JP6297423B2 - フォトクロミック印刷物 - Google Patents

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Description

本発明はフォトクロミック印刷物に関する。更に詳細には、発色状態の光変色像が段階的に消色又は変色するフォトクロミック印刷物に関する。
従来、段階的に発色又は消色するフォトクロミック印刷物を得るためには、発色又は消色時間が異なる複数のフォトクロミック化合物を用いたり(例えば、特許文献1参照)、フォトクロミック化合物と変色感度調整剤を併用することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−73149号公報 特開2006−335024号公報
前記した従来の段階的に発色又は消色するフォトクロミック印刷物について確認したところ、複数のフォトクロミック化合物を用いたり、変色感度調整剤を併用したとしても、十分な色濃度を呈するまでの時間(発色時間)を略同一に設定することは可能であるが、その場合、消色時間を段階的に設定することは困難であり、使用者が満足する消色或いは変色の変化性を視認することはできなかった。
本発明は、発色状態から光変色像が段階的に消色又は変色する様相を明瞭に視認することができるフォトクロミック印刷物を提供しようとするものである。
本発明は、支持体上に、フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとからなるフォトクロミック材料を含む光変色像Aと、フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、又は、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとからなり、一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上であるフォトクロミック材料を含む光変色像Bとを並設、或いは、一部又は全部が重ね刷りされてなり、前記光変色像Aと光変色像Bは発色状態から消色或いは変色する迄の時間が異なることを特徴とするフォトクロミック印刷物を要件とする。
更には、前記光変色像Aに含まれるアクリル系オリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であること、前記光変色像Aに含まれるフォトクロミック化合物とアクリル系オリゴマーの重量比率が1:1〜1:10000の範囲にあること、前記光変色像Bに含まれるフォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、または、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとの重量比率が1:1〜1:10000の範囲にあること、前記光変色像Bに含まれるガラス転移点が−30℃以下のオリゴマーと、ガラス転移点が40℃以上のオリゴマーまたはポリマーの重量比率が1:1〜1:9の範囲にあること、前記光変色像Bに含まれるオリゴマーは重量平均分子量が5000以下のスチレン系オリゴマー又は重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーであり、ポリマーは重量平均分子量が10000〜100000のポリマーであること、前記フォトクロミック材料をマイクロカプセルに内包してなること等を要件とする。
本発明は、フォトクロミック化合物と、特定のオリゴマーとからなる光変色像と、フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、又は、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとからなる光変色像とを並設、或いは、一部又は全部が重ね刷りされることにより、発色状態の光変色像が段階的に消色或いは変色する様相を明瞭に視認することができる実用性に富むフォトクロミック印刷物を提供できる。
本発明のフォトクロミック印刷物の一実施例の縦断面説明図である。
前記支持体の材質は特に限定されるものではなく、総て有効であり、紙、合成紙、布帛、植毛或いは起毛布、不織布、合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石材、金属等を例示でき、平面状に限らず、凹凸状であってもよい。
前記支持体上に光変色像A及び光変色像Bを形成してフォトクロミック印刷物が得られる。
前記光変色像Aには、フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとからなるフォトクロミック材料を含み、鋭敏な消色感度を示す。
前記フォトクロミック化合物は、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマー中に溶解して実用に供され、発色感度は鋭敏であると共に、消色感度を鋭敏化させる変色機能の調節が可能である。
前記重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとしては、アクリル酸エステル共重合体が好適に用いられ、東亜合成(株)製、商品名:ARUFON UP−1170(重量平均分子量8000、ガラス転移点−51℃)、同UP−1080(重量平均分子量6000、ガラス転移点−61℃)、同UP−1000(重量平均分子量3000、ガラス転移点−77℃)、同UP−1020(重量平均分子量2000、ガラス転移点−80℃)、同UP−1010(重量平均分子量1700、ガラス転移点−31℃)、同UH−2000(重量平均分子量11000、ガラス転移点−55℃)、同US−6100(重量平均分子量2500、ガラス転移点−58℃)、同UC−3510(重量平均分子量2000、ガラス転移点−50℃)等が挙げられる。
前記アクリル系オリゴマーは重量平均分子量が12000以下、好ましくは1000乃至8000、より好ましくは1500乃至6000のオリゴマーが用いられる。
アクリル系オリゴマーの重量平均分子量が12000を越えると、消色感度の調整が困難になるため、上記の範囲内であるのが望ましい。
また、重量平均分子量が1000未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため発色濃度が低くなると共に耐光性を損ない易くなる
前記アクリル系オリゴマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
更に、前記アクリル系オリゴマーは、ガラス転移点(Tg)が−30℃以下、好ましくは−50℃以下であることにより、良好な消色感度を示す。
ガラス転移点(Tg)が−30℃を超えると、発色感度が鈍くなる傾向にあり、実用性を損ない易くなる。
前記フォトクロミック化合物のうち、スピロオキサジン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5,7−ジフルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−ニトロジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−6′−クロロ−3,3−ジメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ヨード−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−トリフルオロメチル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,6′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′,6′−ジフルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−フェニルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,7′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3−ジメチル−3−エチル−5′−メトキシスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチル−5−ニトロスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′,6′−ジメチルスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
9″−ブロモ−1′−メトキシカルボニルメチル−5′−トリフルオロメチルジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′〔1′H〕,3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−3,3−ジ−nブチル−7′−エチル−5−メトキシスピロ〔2H−インドール−1,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−n−ブチル−6′−ヨードジスピロ〔シクロヘプタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−9′−ヨード−1−ナフチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′−シアノ−1′−(2−(メトキシカルボニル)エチル)ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7−メトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4−ブロモ−3,3−ジエチル−9′−エトキシ−1−(2−フェニル)エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エチル−9−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−ベンジル−6″−ヨードジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−トリクロロメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3−ジエチル−3−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕等、インドリノスピロベンゾオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロナフトオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−ブロモ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロピル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−iso−ブチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロポキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−シアノ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−プロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−iso−ブチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクタデシル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−スルホン酸ナトリウム−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシスピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロベンゾインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−トリフルオロ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4′−メチルフェニル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−モルフォリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−モルフォリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−イソプロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−8′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、1,3,3,5−テトラメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−5′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5′−メトキシ−6′−トリフルオロメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,5,6−テトラメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−メチル−3,3−ジフェニル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン等、インドリノスピロナフトオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
ナフトピラン系化合物としては、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b′]ジピラン、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[4,3−b:8,7−b]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−9−メトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−10−メチル−3H−ナフト[2,1−b:5,6−b]ジピラン−8−オン、
3,3,9,9−テトラ(4′−メトキシ−フェニル)−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−8−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エテン−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−5−アセトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピランを例示できる。
インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物の例としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンフェナントロオキサジン、1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンフェナントロオキサジン等、インドリノスピロフェナントロオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンキノリノオキサジン等、インドリノスピロキノリノオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
前記フォトクロミック化合物のうち、スピロピラン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1,3,3−トリメチルインドリノベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ブロモベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−8′−メトキシベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−β−ナフトピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾピリロスピラン等を例示することができる。
前記フォトクロミック化合物とアクリル系オリゴマーの重量比は、1:1〜1:10000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500、更に好ましくは1:10〜1:100である。
前記重量比を満たすことによって、フォトクロミック化合物は発消色機能を満たすと共に、十分な発色濃度を示し易くなる。
フォトクロミック化合物1に対してアクリル系オリゴマーの重量比が1未満ではフォトクロミック化合物がアクリルオリゴマーに溶解し難く、所望の機能を発現でき難くなる。一方、フォトクロミック化合物1に対してアクリル系オリゴマーの重量比が10000を超えると、発色濃度に乏しくなる。
前記光変色像Bは、フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、又は、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとからなり、一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上であるフォトクロミック材料を含み、鈍感な消色感度を示す。
前記フォトクロミック化合物は、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、または、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマー中に溶解して実用に供される。
前記フォトクロミック化合物を溶解する媒体として一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上であることにより、発色感度を鋭敏化させると共に、消色感度を鈍化させる変色機能の調節が可能である。
前記オリゴマーとしては、スチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマーが挙げられる。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等が挙げられる。
前記ポリマーとしては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂が挙げられる。
前記スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン誘導体の単独重合体又はそれらの組み合わせからなる共重合体、及びスチレン誘導体とジビニルベンゼン、メチルメタクリレートアクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等との共重合体等が挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては、アクリル系単量体、例えば(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択された少なくとも1種のモノマーを構成単量体として含むホモポリマーまたは共重合体が挙げられる。
前記ガラス転移点が−30℃以下のオリゴマーを以下に例示する。
前記ガラス転移点が−30℃以下のオリゴマーとしては、イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA5(ガラス転移点−42℃、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、重量平均分子量317)、東亜合成(株)製、商品名:ARUFON UP−1010(ガラス転移点−31℃、アクリル系オリゴマー、重量平均分子量1700)、商品名:ARUFON UP−1170(ガラス転移点−51℃、アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量8000)、同UP−2000(ガラス転移点−55℃、アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量11000)、同UP−1080(ガラス転移点−61℃、アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量6000)、同UP−1000(ガラス転移点−77℃、アクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量3000)等が挙げられる。
前記オリゴマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
更に、前記オリゴマーは、ガラス転移点(Tg)が好ましくは−40℃以下、より好ましくは−50℃以下であることにより、良好な消色感度を示す。
ガラス転移点(Tg)が−30℃を超えると、発色感度が鈍くなる傾向にあり、実用性を損ない易くなる。
前記ガラス転移点が40℃以上のオリゴマーまたはポリマーを以下に例示する。
前記ガラス転移点が40℃以上のオリゴマーとしては、東亜合成(株)製、商品名:ARUFON UP−1150(ガラス転移点68℃、アクリル系オリゴマー、重量平均分子量67000)、三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーST−95(ガラス転移点42℃、低分子量ポリスチレン、重量平均分子量4000)、イーストマンコダック社製、商品名:ピコテックスLC(ガラス転移点40℃、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体、重量平均分子量950)、商品名:クリスタレックス5140(ガラス転移点85℃、α−メチルスチレン重合体、重量平均分子量3950)等が挙げられる。
前記ガラス転移点が40℃以上のポリマーとしては、三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−150(ガラス転移点62℃、ポリスチレン樹脂、重量平均分子量67000)、イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックD125(ガラス転移点53℃、スチレン系樹脂、重量平均分子量53200)、日本合成化学工業(株)製、商品名:ポリエスターTP217(ガラス転移点40℃、飽和ポリエステル樹脂、重量平均分子量16000)等が挙げられる。
前記ガラス転移点が40℃以下のオリゴマー又はポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
更に、前記オリゴマー又はポリマーは、ガラス転移点(Tg)が好ましくは50以上であることにより、良好な消色感度を示す。
ガラス転移点(Tg)が40℃未満では、消色感度が鋭敏になる傾向にあり、実用性を損ない易くなる。
なお、前記重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記オリゴマーとポリマーの組み合わせとしては、重量平均分子量が5000以下のスチレン系オリゴマー又は重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーと、重量平均分子量が10000〜100000のポリマーの組み合わせが挙げられる。
前記フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、または、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとの重量比率は、1:1〜1:10000の範囲、好ましくは1:5〜1:500の範囲、より好ましくは1:10〜1:100の範囲にある。
前記重量比を満たすことによって、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示し易くなる。
前記ガラス転移点が−30℃以下のオリゴマーと、ガラス転移点が40℃以上のオリゴマーまたはポリマーとの重量比率は、1:1〜1:9の範囲、好ましくは、1:2〜1:7の範囲、より好ましくは1:3〜1:5の範囲にある。
前記重量比を満たすことによって、発色感度を鋭敏化させつつ、いっそう消色感度を鈍化させることができる。
前記フォトクロミック化合物としては、光変色像Aと同様の化合物が用いられる。
前記光変色像A及び光変色像Bを形成するフォトクロミック材料には、マイクロカプセルに内包させた可逆光変色性マイクロカプセル顔料を用いたり、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散した可逆光変色性樹脂粒子を用いることもできる。
なお、前記マイクロカプセル顔料又は樹脂粒子は、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用を満たす。
前記マイクロカプセル顔料又は樹脂粒子の平均粒子径が100μmを超えると、インキや塗料へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、平均粒子径が、0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記マイクロカプセル化は、公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
更にマイクロカプセル顔料表面には、目的に応じて二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
なお、前記フォトクロミック材料には、一般の染料及び顔料を適宜添加することにより、有色から色の異なる有色への色変化を呈することもできる。
前記フォトクロミック材料は、ビヒクル中に混合して、塗料や印刷インキ等の液状組成物を調製し、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により、支持体上に光変色像A及び光変色像Bを並設、或いは、一部又は全部が重ね刷りされた積層状態で形成することができる。
なお、前記液状組成物中に一般の染料及び顔料を適宜添加することにより、有色から色の異なる有色への色変化を呈することもできる。
前記光変色像は、文字、記号、英数字、模様等の図柄、直線や曲線の組合せ、点状、或いは、点状の像の集合により形成される像の他、ベタ印刷状で形成される像であってもよい。
前記光変色像A及び光変色像Bを並設、或いは、一部又は全部が重ね刷りされた印刷物は、発色状態の光変色像の消色時間が異なり、段階的な消色或いは変色を視認することができ、様相変化に富むフォトクロミック印刷物が得られる。
なお、光変色像A及び光変色像Bが関連する像であることにより、消色或いは変色時に動的視覚を伴なう構成とすることもでき、趣向性に富むフォトクロミック印刷物が得られる。
前記光変色像Aの上層に光変色像Bを設けた場合、光照射により光変色像A及び光変色像Bが重なった状態で現出(発色)し、光照射を止めるといずれか一方の像が消色或いは変色し、次いで、他方の像が消色或いは変色する様相を視認することができる。
また、光変色像A及び光変色像Bを重ねることなく接触状態、或いは非接触状態で並設した場合、光照射により光変色像A及び光変色像Bが現出(発色)し、光照射を止めるといずれか一方の像が消色或いは変色し、次いで、他方の像が消色或いは変色する様相を視認することができる。
更に、光変色像A及び光変色像Bを部分的に重なった状態で設けることにより、重なった部分は、各像の色変化が組み合わされ、各々の像を並設した系よりも複雑且つ多様な様相変化を付与できる。
なお、光変色像Aと光変色像Bは、光照射した際、十分な色濃度を呈するまでの時間(発色時間)を略同一に設定するため、略同一の発色感度を有するフォトクロミック材料を用いることが好ましい。
発色感度において、十分な色濃度を呈するまでの時間(発色時間)を略同一に設定するためには、完全着色濃度の約9割の濃度に至るまでの時間差が小さいことが必要であり、光変色像Aと光変色像Bの発色時間差は4分以下、好ましくは2分以下である。
更に、光変色像Aと光変色像Bの明度値の差は1以下、好ましくは0.5以下であることにより、使用者に単一のフォトクロミック材料を用いたような印象を与え、光変色像が段階的に消色或いは変色する際に意外性を付与することができる。
前記発色状態の光変色像Aと光変色像Bが段階的に消色或いは変色するためには、光変色像Aと光変色像Bの消色或いは変色時間の差が30分以上、好ましくは60分以上であることにより、光変色像が段階的に消色或いは変色する様相を明瞭に視認することができる。
更に、前記光変色像A及び光変色像Bの上層、下層、近傍には非変色像を設けて様相変化をより多様化させることができる。
前記非変色像は、汎用の染料、顔料、金属光沢顔料、パール顔料等の非変色性着色剤を含有するインキや塗料等により形成される。
前記のようにして得られるフォトクロミック印刷物の具体的な使用例としては、被服、履物、貴金属、照明器具、玩具、造花、文房具、日用品、台所用品、化粧用具、運動用具、書籍等の印刷物、乗物、機械、屋内装飾品、医療品等が挙げられる。
以下に実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部である。
フォトクロミック材料の調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1部を、アクリルオリゴマー(東亞合成株式会社製、商品名:ARUFON UP−1070、重量平均分子量8000)100部中に均一に加温溶解してフォトクロミック材料を得た。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の調製
前記フォトクロミック材料60部を、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20部、酢酸エチル20部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100部中に投入し、微小滴になるよう撹拌し、加温しながら反応を行ってマイクロカプセル分散液を調製した。
前記マイクロカプセル分散液から遠心分離法により可逆光変色性マイクロカプセル顔料を得た。
以下の表に光変色像Aに用いるフォトクロミック材料の組成、フォトクロミック材料の色を示す。なお、表中の括弧内の数字は質量部を示す。
表中に記載されたフォトクロミック材料を用いて前記と同様の方法によりマイクロカプセルに内包して可逆光変色性マイクロカプセル顔料を調製した。
Figure 0006297423
以下の表に光変色像Bに用いるフォトクロミック材料の組成、フォトクロミック材料の色を示す。
表中に記載されたフォトクロミック材料を用いて前記と同様の方法によりマイクロカプセルに内包して可逆光変色性マイクロカプセル顔料を調製した。
Figure 0006297423
以下の表に比較例の光変色像に用いるフォトクロミック材料の組成、フォトクロミック材料の色を示す。
表中に記載されたフォトクロミック材料を用いて前記と同様の方法によりマイクロカプセルに内包して可逆光変色性マイクロカプセル顔料を調製した。
Figure 0006297423
各フォトクロミック材料を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料10部とトルエン10部を混合し、白色合成紙にバーコーターにてウェット膜が厚み90μmになるように塗工した後、乾燥させて試験試料を得た。
発色試験(発色時間)
前記各試験試料を光源〔東芝ライテック(株)製、電球形蛍光ランプ、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLB〕から10cm離して3分間光照射した後、発色する迄の時間を測定した。
消色試験(消色時間) 前記各試験試料を光源〔東芝ライテック(株)製、電球形蛍光ランプ、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLB〕から10cm離して3分間光照射して発色させた後、消色する(初期濃度に達する)迄の時間を測定した。
以下の表に各試験試料の発色試験(発色時間)結果、消色試験(消色時間)結果を示す。
Figure 0006297423
Figure 0006297423
Figure 0006297423
実施例1(図1参照)
支持体2として白色紙上に、前記フォトクロミック材料A1を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により「○」の記号(光変色像A3)を印刷した。
次いで、前記フォトクロミック材料B1を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により前記「○」の記号の内側に「△」の記号(光変色像B4)を印刷してフォトクロミック印刷物1を得た。
前記フォトクロミック印刷物は、暗所(太陽光が当たらない室内)では支持体による白色が視認されるが、太陽光を照射すると略同時に光変色像A、光変色像Bによる青色と紫色の「○」と「△」の記号が現出した。
次に、暗所に戻すと「○」の数字が消え、次に「△」の記号が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができた。
なお、この様相変化は繰り返し行うことができた。
以下の表にフォトクロミック印刷物に適用するフォトクロミック材料の組み合わせを示す。
Figure 0006297423
前記フォトクロミック材料の組み合わせにより、実施例1と同様にしてフォトクロミック印刷物を得た。
前記各フォトクロミック印刷物は、実施例1と同様に太陽光を照射すると略同時に光変色像A、光変色像Bによる「○」と「△」の記号が現出した。
次に、暗所に戻すと「○」の数字が消え、次に「△」の記号が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができた。
なお、この様相変化は繰り返し行うことができた。
以下の表に実施例1乃至5で作成したフォトクロミック印刷物の光変色像の発色時間の差、及び、光変色像の消色時間の差を示す。
Figure 0006297423
比較例1
支持体として白色紙上に、前記フォトクロミック材料C1を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により「○」の記号(光変色像)を印刷した。
次いで、前記フォトクロミック材料C2を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により前記「○」の記号の内側に「△」の記号(光変色像B)を印刷してフォトクロミック印刷物を得た。
前記フォトクロミック印刷物は、実施例1と同様に太陽光を照射すると略同時に光変色像による「○」と「△」の記号が現出した。
次に、暗所に戻すと「○」の数字と「△」の記号が消えるものの、消色時間に差がないため、段階的に消色する様相を視認することができず、意外性を満足させることはできなかった。
以下の表にフォトクロミック印刷物に適用するフォトクロミック材料の組み合わせを示す。
Figure 0006297423
比較例2
前記フォトクロミック材料の組み合わせにより、比較例1と同様にしてフォトクロミック印刷物を得た。
前記フォトクロミック印刷物は、太陽光を照射すると光変色像による「○」と「△」の記号が現出するものの、発色時間に差があるため、段階的に発色する。暗所に戻すと「○」の数字が消え、次に「△」の記号が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができるとしても、予め段階的な発色による様相変化を視認しているため、消色時の意外性を満足させることはできなかった。
以下の表に比較例1及び2で作成したフォトクロミック印刷物の光変色像の発色時間の差、及び、光変色像の消色時間の差を示す。
Figure 0006297423
発色試験(明度値)
前記各試験試料を光源〔東芝ライテック(株)製、電球形蛍光ランプ、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLB〕から10cm離して3分間光照射した後、色濃度を東京電色社製の色差計(商品名:TC−3600)により測定した。
以下の表に各試験試料の発色試験(明度値)結果を示す。
なお、表中の明度値は、小さいほど濃度が高く、大きいほど濃度が低いことを示している。
Figure 0006297423
Figure 0006297423
Figure 0006297423
以下の表に実施例1乃至5のフォトクロミック印刷物の光変色像の明度値の差を示す。
Figure 0006297423
以下の表に比較例1及び2のフォトクロミック印刷物の光変色像の明度値の差を示す。
Figure 0006297423
実施例6
支持体として白色合成紙上に、前記フォトクロミック材料A1を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料40部、エチレン酢酸ビニル共重合エマルジョン58部、消泡剤3部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1部、レベリング剤3部、防腐剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により「鳥」の絵(光変色像A)を印刷した。
次いで、前記フォトクロミック材料B1を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料40部、エチレン酢酸ビニル共重合エマルジョン58部、消泡剤3部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1部、レベリング剤3部、防腐剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により前記「鳥」の絵の足の部分に接するように「木の枝」の絵(光変色像B)を印刷してフォトクロミック印刷物を得た。
前記フォトクロミック印刷物は、暗所では支持体による白色が視認されるが、太陽光を照射すると略同時に光変色像A、光変色像Bによる青色と紫色の「鳥」と「木の枝」の絵が現出し、鳥が木の枝に止まっている絵を視認することができた。
次に、暗所に戻すと「鳥」の絵が消え、次に「木の枝」の絵が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができた。
なお、この様相変化は繰り返し行うことができた。
実施例7
支持体として日傘用の白色生地上に、前記フォトクロミック材料A3をエポキシ樹脂系壁膜で内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により「風船」の絵(光変色像A)を印刷した。
次いで、前記フォトクロミック材料B3を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスクリーン印刷により「子供」の絵(光変色像B)を印刷してフォトクロミック印刷物を得た。
なお、前記「風船」の絵の一部(紐)と、「子供」の絵の一部(手)は重なるように印刷してなる。
前記フォトクロミック印刷物は、暗所では支持体による白色が視認されるが、太陽光を照射すると略同時に光変色像A、光変色像Bによる紫色の「風船」と「子供」の絵が現出して、風船を持つ子供の絵を視認することができた。
次に、暗所に戻すと「風船」の絵が消え、次に「こども」の絵が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができた。
なお、この様相変化は繰り返し行うことができた。
前記白色生地を裁断、縫製して得た日傘も前記と同様の様相変化を発現することができた。
実施例8
支持体として魚の形の白色塩化ビニル樹脂成形物表面上に、前記フォトクロミック材料A2を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料3部、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂3部、キシレン7部、メチルイソブチルケトン7部、光安定剤0.5部、粘度調整剤0.5部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスプレー塗装により「魚」の絵(光変色像A)を形成した。
次いで、前記フォトクロミック材料B5を内包した可逆光変色性マイクロカプセル顔料3部、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂3部、キシレン7部、メチルイソブチルケトン7部、光安定剤0.5部、粘度調整剤0.5部を混合して得られたフォトクロミックインキを用いてスプレー塗装により前記「魚」の絵と重なるように「魚の骨」の絵(光変色像B)を形成してフォトクロミック印刷物を得た。
前記フォトクロミック印刷物は、暗所では支持体による白色が視認されるが、太陽光を照射すると略同時に光変色像A、光変色像Bによる紫色の「魚」と「魚の骨」の絵が重なって現出し、「魚」の絵のみ視認することができた。
次に、暗所に戻すと「魚」の絵が消え、次に「魚の骨」の絵が消えて、元の白色に戻り、段階的に消色する様相を視認することができた。
1 フォトクロミック印刷物
2 支持体
3 光変色像A
4 光変色像B

Claims (7)

  1. 支持体上に、フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーとからなるフォトクロミック材料を含む光変色像Aと、フォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、又は、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとからなり、一方のオリゴマーのガラス転移点が−30℃以下であり、他方のオリゴマーまたはポリマーのガラス転移点が40℃以上であるフォトクロミック材料を含む光変色像Bとを並設、或いは、一部又は全部が重ね刷りされてなり、前記光変色像Aと光変色像Bは発色状態から消色或いは変色する迄の時間が異なることを特徴とするフォトクロミック印刷物。
  2. 前記光変色像Aに含まれるアクリル系オリゴマーのガラス転移点が−30℃以下である請求項1記載のフォトクロミック印刷物。
  3. 前記光変色像Aに含まれるフォトクロミック化合物とアクリル系オリゴマーの重量比率が1:1〜1:10000の範囲にある請求項1又は2記載のフォトクロミック印刷物。
  4. 前記光変色像Bに含まれるフォトクロミック化合物と、複数のガラス転移点が異なるオリゴマー、または、ガラス転移点が異なるオリゴマー及びポリマーとの重量比率が1:1〜1:10000の範囲にある請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフォトクロミック印刷物。
  5. 前記光変色像Bに含まれるガラス転移点が−30℃以下のオリゴマーと、ガラス転移点が40℃以上のオリゴマーまたはポリマーの重量比率が1:1〜1:9の範囲にある請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトクロミック印刷物。
  6. 前記光変色像Bに含まれるオリゴマーは重量平均分子量が5000以下のスチレン系オリゴマー又は重量平均分子量が12000以下のアクリル系オリゴマーであり、ポリマーは重量平均分子量が10000〜100000のポリマーである請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフォトクロック印刷物。
  7. 前記フォトクロミック材料をマイクロカプセルに内包してなる請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフォトクロミック印刷物。
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