JP2022116809A - カメラ玩具セット - Google Patents

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Yasuaki Kambe
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Abstract

【課題】 可逆光変色像を設けた光変色性印刷物と、光変色性印刷物を出し入れするための開口部と可逆光変色像を変色させる光源を設けたカメラ玩具とからなり、カメラ玩具に光変色性印刷物を挿入或いは収容すると、光変色性印刷物に像が現出し、あたかも実物のカメラを使用して写真を撮影したかのような実感を味わうことができ、且つ、簡便に遊ぶことができるカメラ玩具セットを提供する。【解決手段】 支持体上に、フォトクロミック化合物から少なくともなる可逆光変色性材料を含んでなる可逆光変色像を設けてなる光変色性印刷物と、カメラの外観を模したカメラ玩具とからなり、前記カメラ玩具は、カメラボディに前記光変色性印刷物を出し入れする開口部を設けてなり、カメラボディ内部に光源を設けてなるカメラ玩具セット。【選択図】 図1

Description

本発明は、カメラ玩具セットに関する。さらに詳細には、カメラ玩具に設けられる光源によって、カメラ玩具に挿入或いは収容した印刷物に写真や絵柄等の像を現出させることができるカメラ玩具セットに関する。
従来、所定の絵が描かれた水透過性の着色層上に、低屈折率顔料を含有し着色層と色相が異なる水透過性の地色層を形成してなる水発色紙が装着された台プレートを出し入れするための開口をカメラ本体に設け、さらにカメラ本体内には、水発色紙と接触して、水発色紙を濡らす含水部材を取り付けたカメラ玩具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
上記のカメラ玩具は、無地の水発色紙を台プレート載せて押し込むと、カメラ本体内の含水部材により水発色紙が濡れ、台プレートを引き出すと水発色紙に描かれた絵が視認されるため、あたかも、撮影した絵が即席に現像されて出てくる即席カメラを使用しているような実感を味わうことができる玩具である。しかしながら、実物のカメラでは水は使用されないため、上記のカメラ玩具は、実物のカメラを使用しているような実感が損なわれ易く、現実感に欠けるものであった。また、含水部材の水が無くなるたびに、カメラ本体から含水部材を取り出して含水部材に水を吸水させる必要があるため、上記のカメラ玩具で遊ぶ際に手間を要するものであった。
実開昭55-27567号のマイクロフィルム
本発明は、可逆光変色像を設けた光変色性印刷物と、光変色性印刷物を出し入れするための開口部と、可逆光変色像を変色させる光源を設けたカメラ玩具とからなるカメラ玩具セットを提供しようとするものである。
本発明は、支持体上に、フォトクロミック化合物から少なくともなる可逆光変色性材料を含んでなる可逆光変色像を設けてなる光変色性印刷物と、カメラの外観を模したカメラ玩具とからなり、前記カメラ玩具は、カメラボディに前記光変色性印刷物を出し入れする開口部を設けてなり、カメラボディ内部に光源を設けてなるカメラ玩具セットを要件とする。
さらには、前記光源は、ピーク波長が400~495nmの範囲にある光源であること、前記カメラボディ又はカメラボディ内部に、さらに電源を設けてなり、前記電源と前記光源が有線により接続されてなること、前記カメラボディに、さらに押圧により通電するスイッチを設けてなり、前記スイッチと前記電源と前記光源が有線により接続されてなること、前記可逆光変色性材料が、さらにオリゴマーを含んでなること、前記可逆光変色像は、光照射時にシアン色、マゼンタ色、イエロー色に発色する前記可逆光変色性材料を、それぞれビヒクル中に分散させた3色の光変色性印刷用インキを少なくとも用いるプロセス印刷により形成されてなる像であること、前記可逆光変色性材料中のフォトクロミック化合物が、シアン色ではスピロオキサジン系化合物であり、マゼンタ色ではナフトピラン系化合物であり、イエロー色ではナフトピラン系化合物であることを要件とする。
本発明は、可逆光変色像を設けた光変色性印刷物と、光変色性印刷物を出し入れするための開口部と、可逆光変色像を変色させる光源を設けたカメラ玩具とからなり、カメラ玩具に光変色性印刷物を挿入或いは収容すると、光変色性印刷物に写真や絵柄等の像が現出し、あたかも実物のカメラを使用して写真を撮影したかのような実感を味わうことができ、且つ、簡便に遊ぶことができる遊戯性の高いカメラ玩具セットを提供できる。
本発明のカメラ玩具セットの一実施例の斜視図である。 図1のカメラ玩具セットにおいて、光変色性印刷物がカメラ玩具に挿入された状態を表す斜視図である。 本発明に用いられる光変色性印刷物の一実施例の縦断面図である。 本発明に用いられる光変色性印刷物の他の実施例の縦断面図である。 本発明に用いられる光変色性印刷物の他の実施例の縦断面図である。 本発明に用いられるカメラ玩具の一実施例の平面図である。 図6のカメラ玩具の内部構造を表す平面図である。 本発明に用いられるカメラ玩具の他の実施例の平面図である。 図8のカメラ玩具の内部構造を表す平面図である。 本発明のカメラ玩具セットの他の実施例の斜視図である。 図10のカメラ玩具セットにおいて、光変色性印刷物及び非変色性印刷物がカメラ玩具に挿入された状態を表す斜視図である。 本発明に用いられる非変色性印刷物の一実施例の縦断面図である。 本発明に用いられるカメラ玩具の他の実施例の内部構造を表す斜視図である。 図13のカメラ玩具において、光変色性印刷物が挿入された状態の内部構造を表す斜視図である。 本発明に用いられるカメラ玩具の他の実施例の内部構造を表す斜視図である。 図15のカメラ玩具において、光変色性印刷物及び非変色性印刷物が挿入された状態の内部構造を表す斜視図である。 本発明に用いられる消色具の内部構造を表す斜視図である。
本発明のカメラ玩具セットは、支持体上に、フォトクロミック化合物(以下、「化合物」と表すことがある)から少なくともなる可逆光変色性材料を含んでなる可逆光変色像を設けてなる光変色性印刷物(以下、「印刷物」と表すことがある)と、カメラの外観を模したカメラ玩具とからなる(図1参照)。
本発明に適用される支持体は特に限定されるものではなく、例えば、紙、合成紙、繊維、編布、織布、及び不織布等の布帛、合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、エラストマー、ゴム、陶磁器、金属、木材、石材等を例示することができ、耐久性や取り扱い性に優れることから、紙、合成紙、プラスチックが好ましい。また、形態としては平面状、シート状、フィルム状のものが好適である。
本発明に適用される可逆光変色性材料は、少なくともフォトクロミック化合物からなる。フォトクロミック化合物としては、スピロオキサジン誘導体、スピロピラン誘導体、ナフトピラン誘導体等が挙げられる。
スピロオキサジン誘導体としては、インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物、インドリノスピロナフトオキサジン系化合物、インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物、インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物等が挙げられる。
インドリノスピロベンゾオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′-クロロ-5-フルオロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジメチル-1-エチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5,7-ジフルオロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-シアノ-3,3-ジメチル-1-(メトキシカルボニル)メチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-メチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-メチル-5′-ニトロジスピロ[シクロペンタン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
1,3,3,5′-テトラメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′-フルオロ-1′-メチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
1-ベンジル-6′-クロロ-3,3-ジメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′-メトキシ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-クロロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-ブロモ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-ヨード-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-トリフルオロメチル-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジエチル-1-メチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,6′-テトラメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6-クロロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5′-フルオロ-1′-メチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン〕、
5-シアノ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-エトキシカルボニル-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4′,6′-ジフルオロ-1′-メチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジメチル-1-(メトキシカルボニル)メチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジメチル-1-フェニルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-メトキシ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,5-テトラメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7′-クロロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3,7′-テトラメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7′-メトキシ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[4,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6′-クロロ-5-フルオロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-クロロ-1,3-ジメチル-3-エチル-5′-メトキシスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジエチル-1-メチル-5-ニトロスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′,6′-ジメチルスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
9″-ブロモ-1′-メトキシカルボニルメチル-5′-トリフルオロメチルジスピロ[シクロペンタン-1,3′-[3H]-インドール-2′[1′H],3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1-ベンジル-3,3-ジ-n-ブチル-7′-エチル-5-メトキシスピロ[2H-インドール-1,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-n-ブチル-6′-ヨードジスピロ[シクロヘプタン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
3,3-ジメチル-9′-ヨード-1-ナフチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4′-シアノ-1′-〔2-(メトキシカルボニル)エチル〕ジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
7-メトキシカルボニル-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
4-ブロモ-3,3-ジエチル-9′-エトキシ-1-(2-フェニル)エチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-メチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
6-フルオロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-エチル-9-フルオロ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-ベンジル-6″-ヨードジスピロ[シクロペンタン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
5-エトキシ-1,3,3-トリメチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-メチル-5′-トリクロロメチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H),3″-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1,3-ジエチル-3-メチルスピロ[2H-インドール-2,3′-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]、
1′-メトキシカルボニルメチルジスピロ[シクロヘキサン-1,3′-[3H]-インドール-2′(1′H)-[3H]ピリド[2,3-f][1,4]ベンゾオキサジン]
等、インドリノスピロベンゾオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロナフトオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3-トリメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-クロロ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-ブロモ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3,5-テトラメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-n-プロピル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-イソブチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-n-プロポキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-シアノ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-n-プロピル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-イソブチル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-n-オクチル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-n-オクタデシル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-8′-スルホン酸ナトリウム-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-9′-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-8′-シアノ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-トリフルオロ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(4′-メチルフェニル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-6′-(2,3-ジヒドロ-1-インドリノ)-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-6′-(1-ピペリジニル)-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-6′-(1-モルホリノ)-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-エチル-3,3-ジメチル-6-トリフルオロメチル-6′-(1-モルホリノ)-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-6-トリフルオロメチル-6′-(1-ピペリジニル)-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-ベンジル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(4-メトキシベンジル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(4-クロロベンジル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-エチル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-イソプロピル-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(2-フェノキシエチル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3-ジメチル-3-エチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-9′-ヒドロキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3-ジメチル-3-エチル-8′-ヒドロキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3,5-テトラメチル-9′-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3,5,6-ペンタメチル-9′-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-4-トリフルオロメチル-5′-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5′-メトキシ-6′-トリフルオロメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3-トリメチル-4-トリフルオロメチル-9′-メトキシ-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,5,6-テトラメチル-3-エチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1,3,3,5,6-ペンタメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-メチル-3,3-ジフェニル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(4-メトキシベンジル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(3,5-ジメチルベンジル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン、
1-(2-フルオロベンジル)-3,3-ジメチル-スピロインドリノナフトオキサジン
等、インドリノスピロナフトオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロフェナントロオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3-トリメチル-スピロインドリノフェナントロオキサジン、
1,3,3-トリメチル-5-クロロ-スピロインドリノフェナントロオキサジン
等、インドリノスピロフェナントロオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
インドリノスピロキノリノオキサジン系化合物としては、例えば、
1,3,3-トリメチル-スピロインドリノキノリノオキサジン
等、インドリノスピロキノリノオキサジンのインドール環及びベンゼン環のハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基、水酸基等の各置換体を例示できる。
スピロピラン誘導体としては、例えば、
1,3,3-トリメチル-インドリノベンゾピリロスピラン、
1,3,3-トリメチルインドリノ-6′-ブロモベンゾピリロスピラン、
1,3,3-トリメチルインドリノ-8′-メトキシベンゾピリロスピラン、
1,3,3-トリメチルインドリノ-β-ナフトピリロスピラン、
1,3,3-トリメチルインドリノ-6′-ニトロベンゾピリロスピラン
等を例示できる。
ナフトピラン誘導体としては、例えば、
3,3,9,9-テトラフェニル-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]ジピラン、
3,3,10,10-テトラフェニル-3H,10H-ナフト[2,1-b:7,8-b′]ジピラン、
3,3,9,9-テトラフェニル-3H,9H-ナフト[4,3-b:8,7-b′]ジピラン、
3,3-ジフェニル-9-メトキシ-3H-ナフト[4,3-b]ピラン、
3,3-ジフェニル-10-メチル-3H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]ジピラン-8-オン、
3,3,9,9-テトラ(4′-メトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]ジピラン、
3,3-ジフェニル-8-〔2-(4-ジメチルアミノ)フェニル〕エテン-3H-ナフト[4,3-b]ピラン、
3,3-ジフェニル-5-アセトキシ-3H-ナフト[4,3-b]ピラン、
3,3-ジフェニル-8-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)カルボニル-3H-ナフト[4,3-b]ピラン
等を例示できる。
フォトクロミック化合物としては、光メモリー性(色彩記憶性光変色性)を有する化合物を用いることもできる。光メモリー性を有するフォトクロミック化合物としては、ジアリールエテン誘導体等が挙げられる。
ジアリールエテン誘導体としては、例えば、
1-(1,2-ジメチル-3-インドリル)-2-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)-2-(5-メチル-2-フェニル-4-チアゾイル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-メトキシ-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-メトキシ-5-メチル-3-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-メチル-6-ニトロ-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-アミノ-2-メチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-アミノ-2-エチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-メチル-6-(1-ピロリジノ)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-ジエチルアミノ-2-メチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-アセチルアミノ-2-メチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-メチル-6-(1-ピペリジノ)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-ジベンジルアミノ-2-メチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-ブチル-6-(1-ピペリジノ)-3-ベンゾフラニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-メチル-6-(1-モルホリノ)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(3-メトキシ-2-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-メチル-6-ニトロ-3-ベンゾフラニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(3-メチル-2-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(3-メチル-2-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-2-(3-メチル-2-ベンゾフラニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)-2-(3-メチル-2-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-ブチル-6-ニトロ-3-ベンゾフラニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-(5-フェニル-2-メチル-3-チエニル)-2-(2,4-ジメチル-5-フェニル-3-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2,4-ジメチル-5-フェニル-3-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2,4-ジメチル-5-(4-メトキシフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔5-(4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-〔2-メチル-5-(4-メチルフェニル)-3-チエニル〕-2-〔2,4-ジメチル-5-(4-メチルフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-〔2-メチル-5-(4-メトキシフェニル)-3-チエニル〕-2-〔2,4-ジメチル-5-(4-メトキシフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-〔2-メチル-5-(4-メチルフェニル)-3-チエニル〕-2-〔2,4-ジメチル-5-(4-メトキシフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2,4-ジメチル-5-(4-ジメチルアミノフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2,4-ジメチル-5-(2-フェニルエテニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2,4-ジメチル-5-(4-アミノフェニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1-(2,4-ジメチル-5-フェニル-3-チエニル)-2-〔2,4-ジメチル-5-(2-フェニルエテニル)-3-チエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(2-エチル-6-ニトロ-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-エチル-6-(5-メチル-2-チエニル)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-エチル-6-(1-ピペリジノ)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス(6-ジベンジルアミノ-2-エチル-3-ベンゾチエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2-ビス〔2-エチル-6-(1-モルホリノ)-3-ベンゾチエニル〕-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン
等を例示できる。
フォトクロミック化合物としてジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いる場合、ピーク波長が400~495nmの範囲にある光源により化合物を発色させると、化合物が発色状態を維持するため、可逆光変色性材料にジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いた光変色性印刷物は、光源による光を照射することによって、像が現出した状態で維持させることができる。
また、印刷物に現出した像は、発色状態のジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる消色具によって消失させることができる。
消色具としては、例えば、主発光領域が500nm以上の可視光領域にある光源を備えた消色具や、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を含み、紫外線を含む500nm未満の波長の光をカットして500nm以上の波長の可視光を照射することにより発色状態にあるジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させ、消色状態に変位させて維持させる消色具が挙げられる。
また、汎用の紫外線吸収剤、光遮蔽性顔料及び/又は染料を熱可塑性プラスチックに一体的にブレンドして成形したシート状、フィラメント状、その他任意形象の成形体であってもよい。また、透明乃至半透明性のシートや任意形象の造形体等からなる支持体に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤をバインダー樹脂を含むビヒクルに溶解又は分散状態に固着させた印刷乃至塗布層(像を含む)を設けたものであってもよい。また、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を配合したペースト状乃至ジェル等の塑性乃至流動体形態のものであってもよい。
バインダー樹脂を含むビヒクル中に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を配合する場合、バインダー樹脂に対して0.05質量%~40質量%、好ましくは、0.1質量%~30質量%の割合で配合され、紫外線を含む500nm未満の波長の光をカットする効果を発現し易くなる。
消色具は、分光光度計(Gretag Macbeth社製、製品名:Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長のスペクトル差を率に換算して強度とし、500nm以下の各波長の光強度が500nm以上にあるピーク波長の光強度最大値の5%以下であることが好ましく、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる機能に優れる。
また、可逆光変色性材料として、上記のフォトクロミック化合物を各種オリゴマーに溶解した可逆光変色性組成物を用いることもできる。オリゴマーとしては、スチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマー、テルペン系オリゴマー、又はテルペンフェノール系オリゴマー等が挙げられる。
フォトクロミック化合物を各種オリゴマーに溶解することにより耐光性と共に発色濃度を向上させることができ、さらには変色感度を調整することができる。
スチレン系オリゴマーとしては、質量平均分子量が200~6000、好ましくは200~4000のものが用いられる。スチレン系オリゴマーの質量平均分子量が6000を超えると、光照射により色残りが発生すると共に発色濃度が低くなり易く、また、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、質量平均分子量が200未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、耐光性が損なわれ易くなる。
スチレン系オリゴマーは、スチレン骨格を有する化合物又はその水添物であり、例えば、低分子量ポリスチレン、スチレン-α-メチルスチレン共重合体、α-メチルスチレン重合体、α-メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等を例示できる。
低分子量ポリスチレンとして具体的には、三洋化成工業(株)製、製品名:ハイマーSB-75(質量平均分子量:2000)、同ST-95(質量平均分子量:4000)等を例示できる。
スチレン-α-メチルスチレン共重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA-5(質量平均分子量:317)、同A-75(質量平均分子量:917)等を例示できる。
α-メチルスチレン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:クリスタレックス3085(質量平均分子量:664)、同3100(質量平均分子量:1020)、同1120(質量平均分子量:2420)等を例示できる。
α-メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコテックスLC(質量平均分子量:950)、同100(質量平均分子量:1740)等を例示できる。
アクリル系オリゴマーとしては、質量平均分子量が12000以下、好ましくは1000~8000、より好ましくは1500~6000のものが用いられる。アクリル系オリゴマーの質量平均分子量が12000を超えると、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、質量平均分子量が1000未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため発色濃度が低くなり易くなると共に、耐光性が損なわれ易くなる。
アクリル系オリゴマーとしては、例えば、アクリル酸エステル共重合体等を例示できる。
アクリル酸エステル共重合体として具体的には、東亜合成(株)製、製品名:ARUFON UP-1170(質量平均分子量:8000)、同1080(質量平均分子量:6000)、同1000(質量平均分子量:3000)、同1020(質量平均分子量:2000)、同1010(質量平均分子量:1700)、UH-2000(質量平均分子量:11000)、US-6100(質量平均分子量:2500)、UC-3510(質量平均分子量:2000)等を例示できる。
テルペン系オリゴマーとしては、質量平均分子量が250~4000、好ましくは300~4000のものが用いられる。テルペン系オリゴマーの質量平均分子量が4000を超えると、光照射により色残りが発生すると共に発色濃度が低くなり易く、また、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、質量平均分子量が250未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、耐光性を損ない易くなる。
テルペン系オリゴマーは、テルペン骨格を有する化合物であり、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、d-リモネン重合体等を例示できる。
α-ピネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトA115(質量平均分子量:833)等を例示できる。
β-ピネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトS115(質量平均分子量:1710)等を例示できる。
d-リモネン重合体として具体的には、イーストマンケミカル社製、製品名:ピコライトC115(質量平均分子量:902)等を例示できる。
テルペンフェノール系オリゴマーとしては、質量平均分子量が200~2000、好ましくは500~1200のものが用いられる。テルペンフェノール系オリゴマーの質量平均分子量が2000を超えると、変色感度の調整が困難となり易くなる。一方、質量平均分子量が200未満では、含有モノマーが多くなり安定性に欠けるため、発色濃度が低くなり易くなる。
テルペンフェノール系オリゴマーは、環状テルペンモノマーとフェノール類とを共重合させた化合物又はその水添物であり、例えば、α-ピネン-フェノール共重合体等が挙げられる。
α-ピネン-フェノール共重合体として具体的には、ヤスハラケミカル(株)製、製品名:YSポリスターT145(質量平均分子量:1050)、同T130(質量平均分子量:900)、同T500(質量平均分子量:500)、同S145(質量平均分子量:1050)等を例示できる。
上記のスチレン系オリゴマー、アクリル系オリゴマー、テルペン系オリゴマー、テルペンフェノール系オリゴマーの質量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定した値である。
また、上記のオリゴマーは単独で用いてもよいし、二種以上を併用して用いることもできる。
可逆光変色性組成物における、フォトクロミック化合物:スチレン系オリゴマー又はアクリル系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1~1:10000、より好ましくは1:5~1:500である。
また、フォトクロミック化合物:テルペン系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1~1:5000、より好ましくは1:5~1:500である。
また、フォトクロミック化合物:テルペンフェノール系オリゴマーの質量比は、好ましくは1:1~1:50、より好ましくは1:2~1:30である。
フォトクロミック化合物とオリゴマーの質量比が上記の範囲内にあることにより、フォトクロミック化合物が発消色機能を満たすと共に、十分な発色濃度を示し易くなる。
上記の可逆光変色性組成物は、マイクロカプセルに内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料(以下、「マイクロカプセル顔料」と表すことがある)や、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂中に分散させて可逆光変色性樹脂粒子を形成して、可逆光変色性材料として使用することもできるが、可逆光変色性組成物は、マイクロカプセルに内包させてマイクロカプセル顔料として使用することが好ましい。これは、マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成することができ、種々の使用条件において、可逆光変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
マイクロカプセル化は、公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン-ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。さらにマイクロカプセルの表面には、目的に応じてさらに二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
マイクロカプセル顔料は、内包物:壁膜の質量比が7:1~1:1であることが好ましく、内包物と壁膜の質量比が上記の範囲内にあることにより、発色時の色濃度及び鮮明性の低下が防止される。より好ましくは、内包物:壁膜の質量比は6:1~1:1である。
なお、マイクロカプセル化の際に、一般の染料や顔料等の非変色性着色剤を配合することにより、有色(1)から有色(2)への互変的色変化をもたらすこともできる。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径は0.5~10μm、好ましくは0.5~5μm、より好ましくは1~3μmの範囲が実用を満たす。平均粒子径が10μmを超えると、インキ、塗料、或いは樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠け易くなる。一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
なお、平均粒子径は、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア〔(株)マウンテック製、製品名:マックビュー〕を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。
また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合は、粒度分布測定装置〔ベックマン・コールター(株)製、製品名:Multisizer 4e〕を用いて、コールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定することも可能である。
さらに、上記のソフトウェア又はコールター法による測定装置を用いて計測した数値を基にして、キャリブレーションを行ったレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製、製品名:LA-300〕を用いて、体積基準の粒子径及び平均粒子径を測定してもよい。
上記の可逆光変色性組成物には、必要により紫外線吸収剤、光安定剤、或いは酸化防止剤等の添加剤を配合させて耐光性を向上させることもできる。
耐光性を向上させる上記の添加剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用して用いることもできる。
紫外線吸収剤としては、例えば、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
2,2′-ジヒドロキシ-4,4′-ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′-テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、
2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシベンゾフェノン、
ビス-(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン、
2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-アミルフェニル)-ベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン
等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
サリチル酸フェニル、
サリチル酸パラ-tert-ブチルフェニル、
サリチル酸パラオクチルフェニル、
2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-4-ヒドロキシベンゾエート、
1-ヒドロキシベンゾエート、
1-ヒドロキシ-3-tert-ブチルベンゾエート、
1-ヒドロキシ-3-tert-オクチルベンゾエート、
レゾシノールモノベンゾエート
等のサリチル酸系紫外線吸収剤、
エチル-2-シアノ-3,3′-ジフェニルアクリレート、
2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3′-ジフェニルアクリレート、
2-エチルヘキシル-2-シアノ-3-フェニールシンナート
等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、
2-(5-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(a,a-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、
2-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、
2-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、
2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-(3-ドデシル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2-(3-tert-ブチル-5-プロピルオクチレート-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、
2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、
2-(3-tert-ブチル-5-オクチルオキシカルボニルエチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、
2-〔2-ヒドロキシ-3-ジメチルベンジルフェニル-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)〕-2H-ベンゾトリアゾール、
2-〔2′-ヒドロキシ-3′-(3″,4″,5″,6″-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5′-メチルフェニル〕-ベンゾトリアゾール
等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
エタンジアミド-N-(2-エトキシフェニル)-N′-(4-イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4-テトラメチル-20-(β-ラウリル-オキシカルボニル)-エチル-7-オキサ-3,20-ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸-21-オン
等の蓚酸アニリド系紫外線吸収剤、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ペンチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジフェニル-6-〔2-ヒドロキシ-4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル〕-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-ペンチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ジ-p-トレイル-6-〔2-ヒドロキシ-4-(2-ヘキシルオキシエトキシ)フェニル〕-1,3,5-トリアジン、
2-{4-〔2-ヒドロキシ-3-(ドデシルオキシ)プロピルオキシ〕-2-ヒドロキシフェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-{4-〔2-ヒドロキシ-3-(トリデシルオキシ)プロピルオキシ〕-2-ヒドロキシフェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-{4-〔2-ヒドロキシ-3-(2′-エチル)ヘキシルオキシ〕-2-ヒドロキシフェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-{4-〔2-ヒドロキシ-3-(トリデシルオキシ)プロピルオキシ〕-2-ヒドロキシフェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと2-{4-〔2-ヒドロキシ-3-(ドデシルオキシ)プロピルオキシ〕-2-ヒドロキシフェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンの混合物、
2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-{2-ヒドロキシ-4-〔(1-オクチルオキシカルボニルエトキシ)フェニル〕}-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、
2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、
トリス(3-メチルアニリノ)トリアジン
等のトリアジン系紫外線吸収剤
等を例示できる。
光安定剤としては、例えば、
コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ{〔6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2-4-ジイル〕〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕}ヘキサメチレン、
2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタペチル-4-ピペリジル)、
N,N′-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン-2,4-ビス〔N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタペチル-4-ピペリジル)アミノ〕-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物、
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバシン酸)、
4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、
8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン
等のヒンダードアミン系光安定剤を例示できる。
酸化防止剤としては、例えば、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、
2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、
オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
2,2-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
4,4-チオビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
2,2-チオビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
3,9-ビス{1,1-ジメチル-2-〔β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}、
2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、
2,2-エチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、
ビス〔3,3-ビス-(4′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕-グリコールエステル、
1,3,5-トリス(3′,5′-ジ-tert-ブチル-4′-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-[1H,3H,5H]-トリオン、
トコフェノール、
1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、
ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、
トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,6-ヘキサジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
2,2-チオエチレンビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
N,N′-ヘキサメチレンビス(3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、
トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
2,2,4-トリメチル-1,2-ハイドロキノン、
スチレートフェノール、
2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
等のフェノール系酸化防止剤、
ジラウリル-3,3′-チオジプロピオネート、
ジミリスチル-3,3′-チオジプロピオネート、
ジステアリル-3,3′-チオジプロピオネート、
ステアリルチオプロピルアミド
等の硫黄系酸化防止剤、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、
ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルホスファネート-ジエチルエステル、
トリフェニルホスファイト、
ジフェニルイソデシルホスファイト、
フェニルイソデシルホスファイト、
4,4′-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、
オクタデシルホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、
9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン、
10-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、
10-デシロキシ-9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、
2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、
オクチル化ジフェニルアミン
等のリン酸系酸化防止剤
等を例示できる。
可逆光変色像は、可逆光変色性材料をビヒクル中に分散させて調製した印刷インキや塗料等の液状組成物を用いて、スクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、インクジェット印刷、コーター、及び転写印刷等の印刷方法、又は、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の塗布方法により、支持体上に形成される。なお、可逆光変色像は、液状組成物中の溶剤等の揮発成分が揮発してそれ以外の成分により形成されるものである。
可逆光変色性材料を分散させるビヒクルは、溶剤と、バインダー樹脂と、必要により配合される各種添加剤とから構成され、可逆光変色性材料の発消色機能、変色機能、又は感度等に影響を及ぼさなければ特に限定されるものではない。
また、ビヒクル中に可逆光変色性材料と共に、一般の染料や顔料等の非変色性着色剤を配合することにより、可逆光変色像に有色(1)から有色(2)への互変的色変化をもたらすことができる。
溶剤としては、水や各種有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、n-オクタン、イソオクタン、n-ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール等を例示できる。
バインダー樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン-無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル-アクリリックススチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン共重合樹脂、エチレン-塩化ビニル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニルグラフト共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、アクリル-スチレン共重合樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルスチレン、アクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル-アクリル共重合樹脂、ポリイソブチレン、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、ケトン樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、アクリル酸エステル系エマルジョン、メタクリル酸エステル系エマルジョン、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、スチレン-アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、ロジンエステル系エマルジョン、エポキシ樹脂系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョン、合成ゴムラテックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、クマロンプラスチック、ポリブテン、フェノキシプラスチック、液状ポリブタジエン、液状ゴム、石油系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の合成樹脂、
セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ロジン誘導体、デンプン類、多糖類、ガム類、天然ゴム、セラック、寒天、カゼイン、ニカワ、ゼラチン、ポリテルペン等の天然又は半合成樹脂等を例示できる。
添加剤としては、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、潤滑剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
可逆光変色性材料は、バインダー樹脂中に0.1~40質量%、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~10質量%の割合で配合される。可逆光変色性材料の配合割合が40質量%を超えると、バインダー樹脂中への分散に際して分散安定性や加工適性に欠け易くなり、また発色濃度の顕著な向上は認められ難く、さらに消色状態において残色を生じ易くなる。一方、配合割合が0.1質量%未満では、所望の発色濃度を示し難くなり、変色機能を十分に満たし難くなる。
可逆光変色像としては特に限定されるものではないが、実物のカメラで撮影される人物、動物、植物、食料品、料理、乗物、建物、天体、風景等の写真や絵柄が好ましい。
本発明のカメラ玩具セットは、実物のカメラを使用しているような実感を味わうことができるものであるが、このような実感をより高めるためには、印刷物に設けられる像が精細且つ鮮明であることが好ましく、像の色や濃淡の再現性に優れ、精細且つ鮮明な像を形成できることから、可逆光変色像はプロセス印刷を用いて形成されることが好ましい。
プロセス印刷は、シアン色(C)、マゼンタ色(M)、イエロー色(Y)、黒色(K)の4色の印刷用インキを用いて、絵柄や写真等の原画を4色写真分解にて製版した版により印刷する方法であり、色や濃淡を高度に再現することが可能な印刷方法である。可逆光変色像をプロセス印刷により形成する場合、光照射時にシアン色、マゼンタ色、イエロー色に発色する可逆光変色性材料をそれぞれビヒクル中に分散させた、少なくとも3色の光変色性印刷用インキが用いられる。
黒色の印刷用インキとしては、上記の3色の光変色性印刷用インキを混合することによって得られる黒色の光変色性印刷用インキを用いることができる。
シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いたプロセス印刷により作製される光変色性印刷物は、光を照射する前は像が視認されないが、光を照射して可逆光変色像を変色させると、精細且つ鮮明な像が印刷物に視認されるようになるため、実物のカメラを使用しているような実感をより高めたカメラ玩具セットとすることができる。
光照射時にシアン色に発色するフォトクロミック化合物としては、スピロオキサジン系化合物が好ましく、下記一般式(1)で示されるベンゾインドリノスピロオキサジン系化合物がより好ましい。
Figure 2022116809000002
(式中、R、Rはそれぞれ炭素数1~3のアルキル基を示し、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、フェニルアルキル基、及びモノ-、ジ-、トリ-置換フェニル基、アルコキシ基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、フェニルアルキル基、モノ-、ジ-、トリ-置換フェニル基、アルコキシ基、モルホリノ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基を示し、Aは=CH-又は=N-を示す)
一般式(1)で示される化合物としては、例えば、
1,3,3-トリメチル-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
1,3,3-トリメチル-8′-シアノ-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
1,3,3-トリメチル-8′-メトキシカルボニル-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
3,3-ジメチル-1-エチル-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
1,3,3-トリメチル-9′-メトキシ-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
1,3,3-トリメチル-8′-ブロモ-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
3,3-ジメチル-1-エチル-8′-シアノ-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]、
1,3,3-トリメチル-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]キノリノ[6,5-b][1,4]オキサジン]
等を例示できる。
光照射時にマゼンタ色に発色するフォトクロミック化合物としては、ナフトピラン系化合物が好ましく、下記一般式(2)~(4)で示されるナフトピラン系化合物がより好ましい。
Figure 2022116809000003
〔式中、R乃至Rは、下記一般式(5)を示し、R11乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基を示し、R15は、炭素数3以上のアルキル基を示し、*は、ピラン骨格との結合部位を示す〕
Figure 2022116809000004
一般式(2)~(4)で示される化合物としては、例えば、
2,2,8,8-テトラ(4′-n-プロポキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
2,2,8,8-テトラ(3′-クロロ-4′-n-ブトキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
2,2,8,8-テトラ(4′-sec-ブトキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
2,2,8,8-テトラ(4′-tert-ブトキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
2,2,8,8-テトラ(3′-シアノ-4′-n-ヘキシルオキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
2,2,8,8-テトラ(4′-n-オクチルオキシフェニル)-2H,8H-ナフト[1,2-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(2′-メチル-4′-n-プロポキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(2′-メトキシ-4′-n-ブトキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(4′-イソブトキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(4′-sec-ブトキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(2′-ヒドロキシ-4′-tert-ブトキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(4′-n-ヘキシルオキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,8,8-テトラ(3′-ブロモ-4′-n-オクチルオキシフェニル)-3H,8H-ナフト[2,1-b:5,6-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(4′-n-プロポキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(4′-イソプロポキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(2′-シアノ-4′-n-ブトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(2′-ヒドロキシ-4′-イソブトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(4′-sec-ブトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(4′-tert-ブトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(2′-エトキシ-4′-n-ヘキシルオキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン、
3,3,9,9-テトラ(4′-n-オクチルオキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン
等を例示できる。
光照射時にイエロー色に発色するフォトクロミック化合物としては、ナフトピラン系化合物が好ましく、下記一般式(6)又は(7)で示されるナフトピラン系化合物がより好ましい。
Figure 2022116809000005
〔式中、R乃至R12は、下記一般式(8)を示し、R21乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基を示し、R25は、水素原子、メトキシ基、エトキシ基を示し、*は、ピラン骨格との結合部位を示す〕
Figure 2022116809000006
一般式(6)又は(7)で示される化合物としては、例えば、
3,3,10,10-テトラフェニル-3H,10H-ナフト[2,1-b:7,8-b′]-ジピラン、
3,3,10,10-テトラ(4′-メトキシフェニル)-3H,10H-ナフト[2,1-b:7,8-b′]-ジピラン、
3,3,10,10-テトラ(2′-シアノ-4′-エトキシフェニル)-3H,10H-ナフト[2,1-b:7,8-b′]-ジピラン
3,3,6,6-テトラフェニル-3H,6H-ナフト[2,1-b:3,4-b′]-ジピラン、
3,3,6,6-テトラ(2′-クロロフェニル)-3H,6H-ナフト[2,1-b:3,4-b′]-ジピラン等を例示できる。
上記したフォトクロミック化合物は、発色状態での濃度が高く、消色状態での残色が少なく、光照射時にシアン色、マゼンタ色、イエロー色に発色するフォトクロミック化合物として上記の化合物を用いて、プロセス印刷により作製される光変色性印刷物は、光照射前は像が視認され難く、光照射後は支持体上に、精細且つ鮮明で高濃度な像が視認され、印刷物に現出する像の再現性によりいっそう優れるため、カメラ玩具セットの商品価値をさらに高めることができる。
光変色性印刷物は、支持体の一方の面に可逆光変色像を設けたものである(図3参照)。また、支持体の、可逆光変色像が設けられる面と反対の面に、さらに可逆光変色像や非変色像を設けることもできる。
例えば、図4に示されるように、支持体21の一方の面に可逆光変色像(第一の可逆光変色像)22を形成し、支持体の他方の面(支持体の、可逆光変色像が設けられる反対の面)に、第一の可逆光変色像とは異なる像である可逆光変色像(第二の可逆光変色像)23を設けた光変色性印刷物は、一枚の印刷物で二つの異なる像を現出させることができる。よって、印刷物の枚数が少なくても現出させることができる像のバリエーションに富み、遊戯性に優れるカメラ玩具セットとすることができる。
また、図5に示されるように、支持体21の一方の面に可逆光変色像22を形成し、支持体の他方の面(支持体の、可逆光変色像が設けられる反対の面)に、可逆光変色像と同一の像である非変色像24を設けた光変色性印刷物は、支持体の一方の面に設けた可逆光変色像が視認されない場合でも、支持体の他方の面に設けた非変色像を確認することにより可逆光変色像の種類を予め判別することができるため、特定の像が形成された印刷物を選択することが容易であり、所望の光変色性印刷物を使用してカメラ玩具セットで遊ぶことができる。
カメラ玩具はカメラの外観を模した玩具であって、カメラボディに光変色性印刷物を出し入れするための開口部が設けられる(図6参照)。
カメラボディの外観としては特に限定されるものではなく、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフカメラ、二眼レフカメラ、レンジファインダーカメラ、スプリングカメラ、トイカメラ、レンズ付きフィルム、インスタントカメラ、ウェアラブルカメラ等が挙げられる。これらの中でも、フィルムを挿入或いは収容し、撮影直後に写真を見ることができるインスタントカメラの外観を模したカメラボディが好適である。
なお、本発明に用いられるカメラ玩具において、レンズがある方向が前面である。
開口部は、カメラボディ内部に光変色性印刷物を自在に出し入れするために、カメラボディに設けられる。開口部を設ける位置は特に限定されるものではないが、例えば、カメラボディ前面の下部、側面、或いは底面に設けることができる。
開口部は、光変色性印刷物を一枚ずつ出し入れできるような高さとして設けてもよいが、複数の印刷物を積層した状態でカメラボディ内部に自在に出し入れできるような高さとすることが好ましく、カメラ玩具セットで遊ぶ際に、像が現出した印刷物を連続的に得ることができる。
図7に示されるように、カメラボディ内部には、光変色性印刷物の可逆光変色像を変色させるための光源32が設けられ、カメラボディ内部に挿入或いは収容される印刷物に、光源により光を照射すると可逆光変色像が変色して、印刷物に写真や絵柄等の像が現出する。
光源は、カメラボディ内部に挿入或いは収容された光変色性印刷物の可逆光変色像に光が照射されるように配置され、光変色性印刷物の可逆光変色像側の垂直方向の位置に光源を配置する構成が好適である。
光源は、可逆光変色像中のフォトクロミック化合物を変色させることができるものであれば特に限定されるものではないが、ピーク発光波長が400~495nmの範囲にあって、主に青色光を照射するものは、従来のフォトクロミック化合物を良好に発色させる光源である350~390nm付近にピーク発光波長を有する紫外光を照射する光源とは異なり、紫色乃至青色光であるため人体への影響が少なく、安全性が高いため、好適である。
光源としては、上記のピーク発光波長を有する光源であれば全て用いることができるが、好ましくは青色発光ダイオードが用いられる。
発光ダイオードとして具体的には、日亜化学工業(株)製、青色LED、製品名:NSPB336CS(ピーク波長:465nm)、京セミ(株)製、青色LED、製品名:KED471M53A(ピーク波長:465nm)、星和電機(株)製、青色LED、製品名:SDDB16001A1(ピーク波長:460nm)、京セミ(株)製、紫色LED、製品名:KED405UH3(ピーク波長:405nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、製品名:OSSV5111A(ピーク波長:430nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、製品名:OSSV9131A(ピーク波長:430nm)等を例示できる。
カメラボディ又はカメラボディ内部には、さらに電源を設けることが好ましく、光源と電源は電気コード等の有線により接続される。
電源としては家庭用電源を用いてもよいが、カメラ玩具セットを自由に持ち運ぶことができ、遊ぶ場所の制約が生じ難いことから、太陽電池、乾電池、或いは蓄電池が好ましい。
電源として太陽電池を用いる場合、太陽光により光照射が可能となるため、カメラ玩具セットを屋外で使用することができる。
太陽電池は、太陽電池に太陽光が照射されるようにカメラボディに設けられる。また、太陽電池と共に蓄電池を併用することにより、太陽光により発電した電気を蓄電池に充電して光を照射することが可能となるため、カメラ玩具セットを屋外及び屋内で使用することができる。
電源として乾電池又は蓄電池を用いる場合、気候によらずカメラ玩具セットを屋外及び屋内で使用することができ、図7に示されるように、電源33はカメラボディ内部に設けることが好ましい。乾電池は、一次電池或いは二次電池のいずれであっても用いることができる。
図7に示されるように、電源33を設けたカメラ玩具には、さらに、カメラボディ30に光源からの光の照射をオンオフするスイッチ34を設けることが好ましく、光源32と電源33とスイッチ34は電気コード等の有線により接続される。
スイッチを設けることにより、カメラ玩具の不使用時には光源の光照射を止めることができるため、カメラ玩具による電力消費を抑制することができる。
スイッチの種類や、カメラボディに設けられるスイッチの位置は特に限定されるものではないが、押圧により通電するスイッチを、実物のカメラにおいて一般的にシャッターボタンが設けられる位置に設けることが好適である。上記構成のカメラ玩具は、実物のカメラでシャッターボタンを押して写真を撮影する操作と同様の操作感を有するものであり、スイッチを押すと、光変色性印刷物に光源から光が照射されて可逆光変色像が変色し、印刷物に写真や絵柄等の像が現出するため、実物のカメラを使用しているかのような実感をより高めたカメラ玩具セットとすることができる。スイッチは、シャッターボタンを模した形状とすることがより好ましい。
押圧により通電するスイッチとしては、押圧している間はオン状態で光を照射し、押圧を解除するとオフ状態となり光の照射が停止するスイッチや、押圧するとオン状態となり一定時間光を照射し、一定時間経過するとオフ状態となり自動的に光の照射が停止するスイッチが挙げられ、実物のカメラに近い操作感で遊ぶことができることから、押圧するとオン状態となり一定時間光を照射し、一定時間経過するとオフ状態となり自動的に光の照射が停止するスイッチが好ましい。
図7に示されるように、カメラボディ内部にはさらに、開口部31に接続するように載置部材(ステージ)350を設けてもよく、開口部から挿入した光変色性印刷物を載置部材上に載置させて、カメラボディ内部に安定して保持させることができる。載置部材にはさらに、枠部や留め具を設けることが好ましく、カメラ玩具への振動等によりカメラボディ内部で印刷物が移動することを抑制したり、挿入或いは収容した印刷物が意図せずカメラボディ内部から排出されたりすることを抑制して、印刷物をカメラボディ内部に安定して保持させ、可逆光変色像に安定的に光を照射することができる。
また、印刷物を載置可能な板状部材を設けて、板状部材に光変色性印刷物を載せて開口部に出し入れできる構成としてもよい。さらに、開口部に挿入した板状部材を開口部から排出する排出機構を設けてもよい。
排出機構としては、例えば、カメラボディ内部にバネ等の弾性部材と、弾性部材に抗して挿入した板状部材を保持するための係止部を設け、カメラボディに係止部による係止を解除する解除部を設け、解除部により係止部による係止を解除した際の弾性部材の弾性力によって、板状部材が開口部から排出される構成の排出機構等を例示できる。
また、カメラボディを上下に分割可能な構造とし、カメラボディの下部に光変色性印刷物を収容する収容部と、カメラボディ内部の印刷物を開口部から排出する排出機構を設ける構成としてもよい。上記構成のカメラ玩具を用いたカメラ玩具セットにおいて、カメラボディの下部の収容部に光照射前の印刷物を収容し、カメラボディの上部と下部を嵌め、光源により印刷物に光を照射した後、排出機構により開口部から印刷物が排出されると、印刷物に像が現出しており、実際のインスタントカメラを使用しているような実感を味わうことのできるカメラ玩具セットとすることができる。
排出機構としては、例えば、ローラーを用いた排出機構や、収容部にバネ等の弾性部材と、弾性部材に抗して印刷物を収容するための係止部を設け、カメラボディに係止部による係止を解除する解除部を設け、解除部により係止部を解除した際の弾性部材の弾性力によって、印刷物が開口部から排出される構成の排出機構等を例示できる。
上記のカメラ玩具において、収容部は、印刷物を複数積層した状態で収容可能であることが好ましく、この場合、印刷物は開口部から一枚ずつ排出されるように排出機構を設けることが好適である。
押圧により通電するスイッチが設けられるカメラ玩具には窓部を設けてもよく、カメラボディ内部に設けられる光源の光が、窓部を介してカメラ玩具の外部から視認されるように窓部を設けることにより、スイッチを押圧した際に、窓部を介して光源の光が外部から視認されるため、フラッシュ撮影をするような実感を味わうことのできるカメラ玩具とすることができる。
窓部は、透明性を有する部材により形成され、透明性を有する部材としては従来公知の透明性樹脂を用いることができる。
さらに、図8に示されるように、可逆光変色像を変色させる上記の光源32とは別に、窓部36の後方にストロボ光源37を設けてもよく、スイッチ34の押圧動作と連動してストロボ光源を発光させることにより、フラッシュ撮影をするような実感をよりいっそう高めたカメラ玩具とすることができる。上記構成のカメラ玩具は、可逆光変色像を変色させる光源の光が窓部を介して視認されないようにすることが好ましい。また、ストロボ光源を発光させるために電源を設けることが好ましく、光源32に接続される電源33を用いてもよいが、図9に示されるように、電源33とは別の電源33′を設けてもよい。なお、ストロボ光源37と電源33′(33)とスイッチ34は電気ケーブル等の有線により接続される。
図6に示されるように、カメラ玩具にはファインダー38を設けることが好ましく、カメラボディの後面側からファインダーを介してカメラボディの前面側を視認できれば、ファインダーを設ける位置は特に限定されるものではない。上記構成のカメラ玩具は、ファインダーを覗きながら撮影をする実感を味わうことができるため、実物のカメラを使用するような実感をより高めることができる。
ファインダーは、全部又は一部が透明性を有する部材により形成され、透明性を有する部材としては従来公知の透明性樹脂を用いることができる。
また、カメラ玩具にファインダーを設ける場合、ファインダーから視認される像と、印刷物に現出する像が同一であることが好ましく、実物のインスタントカメラを使用するような実感をよりいっそう高めることができる。このようなカメラ玩具を用いたカメラ玩具セットに関して、図10乃至図12により説明する。
図10に示されるカメラ玩具セット1は、光変色性印刷物2と、非変色性印刷物4と、非変色性印刷物を出し入れするための開口部31′と非変色性印刷物を所定位置で保持するための保持部39をさらに設けたカメラ玩具3とからなる。図12に示されるように、非変色性印刷物4は、支持体41上に非変色像42を設けてなり、非変色像と可逆光変色像は同一の像である。
上記のカメラ玩具セットは、図11に示されるように、非変色性印刷物の非変色像側をファインダーに向けて開口部31′に挿入すると共に、光変色性印刷物の可逆光変色像を上にして開口部31に挿入することで遊ぶことができ、ファインダーからは非変色性印刷物による像が視認され、スイッチを押すと、光変色性印刷物に光源により光が照射されて可逆光変色像が変色し、光変色性印刷物を開口部31から取り出すと、光変色性印刷物にはファインダーから視認される像と同一の像が現出するため、実物のインスタントカメラを使用するような実感をよりいっそう高めた商品価値の高いものである。
カメラ玩具にはさらに、スピーカー等の音発生装置と、音発生装置からシャッター音等の音を発生させるための電子音を制御する回路基板を設けてもよい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の調製
3,3-ジメチル-1-エチル-8′-シアノ-スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′[3H]ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]1部を、スチレン-α-メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA-5)50部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を、ウレタン樹脂からなるマイクロカプセル顔料に内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:5μm)を調製した。上記のマイクロカプセル顔料は、光を照射する前は無色であるが、光を照射するとシアン色に変化した。その後室内でしばらく放置したところ、無色に戻った。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の調製
3,3,9,9-テトラ(4′-sec-ブトキシフェニル)-3H,9H-ナフト[2,1-b:6,5-b′]-ジピラン1部を、スチレン-α-メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA-5)50部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物をウレタン樹脂からなるマイクロカプセル顔料に内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:5μm)を調製した。上記のマイクロカプセル顔料は、光を照射する前は無色であるが、光を照射するとマゼンタ色に変化した。その後室内でしばらく放置したところ、無色に戻った。
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の調製
3,3,10,10-テトラフェニル-3H,10H-ナフト[2,1-b:7,8-b′]-ジピラン1部を、スチレン-α-メチルスチレン共重合体(イーストマンケミカル社製、製品名:ピコラスチックA-5)50部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物をウレタン樹脂からなるマイクロカプセル顔料に内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:5μm)を調製した。上記のマイクロカプセル顔料は、光を照射する前は無色であるが、光を照射するとイエロー色に変化した。その後室内でしばらく放置したところ、無色に戻った。
光変色性印刷用インキの調製
上記の各マイクロカプセル顔料2部を、ポリエステル系メジウム〔(株)セイコーアドバンス製、製品名:PALマット8〕2.5部と、希釈溶剤〔(株)セイコーアドバンス製、製品名T-995〕1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、プロセス印刷に用いるシアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色の光変色性印刷用インキをそれぞれ調製した。
次いで、調製した3色の光変色性印刷用インキを混合して、光を照射すると黒色に変化する光変色性印刷用インキを調製した。
実施例1
光変色性印刷物の作製(図3参照)
支持体21として、白色ケント紙上に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、人物写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22を形成して、光変色性印刷物2を作製した。
光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、人物写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
カメラ玩具の作製(図13参照)
ファインダー38を有するインスタントカメラの外観を模したカメラボディ30の前面に開口部31を設け、カメラボディ内部に、光源32として青色LED(ピーク波長:430nm)と、電源33として乾電池を取り付け、開口部に接続するように、枠部351を取り付けた載置部材350を設け、さらにカメラボディにシャッターボタンを模したスイッチ34を設けてカメラ玩具3を作製した。上記のカメラ玩具において、光源は、光変色性印刷物に光が照射されるようにカメラボディ内部の上部に配置され、光源と電源とスイッチは有線で接続されており、スイッチを押すとオン状態となり光源から光が照射され、一定時間経過後にオフ状態となり自動的に光源による光の照射が止まるようになっている。
カメラ玩具セットの作製(図1参照)
上記の光変色性印刷物2とカメラ玩具3とを組み合わせて、カメラ玩具セット1を作製した。
図14に示されるように、カメラ玩具3の開口部31に、光照射前の光変色性印刷物2を可逆光変色像22が上になるようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、人物写真の像が現出した印刷物が得られた。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押すと印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わうことができると共に、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができるものであった。また、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例2
光変色性印刷物の作製(図3参照)
支持体21として、白色ケント紙上に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、風景写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22を形成して、光変色性印刷物2を作製した。
光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、風景写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
カメラ玩具の作製(図13参照)
ファインダー38を有するインスタントカメラの外観を模したカメラボディ30の前面に開口部31を設け、カメラボディ内部に、光源32として青色LED(ピーク波長:430nm)と、電源33として乾電池を取り付け、開口部に接続するように、枠部351を取り付けた載置部材350を設け、さらにカメラボディ外部にシャッターボタンを模したスイッチ34を設けてカメラ玩具3を作製した。上記のカメラ玩具において、光源は、光変色性印刷物に光が照射されるようにカメラボディ内部の上部に配置され、光源と電源とスイッチは有線で接続されており、スイッチを押している間はオン状態で光源から光が照射され、押圧を解除するとオフ状態となる光源による光の照射が止まるようになっている。
カメラ玩具セットの作製(図1参照)
上記の光変色性印刷物2とカメラ玩具3とを組み合わせて、カメラ玩具セット1を作製した。
図14示されるように、カメラ玩具3の開口部31に、光照射前の光変色性印刷物2を可逆光変色像21が上になるようにして挿入してスイッチを押し続けると、印刷物に光が照射されて可逆光変色像が変色し、一定時間押し続けた後にスイッチの押圧を解除して印刷物を開口部から取り出すと、風景写真の像が現出した印刷物が得られた。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押すと印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わって遊ぶことができると共に、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができるものであった。また、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例3
光変色性印刷物の作製(図4参照)
支持体21として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、カレーの絵柄をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像(第一の可逆光変色像)22を形成した。
次いで、上記の支持体の他方の面(支持体の、第一の可逆光変色像が設けられる反対の面)に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、オムライスの絵柄をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像(第二の可逆光変色像)23を形成して、光変色性印刷物2を作製した。
光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると第一又は第二の可逆光変色像が変色して、カレー又はオムライスの絵柄の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
カメラ玩具セットの作製(図1参照)
上記の光変色性印刷物2と、実施例1のカメラ玩具3とを組み合わせて、カメラ玩具セット1を作製した。
カメラ玩具の開口部に、光照射前の光変色性印刷物を第一の可逆光変色像が上になるようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて第一の可逆光変色像が変色して、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、カレーの絵柄の像が現出した印刷物が得られた。次いで、カメラ玩具セットの開口部に、光照射前の光変色性印刷物を第二の可逆光変色像が上になるようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて第二の可逆光変色像が変色し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、オムライスの絵柄の像が現出した印刷物が得られた。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押圧すると、印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わって遊ぶことのできると共に、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができるものであった。また、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。さらに、支持体の一方の面と他方の面にそれぞれ異なる可逆光変色像が設けられているため、一枚の光変色性印刷物で現出させることができる像のバリエーションに富み、遊戯性に優れるものであった。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例4
非変色性印刷用インキの調製
シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の一般顔料(非変色性着色剤)1部を、ポリエステル系メジウム〔(株)セイコーアドバンス製、製品名:PALマット8〕2.5部と、希釈溶剤〔(株)セイコーアドバンス製、製品名:T-995〕1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、プロセス印刷に用いられるシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキをそれぞれ調製した。
光変色性印刷物の作製(図5参照)
支持体21として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキを用いて、人物写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して非変色像24を形成した。
次いで、支持体の他方の面(支持体の、非変色像が設けられる反対の面)に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、上記の人物写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22を形成して、第一の光変色性印刷物2を作製した。
第一の光変色性印刷物の可逆光変色像が設けられる面は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、人物写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
また、支持体21′として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキを用いて、風景写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して非変色像24′を形成した。
次いで、支持体の他方の面(支持体の、非変色像が設けられる反対の面)に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、上記の風景写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22′を形成して、第二の光変色性印刷物2′を作製した。
第二の光変色性印刷物の可逆光変色像が設けられる面は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、風景写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
カメラ玩具セットの作製
上記の第一及び第二の光変色性印刷物と、実施例1のカメラ玩具とを組み合わせて、カメラ玩具セットを作製した。
カメラ玩具の開口部に光変色性印刷物を挿入する前に、第一及び第二の光変色性印刷物の非変色像を確認し、人物写真の像が描かれている第一の光変色性印刷物を選択し、開口部に、光照射前の第一の光変色性印刷物を可逆光変色像が上になるようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、人物写真の像が現出した印刷物が得られた。また、第一及び第二の光変色性印刷物の非変色像を確認し、風景写真の像が描かれている第二の光変色性印刷物を選択した場合も、同様の手順により風景写真の像が現出した印刷物を得ることができた。
よって、第一又は第二の光変色性印刷物は、支持体の一方の面に形成される非変色像と、支持体の他方の面に形成される可逆光変色像が同一であり、印刷物が光照射前であり可逆光変色像が視認されない場合であっても、非変色像を確認することにより光変色性印刷物に現出する像の種類を予め判別することができるため、所望の像が現出する印刷物を選択して遊ぶことができるものであった。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押すと、印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わうことができると共に、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができるものであった。また、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
また、光照射前の第一及び第二の光変色性印刷物を、それぞれ可逆光変色像を上にして、第一の光変色性印刷物上に第二の光変色性印刷物を積層させた状態で、カメラ玩具の開口部に挿入してスイッチを押すと、第二の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第二の光変色性印刷物を開口部から取り出すと、風景写真の像が現出した印刷物が得られた。次いで、再度スイッチを押すと、第一の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第一の光変色性印刷物を開口部から取り出すと、人物写真の像が現出した印刷物が得られた。
よって、上記のカメラ玩具セットは、複数の光変色性印刷物を積層させた状態で開口部に挿入することにより、連続で撮影して複数の写真が得られるように遊ぶことができ、実物のカメラを使用しているような実感をさらに高めるものであった。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例5
光変色性印刷物の作製(図3参照)
支持体21として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、建物写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、可逆光変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「1」の文字を形成して、第一の光変色性印刷物2を作製した。
また、支持体21′として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、風景写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22′を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、可逆光変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「2」の文字を形成して、第二の光変色性印刷物2′を作製した。
また、支持体21″として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、料理写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22″を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、可逆光変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「3」の文字を形成して、第三の光変色性印刷物2″を作製した。
上記の各光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、建物写真、風景写真、或いは料理写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
非変色性印刷物の作製(図12参照)
支持体41として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキを用いて、第一の光変色性印刷物を作製する際に用いた建物写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して非変色像42を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、非変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「1」の文字を形成して、第一の非変色性印刷物4を作製した。
また、支持体41′として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキを用いて、第二の光変色性印刷物を作製する際に用いた風景写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して非変色像42′を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、非変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「2」の文字を形成して、第二の非変色性印刷物4′を作製した。
また、支持体41″として、白色ケント紙の一方の面に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の非変色性印刷用インキを用いて、第三の光変色性印刷物を作製する際に用いた料理写真をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して非変色像42″を形成した。次いで、支持体の他方の面(支持体の、非変色像が設けられる反対の面)の下部中央に、黒色の非変色性オフセット印刷用インキを用いてオフセット印刷を施し、乾燥して硬化させて、「3」の文字を形成して、第三の非変色性印刷物4″を作製した。
カメラ玩具の作製(図15参照)
ファインダー38を有するインスタントカメラの外観を模したカメラボディ30の上部に、非変色性印刷物を出し入れするための開口部31′を設け、カメラボディの前面に、光変色性印刷物を出し入れするための開口部31を設け、カメラボディ内部に、光源32として青色LED(ピーク波長430nm)と、電源33として乾電池を取り付け、開口部31′に接続し、非変色性印刷物を所定位置で保持するための保持部39を設け、開口部31に接続するように、枠部351を取り付けた載置部材350を設け、さらにカメラボディにシャッターボタンを模したスイッチ34を設けてカメラ玩具3を作製した。上記のカメラ玩具において、光源は、光変色性印刷物に光が照射されるようにカメラボディ内部の上部に配置され、光源と電源とスイッチは有線で接続されており、スイッチを押すとオン状態となり光源から光が照射され、一定時間経過後にオフ状態となる自動的に光源からの光の照射が止まるようになっている。
カメラ玩具セットの作製
上記の各光変色性印刷物と、各非変色性印刷物と、カメラ玩具とを組み合わせて、カメラ玩具セットを作製した。
カメラ玩具の開口部に光変色性印刷物及び非変色性印刷物を挿入する前に、複数の光変色性印刷物と非変色性印刷物の中から、「1」の文字が印刷されている第一の光変色性印刷物と第一の非変色性印刷物をそれぞれ選択し、非変色性印刷物を出し入れするための開口部に、第一の非変色性印刷物を、第一の非変色性印刷物の非変色像をファインダー側に向けて挿入し、光変色性印刷物を出し入れするための開口部に、光照射前の第一の光変色性印刷物を可逆光変色像が上になるようにして挿入すると、カメラ玩具のファインダーから、第一の非変色性印刷物による建物写真の像が視認され、スイッチを押すと、第一の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第一の光変色性印刷物を開口部から取り出すと、建物写真の像が現出した印刷物が得られた。
よって、光変色性印刷物が光照射前であり可逆光変色像による像が視認されない場合であっても、印刷物に印刷される文字が同じである光変色性印刷物と非変色性印刷物を選択することにより、光変色性印刷物に現出する像の種類を、非変色性印刷物により予め判別することができ、所望の像が現出する印刷物を選択して遊ぶことができた。さらに、ファインダーから視認される非変色像と、光変色性印刷物に現出する像を同じとすることが容易であった。
また、複数の光変色性印刷物と非変色性印刷物の中から、「2」の文字が印刷されている第二の光変色性印刷物及び第二の非変色性印刷物、又は、「3」の文字が印刷されている第三の光変色性印刷物及び第三の非変色性印刷物をそれぞれ選択する場合も、同様の手順により、風景写真又は料理写真の像が現出した印刷物を得ることができた。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押圧すると、印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わって遊ぶことができると共に、ファインダーから視認される像と同一の像が印刷物に視認されるため、インスタントカメラを実際に使用する実感をよりいっそう高めるものであった。また、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができ、さらに、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
また、図16に示されるように、第一の非変色性印刷物4、第二の非変色性印刷物4′、及び第三の非変色性印刷物4″を、それぞれ非変色像(42、42′、42″)を上にして、第三の非変色性印刷物上に第二の非変色性印刷物、第一の非変色性印刷物を順に積層させ、第一の非変色性印刷物の非変色像をファインダー側に向けて開口部31′に挿入し、さらに、光照射前の第一の光変色性印刷物2、第二の光変色性印刷物2′、及び第三の光変色性印刷物2″を、それぞれ可逆光変色像(22、22′、22″)を上にして、第三の光変色性印刷物上に第二の光変色性印刷物、第一の光変色性印刷物を順に積層させ、この状態で開口部31に挿入すると、ファインダーからは第一の非変色性印刷物による建物写真の像が視認され、スイッチを押すと、第一の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第一の光変色性印刷物を開口部31から取り出すと、建物写真の像が現出した印刷物が得られた。
次いで、第一の非変色性印刷物を開口部31′から取り出すと、ファインダーからは第二の非変色性印刷物による風景写真の像が視認され、スイッチを押すと、第二の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第二の光変色性印刷物を開口部から取り出すと、風景写真の像が現出した印刷物が得られた。
次いで、第二の非変色性印刷物を開口部31′から取り出すと、ファインダーからは第三の非変色性印刷物による料理写真の像が視認され、スイッチを押すと、第三の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第三の光変色性印刷物を開口部31から取り出すと、料理写真の像が現出した印刷物が得られた。
よって、上記のカメラ玩具セットは、複数の非変色性印刷物及び光変色性印刷物を積層させた状態で開口部に挿入することにより、連続で撮影して複数の写真が得られるように遊ぶことができ、実物のカメラを使用しているような実感をさらに高めるものであった。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例6
光変色性印刷物の作製(図3参照)
支持体21として、白色ケント紙上に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、山の風景写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22を形成して、第一の光変色性印刷物2を作製した。
第一の光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、山の風景写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
また、支持体21′として、透明PETフィルム上に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、人物写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22′を形成して、第二の光変色性印刷物2′を作製した。
また、支持体21″として、透明PETフィルム上に、上記のシアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4色の光変色性印刷用インキを用いて、動物写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可逆光変色像22″を形成して、第三の光変色性印刷物2″を作製した。
第二又は第三の光変色性印刷物は、光源により光を照射する前は透明であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、人物写真又は動物写真の像が現出した。その後、室内でしばらく放置したところ、元の白色に戻った。
カメラ玩具の作製
上記の各光変色性印刷物と、実施例1のカメラ玩具とを組み合わせて、カメラ玩具セットを作製した。
カメラ玩具の開口部に、光照射前の光変色性印刷物を可逆光変色像が上になるようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、山の風景写真の像が現出した印刷物が得られた。
また、光照射前の第一及び第二の光変色性印刷物を、それぞれ可逆光変色像を上にして、第一の光変色性印刷物上に第二の光変色性印刷物を積層させ、この状態でカメラ玩具の開口部に挿入してスイッチを押すと、第一及び第二の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて各可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第一及び第二の光変色性印刷物を積層させた状態で開口部から取り出すと、第一の光変色性印刷物による山の風景写真の像(可逆光変色像22)と、第二の光変色性印刷物による人物写真の像(可逆光変色像22″)が重なり、山の風景を背景とした人物写真の像が現出した印刷物が得られた。
また、光照射前の第一及び第三の光変色性印刷物を、それぞれ可逆光変色像を上にして、第一の光変色性印刷物上に第三の光変色性印刷物を積層させ、この状態でカメラ玩具の開口部に挿入してスイッチを押すと、第一及び第三の光変色性印刷物に光が一定時間照射されて各可逆光変色像が変色し、光照射停止後に第一及び第三の光変色性印刷物を積層させた状態で開口部から取り出すと、第一の光変色性印刷物によるの山の風景写真の像(可逆光変色像22)と、第三の光変色性印刷物による動物写真の像(可逆光変色像22″)が重なり、山の風景を背景とした動物写真の像が現出した印刷物が得られた。
よって、上記のカメラ玩具セットは、光透過性を有しない支持体(白色ケント紙)を用いた光変色性印刷物(光変色性印刷物2)に設けられた可逆光変色像に、光源による光を照射することにより変色させて印刷物に像を現出させて、実物のカメラを使用しているような実感を味わうことできることに加えて、可逆光変色像を上にした状態で、光透過性を有しない支持体(白色ケント紙)を用いた光変色性印刷物上に、光透過性を有する支持体(透明PETフィルム)を用いた光変色性印刷物(光変色性印刷物2′又は2″)を積層させて、光源による光を照射することにより変色させると、各可逆光変色像が重なり合うため、印刷物に可逆光変色像22とは異なる新たな像を現出させることができるものであった。また、積層させる光透過性を有する支持体(透明PETフィルム)を用いた光変色性印刷物の種類を変えることによって印刷物に現出する像の種類を変えることができ、現出させることのできる像のバリエーションに富み、遊戯性に優れるカメラ玩具セットであった。
また、上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押すと、印刷物に像が視認されるようになるため、シャッターボタンを押すとその場で写真が得られるインスタントカメラを実際に使用しているような実感を味わうことができると共に、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができるものであった。また、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
光照射後の印刷物は、しばらく室内で放置すると像が消失して元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
実施例7
可逆光変色性マイクロカプセル顔料の調製
1,2-ビス(2,4-ジメチル-5-フェニル-3-チエニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン1部を、ステアリン酸ブチル50部中に均一に加温溶解した可逆光変色性組成物を、ウレタン樹脂からなるマイクロカプセル顔料に内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料(平均粒子径:5μm)を調製した。上記のマイクロカプセル顔料は、光を照射する前は無色であるが、光を照射すると青色に変化した。その後室内、暗所いずれの場所でしばらく放置しても、青色に変化した状態を維持していた。
光変色性印刷用インキの調製
上記のマイクロカプセル顔料40部を、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン58部と、消泡剤3部と、増粘剤1部と、レベリング剤3部と、防腐剤1部とからなるビヒクル中に均一に混合して、青色の光変色性スクリーン印刷用インキを調製した。
光変色性印刷物の作製(図3参照)
支持体21として、白色ケント紙上に、上記の青色の光変色性スクリーン印刷用インキを用いて、スクリーン印刷により電車の絵柄の可逆光変色像22を形成して、光変色性印刷物2を作製した。
光変色性印刷物は、光源からの光を照射する前は白色であったが、光を照射すると可逆光変色像が変色して、電車の絵柄の像が現出した。その後室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、像が現出した状態を維持していた。可逆光変色像は、後述する消色具を用いることによって、元の白色に戻った。
カメラ玩具の作製
ファインダーを有するレンジファインダーカメラの外観を模したカメラボディの側面に開口部を設け、カメラボディ内部に、光源として青色LED(ピーク波長:430nm)と、電源として乾電池を取り付け、開口部に接続するように、留め具を取り付けた載置部材を設け、さらにカメラボディにシャッターボタンを模したスイッチを設けてカメラ玩具を作製した。上記のカメラ玩具において、光源は、光変色性印刷物に光が照射されるようにカメラボディ内部の前部に配置され、光源と電源とスイッチは有線で接続されており、スイッチを押すとオン状態となり光源から光が照射され、一定時間経過後にオフ状態となり自動的に光源からの光の照射が止まるようになっている。
カメラ玩具セットの作製
上記の光変色性印刷物とカメラ玩具とを組み合わせて、カメラ玩具セットを作製した。
カメラ玩具の開口部に、光照射前の光変色性印刷物を可逆光変色像がカメラボディ前面側に向くようにして挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が変色し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、青色の電車の絵柄の像が現出した印刷物が得られた。
上記のカメラ玩具セットは、シャッターボタンを模したスイッチを押すと印刷物に像が視認されるようになるため、カメラを実際に使用しているような実感を味わって遊ぶことのできるものであると共に、印刷物に現出する像が青色であり、印刷物が日光写真を模したものであった。また、スイッチの押圧だけで印刷物に像を現出させることができることから、簡便に遊ぶことができ、さらに、電源として乾電池がカメラボディ内部に設けられているため、気候によらず屋外及び屋内でカメラ玩具セットを使用することができた。
光照射後の印刷物は、室内、暗所のいずれの場所で放置しても元の白色の印刷物に戻ることがなく、暗所で保存すれば電車の絵柄の像を半永久的に保存することができた。
なお、上記のカメラ玩具に用いられる光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、カメラ玩具セットは人体への影響が少なく、安全性が高いものであった。
消色具の作製(図17参照)
直方体形状のケース50〔幅(W)80mm×奥行き(D)50mm×高さ(H)50mm)の側面に開口部51を設け、ケース内部に、光源52としてLED(ピーク波長:630nm)と、電源53として乾電池を取り付け、開口部に接続するように、枠部551を取り付けた載置部材550を設け、さらにケースにスイッチ54を設けて消色具5を作製した。上記の消色具において、光源は、光変色性印刷物に光が照射されるようにケース内部の上部に配置され、光源と電源とスイッチは有線で接続されており、スイッチを押すとオン状態となり光源から光が照射され、一定時間経過後にオフ状態となり自動的に光源からの光の照射が止まるようになっている。
消色具の開口部に、可逆光変色像が上になるようにして、電車の絵柄の像が現出した光変色性印刷物を挿入してスイッチを押すと、印刷物に光が一定時間照射されて可逆光変色像が消失し、光照射停止後に印刷物を開口部から取り出すと、元の白色の印刷物が得られた。
消色具を用いることにより、印刷物は電車の絵柄の像が現出した状態から元の白色の印刷物に戻るため、同じ印刷物で繰り返し遊ぶことができた。
1 カメラ玩具セット
2、2′、2″ 光変色性印刷物
21、21′、21″ 支持体
22、22′、22″ 可逆光変色像(第一の可逆光変色像)
23 第二の可逆光変色像
24、24′ 非変色像
3 カメラ玩具
30 カメラボディ
31、31′ 開口部
32 光源
33、33′ 電源
34 スイッチ
350 載置部材(ステージ)
351 枠部
36 窓部
37 ストロボ光源
38 ファインダー
39 保持部
4、4′、4″ 非変色性印刷物
41、41′、41″ 支持体
42、42′、42″ 非変色像
5 消色具
50 ケース
51 開口部
52 光源
53 電源
54 スイッチ
550 載置部材(ステージ)
551 枠部

Claims (7)

  1. 支持体上に、フォトクロミック化合物から少なくともなる可逆光変色性材料を含んでなる可逆光変色像を設けてなる光変色性印刷物と、カメラの外観を模したカメラ玩具とからなり、前記カメラ玩具は、カメラボディに前記光変色性印刷物を出し入れする開口部を設けてなり、カメラボディ内部に光源を設けてなるカメラ玩具セット。
  2. 前記光源は、ピーク波長が400~495nmの範囲にある光源である請求項1記載のカメラ玩具セット。
  3. 前記カメラボディ又はカメラボディ内部に、さらに電源を設けてなり、前記電源と前記光源が有線により接続されてなる請求項1又は2記載のカメラ玩具セット。
  4. 前記カメラボディに、さらに押圧により通電するスイッチを設けてなり、前記スイッチと前記電源と前記光源が有線により接続されてなる請求項3記載のカメラ玩具セット。
  5. 前記可逆光変色性材料が、さらにオリゴマーを含んでなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカメラ玩具セット。
  6. 前記可逆光変色像は、光照射時にシアン色、マゼンタ色、イエロー色に発色する前記可逆光変色性材料を、それぞれビヒクル中に分散させた3色の光変色性印刷用インキを少なくとも用いるプロセス印刷により形成されてなる像である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカメラ玩具セット。
  7. 前記可逆光変色性材料中のフォトクロミック化合物が、シアン色ではスピロオキサジン系化合物であり、マゼンタ色ではナフトピラン系化合物であり、イエロー色ではナフトピラン系化合物である請求項6記載のカメラ玩具セット。
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