JP2019178270A - 硬化性組成物、その硬化物およびこれを有する電子部品 - Google Patents

硬化性組成物、その硬化物およびこれを有する電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 上記従来技術による不具合を有さず、インクジェットプリンターへの適用に相応な粘度を有し、硬化後には優れた密着性と、クラック耐性と、硬度と、低反り性を併せ持つ硬化性組成物、その硬化物およびこれを有する電子部品を提供する。【解決手段】(A)モース硬度が5以上のフィラーと、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたは多分岐状ポリマーのいずれか1種以上と、(C)熱硬化性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含むことを特徴とするインクジェット用硬化性組成物、その硬化物およびこれを有する電子部品が得られた。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、特にインクジェット法による印刷に適用可能な硬化性組成物に関する。
さらに、本発明は上記硬化性組成物の硬化物、及びその硬化物を有する電子部品に関する。
プリント配線板の製造において、基板上の導体回路をはんだの付着から保護するためにソルダーレジストが用いられているが、ソルダーレジストを施与する方法として、従来より、写真現像法及びスクリーン印刷法が採用されていた。
写真現像法では、基板上に感光性樹脂材料とフォトマスクとを施し、これを露光することにより、フォトマスクに覆われていない部分の感光性樹脂材料のみを光硬化させ、未硬化部分を現像液により溶解させることでパターニングを行い、その後の加熱等でさらに硬化させることによりパターニングが行われる。この写真現像法は、基板への感光性樹脂材料の全面塗布、所望の形状のフォトマスクの位置合わせ、露光、現像、加熱硬化、といった多数の工程を含む複雑な方法であり、経済的な負担も大きい。
他方、スクリーン印刷法は、予めパターン形成されたスクリーン(孔版)上にレジストインキを施し、スキージと呼ばれるゴム板で加圧することによりレジストインキをスクリーンを介して基体に転写させる方法である。この方法も作業が比較的多工程からなる上、印刷精度が十分とは言い難い。
これらの旧来からの技術に次いで、インクジェットプリンターを用いたソルダーレジストの基板への印刷技術の開発が進んでいる。インクジェット法は、写真現像法およびスクリーン印刷法で必要とされた多数工程による複雑な作業を不要とし、高精度での画像形成を可能とした優れた方法である。さらに、インクジェット法では、設備投資も大幅に低下し、現像液、レジストインキ、洗浄溶剤等の消耗品も削減できるという利点を有する。
インクジェットプリンターによる印刷では、これに適用されるインキが所定の流動性を有することが必須とされることから、スクリーン印刷等に用いられる従来型の20,000mPa・s前後の粘度を有するインキをそのまま適用することは不可能である。
そこで、インクジェットプリンターの適用の初期には、スクリーン印刷用のソルダーレジストインキ(樹脂組成物)を、希釈剤で希釈して10〜150mPa・s(25℃)程度の低粘度としてインクジェットプリンターに用いる方法が検討された(特許文献1および2)。
しかしながら、特許文献1および2に記載されたインクは、粘度が高いインキを溶剤にて過剰に希釈したものであるために固形分が低く、事実上、インクジェット法での適用は困難であった。
インクジェット法適用のための低粘度化の要求と、レジストインキとして本来必要な耐熱性、耐薬品性、密着性、硬度等の物性を得るという要求の双方を満足する樹脂組成物を得るために、種々の開発が行われる中、たとえば特許文献3および4の硬化性組成物が提案された。これらの硬化性組成物は、低分子量の硬化性化合物と比較的少量のフィラーを用いることにより、インクジェットに適する粘度を有し、かつレジスト膜として必要な所望の特性を具備するものとされている。
特開昭56−66089号 特開昭56−157089号 特許第5758172号 特許第5758472号
さらに、特許文献3の硬化性樹脂組成物は、基板に対する密着性を確保するためにフィラーの量を少量としており、レジストインキ硬化後のクラック耐性、硬度、低反り性が、必ずしも満足できるものではない。
また、特許文献4に記載された組成物では、フィラーを比較的多量含むことにより硬度は上昇するものの、密着性をえることが困難であった。
すなわち、従来の硬化性組成物では、密着性と硬度は相反する傾向にあり、これらを同時に向上させて、インクジェット法に適用可能な粘度とした組成物は得られていない。
また、特許文献3および4の硬化性樹脂組成物は、基体に対するレジストの耐熱性も、一定の水準までは向上しているものの、ニッケル・金めっき等の過酷な条件下での処理を行う場合等の耐性はいまだ十分ではなく、さらなる向上が望まれている。
しかるに、本発明は、上記従来技術による不具合を有さず、インクジェットプリンターへの適用に相応な粘度を有し、硬化後には優れた密着性と、クラック耐性と、硬度と、低反り性を併せ持つ硬化性組成物を得ることを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明の硬化性組成物は、(A)モース硬度が5以上のフィラーと、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーおよび多分岐状ポリマーのいずれか1種以上と、(C)熱硬化性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含み、インクジェット用であることを特徴とする。
本発明の硬化性組成物において、(B)多分岐状オリゴマーまたは多分岐状ポリマーの(メタ)アクリロイル基数が6を超過することが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物の(A)モース硬度が5以上のフィラーの含有率は、硬化性組成物の総質量の30質量%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の硬化性組成物の熱硬化性化合物は、ブロックイソシアネートであることが好ましい。
また、本発明の硬化物は、上記いずれかの硬化性組成物を硬化することにより得られ、本発明の電子部品はこの硬化物を含むものである。
本発明の硬化性組成物は、(A)モース硬度が5以上のフィラーと、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーおよび多分岐状ポリマーのいずれか1種以上と、(C)熱硬化性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含み、さらにインクジェットプリンターへの適用に相応な粘度を有する。さらにその硬化物は、基板に対する優れた密着性を有し、クラック耐性と、硬度と、低反り性の全てにおいて優れ、リジット基板だけではなくフレキシブル基板においても使用可能である。
本発明の硬化性組成物は、(A)モース硬度が5以上のフィラーと、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーおよび多分岐状ポリマーのいずれか1種以上と、(C)熱硬化性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含む。
このような組成を有することにより、本発明の硬化組成物は、優れた表面硬化性ないし塗膜硬度を有し、一般には硬度との両立が困難とされる基板に対する密着性にも優れているため、リジット基板だけではなくフレキシブル基板に対しても適用可能である。
本発明の硬化物は、基板に対する優れた密着性を有し、クラック耐性と、硬度と、低反り性の全てにおいても優れている。
また、本発明の硬化性組成物は、室温(25℃)で150mPa・s以下の粘度を有し、インクジェットプリンターにおいて使用されるものである。
以下、本発明の硬化性組成物の構成成分を説明する。
[(A)モース硬度が5以上のフィラー]
本発明の硬化性組成物は(A)モース硬度が5以上のフィラーを含む。
本発明ではモース(Friedrich Mohs)硬度5以上のフィラーを用いることにより、硬化性組成物の効果塗膜のクラック耐性、硬度および低反り性の特性について優れた効果を得るものである。一般に、硬度の高いフィラーを用いれば、これらの特性は向上するが、硬化物に更に密着性を与えることは困難であった。
また、本発明で用いるフィラーのモース硬度の上限は9が好ましい。9以下のモース硬度の材料を用いることにより硬化性組成物の成形性が特に良好となる。
そこで、本発明では、モース硬度5以上のフィラーとデンドリマーと、熱硬化成分とを組合せることで、密着性を維持しつつ、クラック耐性と、硬度と、低反り性に優れる硬化物を得ることができた。
(A)モース硬度が5以上のフィラーの例としては、酸化鉄(モース硬度:5−6)、酸化チタン(モース硬度:5.5−7.5)、酸化マグネシウム(モース硬度:5.5−6)、カルシウムシリケート(モース硬度:5.9)、炭酸カルシウム(モース硬度:5)、ガラス(粉末)(モース硬度:5)、シリカ(モース硬度:7)、酸化ジルコニウム(モース硬度:7)、酸化亜鉛(モース硬度:5.5〜5.7)等が挙げられる。
このほか、本発明では、本発明の所望の効果が得られる限り、上記の(A)モース硬度が5以上のフィラーに加えて、これ以外のフィラーを使用することができる。本発明で併用可能なフィラーの例としては、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、アルミニウムシリケート、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ノイブルグ珪土、ハイドロタルサイト、クレー、チタン酸カリウム、酸化アンチモン、鉛白、硫化亜鉛を挙げることができる。
本発明では上記のうち、酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型、ラムスデライト型のいずれの構造の酸化チタンであってもよく、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうちラムスデライト型酸化チタンは、ラムスデライト型Li0.5TiO2に化学酸化によるリチウム脱離処理を施すことで得られる。
(A)モース硬度が5以上のフィラーの配合量は、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、硬化性組成物の総質量の10〜70質量%以であると好ましく、特に好ましくは15〜55質量%の範囲、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
上記の範囲配合とすることにより、低反り性を得ることができる。
本発明において、酸化チタンは、ルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、ルチル型チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、絶縁性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど持たないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板等の電子部品の絶縁層において白色顔料として用いられた場合等に、変色を長期にわたり抑制することができる。また、酸化チタンは、一般にTiO2で表される二酸化チタンであるが、TiOXで表され、xが2未満、1.5以上であっても良い。
白色顔料の一次粒子の平均粒径(個数平均径(MN))は1μm以下であることが好ましく、特に0.01μm〜1μm以下であることが好ましい。1μm以下とすることにより顔料の分散性が向上し、硬化性組成物をインクジェット法に用いる場合の射出性が向上する。また、粒径が0.01μm以上であることにより凝集が生じにくい。本明細書において、平均粒径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒径(D50)であり、レーザー回折法により測定されたD50の値である。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製のMicrotracシリーズが挙げられる。
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造法により製造されたものも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、溶液を加水分解することにより水酸化物の沈殿物を得、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。一方、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。その中で、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、特に白色の硬化性組成物を得る場合には、本発明において用いることが好ましい。
市販されているルチル型酸化チタンとしては、例えば、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−930、タイペークR−550、タイペークR−630、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークR−780、タイペークR−850、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークCR−85、タイペークUT771(以上、石原産業株式会社製);タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(以上、デュポン株式会社製);R−25、R−21、R−32、R−7E、R−5N、R−61N、R−62N、R−42、R−45M、R−44、R−49S、GTR−100、GTR−300、D−918、TCR−29、TCR−52、FTR−700(以上堺化学工業株式会社製)等を使用することができる。
上記の中で塩素法により製造されたタイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークCR−85、タイペークUT771(石原産業株式会社製);タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(デュポン株式会社製)を使用することが好ましい。
また、アナターゼ型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。市販されているアナターゼ型酸化チタンとしては、TITON A−110、TITON TCA−123E、TITON A−190、TITON A−197、TITON SA−1、TITON SA−1L(堺化学工業株式会社製);TA−100、TA−200、TA−300、TA−400、TA−500、TP−2(富士チタン工業株式会社製);TITANIX JA−1、TITANIX JA−3、TITANIX JA−4、TITANIX JA−5、TITANIX JA−C(テイカ株式会社製);KA−10、KA−15、KA−20、KA−30(チタン工業株式会社製);タイペーク A−100、タイペークA−220、タイペークW−10(石原産業株式会社製)等を使用することができる。
[(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたは多分岐状ポリマー]
本発明において、エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマー又はポリマーは、多分岐状のオリゴマー又はポリマー(1分子中に複数の分岐鎖を有するオリゴマー又はポリマーのことをいう)骨格にエチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する化合物である。エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基などの官能基に由来するものであり、1分子内に複数種のエチレン性不飽和基を有していてもよい。なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基の両方を含む概念である。
エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマー及び/又はポリマー(以下、単に「多分岐状のオリゴマー又はポリマー」とも称する)としては、デンドリマー構造(樹状構造)を有する化合物(以下、単にデンドリマーともいう)、ハイパーブランチ(超分岐)構造を有する化合物(以下、単にハイパーブランチ(オリゴマー、ポリマー)ともいう)、スター構造を有する化合物(オリゴマー、ポリマ―)、及びグラフト構造を有する化合物(オリゴマー、ポリマ―)であって、エチレン性不飽和結合を有する官能基、例えば(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明でデンドリマーは、枝分岐鎖が放射状に広がった構造を有する化合物を広く称する。デンドリマーの具体的種類は特に限定されず、アミドアミン系デンドリマー、フェニルエーテル系デンドリマー、ハイパーブランチポリエチレングリコールなど公知のものから1種以上を選択することができる。
多分岐状のオリゴマー又はポリマーは、重量平均分子量(Mw)が、一般に1000〜20000、好ましくは1000〜8000である。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフ測定に基づく分子量分布曲線に基づくポリスチレン換算の分子量である。
本発明の(B)多分岐状の化合物の一分子中のエチレン性不飽和結合を有する官能基数、特に(メタ)アクリロイル基の数は、好ましくは3以上、特に4〜30の範囲であることが好ましく、本発明の組成物の所望の効果が損なわれない範囲で選択される。特に、本発明の光硬化性組成物はインクジェット用に用いられるため粘度が室温(25℃)で150mPa・s以下となる30以下の官能基数のものが用いられる。
デンドリマーの製造方法は特に限定されず、中心コア分子に世代ごとに分子を結合させて分岐を形成するダイバージェント法、予め合成した枝部分をコア分子に結合させるコンバージェント法、2以上の反応点Bを有する分岐部分と別の反応点Aを有するつなぎ部分とを1分子内に持つモノマーABxを用いて1段階で合成する方法など公知の製造方法を採用することができる。
デンドリマーは市販品を用いることも可能であり、例えば、Etercure 6361-100 (Eternal Materials社製)、Doublermer(DM)2015(Double Bond Chamical社製)、SP1106(Miwon Specialty Chemical社製)、ビスコート#1000(大阪有機化学工業株式会社製)を挙げることができる。
このほか、デンドリマーはIris Biotech社、関東化学社、Merk Millipore社、QIAGEN社、Sigma−Aldrich社、テクノケミカル社、Double Bond Chamical社、大阪有機化学工業社、伯東社などから入手可能である。
本発明では、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたはポリマーを用いることにより、硬化性組成物と基板との密着性を向上させ、その上、硬化物に高い硬度を与えることができる。また、処理条件の厳しいめっき耐性を向上させることができる。
さらに、(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたはポリマーは官能基数または使用量を増加させても比較的低粘度であることから、硬化性得組成物を高硬度とするために有意である。
(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたはポリマーの配合量は、硬化性組成物の総質量に対して0.1〜40質量%であると好ましい。0.1以上とすることにより、塗膜の硬度が向上し、40質量%以下とすることにより硬化組成物の粘度上昇を抑制することができる。
[(C)熱硬化性化合物]
本発明の硬化性組成物には、熱硬化成分を加えることができる。熱硬化成分を加えることにより密着性や耐熱性が向上することが期待できる。本発明に用いられる熱硬化成分としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂が使用できる。特に好ましいのは、耐熱性に優れる点より、ブロックイソシアネート化合物である。
上記の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基のいずれか一方または2種類の基を複数有する化合物であってもよく、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、ADEKA社製のアデカサイザーO−130P、アデカサイザーO−180A、アデカサイザーD−32、アデカサイザーD−55等のエポキシ化植物油;三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、ダイセル化学工業社製のEHPE3150、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;YDC−1312、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、YSLV−80XYビスフェノール型エポキシ樹脂、YSLV−120TEチオエーテル型エポキシ樹脂(いずれも東都化成社製);三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000、NC−3100等のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
分子中に複数の環状チオエーテル基を有する化合物としては、例えば、三菱化学社製のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂 YL7000等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂としては、例えばメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物等がある。さらに、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物およびアルコキシメチル化尿素化合物は、それぞれのメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等とすることができる。特に人体や環境に優しいホルマリン濃度が0.2%以下のメラミン誘導体が好ましい。
これらの市販品としては、例えば、サイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(いずれも三井サイアナミッド社製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−270、同Mx−280、同Mx−290、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30、同Mw−30HM、同Mw−390、同Mw−100LM、同Mw−750LM、(いずれも三和ケミカル社製)等を挙げることができる。このような熱硬化成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物は、1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック(化)イソシアネート基を有する化合物である。このような1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を有する化合物としては、ポリイソシアネート化合物、またはブロック(化)ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。なお、ブロック化イソシアネート基とは、イソシアネート基がブロック剤との反応により保護されて一時的に不活性化された基であり、所定温度に加熱されたときにそのブロック剤が解離してイソシアネート基が生成する。上記ポリイソシアネート化合物、またはブロックイソシアネート化合物を加えることにより硬化性および得られる硬化物の強靭性を向上することが確認された。
このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネートが用いられる。 芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンダイマー等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートの具体例としてはビシクロヘプタントリイソシアネートが挙げられる。並びに先に挙げられたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、ブロックイソシアネートで市販されているものの製品名としては、例えば、BI7982、BI7992(何れもBaxenden社製)、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(いずれも住友バイエルウレタン社製)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(いずれも東ソー株式会社製)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(いずれも三井武田ケミカル社製)、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(いずれも旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものである。このような1分子内に複数のイソシアネート基、またはブロック化イソシアネート基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)熱硬化性化合物の配合量は、組成物の全量に対して、1〜30質量%、特に3〜25質量%が好ましい。配合量が1質量%以上であれば、塗膜の十分な強靭性、耐熱性が得られる。
[(D)光重合開始剤]
(D)光重合開始剤としては、エネルギー線の照射により、(メタ)アクリレートを重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、ラジカル重合開始剤が使用できる。
(D)光重合開始剤としては、光、レーザー、電子線等によりラジカルを発生し、ラジカル重合反応を開始する化合物であれば全て用いることができる。当該光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;リボフラビンテトラブチレート;2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。
光重合開始剤で市販されているものとしては、例えば、Omnirad(オムニラッド)907、Omnirad(オムニラッド)127、Omnirad(オムニラッド) 81、Omnirad(オムニラッド)819、Omnirad(オムニラッド)BDK、Omnirad(オムニラッド)TPO(いずれもIGM Resins社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤は、単独でまたは複数種を混合して使用することができる。また更に、これらに加え、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を使用することができる。また、可視光領域に吸収のあるCGI−784等(BASFジャパン社製)のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために光ラジカル重合開始剤に添加することもできる。尚、光ラジカル重合開始剤に添加する成分はこれらに限られるものではなく、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独であるいは複数併用して使用できる。
(D)光重合開始剤の配合量は、組成物の全量に対して、0.1〜50質量%、特に1〜20質量%とされると好ましい。(D)光重合開始剤をこの範囲で配合することで、銅上での光硬化性が十分となり、塗膜の硬化性が良好となり、耐薬品性等の塗膜特性が向上し、また、深部硬化性も向上する。
[その他の成分]
[(メタ)アクリレートモノマー]
本発明の硬化性組成物は上記の(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーおよび多分岐状ポリマーのいずれか1種類以上とは別の(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。
本発明で用いられる(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート)、2,メチル−1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3,メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(#700)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール #200 ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の三官能(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の四官能以上の(メタ)アクリレートを含む多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
さらに、本発明では、複素環を有する2官能以上(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。
複素環を有する2官能以上(メタ)アクリレートモノマーとしては、1個または2個のヘテロ原子を有する脂環式基または芳香族基のいずれかの環状基に、これらの環状基の炭素原子2個以上に対して、それぞれ(メタ)アクリロイル基が直接結合またはアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基)を介して結合する構造を有するものであることが好ましい。上記環状基の(メタ)アクリロイル基が結合しない炭素、又は(メタ)アクリロイル基結合する炭素はさらに直鎖状または分岐状の低級アルキル基により置換されていてもよい。
複素環に含まれる1または2個のヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄のいずれか1個またはこれらの任意の組み合わせの2個であり、好ましくは1個または2個の酸素、特に2個の酸素である。
ヘテロ原子を有する環状基の例としては、アゾリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ヘキサメチレンイミン、ヘキサメチレンオキシド、ヘキサメチレンスルフィド、ジオキサン、ジオキソラン等の脂環式基、およびアゾール、オキソール、チオール、ピリジン、ピリジニウム、アゼピン、オキセピン、チエピン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等の芳香族基の二価の基を挙げることができる。
このうち、本発明の複素環を有する2官能以上(メタ)アクリレートモノマーの一部を構成する複素環は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、またはジオキソラン等の5員また6員の脂環式複素環基であることが好ましい。
複素環を有する2官能以上(メタ)アクリレートモノマーの市販品の例としてはKAYARAD R604(日本化薬株式会社製)を挙げることができる。
この他、本発明では、活性水素原子を有する官能基、例えばOH基、NH基、NH2基、SH基、およびCOOH基を有する(メタ)アクリレートモノマーを併用することが可能である。当該成分は、(C)熱硬化性化合物と反応することにより、本発明の硬化性組成物の塗膜の硬化性の向上に寄与する。
例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシルブチルアクリレート等の単官能アルコール、およびトリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA等の多官能アルコールもしくはビスフェノールA、ビフェノールなどの多価フェノールのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物の少なくとも何れか1種のアクリレート類、水酸基含有アクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはフェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物であるエポキシアクリレート類、および、対応するメタクリレート化合物などを用いることができる。また、アクリル酸も使用可能である。
(メタ)アクリレートモノマーとして使用可能な製品名としては、例えば、ネオマー DA−600(三洋化成工業社製)、アロニックス M−309、M−7100、M−309、(東亞合成社製)、A−DCP(新中村化学工業社製)、1.6HX−A(共栄化学工業社製)、FA−125(日立化成工業社製)、EPTRA、HDDA(ダイセル・サイテック社製)、4HBA(大阪有機化学社製)が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、単官能および/又は二官能の(メタ)アクリレートモノマーを用いることが好ましく、これにより、基板等の基材に対して本発明の光硬化性熱硬化性組成物をインクジェット法により最適な粘度でパターン印刷することが可能となり、これを硬化することにより得られた硬化物の耐熱性、硬度、および耐薬品性が極めて良好となる。
上記の他、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて消泡・レベリング剤、チクソトロピー付与剤・増粘剤、カップリング剤、分散剤、難燃剤、防錆剤または酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることができる。
消泡剤・レベリング剤としてはシリコーン、変性シリコーン、鉱物油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物等が使用できる。
チクソトロピー付与剤・増粘剤としては、カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ベントナイト、タルク、マイカ、ゼオライト等の粘度鉱物や微粒子シリカ、シリカゲル、不定形無機粒子、ポリアミド系添加剤、変性ウレア系添加剤、ワックス系添加剤などが使用できる。
消泡・レベリング剤、チクソトロピー付与剤・増粘剤を添加することにより、硬化物の表面特性および組成物の性状の調整を行うことができる。
カップリング剤としては、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、アセチル等と、反応性官能基としてビニル、メタクリル、アクリル、エポキシ、環状エポキシ、メルカプト、アミノ、ジアミノ、酸無水物、ウレイド、スルフィド、イソシアネート等を含む化合物、例えば、ビニルエトキシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β―メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン等のビニル系シラン化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、Ν―β―(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シラン化合物、Ν―フェニル―γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のフェニルアミノ系シラン化合物等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイル化チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチルー1−ブチル)ビスー(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、エチレン性不飽和ジルコネート含有化合物、ネオアルコキシジルコネート含有化合物、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ピロホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノ)フェニルジルコネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル,ジ(ジトリデシル)ホスフィトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリネオデカノイルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(N−エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(m−アミノ)フェニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリメタクリルジルコネート(、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリアクリルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジ(3−メルカプト)プロピオニックジルコネート、ジルコニウム(IV)2,2−ビス(2−プロペノラトメチル)ブタノラト,シクロジ[2,2−(ビス2−プロペノラトメチル)ブタノラト]ピロホスファト−O,O等のジルコネート系カップリング剤、ジイソブチル(オレイル)アセトアセチルアルミネート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤等が使用できる。
分散剤としては、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子型分散剤、アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の低分子型分散剤等が使用できる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用できる。
防錆剤または酸化防止剤としては、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、フェノール系の酸化防止剤等を用いることができる。
蛍光増白剤としては、ベンゾキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体などを使用することができる。
重合速度や重合度を調整するためには、更に、重合禁止剤、重合遅延剤を添加することも可能である。
更に、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、粘度調整のため溶剤を用いてもよいが、溶剤の揮発による描画精度の低下を防ぐために、添加量は少ないことが好ましい。また、粘度調整のための溶剤は含まないことがより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、インクジェット法に適用されるため、インクジェットプリンターにより噴射可能な粘度とする必要がある。
ここで、粘度とはJIS K2283に従って測定した粘度を指す。また、上記のインクジェット用硬化性組成物の粘度は室温(25℃)で150mPa・s以下である。
本発明の硬化性組成物は光重合開始剤を含むため、印刷直後の組成物層に50mJ/cm2〜1000mJ/cm2光照射を行うことにより組成物層を光硬化させることができる。光照射は、紫外線、電子線、化学線等の活性エネルギー線の照射により、好ましくは紫外線照射により行われる。
例えば、紫外線感光性の光重合開始剤を含む組成物については、紫外線を照射することにより、組成物層を光硬化させることができる。
インクジェットプリンターにおける紫外線照射は、例えばプリントヘッドの側面に高圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線LEDなどの光源を取り付け、プリントヘッドもしくは基材を動かすことによる走査を行うことにより行うことができる。この場合は、印刷と、紫外線照射とをほぼ同時に行なえる。
光硬化後の硬化性組成物は、公知の加熱手段、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の加熱炉を用いることにより熱硬化する。
なお、本発明の硬化性組成物により得られた硬化物が一般的な諸特性の要求を満たすには、120℃〜170℃にて5分〜60分加熱することにより硬化することが好ましい。
従って、本発明の硬化物を有する電子部品は、製造および使用において上記の優れた物理的特性を示す。
なお、本発明において電子部品とは、電子回路に使用する部品を意味し、プリント配線板、トランジスタ、発光ダイオード、レーザーダイオード等の能動部品の他、抵抗、コンデンサ、インダクタ、コネクタ等の受動部品も含まれ、本発明の硬化性組成物がこれらの絶縁性硬化塗膜として、本発明の効果を奏するものである。
本発明の硬化性組成物は、密着性、耐薬品性、及び組成物の保存安定性にも優れることから種々の用途に適用可能であり、適用対象に特に制限はない。例えばプリント配線板用のソルダーレジスト、およびマーキング等に用いられることが好ましい。
以下、本発明を、実施例により詳細に説明する。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
I.組成物の調整
表1に示す割合(単位:質量部)で各成分を配合し、これをディゾルバーで攪拌した。その後ビーズミルを用いて1mmのジルコニアビーズにて分散を2時間行い、本発明の組成物(実施例1〜5)および比較組成物(比較例1〜2)を得た。
II.特性試験
上記各組成物について、以下に示す特性試験を行った。その結果を表1に示す。
<1.射出性評価>
実施例および比較例の硬化性組成物の25℃、100rpmにおける粘度を、コーンプレート型粘度計(東機産業社製TVH−33H)にて測定し、下記基準による評価結果を表1に記載した。
○ 150mPa・s以下
× 150mPa・sを超過
<2.反りの評価>
厚さ50μmのポリイミドフィルム上に、各実施例および比較例の硬化性組成物を、アプリケータを用いて塗布し、UV露光(高圧水銀灯500mJ/cm)を行った。硬化性組成物の塗膜が完全に硬化したことを確認して、ポリイミドフィルムと硬化塗膜の積層体を、3cmx3cm(縦×横)に切り出してサンプル(乾燥膜厚:15μm)とした。各サンプルを、硬化塗膜面を上面として、水平な作業台上に静置し、作業台から上昇した地上から上昇したサンプルの四端の高さを定規で測定し、四端の高さの平均値を求めた。同様の試験をサンプルごとに3回行い、3回の試験の平均値を求めた。下記基準による評価結果を表1に記載した。
◎ 四端の合計高さの平均値が6mm以下
○ 四端の合計高さの平均値が6mm超過、10mm未満
× 四端の合計高さの平均値が10mm以上
<3.鉛筆硬度評価>
各実施例および比較例の硬化性組成物を、アプリケーターを使って-銅箔上に塗布し、UV露光(高圧水銀灯500mJ/cm)を行い、次いで150℃の熱風循環式乾燥炉にて60分間熱処理を行い、硬化塗膜サンプル(膜厚25um)を得た。得られた硬化塗膜の表面における鉛筆硬度をJIS 5600−5−4に準拠して測定を行った。測定結果を表1に示す。
<4.はんだ耐熱性評価>
上記3.鉛筆硬度評価に用いたものと同様の硬化塗膜サンプルを、JIS C−5012の方法に準拠してはんだフロート法によるはんだ耐熱性試験に付した。260℃のはんだ槽に10秒間浸漬後、各サンプルをはんだ層から取り出して自然冷却した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで洗浄し、乾燥した。この試験を3回繰返した後、塗膜の状態を目視観察した後、上記で得られためっきされた基板硬化塗膜の密着性をJIS K 5600−5−6に準拠したクロスカットテープピールリング試験を実施し、以下の基準にて評価した。
評価の基準は以下の通りである。
◎ はんだ耐熱性試験の前後で塗膜に変化がない
〇 クロスカットした部分にわずかにチッピングが見られた。
× 塗膜が完全に剥離した
<5.金めっき耐性>
上記3.鉛筆硬度評価に用いたものと同様の硬化塗膜サンプルをニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でめっきを行ない、得られた硬化塗膜表面状態の観察を行った。その後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、更に塗膜の状態を目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
○ 全く変化が認められない
× 剥離が生じた
Figure 2019178270
なお、表1に記載の材料の詳細は以下の通りである。
*1 ルチル型酸化チタン
*2 ビスコート#1000、大阪有機化学工業株式会社製
*3 BI 7982、Baxenden Chemicals 社製
*4 Omnirad TPO、IGM Resins社製
*5 Omnirad 819、IGM Resins社製
*6 IRGANOX 1010、BASF ジャパン社製
*7 4HBA、日本化成株式会社製
*8 KAYARAD R-604、日本化薬株式会社製
*9 A-NOD-N、新中村化学工業株式会社製
*10 PA-100、昭和化学工業株式会社製
[評価]
本発明の組成物は、射出性、低反り性、鉛筆硬度、はんだ耐熱性および金めっき耐性の
全てにおいて優れていることが示された。
これに対し、本発明の(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーおよび多分岐状ポリマーを含まない組成物(比較例1)は鉛筆硬度とはんだ耐性の評価が低く、(A)モース硬度が5未満のフィラーを含む組成物(比較例2)では、塗膜に反りが生じ、鉛筆硬度が低く、金めっき耐性も得られていない。
本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。

Claims (6)

  1. (A)モース硬度が5以上のフィラーと、
    (B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状のオリゴマーまたは多分岐状ポリマーのいずれか1種以上と、
    (C)熱硬化性化合物と、
    (D)光重合開始剤と、
    を含むことを特徴とするインクジェット用硬化性組成物。
  2. 前記(B)エチレン性不飽和基を有する多分岐状オリゴマーまたは多分岐状ポリマーの(メタ)アクリロイル基数が6を超過する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(A)モース硬度が5以上のフィラーの含有率が、硬化性組成物の総質量の10質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(C)熱硬化性化合物が、ブロックイソシアネートであることを特徴する請求項1から3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
  6. 請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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