JP2010180396A - フォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体 - Google Patents

フォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 変色感度の調整と耐光堅牢性の向上を可能とした実用性に富む橙色系の色調を呈するクロメン系フォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で示されるクロメン系フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が250乃至4000のスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーとからなり、必要によりヒンダードアミン系光安定剤を含んでなるフォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体1。
【化1】
Figure 2010180396

(式中、Rは炭素数1乃至5の炭化水素基を示す。)
【選択図】 図1

Description

本発明はフォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体に関する。更に詳細には、変色感度の調整が容易であると共に、耐光堅牢性を向上させた発色時に橙色系の色調を呈するクロメン系フォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体に関する。
従来、スピロナフトオキサジン系化合物の耐光性向上を目的としたフォトクロミック組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、橙色のフォトクロミック組成物として特定構造のスピロピラン系化合物を用いたものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−184355号公報 特公平6−84368号公報
前記特許文献1に記載されたフォトクロミック組成物は、スピロナフトオキサジン系フォトクロミック化合物に特定構造のヒンダードアミン系光安定剤を添加することによって耐光性を向上させるものであるが、クロメン系フォトクロミック化合物の耐光性を向上させる効果はみられない。
また、特許文献2に記載されたフォトクロミック組成物は、変色感度の向上を目的としたものであるが、その手段は化合物(染料)構造の改良及び調整であって、化合物をその都度合成しなければならず、現実性に乏しいものであった。
本発明者は、発色時に橙色系の色調を呈するフォトクロミック組成物の変色感度を容易に調整する方法について種々検討した結果、特定構造のフォトクロミック化合物と、特定分子量のスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーからなる組成物が変色感度の調整が可能であることを見出した。
更に当該組成物は、一般的に使用される溶剤や樹脂に溶解して用いるフォトクロミック組成物と比べて耐光性に優れると共に、発色時の色濃度も濃いことが判明した。
本発明は、下記一般式(1)で示されるクロメン系フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が250乃至4000のスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーとからなるフォトクロミック組成物を要件とする。
Figure 2010180396
(式中、Rは炭素数1乃至5の炭化水素基を示す。)
更には、前記フォトクロミック化合物と、前記スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーの重量比が1:1〜1:5000であること、ヒンダードアミン系光安定剤を含んでなること、前記ヒンダードアミン系光安定剤が下記一般式(2)で示される化合物であること、
Figure 2010180396
(式中、Rは炭素数1乃至30のアルキル基を示し、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1乃至5のアルキル基を示し、nは1以上の整数を示し、Rはn価の有機残基を示す。)
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーを微小カプセルに内包してなる、或いは、樹脂粒子中に分散してなること等を要件とする。
更には、支持体上に、前記フォトクロミック組成物を含む光変色層を設けてなるフォトクロミック積層体、前記光変色層の上層又は下層に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなる可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層、又は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を積層してなるフォトクロミック積層体を要件とする。
本発明は、発色時に橙色系の色調を呈するフォトクロミック組成物における変色感度の調整と耐光堅牢性の向上を可能とした実用性に富むフォトクロミック組成物及びそれを用いたフォトクロミック積層体を提供できる。
本発明フォトクロミック積層体の一実施例の縦断面説明図である。 本発明フォトクロミック積層体の他の実施例の縦断面説明図である。 本発明フォトクロミック積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
前記一般式(1)で示されるクロメン系フォトクロミック化合物としては、
3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−エトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−n−プロポキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−イソプロポキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−n−ブトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−sec−ブトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−tert−ブトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−n−ペントキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン、
3,3−ビス(4−tert−ペントキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン等が挙げられる。
前記クロメン系フォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーに溶解して用いられる。
前記スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーは重量平均分子量が250乃至4000、好ましくは300乃至4000のものが用いられる。
スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーの重量平均分子量が250未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。また、重量平均分子量が4000を超えると、光発色により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記スチレン系オリゴマーは、スチレン骨格を有する化合物又はその水添物であり、具体的には、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等があげられる。
低分子量ポリスチレンとしては、三洋化成工業(株)製、商品名:ハイマーSB−75(重量平均分子量2000)、ハイマーST−95(重量平均分子量4000)等が用いられる。
スチレン−α−メチルスチレン共重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:ピコラスチックA5(重量平均分子量317)、ピコラスチックA75(重量平均分子量917)等が用いられる。
α−メチルスチレン重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:クリスタレックス3085(重量平均分子量664)、クリスタレックス3100(重量平均分子量1020)、クリスタレックス1120(重量平均分子量2420)等が用いられる。
α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:ピコテックスLC(重量平均分子量950)、ピコテックス100(重量平均分子量1740)等が用いられる。
前記テルペン系オリゴマーは、テルペン骨格を有する化合物であり、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、d−リモネン重合体等が挙げられる。
α−ピネン重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:ピコライトA115(重量平均分子量833)等が用いられる。
β−ピネン重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:ピコライトS115(重量平均分子量1710)等が用いられる。
d−リモネン重合体としては、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名:ピコライトC115(重量平均分子量902)等が用いられる。
前記スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーは一種又は二種以上を併用して用いることもできる。
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーの重量比は、1:1〜1:5000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記重量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示すことができる。
本発明のフォトクロミック組成物中には、ヒンダードアミン系光安定剤を添加して耐光性を更に向上させることもできる。
以下にヒンダードアミン系光安定剤を例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとの混合エステル化物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、
N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、
N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペレジニル)ピロリジン−2,5−ジオン等を例示することができる。
なお、前記ヒンダードアミン系光安定剤として、下記一般式(2)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 2010180396
(式中、Rは炭素数1乃至30のアルキル基を示し、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1乃至5のアルキル基を示し、nは1以上の整数を示し、Rはn価の有機残基を示す。)
前記フォトクロミック組成物は、マイクロカプセルに内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料を形成したり、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散して可逆光変色性樹脂粒子を形成することもできる。
なお、前記マイクロカプセル顔料又は樹脂粒子は、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用を満たす。
前記マイクロカプセル顔料又は樹脂粒子の平均粒子径が100μmを超えると、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、平均粒子径が、0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
前記マイクロカプセル化は、従来より公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更に微小カプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記フォトクロミック組成物は、バインダー樹脂、例えば、各種合成樹脂エマルジョン、水溶性乃至油溶性の合成樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤を含むビヒクル中に配合して、印刷インキ、塗料、スタンプ用インキ、筆記具用インキを調製したり、ワックス中に分散してクレヨンを調製できる。
前記印刷インキを用いて紙、合成紙、ガラス、プラスチック、金属、木材、石材、皮革等の支持体上に光変色層を形成して印刷物を作製したり、前記塗料を用いて各種成形物表面に光変色層を形成して塗装物を作製して変色性積層体を得ることもできる。
更に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中にブレンドして成形したシート状、フィラメント状、或いは、任意形象の成形体を作製することもできる。
前記成形体を作製する際、予めフォトクロミック組成物を含む樹脂ペレットを用いることもできる。
なお、本発明のフォトクロミック組成物には、一般の染料及び顔料を適宜添加することにより、有色から色調の異なる有色の色変化を呈することもできる。
前記光変色層の上層又は下層には、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなる可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層を設けたり、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を設けることもできる。
前記可逆熱変色層について説明する。
可逆熱変色層中に含まれる可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性を有する可逆熱変色性組成物を内包させた加熱消色型の可逆熱変色性組成物が挙げられる。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物も適用できる。
以下に前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分について説明する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等を挙げることができる。
成分(ロ)の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類を挙げることができる。
前記した可逆熱変色性組成物はマイクロカプセルに内包して使用するのが好ましい。これは、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
更に、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物(特開平11−129623号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステル(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル(特開2003−253149号公報)等を用いた加熱発色型の可逆熱変色性組成物を適用することもできる。
前記多孔質層について説明する。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記フォトクロミック積層体は、被服、履物、貴金属、照明器具、玩具、造花、文房具、日用品、台所用品、化粧用具、運動用具、書籍等の印刷物、乗物、機械、屋内装飾品、医療品、インジケーター等に用いられる。
以下に本発明のフォトクロミック組成物の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1
フォトクロミック組成物の調製
3,3−ビス(4−メトキシ−フェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン1部を、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体[理化ハーキュリーズ社製、商品名:ピコラスチックA−5、重量平均分子量317]10部中に均一に加温溶解させてフォトクロミック組成物を得た。
以下の表に実施例2乃至7のフォトクロミック組成物の組成を示す。
なお、表中の括弧内の数字は質量部を示す。
Figure 2010180396
以下の表に比較例1乃至9のフォトクロミック組成物の組成を示す。
なお、表中の括弧内の数字は質量部を示す。
Figure 2010180396
試験試料の作製
各実施例及び比較例で得られたフォトクロミック組成物をメチルエチルケトン100部に溶解し、白色合成紙にバーコーターにてウェット膜が厚み90μmになるように塗工した後、乾燥させて試験試料を得た。
初期色調試験
前記試験試料を光源[東芝ライテック社製、電球形蛍光ランプ、商品名:ネオボール5ブラックライトEFD15BLB]から10cm離して1分間光照射してフォトクロミック組成物を発色させた後、目視にて色調を確認した。
初期消色速度試験
前記初期色調試験と同様の方法により光照射した各試験試料を、直ちに暗所(25℃)で放置し、光照射前の色濃度になるまでの時間を測定した。
なお、測定は室内(25℃、照度300lux)で確認した。
耐光性試験
各試験試料を卓上型耐光性試験機(ヘレウス社製、SUNTEST CPS)を用いて照度140,000luxにて継続光照射し、変色機能が無くなる時間を測定した。
以下の表に各試験試料の初期色調試験、初期消色速度試験、及び耐光性試験結果を示す。
Figure 2010180396
応用例1
実施例1で得たフォトクロミック組成物60部を、膜材として芳香族イソシアネートプレポリマー20部、酢酸エチル20部からなる混合溶液に混入した後、これを15%ゼラチン水溶液100部中に投入し、微小滴になるよう撹拌し、加温しながら反応を行ってマイクロカプセル分散液を調製した。
前記マイクロカプセル分散液から遠心分離法によりマイクロカプセルを得た。
前記マイクロカプセルをスプレードライイング法にて乾燥させ、これを10部分取してアクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して塗料を得た。
前記塗料を用いて支持体2として白色ABS板(厚さ1mm)上にスプレーガンにて塗装し、光変色層3を設けてフォトクロミック積層体1(フォトクロミック塗装物)を得た(図1参照)。
前記塗装物は太陽光に晒す前は白色であったが、太陽光に晒すと橙色に変色した。その後、暫く放置したところ、橙色は消えて元の白色となった。
この色変化は繰り返し行うことができた。
応用例2
実施例3で得られたフォトクロミック組成物60部を、前記応用例1と同様の方法により、マイクロカプセルを得た。
前記マイクロカプセルをスプレードライイング法にて乾燥させ、これを10部分取して、中低圧ポリエチレン100部を混合し、押出成形機を使用し、160℃の成形温度で押出し、ペレタイザーにてペレット化してペレットを得た。
前記ペレットを用いて160℃の温度設定で射出成形機を用いて1mm厚のフォトクロミック成形物を得た。
前記成形物は、太陽光に晒す前は白色であったが、太陽光に晒すと橙色に変色した。その後、室内で暫く放置したところ、橙色は消えて元の白色となった。
この色変化は繰り返し行うことができた。
応用例3
実施例5で得られたフォトクロミック組成物20部、アクリル樹脂/キシレン溶液30部、キシレン20部、メチルイソブチルケトン20部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して光変色性スプレー塗料を得た。
これとは別に、(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−(1)ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン2.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール6部、(ハ)成分としてセチルアルコール25部、ラウリン酸ステアレート25部からなる可逆熱変色性組成物(35℃未満でピンク色、35℃以上で無色)を混合した後、公知の界面重合法によりエポキシ樹脂膜で内包されたマイクロカプセル顔料(平均粒子径5.0μm)20部を、アクリル樹脂/キシレン溶液30部、キシレン20部、メチルイソブチルケトン20部、イソシアネート系硬化剤10部からなるビヒクル中に攪拌混合して熱変色性スプレー塗料を得た。
前記熱変色性スプレー塗料を用いて、支持体2としてABS樹脂を射出成形した白色ミニチュアカー表面に可逆熱変色層4を設けた後、光変色性スプレー塗料を用いて、前記可逆熱変色層上に光変色層3を設けてフォトクロミック積層体1(変色性玩具)を得た(図2参照)。
前記積層体は室内において常温(25℃)ではピンク色を呈しており、35℃以上に加熱すると可逆熱変色層が消色して白色になる。
前記積層体は35℃未満になると再びピンク色になり、その状態で太陽光を照射すると光変色層が橙色になるため、ピンク色と橙色が混色となった赤色の積層体になる。
前記積層体を室内で暫く放置したところ、赤色は消えて元のピンク色となった。
次いで、35℃以上に加温した状態の白色の積層体に太陽光を照射すると橙色の積層体になり、室内で暫く放置したところ、橙色は消えて元の白色となった。
この色変化は繰り返し行なうことができた。
応用例4
実施例6で得られたフォトクロミック組成物20部、アクリル樹脂/キシレン溶液30部、キシレン20部、メチルイソブチルケトン20部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して光変色性スプレー塗料を得た。
支持体2として白色スチレン樹脂板に前記光変色性スプレー塗料を用いてスプレー塗装して光変色層3を設けた後、前記光変色層上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1.5部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いてベタ印刷し、吸液状態と非吸液状態とで透明性を異にする多孔質層5を形成してフォトクロミック積層体1を得た(図3参照)。
前記積層体は、室内では白色を呈しており、水を含浸させた筆で表面を濡らしても色変化はなかったが、吸液状態で太陽光に晒すと、水を付着させた部分(吸液部)が橙色に変色した。更に、吸液状態では橙色を呈していたが、乾燥するに従って元の白色に戻った。
また、前記吸液状態で橙色の積層体を室内で放置すると、再び白色に戻すことができた。
この色変化は繰り返し行なうことができた。
1 フォトクロミック積層体
2 支持体
3 光変色層
4 可逆熱変色層
5 多孔質層

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示されるクロメン系フォトクロミック化合物と、重量平均分子量が250乃至4000のスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーとからなるフォトクロミック組成物。
    Figure 2010180396
    (式中、Rは炭素数1乃至5の炭化水素基を示す。)
  2. 前記フォトクロミック化合物と、前記スチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーの重量比が1:1〜1:5000である請求項1記載のフォトクロミック組成物。
  3. ヒンダードアミン系光安定剤を含んでなる請求項1又は2記載のフォトクロミック組成物。
  4. 前記ヒンダードアミン系光安定剤が下記一般式(2)で示される化合物である請求項3記載のフォトクロミック組成物。
    Figure 2010180396
    (式中、Rは炭素数1乃至30のアルキル基を示し、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1乃至5のアルキル基を示し、nは1以上の整数を示し、Rはn価の有機残基を示す。)
  5. 前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマー又はテルペン系オリゴマーをマイクロカプセルに内包してなる、或いは、樹脂粒子中に分散してなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトクロミック組成物。
  6. 支持体上に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフォトクロミック組成物を含む光変色層を設けてなるフォトクロミック積層体。
  7. 前記光変色層の上層又は下層に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなる可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層、又は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、吸液状態と非吸液状態で透明性を異にする多孔質層を積層してなるフォトクロミック積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102993155A (zh) * 2011-09-19 2013-03-27 天津孚信科技有限公司 多取代-二芳基萘并吡喃类光致变色化合物的制备方法
US20140349846A1 (en) * 2013-05-21 2014-11-27 Landers Y CIA S.A. Kitchenware with thermochromic and photochromic inks applied in high visibility areas as thermal state indicator mechanism

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