で用いられる通信電文について説明する。ここで説明する通信電文は、上述の(1)状態収集処理、(2)火災通知処理において用いられる通信電文である。
実施の形態の火災報知設備100では、送受信処理の種類((1)状態収集処理または(2)火災通知処理)と、送信元機器の種別、及び受信元機器の種別によって、使用する通信電文が定められている。まずは、各通信電文を具体的に説明する。
図65に示す通信スロット110は、送信元(無線式中継器Bまたはリピータ中継器C)からリピータ中継器C、あるいは、送信元(リピータ中継器Cまたは感知器D)から無線式中継器Bまたはリピータ中継器Cに信号を伝送する送信スロット111と、他の機器からの信号を受信する連続受信スロット112から構成される。
送信スロット111の長さは、無線式中継器Bの間欠受信間隔TB及びリピータ中継器Cの間欠受信間隔TCの長さよりも長くなるよう設定されており、無線式中継器Bとリピータ中継器Cが送信スロット111のうちのいずれかの基本フレーム101を受信できるようになっている。
なお、送信スロット111による送信を開始する前には、送信前CS(送信前キャリアセンス)を行い、他の機器が無線信号を送信中でないことを確認した後に送信を開始する。
ブロック通信120では、無線信号を送信する送信期間(送信スロット121、123、125)と、無線信号を送信しない送信休止期間(連続受信スロット122、124、126)とを交互に繰り返す。
そこで、本実施のブロック通信120では、送信スロット121、連続受信スロット122、送信スロット123の合計時間が、感知器Dの間欠受信間隔TD(7秒)以下であり、かつ、連続受信スロット122(図7における区間T1)の7秒後が送信スロット125に含まれるようにしている。このようにすることで、すべての感知器Dが、送信スロット121、123、125のいずれかで送信された無線信号を受信できるようにしている。すなわち、例えば、ある感知器Dの間欠受信タイミングが、連続受信スロット122に含まれていた場合でも、その感知器Dは、次の間欠受信タイミングにおいて送信スロット125で送信された無線信号を受信することができる。
各感知器Dは、送信スロット121、123、125で送信されたいずれかの基本フレーム101を受信すると、受信した基本フレーム101に含まれるフレーム番号に基づいて、その送信スロット(送信スロット121、123、125のいずれか)が終了するまで待機する。そして、予め各感知器Dの記憶素子1aに記憶された感知器返送スロット129の各エリアのタイミングに関する情報に基づいて、感知器Dは、感知器返送スロット129のエリアのうち、自身に割り当てられた機器番号に対応したエリア(時間帯)に対して、無線信号を送信する。例えば、機器番号5番の感知器Dは、感知器返送スロット129の5番目のエリアに対して無線信号を送信する。このように、感知器Dによって受信の時間帯(感知器Dの送信時間帯)を定めておくことで、複数の感知器Dによって信号が同時に送信されることにより電文が破壊されることを抑制することができる。また、1回のブロック通信120で複数の感知器Dからの無線信号を受信できるので、受信に要する時間を短縮することができる。
このように、各感知器Dは、信号を受信した送信スロット(送信スロット121、123、125のいずれか)に続く連続受信スロット(連続受信スロット122、124、126のいずれか)において、短縮フレーム102を送信する。
図8に示す通信スロット130は、リピータ中継器Cから他のリピータ中継器Cまたは無線式中継器Bに対して信号を伝送する送信スロット131と、他の機器からの信号を受信する連続受信スロット132から構成される。
この送信スロット131は、無線式中継器Bあるいはリピータ中継器Cに対して無線信号を送るものである。したがって、送信スロット131の長さは、無線式中継器Bの間欠受信間隔TB及びリピータ中継器Cの間欠受信間隔TCの長さよりも長くなるよう設定されており、無線式中継器Bとリピータ中継器Cが送信スロット131のうちのいずれかの連送フレーム103を受信できるようになっている。
なお、送信スロット131による送信を開始する前には、送信前CS(送信前キャリアセンス)を行い、他の機器が無線信号を送信中でないことを確認した後に送信を開始する。
次に、(1)状態収集処理、及び(2)火災通知処理について、これらの処理で使用される通信電文を含めて更に説明する。
図9は実施の形態に係る状態収集処理を説明する図である。なお、図9では、図1に示す無線式中継器B1と無線通信を行う通信経路のうち、通信経路F1(感知器D11、D12の通信経路)と、通信経路F3(リピータ中継器C2、C3、感知器D31、32の通信経路)を例に説明する。
(S301)無線式中継器B1は、通信経路F1に属する機器のうち、記憶素子に記憶されている下位機器アドレスに対し、状態要求信号を送信する。この例では、無線式中継器B1の通信経路F1における下位機器は感知器D11、D12であるので、無線式中継器B1は、状態要求信号を、ブロック通信120(図7(A))にて送信する。
一方、感知器D11、D12は、間欠受信間隔TDで間欠受信を行っており、無線式中継器B1がブロック通信120の送信スロット121、123、125のいずれかで送信した状態要求信号を受信する。この例では、感知器D12は送信スロット123で送信された状態要求信号を受信し、感知器D11は送信スロット125で送信された状態要求信号を受信したものとする。
(S303)感知器D11は、状態要求信号を受信すると、短縮フレーム102により自身の状態情報を含む状態情報信号を送信する。より具体的には、無線式中継器B1の、連続受信スロット126の感知器返送スロット129の自身の機器番号に対応するエリアにおいて(図7)、状態情報信号を送信する。
なお、図1の例では、通信経路F1の状態収集処理が終了した後には通信経路F2の状態収集処理を行うが、通信経路F2における処理内容は通信経路F3の処理内容に含まれているため、ここでは説明を省略し、以下、通信経路F3の状態収集処理を説明する。
一方、リピータ中継器C2は、間欠受信間隔TCで間欠受信を行っており、無線式中継器B1が送信スロット111で送信した状態要求信号を受信する。
一方、リピータ中継器C3は、間欠受信間隔TCで間欠受信を行っており、リピータ中継器C2がステップS305で送信した状態要求信号を受信する。
一方、感知器D31、D32は、間欠受信間隔TDで間欠受信を行っており、リピータ中継器C3が送信スロット121、123、125のいずれかで送信した状態要求信号を受信する。この例では、感知器D32は送信スロット123で送信された状態要求信号を受信し、感知器D31は送信スロット125で送信された状態要求信号を受信したものとする。
(S308)感知器D31は、状態要求信号を受信すると、短縮フレーム102により自身の状態情報を含む状態情報信号を送信する。より具体的には、無線式中継器B1の、連続受信スロット126の感知器返送スロット129の自身の機器番号に対応するエリアにおいて(図7)、状態情報信号を送信する。
一方、リピータ中継器C2は、間欠受信間隔TCで間欠受信を行っており、リピータ中継器C3がステップS309で送信した状態情報信号を受信する。
一方、無線式中継器B1は、間欠受信間隔TBで間欠受信を行っており、リピータ中継器C2がステップS310で送信した状態要求信号を受信する。
リピータ中継器C2は、無線式中継器B1により送信された受信応答信号をステップS310の連続受信スロット132において受信し、これにより、状態情報信号が相手に正常に受信されたことを認識する。なお、図示しないが、ステップS310の連続受信スロット132にて、無線式中継器B1により送信された受信応答信号を受信できない場合には、リピータ中継器C2は、通信異常等何らかの異常が発生したものと判断し、状態情報信号を再送する。
また、連続受信スロット122、124、126のいずれにおいても、自己の通信経路に属する感知器Dから状態情報信号を受信できない場合には、リピータ中継器Cまたは無線式中継器Bは、当該感知器Dに割り当てられた感知器返送スロット129のエリアを「無応答」と判断し、これを含めた状態情報信号として上位の機器に送信する。
なお、リピータ中継器Cが自らの「無応答」を含めた状態情報信号を送信せずに、無線式中継器Bが記憶素子21aに保存された下位機器アドレス(機器番号)に基づいて判断してもよい。
図10は火災通知処理を説明する図である。なお、図10(A)は、図1に示す無線式中継器B1と無線通信を行う通信経路のうち、通信経路F1(感知器D11、D12の通信経路)を示し、図10(B)は、通信経路F3(リピータ中継器C2、C3、感知器D31、32の通信経路)を示している。以下、火災通知処理について、図10と、前述の図5〜図7を参照して説明する。なお、図1の通信経路F2の処理内容については、これと同様の処理が通信経路F3と処理内容に含まれているため、ここでは説明を省略する。
(S401)感知器D12は、火災発生を検知すると、通信スロット110の送信スロット111(図6)により、火災検知情報を含む火災信号を、記憶素子1aに記憶された上位機器アドレス宛に送信する。この例では、感知器D12の上位機器は無線式中継器B1であるので、感知器D12は、無線式中継器B1に対して火災信号を送信する。感知器D12は、送信スロット111により火災信号を送信した後は、受信機能を起動して連続受信スロット112の受信待機状態に移行する。
一方、無線式中継器B1は、間欠受信間隔TBで間欠受信を行っており、感知器D12がステップS401で送信した火災信号を受信する。
感知器D12は、無線式中継器B1により送信された受信応答信号をステップS401の連続受信スロット112において受信し、これにより、火災信号が相手に正常に受信されたことを認識する。なお、図示しないが、ステップS401の連続受信スロット112にて、無線式中継器B1により送信された受信応答信号を受信できない場合には、感知器D12は、通信異常等何らかの異常が発生したものと判断し、火災信号を再送する。
(S501)感知器D31は、火災発生を検知すると、通信スロット110の送信スロット111(図6)により、火災信号を、記憶素子1aに記憶された上位機器アドレス宛に送信する。この例では、感知器D31の上位機器はリピータ中継器C3であるので、感知器D31は、リピータ中継器C3に対して火災信号を送信する。感知器D31は、送信スロット111により火災信号を送信した後は、受信機能を起動して連続受信スロット112の受信待機状態に移行する。
一方、リピータ中継器C3は、間欠受信間隔TCで間欠受信を行っており、感知器D31がステップS501で送信した火災信号を受信する。
このリピータ中継器C3が送信した火災転送信号は、感知器D31が、連続受信スロット112において受信し(S501の破線参照)、感知器D31はこの火災転送信号の受信により、自身が送信した火災信号が正常にリピータ中継器C3に受信されたことを認識する。
一方、間欠受信間隔TCで間欠受信を行っているリピータ中継器C2も、リピータ中継器C3により送信された火災転送信号を受信する。
このリピータ中継器C2が送信した火災転送信号は、リピータ中継器C3が、連続受信スロット112において受信し(S502の破線参照)、リピータ中継器C3はこの火災転送信号の受信により、自身が送信した火災信号が正常にリピータ中継器C2に受信されたことを認識する。
一方、間欠受信間隔TBで間欠受信を行っている無線式中継器B1も、リピータ中継器C2により送信された火災転送信号を受信する。
リピータ中継器C2は、連続受信スロット112において無線式中継器B1からの受信応答信号を受信し、これにより、自身が送信した火災転送信号が正常に無線式中継器B1に受信されたことを認識することができる。
次に、外部試験器Eにより無線式中継器Bを特定するときの動作について図11を用いて説明する。
図11は実施の形態に係る火災報知設備において外部試験器による無線式中継器の特定動作を示すフローチャートである。
外部試験器Eの制御回路31(以下、単に「外部試験器E」と称する)は、電源スイッチ(図示せず)によりONされると(S1)、処理選択スイッチ39による操作入力を検知するまで待機状態となる(S2)。外部試験器Eは、処理選択スイッチ39の操作により機器(無線式中継器B)特定開始の操作入力を検知すると(S3)、機器特定処理中を示す表示を表示部8aにてONし(S4)、火災報知設備100に属する全ての無線式中継器Bを送信先とする共通IDを含む中継器特定信号を無線式中継器Bに一斉に送信し(S5)、第1応答信号が受信されるまで一定時間待機する(S6)。
これにより、外部試験器Eに図示しないスイッチ操作入力によって、例えば、無線式中継器Bに、各通信経路F1〜F4に火災試験を実行させるための制御信号を出力することが可能となる。
図12は外部試験器により特定される無線式中継器の動作を示すフローチャートである。
無線式中継器Bの制御回路21(以下、単に「無線式中継器B」と称する)は、電源がONされているときに、間欠受信タイミングをとるための間欠受信タイマーをスタートする(S31、S32)。その間欠受信タイマーのスタートは、予め定められた時間帯毎に繰り返し行われている。その後、無線式中継器Bは、間欠受信タイマーがカウントアップしたかどうかを判定し(S33)、間欠受信タイマーがカウントアップしたときには受信確認を実施する(S34)。
これにより、機器特定および機器の状態収集や登録情報等を早く行うことができる。
付記1に係る火災報知設備は、火災現象に基づく環境変化を検出するとともに無線信号を送受信する感知器と、感知器を監視制御する火災受信機と、感知器と火災受信機との間に介在し、複数の通信階層を構成して無線信号を中継する1又は複数の中継器と、を備える火災報知設備であって、外部試験器は、操作部を有し、当該操作部の操作により機器特定開始の入力を検知すると、全ての感知器または全ての中継器に対して機器特定信号を一斉に送信し、感知器または中継器は、機器特定信号を受信すると、外部試験器に自己の機器IDが含まれた第1応答信号を送信し、外部試験器は、第1応答信号の受信レベルが最大となる感知器または中継器に対してその機器IDが含まれた機器特定確認信号を送信し、感知器または中継器は、機器特定確認信号を受信すると、外部試験器に自己の機器IDが含まれた第2応答信号を送信し、外部試験器は、第2応答信号が受信されたときに通信先が存在する旨を表示し、その後、操作部の操作入力により第2応答信号の送信元が選択されると、当該送信元の感知器または中継器を被制御機器として特定することを特徴とするものである。
付記によれば、外部試験器は、感知器または中継器に機器特定信号を無線にて送信し、感知器または中継器は、外部試験器からの機器特定信号が受信されたときに、自己の機器IDを含む応答信号を無線にて外部試験器に送信し、外部試験器は、感知器または中継器からの応答信号が受信されたときに受信レベルの大きい感知器または中継器を被制御機器として特定する。これにより、防火対象物に多数設置された無線式中継器、リピータ中継器、感知器の中から指定した機器に対して早く所望の制御を行うことができる。
Claims (3)
- 火災現象に基づく環境変化を検出するとともに無線信号を通信する感知器と、
前記感知器を監視制御する火災受信機と、
前記感知器と前記火災受信機との間に介在し、無線信号を中継する1又は複数の中継器と、
外部試験器と、を備える火災報知設備であって、
前記外部試験器は、全ての感知器または全ての中継器に対して機器特定信号を一斉に送信し、
前記感知器または中継器は、前記機器特定信号を受信すると、前記外部試験器に自己の機器IDが含まれた第1応答信号を送信し、
前記外部試験器は、第1応答信号の受信レベルが最大となる感知器または中継器に対してその機器IDが含まれた機器特定確認信号を送信し、
前記感知器または中継器は、前記機器特定確認信号を受信すると、当該機器特定確認信号を受信したことを表示する
ことを特徴とする火災報知設備。 - 前記感知器または中継器は、前記機器特定確認信号を受信すると、前記外部試験器に自己の機器IDが含まれた第2応答信号を送信し、
前記外部試験器は、前記第2応答信号が受信されたときに通信先が存在する旨を表示することを特徴とする請求項1記載の火災報知設備。 - 前記外部試験器は、前記第1応答信号の受信レベルが大きい順に保存する記憶素子を有し、操作入力によって、前記記憶素子に保存された順に、前記機器特定確認信号を送信可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の火災報知設備。
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