JP5990291B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents

感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関し、詳しくは、硬化物に摩擦痕が生じにくい感光性樹脂組成物、該組成物を塗布乾燥してなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板に関する。
感光性樹脂組成物をプリント配線板等の基材に塗布して光硬化することにより、ソルダーレジスト等の絶縁層として用いることが広く行われている(例えば特許文献1)。光硬化性組成物が、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光素子が実装されるプリント配線板の絶縁層として利用される場合は、光を有効利用できるように、高反射率である白色の感光性樹脂組成物として構成されることが多い(例えば特許文献2)。
特開2005−311233号公報 特開2010−160471号公報
プリント配線板や電子機器の製造時における、プリント配線板の積み重ねやプリント配線板と搬送ロールとの接触等によって、プリント配線板に設けたソルダーレジスト等の絶縁層が銅等の金属と接触する場合がある。また、フレキシブル配線板に設けたソルダーレジストの場合、電子機器内に部品を搭載する際に金属に巻き付ける場合もある。高反射率の白色ソルダーレジストを得るために酸化チタンを高充填すると、このような製造時もしくは実用時における金属との接触によって、ソルダーレジストに摩擦痕が生じてしまうという課題があることがわかった。
そこで本発明の目的は、硬化物に摩擦痕が生じにくい感光性樹脂組成物、該組成物を塗布乾燥してなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートを感光性樹脂組成物に含有させることによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、および、(D)酸化チタンを含むことを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が1,500〜200,000であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、金属水酸化物、および、リン系化合物の少なくとも何れか1種を含むことが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物をフィルムに塗布乾燥してなることを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムを硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明により、解像性、硬化物の折り曲げ性に優れ、硬化物に摩擦痕が生じにくい感光性樹脂組成物、該組成物を塗布乾燥してなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレート(以下、単に「(B)ウレタン(メタ)アクリレート」とも称する)、(C)光重合開始剤、および、(D)酸化チタンを含むことを特徴とするものである。硬化物に生じる摩擦痕は、酸化チタンの硬度が高いために、金属との摩擦によってソルダーレジスト表面に露出した酸化チタンに削られた金属が、ソルダーレジスト表面に付着したものであると考えられる。本発明においては、(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートの配合によって、硬化物の表面硬度が向上し、摩擦による酸化チタンの露出が低減したために、摩擦痕が生じにくい(以下、「耐スクラッチ性に優れる」とも言う)と考えられる。尚、表面硬度を向上させる他の手段としては、光重合開始剤や光重合性モノマーの配合量を増量することが考えられるが、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化物は、これらの手段では悪化しうる解像性や硬化物の折り曲げ性にも優れる。また、酸化チタンを高充填すると光沢度が低下するが、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化物は光沢度も良好である。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、本明細書における他の類似の表現についても同様である。以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)カルボキシル基含有樹脂]
上記(A)カルボキシル基含有樹脂としては、公知のカルボキシル基を含む樹脂を用いることができる。カルボキシル基の存在により、樹脂組成物をアルカリ現像性とすることができる。また、本発明の感光性樹脂組成物を光硬化性にすることや耐現像性の観点から、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和結合を有することが好ましいが、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを(A)成分として用いることもできる。エチレン性不飽和二重結合としては、アクリル酸もしくはメタアクリル酸またはそれらの誘導体由来のものが好ましい。(A)カルボキシル基含有樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)後述するような多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。ここで、多官能エポキシ樹脂は、固形でもよく液状でも良い。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。ここで、2官能エポキシ樹脂は、固形でもよく液状でも良い。
(9)後述するような多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、(A)カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が望ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g以上の場合、塗膜の密着性が良好であり、また、アルカリ現像が良好となる。一方、酸価が200mgKOH/g以下の場合、現像液による露光部の溶解を抑制し、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離したりすることを抑制し、良好にレジストパターンを描画することができる。
また、(A)カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合、タックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良好で、現像時に膜減りを抑制し、解像度の低下を抑制できる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性が良好となり、貯蔵安定性にも優れる。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
上記のカルボキシル基含有樹脂の中でも、上記樹脂の合成に用いられる多官能エポキシ樹脂が、ビスフェノールA構造、ビスフェノールF構造、ビフェノール構造、ビスフェノールノボラック構造、ビスキシレノール構造、およびビフェニルノボラック構造からなる群から選ばれる部分構造を有する多官能エポキシ樹脂またはその水添化合物である場合、またはウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂の場合、得られる硬化物の低反り、折り曲げ耐性の観点から好ましい。
また、ウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂の中でも、イソシアネート基を有する成分(ジイソシアネートも含む)として、イソシアネート基が直接ベンゼン環に結合していないジイソシアネートを用いて得られるカルボキシル基含有ウレタン樹脂が、黄変がなく、隠蔽性に有効で、かつ紫外線吸収が少ないため、アルカリ現像性組成物とした際に解像性に優れる特徴があり、好ましい。
(A)カルボキシル基含有樹脂の配合量は、固形分換算で、全組成物中に、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。5質量%以上の場合、塗膜強度が良好となる。一方、60質量%以下の場合、組成物の粘性が高くなりすぎず、塗布性等が良好となる。
[(B)ウレタン(メタ)アクリレート]
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートを含有する。ここで言う官能基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味する。官能基数は、6〜15が好ましい。上記範囲の場合、塗膜の折り曲げ性と解像性を両立することが出来、また、スクラッチ耐性により優れる。
(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、1,500〜200,000であることが好ましい。上記範囲の場合、硬化部の耐現像性と未硬化部の現像性を両立することができ、また、スクラッチ耐性により優れる。より好ましくは、1,500〜40,000である。
(B)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、根上工業社製アートレジンUN−3320HA、UN−3320HABA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、UN−904、UN−901T、UN−905、UN−952、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL220、5129、8301、ダイセル・オルネクス社製KRM8200、8200AE、8452、サートマー社製CN968、975、新中村化学工業社製U−6LPA、U−10HA、U−10PA、UA−1100H、U−15HA、UA−53H、UA−33H等を使用することができる。(B)ウレタン(メタ)アクリレートは、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)ウレタン(メタ)アクリレートの配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましい。上記範囲の場合、硬化部の耐現像性と未硬化部の現像性のコントラストを保つことができ、解像性に優れる。また、光沢性により優れる。より好ましくは、10〜150質量部である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、(B)ウレタン(メタ)アクリレート以外にも、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(光重合性モノマー)を含有してもよい。
(B)ウレタン(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を含まないことが好ましい。
[(C)光重合開始剤]
本発明の感光性樹脂組成物は(C)光重合開始剤を含有する。(C)光重合開始剤としては、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を好適に使用することができる。上記オキシムエステル系光重合開始剤は、添加量が少なくて済み、アウトガスが抑えられるため、PCT耐性やクラック耐性に効果があり好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、ADEKA社製N−1919、NCI−831等が挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、カルバゾール構造を有する化合物が特に好ましい。
このようなオキシムエステル系光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.25〜5質量部とすることがより好ましい。0.01〜10質量部とすることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性等の耐薬品性にも優れる硬化膜を得ることができる。特に、5質量部以下であると、塗膜表面での光吸収が激しくなることによる深部硬化性の低下を抑えることができる。
アルキルフェノン系光重合開始剤の市販品としてはBASFジャパン社製イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー2959、イルガキュアー127等のα―ヒドロキシアルキルフェノンタイプが挙げられる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、BASFジャパン社製のイルガキュアー819等が挙げられる。
これらα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.1〜25質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。0.1〜25質量部であることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性等の耐薬品性にも優れる硬化膜を得ることができる。特に、25質量部以下であると、アウトガスの低減効果が得られ、さらに塗膜表面で光吸収が激しくなることによる深部硬化性の低下を抑えることができる。
また、光重合開始剤としてはBASFジャパン製のイルガキュアー389も好適に用いることが出来る。イルガキュアー389の好適な配合量は、上記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部であり、さらに好適には、1〜15質量部である。
そして、イルガキュアー784等のチタノセン系光重合開始剤も好適に用いることが出来る。チタノセン系光重合開始剤の好適な配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、さらに好適な配合量は、0.01〜3質量部である。
これらの光重合開始剤を好適な配合量とすることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性等の耐薬品性にも優れた硬化物を得ることができる。また、好適な配合量の場合、アウトガスの低減効果が得られ、さらに塗膜表面で光吸収が激しくなることによる深部硬化性の低下を抑えることができる。
上記感光性樹脂組成物は、光重合開始剤の他に、光開始助剤、増感剤を用いることができる。感光性樹脂組成物に好適に用いることができる光重合開始剤、光開始助剤および増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物等を挙げることができる。
これらの光重合開始剤、光開始助剤および増感剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような光重合開始剤、光開始助剤および増感剤の総量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部以下であると、これらの光吸収により深部硬化性が低下することを抑制できる。
[(D)酸化チタン]
(D)酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、ルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、感光性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板の絶縁層において白色顔料として用いられた場合に、高反射率を長期にわたり維持することができる。
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造法により製造されたものも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、溶液を加水分解することにより水酸化物の沈殿物を得、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。一方、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。その中で、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、本発明においてより好適に用いられる。
これらの酸化チタンの中でも、表面が含水アルミナまたは水酸化アルミニウムで処理された酸化チタンを用いることが、組成物中での分散性、保存安定性、難燃性の観点から特に好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物により形成される硬化物は、Y値が65以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。
(D)酸化チタンの配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは30〜300質量部、より好ましくは50〜250質量部である。(D)酸化チタンは、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化チタン以外の他の着色剤を含有してもよい。
(D)酸化チタンは、シリカまたはアルミナで表面処理されたものでもよい。
シリカで表面処理された酸化チタンは、光に対する劣化を抑えることができる。アルミナで表面処理された酸化チタンは、硬化物の反射率をさらに向上させることができる。シリカまたはアルミナで表面処理された酸化チタンは、アナターゼ型もルチル型も用いることができるが、ルチル型が好ましい。また、ルチル型酸化チタンの中でも塩素法で製造したものが、樹脂の劣化をさらに抑えるので特に好ましい。
シリカまたはアルミナで表面処理された酸化チタンとしては、タイペークR−930、タイペークR−630、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークUT771、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−550、タイペークR−780、タイペークR−780−2、タイペークR−850、タイペークR−855、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−90、タイペークCR−90−2、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−953、タイペークCR−63、タイペークCR−85(石原産業社製)、タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(デュポン社製)、TITON R−25、TITON R−21、TITON R−32、TITON R−7E、TITON R−5N、TITON R−61N、TITON R−62N、TITON R−42、TITON R−45M、TITON R−44、TITON R−49S、TITON GTR−100、TITON GTR−300、TITON D−918、TITON TCR−29、TITON TCR−52、TITON FTR−700(堺化学工業社製)、TITANIX JR−300、TITANIX JR−403、TITANIX JR−405、TITANIX JR−600A、TITANIX JR−600E、TITANIX JR−602、TITANIX JR−602S、TITANIX JR−603、TITANIX JR−805(テイカ社製)等を使用することができる。
なお、アナターゼ型酸化チタンとしては、タイペークA−220(石原産業社製)、TITANIX JA−4(テイカ社製)などが挙げられる。
アルミナで表面処理された酸化チタンは、アルミナで表面処理した上にさらに別の表面処理をすることもできる。特に、アルミナで表面処理した上にジルコニアでさらに表面処理することで、反射率を一層向上させることができる。
上記酸化チタンの中で、アルミナで表面処理した上にジルコニアで表面処理した酸化チタンとしては、タイペークCR−57、タイペークCR−97、タイペークCR−67(石原産業社製)、R−61N、GTR−100、GTR−300(堺化学工業社製)、TITANIX JR−603(テイカ社製)が挙げられる。
(難燃剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、得られる硬化物の難燃性の向上を目的に慣用公知の難燃剤を含有することが好ましい。環境に対する観点から、ハロゲンを含まない難燃剤が好ましい。難燃剤としては、例えば、リン含有化合物や、樹脂組成物に難燃性を付与する無機フィラーである水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類およびベーマイト等を配合してもよい。難燃剤の中でも、リン含有化合物と金属水酸化物が好ましい。難燃剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
リン含有化合物としては、有機リン系難燃剤として公知のものが挙げられる。そのような有機リン系難燃剤のうち好適なものとしては、リン酸エステルおよび縮合リン酸エステル、リン元素含有(メタ)アクリレート、フェノール性水酸基を有するリン含有化合物、環状フォスファゼン化合物、ホスファゼンオリゴマー、ホスフィン酸金属塩、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005990291
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示す。)
上記一般式(I)中、R、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、Rは、水素原子、シアノ基で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、2,5−ジヒドロキシフェニル基、または3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
上記一般式(I)で表されるリン含有化合物の市販品としては、HCA、SANKO−220、M−ESTER、HCA−HQ(いずれも三光社の商品名)等がある。
リン元素含有(メタ)アクリレートは、リン元素を有しており、且つ、分子中に複数の(メタ)アクリロイル基を有する化合物がよく、具体的には、上記一般式(I)におけるRとRが水素原子であり、Rが(メタ)アクリレート誘導体である化合物が挙げられる。一般に9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドと公知慣用の多官能(メタ)アクリレートモノマーとのマイケル付加反応により合成することができる。
上記の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物もしくはカプロラクトン付加物等の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;および上記ポリアルコール類のウレタンアクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの多価アクリレート類;およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有するリン含有化合物は、疎水性、耐熱性が高く、加水分解による電気特性の低下が無く、はんだ耐熱性が高い。また、好適な組み合わせとして、熱硬化性樹脂のうちエポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ基と反応しネットワークに取り込まれるので硬化後にブリードアウトすることが無いという利点が得られる。フェノール性水酸基を有するリン含有化合物のうち、好ましいものとしては、上記一般式(I)中、Rが、水酸基で置換されたフェニル基であるものが挙げられる。市販品としては、三光社製HCA−HQ等がある。
オリゴマーもしくはポリマーであるリン含有化合物は、アルキル鎖の影響により折り曲げ性の低下が少なく、また分子量が大きいため硬化後のブリードアウトが無いという利点が得られる。市販品としては、三光社製M−Ester−HP、東洋紡社製リン含有バイロン337等がある。
ホスファゼンオリゴマーとしては、フェノキシホスファゼン化合物が有効であり、置換もしくは無置換フェノキシホスファゼンオリゴマーまたは3量体、4量体、5量体の環状物があり、液状や固体粉末のものがあるが、いずれも好適に使用することができる。市販品としては、伏見製薬所社製FP−100、FP−300、FP−390等がある。この中でも、アルキル基もしくは水酸基やシアノ基等の極性基で置換されたフェノキシホスファゼンオリゴマーが、カルボキシル基含有樹脂への溶解性が高く、多量に添加しても再結晶等の不具合がないため好ましい。
また他のホスファゼンオリゴマーとして、下記一般式(II)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種と、アクリレート化合物とを反応して得られる、分子内に1以上の(メタ)アクリレートを含有する化合物である。
Figure 0005990291
上記一般式(II)中のR、Rで表される炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルケニル基、シクロアルキル基、フェニル基が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基、ヘキシル基等、炭素原子数1〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6の炭化水素基は分岐および置換の何れか一方がされていてもよい。
上記リン元素含有ジカルボン酸またはその無水物の例としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとイタコン酸とを反応させて得られる化合物およびその無水物等が挙げられる。
上記アクリレート化合物としては、上記ジカルボン酸またはその無水物の、カルボキシル基またはカルボン酸無水物と反応する官能基を有するアクリレート化合物が好ましい。かかる反応によってアクリレート残基を付加することができる。そのようなアクリレート化合物は、分子内に1つの(メタ)アクリレート基を含有する単官能アクリレートでも、分子内に2以上の(メタ)アクリレート基を含有する多官能アクリレートでもよい。上記官能基としては、エポキシ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。エポキシ基を有するアクリレート化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2,3−エポキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有するアクリレート化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。アミノ基を有するアクリレート化合物としては、ジエチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。上記官能基の中でも、エポキシ基、水酸基がより好ましい。
上記官能基で付加する反応方法は、従来公知の反応方法を用いることができる。
上記ホスファゼンオリゴマーの例としては、上記例のように合成した一般式(II)のリン元素含有ジカルボン酸と、グリシジルメタクリレートとを反応して得られる1または2官能のホスファゼンオリゴマーや、一般式(II)のリン元素含有ジカルボン酸とヒドロキシ(メタ)アクリレートおよび必要に応じてジアルコールを反応して得られる2官能のホスファゼンオリゴマー等が挙げられる。
上記一般式(II)で表されるリン元素含有ジカルボン酸またはその無水物に対する上記アクリレート化合物の添加量は特に限定されないが、上記ホスファゼンオリゴマーのリン濃度が2〜7%の範囲になるように調整して、アクリレート化合物にすることが好ましい。
上記一般式(II)で表されるリン元素含有ジカルボン酸またはその無水物を用いることで容易に両末端をアクリレート化したホスファゼンオリゴマーを得ることができる。このようにして得られた末端アクリレート化したホスファゼンオリゴマーを用いることで、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時におけるブリードアウトの発生がない難燃性被膜を得ることのできる優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。
上記ホスファゼンオリゴマーは2官能のリン元素含有アクリレートであることが、可撓性と低反り性の観点から好ましい。ホスファゼンオリゴマーが2官能の場合、耐熱性が良好となり、可撓性の低下も抑制できる。
また、上記ホスファゼンオリゴマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、ホスフィン酸金属塩を用いることにより、硬化被膜の柔軟性を損なわず難燃性を向上させることができる。このような耐熱性に優れるホスフィン酸金属塩を用いることで実装時の熱プレスにおいて難燃剤のブリードアウトを抑えることができる。
ホスフィン酸金属塩を構成するホスフィン酸の具体例としては、ホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
ホスフィン酸塩を構成する金属成分としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ビスマス、マンガン、ナトリウム、カリウムが挙げられる。好ましくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛である。
ホスフィン酸金属塩の市販品としては、クラリアント社製のEXOLIT OP 930、EXOLIT OP 935等が挙げられる。
リン含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。リン含有化合物の配合量は、上記(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、5〜150質量部、好ましくは10〜100質量部である。150質量部以下の場合、得られる硬化被膜の折り曲げ特性等が良好となる。
金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウムなど、加熱により分解し難燃性を発揮することのできるものを用いることが出来る。その中でも特に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好適に用いることができる。
水酸化アルミニウムは、表面未処理のものであってもよく、ビニル基またはエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、ステアリン酸、オレイン酸、リン酸エステル等により表面処理したもの等を使用してもよい。水酸化アルミニウムの市販品としては、昭和電工社製のハイジライトH−42、H−42M、H−42S、H−42T、H−42ST−V、H−42ST−E、H−42I、H−43、H−43M、H−43S、日本軽金属社製のB1403、B1403ST、B1403T等が挙げられる。
水酸化マグネシウムとしては、天然物であっても合成物であってもよく、また、表面未処理のものであってもよく、ビニル基またはエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、ステアリン酸、オレイン酸、リン酸エステル等により表面処理したもの等を使用してもよい。水酸化マグネシウムの市販品としては、協和化学社製キスマ5A、キスマ5B、キスマ5E、キスマ5J、キスマ5P、キスマ5L、アルベマール社製MagnifinH5、MagnifinH7、MagnifinH10等が挙げられる。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃性を付与する無機フィラーの配合量は、上記(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下、より好ましくは0.1〜300質量部、特に好ましくは、0.1〜150質量部である。フィラーの配合量が、500質量部以下の場合、感光性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、印刷性が良好であり、硬化物が脆くなりにくくなる。
難燃性を付与する無機フィラーの平均粒径(d50)は、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。平均粒径を30μm以下とすることにより、摩擦痕をより生じにくくすることができる。平均粒径(d50)の下限値としては、例えば、0.05μm以上である。平均粒径(d50)は、レーザー回折/散乱法により測定することができる。
(熱硬化成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、熱硬化成分を配合することが好ましい。熱硬化成分を加えることにより耐熱性が向上することが期待できる。熱硬化成分としては、公知のものをいずれも用いることができる。例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化成分を使用できる。特に好ましいのは、分子中に複数の環状エーテル基または環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化成分である。熱硬化成分は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基を複数有する化合物であり、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、エポキシ化植物油;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂;チオエーテル型エポキシ樹脂;ブロム化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;ジグリシジルフタレート樹脂;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体;CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
分子中に複数の環状チオエーテル基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂等も用いることができる。このような分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基1当量に対して、0.6〜2.5当量が好ましい。配合量が0.6当量以上である場合、硬化物にカルボキシル基が残りにくく、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性等が良好である。一方、2.5当量以下の場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存しにくく、塗膜の強度等が良好である。より好ましくは、0.8〜2.0当量である。
メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂としては、メチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物等が挙げられる。
イソシアネート化合物として、ポリイソシアネート化合物を配合することができる。ポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;並びに先に挙げたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いることができる。イソシアネートブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール系ブロック剤;ラクタム系ブロック剤;活性メチレン系ブロック剤;アルコール系ブロック剤;オキシム系ブロック剤;メルカプタン系ブロック剤;酸アミド系ブロック剤;イミド系ブロック剤;アミン系ブロック剤;イミダゾール系ブロック剤;イミン系ブロック剤等が挙げられる。
このようなポリイソシアネート化合物またはブロックイソシアネート化合物の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。配合量が1質量部以上の場合、十分な塗膜の強靭性が得られる。一方、100質量以下の場合、保存安定性が良好である。より好ましくは、2〜70質量部である。
(他の光重合性モノマー)
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)ウレタン(メタ)アクリレートおよび難燃剤として用いられ得るリン元素含有(メタ)アクリレート以外にも、他の光重合性モノマーを含有することができる。光重合性モノマーは、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、活性エネルギー線照射により、光硬化して、前記(A)カルボキシル基含有樹脂を、アルカリ水溶液に不溶化、または不溶化を助けるものである。
他の光重合性モノマーとして用いられる化合物としては、公知のものをいずれも用いることができる。例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物等の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール等のポリオールを直接アクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および/または上記アクリレートに対応する各メタクリレート類等が挙げられる。他の光重合性モノマーは、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(B)ウレタン(メタ)アクリレートおよび難燃剤として用いられ得るリン元素含有(メタ)アクリレートも含めた光重合性モノマーの総量は、前記(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜250質量部、より好ましくは、10〜200質量部である。10質量部以上の場合、光硬化性が良好であり、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が容易となる。一方、250質量部以下の場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が良好となり、解像性の低下を抑制できる。
(酸化防止剤)
高分子材料の多くは、一度酸化が始まると、次々と連鎖的に酸化劣化が起き、高分子素材の機能低下をもたらすことから、本発明の感光性樹脂組成物には酸化を防ぐために(1)発生したラジカルを無効化するようなラジカル補足剤および/または(2)発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤等の酸化防止剤を添加することができる。
ラジカル補足剤として働く酸化防止剤としては、具体的な化合物としては、ヒドロキノン、4−tert−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等のフェノール系、メタキノン、ベンゾキノン等のキノン系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、フェノチアジン等のアミン系化合物等があげられる。
ラジカル補足剤は市販のものであってもよく、例えば、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−20、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−87(以上、ADEKA社製、商品名)、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1135、TINUVIN 111FDL、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100(以上、BASFジャパン社製、商品名)等が挙げられる。過酸化物分解剤として働く酸化防止剤としては、具体的な化合物としてトリフェニルフォスファイト等のリン系化合物、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系化合物等が挙げられる。
過酸化物分解剤は市販のものであってもよく、例えば、アデカスタブTPP(ADEKA社製、商品名)、マークAO−412S(ADEKA社製、商品名)、スミライザーTPS(住友化学社製、商品名)等が挙げられる。
上記の酸化防止剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(有機溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調製のため、または基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等が挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等である。このような有機溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の任意成分)
本発明の感光性樹脂組成物は、加熱により組成物の硬化物のL表色系におけるb値を減少させる増白用添加剤を含有してよい。ここで、増白用添加剤とは、組成物の硬化物の白みを増して、変色していないように見せることができるものである。
ここで、本願明細書において、加熱により組成物の硬化物のb値を減少させるとは、組成物の硬化物を最初に加熱した際にb値が減少するとの意味であり、2回目以降の加熱を含まない。また、この場合の加熱温度とは、実質的には組成物をはんだで実装する際の温度であって、具体的には200℃以上、例えば、220〜370℃である。一般的なはんだリフロー工程は、約260℃で、1回のみ行われる。増白用添加剤では、組成物の硬化温度である約150℃程度の温度での加熱では、b値の減少は生じない。
増白用添加剤としては、ベンズオキサゾール系骨格を有するものを好適に用いることができ、中でも、下記式(I)、
Figure 0005990291
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、直鎖または分岐を有していてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を表す)で表される構造を有する化合物の1種以上を含むことが好ましい。特には、RおよびRがそれぞれ独立に炭素原子数4〜8のアルキル基であるものが好ましく、ブチル基またはオクチル基であるものがより好ましく、具体的には、下記式(I−1)〜(I−3)、
Figure 0005990291
(4,4’−[5−t−ブチル−2−ベンズオキサゾリル−4’−(5−t−オクチル−2−ベンズオキサゾリル)]スチルベン)
Figure 0005990291
(4,4’−ビス−[5−t−オクチル−2−ベンズオキサゾリル]スチルベン)
Figure 0005990291
(4,4’−ビス−[5−t−ブチル−2−ベンズオキサゾリル]スチルベン)
で示される化合物のうちのいずれか1種、または、2種以上、特には3種の混合物を好適に使用することができる。また、増白用添加剤としては、分解温度400℃以上のものが好適である。ここで、増白用添加剤の分解温度を400℃以上としている理由としては、リフロー工程において350℃前後で処理する仕様があり、その熱負荷により添加剤自体が分解することを防止するためである。分解温度の上限値については特に制限はないが、例えば、400℃〜600℃である。
上記増白用添加剤の配合量としては、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対し、0.01〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜40質量部である。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、表面処理が施された光励起性無機充填剤を含んでもよい。表面処理が施された光励起性無機充填剤とは、光励起性無機充填剤に、無機成分や酸性液体による表面処理が施されたものである。表面処理が施された光励起性無機充填剤を用い、さらに、後述のpHに係る条件を満足することによって、その硬化塗膜において高反射率を実現することができる。光励起性無機充填剤として表面処理が施されたものを用いるのは、表面処理を施すことで光励起性無機充填剤の表面に不溶性または難溶性の反応生成物が形成されて、その表面の耐水性が飛躍的に向上し、水の存在する条件下においても、長期間にわたり高反射率を維持する効果が得られるものとなるためである。
光励起性無機充填剤としては、アルミン酸ストロンチウム、硫化亜鉛などが挙げられ、特に、アルミン酸ストロンチウムを好適に用いることができる。これら光励起性無機充填剤は1種のみを用いてもよく、または、2種以上を混合して用いてもよい。また、表面処理に用いる無機成分としては、シリカ(ガラス)、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。無機成分を用いた表面処理の方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
さらに、酸性液体としては、硝酸、塩酸、炭酸、硫酸、亜硫酸、ケイ酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、第1リン酸ソーダ、へキサメタリン酸ソーダ、酢酸、酪酸、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、サリチル酸、安息香酸、没食子酸、フェノール、ナフトエ酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタニル酸、タウリン、アスコルビン酸、シラノール酸、ホスホン酸、クロトン酸、マレイン酸、乳酸等の酸や、これら酸の塩類、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、および、酸無水物等の酸発生化合物のうちから選ばれる酸性化合物を用いることができ、中でも、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、第1リン酸ソーダ等のリン酸類およびこれらの塩類からなるリン酸系化合物、並びに、硫酸を用いることが好ましく、リン酸系化合物が特に好ましい。無機成分および酸性液体は、いずれか1種を単独で、または、2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
ここで、酸性液体による表面処理は、上記酸性液体を用いて、pH3以下の条件下で行うことができ、例えば、酸性液体を含有する水溶液に光励起性無機充填剤を浸漬する方法、酸性液体を含有する水溶液を光励起性無機充填剤に噴霧する方法、高湿度の雰囲気中で光励起性無機充填剤の表面に酸性液体を接触させる方法を挙げることができる。これらの方法のうちでも、酸性液体を含有する水溶液中に光励起性無機充填剤を浸漬する方法が、操作が簡単で効率よく反応を行うことができる点で好適である。
具体的にはまず、光励起性無機充填剤に対して、1〜1000質量倍程度、好ましくは2〜100質量倍程度、より好ましくは 3〜10質量倍程度の水を準備し、上記の酸性液体を0.01〜30質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%程度の濃度となるように溶解させる。この際、酸性液体の溶解能を調整することを目的として、上記水の一部を、メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の水溶性の有機溶剤に置き換えることも可能である。この場合の有機溶剤の使用量は、特に限定されず、光励起性無機充填剤の金属酸化物と、酸性液体との反応を阻害しない範囲であればよいが、通常は、使用する水の容量よりも少ない量とする。また、この水溶液中には、光励起性無機充填剤の分散性を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の種類や使用量等は、使用する光励起性無機充填剤の種類および量に応じて適宜調整することができる。
次に、酸性液体を含む水溶液に光励起性無機充填剤を添加し、攪拌により均一に分散させて、酸性液体と光励起性無機充填剤の金属酸化物とを反応させる。この際の処理温度については特に限定されないが、通常、液温を20℃程度以上、好ましくは50℃〜沸点未満の温度範囲とすることができ、処理時間は0.5〜120分間、好ましくは10〜60分間とすることができる。
上記酸性液体による表面処理後には、アルカリまたはアルカリ発生化合物から選ばれる少なくとも一種のアルカリ性化合物を用いて、アルカリ処理を施すことができる。アルカリ処理は、pH4〜9、好適にはpH4〜7の条件下で行われる。アルカリ処理を施すことで、上記酸性液体を用いた表面処理による光励起性無機充填剤の耐水性の耐久性が向上し、高温での長期間の使用においても、その耐水性が保持されるものとなる。これは、光励起性無機充填剤表面に形成された反応生成物が、アルカリ処理によってより強固なものに改質されることによるものと考えられる。アルカリ処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ストロンチウム、アンモニア等が用いられるが、好適には、水酸化ナトリウムを用いる。また、アルカリ発生化合物としては、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、へキサメタリン酸ソーダ、酢酸ソーダ、酸化ストロンチウム等が用いられるが、好適には、第三リン酸ソーダを用いる。さらに、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、グアニジン、ステアリルアミン、ピリジン等の有機アルカリ性化合物を使用することもできる。
アルカリ処理の手段については、特に制限されず、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、上記酸性液体による処理後に、上澄液を除去して、新たに適量の水を添加する。次に、ミキサー等で攪拌しながら上記アルカリ性化合物を徐々に添加して、pHを4〜9に調整することにより行うことができる。この際の処理温度については特に制限はないが、通常、液温を20℃程度以上、好適には、50℃〜沸点未満の温度範囲とする。処理時間は、通常0.5〜120分間、好適には10〜60分間とする。
上記アルカリ処理後に、上澄液を除去し、濾過、水洗した後、十分乾燥することによって、目的とする表面処理が施された光励起性無機充填剤を得ることができる。この際の乾燥条件は特に限定されないが、通常、20℃以上の温度で2時間以上乾燥すればよい。表面処理された光励起性無機充填剤は、必要に応じて、篩いにかけることにより、粉末状で得ることができる。このようにして得られた表面処理が施された光励起性無機充填剤は、40℃の水100gに対する溶解度が1g未満であり、耐熱性も有することから、非常に良好な耐水性を長期にわたり維持することができるものである。
また、表面処理が施された光励起性無機充填剤としては、光励起性無機充填剤10gをアセトン50g中に入れ、一次不溶成分を取り出し、その後、取り出した一次不溶成分をクロロホルム50g中に入れ、二次不溶成分を取り出し、さらにその後、取り出した二次不溶成分を純水10g中に入れ、30℃で1週間撹拌することにより得られる液体のpHの値が6〜12であることが、高反射率を得る点で好ましい。
光励起性無機充填剤の配合量としては、(A)カルボキシル基樹脂100質量部に対し、例えば、0.1〜500質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、熱硬化触媒、ウレタン化触媒、エポキシ硬化剤熱可塑性樹脂、ブロック共重合体、フィラー、バインダーポリマー、エラストマー、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱重合禁止剤等の成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。また、本発明の感光性樹脂組成物には、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤等のような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の回路パターンの保護層形成に有用であり、特に、永久絶縁被膜の形成に有用である。中でもソルダーレジストまたはカバーレイをはじめとする、最外層部に形成する材料として有用である。特に、LED等の発光素子が実装されるフレキシブルプリント配線板用のソルダーレジストまたはカバーレイの材料として有用である。本発明の感光性樹脂組成物で形成したソルダーレジストを備えるフレキシブルプリント配線板は、LED照明等の背面パネルに好適に用いることができる。なお、本発明の感光性樹脂組成物は、フレキシブルプリント配線板に用いるだけでなく、リジットプリント配線板に用いてよい。なお、本発明の感光性樹脂組成物は、ソルダーダムの形成に使用しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、キャリアフィルム(支持体)と、該キャリアフィルム上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。ドライフィルム化に際しては、本発明の感光性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に本発明の感光性樹脂組成物を成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐ等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば上記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により感光性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱硬化成分を含有する場合、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、上記(A)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、熱硬化成分が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行うことにより、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。また、接触式(または非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーどちらでもよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜100mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
以下に実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(カルボキシル基含有樹脂A−1の合成)
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、T5650J、数平均分子量800)を2400g(3モル)、ジメチロールプロピオン酸を603g(4.5モル)、およびモノヒドロキシル化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートを238g(2.6モル)投入した。次いで、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート1887g(8.5モル)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。固形分が70質量%となるようにカルビトールアセテートを添加した。得られたカルボキシル基含有樹脂の固形分の酸価は50mgKOH/gであった。得られたワニスを以下、カルボキシル基含有樹脂溶液A−1と称する。
(感光性樹脂組成物の調製)
下記表1に示す成分を、表中に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、感光性樹脂組成物を調製した。ここで得られた各感光性樹脂組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメーターによる粒度測定にて評価したところ、15μm以下であった。
Figure 0005990291
*1:ZFR−1401H(日本化薬社製;固形分量65%)
*2:UN−3320HA(根上工業社製;6官能のウレタンアクリレート)
*3:UN−904(根上工業社製;10官能のウレタンアクリレート)
*4:UN−3320HSBA(根上工業社製;15官能のウレタンアクリレート)
*5:UN−952(根上工業社製;10官能のウレタンアクリレート)
*6:UN−905(根上工業社製;15官能のウレタンアクリレート)
*7:EBECRYL8405(ダイセル・オルネクス社製;4官能のウレタンアクリレート)
*8:Larmer LR8863(BASFジャパン社製;ポリエーテル変性アクリレートオリゴマー)
*9:ルシリンTPO(BASFジャパン社製;アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤)
*10:イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン社製;オキシムエステル系光重合開始剤)
*11:タイペークCR−97(石原産業社製;ルチル型酸化チタン)
*12:フタロシアニンブルー
*13:HFA−6065E(昭和電工社製)
*14:エクソリットOP935(クラリアント社製)(平均粒径:2〜3μm)
*15:ハイジライトH−42M(昭和電工社製)(平均粒径:1μm)
*16:NC−3000H(日本化薬社製)
*17:YX−4000(三菱化学社製)
*18:KS−66(信越化学工業社製)
*19:Disperbyk−111(ビックケミー・ジャパン社製)
*20:メラミン粉砕品
*21:エロジール#974(エポック社製)
*22:ダワノールDPM(ダウケミカル社製)
<ウレタンアクリレートの分子量測定>
ウレタンアクリレートの重量平均分子量は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件を以下に示す。
装置:Waters 2695
カラム:Waters HPSgel HR MB−L(6.0mm×15cm) 2本およびWaters HPSgel HR 1.0(6.0mm×15cm) 2本
サンプル希釈方法:0.5質量%テトラヒドロフラン希釈
溶媒:テトラヒドロフラン
性能評価:
<スクラッチ耐性>
各実施例および比較例の組成物を、1.6mm銅べたFR−4基板に乾燥膜厚が20μmとなるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。その後、超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて、最適露光量で全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い、硬化塗膜を形成した評価サンプルを得た。得られた評価サンプルの上に18μmのポリイミドフィルムに35μmの銅箔を両面に張り付けた基板(両面銅張フレキ基板)を乗せ、さらにその上に直径12mmの円形で底面が平らな1kgの重りをのせた。この状態で両面銅張フレキ基板を平行に約10cmひっぱり、塗膜上に黒色痕が出来るかどうかを以下の基準で評価した。
○:黒色痕なし
△:幅1mm以下の黒色痕が存在
×:幅1mmを超える黒色痕または、幅1mm以下の複数の黒色痕が存在
<反射率>
各実施例および比較例の組成物を、1.6mm厚の銅べたFR−4基板にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。その後、超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて、最適露光量で全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い、硬化塗膜を形成した評価サンプルを得た。得られた評価サンプルについて、塗膜表面を分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング社製)にて、360〜740nmにおける反射率(%)を測定した。
<解像性>
各実施例および比較例の組成物を、1.6mm厚の銅べたFR−4基板に乾燥膜厚が20μmとなるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。この基板に超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて、最適露光量で遮光部分のライン幅が100μmのネガパターンを用いて露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。得られた評価サンプルの抜きのライン幅を光学顕微鏡にて計測し、以下の評価基準で評価した。
○:抜きのライン幅が70μm以上である
△:抜きのライン幅が50μm以上である
×:抜きのライン幅が50μm未満である
<光沢度>
各実施例および比較例の組成物を、1.6mm厚の銅べたFR−4基板にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。その後、超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて最適露光量で全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い、硬化塗膜を形成した評価サンプルを得た。得られた評価サンプルについて、マイクロトリグロス(ビック・ケミー・ジャパン社製)を用い、60度鏡面反射率を測定した。
<難燃性>
各実施例および比較例の組成物を、25μm厚のポリイミドフィルム(カプトン100H)にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分乾燥して室温まで放冷した。さらに裏面を同様にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分乾燥して室温まで放冷し両面塗布基板を得た。この基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストを全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。この難燃性評価用サンプルついて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0またはVTM−1と表した。
<折り曲げ性>
各実施例および比較例の組成物を、25μm厚のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトン100H)にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。その後、超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて最適露光量で全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い、硬化塗膜を形成した評価サンプルを得た。得られた評価サンプルについて、R=0.8mmのギャップを持たせた上で、180°の折り曲げを1回行い、その際の硬化塗膜におけるクラック発生状況を目視および光学顕微鏡(倍率×200)で観察し、以下の評価基準で評価した。
○:3回折り曲げてもクラックが発生しなかった
△:1回ではクラックが発生しなかったが、2回から3回折り曲げた場合にクラックが発生した
×:1回折り曲げたときにクラックが発生した
<電気特性>
実施例および比較例の組成物を、IPC B−25のクシ型電極Bクーポンを用い、スクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。その後、超高圧水銀灯(ショートアークランプ5KW)搭載のオフコンタクト露光装置を用いて最適露光量で全面露光し、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い、評価サンプルを得た。このクシ型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1,000時間後のマイグレーションの有無を確認し、以下の評価基準で評価した。
○:全く変化が認められないもの
△:ほんの僅か変化したもの
×:マイグレーションが発生しているもの
Figure 0005990291
*32:重量平均分子量4,900、官能基数10のウレタンアクリレートと、重量平均分子量50,000、官能基数15のウレタンアクリレート
上記表1、2に示す結果から、実施例の感光性樹脂組成物の場合、硬化物に摩擦痕が生じにくいことが分かる。一方、(B)官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートを含有しない比較例1、2は、硬化物に摩擦痕が生じやすいことが分かる。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基含有樹脂、
    (B)(メタ)アクリレートの官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレート、
    (C)光重合開始剤、および、
    (D)酸化チタン
    を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)(メタ)アクリレートの官能基数が6個以上のウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が1,500〜200,000であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. さらに、金属水酸化物、および、リン系化合物の少なくとも何れか1種を含むことを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布乾燥してなることを特徴とするドライフィルム。
  5. 請求項1〜3の何れか一項記載の感光性樹脂組成物、または、請求項4記載のドライフィルムを硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
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