JP5741898B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents

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Description

本発明は、主としてプリント配線板用、半導体パッケージ基板用、フレキシブル配線板用のソルダレジストに用いる感光性樹脂組成物とそれを用いた感光性エレメントに関する。
近年、デジタル機器の小型軽量化に伴い、プリント配線板、半導体パッケージ基板、フレキシブル配線板に形成する回路の微細化、高密度化が進んでいる。回路の微細化に伴い、回路を保護するためのソルダーレジストにも、現像性、高解像性、絶縁信頼性及びはんだ耐熱性、金めっき耐性等が厳しく要求されている。
また、配線の狭ピッチ化に伴って、回路間のソルダーレジスト埋め込み性が非常に重要な項目となっている。この埋め込み性が不十分であると、回路間に気泡が入り絶縁信頼性や熱衝撃信頼性といった各種信頼性の低下を招く可能性がある。更に接続端子間も狭ピッチ化し、ソルダーレジストの薄膜化に伴って、接続信頼性確保の為にソルダーレジストの表面平滑性が求められている。この表面平滑性を満足し、気泡無く微細配線間やスルーホール部分にソルダーレジストを埋め込む為には、ラミネートの際に樹脂成分が充分に流動する温度をソルダーレジストに加える必要がある。従ってラミネート温度は高いほうが好ましいが、高すぎた場合に現像残渣が発生しめっき析出不良等の問題を起こす場合がある。
感光性ソルダーレジストに求められる特性のうち、めっき耐性向上手法においては各種報告がなされており、主に塗膜と銅箔との密着性を高める為にキレート効果と水素結合効果を利用している。特に密着性向上剤としてジシアンジアミドを使用した報告例は多い(例えば、特許文献1参照)。しかしながらジシアンジアミドは水への溶解性が高い為、めっき浴の汚染性が懸念されている。また過度に添加した場合は現像残渣が発生する可能性があり、添加量に制限がある。
また、密着性向上剤としてメラミンが使用されるケースも多い。メラミンは多くの溶剤に難溶の為、3本ロールミル等で樹脂に練り込んで使用している。市販メラミンは凝集し、粒径が大きくなっており、3本ロールミルでは微細化は困難であり、その為に微細配線やソルダーレジストの薄膜化に対応できない。更にメラミンは熱水に可溶という特徴を持つ。従って、添加量が過剰、或いは架橋反応不足により感光層内に未反応で残留しているとめっき浴の汚染性が懸念される。また添加量が過剰な場合、感光層内で光を乱反射してしまい解像性が低下する恐れがある。
国際公開第07/043240号パンフレット
本発明は、密着性に優れるジシアンジアミド、メラミンを使用した際でも、それらの欠点が解消され、解像性、ラミネート温度裕度に優れ、且つめっき耐性、銅との密着性、塗膜性に優れた感光性樹脂組成物、及びそれを用いた感光性エレメントを提供することを目的とする。
本発明は[1] (a)成分:エチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂と、(b)成分:エチレン性不飽和基とトリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマーと、(c)成分:光重合開始剤と、(d)成分:エポキシ樹脂と、(e)成分:下記一般式(1)で表されるグアナミン誘導体と、(f)成分:メラミンと、(g)成分:ジシアンジアミドと、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(f)成分のメラミンを、(A)成分及び(B)成分の合計を100質量部とした際に、0.1質量部以上、10質量部未満含有する感光性樹脂組成物に関する。
Figure 0005741898
(上記一般式(1)中、Rは、NH以外の置換基であって、NHR 基{式中、R は、炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い(アルキル基の置換基))、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い(アルケニル基の置換基))を表わす}、NR 基{R 、R はそれぞれ独立して上記のNHR 基のR と同じ炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は上記のNHR 基のアルキル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は上記のNHR 基のアルケニル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)を表し、又はR とR が一緒になって、所望によりアルキレン鎖が1又は2個の炭素数1〜8のアルキル基により置換されている−(CH 2-5 −、−CH CH −(C 1-8 のアルキル)N−CH CH −又は−CH CH −O−CH CH −を形成して良い}、炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は上記のNHR 基のアルキル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は上記のNHR 基のアルケニル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)フェニル基{該フェニル基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されていても良い)で任意に置換されていても良い}、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基{該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}、又は炭素数1〜10のアルキルチオ基{該アルキルチオ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}を表わす。
また、本発明は、[2] 前記(f)成分のメラミンの最大粒径が、10μm以下である上記[1]記載の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3] 前記(b)成分が、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジオールジアクリレート及びトリシクロデカンジオールジメタクリレートからなる群から選択される1種以上である上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4] 前記(b)成分が、下記一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物に関する。
Figure 0005741898
Figure 0005741898
[一般式(2)又は一般式(3)中、R、Rは、直接結合、アルキレン、又はアリーレン基を示す。]
また、本発明は、[5] 前記一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する化合物が、トリシクロデカン構造を含むジオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物と、を反応させて得られるウレタン化合物である上記[4]記載の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[6] 前記ジイソシアネート化合物が、環構造を有するジイソシアネートである上記[4]又は[5]記載の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[7] 前記分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物が、エチレン性不飽和基を分子中に3個有する化合物である上記[5]又は[6]記載の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[8] 前記エチレン性不飽和基を分子中に3個有する化合物が、下記一般式(4)で示される上記[7]記載の感光性樹脂組成物に関する。
Figure 0005741898
[一般式(4)中、複数のR又はRは同一でも異なっていてもよく、それぞれRは炭素数1から10のアルキレン基又はアリーレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1から10のアルキル基、又はアリール基を示し、l、m、nはそれぞれ1〜10の整数を示す。]
また、本発明は、[9] 支持体と、該支持体上に形成された上記[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントに関する。
(a)〜(g)成分を用いた本発明の感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメントは、特に(e)、(f)、(g)成分との組み合わせにより解像性及び現像性が良く、銅などの金属に対する密着性を向上させ、めっき耐性、例えば無電解ニッケル金めっき耐性を向上させ、上記課題を達成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)成分としてエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂と、(b)成分としてエチレン性不飽和基とトリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマーと、(c)成分として光重合開始剤と、(d)成分としてエポキシ樹脂と、(e)成分として下記一般式(1)で表されるグアナミン誘導体と、(f)成分としてメラミンと、(g)成分としてジシアンジアミドと、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(f)成分のメラミンの含有量が(A)成分及び(B)成分の合計を100質量部とした時に、0.1〜10質量部含有する感光性樹脂組成物である。
本発明の大きな特徴となすところは、上記(e)、(f)、(g)の組み合わせにおいて、解像性及び現像性が良く、銅などの金属に対する密着性を向上させ、めっき耐性、例えば無電解ニッケル金めっき耐性を向上させ、上記課題を達成する事にある。これらの各成分について説明する。
<(a)成分>
本発明の(a)成分であるエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、エポキシ化合物(a1)と不飽和モノカルボン酸(a2)のエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物(a3)を付加した付加反応物等を用いることができる。これらは、次の二段階の反応によって得ることができる。最初の反応(以下、便宜的に「第一の反応」という。)では、エポキシ化合物(a1)と不飽和モノカルボン酸(a2)とが反応する。次の反応(以下、便宜的に「第二の反応」という。)では、第一の反応で生成した水酸基及びエポキシ化合物(a1)中に元来ある水酸基と、飽和又は不飽和多塩基酸無水物(a3)とが反応する。
上記エポキシ化合物(a1)としては、特に制限はないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、及び多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型とエピクロルヒドリンを反応させて得られるものが適しており、チバガイギー社製GY−260、GY−255、XB−2615、ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828,1007,807等のビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、アミノ基含有、脂環式あるいはポリブタジエン変性等のエポキシ化合物が好適に用いられる。
ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及びアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるものが適しており、東都化成株式会社製YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウ・ケミカル社製DEN−431,439、チバガイギー社製EPN−1299、大日本インキ化学工業株式会社製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬株式会社製EOCN−120、BREN等が挙げられる。
また、その他の構造のエポキシ化合物としては、例えば、サリチルアルデヒド−フェノール又はクレゾール型エポキシ化合物(日本化薬株式会社製EPPN502H、FAE2500等)、大日本インキ化学工業株式会社製エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル社製DER−330、337、361、ダイセル化学工業株式会社製セロキサイド2021、三菱ガス化学株式会社製TETRAD−X,C、日本曹達株式会社製EPB−13、27等も使用することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され、混合物あるいはブロック共重合物を用いてもよい。
上記不飽和モノカルボン酸(a2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸や、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類又は飽和若しくは不飽和二塩基酸と不飽和モノグリシジル化合物との半エステル化合物類との反応物が挙げられる。この反応物としては、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸などと、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどとを常法により等モル比で反応させて得られる反応物などが挙げられる。これらの不飽和モノカルボン酸は単独又は混合して用いることができる。これらの中でも、アクリル酸が好ましい。
飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸及び無水トリメリット酸等が挙げられる。
第一の反応では、必要に応じて不飽和モノカルボン酸(a2)と、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物とを併用することができる。
第二の反応では、第一の反応で生成した水酸基及びエポキシ化合物(a1)中に元来ある水酸基が、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物(a3)の酸無水物基と半エステル反応すると推察される。ここでは、第一の反応によって得られる樹脂中の水酸基1当量に対して、0.1〜1.0当量の多塩基酸無水物(a3)を反応させることができる。多塩基酸無水物(a3)の量をこの範囲内で調製することによって、(a)成分の酸価を調整することができる。
上述した樹脂としては、CCR−1218H、CCR−1159H、CCR−1222H、PCR−1050、TCR−1335H、ZAR−1035、ZAR−2001H、ZFR−1185及びZCR−1569H(以上、日本化薬株式会社製、商品名)等が商業的に入手可能である。
また、本発明で用いる(a)成分であるエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂(感光性プレポリマー)としては、分子内に2つ以上の水酸基及びエチレン性不飽和基を有するエポキシアクリレート化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物と、を反応させて得られるポリウレタン化合物を用いることが好ましい。
ポリウレタン化合物は、上記のように、2つ以上の水酸基及びエチレン性不飽和基を有するエポキシアクリレート化合物(以下、「原料エポキシアクリレート」という)、ジイソシアネート化合物(以下、「原料ジイソシアネート」という)、並びにカルボキシル基を有するジオール化合物(以下、「原料ジオール」という)を原料成分として得られる化合物である。まず、これらの原料成分について説明する。
原料エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、及びフルオレン骨格を有するエポキシ化合物等に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物等が挙げられる。
原料ジイソシアネートとしては、イソシアナト基を2つ有する化合物であれば特に制限なく適用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アリレンスルホンエーテルジイソシアネート、アリルシアンジイソシアネート、N−アシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、及びノルボルナン−ジイソシアネートメチル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記原料ジオールは、分子内に、アルコール性水酸基及び/又はフェノール性水酸基等の水酸基を2つ有するとともに、カルボキシル基を有する化合物である。水酸基としては、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液による現像性を良好にする観点から、アルコール性水酸基を有していることが好ましい。このようなジオール化合物としては、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸等が例示できる。
次に、上述した原料成分を用いてポリウレタン化合物を製造する工程の例について説明する。
ポリウレタン化合物の製造工程では、まず、原料エポキシアクリレート及び原料ジオールを、原料ジイソシアネートと反応させる。かかる反応においては、主に、原料エポキシアクリレートにおける水酸基と原料ジイソシアネートにおけるイソシアナト基との間、及び、原料ジオールにおける水酸基と原料ジイソシアネートにおけるイソシアナト基との間で、いわゆるウレタン化反応が生じる。この反応により、例えば、原料エポキシアクリレートに由来する構造単位と、原料ジオールに由来する構造単位とが、原料ジイソシアネートに由来する構造単位を介して交互に又はブロック的に重合されたポリウレタン化合物が生じる。
このようなポリウレタン化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物が例示できる。
Figure 0005741898
ここで、一般式(5)中、Rはエポキシアクリレートの残基、Rはジイソシアネートの残基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、Rは水素原子又はメチル基を示す。なお、残基とは、原料成分から結合に供された官能基を除いた部分の構造をいう。また、式中に複数ある基は、それぞれ同一でも異なってもいてもよい。また、上記ポリウレタン化合物が有する末端の水酸基は、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物で処理されていてもよい。
上述したポリウレタン化合物の製造工程では、原料エポキシアクリレート、原料ジオール及び原料ジイソシアネート以外に、これらとは異なるジオール化合物を更に添加してもよい。これにより、得られるポリウレタン化合物の主鎖構造を変えることが可能となり、後述する酸価等の特性を所望の範囲に調整できる。また、上述した各工程では、適宜、触媒等を用いてもよい。
また、上述したポリウレタン化合物と原料エポキシとを更に反応させてもよい。この反応では、主に上記ポリウレタン化合物におけるジオール化合物に由来するカルボキシル基と、原料エポキシの有するエポキシ基との間でいわゆるエポキシカルボキシレート化反応が生じる。このようにして得られる化合物は、例えば、上述したポリウレタン化合物から形成される主鎖と、原料エポキシアクリレートや原料エポキシに由来するエチレン性不飽和基を含む側鎖とを備えるものとなる。
本実施形態のポリウレタン化合物としては、一般式(5)で表される化合物の中でも、ポリウレタンの主骨格の一つとなる原料エポキシアクリレートのハードセグメント部、すなわちRがビスフェノールA型構造のものが好ましい。このようなポリウレタン化合物は、UXE−3011、UXE−3012、UXE−3024(日本化薬株式会社製)等として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、かかるポリウレタン化合物を含む感光性樹脂組成物は、強靭且つ伸びに優れた硬化膜を形成できるため、硬化後の耐クラック性及びHAST耐性を向上させることができる。
これまでに例示した(a)成分のカルボキシル基を有する樹脂は、その酸価が、20〜180mgKOH/gであることが好ましく、30〜150mgKOH/gであることがより好ましく、40〜120mgKOH/gであることが特に好ましい。これにより、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液による現像性が良好となり、優れた解像度が得られるようになる。
ここで、酸価は以下の方法により測定することができる。測定樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)
なお、式中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、VfはKOHの滴定量(mL)を示し、Wpは測定樹脂溶液質量(g)を示し、Iは測定樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
また、(a)成分のカルボキシル基を有する樹脂の重量平均分子量は、塗膜性の観点から、3000〜30000であることが好ましく、5000〜20000であることがより好ましく、7000〜15000であることが特に好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値から求めることができる。
本発明で用いる(b)成分は、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と、トリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマーである。
(b)成分としては、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジオールジアクリレート及びトリシクロデカンジオールジメタクリレートからなる群から選択される1種以上であると好ましい。これらは商業的には、NKエステルDCP、NKエステルA−DCP(いずれも新中村化学工業株式会社製)として入手可能である。
さらに、上記(b)成分としてウレタン結合を有するものを使用する場合は、下記の一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する(b)成分を使用することが好ましい。
Figure 0005741898
Figure 0005741898
[一般式(2)又は一般式(3)中、R、Rは、直接結合、アルキレン、又はアリーレン基を示す。]
上記アルキレン基としては、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがさらに好ましい。
炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられるが、解像度、耐めっき性の点からエチレン基又はイソプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
上記アリーレン基としては、炭素数は6〜14のアリーレン基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基であることがより好ましい。このようなアリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
上記(b)成分として、上記の一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する化合物を使用する場合、(b1)トリシクロデカン構造を含むジオール化合物と、(b2)ジイソシアネート化合物と、(b3)分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン化合物であることが好ましい。
上記(b2)ジイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、環構造を有する化合物が好ましい。中でも、イソホロンジイソシアネートのような剛直な構造を有しているものが、耐クラック(耐熱性)の観点からより好ましい。
また、上記(b3)分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物は、架橋密度の観点から、エチレン性不飽和基を2個有しているものが好ましく、3個有しているものが、特に好ましい。
これらの中でも、上記ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネートであり、加えて、上記分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物が、上記一般式(3)で示す化合物であると、さらに好ましい。そのような化合物としては、商業的には、UX−5002D−M20(日本化薬株式会社製)等がある。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(c)成分:光重合開始剤
本発明で用いる(c)光重合開始剤としては、使用する露光機の光波長にあわせたものであれば特に制限はなく、公知のものを利用することができる。具体的には例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物などが挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
レジスト形状をより良好にする観点から、ホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いることが好ましい。そのような化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイドのものとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドがあり、ビスアシルホスフィンオキサイドのものとしては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、が挙げられる。それぞれ、DAROCURE−TPO、IRGACURE−819(いずれもチバ・ジャパン株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
また、感度向上を目的にアクリジン環を有する化合物、オキシムエステルを有する化合物をさらに含有することが好ましく、これらは併用することもできる。上記アクリジン環を有する化合物としては、例えば、9−フェニルアクリジン、9−アミノアクリジン、9−ペンチルアミノアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、9−モノペンチルアミノアクリジン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−オキサプロパン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタンなどが挙げられ、中でも1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンがより好ましい。1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンは、N−1717(株式会社ADEKA製、商品名)として商業的に入手可能である。
上記オキシムエステルを有する化合物としては、例えば、(2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン)、(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム))が挙げられる。市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物で用いることのできる(d)成分のエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
中でも、安定性の観点から、下記一般式(6)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 0005741898
[一般式(6)中、R〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびフェニル基の中から選択される1種を示し、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
上記一般式(6)中、保存安定性に優れる点では、R〜R16は、2つ以上が水素原子であることが好ましく、4つ以上が水素原子であることがより好まく、6つ以上が水素原子であることがさらに好ましく、全てが水素原子であることが特に好ましい。
本発明において(e)成分は一般式(1)で表されるグアナミン誘導体であり、式中、Rは、NH以外の置換基であって、炭素数1〜12の置換基、あるいは酸素原子や窒素原子を一つ以上含んでも良い。具体的には、NHR基{式中、R は、炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い)を表わす}、NR基{R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い)を表し、又はRとRが一緒になって、所望によりアルキレン鎖が1又は2個の炭素数1〜8のアルキル基により置換されている−(CH2-5−、−CHCH−(C1-8のアルキル)N−CHCH−又は−CHCH−O−CHCH−を形成して良い}、炭素数1〜20のアルキル基{該アルキル基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}、炭素数2〜20のアルケニル基{該アルケニル基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}、フェニル基{該フェニル基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されていても良い)で任意に置換されていても良い}、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基{該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}、又は炭素数1〜10のアルキルチオ基{該アルキルチオ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}を表わす。
具体的にはアセトグアナミン、ベンゾグアナミン、四国化成工業株式会社製;2MZ−A、2E4MZ−A、C11Z−A、2MA−OK等が挙げられる。特に溶剤への溶解性の観点から、ベンゾグアナミンが望ましい。
本発明において(f)成分はメラミンである。具体的には、日産化学工業株式会社製;微分メラミン等が使用できる。そのままでは最大粒径が大きい為に、解像性の低下や、大きい粒子が配線間を塞いでしまいHAST耐性低下を起こす恐れがある。従って、樹脂に分散させる必要がある。分散方法としては公知の方法が使用できる。特に、メラミンの最大粒径は、解像性、及びHAST耐性の観点から10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。
本発明で用いる(g)成分は、ジシアンジアミドである。
尚、感光性樹脂組成物は、上記した(a)〜(g)成分に加えて所望の特性に応じて、その他の成分を更に含んでもよい。
その他の成分としては、(b)成分とは異なる、分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーが挙げられる。要求される特性によって、これらの光重合性モノマーを適宜選択し、(b)成分に加えて使用することができる。
そのような化合物としては、具体的に例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマー等が挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びEO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルカリ現像性を良好にするためには、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を(b)成分と組み合わせて使用することが好ましい。ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは、1種類以上を組み合わせて用いることができる。
感度及び解像度を良好にするためには、上記のなかでも2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンを、(b)成分と組み合わせて使用することが好ましい。
密着性、解像度及び耐電食性のバランスを良好にするためには、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物を、(b)成分と組み合わせて使用することが好ましい。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、EO変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CH−CH−O−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CH−CH−CH−O−)又はイソプロピレンオキシドユニット(−CH−CH(CH)−O−、−CH(CH)−CH−O−)のブロック構造を有することを意味する。
また、上記グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。なお、上記したような化合物を得るためのα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、上記分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマー等としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物や、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、及びEO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを(b)成分と組み合わせて使用する際には、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明では、密着性、硬度等の特性を向上する目的で必要に応じて(h)無機フィラーを用いることが好ましい。例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。その使用量は、好ましくは0〜70質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物は必要に応じて、アクリル系ポリマと完全に相溶しない(i)エラストマを更に加えることが有効である。感光性樹脂組成物中にエラストマを含有させることにより、導体層との密着性をより良好にすることができ、更に、感光性樹脂組成物の硬化後の耐熱性、柔軟性及び強靭性を向上させることが可能となる。エラストマとしては、スチレン系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、アクリル系エラストマ、シリコーン系エラストマ等が例示できる。スチレン系エラストマとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマ、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマが例示できる。スチレン系エラストマにおけるスチレン成分としては、スチレンの他に、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体を用いることができる。スチレン系エラストマは、商業的には、タフプレン、ソルプレンT、アサプレンT、タフテック(以上、旭化成工業株式会社製)、エラストマAR(アロン化成株式会社製)、クレイトンG、カリフレックス(以上、シェルジャパン株式会社製)、JSR−TR、TSR−SIS、ダイナロン(以上、JSR株式会社製)、デンカSTR(電気化学工業株式会社製)、クインタック(日本ゼオン株式会社製)、TPE−SBシリーズ(住友化学株式会社製)、ラバロン(三菱化学株式会社製)、セプトン、ハイブラー(以上、クラレ株式会社製)、スミフレックス(住友ベークライト株式会社製)、レオストマ、アクティマー(以上、理研ビニル工業株式会社製)等として入手可能である。オレフィン系エラストマとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンの単独又は共重合体;エチレン−プロピレン共重合体(EPR);エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM);ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタンジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2〜20のジエンとα−オレフィンとの共重合体;ブタジエン−アクニロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBR;エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム;エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム;プロピレン−α−オレフィン共重合体ゴム、ブテン−α−オレフィン共重合体ゴム等が例示できる。オレフィン系エラストマは、商業的には、ミラストマ(三井石油化学株式会社製)、EXACT(エクソン化学社製)、ENGAGE(ダウケミカル社製)、水添スチレン−ブタジエン共重合体であるDYNABON HSBR、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体であるNBRシリーズ、架橋点を有する両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクニロニトリル共重合体であるXERシリーズ(以上、JSR株式会社製)等として入手可能である。ウレタン系エラストマは、短鎖ジオール及びジイソシアネートからなるハードセグメントと、長鎖ジオール及びジイソシアネートからなるソフトセグメントと、から構成される。長鎖ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン−1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6−ヘキシレン−ネオペンチレンアジペート)等が例示でき、長鎖ジオールの数平均分子量は、500〜10000であることが好ましい。
短鎖ジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等が例示でき、短鎖ジオールの数平均分子量は、48〜500であることが好ましい。上記ウレタン系エラストマは、商業的にはPANDEX T−2185、T−2983N(以上、DIC株式会社製)等として入手可能である。ポリエステル系エラストマは、ジカルボン酸又はその誘導体とジオール化合物又はその誘導体とを重縮合して得られるエラストマである。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びこれらの芳香環がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが例示でき、これらの化合物の1種又は2種以上を用いることができる。
ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族又は脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、レゾルシン等が例示でき、これらの化合物の1種又は2種以上を用いることができる。
また、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)をハードセグメント成分、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)をソフトセグメント成分としたマルチブロック共重合体を用いることができる。上記のポリエステル系エラストマは、商業的には、ハイトレル(デュポン−東レ株式会社製)、ペルプレン(東洋紡績株式会社製)、エスペル(日立化成工業株式会社製)等として入手可能である。ポリアミド系エラストマは、ポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテル又はポリエステルからなるソフトセグメントと、から構成されるエラストマであり、ポリエーテルブロックアミド型とポリエーテルエステルブロックアミド型との2種類に大別される。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12等が例示でき、ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等が例示できる。上記ポリアミド系エラストマは、商業的には、UBEポリアミドエラストマ(宇部興産株式会社製)、ダイアミド(ダイセルヒュルス株式会社製)、PEBAX(東レ株式会社製)、グリロンELY(エムスジャパン株式会社製)、ノバミッド(三菱化学株式会社製)、グリラックス(DIC社製)等として入手可能である。アクリル系エラストマは、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステルと、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体及び/又はアクリロニトリルやエチレン等のビニル系単量体とを共重合して得られるエラストマである。
アクリル系エラストマとしては、アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体等が例示できる。シリコーン系エラストマは、オルガノポリシロキサンを主成分したエラストマーであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系又はポリジフェニルシロキサン系のシリコーン系エラストマが例示できる。オルガノポリシロキサンをビニル基、アルコキシ基等で変性したエラストマを用いてもよい。シリコーンエラストマは、商業的には、KEシリーズ(信越化学工業株式会社製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)等として入手可能である。また、上記したエラストマ以外に、ゴム変性したエポキシ樹脂やエポキシ樹脂に上記したエラストマの粒状物を混錬したもの等を用いることができる。ゴム変性したエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部を、両末端カルボンキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、末端アミノ変性シリコーンゴム等で変性してなるものである。さらに、エラストマとしては、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体や、ポリエステル系エラストマであるエスペル(エスペル1108、エスペル1612、エスペル1620、日立化成工業株式会社製)を用いることもできる。
また、本発明では、必要に応じて(j)希釈溶剤を用いることが望ましい。希釈剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテル類及びそのアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類及びそのアセテートジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテル類及びそのアセテート、ジプロピレングリコールアルキルエーテル類、また、トルエン、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ若しくはソルベントナフサ等の石油系溶剤、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のカルボン酸エステル類、アミン、アミド類の例えば、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等や、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン等の溶剤を単独、或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、必要に応じてフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック、アゾ系の有機顔料などの着色剤、染料等を用いることができる。更にハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックス等のチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤を用いることができる。
感光性樹脂組成物中の各成分の含有量は、成分(a)と(b)の合計100質量部に対して、成分(a)が30〜80質量部、成分(b)20〜70質量部となることが好ましい。更には成分(a)が40〜75質量部、成分(b)25〜60質量部を配合してあることがより好ましい。また、成分(c)は0.1〜30質量部、好ましくは、0.1〜20質量部、更に好ましくは0.1〜10質量部を配合してあることが好ましい。成分(d)は3〜50質量部であることが好ましく、更に5〜40質量部であることが好ましい。成分(e)は、0.1〜10質量部である事か好ましく、更に0.1〜5質量部である事が好ましい。成分(f)は、ラミネートの温度尤度の観点から、0.1〜10質量部である事か好ましく、更に0.1〜3重量部である事が好ましい。成分(g)は、解像性、めっき浴汚染性の観点から、0.1〜10質量部である事か好ましく、更に0.1〜6質量部である事が好ましい。
本発明に用いる希釈剤の含有量は、支持体に塗布し感光性フィルムとして使用する場合には、塗布前のワニス状態では、全質量中の30〜80%含有させる。その後、フィルムとした後はフィルム作製時の乾燥工程において揮発させるため、3質量%以下となる。
次に、本発明の感光性エレメントについて説明する。
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層とを備えるものである。感光性樹脂組成物層上には、該感光性樹脂組成物層を被覆する保護フィルムを更に備えていてもよい。
感光性樹脂組成物層は、本発明の感光性樹脂組成物を上記希釈剤又は混合希釈剤に溶解して固形分30〜80質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体上に塗布して形成することが好ましい。感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより希釈剤を除去した乾燥後の厚みで、5〜200μmであることが好ましく、15〜60μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、200μmを超えると本発明により奏される上述の効果が小さくなりやすく、特に、物理特性及び解像度が低下する傾向がある。
感光性エレメントが備える支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体を剥離する際に当該支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度及び可撓性が低下する傾向がある。本発明においては、上述したような変性エポキシ樹脂を用いて感光性樹脂組成物層を形成するので、支持体の厚みが従来のものと比較してより厚い場合、例えば25μm超、100μm以下の場合であっても、その可撓性及び解像度を維持することができる。
上述したような支持体と感光性樹脂組成物層との2層からなる感光性フィルム又は支持体と感光性樹脂組成物層と保護フィルムとの3層からなる感光性フィルムは、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いたレジストパターンの形成方法は、初めに、其々、公知のスクリーン印刷、ロールコータにより塗布する工程、又はラミネート等により貼り付ける工程により、レジストを形成する基板上に積層する。次いで、必要に応じて上述した感光性エレメントから保護フィルムを除去する除去工程を行い、活性光線を、マスクパターンを通して、感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、照射部の感光性樹脂組成物層を光硬化させる露光工程を行う。照射部以外の感光性樹脂組成物層は、次の現像工程により除去される。なお、レジストを形成する基板とは、プリント配線板、半導体パッケージ用基板、フレキシブル配線板を指す。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。 更に直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いても良い。其々のレーザ光源、露光方式に対応する成分(c)を用いることにより優れたパターンを形成することが可能となる。
現像工程では、現像液として、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられ、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
上記現像工程終了後、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm程度の照射量で照射を行うこともできる。また、レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを同時に行うこともでき、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。
この感光性樹脂組成物層は、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ね、良好なラミネート温度安定性、優れた解像性、優れた平坦性、耐クラック性、HAST耐性、金めっき性を有するので、プリント配線板用、半導体パッケージ基板用、フレキシブル配線板用のソルダーレジストとして有効である。
このようにしてレジストパターンを備えられた基板は、その後、半導体素子などの実装(例えば、ワイヤーボンディング、はんだ接続)がなされ、そして、パソコン等の電子機器へ装着される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(感光性樹脂組成物溶液の作製)
表1〜2に示す各成分を同表に示した配合量(質量部)で混合することにより、感光性樹脂組成物溶液を得た。表1及び表2に示した各成分は、下記のものを使用した。
<(a)成分:エチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂>
「EXP−2811」:トリシクロデカン構造を含むエポキシ樹脂(EPICLON HP−200、DIC株式会社製、商品名)を変性したトリシクロデカン構造含有の酸変性エポキシアクリレート(DIC株式会社製、試料名)。
「ZFR−1158」:ビスフェノールF型エポキシアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)。
「UXE−3024」:ウレタン変性エポキシアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)。
「樹脂(1)」:メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルの共重合体で重量平均分子量60000、酸価110mgKOH/g、ZP−18、日立化成工業株式会社製)。
<(b)成分:エチレン性不飽和基とトリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマー>
「NKエスペルDCP」:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名)。
「UX−5002D−M20」:トリシクロデカン構造含有ウレタンアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)。
「ヒタロイド9082」:ウレタンアクリレート(日立化成工業社製、商品名)。
「KAYARAD−DPHA」:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)。
「FA−321M」:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(日立化成工業社製、商品名)。
<(c)成分:光重合開始剤>
「DAROCURE−TPO」:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)。
「IRGACURE−OXE02」:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)。
「IRGACURE−907」:2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)。
<(d)成分>
「NC−3000H」:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名)。
「BL−3175」:ブロック型イソシアネート(住友バイエルウレタン社製、商品名)。
<(e)成分:グアナミン誘導体>
「ベンゾグアナミン」:2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(日本触媒株式会社製、商品名)。
「2MA−OK」:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(四国化成工業株式会社製、商品名)。
「3MT」:3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(アルドリッチ社製、商品名)。
<(f)成分:メラミン>
「メラミン−A」:微分メラミン(日産化学工業社製、商品名)を使用し、以下の方法で最大粒径が5μm以下まで分散した、メラミン分散溶液。
「メラミン−B」:微分メラミン(日産化学工業社製、最大粒径約15μm以下、商品名)。
(b)成分40質量部(固形分)、上記メラミン10質量部、及びメチルエチルケトン50質量部を、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製)で、直径0.6mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて分散し、最大粒径が5μm以下となった時点で分散を終了し、メラミン分散液を得た。メラミンは上記で調製した分散液を配合することで、感光性樹脂組成物に含有させた。
<(g)成分:ジシアンジアミド>
「ジシアンジアミド」:「エピキュアDICY7」(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)。
<その他成分>
「バリエースB−30」:硫酸バリウム「バリエースB−30」(堺化学工業株式会社製、商品名)を使用し、以下の方法で調製した硫酸バリウム分散液。
(b)成分20質量部(固形分)、上記硫酸バリウム40質量部、及びメチルエチルケトン40質量部を、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して、硫酸バリウム分散液を得た。硫酸バリウムは上記で調製した分散液を配合することで、感光性樹脂組成物に含有させた。
「エスペル1108」:ポリエステル系エラストマ(日立化成工業株式会社製、商品名)。
顔料:「フタロシアニンブルー」(東洋インキ株式会社製、商品名)。
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物溶液には、希釈剤としてメチルエチルケトン、及びN、N‐ジメチルホルムアミドの質量比=1:1の混合溶液を、樹脂組成物溶液の固形分が60質量%となるように加えた。
Figure 0005741898
Figure 0005741898
*:表中の配合量は固形分(質量部)での数値を示す。
(感光性エレメントの作製)
次いで、上記で得られた感光性樹脂組成物溶液を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(G2−16、帝人株式会社製、商品名)上に均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、20μmであった。
続いて、感光性樹脂組成物層の支持体と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(NF−15、タマポリ株式会社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメント(感光性フィルム)を得た。
(感光性フィルムの特性評価)
実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜の感光性フィルムをそれぞれ用いて以下の各試験を行い、各感光性エレメントを用いた場合の、塗膜性、解像性、金めっき耐性、密着性、そりついて評価した。得られた結果を表3〜4に示した。
(塗膜性の評価)
得られた感光性フィルムの外観を観察し、以下の判定基準により塗膜性を判定した。
「A」:塗膜外観に色ムラやスジ/ハジキが観察されないもの。
「B」:塗膜概観に色ムラやスジ/ハジキが多数観察されるもの。
(解像性の評価)
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(E−679、日立化成工業株式会社製、商品名)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、前記感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥離して積層し、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下でラミネートを行い、評価用積層体を得た。
評価用積層体上に、ネガとして直径30〜100μmの範囲で10μm刻みのビア径パターンを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM−1201型露光機を使用して、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が16.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温(25℃)で1時間静置した後、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、60秒間スプレー現像を行い、未露光部を除去し、レジストパターンを形成した。
形成されたレジストパターンを実体顕微鏡で観察し、以下の判定基準により解像性を判定した。
「A」:ビア径50μmが解像できているもの。
「B」:ビア径50μmが解像できていないもの。
(無電解Ni/Auめっき耐性の評価)
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(E−679、日立化成工業株式会社製、商品名)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、前記感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥離して積層し、プレス熱板温度70℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、評価用積層体を得た。
評価用積層体上に、ネガとして直径200μmのビアパターンを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM−1201型露光機を使用して、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が16.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、60秒間スプレー現像を行い、パターンを形成した。
続いて、株式会社オーク製作所製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、直径200μmのビア開口部を有するソルダーレジストを形成した評価用積層体基板を得た。
上記、レジスト形状評価と同様にして得られた評価用積層体基板に対し、無電解ニッケルめっき(上村工業株式会社製、商品名ニムデンNPR−4)を施し(15分間処理)、更に無電解金めっき(上村工業株式会社製、商品名オーリカルTKK−511)を施した(15分間処理)。
このようにしてめっきが施された評価用基板に対し、ソルダーレジスト底部へのめっき液の染み込み、並びに、基板からのソルダーレジストの浮き及び剥離を100倍の金属顕微鏡により観察し、以下の判定基準により、無電解Ni/Auめっき耐性を評価した。
「A」:ソルダーレジスト底部への染み込みが認められないもの。
「B」:ソルダーレジスト底部への染み込みが1〜10μmまでのもの。
「C」:上記以外のもの。
(密着性の評価)
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(E−679、日立化成工業株式会社製、商品名)の銅表面にCZ処理(CZ−8100、メック株式会社製)を行った。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、前記感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥離して積層し、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、評価用積層体を得た。
評価用積層体に、株式会社オーク製作所製EXM−1201型露光機を使用して、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が16.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、60秒間スプレー現像を行った。
続いて、株式会社オーク製作所製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、密着性評価用基板を得た。
次に、上記評価基板上へ直径3mmの円柱状にアンダーフィル(CEL−C−3730S、日立化成工業株式会社社製、商品名)を形成し、165℃で2時間硬化させた。
dage社製series4000を用いて、上記密着性評価基板を室温(25℃)にてシェア強度測定を行い、密着強度を算出した。以下の判定基準により密着性を判定した。
「A」:密着強度が2.0MPa以上のもの。
「B」:密着強度が2.0MPa未満のもの。
(反りの評価)
プリント配線板用基板(E−679、日立化成工業株式会社製、商品名)の銅箔をエッチングして、銅を全て除去した0.06mm厚のガラスエポキシ基材(50mm×50mm)の片面上に、上記のようにソルダーレジストの硬化物を形成し(全面を露光して、現像、紫外線照射、加熱処理まで行い形成)、次いで、ソルダーレジストが形成された基板を切り出し、4コーナーのそり高さを定規で測定し、以下の判定基準により評価した。
「A」:4コーナーの反り高さの平均値が、5mm未満のもの。
「B」:4コーナーの反り高さの平均値が、5mm以上、10mm未満のもの。
「C」:4コーナーの反り高さの平均値が、10mm以上のもの。
Figure 0005741898

Figure 0005741898
(f)成分のメラミンを用いない比較例1は、金めっき耐性、密着性に劣り、(f)成分のメラミンを(a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対し、10質量部を超えて使用した比較例2、3は、解像性、塗膜性に劣る。また、(e)成分のグアナミン誘導体を用いない比較例4は、金めっき耐性、密着性に劣り、(b)成分のエチレン性不飽和基とトリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマーを用いない比較例5は、金めっき耐性とそりに劣る。さらに(d)成分のエポキシ樹脂を用いない比較例6は、金めっき耐性とそりに劣る。
これに対し、(a)〜(g)成分を規定量用いた本発明の実施例によれば、塗膜性、解像性、Ni/Auめっき耐性、そり、密着性に優れた、プリント配線板、半導体パッケージ基板、フレキシブル配線板に最適なソルダーレジストを形成できる感光性樹脂組成物と感光性エレメントを提供することができる。

Claims (9)

  1. (a)成分:エチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂と、
    (b)成分:エチレン性不飽和基とトリシクロデカン構造とを有する光重合性モノマーと

    (c)成分:光重合開始剤と、
    (d)成分:エポキシ樹脂と、
    (e)成分:下記一般式(1)で表されるグアナミン誘導体と、
    (f)成分:メラミンと、
    (g)成分:ジシアンジアミドと、を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記(f)成分のメラミンを(a)成分及び(b)成分の合計を100質量部とした際に、0.1質量部以上、10質量部未満含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 0005741898
    (前記一般式(1)中、Rは、NH以外の置換基であって、NHR 基{式中、R は、炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い(アルキル基の置換基))、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は、ハロゲン原子、トリフルオルメチル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い(アルケニル基の置換基))を表わす}、NR 基{R 、R はそれぞれ独立して上記のNHR 基のR と同じ炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は上記のNHR 基のアルキル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は上記のNHR 基のアルケニル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)を表し、又はR とR が一緒になって、所望によりアルキレン鎖が1又は2個の炭素数1〜8のアルキル基により置換されている−(CH 2-5 −、−CH CH −(C 1-8 のアルキル)N−CH CH −又は−CH CH −O−CH CH −を形成して良い}、炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基は上記のNHR 基のアルキル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)、炭素数2〜20のアルケニル基(該アルケニル基は上記のNHR 基のアルケニル基の置換基と同じ置換基で任意に置換されていても良い)、フェニル基{該フェニル基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されていても良い)で任意に置換されていても良い}、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基{該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}、又は炭素数1〜10のアルキルチオ基{該アルキルチオ基はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のモノアルキルアミノ基、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、アリール基(該アリール基はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基で任意に置換されても良い)で任意に置換されていても良い}を表わす。
  2. 前記(f)成分のメラミンの最大粒径が、10μm以下である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(b)成分が、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジオールジアクリレート及びトリシクロデカンジオールジメタクリレートからなる群から選択される1種以上である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(b)成分が、下記一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005741898
    Figure 0005741898
    [一般式(2)又は一般式(3)中、R、Rは、直接結合、アルキレン、又はアリーレン基を示す。]
  5. 前記一般式(2)又は一般式(3)で示される部分構造を有する化合物が、トリシクロデカン構造を含むジオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物と、を反応させて得られるウレタン化合物である請求項4記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記ジイソシアネート化合物が、環構造を有するジイソシアネートである請求項4又は請求項5記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記分子中に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基を有する化合物が、エチレン性不飽和基を分子中に3個有する化合物である請求項5又は請求項請求項6記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記エチレン性不飽和基を分子中に3個有する化合物が、下記一般式(4)で示される請求項7記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005741898
    [一般式(4)中、複数のR又はRは同一でも異なっていてもよく、それぞれRは炭素数1から10のアルキレン基又はアリーレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1から10のアルキル基、又はアリール基を示し、l、m、nはそれぞれ1〜10の整数を示す。]
  9. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
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