JP5164365B2 - フォトクロミックマイクロカプセル - Google Patents

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Description

本発明はフォトクロミックマイクロカプセルに関する。更に詳細には、耐光堅牢性及び色調の調整を向上させたフォトクロミックマイクロカプセルに関する。
従来より、耐光堅牢性を向上させたフォトクロミック材料としては、フォトクロミック化合物にスチレン系オリゴマーを添加したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−48159号公報
前記した従来のフォトクロミック材料について実用性を確認したところ、耐光堅牢性を向上させる効果を有するものの、色調はフォトクロミック化合物の構造よって決まるため、色調を調整することは困難であった。
本発明者らは耐光堅牢性に優れると共に、色調を調整可能なフォトクロミック材料について検討を行った結果、スチレン系オリゴマーと共にフェノール性水酸基を有する化合物を用いることによって耐光堅牢性を損なうことなく色調を調整可能なフォトクロミック材料が得られることを見出した。
即ち、本発明は、スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物と、重量平均分子量が200乃至6000のスチレン系オリゴマーと、4,4′−エチリデンビスフェノール、4,4′−プロピリデンビスフェノール、4,4 ′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(3−メチルブチリデン )ビスフェノール、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール、4,4′− デシリデンビスフェノール、4,4′−(1−メチル−プロピリデン)ビスフェノール、 4,4′−(フェニルメチレン)ビスフェノール、4,4′−(1−フェニルエチリデン )ビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−〔2,2 ,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビスフェノールから選ば れるフェノール性水酸基を有する化合物とをカプセル壁膜に内包してなり、前記フォトク ロミック化合物と、スチレン系オリゴマーの重量比が1:1〜1:10000であり、前 記フォトクロミック化合物とフェノール性水酸基を有する化合物との重量比が0.5:1 〜10000:1であるフォトクロミックマイクロカプセルを要件とする。
更には、ヒンダードアミン系光安定剤を含んでなること、前記ヒンダードアミン系光安定剤がビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−( 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1 ,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6 −ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ ペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4, 8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3 ,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノー ル及び1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,2,6,6−ペンタメチル− 4−ピペリジル−メタクリレート、N,N′,N″,N′″−テトラキス−(4,6−ビ ス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ア ミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N−メ チル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペレジニル)ピロリ ジン−2,5−ジオンから選ばれることを要件とする。
本発明は、従来のフォトクロミック材料では成し得なかった耐光性の向上と共に、色調の調整も可能であり、あらゆる分野に使用できる応用性に優れたフォトクロミックマイクロカプセルを提供できる。
本発明において、スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物は、重量平均分子量が200乃至6000のスチレン系オリゴマーとフェノール性水酸基を有する化合物とからなる媒体に溶解して実用に供される。
本発明者らは、前記フォトクロミック化合物を溶解する主媒体としてスチレン系オリゴマーを用いると共に、媒体中に極性の異なる化合物としてフェノール性水酸基を有する化合物を添加することにより、色調の調整が可能なことを見出した。
具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物の添加量を多くするとフォトクロミック化合物の発色時の色調が長波長側にシフトし、フェノール性水酸基を有する化合物の添加量を少なくするとフォトクロミック化合物の発色時の色調が短波長側にシフトして色調の調整が可能になる。
なお、本発明はスチレン系オリゴマー中に極性の異なる化合物を添加することによって色調を調整することが可能であるが、極性の高い化合物(例えば、エステル系化合物、エーテル系化合物、ケトン系化合物)を用いると耐光性を損ない易く、極性の低い化合物(例えば、オクタデカン等の飽和炭化水素)を用いるとフォトクロミック化合物の溶解性が低下して色濃度の低下を免れない。
前記スチレン系オリゴマーは重量平均分子量が200乃至6000、好ましくは200乃至4000のものが用いられる。
スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。
また、重量平均分子量が6000を越えると、光照射により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等が挙げられる。
低分子量ポリスチレンとしては、三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−75(重量平均分子量2000)、ハイマーST−95(重量平均分子量4000)等が用いられる。
スチレン−α−メチルスチレン系共重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスチックA5(重量平均分子量317)、ピコラスチックA75(重量平均分子量917)等が用いられる。
α−メチルスチレン重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3085(重量平均分子量664)、クリスタレックス3100(重量平均分子量1020)、クリスタレックス1120(重量平均分子量2420)等が用いられる。
α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコテックスLC(重量平均分子量950)、ピコテックス100(重量平均分子量1740)等が用いられる。
前記スチレン系オリゴマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、4,4′−エチリデンビスフェノール、4,4′−プロピリデンビスフェノール、4,4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(3−メチルブチリデン)ビスフェノール、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール、4,4′−デシリデンビスフェノール、4,4′−(1−メチル−プロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(フェニルメチレン)ビスフェノール、4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビスフェノールが用いられる。
前記フォトクロミック化合物のうち、スピロオキサジン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5,7−ジフルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−ニトロジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−6′−クロロ−3,3−ジメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−ヨード−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−トリフルオロメチル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,6′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−シアノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′,6′−ジフルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−1−フェニルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,7′−テトラメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−クロロ−1,3−ジメチル−3−エチル−5′−メトキシスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジエチル−1−メチル−5−ニトロスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′,6′−ジメチルスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
9″−ブロモ−1′−メトキシカルボニルメチル−5′−トリフルオロメチルジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′〔1′H〕,3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1−ベンジル−3,3−ジ−nブチル−7′−エチル−5−メトキシスピロ〔2H−インドール−1,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−n−ブチル−6′−ヨードジスピロ〔シクロヘプタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
3,3−ジメチル−9′−ヨード−1−ナフチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4′−シアノ−1′−(2−(メトキシカルボニル)エチル)ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
7−メトキシカルボニル−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
4−ブロモ−3,3−ジエチル−9′−エトキシ−1−(2−フェニル)エチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
6−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エチル−9−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−ベンジル−6″−ヨードジスピロ〔シクロペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
5−エトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メチル−5′−トリクロロメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1,3−ジエチル−3−メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕、
1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕等、インドリノスピロベンゾオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロナフトオキサジン系化合物としては、
1,3,3−トリメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−ブロモ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5−テトラメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロピル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−iso−ブチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−n−プロポキシ−スピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−シアノ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−エチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−プロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−iso−ブチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−n−オクタデシル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−8′−スルホン酸ナトリウム−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシスピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5−トリフルオロ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−スピロナフトオキサジン、
1−(4′−メチルフェニル)−3,3−ジメチル−スピロナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−ベンジル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−エチル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、1−イソプロピル−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−9′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3−ジメチル−3−エチル−8′−ヒドロキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、1,3,3,5−テトラメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−5′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−5′−メトキシ−6′−トリフルオロメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−4−トリフルオロメチル−9′−メトキシ−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,5,6−テトラメチル−3−エチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−メチル−3,3−ジフェニル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン、
1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−スピロインドリンナフトオキサジン等、インドリノスピロナフトオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物の例としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンフェナントロオキサジン、1,3,3−トリメチル−5−クロロ−スピロインドリンフェナントロオキサジン等、インドリノスピロフェナントロオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物としては、1,3,3−トリメチル−スピロインドリンキノリノオキサジン等、インドリノスピロキノリノオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン、メチル、エチル、メチレン、エチレン、水酸基等の各置換体を例示することができる。
前記フォトクロミック化合物のうち、スピロピラン誘導体を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1,3,3−トリメチルインドリノベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ブロモベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−8′−メトキシベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−β−ナフトピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−ニトロベンゾピリロスピラン等を例示することができる。
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマーの重量比は、1:1〜1:10000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記重量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示すことができる。
また、前記フォトクロミック化合物とフェノール性水酸基を有する化合物との重量比は、0.5:1〜10000:1であることが好ましく、より好ましくは0.8:1〜100:1である。前記重量比を満たすことによって、光劣化促進現象が現れることがなく、発色時の色調をフェノールの添加量に応じて任意に変えられるという効果を奏する。
更に、本発明のフォトクロミック粒状物には、ヒンダードアミン系光安定剤を添加して耐光性をいっそう向上させることもできる。
ヒンダードアミン系化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとの混合エステル化物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、
N,N′,N″,N′″−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、
N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペレジニル)ピロリジン−2,5−ジオン等を例示することができる。
前記フォトクロミック材料は、カプセル壁膜に内包させてフォトクロミックマイクロカプセルを形成する。
なお、前記マイクロカプセルは、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用性を満たす。
前記マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを越えると、インキ、塗料、或いは樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
マイクロカプセル化は、従来より公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記フォトクロミックマイクロカプセルは、従来より汎用のバインダー樹脂、例えば、各種合成樹脂エマルジョン、水溶性乃至油溶性の合成樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤を含むビヒクル中に配合して、印刷インキ、塗料、スタンプ用インキ、筆記具用インキを調製したり、ワックス中に分散してクレヨンを調製できる。
前記印刷インキを用いて紙、合成紙、ガラス、プラスチック、金属、木材、石材、皮革等の支持体上に光変色層を形成して印刷物を作製したり、前記塗料を用いて各種成形物表面に光変色層を形成して塗装物を作製することもできる。
更に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中にブレンドして成形したシート状、フィラメント状、或いは、任意形象の成形体を作製することもできる。
なお、本発明のフォトクロミックマイクロカプセルには、一般の染料及び顔料を適宜添加することにより、有色(1)←→有色(2)の色変化を呈することもできる。
実施例1
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン2重量部を、低分子量ポリスチレン〔三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−75、重量平均分子量2000〕50重量部、4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール2重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
実施例2
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕40重量部、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール0.5重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
実施例3
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕40重量部、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール2重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
実施例4
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕40重量部、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール5重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
実施例5
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン1重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA5、重量平均分子量317〕50重量部、4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール1重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
実施例6
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン2重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕30重量部、4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール0.5重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート8重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
比較例1
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン2重量部を、低分子量ポリスチレン〔三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−75、重量平均分子量2000〕50重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
比較例2
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕40重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
比較例3
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン1重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA5、重量平均分子量317〕50重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
比較例4
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン2重量部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕30重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート8重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
比較例5
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン1重量部を、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール50重量部、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20重量部、酢酸エチル20重量部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100重量部中に入れ、微小滴となるよう撹拌し、70℃で1時間反応を行った。
次いで、液温を90℃に保って3時間撹拌を続け、マイクロカプセル分散液を調製した後、遠心分離法によりフォトクロミックマイクロカプセルを得た。
試験試料の作製
実施例1乃至6、比較例1乃至5のフォトクロミックマイクロカプセル4重量部をエチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン10重量部に分散し、白色合成紙にバーコーターにてウェット膜が厚み90μmになるように塗工した後、乾燥させて試験試料を得た。
色調試験
前記各試験試料を光源〔東芝ライテック(株)製、電球形蛍光ランプ、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLB〕から10cm離して1分間光照射した後、色調を確認した。
耐光性試験
各試験試料を卓上型耐光性試験機(ヘレウス社製、SUNTEST CPS)を用いて照度140000luxにて1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、光照射した後、色差計で明度値を測定した。
以下の表に各試験試料の色調試験、耐光性試験結果を示す。
Figure 0005164365
なお、表中の耐光性試験の評価に関する記号は以下のとおりである。
◎:初期と比較して100〜80%の色濃度を保持している。
○:初期と比較して80〜60%の色濃度を保持している。
△:初期と比較して60〜40%の色濃度を保持している。
▲:初期と比較して40〜20%の色濃度を保持している。
×:初期と比較して20〜0%の色濃度を保持している。
実施例7
フォトクロミックマイクロカプセルの調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕10重量部、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール0.5重量部を均一に溶解させたカプセル内包物を作製し、前記内包物をエポキシ樹脂にて被覆し、フォトクロミックマイクロカプセルを得た。
フォトクロミック印刷物の作製
前記マイクロカプセル1重量部、50%アクリル樹脂トルエン溶液20重量部を撹拌・混合したものを白色合成紙にワイヤーコーターにてウェット膜厚50μmで塗工し、乾燥させてフォトクロミック印刷物を得た。
前記印刷物は紫外線照射時に赤みの紫色を呈し、暗所にて白色となった。
比較例6
フォトクロミック組成物の調製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジン4重量部、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA75、重量平均分子量917〕10重量部、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール0.5重量部を均一に溶解させてフォトクロミック組成物を得た。
フォトクロミック印刷物の作製
前記フォトクロミック組成物1重量部、50%アクリル樹脂トルエン溶液20重量部を撹拌・混合したものを白色合成紙にワイヤーコーターにてウェット膜厚50μmで塗工し、乾燥させてフォトクロミック印刷物を得た。
前記印刷物は紫外線照射時に青みの紫色を呈し、暗所にて白色となった。
応用例1
フォトクロミック液状組成物の調製
実施例3で得られたフォトクロミックマイクロカプセル40重量部を、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン58重量部、消泡剤3重量部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1重量部、レベリング剤3重量部、防腐剤1重量部からなるビヒクル中に均一に混合してフォトクロミック液状組成物(スクリーンインキ)を得た。
フォトクロミック積層体の作製
白色合成紙(支持体)上に前記スクリーンインキを用いて、スクリーン印刷によりブドウの図柄の光変色層を形成してフォトクロミック積層体(フォトクロミック印刷物)を得た。
前記印刷物は、太陽光に晒す前は白色であったが、太陽光に暴露したところ、青紫色のブドウの図柄が現出した。その後、暫く放置したところ、ブドウの図柄は消えて元の白色となった。
この色変化は繰り返し行なうことができた。
応用例2
フォトクロミックペレットの作製
実施例6で得られたフォトクロミックマイクロカプセルを脱水して得られた乾燥物75重量部と中低圧ポリエチレン750重量部を混合し、押出し成形機を使用し、160〜170℃の成形温度で押し出し、ペレタイザーにてペレット化してペレットを得た。
フォトクロミック成形物の作製
前記ペレットを用いて、160〜170℃の設定温度で射出成形機を用いて、1mm厚のフォトクロミック成形物を得た。
前記成形物は太陽光に晒す前は白色であったが、太陽光に暴露したところ、赤紫色に変色した。その後、室内で暫く放置したところ、赤紫色は消え元の白色となった。
この色変化は繰り返し行なうことができた。

Claims (3)

  1. スピロオキサジン誘導体又はスピロピラン誘導体から選ばれるフォトクロミック化合物と、重量平均分子量が200乃至6000のスチレン系オリゴマーと、4,4′−エチリ デンビスフェノール、4,4′−プロピリデンビスフェノール、4,4′−(2−メチル −プロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(3−メチルブチリデン)ビスフェノール 、4,4′−(2−エチルヘキシリデン)ビスフェノール、4,4′−デシリデンビスフ ェノール、4,4′−(1−メチル−プロピリデン)ビスフェノール、4,4′−(フェ ニルメチレン)ビスフェノール、4,4′−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール 、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−〔2,2,2−トリフルオ ロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビスフェノールから選ばれるフェノール性水酸基を有する化合物とをカプセル壁膜に内包してなり、前記フォトクロミック化合物と 、スチレン系オリゴマーの重量比が1:1〜1:10000であり、前記フォトクロミッ ク化合物とフェノール性水酸基を有する化合物との重量比が0.5:1〜10000:1 であるフォトクロミックマイクロカプセル。
  2. ヒンダードアミン系光安定剤を含んでなる請求項1記載のフォトクロミックマイクロカ プセル。
  3. 前記ヒンダードアミン系光安定剤がビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ ペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2 −n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テ トラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブ タンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2, 6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1 −ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとの 混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペ ンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2 ,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、N,N′,N″,N′ ″−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメ チルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン −1,10−ジアミン、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチ ル−4−ピペレジニル)ピロリジン−2,5−ジオンから選ばれる請求項2記載のフォト クロミックマイクロカプセル。
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