JP2021120493A - 光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品 - Google Patents

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明雄 中島
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Abstract

【課題】 光照射による色変化と、明瞭或いは特異的な光輝性が表裏両面から視認され、玩具分野、装飾分野、デザイン分野等、多様な分野への応用性を備えた商品性の高い光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品を提供する。【解決手段】 金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝性樹脂フィルム(2)からなる平糸の一方の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層(3)を設けてなり、且つ、前記第一の可逆光変色層の外面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝層(4)を設けてなる光輝性可逆光変色性平糸(1)。【選択図】 図1

Description

本発明は、光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品に関する。さらに詳細には、光を照射することにより色が変化し、さらに、色変化と光輝性が表裏両面から視認可能な光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品に関する。
従来、金属蒸着層が見える側にフォトクロミック染料で染色された樹脂層(フォトクロミック層)を設けた可逆性フォトクロミック金銀糸が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
上記の可逆性フォトクロミック金銀糸は、所定の波長の光を照射することにより可逆的に色が変化するものであり、また、基材の両面に金属蒸着層とフォトクロミック層を順に設けることにより、金銀糸の表裏両面から光照射時の色変化が視認されるが、金銀糸の表裏両面から視認されるのは金属光沢色からの単調な色変化のみであり、表裏両面から色が視認される平糸においては、装飾性や満足性に乏しいものであった。
特開昭60−139839号公報
本発明は、光の照射による色変化と光輝性が表裏両面から視認可能であり、且つ、光輝性が明瞭或いは特異的である光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品を提供しようとするものである。
本発明は、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層を設けてなり、且つ、前記第一の可逆光変色層の外面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝層を設けてなることを要件とする。
さらには、前記透明性光輝層の外面、又は、前記平糸の、前記第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第二の可逆光変色層を設けてなることを要件とする。
また、可逆光変色性材料を含有する透明性可逆光変色性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第一の透明性光輝層を設けてなり、且つ、前記平糸の、前記第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第二の透明性光輝層を設けてなることを要件とする。
さらには、前記第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層の外面に、可逆光変色性材料を含有する可逆光変色層を設けてなることを要件とする。
また、透明性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第一の透明性光輝層を設けてなり、且つ、前記平糸の、前記第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層、及び、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第二の透明性光輝層を設けてなることを要件とする。
さらには、前記平糸と第一の可逆光変色層の間、又は、前記第一の可逆光変色層の外面に、前記第二の透明性光輝層を設けてなること、前記平糸と第一の透明性光輝層の間、又は、前記第一の透明性光輝層の外面に、可逆光変色性材料を含有する第二の可逆光変色層を設けてなることを要件とする。
また、前記透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層の光学性状、又は、前記第一の透明性光輝層と第二の透明性光輝層の光学性状は、互いに異なる光学性状であること、前記第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料、又は、前記透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料は、光照射時に互いに異なる色を呈する材料であること、前記第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料、又は、前記透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料は、発色時間又は消色時間の少なくとも一方が互いに異なる材料であること、発色状態の前記光輝性可逆光変色性平糸の可視光透過率は5%以上であること、前記光輝性可逆光変色性平糸を含む製品であることを要件とする。
本発明は、可逆光変色性材料を含有した可逆光変色層又は可逆光変色性樹脂フィルムの光照射による色変化と、透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層、又は、第一の透明性光輝層と第二の透明性光輝層による光輝性が表裏両面から視認され、且つ、光輝性が明瞭或いは特異的であるため、色変化の多様性を満足させ、玩具分野、装飾分野、デザイン分野等、多様な分野への応用性を備えた商品性の高い光輝性可逆光変色性平糸及びそれを用いた製品を提供できる。
本発明の光輝性可逆光変色性平糸の一実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。 本発明の光輝性可逆光変色性平糸の他の実施例の縦断面図である。
本発明の光輝性可逆光変色性平糸(1)(以下、「平糸」と表すことがある)は、図1に示す通り、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝性樹脂フィルム(2)からなる平糸の一方の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層(3)を設けてなり、且つ、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝層(4)を設けてなる。
また、図2に示す通り、透明性光輝性樹脂フィルム(2)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の可逆光変色層(3)及び透明性光輝層(4)を順に設けてなり、且つ、透明性光輝層の外面(透明性光輝層の、第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の面)に、可逆光変色性材料を含有する第二の可逆光変色層(5)を設けてなる構成や、図3に示す通り、透明性光輝性樹脂フィルム(2)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の可逆光変色層(3)及び透明性光輝層(4)を順に設けてなり、且つ、平糸の、第一の可逆光変色性及び透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第二の可逆光変色層(5)を設けてなる構成とすることもできる。
金属光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、透明性金属光沢顔料を透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
また、透明性金属光沢顔料をビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、透明性支持体上にコーティング層(透明性金属光沢層)を形成した、積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることもできる。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
金属光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとして、単一層又は積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
透明性金属光沢顔料としては、ガラス片等の芯物質の表面を、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化鉄等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料や、カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料等が挙げられる。
ガラス片等の芯物質の表面を金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料としては、例えば、フレーク形状のガラス片を芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料や、ホウ珪酸ガラス片を芯物質とし、その表面を二酸化珪素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料等を例示できる。
フレーク形状のガラス片を芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、芯物質にガラスを用いることで、高い金属光沢性と透明性を有する。また、金属酸化物の被覆率により金色、銀色、銅色、或いはメタリック色等を呈する。
フレーク形状のガラス片を芯物質とし、その表面を酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料として具体的には、日本板硝子(株)製、製品名:メタシャイン5090RS(平均粒子径:90μm、厚さ:5μm、色調:銀色)、同5090RY(平均粒子径:90μm、厚さ:5μm、色調:金色)、同5090RR(平均粒子径:90μm、厚さ:5μm、色調:メタリックレッド)、同5090RB(平均粒子径:90μm、厚さ:5μm、色調:メタリックブルー)、同5090RG(平均粒子径:90μm、厚さ:5μm、色調:メタリックグリーン)、同1080RS(平均粒子径:80μm、厚さ:1μm、色調:銀色)、同1080RY(平均粒子径:80μm、厚さ:1μm、色調:金色)、同1080RR(平均粒子径:80μm、厚さ:1μm、色調:メタリックレッド)、同1080RB(平均粒子径:80μm、厚さ:1μm、色調:メタリックブルー)、同1080RG(平均粒子径:80μm、厚さ:1μm、色調:メタリックグリーン)、同1040RS(平均粒子径:40μm、厚さ:1μm、色調:銀色)、同1040RY(平均粒子径:40μm、厚さ:1μm、色調:金色)、同1040RR(平均粒子径:40μm、厚さ:1μm、色調:メタリックレッド)、同1040RB(平均粒子径:40μm、厚さ:1μm、色調:メタリックブルー)、同1040RG(平均粒子径:40μm、厚さ:1μm、色調:メタリックグリーン)、同1030RS(平均粒子径:30μm、厚さ:1μm、色調:銀色)、同1030RY(平均粒子径:30μm、厚さ:1μm、色調:金色)、同1030RR(平均粒子径:30μm、厚さ:1μm、色調:メタリックレッド)、同1030RB(平均粒子径:30μm、厚さ:1μm、色調:メタリックブルー)、同1030RG(平均粒子径:30μm、厚さ:1μm、色調:メタリックグリーン)、同E025RS(平均粒子径:25μm、厚さ:0.5μm、色調:銀色)、同E025RY(平均粒子径:25μm、厚さ:0.5μm、色調:金色)、同E025RR(平均粒子径:25μm、厚さ:0.5μm、色調:メタリックレッド)、同E025RB(平均粒子径:25μm、厚さ:0.5μm、色調:メタリックブルー)、同E025RG(平均粒子径:25μm、厚さ:0.5μm、色調:メタリックグリーン)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
ホウ珪酸ガラス片を芯物質とし、その表面を二酸化珪素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料は、芯物質に用いるホウ珪酸ガラスが一般のガラスよりも耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性等に優れているため、芯物質の厚さを薄くしても割れ難い状態を維持できる。よって、反射面積あたりの質量を小さくすることができると共に、顔料の光透過性を向上させることが可能となる。また、金属酸化物の被覆率により金色、銀色、銅色、或いはメタリック色等を呈する。
ホウ珪酸ガラス片を芯物質とし、その表面を二酸化珪素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Miraval5311 Scenic White(平均粒子径:10〜100μm、色調:銀色)、同5320 Scenic Gold(平均粒子径:10〜100μm、色調:金色)、同5400 Luxury Twincle(平均粒子径:20〜200μm、色調:金色)、同5401 Royal Twinkle(平均粒子径:20〜200μm、色調:メタリックレッド)、同5402 Pacific Twincle(平均粒子径:20〜200μm、色調:メタリックブルー)、同5411 Magic White(平均粒子径:20〜200μm、色調:銀色)、同5420 Magic Gold(平均粒子径:20〜200μm、色調:金色)、同5421 Magic Copper(平均粒子径:20〜200μm、色調:銅色)、同5422 Magic Red(平均粒子径:20〜200μm、色調:赤銅色)、同5423 Magic Lilac(平均粒子径:20〜200μm、色調:メタリックバイオレット)、同5424 Magic Blue(粒子径:20〜200μm、色調:メタリックブルー)、同5425 Magic Turquoise(平均粒子径:20〜200μm、色調:メタリックターコイズ)、同5426 Magic Green(平均粒子径:20〜200μm、色調:メタリックグリーン)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.1〜1.0μmである。
カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料としては、例えば、コレステリック液晶型金属光沢顔料や、酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料等を例示できる。
コレステリック液晶型金属光沢顔料について説明する。コレステリック液晶型金属光沢顔料として用いられる液晶ポリマーは、光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の領域のみが反射し、これ以外の領域は全て光が透過する性質を有する。反射スペクトルの領域は、螺旋状のポリマーのピッチ幅、及び材料の屈折率によって決まり、また、反射スペクトル領域は左及び右螺旋に偏光した光線成分に分割され、その際、螺旋の回転方向に応じて一方は反射され、他方は透過させることが可能となる。これによりコレステリック液晶型金属光沢顔料は全体的なスペクトル領域にわたり、透過及び反射する性質、即ち、優れた金属光沢性と視点により色相が変化するカラーフロップ性を有する。また、コレステリック液晶型金属光沢顔料は金属光沢性と共に透明性も有する。
コレステリック液晶型金属光沢顔料としては、例えば、メソジェンを側鎖に持つシロキサン骨格をベースとした材料等を例示できる。
コレステリック液晶型金属光沢顔料として具体的には、ワッカーケミー社製、製品名:HELICONE HC Sapphire(平均粒子径:30μm、厚さ:5μm、色調:青色乃至黒色)、同Scarabeus(平均粒子径:30μm、厚さ:5μm、色調:緑色乃至青色)、同Jade(平均粒子径:30μm、厚さ:5μm、色調:金色乃至濃緑色)、同Maple(平均粒子径:30μm、厚さ:5μm、色調:赤銅色乃至深緑色)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、光透過性を有すると共に、光の干渉効果によって視覚する角度や光の当たる角度で様々な色彩を表現できるカラーフロップ性と優れた金属光沢性を有する。また、2種以上の金属酸化物で酸化珪素を多層に被覆する場合、光反射率の異なる金属酸化物を用いることで、より効果的にカラーフロップ性と金属光沢性を付与できる。金属酸化物としては、例えば、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄等を例示できる。
酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Colorstream T10−01 Viola Fantasy(平均粒子径:5〜50μm、色調:紫色乃至緑色)、同T10−02 Arctic Fire(平均粒子径:5〜50μm、色調:銀色乃至紫色)、同T10−03 Tropic Sunrise(平均粒子径:5〜50μm、色調:茶色乃至緑色)、同T10−04 Lapis Sunlight(平均粒子径:5〜50μm、色調:金色乃至青緑色)、同F10−51 Lava Red(平均粒子径5〜50μm、色調:銅色乃至赤色)、同T20−01 WNT Viola Fantasy(平均粒子径:5〜40μm、色調:紫色乃至緑色)、同T20−02 WNT Arctic Fire(平均粒子径:5〜40μm、色調:銀色乃至紫色)、同T20−03 WNT Tropic Sunrise(平均粒子径:5〜40μm、色調:茶色乃至緑色)、同T20−04 WNT Lapis Sunlight(平均粒子径:5〜40μm、色調:金色乃至青緑色)、同F20−51 SW Lava Red(平均粒子径:5〜40μm、色調:銅色乃至赤色)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.01〜1.0μmである。
真珠光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、透明性真珠光沢顔料を透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
また、透明性真珠光沢顔料をビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、透明性支持体上にコーティング層(透明性真珠光沢層)を形成した、積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることもできる。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
真珠光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとして、単一層又は積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
透明性真珠光沢顔料としては、天然雲母、合成雲母、薄片状酸化アルミニウム等の芯物質の表面を、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化鉄等の金属酸化物で被覆した透明性真珠光沢顔料が挙げられる。
天然雲母を芯物質とする透明性真珠光沢顔料としては、例えば、天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆したもの、酸化チタンの上層をさらに酸化鉄や非変色性染顔料で被覆したもの、天然雲母粒子の表面を酸化鉄で被覆したもの等が挙げられ、天然雲母粒子の表面を41〜44質量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜50μmの金色真珠光沢顔料、天然雲母粒子の表面を30〜38質量%の酸化チタンで被覆し、その上層を0.5〜10質量%の非変色性有色顔料で被覆した粒度が5〜60μmの金色真珠光沢顔料、天然雲母粒子の表面を16〜39質量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜100μmの銀色真珠光沢顔料、天然雲母粒子の表面を45〜58質量%の酸化チタンで被覆したメタリック色真珠光沢顔料、天然雲母粒子の表面を45〜58質量%の酸化チタンで被覆し、その上層を0.5〜10質量%の非変色性有色染顔料で被覆したメタリック色真珠光沢顔料等を例示できる。また、金属酸化物の被覆率により金色、銀色、銅色、或いはメタリック色等を呈する。
天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した透明性真珠光沢顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Iriodin100(平均粒子径:10〜60μm、色調:シルバーパール)、同103(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチルスターリングシルバー)、同103 WNT(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチルスターリングシルバー)、同111(平均粒子径:1〜15μm、色調:ルチルファインサテン)、同111 WNT(平均粒子径:1〜15μm、色調:ルチルファインサテン)、同120(平均粒子径:5〜25μm、色調:ラスターサテン)、同123(平均粒子径:5〜25μm、色調:ブライトラスターサテン)、同153(平均粒子径:20〜100μm、色調:フラッシュパール)、同153 WII(平均粒子径:20〜100μm、色調:フラッシュパール)、同163(平均粒子径:20〜180μm、色調:シマーパール)、同201(平均粒子径:5〜25μm、色調:ルチル・ファインゴールド)、同205(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・プラチナゴールド)、同211(平均粒子径:5〜25μm、色調:ルチル・ファインレッド)、同215(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・レッドパール)、同217(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・カッパーパール)、同219(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・ライラックパール)、同221(平均粒子径:5〜25μm、色調:ルチル・ファインブルー)、同223(平均粒子径:5〜25μm、色調:ルチル・ファインライラック)、同225(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・ブルーパール)、同231(平均粒子径:5〜25μm、色調:ルチル・ファイングリーン)、同235(平均粒子径:10〜60μm、色調:ルチル・グリーンパール)、同249(平均粒子径:10〜125μm、色調:フラッシュ・ゴールド)、同259(平均粒子径:10〜125μm、色調:フラッシュ・レッド)、同289(平均粒子径:10〜125μm、色調:フラッシュ・ブルー)、同299(平均粒子径:10〜125μm、色調:フラッシュ・グリーン)、同7205(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラゴールド)、同7215(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラレッド)、同7217(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラカッパー)、同7219(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラライラック)、同7215(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラブルー)、同7235(平均粒子径:10〜60μm、色調:ウルトラグリーン)、
BASF社製、製品名:Lumina Gold(平均粒子径:8〜48μm、色調:金色)、同Red(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックレッド)、同Red Blue(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックブルー)、同Aqua Blue(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックブルー)、同Green(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックグリーン)、同Turquoise(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックブルー)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.1〜1.0μmである。
天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆し、さらにその上層を酸化鉄で被覆した透明性真珠光沢顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Iriodin300(平均粒子径:10〜60μm、色調:ゴールドパール)、同302(平均粒子径:5〜25μm、色調:ゴールドサテン)、同303(平均粒子径:10〜60μm、色調:ローヤルゴールド)、同305(平均粒子径:10〜60μm、色調:ソーラーゴールド)、同306(平均粒子径:10〜60μm、色調:オリンピックゴールド)、同309(平均粒子径:10〜60μm、色調:メダリオンゴールド)、同320(平均粒子径:10〜60μm、色調:ブライトゴールドパール)、同323(平均粒子径:5〜25μm、色調:ローヤルゴールドサテン)、同325(平均粒子径:5〜25μm、色調:ソーラーゴールドサテン)、同326(平均粒子径:5〜25μm、色調:オリンピックゴールドサテン)、
BASF社製、製品名:Lumina Brass(平均粒子径:8〜48μm、色調:金色)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.1〜1.0μmである。
天然雲母粒子の表面を酸化鉄で被覆した透明性真珠光沢顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Iriodin500(平均粒子径:10〜60μm、色調:銅色)、同502(平均粒子径:10〜60μm、色調:レッドブラウン)、同504(平均粒子径:10〜60μm、色調:レッド)、同505(平均粒子径:10〜60μm、色調:レッドバイオレット)、同520(平均粒子径:5〜25μm、色調:ブロンズサテン)、同522(平均粒子径:5〜25μm、色調:レッドブラウンサテン)、同524(平均粒子径:5〜25μm、色調:レッドサテン)、
BASF社製、商品名:Lumina Copper(平均粒子径:8〜48μm、色調:銅色)、同Russet(平均粒子径:8〜48μm、色調:メタリックレッド)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.1〜1.0μmである。
合成雲母を芯物質とし、その表面を金属酸化物で被覆した透明性真珠光沢顔料は、芯物質として天然雲母を用いた系に較べて不純物や鉄等の着色因子となる金属イオンの含有量が少なく、光輝性に優れ、キラキラ光る様相を呈すると共に高い透明性を有する。また、金属酸化物の被覆率により、金色、銀色、銅色、或いはメタリック色等を呈する。合成雲母としては、例えば、KMg3(AlSi3O10)F2を例示できる。
合成雲母の形状は特定されないが、例えば、偏平形状や鱗片形状のものを例示できる。
合成雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆した透明性真珠光沢顔料として具体的には、日本光研工業(株)製、製品名:TWINCLE PEARL SXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:銀色)、同YXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:金色)、同RXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックレッド)、同VXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックバイオレット)、同BXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックブルー)、同GXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックグリーン)、同RYXB(平均粒子径:5〜30μm、色調:金色)、同SXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:銀色)、同YXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:金色)、同RXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:メタリックレッド)、同VXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:メタリックバイオレット)、同BXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:メタリックブルー)、同GXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:メタリックグリーン)、同RYXD(平均粒子径:5〜60μm、色調:金色)、同SXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:銀色)、同YXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:金色)、同RXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:メタリックレッド)、同VXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:メタリックバイオレット)、同BXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:メタリックブルー)、同GXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:メタリックグリーン)、同RYXE(平均粒子径:20〜80μm、色調:金色)、同SX(平均粒子径:40〜200μm、色調:銀色)、同YX(平均粒子径:40〜200μm、色調:金色)、同RX(平均粒子径:40〜200μm、色調:メタリックレッド)、同VX(平均粒子径:40〜200μm、色調:メタリックバイオレット)、同BX(平均粒子径:40〜200μm、色調:メタリックブルー)、同GX(平均粒子径:40〜200μm、色調:メタリックグリーン)、同RYX(平均粒子径:40〜200μm、色調:金色)、同SXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:銀色)、同YXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:金色)、同RXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:メタリックレッド)、同VXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:メタリックバイオレット)、同BXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:メタリックブルー)、同GXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:メタリックグリーン)、同RYXC−SO(平均粒子径:10〜40μm、色調:金色)、同SXB−SO(平均粒子径:5〜30μm、色調:銀色)、同SXD−SO(平均粒子径:5〜60μm、色調:銀色)、
日本光研工業(株)製、製品名:ULTIMICA SB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:銀色)、同SD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:銀色)、同SE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:銀色)、同SF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:銀色)、同SH−100(平均粒子径:150〜600μm、色調:銀色)、同YB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:金色)、同YD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:金色)、YE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:金色)、同YF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:金色)、同RB−100(平均粒子径:5〜300μm、色調:メタリックレッド)、同RD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:メタリックレッド)、同RE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:メタリックレッド)、同RF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:メタリックレッド)、同RBB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックパープル)、同RBD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:メタリックパープル)、同RBE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:メタリックパープル)、同RBF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:メタリックパープル)、同VB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックバイオレット)、同VD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:メタリックバイオレット)、同VE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:メタリックバイオレット)、同VF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:メタリックバイオレット)、同BB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックブルー)、同BD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:メタリックブルー)、同BE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:メタリックブルー)、同BF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:メタリックブルー)、同GB−100(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックグリーン)、同GD−100(平均粒子径:10〜60μm、色調:メタリックグリーン)、同GE−100(平均粒子径:15〜100μm、色調:メタリックグリーン)、同GF−100(平均粒子径:44〜150μm、色調:メタリックグリーン)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.01〜1.0μmである。
薄片状酸化アルミニウムを芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性真珠光沢顔料は、芯物質の酸化アルミニウム表面の反射率が高く、粒度分布がシャープであるため、優れた光輝性と高い透明性を有する。また、金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、銅色、或いはメタリック色等を呈する。
薄片状酸化アルミニウムの表面を酸化チタンで被覆した顔料として具体的には、メルク(株)製、製品名:Xirallic T50−10 Crystal Silver(平均粒子径:5〜40μm、色調:銀色)、同T60−10 WNT Crystal Silver(平均粒子径:5〜30μm、色調:銀色)、同T60−20 WNT Sunbeam Gold(平均粒子径:5〜30μm、色調:金色)、同T60−21 WNT Solaris Red(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックレッド)、同T60−23 WNT Galaxy Blue(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックブルー)、同T60−24 WNT Stellar Green(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックグリーン)、同T60−25 WNT Cosmic Turquoise(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックブルー)、同F60−50 WNT Fireside Copper(平均粒子径:5〜30μm、色調:銅色)、同F60−51 WNT Radiant Red(平均粒子径:5〜30μm、色調:メタリックレッド)等を例示できる。
なお、上記の平均粒子径はレーザー回折法による平均粒子径であり、平均の厚さは0.1〜1.0μmである。
透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を溶融ブレンドさせる透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂としては、無色透明又は有色透明のものを使用することができ、可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化、又は、可逆光変色層に隣接する透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレン−ジメチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、シクロオレフィンコポリマー等の透明性を有する熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、アリール樹脂、シリコーン樹脂等の透明性を有する熱硬化性樹脂を例示できる。
透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢性顔料は、樹脂中に0.1〜40質量%、好ましくは0.3〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%の割合で配合される。顔料の配合割合が40質量%を超えると、樹脂中への分散に際して分散安定性や加工適性に欠け易くなる。一方、配合割合が0.1質量%未満では、所望の光輝性を示し難くなる。
透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を分散させるビヒクルは、溶剤と、バインダー樹脂と、必要により各種添加剤とから構成される。
溶剤としては水や各種有機溶剤が挙げられ、有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、n−オクタン、イソオクタン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール等を例示できる。
バインダー樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックススチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ポリイソブチレン、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、ケトン樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、アクリル酸エステル系エマルジョン、メタクリル酸エステル系エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、ロジンエステル系エマルジョン、エポキシ樹脂系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョン、合成ゴムラテックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、クマロンプラスチック、ポリブテン、フェノキシプラスチック、液状ポリブタジエン、液状ゴム、石油系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の合成樹脂、
セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ロジン誘導体、デンプン類、多糖類、ガム類、天然ゴム、セラック、寒天、カゼイン、ニカワ、ゼラチン、ポリテルペン等の天然又は半合成樹脂等を例示できる。
透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料は、バインダー樹脂中に0.1〜40質量%、好ましくは0.2〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%の割合で配合される。顔料の配合割合が40質量%を超えると、バインダー樹脂中への分散に際して分散安定性や加工適性に欠け易くなる。一方、配合割合が0.1質量%未満では、所望の光輝性を示し難くなる。
添加剤としては、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、潤滑剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
透明性支持体としては、無色透明又は有色透明のものを使用することができ、可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化、又は、可逆光変色層に隣接する透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
透明性支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミド等の汎用の樹脂を用いたシート状、フィルム状等の平面状形態の熱可塑性樹脂成形体等を例示できる。柔軟性に富み、且つ、安全性に優れることから、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の樹脂を用いた透明性プラスチックシートが好ましい。
また、真珠光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、互いに異なる屈折率のポリマーからなる10層以上の層を中間層に設けた光干渉現象を呈する透明性多層フィルムの、該多層フィルムに透光性染料を含有してなる透明性真珠光沢性樹脂フィルムを用いることもできる。透明性真珠光沢性樹脂フィルムは、約30〜500nmの均一な厚さをもつ極めて薄い透光性の熱可塑性樹脂からなるフィルム(薄膜層)が少なくとも10層以上積層してなり、接触して隣接する層は異なる材料の透光性の樹脂で、少なくとも0.03の数値で屈折率を異にしており、且つ、層中に透光性染料を含有してなる。よって、透光性染料によって層の反射色、透過色の少なくとも1つの色調を増強したり、変化させたりする。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等を例示できる。
透光性染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、ピリドン染料、ピラゾロン誘導体染料等を例示できる。なお、透光性染料は一層或いは二層以上の層に含まれており、全ての層に含まれていてもよい。染料の添加量については、未添加の系と比較して薄膜層の透過色の少なくとも一つ、又は、薄膜層の反射光の少なくとも一つ、又は、それら両者を強めたり、変化させるのに十分な量が添加される。
真珠光沢性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとして具体的には、BASF社製、製品名:AURORA FILM等を例示できる。
ホログラム性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、光透過性を有するものであれば汎用のホログラムを用いた透明性ホログラム性樹脂フィルムを用いることができる。
ホログラムとしては、例えば、微細な凹凸模様を設けた透明性ホログラム形成層(特に透明性樹脂からなる)に対し、凹凸模様表面に透明性反射層(金属や金属化合物等からなる薄膜)を形成するレリーフホログラムや、体積型ホログラム(リップマンホログラム)等を例示できる。特に、利便性や積層体としての視覚効果が高いことから、レリーフホログラムが好適に用いられる。
虹彩性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが15μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に113層形成された、緑色の反射光及び赤色の干渉光を有する厚さが17μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に226層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが28μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に226層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが31μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とポリオレフィンの薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが15μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とポリオレフィンの薄層とが交互に113層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが17μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にポリオレフィンの薄層とポリエステルの薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが15μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリプロピレン層で内部にポリオレフィンの薄層とポリエステルの薄層とが交互に113層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが17μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが15μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが17μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが30μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する34μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に226層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが28μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に226層形成された、赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが31μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、青色の反射光及び緑色の干渉光を有する厚さが15μmの透明性多層フィルム、表裏最外層がポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、厚さが17μmの赤色の反射光及び緑色の干渉光を有する透明性多層フィルム等の透明性虹彩性樹脂フィルムを用いることができる。
虹彩性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとして具体的には、ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCENT FILM等を例示できる。
光反射性を有する透明性光輝性樹脂フィルムとしては、例えば、複数のポリエステル薄膜を、延伸軸をずらしながら積層した構造を有し、鏡面のような金属光沢性を有すると共に、視認する角度によって金属光沢性の色変化を呈し、さらに、視認する角度によっては透明性を有する透明性光反射性樹脂フィルムを用いることができる。具体的には、(株)ホログラムサプライ製、製品名:マジカルフィルム(ミラージュフィルム)等を例示できる。
透明性光輝性樹脂フィルムの厚さは1〜50μm、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmの範囲が実用を満たす。透明性光輝性樹脂フィルムの厚さが50μmを超えると、平糸にした際に、糸としての柔軟な風合いを損ない易くなる。一方、厚さが1μm未満では、薄すぎるためフィルムの強度に乏しく、糸としての耐久性を満たし難く、また、所望の光輝性を示し難くなる。
透明性光輝性樹脂フィルムが有する透明性とは、可視光領域(JIS B 7079で規定される380〜780nmの波長領域)の波長の光を透過する性質のことであり、透明性光輝性樹脂フィルムの可視光領域における光透過率(可視光透過率)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。可視光透過率が5%未満の場合、隣接する可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化、又は、可逆光変色層に隣接する透明性光輝層の光輝性等を視認し難く、平糸が表裏両面で呈する多彩な色合いを視認し難くなる。
なお、上記の可視光透過率は、可視光領域の波長の光を透過する透明基材上に透明性光輝性樹脂フィルムを設け、分光光度計〔(株)日立製作所製、製品名:U−3210〕を用いて380nmから780nmの波長領域で測定し、最大値と最小値の中間値とした。
第一の可逆光変色層及び第二の可逆光変色層中に含有される可逆光変色性材料としては、スピロオキサジン誘導体、スピロピラン誘導体、ナフトピラン誘導体等のフォトクロミック化合物が挙げられる。
スピロオキサジン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジメチル−1−エチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5,7−ジフルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−シアノ−3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−メチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−メチル−5′−ニトロジスピロ[シクロペンタン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5′−テトラメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′−フルオロ−1′−メチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−6′−クロロ−3,3−ジメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−ヨード−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−トリフルオロメチル−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジエチル−1−メチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,6′−テトラメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5′−フルオロ−1′−メチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−エトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4′,6′−ジフルオロ−1′−メチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジメチル−1−フェニルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,5−テトラメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7′−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,7′−テトラメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[4,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−クロロ−1,3−ジメチル−3−エチル−5′−メトキシスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジエチル−1−メチル−5−ニトロスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′,6′−ジメチルスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
9″−ブロモ−1′−メトキシカルボニルメチル−5′−トリフルオロメチルジスピロ[シクロペンタン−1,3′−[3H]−インドール−2′[1′H],3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1−ベンジル−3,3−ジ−n−ブチル−7′−エチル−5−メトキシスピロ[2H−インドール−1,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−n−ブチル−6′−ヨードジスピロ[シクロヘプタン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3−ジメチル−9′−ヨード−1−ナフチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4′−シアノ−1′−〔2−(メトキシカルボニル)エチル〕ジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7−メトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4−ブロモ−3,3−ジエチル−9′−エトキシ−1−(2−フェニル)エチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−メチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5−エチル−9−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−ベンジル−6″−ヨードジスピロ[シクロペンタン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−メチル−5′−トリクロロメチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H),3″−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3−ジエチル−3−メチルスピロ[2H−インドール−2,3′−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ[シクロヘキサン−1,3′−[3H]−インドール−2′(1′H)−[3H]ピリド[2,3−f][1,4]ベンゾオキサジン]等、インドリノスピロベンゾオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロナフトオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−クロロ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−ブロモ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロピル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−イソブチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロポキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−シアノ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−n−プロピル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−イソブチル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−n−オクチル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−n−オクタデシル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−スルホン酸ナトリウム−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−トリフルオロ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(4′−メチルフェニル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−モルフォリノ)−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−モルフォリノ)−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−イソプロピル−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−ヒドロキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−8′−ヒドロキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−9′−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−9′−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−5′−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5′−メトキシ−6′−トリフルオロメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−9′−メトキシ−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,5,6−テトラメチル−3−エチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−メチル−3,3−ジフェニル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン、
1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−インドリノスピロナフトオキサジン等、インドリノスピロナフトオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3−トリメチル−スピロインドリンフェナントロオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンフェナントロオキサジン等、インドリノスピロフェナントロオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3−トリメチル−スピロインドリンキノリノオキサジン等、インドリノスピロキノリノオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
スピロピラン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
スピロピラン誘導体としては、例えば、
1,3,3−トリメチル−インドリノベンゾピリロスピラン、
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ブロモベンゾピリロスピラン、
1,3,3−トリメチルインドリノ−8′−メトキシベンゾピリロスピラン、
1,3,3−トリメチルインドリノ−β−ナフトピリロスピラン、
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾピリロスピラン
等を例示できる。
ナフトピラン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ナフトピラン誘導体としては。、例えば、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]ジピラン、
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b′]ジピラン、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[4,3−b:8,7−b′]ジピラン、
3,3−ジフェニル−9−メトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−10−メチル−3H−ナフト[2,1−b:5,6−b′]ジピラン−8−オン、
3,3,9,9−テトラ(4′−メトキシ−フェニル)−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]ジピラン、
3,3−ジフェニル−8−〔2−(4−ジメチルアミノ)フェニル〕エテン−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−5−アセトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン
等を例示できる。
さらに、光メモリー性(色彩記憶性光変色性)を有するフォトクロミック化合物としては、フルギド誘導体、ジアリールエテン誘導体等が挙げられる。
ジアリールエテン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ジアリールエテン誘導体としては、例えば、
1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メトキシ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メトキシ−5−メチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−メチル−6−(1−ピロリジノ)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジエチルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アセチルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−ブチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾフラニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−メチル−6−(1−モルフォリノ)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メトキシ−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチル−2−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチル−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(3−メチル−2−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(3−メチル−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−ブチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(5−フェニル−2−メチル−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔5−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−〔2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル〕−2−〔2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−〔2−メチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル〕−2−〔2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−〔2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル〕−2−〔2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2,4−ジメチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2,4−ジメチル−5−(2−フェニルエテニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2,4−ジメチル−5−(4−アミノフェニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−〔2,4−ジメチル−5−(2−フェニルエテニル)−3−チエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−エチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−エチル−6−(5−メチル−2−チエニル)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−エチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス〔2−エチル−6−(1−モルフォリノ)−3−ベンゾチエニル〕−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン
等を例示できる。
また、可逆光変色性材料として、上記のフォトクロミック化合物を各種オリゴマーに溶解した可逆光変色性組成物を用いることもできる。オリゴマーとしては、スチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマー、テルペン系オリゴマー、又はテルペンフェノール系オリゴマー等が挙げられる。
フォトクロミック化合物を各種オリゴマーに溶解することにより、耐光性の向上と共に、発色濃度の向上、さらには変色感度を調整することができる。
スチレン系オリゴマーとしては、重量平均分子量が200〜6000、好ましくは200〜4000のものが用いられる。スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が6000を超えると、光照射により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり易く、また、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、重量平均分子量が200未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、耐光性を損ない易くなる。
スチレン系オリゴマーは、スチレン骨格を有する化合物又はその水添物であり、例えば、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等を例示できる。
低分子量ポリスチレンとして具体的には、三洋化成工業(株)製、製品名:ハイマーSB−75(重量平均分子量:2000)、同ST−95(重量平均分子量:4000)等を例示できる。
スチレン−α−メチルスチレン共重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5(重量平均分子量:317)、同A−75(重量平均分子量:917)等を例示できる。
α−メチルスチレン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:クリスタレックス3085(重量平均分子量:664)、同3100(重量平均分子量:1020)、同1120(重量平均分子量:2420)等を例示できる。
α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコテックスLC(重量平均分子量:950)、同100(重量平均分子量:1740)等を例示できる。
アクリル系オリゴマーとしては、重量平均分子量が12000以下、好ましくは1000〜8000、より好ましくは1500〜6000のものが用いられる。アクリル系オリゴマーの重量平均分子量が12000を超えると、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、重量平均分子量が1000未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため発色濃度が低くなり易いと共に、耐光性を損ない易くなる。
アクリル系オリゴマーとしては、例えば、アクリル酸エステル共重合体等を例示できる。
アクリル酸エステル共重合体として具体的には、東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1170(重量平均分子量:8000)、同1080(重量平均分子量:6000)、同1000(重量平均分子量:3000)、同1020(重量平均分子量:2000)、同1010(重量平均分子量:1700)、UH−2000(重量平均分子量:11000)、US−6100(重量平均分子量:2500)、UC−3510(重量平均分子量:2000)等を例示できる。
テルペン系オリゴマーとしては、重量平均分子量が250〜4000、好ましくは300〜4000のものが用いられる。テルペン系オリゴマーの重量平均分子量が4000を超えると、光照射により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり易く、また、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、重量平均分子量が250未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、耐光性を損ない易くなる。
テルペン系オリゴマーは、テルペン骨格を有する化合物であり、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、d−リモネン重合体等を例示できる。
α−ピネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトA115(重量平均分子量:833)等を例示できる。
β−ピネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトS115(重量平均分子量:1710)等を例示できる。
d−リモネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトC115(重量平均分子量:902)等を例示できる。
テルペンフェノール系オリゴマーとしては、重量平均分子量が200〜2000、好ましくは500〜1200のものが用いられる。テルペンフェノール系オリゴマーの重量平均分子量が2000を超えると、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、重量平均分子量が200未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、発色濃度が低くなり易くなる。
テルペンフェノール系オリゴマーは、環状テルペンモノマーとフェノール類とを共重合させた化合物又はその水添物であり、例えば、α−ピネン−フェノール共重合体等が挙げられる。
α−ピネン−フェノール共重合体として具体的には、ヤスハラケミカル(株)製、製品名:YSポリスターT145(重量平均分子量:1050)、同T130(重量平均分子量:900)、同T500(重量平均分子量:500)、同S145(重量平均分子量:1050)等を例示できる。
上記のスチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマー、テルペン系オリゴマー、テルペンフェノール系オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
また、上記のオリゴマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
可逆光変色性組成物における、フォトクロミック化合物:スチレン系オリゴマー又はアクリル系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:500である。
また、フォトクロミック化合物:テルペン系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1〜1:5000、より好ましくは1:5〜1:500である。
また、フォトクロミック化合物:テルペンフェノール系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:2〜1:30である。
フォトクロミック化合物とオリゴマーの質量比が上記の範囲内にあることにより、フォトクロミック化合物が発消色機能を満たすと共に、十分な発色濃度を示し易くなる。
可逆光変色性材料としては、可逆光変色性組成物をマイクロカプセルに内包させた可逆光変色性マイクロカプセル顔料(以下、「マイクロカプセル顔料」と表すことがある)や、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂中に分散させた可逆光変色性樹脂粒子(以下、「樹脂粒子」と表すことがある)を用いることもできる。
可逆光変色性組成物はマイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成することができる。マイクロカプセル化には、従来より公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。さらに、微小カプセルの表面には目的に応じて二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
マイクロカプセル顔料は、内包物:壁膜の質量比が7:1〜1:1であることが好ましく、内包物と壁膜の質量比が上記の範囲内にあることにより、発色時の色濃度及び鮮明性の低下を防止することができる。より好ましくは、内包物:壁膜の質量比は6:1〜1:1である。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料又は樹脂粒子の平均粒子径は0.5〜10μm、好ましくは0.5〜3μm、より好ましくは0.5〜1.5μmの範囲が実用を満たす。平均粒子径が10μmを超えると、可逆光変色層の透明性を損ない易く、発色状態及び消色状態において光輝性と光照射時の色変化が平糸の表裏両面から視認され難くなり、また、可逆光変色層が厚くなるため、平糸にした際に、糸としての柔軟な風合いを損ない易くなる。一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
なお、平均粒子径は、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア〔(株)マウンテック製、製品名:マックビュー〕を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。
また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合は、粒度分布測定装置〔ベックマン・コールター(株)製、製品名:Multisizer 4e〕を用いて、コールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定することも可能である。
さらに、上記のソフトウェア又はコールター法による測定装置を用いて計測した数値を基にして、キャリブレーションを行ったレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製、製品名:LA−300〕を用いて、体積基準の粒子径及び平均粒子径を測定しても良い。
第一の可逆光変色層及び第二の可逆光変色層は、可逆光変色性材料をビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接透明性光輝性樹脂フィルムからなる平糸、又は透明性光輝層上にコーティング層として形成することができる。
また、可逆光変色性材料を、透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の可逆光変色性樹脂フィルムを用いることもできる。
コーティング層は、ベタ柄以外にも、円形、楕円形、正方形、長方形等の図形、各種文字、記号、模様等の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
第一の可逆光変色層及び第二の可逆光変色層として、単一層又は積層構成の可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
可逆光変色性樹脂フィルムと、透明性光輝性樹脂フィルムからなる平糸又は透明性光輝層とを接着剤等で貼り合わせることにより、透明性光輝性樹脂フィルムからなる平糸又は透明性光輝層上に可逆光変色層を形成することができる。
可逆光変色性材料を分散させるビヒクルは、溶剤とバインダー樹脂と、必要により各種添加剤とから構成され、可逆光変色性材料の発消色機能、変色機能、又は感度等に影響を及ぼさなければ特に限定されるものではない。
溶剤としては水や各種有機溶剤が挙げられ、有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、n−オクタン、イソオクタン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール等を例示できる。
バインダー樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックススチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ポリイソブチレン、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、ケトン樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、アクリル酸エステル系エマルジョン、メタクリル酸エステル系エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、ロジンエステル系エマルジョン、エポキシ樹脂系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョン、合成ゴムラテックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、クマロンプラスチック、ポリブテン、フェノキシプラスチック、液状ポリブタジエン、液状ゴム、石油系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の合成樹脂、
セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ロジン誘導体、デンプン類、多糖類、ガム類、天然ゴム、セラック、寒天、カゼイン、ニカワ、ゼラチン、ポリテルペン等の天然又は半合成樹脂等を例示できる。
可逆光変色性材料はバインダー樹脂中に0.1〜40質量%、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%の割合で配合される。可逆光変色性材料の配合割合が40質量%を超えると、バインダー樹脂中への分散に際して分散安定性や加工適性に欠け易くなり、また発色濃度の顕著な向上は認められ難く、さらに消色状態において残色を生じ易くなる。一方、配合割合が0.1質量%未満では、所望の発色濃度を示し難くなり、変色機能を十分に満たし難くなる。
添加剤としては、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、潤滑剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
可逆光変色性材料を溶融ブレンドさせる透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂としては、無色透明又は有色透明のものを使用することができ、可逆光変色材料の発消色機能、変色機能、又は感度等に影響を及ぼさず、透明性光輝性樹脂フィルム又は透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレン−ジメチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、シクロオレフィンコポリマー等の透明性を有する熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、アリール樹脂、シリコーン樹脂等の透明性を有する熱硬化性樹脂を例示できる。
可逆光変色性材料は、樹脂中に0.1〜40質量%、好ましくは0.3〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%の割合で配合される。顔料の配合割合が40質量%を超えると、樹脂中への分散に際して分散安定性や加工適性に欠け易くなり、また発色濃度の顕著な向上は認められ難く、さらに消色状態において残色を生じやすくなる。一方、配合割合が0.1質量%未満では、所望の発色濃度を示し難くなり、変色機能を十分に満たし難くなる。
透明性支持体としては、無色透明又は有色透明のものを使用することができ、透明性光輝性樹脂フィルム又は透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
透明性支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミド等の汎用の樹脂を用いたシート状、フィルム状等の平面状形態の熱可塑性樹脂成形体等を例示できる。柔軟性に富み、且つ、安全性に優れることから、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の樹脂を用いた透明性プラスチックシートが好ましい。
可逆光変色層の厚さは1〜40μm、好ましくは5〜35μm、より好ましくは10〜30μmの範囲が実用を満たす。可逆光変色層の厚さが40μmを超えると、平糸にした際に、糸としての柔軟な風合いを損ない易くなる。一方、厚さが1μm未満では、薄すぎるため層としての強度に乏しく、糸としての耐久性を満たし難く、また、所望の発色濃度を示し難くなる。
可逆光変色層は発色状態及び消色状態において透明性を有している。透明性とは、可視光領域(JIS B 7079で規定される380〜780nmの波長領域)の波長の光を透過する性質のことであり、発色状態の可逆光変色層の可視光領域における光透過率(可視光透過率)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。可視光透過率が5%未満の場合、隣接する透明性光輝性樹脂フィルム又は透明性光輝層の光輝性等を視認し難く、平糸が表裏両面で呈する多彩な色合いを視認し難くなる。
なお、上記の可視光透過率は,可視光領域の波長の光を透過する透明基材上に可逆光変色層を設け、発色状態で、分光光度計〔(株)日立製作所製、製品名:U−3210〕を用いて380nmから780nmの波長領域で測定し、最大値と最小値の中間値とした。
透明性光輝層は、上記の透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接可逆光変色層上にコーティング層として形成することができる。
また、透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることもできる。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
透明性光輝層として、単一層又は積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができ、さらには、上記の透明性真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性樹脂フィルム等を用いることもできる。
透明性光輝性樹脂フィルムと、可逆光変色層とを接着剤等で貼り合わせることにより、可逆光変色層上に透明性光輝層を形成することができる。
透明性光輝層の厚さは1〜50μm、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μmの範囲が実用を満たす。透明性光輝層の厚さが50μmを超えると、平糸にした際に、糸としての柔軟な風合いを損ない易くなる。一方、厚さが1μm未満では、薄すぎるため層の強度に乏しく、糸としての耐久性を満たし難く、また、所望の光輝性を示し難くなる。
本発明の光輝性可逆光変色性平糸(1)は、図4に示す通り、可逆光変色性材料を含有する透明性可逆光変色性樹脂フィルム(6)からなる平糸の一方の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第二の透明性光輝層(8)を設けてなる構成とすることもできる。
また、図5及び図6に示す通り、透明性可逆光変色性樹脂フィルム(6)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第二の透明性光輝層(8)を設けてなり、第一の透明性光輝層の外面(第一の透明性光輝層の、平糸が設けられる側と反対の面)、又は、第二の透明性光輝層の外面(第二の透明性光輝層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、可逆光変色性材料を含有する可逆光変色層(9)を設けてなる構成とすることもできる。
透明性可逆光変色性樹脂フィルムとしては、上記の可逆光変色性材料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
また、可逆光変色性材料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることもできる。
コーティング層は、ベタ柄以外にも、円形、楕円形、正方形、長方形等の図形、各種文字、記号、模様等の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
透明性可逆光変色性樹脂フィルムとして、単一層又は積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
第一の透明性光輝層及び第二の透明性光輝層は、上記の透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接可逆光変色性樹脂フィルムからなる平糸上にコーティング層として形成することができる。
また、透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることもできる。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
第一の透明性光輝層及び第二の透明性光輝層として、単一層又は積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができ、さらには、上記の透明性真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性樹脂フィルム等を用いることもできる。
透明性光輝性樹脂フィルムと、可逆光変色性樹脂フィルムとを接着剤等で貼り合わせることにより、透明性可逆光変色性樹脂フィルム上に第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層を形成することができる。
可逆光変色層は、上記の可逆光変色性材料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層上にコーティング層として形成することができる。
また、可逆光変色性材料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることもできる。
コーティング層は、ベタ柄以外にも、円形、楕円形、正方形、長方形等の図形、各種文字、記号、模様等の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
可逆光変色層として、単一層又は積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
透明性可逆光変色性樹脂フィルムと、第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層とを接着剤等で貼り合わせることにより、第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層上に可逆光変色層を形成することができる。
本発明の光輝性可逆光変色性平糸(1)は、図7に示す通り、透明性樹脂フィルム(10)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第一の可逆光変色層(3)を設けてなり、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、第二の透明性光輝層(8)を設けてなる構成や、図8に示す通り、透明性樹脂フィルム(10)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第二の透明性光輝層(8)を設けてなり、第二の透明性光輝層の外面(第二の透明性光輝層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、第一の可逆光変色層(3)を設けてなる構成とすることもできる。
また、図9及び図10に示す通り、透明性樹脂フィルム(10)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第一の可逆光変色層(3)及び第二の透明性光輝層(8)を順に設けてなり、平糸と第一の透明性光輝層の間、又は、第一の透明性光輝層の外面(第一の透明性光輝層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、第二の可逆光変色層(5)を設けてなる構成とすることもできる。
また、図11及び図12に示す通り、透明性樹脂フィルム(10)からなる平糸の一方の広幅の面に、第一の透明性光輝層(7)を設けてなり、且つ、平糸の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、第二の透明性光輝層(8)及び第一の可逆光変色層(3)を順に設けてなり、平糸と第一の透明性光輝層の間、又は、第一の透明性光輝層の外面(第一の透明性光輝層の、平糸が設けられる側と反対の面)に、第二の可逆光変色層(5)を設けてなる構成とすることもできる。
透明性樹脂フィルムとしては、第一の可逆光変色層又は可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化、又は、第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
透明性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、レーヨン、キュプラ等の汎用の樹脂からなるフィルムを例示できる。
透明性樹脂フィルムの厚さは1〜25μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは10〜15μmの範囲が実用を満たす。透明性樹脂フィルムの厚さが25μmを超えると、平糸にした際に、糸としての柔軟な風合いを損ない易くなる。一方、厚さが1μm未満では、厚さが薄すぎるためフィルムの強度に乏しく、糸としての耐久性を満たし難くなる。
透明性樹脂フィルムが有する透明性とは、可視光領域(JIS B 7079で規定される380〜780nmの波長領域)の波長の光を透過する性質のことであり、透明性樹脂フィルムの可視光領域における光透過率(可視光透過率)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。可視光透過率が5%未満の場合、隣接する可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化、又は、透明性光輝層の光輝性等を視認し難く、平糸が表裏両面で呈する多彩な色合いを視認し難くなる。
なお、上記の可視光透過率は,可視光領域の波長の光を透過する透明基材上に透明性樹脂フィルムを設け、分光光度計〔(株)日立製作所製、製品名:U−3210〕を用いて380nmから780nmの波長領域で測定し、最大値と最小値の中間値とした。
第一の透明性光輝層及び第二の透明性光輝層は、上記の透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の可逆光変色層、又は第二の可逆光変色層上にコーティング層として形成することができる。
また、透明性金属光沢顔料又は透明性真珠光沢顔料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることもできる。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
第一の透明性光輝層及び第二の透明性光輝層として、単一層又は積層構成の透明性光輝性樹脂フィルムを用いることができ、さらには、上記の透明性真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性樹脂フィルム等を用いることもできる。
透明性光輝性樹脂フィルムと、透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の可逆光変色層、又は第二の可逆光変色層とを接着剤等で貼り合わせることにより、透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の可逆光変色層、又は第二の可逆光変色層上に、第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層を形成することができる。
第一の可逆光変色層及び第二の可逆光変色層は、上記の可逆光変色性材料を、上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、直接透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の透明性光輝層、又は第二の透明性光輝層上にコーティング層として形成することができる。
また、可逆光変色性材料を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中に溶融ブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることもできる。
コーティング層は、ベタ柄以外にも、円形、楕円形、正方形、長方形等の図形、各種文字、記号、模様等の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
第一の可逆光変色層及び第二の可逆光変色層として、単一層又は積層構成の透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いることができる。
可逆光変色性樹脂フィルムと、透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の透明性光輝層、又は第二の透明性光輝層とを接着剤等で貼り合わせることにより、透明性樹脂フィルムからなる平糸、第一の透明性光輝層、又は第二の透明性光輝層上に、第一の可逆光変色層又は第二の可逆光変色層を形成することができる。
図1乃至図3に示す平糸は透明性光輝性樹脂フィルムを用いるものであるが、透明性光輝性樹脂フィルムは、透明性及び光輝性を有する層であるため、上記の平糸は、二層の透明性光輝層(透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層)と、少なくとも一層の可逆光変色層(第一の可逆光変色層、又は、第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層)を有している。
また、図4乃至図6に示す平糸は透明性可逆光変色性樹脂フィルムを用いるものであるが、透明性可逆光変色性樹脂フィルムは、透明性及び光変色性を有する層であるため、上記の平糸は、少なくとも一層の可逆光変色層(透明性可逆光変色性樹脂フィルム、又は、透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層)と、二層の透明性光輝層(第一の透明性光輝層と第二の透明性光輝層)を有している。
よって、本発明の光輝性可逆光変色性平糸は、二層の透明性光輝層と少なくとも一層の可逆光変色層から構成され、さらに、平糸を構成する全ての層が透明性を有しているため、平糸の表裏両面から光照射時の色変化と共に、二層の透明性光輝層が有する光輝性をそれぞれ視認することができる。
平糸を構成する二層の透明性光輝層(透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層、又は第一の透明性光輝層と第二の透明性光輝層)の光学性状が同じである場合、透明性光輝層が一層のみの構成に対して光輝性が強く、平糸の表裏両面から明瞭な光輝性が視認される。一方、平糸を構成する二層の透明性光輝層の光学性状が互いに異なる場合、平糸の表裏両面から、二層の透明性光輝層の光学性状が混ざり合った光輝性が視認され、透明性光輝層が一層のみの構成では視認され難い特異的な光輝性が視認されるため、好適である。
また、透明性樹脂フィルムからなる平糸を用いた図7乃至図12の平糸は、表裏両面から光照射時の色変化と共に、第一の透明性光輝層及び第二の透明性光輝層が有する光輝性をそれぞれ視認することができることに加えて、平糸の耐熱性及び耐久性が向上されるため、好適である。
図2、図3、図5、図6及び、図9乃至図12に示す平糸は全て、二層の可逆光変色層(第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層、又は、透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層)を有しており、平糸を構成する二層の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料が、光照射時に呈する色が同じである場合、可逆光変色層が一層のみの構成に対して光照射時の発色濃度が高くなり、光照射時の色変化がより明瞭に視認される。一方、二層の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料が、光照射時に呈する色が互いに異なる場合、光照射時に平糸が呈する色は、二層の可逆光変色層がそれぞれ呈する色が混ざり合った色であり、可逆光変色層が一層のみの構成では呈すことのできない色が視認されるため、好適である。
また、本発明に適用する可逆光変色性材料の発色時間とは、消色状態の可逆光変色性材料に光を照射して発色状態となるまでに要する時間のことであり、消色時間とは、発色状態の可逆光変色性材料への光の照射を止めて消色状態となるまでに要する時間のことである。よって、第一及び第二の可逆光変色層中にそれぞれ含有される可逆光変色性材料の、発色時間又は消色時間の少なくとも一方が互いに異なる場合、消色状態の平糸に光を照射する、或いは、発色状態の平糸への光の照射を止めると、平糸の表裏両面から段階的に色変化する様相が視認され、光を照射した際、又は、光の照射を止めた際の色変化性をより多彩なものとすることができるため、より好適である。
本発明の平糸を構成する全てのフィルム及び層は透明性を有しているため、平糸自体も透明性を有し、表裏両面から全ての層を視認することができる。発色状態の平糸の可視光領域における光透過率(可視光透過率)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。可視光透過率が5%未満の場合、可逆光変色層、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、又は透明性可逆光変色性樹脂フィルムの図柄、文字、光照射時の色変化、又は、透明性光輝性樹脂フィルム、透明性光輝層、第一の透明性光輝層、又は第二の透明性光輝層の光輝性等を視認し難く、平糸が表裏両面で呈する多彩な色合いを視認し難くなる。
なお、上記の可視光透過率は,可視光領域の波長の光を透過する透明基材上に平糸を設け、発色状態で、分光光度計〔(株)日立製作所製、製品名:U−3210〕を用いて380nmから780nmの波長領域で測定し、最大値と最小値の中間値とした。
本発明の平糸を構成する全てのフィルム及び層は、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、可逆光変色層、又は透明性可逆光変色性樹脂フィルムの発消色機能を十分に発現させ、光照射時の色変化を表裏両面から明瞭に視認するために、500nm以下の波長の光を透過することが好ましい。平糸中に500nm以下の波長の光を透過しない層が含まれると、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、可逆光変色層、又は透明性可逆光変色性樹脂フィルム中に含まれる可逆光変色性材料の発消色機能を阻害する要因となり、光照射時の色変化が表裏両面から視認し難くなる。
また、本発明の平糸は図13に示す通り、各層の間に一般染顔料、蛍光染顔料、蓄光顔料等の非変色性着色剤を含有した非変色層(11)を設けてなる構成とすることにより、光照射時に有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈し、平糸の色変化をさらに多彩なものとすることができる。
非変色層は、非変色性着色剤を上記のビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布手段により、各層間にコーティング層として形成することができる。
また、非変色層として、非変色性着色剤を、上記の透明性熱可塑性樹脂又は透明性熱硬化性樹脂中にブレンドさせて、ペレット、粉末、又はペースト等の成形用樹脂組成物を調製し、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形等の各種成形手段によりシート状、フィルム状等の平面状形態に成形した、単一層の非変色性樹脂フィルムを用いることができる。
さらに、液状組成物を上記の印刷手段又は塗布手段により、上記の透明性支持体上にコーティング層として形成した、積層構成の非変色性樹脂フィルムを用いることもできる。
コーティング層としては、ベタ柄以外にも、円形、楕円形、正方形、長方形等の図形、各種文字、記号、図形、模様等の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、コーティング層は液状組成物中の溶剤が揮発して、それ以外の化合物により形成される層である。
非変色層として、単一層又は積層構成の非変色性樹脂フィルムを用いることができる。
非変色性着色剤は、平糸の透明性を損なわない範囲内で含有されることが好ましい。
また、非変色性着色剤を上記の各層や樹脂フィルム中に含有させたり、非変色性着色剤と可逆光変色性材料を含んでなる可逆光変色層又は可逆光変色性樹脂フィルム等を適用することによっても、有色(1)から有色(2)への互変的色変化をもたらすことができる。
また、本発明の平糸は図14に示す通り、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、第二の透明性光輝層が設けられる側と反対の面)、及び、第二の可逆光変色層の外面(第二の可逆光変色層の、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の面)に、透明性保護層(12)を設けてなる構成のような、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、又は可逆光変色層等の外面に透明性保護層を設けることにより、耐久性を向上させることができる。透明性保護層が有する透明性とは、可視光領域(JIS B 7079で規定される380〜780nmの波長領域)の波長の光を透過する性質のことである。透明性保護層の可視光領域における光透過率(可視光透過率)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。可視光透過率が5%未満の場合、隣接する可逆光変色層、第一の可逆光変色層、又は第二の可逆光変色層の図柄、文字、光照射時の色変化等を視認し難く、平糸が表裏両面で呈する多彩な色合いを視認し難くなる。
なお、上記の可視光透過率は,可視光領域の波長の光を透過する透明基材上に透明性保護層を設け、分光光度計〔(株)日立製作所製、製品名:U−3210〕を用いて380nmから780nmの波長領域で測定し、最大値と最小値の中間値とした。
また、透明性保護層は、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、可逆光変色層、透明試エ可逆光変色性樹脂フィルム等の発消色機能を十分に発現させ、光照射時の平糸の色変化を表裏両面から明瞭に視認するために、500nm以下の波長の光を透過することが好ましい。透明性保護層が500nm以下の波長の光を透過しない層であると、上記の層又はフィルム中に含まれる可逆光変色性材料の発消色機能を阻害する要因となり、光照射時の色変化を表裏両面から視認し難くなる。
本発明の平糸は、例えば、透明性光輝性樹脂フィルムの一方の面に第一の可逆光変色層を設け、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、透明性光輝層を設けた積層体や、透明性樹脂フィルムの一方の面に第一の透明性光輝層を設け、透明性樹脂フィルムの、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の面に、第一の可逆光変色層を設け、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、第二の透明性光輝層を設けた積層体を、適宜幅にスリッターで裁断することで得ることもできる。
本発明の平糸の幅(W)は100〜5000μm、好ましくは150〜2000μm、より好ましくは200〜1000μmであり、上記の範囲内にあることにより、光照射時に明瞭な色変化を視認できると共に、平糸の耐久性を満足させることができる。
また、平糸の厚さ(T)は5〜50μm、好ましくは5〜45μm、より好ましくは5〜40μmであり、上記の範囲内にあることにより、平糸としての柔軟な風合いを有すると共に、製品等への適用性及び平糸の強度を満足させるができる。
また、本発明の平糸を構成する積層体を作製する際に各層間に接着層を設けると、複雑な製造工程を経ることなく平糸を得ることができる。
例えば、透明性光輝性樹脂フィルムの一方の面に接着層を設けた積層体と、透明性光輝性樹脂フィルム(透明性光輝層)の一方の面に、第一の可逆光変色層を設けた積層体とを、接着層を介して、透明性光輝性樹脂フィルムと第一の可逆光変色層とを貼り付けた積層体を、スリッターで裁断することにより、図1に示す構成の平糸を得ることができる。
また、透明性樹脂フィルムの一方の面に第一の透明性光輝層を設け、透明性樹脂フィルムの、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の面に第一の可逆光変色層を設け、さらに第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に接着層を設けた積層体と、透明性光輝性樹脂フィルム(第二の透明性光輝層)とを、接着層を介して、第一の可逆光変色層と第二の透明性光輝層とを貼り付けた積層体を、スリッターで裁断することにより、図7に示す構成の平糸を得ることができる。
接着層に用いる接着剤としては、第一の可逆光変色層、第二の可逆光変色層、可逆光変色層、又は透明性可逆光変色性樹脂フィルム中に含有される可逆光変色性材料の発消色機能、変色機能、又は感度等に影響がなく、接着層に隣接する上記の可逆光変色層又は可逆非k離変色性樹脂フィルムの図柄、文字、光照射時の色変化、又は、透明性光輝性樹脂フィルム、第一の透明性光輝層、第二の透明性光輝層、透明性光輝層の光輝性等が視認できるものであれば特に限定されるものではない。
接着層に用いる接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂等を例示できる。
本発明の平糸を用いた製品として具体的には、以下のものを例示できる。
(1)玩具類
人形又は動物形象玩具、人形又は動物形象玩具用毛髪、人形の家や家具、衣類、帽子、鞄、靴等の人形用付属品、アクセサリー玩具、ぬいぐるみ、描画玩具、玩具用絵本、積木玩具、ブロック玩具、粘土玩具、流動玩具、こま、凧、楽器玩具、料理玩具、鉄砲玩具、捕獲玩具、背景玩具、及び乗物、動物、植物、建築物、食品等を模した玩具等、
(2)衣類
Tシャツ、トレーナー、ブラウス、ドレス、水着、レインコート、スキーウェア等の被服、靴及び靴紐等の履物、ハンカチ、タオル、風呂敷等の布製身の回り品、手袋、ネクタイ、帽子、スカーフ、マフラー等、
(3)屋内装飾品
絨毯、カーテン、カーテン紐、テーブル掛け、敷物、クッション、カーペット、ラグ、椅子張り地、シート、マット、額縁、造花、写真立て等、
(4)家具
布団、枕、マットレス、ベッド等の寝具、椅子、ソファー等、
(5)装飾品
指輪、腕輪、ティアラ、イヤリング、髪止め、付け爪、リボン、スカーフ、時計、眼鏡等、
(6)その他
鞄、包装用容器、刺繍糸、運動用具、釣り具、コースター、楽器、財布等の袋物、傘、及び教習具等。
また、本発明の平糸を、丸撚り、蛇腹撚り、たすき撚り、羽衣撚り、空撚り等の手法により撚糸とし、上記の製品に適用することもできる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1(図1参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルム(2)として厚さ18μmの透明性真珠光沢性樹脂フィルム(BASF社製、製品名:AURORA 8181RG)(可視光透過率:70%)上に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
また、合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した透明性真珠光沢顔料〔日本光研工業(株)製、製品名:ULTIMICA BB−100〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、真珠光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、真珠光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの真珠光沢性を有する透明性光輝層(4)(可視光透過率:60%)を形成して、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ38μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:38%)を得た。
上記の平糸は、透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層が共に真珠光沢性を有するため、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から明瞭な真珠光沢性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面から明瞭な真珠光沢性を有する青色が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
実施例2(図1参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルム(2)として厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCNT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)上に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
次いで、透明性光輝層(4)として裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ51μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:54%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から、透明性光輝性樹脂フィルムによる虹彩性と透明性光輝層によるホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面から特異的な光輝性を有する青色が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
実施例3
光輝性可逆光変色性撚糸の作製
撚糸機を用いて、芯材として透明ポリエステル繊維の周囲に、芯材に対して透明性光輝層(透明性ホログラム性樹脂フィルム)が表面となるように実施例2の平糸を羽衣撚りして、光輝性可逆光変色性撚糸を得た。
上記の撚糸は、芯材に対して平糸が緩く巻かれているため、太陽光に晒す前は、平糸が巻かれる箇所では虹彩性とホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。一方で、平糸が巻かれていない箇所では平糸の間に芯材が視認されるが、芯材が透明であるため、芯材を通しても上記の特異的な光輝性が視認され、撚糸の全面で均一に特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、撚糸の全面で均一に特異的な光輝性を有する青色が視認され、光照射時の変化性が明瞭であった。その後しばらく室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
実施例4(図3参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.5μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第一の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルム(2)として厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCENT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)上に、第一の可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成した。
また、ホウ珪酸ガラスを芯物質とし、その表面を二酸化ケイ素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料〔メルク(株)製、製品名:Miraval 5423 Magic Lilac〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、金属光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、金属光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの金属光沢性を有する透明性光輝層(4)(可視光透過率:60%)を形成した。
また、1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径1.5μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第二の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層及び透明性光輝層が設けられる側と反対の面に、第二の可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から桃色透明状態に変化する膜厚15μmの第二の可逆光変色層(5)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成して光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ53μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:33%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から透明性光輝性樹脂フィルムによる虹彩性と透明性光輝層による金属光沢性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に、第二の可逆光変色層が桃色に発色して、平糸の表裏両面から特異的な光輝性を有する紫色、詳細には、虹彩性を有する金属光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一及び第二の可逆光変色層が消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。上記の平糸は、第一及び第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料が光照射時に呈する色が互いに異なり、太陽光に晒した際には、可逆光変色層が一のみの構成では呈すことのできない色を呈するため、変化性をより満足させるものであった。
実施例5(図3参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.5μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第一の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルム(2)として厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCENT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)上に、第一の可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成した。
また、ホウ珪酸ガラスを芯物質とし、その表面を二酸化ケイ素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料〔メルク(株)製、製品名:Miraval 5423 Magic Lilac〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、金属光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、金属光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの金属光沢性を有する透明性光輝層(4)(可視光透過率:60%)を形成した。
また、1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、アクリル酸エステル共重合体〔東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1070〕100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径1.5μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第二の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層及び透明性光輝層が設けられる側と反対の面に、第二の可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から桃色透明状態に変化する膜厚15μmの第二の可逆光変色層(5)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成して光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ53μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:33%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から透明性光輝性樹脂フィルムによる虹彩性と透明性光輝層による金属光沢性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に、第二の可逆光変色層が桃色に発色して、平糸の表裏両面から特異的な光輝性を有する紫色、詳細には、虹彩性を有する金属光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第二の可逆光変色層が消色して虹彩性を有する金属光沢調の青色(メタリックブルー色)が視認され、さらに放置すると第一の可逆光変色層が消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。上記の平糸は、第一及び第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料が光照射時に呈する色、及び、消色時間が互いに異なり、太陽光に晒した際には、可逆光変色層が一層のみの構成では呈すことのできない色を呈すると共に、室内で放置すると段階的に異なる色へ変化し、変化性をさらに満足させるものであった。
実施例6(図5参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.5μm)10部と、分散剤1部と、ポリプロピレンホモポリマー89部とをエクストルーダーにて180℃で溶融混合して、可逆光変色性ペレットを調製した。
可逆光変色性ペレットを用いて、押出成形機にて180℃のシリンダー温度でシート状に成形して、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚12μmの透明性可逆光変色性樹脂フィルム(6)(発色状態での可視光透過率:87%)を得た。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、透明性可逆光変色性樹脂フィルムの一方の面に接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、ホウ珪酸ガラスを芯物質とし、その表面を二酸化ケイ素で被覆し、さらに酸化チタンで被覆した二層被覆型の透明性金属光沢顔料〔メルク(株)製、製品名:Miraval 5423 Magic Lilac〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、金属光沢性インキを調製した。
次いで、透明性可逆光変色性樹脂フィルムの、第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の面に、金属光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの金属光沢性を有する第二の透明性光輝層(8)(可視光透過率:60%)を形成して光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ35μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:42%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から、第一の透明性光輝層によるホログラム性と第二の透明性光輝層による金属光沢性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと透明性可逆光変色性樹脂フィルムが青色に発色して、平糸の表裏両面から特異的な光輝性を有する青色、詳細には、ホログラム性を有する金属光沢調の青色(メタリックブルー色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、透明性可逆光変色性樹脂フィルムは消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
実施例7(図7参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルム(10)として厚さ12μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)上に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、透明性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の面に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、第二の透明性光輝層(8)として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ63μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:57%)を得た。
上記の平糸は、第一及び第二の透明性光輝層が共にホログラム性を有するため、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から明瞭なホログラム性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面から明瞭なホログラム性を有する青色が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例8(図7参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルム(10)として接着層を有する厚さ14μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)の、接着層が設けられる側と反対の面に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCNT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)を、透明性樹脂フィルムの接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、第二の透明性光輝層(8)として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ65μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:54%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から第一の透明性光輝層による虹彩性と第二の透明性光輝層によるホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の両面から特異的な光輝性を有する青色が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例9
光輝性可逆光変色性撚糸の作製
撚糸機を用いて、実施例8の平糸を空撚りして、光輝性可逆光変色性撚糸を得た。
上記の撚糸は、太陽光に晒す前は、撚糸の全面で均一に、虹彩性とホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、撚糸の全面で均一に特異的な光輝性を有する青色が視認され、光照射時の変化性が明瞭であった。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の撚糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで撚糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例10(図11参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.2μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第一の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルム(10)として厚さ12μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)上に、第一の可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から桃色透明状態に変化する膜厚10μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:87%)を形成した。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、透明性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の面に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した透明性真珠光沢顔料〔日本光研工業(株)製、製品名:ULTIMICA VB−100〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、真珠光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、真珠光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの真珠光沢性を有する第二の透明性光輝層(8)(可視光透過率:60%)を形成した。
また、1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、アクリル酸エステル共重合体〔東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1070〕100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.2μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第二の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、第一の透明性光輝層の外面(第一の透明性光輝層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、第二の可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚10μmの第二の可逆光変色層(5)(発色状態での可視光透過率:87%)を形成して、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて200μm幅の糸状になるように裁断して厚さ55μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:36%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から第一の透明性光輝層によるホログラム性と第二の透明性光輝層による真珠光沢性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が桃色に、第二の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面から特異的な光輝性を有する紫色、詳細には、ホログラム性を有する真珠光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第二の可逆光変色層は消色してホログラム性を有する真珠光沢調の桃色(メタリックピンク色)が視認され、さらに放置すると第一の可逆光変色層が消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。上記の平糸は、第一及び第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料が光照射時に呈する色、及び、消色時間が互いに異なり、太陽光に晒した際には、可逆光変色層が一層のみの構成では呈すことのできない色を呈すると共に、室内で放置すると段階的に異なる色へ変化するため、変化性をさらに満足させるものであった。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例11(図13参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、アクリル酸エステル共重合体〔東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1070〕100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.5μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
また、黄色の一般顔料0.5部を、ウレタン系エマルジョン91.8部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.2部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、非変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルム(10)として接着層を有する厚さ14μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)の、接着層が設けられる側と反対の面に、非変色性スクリーンインキを用いて225メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、黄色透明である膜厚5μmの非変色層(11)(可視光透過率:90%)を形成した。さらに、非変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から桃色透明状態に変化する膜厚10μmの第一の可逆光変色層(3)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成した。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCNT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)を、透明性樹脂フィルムの接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、天然雲母の表面を酸化チタンで被覆し、さらにその上層を酸化鉄で被覆した透明性真珠光沢顔料〔メルク(株)製、製品名:Iriodin300〕10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、真珠光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、非変色層が設けられる側と反対の面)に、真珠光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの真珠光沢性を有する第二の透明性光輝層(8)(可視光透過率:55%)を形成して、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて200μm幅の糸状になるように裁断して厚さ52μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:31%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から、第一の透明性光輝層による虹彩性と第二の透明性光輝層による真珠光沢性が混ざり合った特異的な光輝性を有する黄色、詳細には、虹彩性を有する真珠光沢調の黄色(メタリックイエロー色)が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が桃色に発色して、平糸の表裏両面から虹彩性を有する真珠属光沢調の橙色(メタリックオレンジ色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例12(図15参照)
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、アクリル酸エステル共重合体〔東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1070〕100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.2μm)30部と、桃色の一般顔料0.1部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルム(10)として厚さ12μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)上に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと桃色透明状態から紫色透明状態に変化する膜厚10μmの、可逆光変色性材料と非変色性着色剤を含んでなる可逆光変色層(第一の可逆光変色層)(14)(発色状態での可視光透過率:85%)を形成した。
次いで、第一の透明性光輝層(7)として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、透明性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の面に、透明性ホログラム性樹脂フィルムの接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、ウレタン系樹脂と酢酸エチルからなる接着剤をグラビヤ印刷にて塗布し、酢酸エチルを蒸発させて厚さ2μmの接着層(13)を形成した。
次いで、第二の透明性光輝層(8)として厚さ18μmの透明性真珠光沢性樹脂フィルム(BASF社製:製品名:AURORA 8181RG)(可視光透過率:70%)を、第一の可逆光変色層の外面に設けた接着層にロールで圧接して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて300μm幅の糸状になるように裁断して厚さ60μmの光輝性可逆光変色性平糸(1)(発色状態での可視光透過率:47%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面から、第一の透明性光輝層によるホログラム性と第二の透明性光輝層による真珠光沢性が混ざり合った特異的な光輝性を有する桃色、詳細には、ホログラム性を有する真珠光沢調の桃色(メタリックピンク色)が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面からホログラム性を有する真珠光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
実施例13
光輝性可逆光変色性平糸を用いた毛髪を備えた動物形象玩具の作製
実施例12の平糸を、常法により馬の形態をした動物形象玩具の尾部に植毛し、光輝性可逆光変色性平糸を用いた毛髪を備えた動物形象玩具を作製した。上記の平糸は、太陽光に晒す前は、平糸の表裏両面からホログラム性と真珠光沢性が混ざり合った特異的な光輝性を有する桃色、詳細には、ホログラム性を有する真珠光沢調の桃色(メタリックピンク色)が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、平糸の表裏両面からホログラム性を有する真珠光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
比較例1
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝性樹脂フィルムとして厚さ18μmの透明性虹彩性樹脂フィルム(ENGELHARD社製、製品名:IRIDESCNT FILM IF−8181 R/G)(可視光透過率:75%)上に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
次いで、裏面に接着層を有する厚さ18μmの不透明ホログラム性樹脂フィルム(不透明光輝層)(可視光透過率:0%)を、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性光輝性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ51μmの光輝性可逆光変色性平糸(発色状態での可視光透過率:0%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、透明性光輝性樹脂フィルム側からは、透明性光輝性樹脂フィルムによる虹彩性と不透明光輝層によるホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認され、太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、特異的な光輝性を有する青色が視認された。一方で、不透明光輝層側からはホログラム性のみが視認され、太陽光に晒しても第一の可逆光変色層の色変化は視認されず、平糸の表裏両面から特異的な光輝性と光照射時の色変化は視認されなかった。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
比較例2
光輝性可逆光変色性撚糸の作製
撚糸機を用いて、芯材として透明ポリエステル繊維の周囲に、芯材に対して不透明光輝層(不透明ホログラム性樹脂フィルム)が表面となるように比較例1の平糸を羽衣撚りして、光輝性可逆光変色性撚糸を得た。
上記の撚糸は、芯材に対して平糸が緩く巻かれているため、太陽光に晒す前は、平糸が巻かれる箇所では不透明光輝層によるホログラム性のみが視認され、一方で、平糸が巻かれてない箇所では平糸の間に芯材が視認されるが、芯材が透明であるため、芯材を通して透明性光輝性樹脂フィルムによる虹彩性と不透明光輝層によるホログラム性が混ざり合った特異的な光輝性が視認された。太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色するが、芯材を通して視認される箇所でのみ特異的な光輝性を有する青色が視認されるため、光照射時の変化性に乏しかった。その後しばらく室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。
比較例3
1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン2部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、粘度調整剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルムとして接着層を有する厚さ14μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)の、接着層が設けられる側と反対の面に、可逆光変色性スクリーンインキを用いて120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚15μmの第一の可逆光変色層(発色状態での可視光透過率:90%)を形成した。
次いで、厚さ18μmの不透明虹彩性樹脂フィルム(不透明光輝層)(可視光透過率:0%)を、透明性樹脂フィルムの接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、透明性光輝層として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせて、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して厚さ65μmの光輝性可逆光変色性平糸(発色状態での可視光透過率:0%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、透明性光輝層側からは、透明性光輝層によるホログラム性と不透明光輝層による虹彩性が混ざり合った特異的な光輝性が視認され、太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が青色に発色して、特異的な光輝性を有する青色が視認された。一方で、不透明光輝層側からは虹彩性のみが視認され、太陽光に晒しても第一の可逆光変色層の色変化は視認されず、平糸の表裏両面から特異的な光輝性と光照射時の色変化は視認されなかった。その後室内でしばらく放置したところ、第一の可逆光変色層は消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
比較例4
光輝性可逆光変色性平糸の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA−5)100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.2μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第一の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性樹脂フィルムとして厚さ12μmの透明PETフィルム(可視光透過率:99%)上に、第一の可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から桃色透明状態に変化する膜厚10μmの第一の可逆光変色層(発色状態での可視光透過率:87%)を形成した。
次いで、透明性光輝層として、裏面に接着層を有する厚さ18μmの透明性ホログラム性樹脂フィルム(可視光透過率:80%)を、透明性樹脂フィルムの、第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の面に、接着層を介してロールで圧着して貼り合わせた。
また、不透明真珠光沢顔料10部を、50%アクリル樹脂キシレン溶液100部と、消泡剤1部と、キシレン40部と、メチルイソブチルケトン40部とからなるビヒクル中に均一に混合して、真珠光沢性インキを調製した。
次いで、第一の可逆光変色層の外面(第一の可逆光変色層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、真珠光沢性インキをドクターコーターにて全面に塗布して、膜厚5μmの真珠光沢性を有する不透明光輝層(可視光透過率:0%)を形成した。
また、1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナフトオキサジン1部を、アクリル酸エステル共重合体〔東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP−1070〕100部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:1.2μm)30部を、ウレタン系エマルジョン62部と、増粘剤2部と、レベリング剤0.5部と、消泡剤0.5部と、架橋剤5部とからなるビヒクル中に均一に混合して、第二の可逆光変色性スクリーンインキを調製した。
次いで、透明性光輝層の外面(透明性光輝層の、透明性樹脂フィルムが設けられる側と反対の面)に、第二の可逆光変色性スクリーンインキを用いて180メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行い、太陽光に晒すと無色透明状態から青色透明状態に変化する膜厚10μmの第二の可逆光変色層(発色状態での可視光透過率:87%)を形成して、光輝性可逆光変色性積層体を得た。
次いで、上記の積層体をマイクロスリッターにて200μm幅の糸状になるように裁断して厚さ55μmの光輝性可逆光変色性平糸(発色状態での可視光透過率:0%)を得た。
上記の平糸は、太陽光に晒す前は、透明性光輝層側からは、透明性光輝層によるホログラム性と不透明光輝層による真珠光沢性が混ざり合った特異的な光輝性が視認され、太陽光に晒すと第一の可逆光変色層が桃色に、第二の可逆光変色層が青色に発色して、特異的な光輝性を有する紫色、詳細には、ホログラム性を有する真珠光沢調の紫色(メタリックバイオレット色)が視認された。一方で、不透明光輝層側からは真珠光沢性のみが視認され、太陽光に晒しても第一及び第二の可逆光変色層の色変化は視認されず、平糸の表裏両面から特異的な光輝性と光照射時の色変化は視認されなかった。その後室内でしばらく放置したところ、透明性光輝層側からは、第二の可逆光変色層が消色してホログラム性を有する真珠光沢調の桃色(メタリックピンク色)が視認され、さらに放置すると、第一の可逆光変色層が消色して元の状態に戻った。この様相の変化は繰り返し行うことができた。なお、上記の平糸は、透明性樹脂フィルムを設けることで平糸としての柔軟な風合いを損なうことなく、耐熱性及び耐久性に優れるものであった。
1 光輝性可逆光変色性平糸
2 透明性光輝性樹脂フィルム
3 第一の可逆光変色層
4 透明性光輝層
5 第二の可逆光変色層
6 透明性可逆光変色性樹脂フィルム
7 第一の透明性光輝層
8 第二の透明性光輝層
9 可逆光変色層
10 透明性樹脂フィルム
11 非変色層
12 透明性保護層
13 接着層
14 可逆光変色性材料と非変色性着色剤を含んでなる可逆光変色層

Claims (12)

  1. 金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層を設けてなり、且つ、前記第一の可逆光変色層の外面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する透明性光輝層を設けてなる光輝性可逆光変色性平糸。
  2. 前記透明性光輝層の外面、又は、前記平糸の、前記第一の可逆光変色層が設けられる側と反対の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第二の可逆光変色層を設けてなる請求項1記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  3. 可逆光変色性材料を含有する透明性可逆光変色性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第一の透明性光輝層を設けてなり、且つ、前記平糸の、前記第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第二の透明性光輝層を設けてなる光輝性可逆光変色性平糸。
  4. 前記第一の透明性光輝層又は第二の透明性光輝層の外面に、可逆光変色性材料を含有する可逆光変色層を設けてなる請求項3記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  5. 透明性樹脂フィルムからなる平糸の一方の広幅の面に、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第一の透明性光輝層を設けてなり、且つ、前記平糸の、前記第一の透明性光輝層が設けられる側と反対の広幅の面に、可逆光変色性材料を含有する第一の可逆光変色層、及び、金属光沢性、真珠光沢性、ホログラム性、虹彩性、光反射性のいずれかから選ばれる光学性状を有する第二の透明性光輝層を設けてなる光輝性可逆光変色性平糸。
  6. 前記平糸と第一の可逆光変色層の間、又は、前記第一の可逆光変色層の外面に、前記第二の透明性光輝層を設けてなる請求項5記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  7. 前記平糸と第一の透明性光輝層の間、又は、前記第一の透明性光輝層の外面に、可逆光変色性材料を含有する第二の可逆光変色層を設けてなる請求項5又は6記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  8. 前記透明性光輝性樹脂フィルムと透明性光輝層の光学性状、又は、前記第一の透明性光輝層と第二の透明性光輝層の光学性状は、互いに異なる光学性状である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  9. 前記第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料、又は、前記透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料は、光照射時に互いに異なる色を呈する材料である請求項2、4、7又は8のいずれか一項に記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  10. 前記第一の可逆光変色層と第二の可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料、又は、前記透明性可逆光変色性樹脂フィルムと可逆光変色層に含有される可逆光変色性材料は、発色時間又は消色時間の少なくとも一方が互いに異なる材料である請求項2、4、7、8又は9のいずれか一項に記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  11. 発色状態の前記光輝性可逆光変色性平糸の可視光透過率は5%以上である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光輝性可逆光変色性平糸。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光輝性可逆光変色性平糸を含む製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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