JP5992619B2 - 遊星歯車用ピン組立体 - Google Patents

Description

本開示は、広く言えば遊星軸受（プラネタリ・ベアリング）に関するものである。より詳細には、本開示は、遊星軸受のピンを通る潤滑剤流れを向上させるためのプラグに係るものである。

変速機内の遊星軸受の通常の課題は、遊星軸受の転動要素に十分な潤滑剤流れを送ることである。キャリア（ｃａｒｒｉｅｒ）、中空ピン、半中空ピン、クロス・ドリルされたピン、ボール／引張プラグ・ピンなどの上にある潤滑剤ダム（ｌｕｂｅ ｄａｍ）が、潤滑剤を遊星軸受に誘導するためのデバイス及び方法となる。これらのデザインの各々に独自の問題があり、その問題には、コストが高いこと、取引先による追加の組み立て、ボールが押圧されるか又は鋼プラグが引っ張られることによりピンが変形すること、押圧されたプラグが外れる危険性があること、及び、複数の複雑な機械加工作業によりデブリ／バリが出るために特別な検討（すなわち、バリ取り作業及び洗浄作業）が必要となることが含まれる。

本発明は従来技術の構成及び方法の問題を認識してそれらの問題に対処するものである。

本開示による一具体例は、遊星歯車で使用されるためのピン組立体であって、このピン組立体が、
めくら孔の形成されたピンであって、めくら孔が開口部から軸線方向に延在して端面で終端し、ピンが入口孔及び出口孔を有する、ピンと、
円形基部壁及び外側周囲部から延在する側壁を有する略円筒形本体を有するプラグであって、側壁が入口凹部及び出口凹部を有する、プラグと
を備える。プラグがピンに挿入されたときに、プラグの入口凹部及び出口凹部が、ピンの入口孔及び出口孔にそれぞれ位置合わせされるようになっている。

本開示による別の具体例は遊星歯車で使用されるためのピン組立体であって、このピン組立体が、
めくら孔が形成されたピンであって、めくら孔が開口部から軸線方向に延在して端面で終端し、ピンが入口孔及び出口孔を有する、ピンと、
基部壁及び外側周囲部から延在する側壁を備える本体を有するプラグであって、側壁が入口凹部及び出口凹部を有する、プラグと
を備える。プラグがピンに挿入されたときに、プラグの入口凹部及び出口凹部が、ピンの入口孔及び出口孔にそれぞれ位置合わせされるようになっている。

本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面には本発明の１つ又は複数の例が図示されており、本記述と併せて、本発明の原理を説明する。

その最良の形態を含めた当業者に対する本発明の完全且つ実施可能な開示が、添付図面を参照して本明細書に記載される。

本開示の一例による遊星軸受・ピン−プラグ組立体を示す分解図。 組み立てられた状態の図１に示された遊星軸受・ピン−プラグ組立体を示す断面図。

本明細書及び図面で繰返し使用される符号は、本開示による本発明の同じ又は類似の構成又は要素を示すことを意図される。

次に本発明の好適な具体例を詳細に参照する。本発明の好適な具体例のうちの１つ又は複数の例が添付図面に示されている。各例は説明のために提示されるものであり、本発明を限定するものではない。実際には本発明の範囲及び原理から逸脱することなく本発明内で修正形態及び変形形態が得られることが当業者には認識されよう。例えば、一実施例の一部として例示又は説明される構成は別の例でも使用でき、それによりさらに別の例を作ることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正形態及び変形形態を包含することが意図される。

次に図を参照すると、図１及び図２に本開示によるプラネタリ・ピン−プラグ組立体３０が示されている。この組立体は、遊星軸受のピン２０内の潤滑剤流れを向上させるプラグ１０を有する。図示されるように、ピン２０は、その一方の端部に形成された開口部２４から軸線方向内側に延在するめくら孔２２を有する。入口孔２６及び出口孔２８がピンの外側表面からめくら孔２２まで径方向内側に延在する。プラグ１０は、側壁１３及び基部壁１５によって形成された略円筒形本体１２、入口開口１４、出口開口１６、出口開口１６の周りに形成された円筒壁１８によって形成された保持機構を有する。さらに、カットアウト１９がプラグ１０の先端の開口端の周りに形成され、プラグ１０をめくら孔２２内に配置する際には、この先端が先ずめくら孔２２内に挿入される。プラグ１０は好適には重合体材料から構成されるが、意図される目的のために適切であることが分かっている代替材料から構成されてもよい。

図２に示されるように、プラグ１０がめくら孔２２内に完全に着座するようになるまでめくら孔２２の内側を摺動し、入口凹部１４及び出口凹部１６が入口孔２６及び出口孔２８にそれぞれ位置合わせされる。この位置では、保持機構１８が出口孔２８内で弾性的に受けられ、それによりプラグ１０がピン２０内で保持される。プラグ１０の先端部にあるカットアウト１９により先端部が変形することが可能となり、それにより挿入が容易になる。プラグ１０が、入口孔２６からの流れを出口孔２８まで誘導することによりピン２０を通る潤滑剤流れを向上させることを補助する。

貫通孔を有する遊星軸受ピンで使用されるプラグの代替例（図示せず）は、第１の基部壁１５の反対側の本体１２の端部に第２の基部壁を有することに留意されたい。したがって、本体１２は入口凹部１４及び出口凹部１６を除いて閉じた容積部を形成する。

本発明の１つ又は複数の好適な具体例を上記で説明したが、本発明では本発明の範囲及び原理から逸脱することなく種々の修正形態及び変形形態が得られることが当業者であれば認識される。例えば、プラグの代替例として、壁部分の厚さ及び形状が互いに異なるような異なる構造（すなわち、三角形、半円形など）を有するカットアウト１９を有することができ、また、種々の弾性変形可能な材料から構成される。本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等な範囲及び原理を有する修正形態及び変形形態を包含することを意図される。

Claims (15)

1. 遊星歯車で使用されるためのピン組立体であって、
   めくら孔が形成されたピンであって、前記めくら孔が開口部から軸線方向に延在して端面で終端し、前記ピンが入口孔及び出口孔を有する、ピンと、
   円形基部壁及び外側周囲部から延在する側壁を有する略円筒形本体を有するプラグであって、前記側壁が入口凹部及び出口凹部を有する、プラグと
   を備え、
   前記プラグが前記ピンに挿入されたときに、前記プラグの前記入口凹部及び前記出口凹部が、前記ピンの前記入口孔及び前記出口孔にそれぞれ位置合わせされるようになっている、ピン組立体。
2. 前記プラグが、前記ピンの前記入口孔及び前記出口孔のうちの一方に係合されるように構成された保持機構をさらに備え、それにより、前記プラグが前記ピン内で保持されるようになっている、請求項１に記載されたピン組立体。
3. 前記保持機構が突出部である、請求項２に記載されたピン組立体。
4. 前記突出部が、前記入口孔及び前記出口孔のうちの一方の周りに形成された円筒壁である、請求項３に記載されたピン組立体。
5. 前記プラグが重合体から構成されている、請求項１に記載されたピン組立体。
6. 前記プラグが前記側壁の先端部によって形成された開放端部をさらに備える、請求項１に記載されたピン組立体。
7. 前記プラグの前記開放端部に隣接する前記先端部によって形成されたカットアウトをさらに備える、請求項６に記載されたピン組立体。
8. 遊星歯車で使用されるためのピン組立体であって、
   めくら孔が形成されたピンであって、前記めくら孔が開口部から軸線方向に延在して端面で終端し、前記ピンが入口孔及び出口孔を有する、ピンと、
   基部壁及びその外側周囲部から延在する側壁を備える本体を有するプラグであって、前記側壁が入口凹部及び出口凹部を有する、プラグと、
   を備え
   前記プラグが前記ピンに挿入されたときに、前記プラグの前記入口凹部及び前記出口凹部が、前記ピンの前記入口孔及び前記出口孔にそれぞれ位置合わせされるようになっている、ピン組立体。
9. 前記基部壁が円形周囲部を有し、前記側壁が円筒形状を形成する、請求項８に記載されたピン組立体。
10. 前記プラグが、前記ピンの前記入口孔及び前記出口孔のうちの一方に係合されるように構成された保持機構をさらに備え、それにより、前記プラグが前記ピン内で保持されるようになっている、請求項８に記載されたピン組立体。
11. 前記保持機構が突出部である、請求項１０に記載されたピン組立体。
12. 前記突出部が、前記入口孔及び前記出口孔のうちの一方の周りに形成される円筒壁である、請求項１１に記載のピン組立体。
13. 前記プラグが重合体から構成されている、請求項８に記載されたピン組立体。
14. 前記プラグが前記側壁の先端部によって形成された開放端部をさらに備える、請求項８に記載されたピン組立体。
15. 前記プラグの前記開放端部に隣接する前記先端部によって形成されたカットアウトをさらに備える、請求項１４に記載されたピン組立体。

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