JP5992051B2 - アンモ酸化反応の停止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモ酸化反応の停止方法に関する。
従来、プロピレン等のオレフィンを原料として、気相接触酸化反応の一種であるアンモ酸化反応により不飽和ニトリルを製造する方法が知られている。近年、プロピレンに代わってプロパンをアンモ酸化反応に供することにより、アクリロニトリルを製造する方法が着目されている。アクリロニトリルの工業的な製造は、大型の反応器において300℃を超える高温で行われている。従って、定期的な点検時や緊急時等には、速やか且つ安全に反応停止することが望まれるが、反応停止時には触媒が劣化しないよう注意することも必要である。触媒の劣化を防ぎつつ、高温且つ大型の反応器を速やか且つ安全に停止することを目的として、アンモ酸化反応の停止方法が検討されている。
特許文献1には流動床反応器において380〜500℃の温度でプロパン又はイソブタンのアンモ酸化反応により対応する不飽和ニトリルを製造するに際して、アンモ酸化反応の原料ガスの供給を停止した後も、300℃まで降温させる間は、燃焼性ガスと分子状酸素含有ガスの供給を継続することが記載されている。反応器に供給する分子状酸素含有ガス中に含まれる燃焼性ガスとしては0.1〜30容量%の範囲が好ましいとされている。
特許文献2には流動床反応器を用いたプロピレン又はイソブチレンのアンモ酸化反応を停止するに際して、反応器に供給している含酸素ガス、アンモニア及びプロピレン又はイソブチレンの供給を停止した後、反応器に不活性ガスを触媒層容積の1〜1000倍量供給することが記載されている。あるいは、反応器に供給しているプロピレン又はイソブチレンを停止した後、反応器に含酸素ガスを触媒層容積の0.5〜5倍量供給すること、又は反応器に含酸素ガス及びアンモニアを触媒層容積の3〜1000倍量供給することにより、アンモ酸化反応を停止することが記載されている。
特開平11−209331号公報 特開2002−265431号公報
しかしながら、プロパンのアンモ酸化反応停止方法について本発明者らが検討したところによると、反応器の内径が数mを超えるスケールの場合には、特許文献1に記載の停止方法ではプロパン及びアンモニアの供給を停止するまでに膨大な時間が掛かるため、触媒の劣化を防ぎつつ、速やかに反応停止できない。また、特許文献2には、プロピレンの供給を停止した後に反応器に供給する不活性ガスの総量は記載してあるものの、この方法では触媒劣化による活性低下が起こり、アクリロニトリルの収率が低下する。
プロパンのアンモ酸化反応は発散系の発熱反応であるため、プロピレンのアンモ酸化反応よりも温度制御が難しく、反応器の除熱が極めて重要である。このため、温度制御が比較的容易で、かつ良好な流動床反応器が選択される。また、流動床反応では用いる触媒の粒子が非常に小さく、激しく混合する流動状態にあるため、高濃度の可燃性ガス存在下でも爆発せず、反応を比較的安全に行えるという利点もある。しかし、反応器の上部空間、及び出口等、ガス中の触媒粒子量が希薄になる場所においては、ガス組成が燃焼範囲に入ると制御困難な燃焼反応が起きる恐れがある。通常の運転状態では反応器内の燃焼反応の抑制も考慮され、反応条件が制御されているため、制御困難な燃焼反応はまず起こらない。しかしながら、反応停止操作においては、短時間であるが反応器の上部空間又は反応器出口において、ガス組成が燃焼範囲となる場合があるため、非常に危険を伴う。安全を重視する観点では、最初に酸素含有ガスの供給を停止した後にプロパン、アンモニアの供給を順次停止していく方法が好ましい。しかしながら、触媒が高温下でプロパンやアンモニアに曝されると、還元的作用によって触媒劣化が起こり、触媒性能が不可逆的に低下する。
従って、公知の方法では、プロパンのアンモ酸化反応において、触媒劣化抑制及び安全で速やかな反応停止を両立することは困難である。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、プロパンのアンモ酸化反応を停止する場合において、触媒の活性、アクリロニトリル収率を低下させることなく、且つ安全、速やかにアンモ酸化反応を停止する方法を提供することを目的とする。
発明を解決するための手段
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、プロパンのアンモ酸化反応を停止するに際して、反応器へのプロパン、酸素含有ガス及びアンモニアの供給を停止した後、反応器に1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給することで、触媒の活性低下を防ぎつつ、安全且つ速やかにプロパンのアンモ酸化反応を停止できることを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なっている反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、
前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、
前記供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間は10時間以内である、
アンモ酸化反応の停止方法。
〔2〕
前記触媒が、Mo、V、Nb及びSbを含有する触媒である、前項〔1〕に記載のアンモ酸化反応の停止方法。
〔3〕
触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なっている反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、
前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、
前記供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間は10時間以内である、アンモ酸化反応の停止方法を利用する、
アクリロニトリルの製造方法。
本発明によれば、触媒の活性、アクリロニトリル収率低下を抑えつつ、安全、且つ迅速にアンモ酸化反応を停止することができるアンモ酸化反応の停止方法が実現される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔アンモ酸化反応の停止方法〕
本実施形態のアンモ酸化反応の停止方法は、
触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行っている反応器への、プロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、
前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、
前記供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するに要する時間が10時間以内である。以下、アンモ酸化反応工程について述べてから、本実施形態のアンモ酸化反応の停止方法について述べる。
(アンモ酸化反応)
反応器内で、触媒に、プロパン、アンモニア及び酸素含有ガスを接触させて、プロパンのアンモ酸化反応を行うことによりアクリロニトリルを製造する。
(原料:プロパン、アンモニア、酸素含有ガス)
原料のプロパン及びアンモニアは高純度であるものに限定されず、エタン、エチレン、n−ブタン、又はイソブタン等の不純物を5.0vol%以下含むプロパンや、水等の不純物を1.0vol%以下含むアンモニア等、工業グレードのプロパンガス又はアンモニアガスを使用することができる。
酸素含有ガスとしては、特に限定されないが、具体的には、空気、酸素を富化した空気、純酸素、又はこれらをヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、窒素等の不活性ガスや水蒸気で希釈したガスを用いることができる。このなかでも、工業スケールで用いる場合には簡便さから空気を用いることが好ましい。
(触媒)
触媒としては、プロパンのアンモ酸化反応に用いられるものであれば特に制限はされないが、具体的には、Mo、V、Nb及びSbを含有するものが好ましい。Mo、V、Nb及びSbを必須成分として含有する触媒は、明確な理由は定かではないが結晶性の良いブロンズ構造を形成しやすく、これがプロパンのアンモ酸化反応において良好な触媒能を示し易いと推察される。
目的物の選択率の向上及び長期流動反応を行う観点から、より好ましい触媒に含まれる触媒の組成は次式により表される。
MoNbSb
(式中、成分XはW、Te、Bi、Mnからなる群より選ばれる1種以上の元素、成分ZはLa、Ce、Pr、Yb、Y、Sc、Sr、Baからなる群より選ばれる1種以上の元素、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの各元素の原子比を示し、aは0.05≦a≦1であり、bは0.01≦b≦1であり、cは0.01≦c≦1であり、dは0≦d≦1であり、eは0≦e≦1であり、nは構成金属の原子価によって決まる数である。)
Mo1原子当たりのVの原子比aは、0.05≦a≦1であり、0.075≦a≦0.7が好ましく、0.1≦a≦0.4がより好ましい。原子比aが上記範囲であることにより、より適正なプロパン活性を得られ、且つアクリロニトリルの分解をより抑制する傾向にある。Mo1原子当たりのNbの原子比bは、0.01≦b≦1であり、0.02≦b≦0.7が好ましく、0.03≦b≦0.4がより好ましい。原子比bが上記範囲であることにより、より適正なプロパン活性を得られ、且つアクリロニトリルの分解をより抑制する傾向にある。Mo1原子当たりのSbの原子比cは、0.01≦c≦1であり、0.03≦c≦0.8が好ましく、0.05≦c≦0.5がより好ましい。原子比cが上記範囲であることにより、アンモ酸化反応がより進行しやすくなる傾向にある。また、VとSbの原子比であるa/cは0.5≦a/c≦2.0が好ましく、0.6≦a/c≦1.8がより好ましく、0.7≦a/c≦1.6がさらに好ましい。a/cが上記範囲であることにより、生成されたアクリロニトリルの分解をより抑制する傾向にある。
Mo1原子当たりのXの原子比dは0≦d≦1であり、0.001≦d≦0.5が好ましく、0.003≦d≦0.4がより好ましく、0.005≦d≦0.3がさらに好ましい。原子比dが上記範囲であることにより、アクリロニトリルの分解活性を一層抑制でき、より適正なプロパン活性が得られる傾向にある。成分Xとしては、工業的な長期使用の観点から、W、Bi、又はMnが好ましく、アクリロニトリルの分解を抑制する傾向にあるため、Wがより好ましい。
Mo1原子当たりのZの原子比eは、eは0≦e≦1であり、0.0001≦e≦0.5が好ましく、0.0005≦e≦0.3がより好ましい。原子比eが上記範囲であることにより、アクリロニトリルの分解、アンモニアの燃焼を抑制する傾向にある。
上記触媒が担持される担体は、シリカを主成分とすることが好ましい。触媒がシリカを主成分とする担体によって担持されている場合、高い機械的強度を有する傾向にあるので、後述する流動床反応器を用いた気相接触アンモ酸化反応に好適に用いることができる。担体がシリカを主成分とする場合には、担体中のシリカの含有量は、触媒と担体の全質量に対して、SiO換算で20〜70質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。シリカ担体の含有量は強度と粉化防止の観点から、触媒と担体の全質量に対して20質量%以上であることが好ましい。シリカの含有量が20質量%以上であると、触媒を工業的に使用する上でも、安定運転ができ、担持される触媒のロスが少ない傾向にあり、経済的にも好ましい。また、十分な活性を得て、必要な触媒量を適正にする観点から、シリカ担体の含有量は触媒と担体の全質量に対して70質量%以下であることが好ましい。特に流動床反応の場合、シリカの含有量が70質量%以下であると、触媒の比重が適切で、良好な流動状態を作り易い。
(触媒の製造方法)
上記触媒の製造方法は、特に限定されないが、具体的には、以下の3つの工程を含む方法が挙げられる。
工程(1):原料を調合して原料調合液を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた原料調合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた触媒前駆体を焼成し、触媒を得る工程
ここで「調合」とは、溶媒に、触媒構成元素の原料を溶解又は分散させることをいう。溶媒としては、特に限定されないが、水性溶媒が好ましい。また「原料」とは、触媒の構成元素を含む化合物を言う。原料としては特に限定されず、具体的には、下記の化合物を用いることができる。
MoとVの原料としては、特に限定されないが、それぞれ、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NHMo24・4HO]とメタバナジン酸アンモニウム[NHVO]を好適に用いることができる。
Nbの原料としては、特に限定されないが、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩、及びニオブの有機酸塩を好適に用いることができる。このなかでも、ニオブ酸が好ましい。ニオブ酸はNb・nHOで表され、ニオブ水酸化物又は酸化ニオブ水和物とも称される。さらにジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のNb原料液をNbの原料として用いることも好ましい。この場合のジカルボン酸としては、特に限定されないが、シュウ酸が好ましい。
Sbの原料としては、特に限定されないが、三酸化二アンチモン[Sb]が好ましい。
成分Xの原料としては、特に限定されないが、W、Te、Bi、Mnからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む物質であれば特に限定されず、これらの元素を含む化合物や、これらの元素の金属を適当な試薬で可溶化したものを使用することができる。これらの元素を含む化合物としては、通常、アンモニウム塩、硝酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ペルオキソカルボン酸塩、ペルオキソカルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、ハロゲン化物、アセチルアセトナート、アルコキシド等を使用することができる。このなかでも、好ましくは、硝酸塩、カルボン酸塩等の水溶性原料が使用される。
成分Zの原料としては、La、Ce、Pr、Yb、Y、Sc、Sr、Baからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む物質であれば特に限定されず、これらの元素を含む化合物や、これらの元素の金属を適当な試薬で可溶化したものを使用することができる。これらの元素を含む化合物としては、通常、硝酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ペルオキソカルボン酸塩、ペルオキソカルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、ハロゲン化物、アセチルアセトナート、アルコキシド等を使用することができる。このなかでも、好ましくは、硝酸塩、カルボン酸塩等の水溶性原料が使用される。
担体に含まれるシリカの原料としては、特に限定されず、シリカ原料の一部又は全量に、シリカゾルや粉体シリカを用いることもできる。粉体シリカは、高熱法で製造されたものが好ましい。粉体シリカはあらかじめ水に分散させて使用することでスラリー中への添加・混合が容易となる。分散方法は特に制限はなく、一般的なホモジナイザー、ホモミキサー、或いは超音波振動器等を単独若しくは組み合わせて分散させることができる。
(反応条件:反応温度)
アンモ酸化反応の反応温度としては、特に限定されないが、380〜500℃が好ましく、390〜490℃がより好ましく、400〜480℃がさらに好ましい。反応温度を380℃以上にすることでプロパンのアンモ酸化反応を実用的な速度で進めることができる傾向にあり、500℃以下にすることでアクリトニトリルの分解を抑制することができる傾向にある。
(反応条件:圧力)
アンモ酸化反応の反応圧力としては、特に限定されないが、低い方がアクリロニトリルの選択率が高くなる傾向にあり、0.2×10〜5×10Paが好ましく、0.3×10〜3×10Paがより好ましく、0.4×10〜1×10Paがさらに好ましい。
(反応条件:原料比)
反応方式は未反応の原料ガスを回収して反応器に再供給するリサイクル式でもよいし、未反応の原料ガスを回収しない単流式でもよいが、反応方式によって原料ガスの好ましい組成比が異なる。例えば、単流式で反応させる場合は、プロパンの転化率を高くすることが重要であるため、酸素/プロパンのモル比は比較的高い方が好ましい。単流式で反応させる場合の酸素/プロパンのモル比は0.5〜4.5が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.5〜3.5がさらに好ましい。一方、リサイクル式で反応させる場合には、アクリロニトリルの選択率を高くするために、酸素/プロパンのモル比は比較的低めに設定し、プロパンの転化率を低く抑える条件が好ましい。リサイクル式で反応させる場合の酸素/プロパンのモル比は0.2〜3.5が好ましく、0.6〜3がより好ましく、1.0〜2.5がさらに好ましい。ただし、原料ガスの組成比は、出口酸素濃度に影響し得るので、いずれの反応方式の場合も、出口酸素濃度が所望の範囲になることも併せて考慮して組成比を決定することが好ましい。
(出口酸素濃度)
反応器の出口酸素濃度は、特に限定されないが、0.1〜6.0%の範囲になるように調整することが好ましく、0.3〜5.5%の範囲になるように調整することがより好ましく、0.5〜5.0%の範囲になるように調整することがさらに好ましい。出口酸素濃度が上記範囲であることにより、触媒の酸化還元率を一定に保ち、触媒の劣化を抑制し、より安定にアクリロニトリルを製造することができる。反応器の出口酸素濃度は原料ガスの組成比、原料ガスの総流量、反応温度、反応圧力、触媒量等の条件を変更することで調整できるが、操作が容易である点から原料ガスの組成比で調整することが好ましい。
〔アンモ酸化反応の停止方法〕
〔供給停止工程〕
本実施形態の供給停止工程は、触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なう反応器への、プロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する工程である。反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給は、特に限定されないが、できる限り同時に停止することが好ましい。同時に停止することで、触媒が高温下でプロパンやアンモニアに曝されることによる触媒劣化がより抑制される傾向にある。なお、ここで「同時」とは、厳密に解するものではなく、プロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給が順次に停止するのではないという意味である。本実施形態のアンモ酸化反応の停止方法によれば、プロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を同時に停止したとしても、安全に反応を停止することができ、また比較的速やかに反応を停止することができる。
(原料供給を停止する温度)
原料供給を停止する温度は、特に限定されないが、触媒保護の観点から、アンモ酸化の適切な反応温度範囲を逸脱する前に実施することが好ましく、触媒の温度が380〜500℃の範囲にあるときに開始することが好ましく、390〜490℃の範囲で開始することがより好ましく、400〜480℃の範囲で開始することがさらに好ましい。触媒の温度が500℃以下であることにより、触媒に過剰な酸素が取り込まれることが抑制され、酸化劣化がより起こりにくくなる傾向にある。また、触媒の温度が380℃以上であることにより、触媒への酸素の供給が滞ることによる触媒の還元劣化がより起こりにくくなる傾向にある。
〔反応停止工程〕
本実施形態の反応停止工程は、反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給してプロパンのアンモ酸化反応を停止する工程である。触媒の劣化を抑制し、反応器の安全性を確保しつつ停止するために、供給停止工程後に、不活性ガスを1時間当たり触媒容積の10〜300倍量、好ましくは10〜250倍量、より好ましくは10〜200倍量供給する。不活性ガスの供給量が上記範囲内であることにより、触媒の活性、アクリロニトリル収率低下を一層抑えつつ、安全、且つ迅速にアンモ酸化反応を停止することができる。1時間当たりの不活性ガス量が触媒容積の10倍量よりも少ないと、プロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給停止時に生成ガスを追い出すことができず、触媒層内に生成ガスが残留してしまい、触媒が劣化する。また、不活性ガスが300倍量より多いと、常圧下で大量のガスを流すことになるため、触媒が吹き飛び、反応器から大量に飛散するため、安全上の問題、及び大量の触媒ロスを伴う。
なお、反応器に供給する不活性ガスとしては、特に限定されないが、具体的には、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。不活性ガス中に含まれる水や酸素等の不純物は3.0vol%以下が好ましく、2.0vol%以下がより好ましく、1.0vol%以下がさらに好ましい。不純物の含有量が上記範囲であることにより、触媒が高温下で高濃度の酸素と接触して、触媒が劣化するのを防ぐことができる。
(触媒容積)
触媒容積の求め方は、かさ比重を用いて計算する方法が挙げられる。本実施形態においては、反応停止時に触媒の隙間に存在し、触媒に接触する原料ガス、生成ガスを置換することが重要であるため、空隙を含むかさ比重から求める。具体的な計算方法としては、反応器に充填した触媒の重量をかさ比重で除して求める。例えば、反応器への触媒充填量が1,000kgで、かさ比重が0.8kg/Lであった場合、触媒容積は1.25Nmとなる。かさ比重の測定方法は特に限定されないが、流動床に用いる流動性の良い触媒であること、測定時の再現性の良さの観点から漏斗充填法を用いることが好ましい。
(触媒温度が380℃以下になるまで供給する)
不活性ガスは、触媒の温度が380℃以下になるまで供給される。触媒の温度が380℃以下になれば、その後は不活性ガスの供給を停止し、代わりに空気などの酸素含有ガスを供給しても構わない。ただし、触媒の劣化抑制の観点から、不活性ガスの供給は360℃以下まで継続することが好ましく、340℃以下になるまで継続することがより好ましい。触媒の温度を380℃以下にすることで触媒と原料ガス、生成ガスが接触しても触媒の劣化は起こりにくくなり、340℃以下になれば触媒はほぼ劣化されることはない。触媒劣化を完全に抑制する観点から、200℃以下まで不活性ガスの供給を継続しても構わない。
(触媒温度の測定方法)
触媒温度の測定方法は特に限定されないが、触媒層内に先端に穴の開いていないノズルを設置し、その中に温度計を挿入して温度を測定する方法が好ましい。触媒層内であれば基本的には反応温度はほぼ均一であるが、触媒量が多い場合には触媒層内であっても多少温度に差があるため、数箇所にノズルを設置し、その平均温度を触媒温度とすることが好ましい。
触媒温度が380℃以下に達して不活性ガスの供給を停止する場合においては、不活性ガスを空気、酸素含有ガス等に切り替えて、さらに迅速に触媒温度を下げることが好ましい。このとき、時間短縮のため、除熱管による除熱を併用することができる。例えば、不活性ガスと除熱管を併用することにより、触媒温度を340℃まで降温するのに要する時間を、4時間以内にすることが可能である。除熱菅の操作方法は特に限定されない。温度を監視しつつ、公知の方法により温度を調整することができる。
供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間は、10時間以内であり、9時間以内が好ましく、8時間以内がより好ましい。触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間が上記範囲内であることにより、触媒の活性、アクリロニトリル収率低下を一層抑えつつ、安全、且つ迅速にアンモ酸化反応を停止することができる。
(触媒の還元率の変化)
触媒本来の性能を発揮するためには適度な酸化還元状態を維持することが重要である。触媒が還元され過ぎると還元劣化を起こして収率低下を招き得る。また、触媒が酸化され過ぎると不可逆な劣化を起こし得る。そのため、反応停止前後で触媒の還元率の変化率が低い状態で反応が停止することが望ましい。反応停止前の触媒の還元率と、反応停止後の触媒の還元率とを比較したとき、その変化率が5%以内であることが好ましく、4%以内であることがより好ましく、3%以内であることがさらに好ましい。変化率が上記範囲内であることにより、触媒の活性がより維持される傾向にある。
ここで述べる「反応停止前の触媒」とは、アンモ酸化反応に供している最中に反応器の中から均一に、且つ触媒の状態を変化させずに抜出した、供給停止工程前の触媒のことをいう。基本的に反応中は還元率を変化させずに反応を行うため、反応停止を行う1分前〜1ヶ月の間に抜出した触媒のこと反応停止前の触媒とみなすことができる。
さらに、ここで述べる「反応停止後の触媒」とは、プロパン、アンモニア、酸素含有ガスの供給を停止した後に反応器から抜出した、反応停止工程後の触媒のことを指す。
(触媒還元率の測定方法)
触媒の還元率は、吸収スペクトルによって触媒の吸光度を測定して、求めることができる。特に、プロパンのアンモ酸化反応に用いるMo、Vを含む触媒の場合には、可視・紫外分光光度計を用いて測定される触媒の吸光度により、簡便且つ精度よく触媒の酸化還元状態を求めることができる。
具体的には、可視・紫外分光光度計を用いて拡散反射法で測定し、得られた吸収スペクトルの、400nm、580nm、700nmにおける吸光度から、下記数式(1)を用いて規格化UV値を求めることが好ましい。規格化UV値は、大きいほど触媒が還元されており、小さいほど触媒が酸化されていることを示すため、触媒の酸化還元状態の指標となる。
規格化UV={(580nmの吸光度)−(400nmの吸光度)}÷{(700nmの吸光度)−(400nmの吸光度)} ・・・数式(1)
(触媒の抜出方法)
触媒を抜出す方法としては、反応器内の触媒を均一に抜出すことができる限り特に限定されないが、流動床反応の場合、
(1)反応器から突出したノズルに容器を接続して、(a)反応器内よりも容器内の圧力を低い状態にして圧力差を利用して反応器内の触媒を容器に移動させる方法、又は(b)反応器外から触媒抜出し用のガスを導入し、反応器から容器内にガスの流れをつけて触媒を容器内に搬送する方法、
(2)反応器の下部に容器を取り付けて重力を利用して触媒を抜出す方法、等が挙げられる。
反応器内の圧力が大気圧以上である場合は、上記(a)圧力差を利用する方法が簡便であるため好ましい。容器内の圧力を低い状態にする方法は、一般的な方法でよく、反応器内の圧力が大気圧より十分高ければ容器内は大気圧のまま維持してもよいし、エジェクター方式でガスを流通させて容器内を減圧に導いてもよい。
いずれの方法においても、抜出した触媒の物性が変化しないように、容器内及び接続した配管内部等触媒が触れる箇所はあらかじめ窒素等の不活性ガスで十分に置換しておくことが好ましい。また、抜出す触媒に、過去に抜出した触媒や不純物等が混入しないように、あらかじめ容器内や配管内部等を適当なガスや不活性ガス等で除去・洗浄しておくことが好ましい。
触媒を抜出す箇所は1箇所でも複数箇所でもよい。抜出す箇所は反応器内の触媒を均一に抜出すことができれば特に限定されないが、流動床の場合は反応器内で触媒の流動状態が良好で触媒密度が濃厚な箇所から抜出すと、反応器内の触媒の代表的な物性が得られ、短時間で効率的に触媒が抜出すことができると考えられるため好ましい。反応器内に原料ガスの分布や温度の分布があり、場所によって触媒の変化の仕方が異なる可能性がある場合は、平均的な条件と予想される箇所から抜出すこともできるし、分布に応じて複数の箇所から抜出すこともできる。また反応器内にサイクロン、配管、棚等が設置されており、触媒の流動状態が異なると考えられる箇所がある場合も、平均的に触媒が流動し流動状態が良好な箇所に加え、特異的な箇所からも抜出すことができる。
抜出した触媒の保存については、高温で酸素等の酸化剤やアンモニア等の還元剤と接触すると、触媒の還元率が変化するため、反応器から抜出した直後等、触媒の温度が高い場合には、不活性ガス中で保存する。常温であれば、空気中で保存しても問題ない。
(反応器)
以上のアンモ酸化反応に用いられる反応器としては、特に限定されないが、具体的には、流動床反応器を用いることが好ましい。上記のようにして得られた触媒を流動床反応器に充填し、反応器の触媒充填部底面から、上方の所定の位置に、プロパン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルを鉛直下向きに設置する。設置位置は反応器の中心、及び反応器の中心を中心とする正方形の頂点(計5ヶ所)とすることができる。これとは別に、反応器の触媒充填部底面に酸素を含むガスを供給する下方ノズルを鉛直上向きに設置する。この下方ノズルの設置位置は、プロパン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルと鉛直方向に重なる位置(5ヶ所)とすることができる。反応器の除熱のため、定常的に用いる冷却コイル、温度微調整用の冷却コイルを触媒濃厚層に設置する。
反応器の温度及び圧力を上述した反応温度及び反応圧力とし、上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気を、上述した原料比で、所定の接触時間となるよう供給する。これによりアクリロニトリルの製造を行なうことができる。
また、アンモ酸化反応を停止するには、具体的には、プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり所定量の窒素を供給することができる。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度を所定温度まで下げ、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給することができる。このようにしてアンモ酸化反応の停止後、反応器内に残っている触媒を用い、反応停止前と同じ条件でアンモ酸化反応を再開することができる。
〔アクリロニトリルの製造方法〕
本実施形態のアクリロニトリルの製造方法は、触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なっている反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、供給停止工程後、触媒温度が360℃以下になるまでに要する時間は10時間以内である。即ち、本実施形態のアクリロニトリルの製造方法は、上記アンモ酸化反応の停止方法を利用する方法である。これにより、触媒の活性を低下させることなく、反応器を再スタートアップした際にアクリロニトリル収率を維持することができる。安全且つ速やかにアンモ酸化反応を停止することができるため、低コストかつ高効率なアクリロニトリルの製造方法となる。
以下に本発明を、実施例、比較例、及び参考例によってさらに詳細に説明するが、本実施の形態はこれら実施例に限定されるものではない。
〔アクリロニトリルの収率〕
実施例、比較例、及び参考例においては、アクリロニトリルの収率は次の定義に従う。生成したアクリロニトリルのモル数は、予め濃度既知のアクリロニトリルのガスをガスクロマトグラフィー(GC)にて分析して検量線を採った後に、アンモ酸化反応によって生成したガスをGCに定量注入し、測定した。
アクリロニトリルの収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
〔触媒の還元率の変化率〕
触媒の還元率は以下の方法で測定した。紫外可視分光光度計(日本分光(株)製V−660)を用い、抜出した触媒をサンプルホルダーにセットし、拡散反射法で測定し、得られた吸収スペクトルの、400nm、580nm、700nmにおける吸光度から、下記式(1)、(2)を用いて触媒還元率の変化率を求めた。
規格化UV={(580nmの吸光度)−(400nmの吸光度)}÷{(700nmの吸光度)−(400nmの吸光度)} ・・・数式(1)
触媒還元率の変化率=|((反応停止前の触媒の規格化UV)−(反応停止後の触媒の規格化UV))|/(反応停止前の触媒の規格化UV)×100 ・・・数式(2)
〔活性〕
活性は、プロパンの転化率、接触時間から以下の式により求めた。
活性=3.6×ln(100/(100−プロパン転化率))×接触時間
〔プロパン転化率〕
プロパン転化率は次の定義に従う。生成したプロパンのモル数は、予め濃度既知のプロパンのガスをガスクロマトグラフィー(GC)にて分析して検量線を採った後に、アンモ酸化反応によって生成したガスをGCに定量注入し、測定した。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
〔接触時間〕
接触時間は次の定義に従う。接触時間は触媒容積を反応温度、反応圧力で補正した原料ガス量で除して求める。
接触時間(sec)=触媒容積(L)/原料ガス量(L/min)×273/(273+反応温度)×(1.013+反応圧力)/1.013×60
〔触媒温度の測定方法〕
触媒層内に先端に穴の開いていないノズルを設置し、その中に温度計を挿入して温度を測定した。
〔実施例1〕
〔触媒調製〕
(ニオブ混合液の調製)
以下の方法でニオブ混合液を調製した。水10kgに79.8質量%を含有するニオブ酸[Nb]1.530kgとシュウ酸二水和物[H・2HO]2.894kgを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.50(mol−Nb/kg−液)であった。この液を95℃で2時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶解した混合液を得た。この混合液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ混合液を得た。
(シュウ酸/ニオブのモル比)
るつぼにこのニオブ混合液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb0.7895gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.594(mol−Nb/kg−液)であった。300mLのガラスビーカーにこのニオブ混合液3gを精秤し、約80℃の熱水200mLを加え、続いて1:1硫酸10mLを加えた。得られた混合液をホットスターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4規定KMnOを用いて滴定した。KMnOによるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、1.592(mol−シュウ酸/kg−液)であった。これらの結果から、ニオブ混合液のシュウ酸/ニオブのモル比は2.68であると算出された。得られたニオブ混合液は、下記の触媒の調製においてニオブ原料液(B)として用いた。
2KMnO+3HSO+5H→KSO+2MnSO+10CO+8H
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo0.20Nb0.10Sb0.200.05/50.0wt%?SiOで示される触媒を次のようにして製造した。水88kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NHMo24・4HO]を32.8kg、メタバナジン酸アンモニウム[NHVO]を4.31kg、及び三酸化二アンチモン[Sb]を5.40kg加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(I)を得た。
ニオブ混合液(B)31.03kgに、Hを30wt%含有する過酸化水素水を4.18kg添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(II)を調製した。
得られた水性原料液(I)を70℃に冷却した後にSiOを34.0wt%を含有するシリカゾル58.86kgを添加し、さらに、Hを30wt%含有する過酸化水素水6.27kgを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(II)、WOを50wt%含むメタタングステン酸アンモニウム水溶液64.26g、粉体シリカ20kgを水270kgに分散させた分散液を順次添加して水性混合液(III)を得た。水性混合液(III)は水性原料液(II)を添加後から2時間30分、50℃で熟成し、スラリーを得た。
得られたスラリーを、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口空気温度は210℃、そして出口空気温度は120℃であった。本工程を数回繰り返し、得られた乾燥粉体を内径500mm、長さ3500mm、肉厚20mmのSUS製円筒状焼成管に充填し、600NL/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、680℃で2時間焼成して触媒を得た。
〔気相接触アンモ酸化反応〕
得られた触媒572kgを内径600mmのSUS製流動床反応器に充填した。触媒のかさ比重は1kg/Lであり、触媒容積は572Lであった。反応器の触媒充填部底面から、上方30cmの位置に、プロパン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルを鉛直下向きに設置した。設置位置は反応器の中心、及び反応器の中心を中心とする一辺340mmの正方形の頂点(計5ヶ所)とした。反応器の触媒充填部底面に酸素を含むガスを供給する下方ノズルを鉛直上向きに設置した。下方ノズルの設置位置は、プロパン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルと鉛直方向に重なる位置(計5ヶ所)とした。反応器の除熱には定常的に用いる冷却コイル4本、温度微調整用の冷却コイル2本を触媒濃厚層に設置した。
反応器の温度440℃、反応圧力50kPaで上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.93:2.81のモル比で、接触時間2.91sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は2.1%を示した。この反応を1週間継続した。
〔アンモ酸化反応の停止〕
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり14,300L(触媒容積当たり25倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は7時間、360℃まで下がるのに要した時間は8時間であった。窒素の供給は触媒層温度が340℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで9時間継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。アンモ酸化反応の停止後、反応器内に残っている触媒を用い、反応停止前と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した(表1中、「再SU後」と示す(以下同じ))。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。なお、不活性ガス流通時間とは、プロパン、アンモニア、及び空気の供給の停止から不活性ガスカットオフ温度に達するまでの時間をいう(以下同じ)。
〔実施例2〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.95:3のモル比で、接触時間3.05sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は3.4%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,760L(触媒容積当たり80倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時30分であった。窒素の供給は触媒層温度が375℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで5時間42分継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔実施例3〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:1:3.2のモル比で接触時間3.15sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は3.5%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり85,800L(触媒容積当たり150倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は4時間、360℃まで下がるのに要した時間は5時間12分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔実施例4〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.87:2.85のモル比で接触時間2.82sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は2.61%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり128,700L(触媒容積当たり225倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は2時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は3時間30分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔実施例5〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.85:2.85のモル比で接触時間2.85sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は2.65%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり157,300L(触媒容積当たり275倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は1時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は2時間であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔実施例6〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.98:2.5のモル比で接触時間3.00sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は1.35%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり8,580L(触媒容積当たり15倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は8時間6分、360℃まで下がるのに要した時間は8時間48分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔実施例7〕
(気相接触アンモ酸化反応)
実施例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力は実施例1と同様にして行った。原料ガスの供給は上方ノズルからプロパン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロパン:アンモニア:酸素=1:0.90:2.85のモル比で接触時間2.95sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は2.35%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり14,300L(触媒容積当たり25倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は7時間12分、360℃まで下がるのに要した時間は8時間であった。窒素の供給は触媒層温度が380℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例1〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は22時間、360℃まで下がるのに要した時間は25時間であった。触媒層温度が360℃になった後、触媒層の温度が100℃になるまで1時間当たり14,300L(触媒容積当たり25倍量)の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例2〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり1,716L(触媒容積当たり3倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は16時間、360℃まで下がるのに要した時間は18時間であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例3〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり4,004L(触媒容積当たり7倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は12時間18分、360℃まで下がるのに要した時間は14時間30分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例4〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり188,760L(触媒容積当たり330倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は1時間12分、360℃まで下がるのに要した時間は1時間30分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例5〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり211,640L(触媒容積当たり370倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は54分、360℃まで下がるのに要した時間は1時間15分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例6〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり240,240L(触媒容積当たり420倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は36分、360℃まで下がるのに要した時間は48分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒は著しく減少しており、触媒を新たに追加しなければ、反応を再開することはできなかった。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例7〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり28,600L(触媒容積当たり50倍量)の窒素を供給した。窒素の供給は触媒層温度が400℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで4時間継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例8〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり5,720L(触媒容積当たり10倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は10時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は12時間であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例9〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,760L(触媒容積当たり80倍量)の空気を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。空気の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後も触媒層温度が100℃になるまで継続した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例10〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,760L(触媒容積当たり80倍量)の酸素を5vol%含んだ窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。酸素含有窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔比較例11〕
(アンモ酸化反応の停止)
実施例1と同様の触媒を用い、実施例1と同様にして気相接触アンモ酸化反応を行った。プロパン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,760L(触媒容積当たり80倍量)の空気とアンモニアを4:1の割合で調製したガスを供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。空気とアンモニアの混合ガスの供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで継続し同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、実施例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、反応停止前後の触媒還元率の変化率、活性を表1に示す。
〔参考例1〕
(触媒の調製)
触媒は特許文献特公昭57−26592の方法に準拠して、下記組成の金属酸化物を50wt%のシリカ担体に担持して触媒を調製した。本焼成は790℃で2時間行った。
Mo0.8Sb20Fe100.2Te1.7Na0.15Cu2.5
(気相接触アンモ酸化反応)
得られた触媒573kgを内径600mmのSUS製流動床反応器に充填した。触媒のかさ比重は1kg/Lであり、触媒容積は573Lであった。反応器の触媒充填部底面から、上方30cmの位置に、プロピレン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルを鉛直下向きに設置した。設置位置は反応器の中心、及び反応器の中心を中心とする一辺340mmの正方形の頂点(計5ヶ所)とした。反応器の触媒充填部底面に酸素を含むガスを供給する下方ノズルを鉛直上向きに設置した。下方ノズルの設置位置は、プロピレン、アンモニアを含むガスを供給する上方ノズルと鉛直方向に重なる位置(計5ヶ所)とした。反応器の除熱には定常的に用いる冷却コイル4本、温度微調整用の冷却コイル2本を触媒濃厚層に設置した。
反応器の温度440℃、反応圧力50kPaで上方ノズルからプロピレン、アンモニアを下方ノズルから空気をプロピレン:アンモニア:酸素=1:1.1:1.89のモル比で、接触時間3.5sec・g/cmとなるよう供給したところ、反応器出口生成ガス中の酸素濃度は0.2%を示した。この反応を1週間継続した。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり1,719L(触媒容積当たり3倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は17時間、360℃まで下がるのに要した時間は14時間であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。アンモ酸化反応の停止後、反応器内に残っている触媒を用い、反応停止前と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例2]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり14,325L(触媒容積当たり25倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は7時間、360℃まで下がるのに要した時間は8時間であった。窒素の供給は触媒層温度が340℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで9時間継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例3]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,840L(触媒容積当たり80倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間18分であった。窒素の供給は触媒層温度が375℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで5時間42分継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例4]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり85,950L(触媒容積当たり150倍量)の窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は4時間、360℃まで下がるのに要した時間は5時間12分であった。窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで窒素と同量の空気を供給した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例5]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,840L(触媒容積当たり80倍量)の空気を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。空気の供給は触媒層の温度が100℃になるまで継続した。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例6]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,840L(触媒容積当たり80倍量)の酸素を5vol%含んだ窒素を供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。酸素を5vol%含む窒素の供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで空気を供給し続けた。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
[参考例7]
(気相接触アンモ酸化反応)
参考例1と同様の触媒を用いて気相接触アンモ酸化反応を行った。反応器の形態、反応温度、反応圧力、供給するガス量は参考例1と同様にして行った。
(アンモ酸化反応の停止)
プロピレン、アンモニア、及び空気の供給を一斉に停止し、反応器の触媒充填部底面から鉛直上向きに設置された下方ノズルから1時間当たり45,840L(触媒容積当たり80倍量)の空気とアンモニアを4:1の割合で調製したガスを供給した。原料ガスの供給を停止して、触媒層温度が380℃まで下がるのに要した時間は5時間30分、360℃まで下がるのに要した時間は6時間30分であった。空気とアンモニアの混合ガスの供給は触媒層温度が360℃(不活性ガスカットオフ温度)になるまで継続し、その後は触媒層の温度が100℃になるまで空気を供給し続けた。停止後、反応器内に残っている触媒を用い、参考例1と同じ条件でアンモ酸化反応を再開した。アクリロニトリルの収率、活性を表1に示す。
Figure 0005992051
比較例4,5は不活性ガスの量が多すぎたため触媒が大量に飛散していた。比較例6は、不活性ガスの供給量が多すぎたため触媒が飛散し、再度の反応が行なえなかった。また、比較例1,2,3,7,8,9,10,11は、還元率の変化率及びAN収率から触媒活性が低下していることが分かった。これに比べ実施例は触媒の活性低下を抑えつつ、安全、且つ迅速にアンモ酸化反応を停止することができることが示された。
本出願は、2012年10月01日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2012−219398)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のアンモ酸化反応の停止方法によれば、安全かつ迅速なアクリルニトリルの製造に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なっている反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、
    前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、
    前記供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間は10時間以内である、
    アンモ酸化反応の停止方法。
  2. 前記触媒が、Mo、V、Nb及びSbを含有する触媒である、請求項1に記載のアンモ酸化反応の停止方法。
  3. 触媒を用いてプロパンのアンモ酸化反応を行なっている反応器へのプロパン、酸素含有ガス、及びアンモニアの供給を停止する供給停止工程と、
    前記反応器に、1時間当たり触媒容積の10〜300倍量の不活性ガスを、触媒温度が380℃以下になるまで供給する反応停止工程と、を有し、
    前記供給停止工程後、触媒温度が360℃以下にまで降温するのに要する時間は10時間以内である、アンモ酸化反応の停止方法を利用する、
    アクリロニトリルの製造方法。
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