JP5992283B2 - 光変色性玩具 - Google Patents

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Description

本発明は光変色性玩具に関する。更に詳細には、光変色性表示体と、前記光変色性表示体に像を形成するためのシートとからなる光変色性玩具に関する。
従来、フォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けた日光写真用感光性シートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記日光写真用感光性シートに像を形成する際、露光部と非露光部を有するマスクを載置して太陽光を暴露することにより、露光部のフォトクロミック化合物が発色して所望の像が形成されるものであり、前記マスクとしては透明性基材に光を遮蔽するインキでネガ画像を形成したマスクや光遮蔽性基材に穴を空けたマスクが用いられている。
実開平7−19751号公報
前記マスクは、透明性基材にネガ画像を形成したり、光遮蔽性基材に穴を空けているため、使用者はフォトクロミック層を備えた光変色性表示体に形成される像を予測でき、繰り返しの使用により遊戯が単調になりがちで飽きのくることがあった。
本発明は、光変色性表示体に像を形成するためのシート(マスク)を見て予想される像と、前記シートを光変色性表示体上に載置して太陽光や紫外線を照射することにより形成される像が異なり、意外性、変化性を付加した光変色性玩具を提供しようとするものである。
本発明は、スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を備えた光変色性表示体と、透明性支持体上に染料又は顔料を含む紫外線透過性有色像及び紫外線吸収剤を含む紫外線吸収性無色像を設けたシートとからなる光変色性玩具を要件とする。
更には、前記紫外線透過性有色像の反射スペクトルにおいて、400nmにおける反射率が50%以下であり、且つ、380〜420nmの波長における反射率の積算値(A)と、420〜700nmの波長における反射率との積算値(B)との比が下記式(1)を満たすこと、
A/B≦17 (1)
前記紫外線透過性有色像と前記紫外線吸収性無色像が異なる形状の像であること、前記光変色性表示体は、着色された支持体上にフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けてなり、前記支持体の色とフォトクロミック化合物の色が異なること、前記光変色性表示体に非変色性着色像を設けてなること等を要件とする。
本発明は、光変色性表示体に像を形成するためのシート(マスク)を見ても形成される像を予測することができず、複雑且つ変化性に富む様相変化が視認され、長期間使用しても飽きることがなく、遊びのバリエーションを広げた光変色性玩具を提供できる。
本発明の光変色性玩具の一実施例を示す説明図である。 光変色性表示体の縦断面説明図である。 シートの縦断面説明図である。 光変色性表示体にシートを載置して光照射した状態を示す説明図である。 光変色性表示体に光照射した後の状態を示す説明図である。
前記フォトクロミック化合物のうち、スピロオキサジン誘導体を以下に示す。
インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5,7−ジフルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−ニトロジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−6′−クロロ−3,3−ジメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ヨード−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−トリフルオロメチル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,6′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′,6′−ジフルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−フェニルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,7′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3−ジメチル−3−エチル−5′−メトキシスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチル−5−ニトロスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′,6′−ジメチルスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
9″−ブロモ−1′−メトキシカルボニルメチル−5′−トリフルオロメチルジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′〔1′H〕,3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−3,3−ジ−nブチル−7′−エチル−5−メトキシスピロ〔2H−インドール−1,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−n−ブチル−6′−ヨードジスピロ〔シクロヘプタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−9′−ヨード−1−ナフチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′−シアノ−1′−(2−(メトキシカルボニル)エチル)ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7−メトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4−ブロモ−3,3−ジエチル−9′−エトキシ−1−(2−フェニル)エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エチル−9−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−ベンジル−6″−ヨードジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−トリクロロメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3−ジエチル−3−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕等、インドリノスピロベンゾオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロナフトオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−ブロモ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロピル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−iso−ブチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロポキシ−スピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−シアノ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−エチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−プロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−iso−ブチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクタデシル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−スルホン酸ナトリウム−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシスピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−トリフルオロメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−スピロナフトオキサジン、
1−(4′−メチルフェニル)−3,3−ジメチル−スピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−イソプロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−8′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−5′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5′−メトキシ−6′−トリフルオロメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,5,6−テトラメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−メチル−3,3−ジフェニル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン等、インドリノスピロナフトオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物の例としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンフェナントロオキサジン、1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンフェナントロオキサジン等、インドリノスピロフェナントロオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンキノリノオキサジン等、インドリノスピロキノリノオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
スピロピラン誘導体としては、1,3,3−トリメチルインドリノベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ブロモベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−8′−メトキシベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−β−ナフトピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾピリロスピラン等を例示することができる。
ベンゾインドリノナフトオキサジン系化合物としては、1,3,3−トリメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−6´−(1−ピペリジノ)−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−6´−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−6´−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1−エチル−3,3−ジメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−9´−メトキシ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−8´−ブロモ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1−エチル−3,3−ジメチル−6´−ピペリジノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1−エチル−3,3−ジメチル−6−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−8´−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1−エチル−3,3−ジメチル−6´−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、1,3,3−トリメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]キノリノ[6,5−b][1,4]オキサジン]等を例示することができる。
前記スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマーに溶解して用いることが好ましい。
前記スチレン系オリゴマーは重量平均分子量が200乃至6000、好ましくは200乃至4000のものが用いられる。
スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。
また、重量平均分子量が6000を超えると、光発色により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等があげられる。
低分子量ポリスチレンとしては、三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−75(重量平均分子量2000)、ハイマーST−95(重量平均分子量4000)、等が用いられる。
スチレン−α−メチルスチレン系共重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスチックA5(重量平均分子量317)、ピコラスチックA75(重量平均分子量917)、等が用いられる。
α−メチルスチレン重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3085(重量平均分子量664)、クリスタレックス3100(重量平均分子量1020)、クリスタレックス1120(重量平均分子量2420)、等が用いられる。
α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコテックスLC(重量平均分子量950)、ピコテックス100(重量平均分子量1740)、等が用いられる。
前記スチレン系オリゴマーは1種類単独で用いてもよいし、適宜2種類以上を混合して用いることもできる。
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマーの重量比は、1:1〜1:10000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記重量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示すことができる。
前記フォトクロミック化合物とヒンダードアミン系光安定剤を併用して用いることにより耐光性を更に向上させることもできる。
前記ヒンダードアミン系化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとの混合エステル化物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、
N,N’,N”,N”’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、
N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペレジニル)ピロリジン−2,5−ジオン等を例示することができる。
前記フォトクロミック化合物は、マイクロカプセルに内包させてフォトクロミックマイクロカプセル顔料を形成したり、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散して可逆光変色性樹脂粒子を形成することもできる。
なお、前記マイクロカプセルは、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用を満たす。
前記マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを超えると、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、平均粒子径が、0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記マイクロカプセル化は、公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記フォトクロミック化合物は、汎用のバインダー樹脂、例えば、各種合成樹脂エマルジョン、水溶性乃至油溶性の合成樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤を含むビヒクル中に配合して、印刷インキや塗料を調製する。
前記印刷インキを用いて支持体として紙、合成紙、ガラス、プラスチック、金属、木材、石材、皮革等にフォトクロミック層を形成して光変色性表示体を作製したり、前記塗料を用いて支持体として各種成形物表面にフォトクロミック層を形成して光変色性表示体を作製する。
なお、前記支持体が着色され、支持体上に設けられるフォトクロミック層中のフォトクロミック化合物の色と前記支持体の色が異なる場合、光変色性表示体に光照射する前の色と、光照射後に視認される色が異なるため、カラフルな表示体を得ることができる。
前記着色された支持体は、支持体中に着色剤を含有させたり、支持体上に着色剤を含む着色層を設けることにより得られる。
更に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中にフォトクロミック化合物をブレンドして成形した成形体を光変色性表示体として用いるもできる。
前記成形体を作製する際、予めフォトクロミック材料を含む樹脂ペレットを用いることもできる。
なお、フォトクミック層中に一般の染料及び顔料を適宜添加することにより、有色(1)から有色(2)の色変化を呈することもできる。
また、前記光変色性表示体に非変色性着色像を設けることにより、光照射する前の表示体の装飾性を付与することができると共に、光照射した後に非変色性着色像と、フォトクロミック化合物による像が視認されるため、意外性を付与することができる。
前記非変色性着色像と、フォトクロミック化合物による像は、併設する構成であってもよいし、部分的に重なり合う構成であってもよい。
前記光変色性表示体上に載置して太陽光や紫外線を照射することにより、前記光変色性表示体に像を形成するためのシートは、透明性支持体上に染料又は顔料を含む紫外線透過性有色像及び紫外線吸収剤を含む紫外線吸収性無色像を設けてなる。
前記透明性支持体の材質は特に限定されるものではなく、ガラス、プラスチックが挙げられる。
前記透明性支持体上には、染料又は顔料を含む紫外線透過性有色像と、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収性無色像とを設けてなる。
前記紫外線透過性有色像は、紫外線透過性の良好な染料又は顔料を含む像であり、具体的には、紫外線透過性の良好な染料又は顔料と、バインダー樹脂を少なくとも含有するインキを用いて透明性支持体上に印刷して形成される。
前記紫外線透過性の良好な染料又は顔料としては、アシッドレッド92、アシッドブルー90、アシッドブルー1、アシッドレッド289、アシッドレッド87、アシッドイエロー3、アシッドブルー9、アシッドブルーPH、フードイエロー3、アシッドオレンジ56、FD−498(山田化学工業製)を例示できる。
前記紫外線透過性有色像としては、反射スペクトルにおいて400nmにおける反射率が50%以下であり、且つ、380〜420nmの波長における反射率の積算値(A)と、420〜700nmの波長における反射率との積算値(B)との比が下記式(1)を満たすことが好ましい。
A/B≦17 (1)
前記反射スペクトルにおいて400nmにおける反射率が50%以下であることにより、良好な紫外線透過性を有し、380〜420nmの波長における反射率の積算値(A)と、420〜700nmの波長における反射率との積算値(B)との比が下記式(1)を満たすことにより、有色の像としての視認性を満たす。
前記紫外線吸収性無色像は、紫外線吸収剤を含む像であり、具体的には、紫外線吸収剤と、バインダー樹脂を少なくとも含有するインキを用いて透明性支持体上に印刷して形成される。
前記紫外線吸収剤としては、
2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)−メタン2−〔2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−t−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシ−ベンゾフェノン〔商品名:シーソーブ103、シプロ化成(株)製〕、
2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、
2−〔2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−t−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤。
サリチル酸フェニル、
サリチル酸パラ−t−ブチルフェニル、
サリチル酸パラオクチルフェニル、
2−4−ジ−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
1−ヒドロキシベンゾエート、
1−ヒドロキシ−3−t−ブチル−ベンゾエート、
1−ヒドロキシ−3−t−オクチルベンゾエート、
レゾルシノールモノベンゾエート等のサリチル酸系紫外線吸収剤。
エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3−フェニルシンナート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤。
2−〔5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン−PS、チバガイギー社製〕、
2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2Hベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン328、チバガイギー社製〕、
メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300〔商品名:チヌビン1130、チバガイギー社製〕、
2−〔3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、
メチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール分子量300、
2−〔3−t−ブチル−5−プロピルオクチレート−2−ヒドロキシフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,1′−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン384、チバガイギー社製〕、
2−〔2−ヒドロキシ−5−テトラオクチルフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2−ヒドロキシ−4−オクトオキシ−フェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″4″5″6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−21−オン等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
前記光変色性表示体に設けられる紫外線透過性有色像と前記紫外線吸収性無色像は表示体表面に設けられる他、表示体裏面に設けてもよいし、一方を表示体の表面に設け、他方を表示体の裏面に設けることもできる。
また、前記紫外線透過性有色像と前記紫外線吸収性無色像は、大きさの異なる同一形状の像であってもよいが、意外性を付与するために異なる形状の像であることが好ましい。
前記光変色性表示体とシートは一体であってもよいが、光変色性表示体とシートが別体の光変色性玩具セットであってもよい。
更に、前記光変色性玩具セットは、複数のシートを備えた様々な像を形成することのできるセットであることが好ましい。
以下に本発明の光変色性玩具の実施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、実施例中の部は質量部である。
実施例1(図1乃至5参照)
光変色性表示体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部の相溶体をウレタン樹脂系マイクロカプセルに内包して平均粒子径10μmのフォトクロミックマイクロカプセル顔料を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを調製した。
支持体3として白色厚紙上の全面に前記フォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層4を設けて光変色性表示体2を得た。
シートの作製
透明性支持体6として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の「A」の文字を印刷して紫外線透過性有色像7を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により「あ」の文字を印刷して紫外線吸収性無色像8を形成してシート5を得た。
前記光変色性表示体2とシート5を組み合わせて光変色性玩具1を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の「A」の文字が視認されるシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体に赤地に白色の「あ」の文字が形成され、「A」の文字は殆ど形成されなかった。
実施例2乃至11
実施例1のアシッドブルーPHのかわりに以下の表に記載された染料を用いて非変色インキを調製し、実施例1と同様の透明性支持体に「A」の文字を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、実施例1と同様の透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により「あ」の文字を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た
Figure 0005992283
比較例1乃至4
実施例1のアシッドブルーPHのかわりに以下の表に記載された染料を用いて非変色インキを調製し、実施例1と同様の透明性支持体に「A」の文字を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、実施例1と同様の透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により「あ」の文字を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た
Figure 0005992283
各実施例、比較例で得られたシートを用いて、実施例1と同様の光変色性表示体のフォトクロミック層上に載置し、太陽光を照射し、シートを取り外して「あ」の文字の状態と「A」の文字の状態を調べた。
以下の表に400nmにおける反射率、380〜420nmの波長における反射率の積算値(A)と、420〜700nmの波長における反射率との積算値(B)との比(A/B)、発色性試験の結果を示す。
反射率の測定は、GretagMacbeth社、SpectroEyeを用いて紫外線透過性有色像の380nmから700nmでの反射率を測定し、400nmでの反射率と、380nmから420nmまでの積算反射率と420nmから700nmまでの積算反射率を測定し、その比率を計算した。
発色性試験については、東芝ライテック製、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLBを光源として使用して光照射し、「あ」の文字の濃度と「A」の文字の濃度の差を調べた。
その色濃度を測定した。
Figure 0005992283
発色性試験の評価の記号について以下に示す。
○:「A」の文字の濃度が「あ」の文字の濃度の10%未満である。
△:「A」の文字の濃度が「あ」の文字の濃度の20〜70%である。
×:「A」の文字の濃度が「あ」の文字の濃度の70%以上である。
実施例12
光変色性表示体の作製
実施例1で得たフォトクロミックインキを用いて、支持体として白色上質紙の全面にスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の恐竜の絵柄を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により恐竜の骨の絵柄を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の恐竜の絵柄が視認されるシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体には赤地に白色の恐竜の骨の絵柄が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
実施例13
光変色性表示体の作製
実施例1で得たフォトクロミックインキを用いて、支持体として白色プラスチック板の全面にスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の顔の絵柄を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により「LOVE」の文字を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の顔の絵柄が視認されるシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体には赤地に白色の「LOVE」の文字が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
実施例14
光変色性表示体の作製
実施例1で得たフォトクロミックインキを用いて、支持体として白色合成紙の全面にスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の「1+1=」の計算式を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により「2」の数字(解答)を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の「1+1=」の計算式が視認されるシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体には赤地に白色の「2」の数字が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
実施例15
光変色性表示体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン〔商品名:#5Pink、(株)記録素材総合研究所製〕1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部の相溶体をウレタン樹脂系マイクロカプセルに内包して平均粒子径10μmのフォトクロミックマイクロカプセル顔料を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料3部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂3部、キシレン7部、メチルイソブチルケトン7部、光安定剤0.5部、粘度調整剤0.5部を混合して得られたフォトクロミック塗料を調製した。
支持体としてミニチュアカー形態の白色プラスチック成形物表面に前記フォトクロミック塗料を用いてスプレー塗装してフォトクロミック層を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明ポリスチレンフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により星の絵柄を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により炎の抜き絵柄を印刷して紫外線吸収性無色像を形成し、次いで、ミニチュアカーと同じ形状になるように真空成形を行なってシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体を青色の星の絵柄が視認されるシートで覆って太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体に赤色の炎の絵柄が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
実施例16
光変色性表示体の作製
実施例1で得たフォトクロミックインキを用いて、支持体として青色上質紙の全面にスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の恐竜の絵柄を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により恐竜の骨の絵柄を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に青色の恐竜の絵柄が視認されるシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体には紫地に青色の恐竜の骨の絵柄が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
実施例17
光変色性表示体の作製
実施例1で得たフォトクロミックインキを用いて、支持体として白色合成紙の全面にスクリーン印刷により印刷してフォトクロミック層を設けた。
次いで、前記フォトクロミック層上に緑色顔料7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキを用いてスクリーン印刷により幼虫の絵柄を印刷して非変色性着色像を設けて光変色性表示体を得た。
シートの作製
透明性支持体として透明PETフィルム(厚さ100μm)上に、アシッドブルーPH7部、アクリル樹脂エマルジョン95部、消泡剤2部、粘度調整剤3部を混合した非変色インキをスクリーン印刷により青色の蛹の絵柄を印刷して紫外線透過性有色像を得た。
次いで、紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、消泡剤1部、粘度調整剤1部を混合した透明紫外線吸収インキを用いて、前記紫外線透過性有色像上にスクリーン印刷により蝶の抜き絵柄を印刷して紫外線吸収性無色像を形成してシートを得た。
前記光変色性表示体とシートを組み合わせて光変色性玩具を得た。
前記光変色性玩具は、光変色性表示体のフォトクロミック層上に蛹の絵柄が形成されたシートを載置して太陽光を照射し、シートを取り外したところ、光変色性表示体には赤色の蝶の絵柄が形成され、意外性と変化性に富む光変色性玩具を得ることができた。
なお、前記光変色性表示体は、赤色の蝶の絵柄と緑色の幼虫の絵柄が視認されるため、装飾性を高めることができた。
1 光変色性玩具
2 光変色性表示体
3 支持体
4 フォトクロミック層
5 シート
6 透明性支持体
7 紫外線透過性有色像
8 紫外線吸収性無色像

Claims (5)

  1. スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を備えた光変色性表示体と、透明性支持体上に染料又は顔料を含む紫外線透過性有色像及び紫外線吸収剤を含む紫外線吸収性無色像を設けたシートとからなる光変色性玩具。
  2. 前記紫外線透過性有色像の反射スペクトルにおいて、400nmにおける反射率が50%以下であり、且つ、380〜420nmの波長における反射率の積算値(A)と、420〜700nmの波長における反射率との積算値(B)との比が下記式(1)を満たす請求項1記載の光変色性玩具。
    A/B≦17 (1)
  3. 前記紫外線透過性有色像と前記紫外線吸収性無色像が異なる形状の像である請求項1又は2記載の光変色性玩具。
  4. 前記光変色性表示体は、着色された支持体上にフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けてなり、前記支持体の色とフォトクロミック化合物の色が異なる請求項1記載の光変色性玩具。
  5. 前記光変色性表示体に非変色性着色像を設けてなる請求項1記載の光変色性玩具。
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