本発明の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。本発明の第一の実施形態に係るロードポート装置取付け機構について、これらを具備するロードポート装置100を半導体処理装置側の取付け面(通称BOLTS面)5に取付けた状態を図1に示す。なお、図1中、図1(a)は取付け面5に取付けられたロードポート装置100を正面から見た状態を、図1(b)はこれら構成を図1(a)における左方から見た状態(部分断面を含む)を、図1(c)は右方から見た状態を各々示している。また、図1(a)において、点線にて囲まれた構成に関しては、各々拡大して他の図においても示している。図2中、図2(a)は支点部10を図1(a)と同様の様式にて見た場合の拡大図を、図2(b)は図2(a)に示す支点部10を図1(b)と同様の様式にて見た場合の拡大図を各々示している。更に、図2(c)は後述する第一の支点部構造体11を図1(a)と同様の様式にて、図2(d)は該第一の支点部構造体11を図1(b)と同様の様式にて示している。
図に示すロードポート装置100は、接続プレート111、サイドベース113、載置台115、ドア117、開口部カバー部材121、及び不図示のドア駆動機構を有する。本発明に係るロードポート装置は、ウエハが挿脱される開口を有して該ウエハが収容されるポッド(不図示)に対し、その蓋を開閉して該開口を介してポッドへのウエハの挿脱の実施を可能とする。載置台115上にはこのポッドが載置される。また、ドア117は、載置台115上に載置されたポッドの蓋を保持可能であって、動作時においては取付け面5に対して半導体処理装置の内部側から不図示の第一の開口部の開閉を行う。サイドベース113は一対として用いられ、各々が個々の接続プレート111に対して接続されており、接続プレート111を介して取り付け面5に対して垂直に並立するように配置される。これら接続プレート111によって一対のサイドベース113を含めた構成は筐体様に一体化し、不図示のドア駆動機構等を取付ける上での、或いは搬送取付けに際しての十分な剛性、強度が得られる。
また、サイドベース113は、載置台115の下方に配置されて、該載置台115及び該載置台115に付随してこれに載置されたポッドを駆動する不図示のポッド駆動機構を支持する。同様に、本形態において、サイドベース113は、不図示のドア駆動機構を介してドア117を支持する。開口部カバー部材121は、取付け面5に設けられた半導体処理装置側の取付け面側開口部(不図示)を閉鎖して、外部空間から半導体処理装置内にいたる経路を、ドア117により開閉可能な不図示の第一の開口部に制限している。当該開口部カバー121も、サイドベース113に対して固定されている。なお、該開口部カバー121は図1(a)における左右端部等において折り返され、強度を高めるためのL字構造を構成している。なお、これら図中には不図示の半導体製造装置が固定されている床面1も同時に示されている。
次に本発明の一実施形態に係る取付け機構について詳述する。図1(a)、2(a)及び2(b)に示される支点部10は、取付け面5側に固定される第一の支点部構造体11(図2(c)及び2(d)参照)と、ロードポート100側に固定される第二の支点部構造体15とより構成される。第一の支点部構造体11は、ロードポート調整プレート12、支点ブロック13、及びクランピングボルト14、を有する。ロードポート調整プレート12は、前述した取付け面側開口部の下辺と平行に取付け面5に固定されて、該下辺の延在方向(水平方向)に沿って延在する板状体より構成される。支点ブロック13は、上部に取付け面5に対して垂直な形成軸に沿って形成された円弧状或いはV字状の円板受け溝13aを有し、前述した下辺の中心と該形成軸が一致するようにロードポート調整プレート12に対して固定される。支点ブロック13は、更にクランピングボルト固定部13bを有する。クランピングボルト固定部13bは、クランピングボルト14がねじ込み可能な雌ネジ部からなるクランピングボルト用貫通ネジ部13cを有し、クランピングボルト用固定ナット13dによってねじ込み量を固定可能となっている。また、クランピングボルト用貫通ネジ部13cは、前述した円板受け溝13aの形成軸と平行で且つ鉛直上方に延在する軸を有するように配置される。
なお、クランピングボルト14は、被クランプ部材に当接して該部材を実際にクランプする先端部が任意の方向に可動可能であり、該被クランプ部材における当接面の任意の傾きに対してある程度の追従が可能な構成となっている。本実施形態では構造の簡略性、当接部の摩擦磨耗による発塵の抑制等の観点から該クランピングボルト14を使用しているが、本発明は当該態様に限定されない。具体的には該クランピングボルト14の先端部が当接するところの、後述する支点円板の当接面の任意の方向への傾きに追随可能であれば、公知の種々の構成を用いることが可能である。また、ロードポート調整プレート12及びクランピングボルト固定部13bの形態は一例であって、前述した効果と同様の効果が得られるものであれば種々の改変が可能である。なお、本実施形態では、便宜上半導体製造装置が設置される床面1を水平面とし、これをXYの基準面とし、鉛直方向をZ軸方向として種々の構成の配置等を規定しているが、これら形成軸の方向は必要に応じて種々改変が可能である。
第二の支点部構造体15は、前述した接続プレート111に固定される円板形状の支点円板16を有する。より詳細には、第二の支点構造体15が固定される接続プレート111は、サイドプレート113の下端部であって、取付け面5と近接する側に配置される。支点円板16は円周面において支点ブロック13上の円板受け溝13aに部分的に嵌まり込み、不図示の開口部下辺と平行な方向の第二の支点部構造体11に対する第一の支点部構造体15の配置を規定する。即ち、支点円板16の軸心は、ロードポート装置100、特に不図示の第一の開口部を閉鎖するドア117の鉛直方向中心線と交差するよう、同一面内に配置される。円板受け溝13aに嵌まり込んだ支点円板16は、支点円板16の接続プレート111との接触面とは逆側に配置される面(支点円板16の被クランプ面即ち当接面16a)がクランピングボルト14の先端部により押圧され、取付け面5側に付勢される。
本形態では、このようにして得られる付勢力によりロードポート装置100の下方を取付け面5に対して所定の位置関係を維持した状態で固定する。以上に述べたクランピングボルト14及びそれに付随する構成は、本発明において円板受け溝13aが配された構造体と同じ構造体側に配置されて支点円板16の当接面16aに当接してこれを取り付け面5方向に押圧する押圧部材として規定することが好ましい。また、この押圧部材により支点円板16に押圧力が付加されることにより、前述したように、規制シャフト27がホルダ溝22a内の内壁である調整面22fに当接することとなる。
支点部10を中心として、接続プレート111の両端部、或いは接続プレート111における該支点部10を中心としてこれより各々均等な位置に、回転規制部20が配置される。以下、回転規制部20について図面を参照して説明する。図1(a)に示される回転規制部20は、取付け面5側に固定される第一の回転規制部構造体21と、ロードポート100側に固定される第二の回転規制部構造体25とより構成される。図3(a)は回転規制部20を図1(a)と同様の様式にて見た場合の拡大図を、図3(b)は図3(a)に示す回転規制部20を図1(c)と同様の様式にて見た場合の拡大図を各々示している。更に、図3(c)は後述する第一の回転規制部構造体21を図1(a)と同様の様式にて、図3(d)は該第一の回転規制部構造体21を図1(b)と同様の様式にて示している。
第一の回転規制部構造体21は、ロードポート調整プレート12、及びホルダ22を有する。なお、ロードポート調整プレート12は前述した第一の支点部構造体11が固定されたものと同一であり、第一の支点部構造体11の中心である円板受け溝13aの中心より所定の間隔を空けた位置にて該第一の回転規制部構造体21、より詳細にはホルダ22を支持している。ホルダ22は取付け面に対して平行且つロードプレート調整プレート12に延在方向に延在するホルダ溝22aを有する。該ホルダ溝22aは、鉛直上方が開放されて所定の幅を有し、該所定の幅よりも細い棒状の部材等が上方より嵌まり込むことを可能としている。なお、本形態では該ホルダ22は、図3(d)に示すように、第一のホルダ部材22b及び第二のホルダ部材22cにより構成される態様となっている。第一のホルダ部材22bは、前述した棒状の部材が載置可能な被載置面22dと調整面22fとを形成して、ロードポート調整プレート12に固定される。第二のホルダ部材22cは、第一のホルダ部材22bに固定されて、被載置面22d上に載置された部材が取付け面5に垂直な方向に移動することを規制する規制面22eを形成している。
第二の回転規制部構造体25は、前述した第二の支点部構造体15が固定される接続プレート111に対して、前述した第一の回転規制部構造体21の配置に対応する位置に固定される。第二の回転規制部構造体25は、シャフト支持部材26及び規制シャフト27を有する。本形態において規制シャフト27は、接続プレート111の延在方向に延在するように配置された棒状の部材からなる。該規制シャフト27はホルダ溝22aに嵌まり込むことが可能な太さ及び長さを有し、その両端部においてシャフト支持部材26によって支持される。規制シャフト27はシャフト支持部材26を介して接続プレート111に固定される。なお、第二のホルダ部材22cは第一のホルダ部材22bに対して取り外し可能であり、規制シャフト27を被載置面22d上に載置した後に、第二のホルダ部材22cを固定して規制シャフト27の取付け面5に垂直な方向の移動を規制することが可能となるように構成されている。本形態の如く規制シャフト27を外周が曲面からなる円柱様の棒状の部材とし、被載置面22dを平面とすることで、該規制シャフト27がホルダ溝部22aに容易に嵌まり込むと共に、該規制シャフト27と被載置面22dとの摩擦力を低減して取付け面5に垂直な方向での該規制シャフト27の摺動を容易としている。
実際にロードポート装置100を取付け面5に取付ける際の操作について、簡単に述べる。取付け操作においては、まず支点円板16を円板受け溝13a上に載置する。その際にクランピングボルト固定部13bは一時的に取り外しておいても良い。本形態では取付け面5に対して垂直な形成軸を有する円板受け溝13aに対して所定の厚さを有した支点円板16を載置する態様としている。従って、支点円板16の中心軸と円板受け溝13aの形成軸とが容易且つ確実に平行となり、これら個々の部材が固定される接続プレート111及びロードプレート調整プレート12も確実に平行な位置関係とすることが可能となる。このことから、規制シャフト27はホルダ22における被載置面22dとの取付け面5に対して垂直な方向での位置関係は、該被載置面22d上に規制シャフト27を載置し得る状態となる。なお、後述する回転調整部40により取付け面5に対するロードポート装置100の回動調整を行う場合には、支点円板16を円板受け溝13a上へ載置した状態で被載置面22dと規制シャフト27の下面との間に隙間が生じて接触していないことが好ましい。
ただ、この段階では、支点円板16は中心軸周りに回転可能な状態にある。ここで、両規制シャフト27を各々対応するホルダ溝22aに収容させることにより、支点円板16及びこれに固定されたロードポート装置100の該中心軸回りの回転が所定の角度範囲内に規制される。次にクランピングボルト14を締めて、支点円板16を取付け面5に接近する方向に押圧する。この押圧力の付加によって該支点円板16を支持する接続プレート111も取付け面5方向に押圧され、該接続プレート111を介して両規制シャフト27も取付け面5方向に押圧される。規制シャフト27は当該押圧力によって第一のホルダ部材22bに設けられた調整面22fに当接した状態となる。この調整面22fの位置は予めロードポート装置100-取付け面5間を規定値とするように設定されており、この状態を得ることでこの規定値を充足することが可能となる。
以上の如く、支点円板16と円板受け溝13aとからなる支点部10を構成することにより、ロードポート装置100の自重を利用して該装置と取付け面5との平行関係を確実に得ることが可能となる。また、更にホルダ22と規制シャフト27とからなる回転規制部20を構成することにより、載置操作のみでロードポート装置100の回転を確実に規制し、且つロードポート装置100と取付け面5との距離を容易に規制値とすることが可能となる。更に、本形態では支点部10を中心として各々等しい間隔を隔てた位置に回転規制部20を一対配置することとしている。これにより支点部10を中心とするロードポート装置100の右回り及び左回りの回転ズレを効果的に抑制することが可能となる。
なお、本発明において、ホルダ溝22aは、取付け面5及びロードポート装置100の一方に配されて、取付け面5と平行な方向において支点部10を挟んで配置されて各々平行な方向に延在して、円板受け溝13aが開口する方向である所定の方向(本発明における第一の方向に対応)に平行な方向に開口に有するとして規定されることが好ましい。また、規制シャフト27については、取付け面5及びロードポート装置100の他方に配されて、先に規定した平行な方向(本発明における第二の方向)に延在してホルダ溝22aに嵌合可能であるとして規定されることが好ましい。
更に、第一の支点部構造体11においては、円板受け溝13aに該当する構造物を配することが必要である。その際、当該円板受け溝13aの溝形状は、取付け面5と平行な断面での形状がV字状或いはU字状、円弧状、曲線形状、更にはこれらを組み合わせてなる形状の何れかとされることが好ましく、溝最深部が取付け面5に垂直となるようにその形成軸が規定されていることが好ましい。また、第二の支点部構造体15においては、厚さを有する円板形状を支点円板16に該当する構造物が必要となる。円板受け溝13aに該支点円板16の一部が嵌り込んで取付け面5と平行であって本実施形態における水平な方向の該支点円板16の移動が規制されれば良い。
なお、本形態では円板形状からなる支点円板16を第二の支点部構造体15に用いているが、本発明は当該形態に限定されない。図2(e)に図2(a)と同様の様式にて第二の支点部構造体15の他の形態例を示す。当該形態では、第二の支点部構造体15は、所定の厚さを有する半円形の支点円弧面を有する部材からなる。なお、該支点円弧面は、円板受け溝13aと接触する外周面であって円弧面或いは円柱面の一部から構成される面を示す。即ち、第二の支点部構造体15において支点部として機能する部材は、第一の支点部構造体11の受け溝(円板受け溝13a)に一部が嵌り込み可能であって、且つ該受け溝に対して軸周りの回転が可能な種々の形態を包含可能である。また、これら第一の支点部構造体11と第二の支点部構造体15とは、これら各々がロードポート装置100及び取付け面5の何れに配されることとしても良く、更に溝形状の開口が図示の例とは異なり下方に向かう態様としても良い。この場合、支点円板16の上より円板受け溝13aが乗る態様となる。
当該態様について図2(b)と同様の様式にて図2(f)に示す。図2(f)に示すように、本形態例では、円板受け溝13aを有する支点ブロック13を第二の支点部構造体15の側に配し、支点円板16を第一の支点部構造体11の側に配している。当該形態であっても、支点円板16の一部が円板受け溝13aに嵌り込む形態であり且つ支点円板16が円板受け溝13aに対し回動可能とすることで、本発明が得ようとする効果が好適に得られる。従って、該支点円板16に対応する部材は、本発明において、円板受け溝13aに外周の一部が嵌り、該外周の一部が嵌った状態で取付け面5に垂直な軸周りの回転が可能な支点部材、として把握されることが好ましい。また、このようなロードポート装置100及び取付け面5の何れに配することも可能であること及び上下方向についても変換可能であることは、前述したホルダ溝22aと規制シャフト27との関係についても同様である。図3(e)に図3(b)と同様の様式にて当該形態を例示する。本形態では、第一の回転規制部構造体21がロードポート装置100側に配置され、代位の回転規制部構造体25が取付け面5側に配置されている。当該形態であっても、これら構造体各々の作用効果を得ることにより、本発明が得ようとする効果が好適に得られる。
更に、取付け面5に平行で且つ水平な方向に関して、円板受け溝13aにおける溝最深部の配置はロードポート装置100の重心位置と一致することが好ましい。即ち、円板受け溝13aの形成軸は、ロードポート装置100の重心を通り且つ取付け面5に垂直であって鉛直線を含む面に含まれることが好ましい。当該円板受け溝13aはロードポート装置100の下方であれば任意の位置に配置できるが、ロードポート装置100の当該溝を中心とする回転による位置調整を考慮した場合、この重心を考慮した位置とすることが望ましい。また、一対のホルダ溝22aに関しては、装置構成上同一直線状に配置されることが望ましいが、支点部10を中心としてその両脇の各々任意の位置に配することも可能である。
ここで、ロードポート装置100と取付け面5との平行度を規定する作用に大きく寄与する支点部10における支点円板16の厚さは、この厚さの方向とは垂直なロードポート装置100の高さと比較して非常に小さい。このため、支点部10の近傍に対してこれより離れた載置台115或いはロードポート装置100の上部での平行度の維持は、当該支点部10のみの機能では担保しきれない恐れがある。従って、理想的な平行状態からの微小なズレも抑制されることが好ましい。また、同様に、規制シャフト27の長さのみでは、ロードポート装置100の上方での回転ズレを抑制しきれない恐れがある。また、接続プレート111両端での規制シャフト27と被載置面22dとが、共に確実に当接した状態を得ることは実際上難しく、この場合に存在し得る極微小の回転ズレも可能であれば抑制することが好ましい。以下そのための構成について述べる。
本形態に係る取付け機構は、図1(a)に示すロードポート装置100における高さ方向の約中央であって載置台115の下方に近接して配置される接続プレート111の左方に、傾斜調整部30を有する。傾斜調整部30は、取付け面5側に固定される第一の傾斜調整部構造体31と、ロードポート100側に固定される第二の傾斜調整部構造体35とより構成される。図4は傾斜調整部30を拡大して示すものであって、同図中、図4(a)は該傾斜調整部30を図1(a)と同様の様式にて見た場合の拡大図を、図4(b)は図4(a)に示す傾斜調整部30を図1(b)と同様の様式にて見た場合の拡大図を各々示している。更に、図4(c)は後述する第一の傾斜調整部構造体31を図1(a)と同様の様式にて、図4(d)は該第一の傾斜調整部構造体31を図1(b)と同様の様式にて示している。なお、図4(c)及び4(d)では、ロードポート装置100側に配置される部材であって、第一の傾斜調整部構造体31に当接、固定される部材を二点鎖線にて示している。
第一の傾斜調整部構造体31は、傾斜アジャストボルト受け雌ネジ部32、傾斜アジャストボルト固定ナット33、及び傾斜アジャストボルト34を有する。また、第二の傾斜調整部構造体35は、サイドプレート113に固定されて鉛直方向に延在する長孔36aを有する傾斜調整タブ36を有する。傾斜アジャストボルト34は取付け面5の所定位置に設けられた傾斜アジャストボルト受け雌ネジ部32に螺合可能であり、傾斜アジャストボルト固定ナット33により螺合状態での取付け面5からの傾斜アジャストボルト34の突き出し量が規定される。傾斜アジャストボルト34の頂部には球面加工が施されてなる球面34a、更に該球面34aには傾斜アジャストボルト34の延在方向に整列する傾斜アジャストボルト雌ネジ部34bが設けられている。該球面34aは、取付け面5から所定距離隔置されて取付け面5に平行な当接部を有する本発明における受け面として機能する。
長孔36aを通るボルト37により傾斜調整タブ36を傾斜アジャストボルト34に固定することにより、サイドプレート113を介してロードポート装置100の取付け面5に対する上方に残存し得る僅かな傾きを調整することが可能となる。その際、球面34aを設けることにより、傾斜調整タブ36が傾き、位置ズレ等を有した場合であっても、これらの影響を排除しつつ該球面34aに対する傾斜調整タブ36の固定が出来る。該傾斜調整タブ36は、前述した受け面(球面34a)に当接可能であって、本形態のネジのみならず種々の手段によって該受け面に固定可能な部材として規定される。
次に、左方の傾斜調整部30に対して対応するロードポート装置100の右方に配置される回転調整部40について述べる。回転調整部40、は取付け面5側に固定される第一の回転調整部構造体41と、ロードポート100側に固定される第二の回転調整部構造体51とより構成される。図5は回転調整部40を拡大して示すものであって、同図中、図5(a)は該回転調整部40を図1(a)と同様の様式にて見た場合の拡大図を、図5(b)は図5(a)に示す回転調整部40を図1(c)と同様の様式にて見た場合(但しこの場合には左方からではなく右方から見た場合)の拡大図を各々示している。更に、図5(c)は後述する第一の回転調整部構造体41を図1(a)と同様の様式にて、図5(d)は該第一の回転調整部構造体41を図1(c)と同様の様式にて示している。なお、図5(c)及び図5(d)では、ロードポート装置100側に配置される部材であって、第一の回転調整部構造体41に当接、固定される部材を二点鎖線にて示している。また、図5(e)は後述するクランパ45のみを図5(c)と同様の方向から見た場合の構成を示している。
第一の回転調整部構造体41は、傾斜固定シャフト42、回転アジャストボルト受け雌ネジ部43、回転アジャストボルト44、クランパ45、クランパ受け雌ネジ部46、及びクランパ固定ナット47を有する。また、第二の回転調整部構造体51は、サイドプレート113に固定されて鉛直方向に延在する長孔52aを有すると共に、該長孔52aの延在方向とは直交する方向に延在して回転調整アジャストボルト44の先端と当接可能な回転調整面52bを有する回転調整タブ52を有する。クランパ45はクランパネジ部45aとクランプ部45bとを有し、これらで傾斜固定シャフト42の端部を挟持、固定することにより、クランパ45の挟持位置から傾斜固定シャフト42の頂部までの距離を規定する。クランパネジ部45aは取付け面5の所定位置に設けられたクランパ受け雌ネジ部46に螺合可能であり、クランパ固定ナット47により螺合状態での取付け面5からのクランパ45の突き出し量が規定される。
傾斜固定シャフト42の頂部には、傾斜調整部30における傾斜アジャストボルト34の頂部と同様の加工が施され、長孔52aを介してボルト53により回転調整タブ52が傾斜固定シャフト42に固定される。クランパ45の取付け面5からの距離の調整、及びクランパ45から傾斜固定シャフト42の頂部までの距離の調整を経た後に、回転調整タブ52をこれらに固定することにより、回転調整タブ52の取付け面5からの距離が調整される。傾斜調整部30での傾斜調整タブ36の固定とこの回転調整タブ52の固定とにより、載置台115近傍でのロードポート装置100と取付け面5との間隔が規定値とされる。傾斜固定シャフト42にはクランパ45に挟持される被クランプ軸部42aとは垂直であって、鉛直方向に貫通する回転アジャストボルト受け雌ネジ部43が形成されている。
回転アジャストボルト44は該回転アジャストボルト雌ネジ部43に螺合可能であって、これを貫通し且つ上下端から突き出す長さを有する。該回転アジャストボルト44をねじ込んでその先端部で回転調整面52bを押圧することにより、該回転調整面52bを押し上げることが可能となる。この回転調整面52bの押し上げにより、支点部10を中心としてサイドプレート113、更にはロードプレート装置100の回転が可能であり、これにより回転方向のより細かな調整が可能となる。回転調整部40では、必須構成としては、取付け面5に平行な方向とは異なる方向に延在し且つ取付け面5に対して直交する面として配置される回転調整面52bと、回転調整面52bを押圧可能な回転調整手段である回転アジャストボルト44及び関連する構成が例示される。なお、この回転アジャストボルト44が回転調整面52bを押圧する方向は本発明において第三の方向として定義される。)回転調整手段によって回転調整面52bを押圧することにより、回転調整面52bが固定される構成或いは該回転調整手段側が固定される構成の何れかが押圧、移動され、結果としてロードポート装置100の取付け面5に対する回動が行われる。これら回転調整面52b及び回転調整手段は、各々取付け面5及びロードポート装置100の何れか一方に配されれば良い。
以上述べた支点部10、回転規制部20、傾斜調整部30、及び回転調整部40の効果により、サイドプレート113及び接続プレート111によって一体化された構造物と取付け面5との配置は容易に所定関係とすることが可能となる。なお、本実施形態で対象とするロードポート装置100は、前述した第一の開口部を形成する部材である開口部カバー部材121を例えばアルミ板等の比較的軽量な部材により構成している。このため、該開口部カバー部材121の上部にもカバー部材固定用タブ122を配し、該カバー部材固定用タブ122をネジ等によって取付け面5に固定している。これにより、半導体処理装置側の取付け面開口部は、ロードポート装置100により好適に閉鎖される。
なお、上述した実施形態において、支点部10を構成する第一の支点部構造体11、回転規制部20を構成する第一の回転規制部構造体21、傾斜調整部30を構成する第一の傾斜調整部構造体31、及び回転調整部40を構成する第一の回転調整部構造体41が取付け面5の側に配置され且つ他方の構造体がロードポート装置100の側に配置される場合について詳述した。しかしながら、これら各々の構造体をロードポート装置100側と取付け面5側の何れの側に配するかは当該実施形態に限定されない。即ち、全ての構造体の配置を入れ替えても良く、或いは部分的に入れ替えても良い。従って、これら構造体各々は、全てロードポート装置100と取付け面5とにおける何れか一方に配置される第一の構造体と、他方に配置される第二の構造体として規定されることが好ましい。また、ここで例示した傾斜調整部30及び回転調整部40の形態は、人力による操作が容易なネジ構造を主体とした一例であって、同様の傾斜度の調整効果及び回転程度の規制効果が得られれば当該構成に限定されない。
また、本実施形態では、一対のサイドプレート113と複数の接続プレート111とからなる一体的な構造体の内部等にドア駆動機構やポッド駆動機構を収容する形態のロードポート装置100を対象とした場合を例示している。本ロードポート装置100の如く、重量の大きな大口径のウエハを対象とする場合に本発明は特に好適である。しかし、本発明はこれら構造からなるロードポート装置のみを対象とするものではなく、カバー部材121が剛性を有する厚板からなり、且つ載置台、ポッド駆動機構、及びドア駆動機構を実質的に該カバー部材121が支持する、所謂鉛直なベースプレートを有する従来のロードポート装置に適用することも可能である。即ち、本発明は、ポッドが載置可能な載置台115と、該ポッドの蓋を保持してその開放を行うドア117と、載置台115及びドア117を支持するベース部材と、該ドア117により開閉可能な開口部と、を有するロードポート装置100を半導体処理装置の取付け面5に取付けるロードポート装置取付け機構として規定されることが好ましい。また、その際に、ベース部材は、載置台115及びドア117を支持して前述した半導体処理装置の取付け面開口部を閉鎖可能な構造を有する種々の形態のものを包含する。
なお、上述した実施形態において、傾斜調整部30及び回転調整部40を用いてロードポート装置100の取付け時に残存する可能性のある微小な傾きや回転方向のズレを修正している。しかし、ロードポート装置100の基本的な姿勢制御は支点部10と回転規制部20とによりある程度以上のレベルで抑えられていることから、これら構成をより簡易なものとして用いることも可能である。以下より簡易な構成を用いる実施形態について述べる。図6は、本発明における更なる実施形態であって、傾斜調整部30及び回転調整部40の代替機能を呈する構成を用いた場合を示す模式図である。図6(a)は第一の実施形態における図1(a)と同様の様式にて本実施形態に係るロードポート装置100を示した図であり、図6(b)は図1(b)に対応し、図6(c)は本実施形態において用いられる特徴的構成であるアジャスタ機構70を図6(a)と同様の方向から見た場合の拡大図を示している。なお、第一の実施形態で示された構成と同様の構成に関しては、図中において同じ参照番号を付記することで説明に換えてここでの説明を省略する。また、以下では相違する工程に関してのみ詳述する。
一対のサイドプレート113は、下方の取付け面5側において接続プレート111により一体化されている。また、サイドプレート113の下方であって、取付け面5より離れた端部では、接続シャフト112により一対のサイドプレート113が互いに連結されている。開口部下辺と平行に延在する棒状の接続シャフト112の両端部は、各々のサイドプレート113に連結されている。本実施形態では、この接続シャフト112の延在方向中央部にアジャスタ機構70を配している。アジャスタ機構70は、接続シャフト112に設けられた傾斜アジャスタネジ受け雌ネジ部112a、傾斜アジャスタネジ71、及び傾斜アジャスタネジ固定ナット72を有する。
傾斜アジャスタネジ受け雌ネジ部112aは接続シャフト112の延在方向中央部において、鉛直方向に該接続シャフト112を貫通するように設けられている。傾斜アジャスタネジ71は軸方向の一方の端部に近づくにつれて拡径してなり、端部接地領域を広げた接地部71aと、他方の端部に設けられた傾斜アジャスタネジ受け雌ネジ部112aに螺合可能な雄ネジ領域72bと、を有する。該雄ネジ領域72bを傾斜アジャスタネジ受け雌ネジ部112aにねじ込むことにより、接続シャフト112から接地部71aの端部接地面71cまでの距離が可変可能となっている。傾斜アジャスタネジ固定ナット72は一旦設定された傾斜アジャスタネジ71の接続シャフトからの突き出し量を一定に保つ。
この突き出し量を調整することにより、接続シャフト112を介してサイドプレート113の取付け面5に対する傾きの調整が可能となる。該アジャスタ機構70を採用することにより、簡易な構成によってロードポート装置100の微小な傾きの調整が可能となる。また、アジャスタ機構70は、取付け面5に対して最も離れた位置にあるロードポート装置100上の構造物となることから、実際にロードポート装置100が設置される環境において実際に操作することが容易であり、調整操作を容易に実行できるという利点も有する。
なお、図6に示すように、例示したアジャスタ機構70に加え、第一の実施形態で示した傾斜調整機構30及び回転調整機構40を併用しても良い。実際の設置状況において頻繁な操作に適さないこれら機構を用いた調整を初期に行い、その後は該アジャスタ機構70を主として用いることにより、継続的な操作時においても必要に応じた傾斜調整の実施が可能となる。以上述べたアジャスタ機構70は主たる構成である傾斜アジャスタネジ71に関連して、取付け面から所定間隔を空けて配されて、一方の端部にて半導体処理装置が配される床面に接地可能であると共に他方の端部にてロードポート装置100と接続され、床面1とロードポート装置100との間隔を可変する構成として把握されることが好ましい。
次に、前述したアジャスタ機構70から得られる効果を他の用途において用いた構成から得ようとする形態について述べる。なお、以下の説明については、前述した他の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、既に図示された構成と同様の構成に関しては、図中において同じ参照番号を付記することで説明に換えてここでの説明を省略する。図7は、本発明における更なる実施形態であって、アジャスタ機構70の代替機能を呈する構成を用いた場合を示す模式図である。図7(a)は第一の実施形態における図1(a)と同様の様式にて本実施形態に係るロードポート装置100を示した図であり、図7(b)は図1(b)に対応し、図7(c)は本実施形態において用いられる特徴的構成であるアジャストキャスタ80を図7(a)と同様の方向から見た場合の拡大図を示している。
本形態では、前述したアジャスタ機構70における傾斜アジャスタネジ71に対して更に自在方向に回動可能なキャスタ機能を付加している。より詳細には、本形態のアジャストキャスタ80は、キャスタ支持部81、キャスタ82、及びキャスタ固定ナット83を有する。キャスタ支持部81は一方の端部においてキャスタ82の回動が可能な態様にこれを支持し、更に他方の端部において雄ネジ領域81aを有する。該雄ネジ領域81aを傾斜アジャスタネジ受け雌ネジ部112aにねじ込むことにより、接続シャフト112からキャスタ82の接地面までの距離が可変可能となっている。キャスタ固定ナット83は一旦設定されたキャスタ82の接続シャフトからの突き出し量を一定に保つ。
この突き出し量を調整することにより、接続シャフト112を介してサイドプレート113の取付け面5に対する傾きの調整が可能となる。該アジャストキャスタ80を採用することにより、簡易な構成によってロードポート装置100の微小な傾きの調整が可能となる。なお、該アジャストキャスタ80は、ロードポート装置100を搬送する際に用いられる構成の一態様とすることも可能である。これにより該ロードポート装置100を半導体処理装置に取り付けた後においても、該ロードポート装置100の搬送に用いる構造物を利用することとなり、ロードポート装置100に付随する部品等を削減する効果も得られる。
また、アジャスタ機構70と同様に該アジャストキャスタ80は、取付け面5に対して最も離れた位置にあるロードポート装置100上の構造物となることから、実際にロードポート装置100が設置される環境において実際に操作することが容易であり、調整操作を容易に実行できるという利点も有する。なお、図7に示すように、例示したアジャストキャスタ80に加え、第一の実施形態で示した傾斜調整機構30及び回転調整機構40を併用しても良い。実際の設置状況において頻繁な操作に適さないこれら機構を用いた調整を初期に行い、その後は該アジャストキャスタ80を主として用いることにより、継続的な操作時においても必要に応じた傾斜調整の実施が可能となる。以上の構造に関してアジャストキャスタ80は前述したアジャスタ機構70の一態様であって、該アジャスタ機構70においてキャスタが配されており、当該キャスタによってロードポート装置100の搬送が可能な態様であると理解されることが好ましい。