JP5991213B2 - インジェクタ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ソレノイドを備えた複数のインジェクタを駆動するインジェクタ駆動装置に関する。
内燃機関の各気筒に対する燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置は、インジェクタのソレノイドを駆動するインジェクタ駆動装置を備えている。インジェクタ駆動装置は、電磁弁の開弁応答を高めるために昇圧回路と放電スイッチを備えており、噴射信号が与えられたインジェクタのソレノイドに対し、昇圧電圧に充電されたコンデンサから所定時間幅だけ放電電流を流し出す。その後は定電流駆動に移行する。
放電により減少したコンデンサのエネルギーを補うため、噴射信号が与えられたインジェクタのソレノイドへの通電が遮断された時に電流をコンデンサに還流させ、エネルギーを回収する構成が提案されている(特許文献1参照)。具体的には、ソレノイドの低電位側端子とコンデンサの高電位側端子との間にダイオードを備えている。
特開2001−15332号公報
実際のインジェクタ駆動装置では、1回の噴射でコンデンサから失われるエネルギーは例えば数十mJである。一方、定電流駆動されているソレノイドへの通電を遮断した時に回収されるエネルギーは数mJ程度である。従って、上述した従来構成によれば効率を高めることはできるが、依然として放電エネルギーの殆どを昇圧回路を通してコンデンサに供給する必要があった。
その結果、昇圧回路を構成するコイルとスイッチング素子の電流容量を高める必要があり、これらの部品の大型化が避けられなかった。また、昇圧回路のスイッチング素子に集中して生じる損失に対する放熱対策として、放熱板の大型化または筺体の放熱性能の強化も必要となっていた。こうした部品の大型化は、インジェクタ駆動装置の大型化に繋がるという問題がある。
この問題は、専用に設けられた昇圧回路を介したコンデンサへの充電エネルギーを低減し、他の手段によるコンデンサへの充電エネルギーを高めることで解決する途が開ける。しかし、他の手段として新たに昇圧回路などの充電回路を追加するのでは、結局のところ装置の大型化を避けられない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、放電エネルギーを蓄えるコンデンサに対し、インジェクタのソレノイドとその駆動回路を利用して充電可能なインジェクタ駆動装置を提供することにある。
請求項1に記載したインジェクタ駆動装置は、ソレノイドを備えた複数のインジェクタを駆動する。インジェクタ駆動装置は、後述する噴射制御に必要な構成として、開弁応答を高めるための放電エネルギーを蓄えるコンデンサ、ソレノイドに流す放電電流を通断電する放電スイッチ、インジェクタを開弁状態に維持する電流を通断電する電源供給スイッチ、および各ソレノイドに流れる電流を個別に通断電する気筒選択スイッチを備えている。
放電スイッチは、コンデンサと各ソレノイドとの間に設けられており、電源供給スイッチは、入力電源と各ソレノイドとの間に設けられている。気筒選択スイッチは、各ソレノイドとグランドとの間にそれぞれ個別に設けられている。制御手段は、噴射指令が与えられて噴射対象とされたインジェクタのソレノイドと直列に設けられた放電スイッチ、電源供給スイッチおよび気筒選択スイッチをオンする噴射制御を行う。
一方、インジェクタ駆動装置は、充電制御に必要な構成として、ソレノイドへの電源供給経路が遮断された時に当該ソレノイドに流れていた電流をコンデンサに還流させる還流回路を備えている。これにより、従来構成と同様に、噴射対象とされたインジェクタのソレノイドへの通電が遮断された時に、その電流がコンデンサに還流してエネルギーを回収できる。
さらに、制御手段は、従来利用されていなかった非噴射対象のインジェクタのソレノイドと駆動回路(放電スイッチ、電源供給スイッチ、気筒選択スイッチ)と還流回路を利用して、コンデンサにエネルギーを供給する充電制御を行う。すなわち、非噴射対象とされたインジェクタのソレノイドであって上記噴射制御によりオンする放電スイッチおよび電源供給スイッチに非接続のソレノイドと直列に設けられた電源供給スイッチをオンするとともに、当該インジェクタを非噴射状態に維持可能な電流範囲内で、当該ソレノイドと直列に設けられた気筒選択スイッチをオンとオフとの間で繰り返し切り替える。
この充電制御によれば、噴射対象とされたインジェクタのソレノイドに流れる電流への干渉を避けながら、且つ、非噴射対象のインジェクタを噴射動作させることなく、噴射動作に関与しないインジェクタのソレノイドとその駆動回路を利用して充電動作を行わせることができる。その結果、専用に設けられた昇圧回路などのエネルギー供給手段の充電負担が軽減され、スイッチング素子に生じる損失の分散が図られ、以て装置全体の小型化が可能となる。
そして、制御手段は、非噴射対象とされたインジェクタのソレノイドを用いた充電制御の実行中に、当該インジェクタまたは一端が当該ソレノイドと共通に接続されたソレノイドを持つ他のインジェクタが噴射対象とされた時、非噴射対象とされていたインジェクタのソレノイドを用いた充電制御を停止する。これにより、複数の気筒に対し同時に燃料噴射を行う場合、すなわち噴射時期がオーバーラップする場合でも、噴射制御と充電制御との相互干渉を避けることができる。
請求項2記載の手段によれば、複数のインジェクタは、同時に噴射対象とされることがないm(m≧2)ずつのインジェクタからなる駆動回路グループに分けられる。各駆動回路グループに属するインジェクタのソレノイドは、一端が共通に接続されるとともに、グループ内で共通に設けられた放電スイッチおよび電源供給スイッチと直列に接続されている。放電スイッチと電源供給スイッチの共通化により、駆動回路の規模を低減できる。制御手段は、噴射対象とされたインジェクタが含まれていない駆動回路グループに属するインジェクタのうち1つのインジェクタのソレノイドを用いて充電制御を実行する。
請求項記載の手段によれば、ソレノイドに流れる電流を検出する電流検出手段を備えている。制御手段は、充電制御を行うソレノイドと直列に設けられた気筒選択スイッチをオンした後、当該ソレノイドに流れる電流が当該インジェクタを非噴射状態に維持可能な電流範囲内に設定された第1しきい値に達した時に気筒選択スイッチをオフする。その後、当該ソレノイドに流れる電流が第1しきい値よりも低い第2しきい値以下に低下した後に、気筒選択スイッチをオンする。このようなスイッチング動作を繰り返すことにより、非噴射対象のインジェクタを噴射動作させることなく充電制御を実行することができる。
請求項記載の手段によれば、制御手段は、入力電源の投入開始時から噴射制御を開始するまでの間についても充電制御を実行する。これにより、噴射信号が入力されていない期間であっても上述した充電制御が可能となる。
本発明の第1の実施形態を示すインジェクタ駆動装置の構成図 制御部の構成図 噴射信号と電流の波形を示す図 噴射信号と電流の波形およびトランジスタのオンオフ状態を示す図 本発明の第2の実施形態を示す図2相当図 図3相当図 本発明の第3の実施形態を示す図2相当図 初期充電に係る信号と噴射信号と電流の波形を示す図
各実施形態において実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図1から図4を参照しながら説明する。図1に示すインジェクタ駆動装置1は、エンジン(内燃機関)を制御する電子制御装置(図示せず)から与えられる噴射信号IJT1〜IJT4に応じて、エンジンの各気筒(本実施形態では4気筒)のインジェクタ#1〜#4を駆動する。噴射信号IJT1〜IJT4は、燃料の噴射を指令するHレベルと噴射の停止を指令するLレベルとからなる2値信号である。
インジェクタ#1〜#4は、それぞれソレノイドL1〜L4を備えた電磁式であり、ソレノイドL1〜L4に所定値以上の電流を流すことにより開弁動作する。インジェクタ#1〜#4は、同時に噴射対象とされることがない2(m=2)ずつのインジェクタからなる駆動回路グループA、B(以下、単にグループA、Bと称す)に分けられている。ここでは、インジェクタ#1と#4がグループAを構成し、インジェクタ#2と#3がグループBを構成する。
インジェクタ#1、#4のソレノイドL1、L4のハイサイド側端子は、インジェクタ駆動装置1内でコモンラインCOM1に接続されている。同様に、インジェクタ#2、#3のソレノイドL2、L3のハイサイド側端子は、インジェクタ駆動装置1内でコモンラインCOM2に接続されている。
インジェクタ駆動装置1は、制御回路2(制御手段)、昇圧回路3、コンデンサ4、放電スイッチ5、電源供給スイッチ6、気筒選択スイッチ7、電流検出回路8(電流検出手段)、還流回路9および還流用のダイオードDf1、Df2を備えている。インジェクタ駆動装置1には、IGスイッチオンにより閉じるメインスイッチ(図示せず)と電源線10とを介してバッテリ電圧VBが与えられている。
コンデンサ4は、電源線11とグランドとの間に接続されており、開弁駆動時にソレノイドL1〜L4に加える放電エネルギーを蓄える。昇圧回路3は、コイル12、トランジスタQd、ダイオードDdおよび抵抗13からなる昇圧チョッパ回路である。制御回路2は、バッテリ電圧VBを入力電圧として、電源線11の昇圧電圧VPが規定値に等しくなるように、トランジスタQdに対して昇圧パルス(ゲート信号)を出力する昇圧制御を実行する。
放電スイッチ5は、グループA、Bごとに1つずつ設けられたトランジスタQ1、Q2である。トランジスタQ1、Q2は、それぞれ電源線11とコモンラインCOM1、COM2との間に接続されている。電源供給スイッチ6は、グループA、Bごとに1つずつ設けられたトランジスタQ3、Q4である。トランジスタQ3、Q4は、それぞれ電源線10とコモンラインCOM1、COM2との間に接続されている。還流用のダイオードDf1、Df2は、それぞれコモンラインCOM1、COM2とグランドとの間に、グランド側をアノードとして接続されている。
ソレノイドL1〜L4のローサイド側端子とグランドとの間には、気筒選択スイッチ7と電流検出回路8が直列に設けられている。気筒選択スイッチ7は、ソレノイドL1〜L4に対してそれぞれ個別に設けられたトランジスタQ5〜Q8である。グループAに属するソレノイドL1、L4に対して設けられたトランジスタQ5、Q8のソースは共通に接続されており、当該ソースとグランドとの間に検出抵抗14が接続されている。同様に、グループBに属するソレノイドL2、L3に対して設けられたトランジスタQ6、Q7のソースは共通に接続されており、当該ソースとグランドとの間に検出抵抗15が接続されている。
ソレノイドL1〜L4のローサイド側端子(トランジスタQ5〜Q8のドレイン)と電源線11との間は、電源線11側をカソードとして、還流回路9を構成するダイオードD1〜D4が接続されている。
制御回路2は、モノリシックICとして形成されており、噴射制御を実行する噴射制御部16、充電制御を実行する充電制御部17、および昇圧回路3を制御する昇圧制御部から構成されている。昇圧制御部は図2で省略されている。噴射制御部16は、噴射信号IJTn(n=1〜4)がHレベルの間、そのインジェクタ#nが開弁状態となるようにトランジスタQ1〜Q8に対しゲート信号を出力する。
充電制御部17は、図2に示すようにRS−F/F18〜21と電流制御部22とから構成されている。RS−F/F18は、噴射信号IJT3をセット信号、噴射信号IJT4をリセット信号とし、インジェクタ#1のソレノイドL1への通電を指令する充電信号S1を生成する。RS−F/F19は、噴射信号IJT1をセット信号、噴射信号IJT3をリセット信号とし、インジェクタ#2のソレノイドL2への通電を指令する充電信号S2を生成する。
RS−F/F20は、噴射信号IJT4をセット信号、噴射信号IJT2をリセット信号とし、インジェクタ#3のソレノイドL3への通電を指令する充電信号S3を生成する。RS−F/F21は、噴射信号IJT2をセット信号、噴射信号IJT1をリセット信号とし、インジェクタ#4のソレノイドL4への通電を指令する充電信号S4を生成する。
電流制御部22は、充電信号Sn(n=1〜4)がHレベルの期間、インジェクタ#nが開弁動作しない電流範囲内で、ソレノイドLnへの電源供給経路を繰り返し通断電するスイッチング制御を行う。充電信号SnがHレベルであっても、コンデンサ4への充電が目標値に達した場合はスイッチング制御を終了する。
次に、本実施形態の作用について図3および図4も参照しながら説明する。噴射信号IJT1〜IJT4は、図3に示すように互いに重なることなくIJT1、IJT3、IJT4、IJT2の順にHレベル(噴射指令)となる(時刻t10、t20、t30、t40)。
噴射制御部16は、噴射信号IJT1〜IJT4に従ってソレノイドL1〜L4に通電して弁の開閉を行う。すなわち、図4に示すように、噴射信号IJT1がHレベルの期間、インジェクタ#1の気筒選択スイッチであるトランジスタQ5をオンする。時刻t10で噴射信号IJT1がHレベルになると、インジェクタ#1が属するグループAの放電スイッチであるトランジスタQ1を、時刻t11までの所定時間幅だけオンする。これにより、コンデンサ4からソレノイドL1に昇圧電圧VPが印加され、その放電エネルギーによりソレノイドL1の電流が急速に立ち上がり開弁する。
噴射制御部16は、ソレノイドL1に流れる電流がしきい値ILより小さいときに、グループAの電源供給スイッチであるトランジスタQ3をオンし、ソレノイドL1に流れる電流がしきい値IHより大きいときにトランジスタQ3をオフする。これにより、立ち上がった電流をILとIHとの間で定電流制御し、開弁状態を維持する。時刻t12で噴射信号IJT1がLレベルに戻ると、トランジスタQ3、Q5をオフする。
同様に、噴射制御部16は、噴射信号IJT3がHレベルの期間、インジェクタ#3の気筒選択スイッチであるトランジスタQ7をオンする。時刻t20で噴射信号IJT3がHレベルになると、インジェクタ#3が属するグループBの放電スイッチであるトランジスタQ2を、時刻t21までの所定時間幅だけオンする。さらに、ソレノイドL3に流れる電流を定電流制御するため、グループBの電源供給スイッチであるトランジスタQ4をオンオフ制御する。
一方、充電制御部17は、噴射信号IJT1がHレベルになる時刻t10から噴射信号IJT3がHレベルになる時刻t20までの間、インジェクタ#1が含まれていないグループBに属する1つのインジェクタ#2のソレノイドL2を用いて充電制御を行う。インジェクタ#3のソレノイドL3を用いてもよい。
充電制御部17は、充電信号S2がHレベルになる時刻t10から時刻t20までの間、グループBの電源供給スイッチであるトランジスタQ4をオンする。電流制御部22は、ソレノイドL2に流れる電流が第1しきい値Ith1以下となるように、インジェクタ#2の気筒選択スイッチであるトランジスタQ6をオンとオフとの間で繰り返し切り替える。この第1しきい値Ith1は、インジェクタ#1〜#4が閉弁状態を維持可能な電流範囲内の値に設定されている。
図4に示したスイッチング動作では、トランジスタQ6をオンした後、ソレノイドL2に流れる電流が第1しきい値Ith1に達した時にトランジスタQ6をオフする。トランジスタQ6をオフすると、ソレノイドL2に流れていた電流がダイオードD2を通してコンデンサ4に還流し昇圧作用が生じる。トランジスタQ6をオフした時点から一定時間が経過すると、再びトランジスタQ6をオンする。この一定時間は、ソレノイドL1〜L4に流れる電流が第1しきい値Ith1からゼロ(第2しきい値Ith2に相当)に低下するのに要する時間、またはその時間にマージンを加えた時間に等しく設定されている。
同様に、充電制御部17は、噴射信号IJT3がHレベルになる時刻t20から噴射信号IJT4がHレベルになる時刻t30までの間、インジェクタ#3が含まれていないグループAに属する何れか1つのインジェクタ#1のソレノイドL1を用いて充電制御を行う。すなわち、充電制御部17は、充電信号S1がHレベルになる時刻t20から時刻t30までの間、グループAの電源供給スイッチであるトランジスタQ3をオンする。電流制御部22は、ソレノイドL1に流れる電流が第1しきい値Ith1に達した時にトランジスタQ5をオフし、ソレノイドL1に流れる電流がゼロになった後に再びトランジスタQ5をオンする。
以降、噴射信号IJT4がHレベルになる時刻t30から噴射信号IJT2がHレベルになる時刻t40までの間、インジェクタ#3のソレノイドL3を用いて充電制御を行う。噴射信号IJT2がHレベルになる時刻t40から噴射信号IJT1がHレベルになる時刻t50までの間、インジェクタ#4のソレノイドL4を用いて充電制御を行う。このように、噴射を休止しているインジェクタのソレノイドを利用することにより、バッテリ電圧VBを昇圧し、コンデンサ4を充電することができる。
充電制御によるコンデンサ4への充電ネルギーを概算する。インジェクタ#nのソレノイドLnのインダクタンスを、昇圧回路3のコイル12のインダクタンスの1/2と仮定する。ソレノイドLnに流す電流とコイル12に流す電流が等しいとすれば、充電制御の1回のスイッチングによる充電ネルギーは、昇圧回路3の1回のスイッチングによる充電ネルギーの1/2になる。インダクタンスが1/2であるため、1回の昇圧に要する時間は1/2になり、単位時間当たりの充電ネルギーで比較すると両者は等しくなる。
しかし、インジェクタ#nを閉弁状態に維持するため、ソレノイドLnに流せる電流は第1しきい値Ith1以下に制限される。そこで、ソレノイドLnに流す電流をコイル12に流す電流の1/4と仮定すれば、充電制御の1回のスイッチングによる充電ネルギーは、昇圧回路3の1回のスイッチングによる充電ネルギーの1/32になる。1回の昇圧に要する時間は1/8になるので、単位時間当たりの充電ネルギーで比較すると、充電制御による充電ネルギーは、昇圧回路3による充電ネルギーの1/4になる。すなわち、充電制御を行えば、昇圧回路3の充電負担を約25%軽減することができる。
なお、従来構成と同様に、噴射信号IJTnがHレベルからLレベルに変化した時に、ソレノイドLnに流れていた電流がダイオードDnを介して還流することによりエネルギーの回収を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、インジェクタ#1〜#4に燃料を噴射させる噴射制御に加え、噴射制御するインジェクタが含まれていないグループに属するインジェクタ#nのソレノイドLnを用いて充電制御を実行する。グループごとに設けられた放電スイッチ5と電源供給スイッチ6は互いに独立しているので、充電制御と噴射制御との干渉が生じることはない。
充電制御においてソレノイドLnに流す電流は、閉弁状態を維持可能な範囲内の電流であるため、インジェクタ#nを噴射動作させることはない。充電制御を行うことにより、噴射動作に関与しないソレノイドLnと駆動回路(放電スイッチ5、電源供給スイッチ6、気筒選択スイッチ7)と還流回路9を用いて充電動作を行わせることができる。これにより、昇圧回路3に流れる電流が減少し、トランジスタQdに生じる損失が低減するので、トランジスタQdに使用する放熱板のサイズを小型化できる。また、インジェクタ駆動装置1の温度上昇を抑えることができる。
昇圧回路3の充電負担が軽減する一方で充電制御による充電負担が生じることが懸念されるが、これに伴う損失はトランジスタQ1〜Q8に分散して生じるので、トランジスタQ1〜Q8に使用する放熱板の増大は殆ど必要ない。従って、インジェクタ駆動装置1の全体サイズを従来よりも低減することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。図5に示すように、制御回路31は、噴射制御部16と充電制御部32とから構成されている。本実施形態では、異なるグループに属するインジェクタの噴射時期が互いに重なる重なり期間が存在する。図6に示す例では、インジェクタ#1と#3の噴射時期およびインジェクタ#3と#4の噴射時期がそれぞれ重なりを有している。インジェクタ#4と#2の噴射時期およびインジェクタ#2と#1の噴射時期が重なる場合もある。
充電制御部32は、噴射信号IJT1がHレベルになる時刻t10から、インジェクタ#1が含まれていないグループBに属するインジェクタ#2のソレノイドL2を用いて充電制御を開始する。時刻t20で噴射信号IJT3がHレベルになると、充電信号S2がLレベルになるのでソレノイドL2を用いた充電制御を終了する。噴射制御部16は、続く時刻t20から時刻t21までの期間、グループAのインジェクタ#1とグループBのインジェクタ#3を同時に噴射動作させる。充電制御部32は、噴射制御と充電制御との干渉を避けるため充電制御を停止する。
充電制御部32は、図2に示した充電制御部17の構成に加え、重なり期間に対応して充電信号S1〜S4を制限するため、NANDゲート33〜36を用いてマスク信号を生成し、ANDゲート37〜40を用いてマスク処理している。例えば、噴射信号IJT1とIJT3がともHレベルになる時刻t20から時刻t21の期間では、RS−F/F18の出力にかかわらず充電信号S1をLレベルにするため、噴射信号IJT1とIJT3のNAND信号によりマスク信号を生成している。
また、噴射信号IJT3とIJT4がともHレベルになる時刻t30から時刻t31の期間では、RS−F/F20の出力にかかわらず充電信号S3をLレベルにするため、噴射信号IJT3とIJT4のNAND信号によりマスク信号を生成している。他の重なり期間についても同様にしてマスク信号を生成する。なお、NANDゲート33〜36に替えて、それぞれ噴射信号IJT1〜IJT4を入力とするインバータを備えてもよい。
本実施形態によれば、ソレノイドを用いた充電制御を実行中のインジェクタまたはそのインジェクタと同じグループに属する他のインジェクタに噴射指令が与えられた時、充電制御を実行していたインジェクタのソレノイドを用いた充電制御を停止する。また、インジェクタの噴射制御が終了するまでの間、そのインジェクタのソレノイドを用いた充電制御を停止する。
これにより、複数の気筒に対し同時に燃料噴射を行う場合、すなわち噴射時期が重なる場合でも、噴射制御と充電制御との相互干渉を避けることができる。その他、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。図7に示すように、制御回路41は、噴射制御部16と充電制御部42とから構成されている。図示しない昇圧制御部は、バッテリ電圧VBの印加時から昇圧回路3への昇圧パルスの出力を開始する。充電制御部42は、バッテリ電圧VBの印加時(入力電源の投入開始時)から噴射制御を開始するまでの間も充電制御を実行する。
充電制御部42は、図5に示した充電制御部32の構成に対し、さらにパワーオンリセット回路43、ORゲート44およびRS−F/F45を備えている。パワーオンリセット回路43は、抵抗46とコンデンサ47との直列回路とコンパレータ48とから構成されている。図8に示すように、コンデンサ47の電圧がしきい値Vthを超えると、コンパレータ48の出力信号がHレベルになりRS−F/F45がセットされる。
RS−F/F45から出力される充電信号S0がHレベルになると、電流制御部22は、グループA、Bからそれぞれ1つずつ選択されたインジェクタ#4、#2のソレノイドL4、L2を用いて充電制御を開始する(時刻t2)。その後、噴射信号IJT1〜IJT4の何れかがHレベルになると、ORゲート44の出力信号によりRS−F/F45がリセットされ、充電信号S0がLレベルになる(時刻t3)。これ以降、充電制御部42は、上述した実施形態で説明したように充電信号S1〜S4に従って充電制御を実行する。本実施形態によれば、噴射信号IJT1〜IJT4が入力されていない期間であっても充電制御が可能となる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
各実施形態では4気筒の場合を説明したが、6気筒以上の場合でも同様に適用できる。6気筒以上の場合には、1つの駆動回路グループに属するインジェクタの数を3以上(m≧3)にしてもよい。
複数のインジェクタをmずつの駆動回路グループに分けることなく、インジェクタごとに放電スイッチと電源供給スイッチと気筒選択スイッチを備えてもよい。
第2しきい値Ith2をゼロとしたが、第2しきい値Ith2は、第1しきい値Ith1よりも低く設定されていればゼロに限られない。
図面中、1はインジェクタ駆動装置、2、31、41は制御回路(制御手段)、4はコンデンサ、5は放電スイッチ、6は電源供給スイッチ、7は気筒選択スイッチ、8は電流検出回路(電流検出手段)、#1〜#4はインジェクタ、D1〜D4はダイオード(還流回路)、L1〜L4はソレノイドである。

Claims (4)

  1. ソレノイド(L1〜L4)を備えた複数のインジェクタ(#1〜#4)を駆動するインジェクタ駆動装置において、
    コンデンサ(4)と、
    前記コンデンサと前記各ソレノイドとの間に設けられた放電スイッチ(5)と、
    入力電源と前記各ソレノイドとの間に設けられた電源供給スイッチ(6)と、
    前記各ソレノイドとグランドとの間にそれぞれ設けられた気筒選択スイッチ(7)と、
    前記ソレノイドへの電源供給経路が遮断された時に当該ソレノイドに流れていた電流を前記コンデンサに還流させる還流回路(D1〜D4)と、
    噴射対象とされたインジェクタのソレノイドと直列に設けられた前記放電スイッチ、前記電源供給スイッチおよび前記気筒選択スイッチをオンする噴射制御に加え、非噴射対象とされたインジェクタのソレノイドであって前記噴射制御によりオンする放電スイッチおよび電源供給スイッチに非接続のソレノイドと直列に設けられた前記電源供給スイッチをオンするとともに、当該インジェクタを非噴射状態に維持可能な電流範囲内で当該ソレノイドと直列に設けられた前記気筒選択スイッチをオンとオフとの間で繰り返し切り替える充電制御を実行する制御手段(2)とを備え
    前記制御手段は、前記非噴射対象とされたインジェクタのソレノイドを用いた充電制御の実行中に、当該インジェクタまたは一端が当該ソレノイドと共通に接続されたソレノイドを持つ他のインジェクタが噴射対象とされた時、前記非噴射対象とされていたインジェクタのソレノイドを用いた充電制御を停止することを特徴とするインジェクタ駆動装置。
  2. 前記複数のインジェクタは、同時に噴射対象とされることがないm(m≧2)ずつのインジェクタからなる駆動回路グループに分けられ、各駆動回路グループに属するインジェクタのソレノイドは、一端が共通に接続されるとともに、共通に設けられた前記放電スイッチおよび前記電源供給スイッチと直列に接続されており、
    前記制御手段は、噴射対象とされたインジェクタが含まれていない前記駆動回路グループに属するインジェクタのうち1つのインジェクタのソレノイドを用いて前記充電制御を実行することを特徴とする請求項1記載のインジェクタ駆動装置。
  3. 前記ソレノイドに流れる電流を検出する電流検出手段(8)を備え、
    前記制御手段は、前記充電制御を行うソレノイドと直列に設けられた前記気筒選択スイッチをオンした後、当該ソレノイドに流れる電流が当該インジェクタを非噴射状態に維持可能な電流範囲内に設定された第1しきい値に達した時に前記気筒選択スイッチをオフし、その後、当該ソレノイドに流れる電流が前記第1しきい値よりも低い第2しきい値以下に低下した後に前記気筒選択スイッチをオンするスイッチング動作を繰り返すことにより、前記充電制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のインジェクタ駆動装置。
  4. 前記制御手段は、前記入力電源の投入開始時から前記噴射制御を開始するまでの間についても前記充電制御を実行することを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のインジェクタ駆動装置。
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