本明細書における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図2の状態に筐体1及び金属内箱11を置いて矢印Sで示す前側から見た場合に特定される方向である。
図2を参照し、実施の形態1に係るスロットマシンの筐体1について説明する。筐体1は、天板2の左端部と左側板3の上端部とが互いに固定され、天板2の右端部と右側板4の上端部とが互いに固定され、底板5の左端部と左側板3の下端部とが互いに固定され、底板5の右端部と右側板4の下端部とが互いに固定され、背板6の周縁部が天板2の後部と左側板3の後部と右側板4の後部と底板5の後部とに固定されたことにより、前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間7を構成する。筐体1の前面には、図外の前扉が左側に位置するヒンジを中心として開閉可能に連結される。筐体1の内部空間7に設置される金属内箱11の内部空間17には、図柄表示装置、制御装置、ホッパー等の部品が収容される。
天板2と左側板3と右側板4と底板5及び背板6の素材は木質材又は木材又は合成樹脂等が考えられるが、天板2と底板5とには木質材又は木材を選択すれば、筐体1を島設備と言われる遊技機設置構造体に釘で固定することが容易である。天板2と底板5及び背板6は、直角な4隅を有する方形な板状である。天板2の左右方向の寸法は底板5の左右方向の寸法と同じであるが、天板2の前後方向の寸法は底板5の前後方向の寸法よりも小さな方形である。左側板3及び右側板4は、左右対称形であり、下面と後面とが互いに直交し、上面と後面とが互いに直交し、前面が下方から上方に行くに従って徐々に後方に傾斜する後傾状になった形状に構成される。よって、内部空間7の前面開口は、下方から上方に行くに従って徐々に後方に傾斜する後傾状になった斜面を構成する造形になる。
左側板3及び右側板4には、取っ手8;9が個別に設けられる。取っ手8は、左側板3の外部側から内部空間側に窪む凹部又は外部と内部空間7と貫通する孔として形成される。取っ手9は、右側板4の外部側から内部空間側に窪む凹部又は外部と内部空間7と貫通する孔として形成される。
筐体1の内部空間7に設置される金属内箱11は、天面材12の左端部と左側面材13の上端部とが互いに固定され、天面材12の右端部と右側面材14の上端部とが互いに固定され、底面材15の左端部と左側面材13の下端部とが互いに固定され、底面材15の右端部と右側面材14の下端部とが互いに固定され、背面材16の周縁部が天面材12の後部と左側面材13の後部と右側面材14の後部と底面材15の後部とに固定されたことにより、前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間17を構成する。
図3を参照し、実施の形態1に係る金属内箱11の各構成部材について説明する。天面材12は、天板2の内部空間側面と同じ大きさの方形な面を構成し、後縁部に被連結片21と左右の2つの縁部に連結片22;23を備える。上記天板2の内部空間側面は、天板2の内部空間7を構成する面である。被連結片21は、左側面材13の被連結片26と右側面材14の被連結片29とに重ならないような左右方向の横幅を有する片を天面材12の下方に直角に折り曲げることで天面材12の後縁部から下方に突出した造形である。被連結片21は、左右に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。連結片22;23は、天面材12の左右の2つの周縁部のそれぞれに複数個ずつ設けられ、天面材12の外部と内部とにわたり形成された一対の切断部分の間に残存する片を天面材12の下方に直角に折り曲げることで天面材12の左右の2つの縁部から下方に突出した造形である。連結片22;23の個数は、2個ずつに限定されるものではないが、図3に示すように2個ずつであれば、構造が簡単で支持機能が適切に発揮できる。
左側面材13は、筐体1における左側板3の内部空間側面と同じ大きさの方形な面を構成し、上下後の3つの縁部に被連結片24;25;26を備える。上記左側板3の内部空間側面は、左側板3の内部空間7を構成する面である。被連結片24乃至26は、互いに接続された造形でもよいが、図3に示すように単独に分かれていれば、構造が簡単になる。被連結片24は、左側面材13の前後方向の横幅を有する片を左側面材13の右方に直角に折り曲げることで左側面材13の上縁部から右方に突出した造形である。被連結片24は、前後に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。被連結片25は、左側面材13の前後方向の横幅を有する片を左側面材13の右方に直角に折り曲げることで左側面材13の下縁部から右方に突出した造形である。被連結片25は、前後に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。被連結片26は、左側面材13の上下方向の高さを有する片を左側面材13の右方に直角に折り曲げることで左側面材13の後縁部から右方に突出した造形である。被連結片26は、上下に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。
右側面材14は、筐体1における右側板4の内部空間側面と同じ大きさの方形な面を構成し、上下後の3つの縁部に被連結片27;28;29を備える。上記右側板4の内部空間側面は、右側板4の内部空間7を構成する面である。被連結片27乃至29は、互いに接続された造形でもよいが、図3に示すように単独に分かれていれば、構造が簡単になる。被連結片27は、右側面材14の前後方向の横幅を有する片を右側面材14の左方に直角に折り曲げることで右側面材14の上縁部から左方に突出した造形である。被連結片27は、前後に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。被連結片28は、右側面材14の前後方向の横幅を有する片を右側面材14の左方に直角に折り曲げることで右側面材14の下縁部から左方に突出した造形である。被連結片28は、前後に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。被連結片29は、右側面材14の上下方向の高さを有する片を右側面材14の左方に直角に折り曲げることで右側面材14の後縁部から左方に突出した造形である。被連結片28は、上下に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。
底面材15は、筐体1における底板5の内部空間側面と同じ大きさの方形な面を構成し、後縁部に被連結片30と左右の2つの縁部に連結片31;32を備える。上記底板5の内部空間側面は、底板5の内部空間7を構成する面である。被連結片30は、左側面材13の被連結片26と右側面材14の被連結片29とに重ならないような左右方向の横幅を有する片を底面材15の上方に直角に折り曲げることで底面材15の後縁部から上方に突出した造形である。被連結片30は、左右に分かれた複数個でもよいが、図3に示すように単数であれば、構造が簡単になる。連結片31;32は、底面材15の左右の2つの縁部のそれぞれに複数個ずつ設けられ、底面材15の外部と内部とにわたり形成された一対の切断部分の間に残存する片を底面材15の上方に直角に折り曲げることで底面材15の左右の2つの縁部から上方に突出した造形である。連結片31;32の個数は、2個ずつに限定されるものではないが、図3に示すように2個ずつであれば、構造が簡単で支持機能が適切に発揮できる。
背面材16は、筐体1における背板6の内部空間側面と同じ大きさの方形な面を構成し、上下左右の4つの縁部に連結片33;34;35;36を備える。上記背板6の内部空間側面は、背板6の内部空間7を構成する面である。連結片33乃至36は、背面材16の上下左右の4つの縁部のそれぞれに複数個ずつ設けられ、背面材16の外部と内部とにわたり形成された一対の切断部分の間に残存する片を背面材16の前方に直角に折り曲げることで背面材16の上下左右の4つの縁部から前方に突出した造形である。連結片33乃至36の個数は、2個ずつに限定されるものではないが、図3に示すように2個ずつであれば、構造が簡単で支持機能が適切に発揮できる。
図3において、実施の形態1に係る筐体1の内部空間7に金属内箱11を設置する方法について説明すると、例えば、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15及び背面材16のそれぞれが筐体1の内部空間7に入れられて互いに組み合わせられることで、金属内箱11を筐体1の内部で組み立てる方法が考えられる。金属内箱11を筐体1の内部で組み立てるには、先ず、背面材16の連結片33乃至36が前方に向けられた状態において、背面材16が筐体1の前方から内部空間7に入れられ、背面材16の後面が筐体1の背板6の空間内部側面に重ね合わされる。次に、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15とが別々に筐体1の前方から内部空間7に入れられて背面材16に連結される。
具体的には、天面材12の場合は、被連結片21と連結片22;23とが底面材15の側に向けられ、被連結片21が後方に配置され、連結片22が左方に配置され、連結片23が右方に配置された状態において、天面材12が筐体1の前方から内部空間7に入れられる。そして、天面材12の上面が筐体1の天板2の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片21が背面材16の連結片33よりも上方の空間内部側面に重ね合わされる。その後、連結片33が人により上方に折り曲げられる。これにより、天面材12と背面材16とが互いに連結される。
左側面材13の場合は、被連結片24乃至26が右側面材14の側に向けられ、被連結片24が上方に配置され、被連結片25が下方に配置され、被連結片26が後方に配置された状態において、左側面材13が筐体1の前方から内部空間7に入れられる。そして、左側面材13の左面が筐体1の左側板3の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片24が天面材12の連結片22よりも左方の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片26が背面材16の連結片35よりも左方の空間内部側面に重ね合わされる。その後、連結片22;35が人により左方に折り曲げられる。これにより、天面材12と左側面材13と背面材16とが互いに連結される。
右側面材14の場合は、被連結片27乃至29が左側面材13の側に向けられ、被連結片27が上方に配置され、被連結片28が下方に配置され、被連結片29が後側に配置された状態において、右側面材14が筐体1の前方から内部空間7に入れられる。そして、右側面材14の右面が筐体1の右側板4の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片27が天面材12の連結片23よりも右方の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片29が背面材16の連結片36よりも右方の空間内部側面に重ね合わされる。その後、連結片23;36が人により右方に折り曲げられる。これにより、天面材12と右側面材14と背面材16とが互いに連結される。
底面材15の場合は、被連結片30と連結片31;32とが天面材12の側に向けられ、被連結片30が後方に配置され、連結片31が左方に配置され、連結片32が右方に配置された状態において、底面材15が筐体1の前方から内部空間7に入れられる。そして、底面材15の下面が筐体1の底板5の空間内部側面に重ね合わされ、被連結片30が背面材16の連結片34よりも下方の空間内部側面に重ね合わされ、底面材15の連結片31よりも左方の空間内部側面が左側面材13の被連結片25の下面に重ね合わされ、底面材15の連結片32よりも右方の空間内部側面が右側面材14の被連結片28の下面に重ね合わされる。その後、連結片31が人により左方に折り曲げられ、連結片32が人により右方に折り曲げられ、連結片34が人により下方に折り曲げられる。これにより左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とが互いに連結され、図1に示すように、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とから前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間17を構成した金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置される。金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置された場合、金属内箱11が筐体1よりも前方に突出しない構成であり、筐体1の取っ手8;9の内部空間7の側が金属内箱11で塞がれる。
尚、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15とが別々に筐体1の前方から内部空間7に入れられる順序は何れが先であってもよい。又、筐体1の外部において、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とからなる前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間17を構成した金属内箱11が形成され、その後に金属内箱11を筐体1の内部空間7に設置してもよいが、段落0019乃至段落0023に記載した組み立て方法の方が、面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15及び背面材16どうしの位置合わせが適切になり、金属内箱11を筐体1の内部空間7に容易に設置することができる。
図1を参照し、実施の形態1に係る金属内箱11を内部空間7に設置してなる筐体1について説明すると、被連結片21と連結片33との結合、連結片22と被連結片24との結合、連結片23と被連結片27との結合、被連結片25と連結片31との結合、被連結片26と連結片35との結合、被連結片28と連結片32との結合、被連結片29と連結片36との結合、被連結片30と連結片34との結合のそれぞれにより、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15とが背面材16に一体に結合している一方、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とからなる金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置され、筐体1と金属内箱11とが互いに接触した構造になっている。
よって、金属内箱11が接地されることにより、筐体1が金属内箱11により静電気を除去できると共に遊技機設置構造体に設置された状態において、ピアノ線のような不正操作部材が筐体1の外部から筐体1に差し込まれても、金属内箱11が不正操作部材の内部空間17への侵入を阻止して不正操作を防止できる。尚、不正操作部材の侵入を阻止するには、金属内箱11を構成する天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とにおけるそれぞれの板厚は、例えば、0.3mmに限定されるものでないが、0.3mm以上もあれば必要かつ十分である。
上記のように、金属内箱11が筐体1の天板2の内部空間側面に接触する天面材12と筐体1の左側板3の内部空間側面に接触する左側面材13と筐体1の右側板4の内部空間側面に接触する右側面材14と筐体1の底板5の内部空間側面に接触する底面材15と筐体1の背板6の内部空間側面に接触する背面材16とを備えたので、金属内箱11における内部空間17が広くなる。又、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とが互いに連結しているので、金属内箱11の一ヶ所を接地すれば、接地の構造が簡単になる。
図4を参照し、実施の形態2に係る金属内箱11の各構成部材について説明する。図4において、図3に示す実施の形態1と同一の部分には同一符号付して重複する説明を省略する。図4では、天面材12の前縁部に保護片41を設け、左側面材13の前縁部に保護片42を設け、右側面材14の前縁部に保護片43を設け、底面材15の前縁部に保護片44を設けた構造が、図3の構造と相違する。保護片41は、天面材12の前縁部から下方に突出する第1片と第1片の下縁部から前方に突出する第2片とから構成される。保護片42は、左側面材13の前縁部から右方に突出する第1片と第1片の右縁部から前方に突出する第2片とから構成される。保護片43は、右側面材14の前縁部から左方に突出する第1片と第1片の左縁部から前方に突出する第2片とから構成される。保護片44は、底面材15の前縁部から上方に突出する第1片と第1片の上縁部から前方に突出する第2片とから構成される。そして、段落0019乃至段落0023に記載された組み立て方により、図5に示すように、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とから前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間17を構成した金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置される。
図5を参照し、実施の形態2に係る金属内箱11を内部空間7に設置してなる筐体1について説明すると、金属内箱11の保護片41乃至44が筐体1よりも前方に突出する。そして、筐体1の前部には図外の前扉が左側のヒンジで開閉可能に連結され、この前扉が閉じられて筐体1の前部を塞ぐことにより、保護片41乃至44が筐体1と前扉との間の隙間を塞ぐので、不正操作部材が筐体1の外部から筐体1と前扉との間の隙間に挿入されても、保護片41乃至44が不正操作部材の内部空間17への侵入を阻止して不正操作を防止できる。
図6を参照し、実施の形態3に係る筐体1と金属内箱11との通気孔45;46について説明する。図6において、図3に示す実施の形態1と同一の部分には同一符号付して重複する説明を省略する。図6では、通気孔45;46は、空気を流通させるものの不正操作部材を通過させ難い構造であり、金属内箱11の内部空間17に収容された電気部品からの放熱を筐体1の外部に排出すると共に、不正操作部材が筐体1の外部から内部空間17に侵入し難いようになっている。通気孔45;46の個数は、単数でも複数でもよい。筐体1に設けられた通気孔45と金属内箱11に設けられた通気孔46とが筐体1の内部空間側面に平行する方向に位置をずらして形成されことにより空気を流通させるものの不正操作部材を通過させ難い造形になっている。
図6では、通気孔45が筐体1の背板6に設けられ、通気孔46が金属内箱11の背面材16に設けられた場合を例示したが、通気孔45が天板2と左側板3と右側板4と底板5と背板6とのそれぞれに又は何れかに設けられ、通気孔46が天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とのそれぞれに又は何れかに設けられてもよい。通気孔45が天板2と左側板3と右側板4と底板5と背板6とのそれぞれに又は何れかに設けられ、通気孔46が天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15と背面材16とのそれぞれに又は何れかに設けられた場合には、以下の説明において、通気孔45の設けられる部材としての背板6を、天板2と左側板3と右側板4と底板5とそれぞれ読み替えることにより、通気孔46の設けられる部材としての背面材16を、天面材12と左側面材13と右側面材14と底面材15とそれぞれ読み替えることにより、適用可能になる。
図7を参照し、通気孔45;46について説明する。先ず、通気孔45について説明する。通気孔45は、空間側凹部47と外側凹部48とから構成される。空間側凹部47と外側凹部48とは、互いに背板6の内部空間側面に平行する方向と背板6の内部空間側面に直交する方向とに交差するように位置をずらして隙間49を形成する。例えば、隙間49の内部空間側面に平行する方向の寸法L1が2mm、隙間49の内部空間側面に直交する方向の寸法L2が1mmと考えられるが、上記寸法L1;L2は上記数値に限定されるものではなく空気を流通させるものの不正操作部材を通過させ難い寸法であればよい。空間側凹部47が上で外側凹部48が下になるように、又は、空間側凹部47が左で外側凹部48が右になるように、又は、空間側凹部47が右で外側凹部48が左になるように、空間側凹部47と外側凹部48とが配置されていても適用可能であるが、図7に示すように、空間側凹部47が下で外側凹部48が上になるように配置されていれば、空間側凹部47が上で外側凹部48が下になる場合よりも、内部空間17に配置された図外の電気部品からの放熱が矢印Xで示すように下の空間側凹部47から上の隙間49を経由して更に外側凹部48から外部へとつまり下から上へと通気孔45を経由して外部に円滑に放出される。
次に、通気孔46について説明する。通気孔46は、空間側凹部47の内部空間側開口より小さい口径であり、金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置され、背板6と背面材16とが互いに重なり合わされた場合には、背面材16の通気孔46を取り囲む部分が隙間49と内部空間17の側で対向して空間側凹部47の内部空間側開口の一部を塞いで、図外の不正操作部材が筐体1の外部から外側凹部48及び隙間49を経由して空間側凹部47に挿入された場合でも、不正操作部材が背面材16の通気孔46を取り囲む部分に衝突して内部空間17に挿入され難くなるので、内部空間17に配置された図外の電気部品や機構部品に対する不正操作部材による不正操作を防止することができる。
尚、図示は省略したが、図7の通気孔45において、空間側凹部47の外側凹部側と外側凹部48の空間側凹部側とが筐体1の内部空間側面としての背板6の内部空間側面に平行する方向で内部空間側面に直交する方向の1つの平面内に位置すると共に内部空間側面に直交する方向で交差するように位置をずらして隙間49を形成するようにしてもよい。換言すると、隙間49は、空間側凹部47と外側凹部48とが背板6の内部空間側面に平行する方向に位置をずらすことなく(図7に示すL1=0)背板6の内部空間側面に直交する方向にだけ位置をずらして形成された造形である。上記空間側凹部47と外側凹部48とが背板6の内部空間側面に平行する方向に位置をずらすことなくとは、図7に示すL1=0のことである。又、図示は省略したが、図7の背面材16の通気孔46を取り囲む部分が隙間49と内部空間17の側で対向して空間側凹部47の内部空間側開口の周囲を塞ぐようにしてもよい。
図8を参照し、実施の形態4に係る筐体1に設けられた通気孔50と金属内箱11に設けられた通気孔46について説明する。図8において、図7に示す実施の形態3と同一の部分には同一符号付して重複する説明を省略する。図8では、通気孔50は、通気孔46に類似し、筐体1の内部空間7と外部とに貫通する一様の貫通孔により構成される。そして、金属内箱11が筐体1の内部空間7に設置された場合、背板6と背面材16とがそれの間に隙間51を形成するように互いに離れて配置され、通気孔50と通気孔46とが互いに前後方向で対向しないように筐体1の内部空間側面に平行する方向で位置をずらして形成されて空気を流通させるものの不正操作部材を通過させ難い構造になっている。
図9を参照し、実施の形態4に係る筐体1の各構成部材について説明する。図9において、図3に示す実施の形態1と同一の部分には同一符号付して重複する説明を省略する。図9では、天板2の内部空間側面には金属板からなる天面材52が固定され、左側板3の内部空間側面には金属板からなる左側面材53が固定され、右側板4の内部空間側面には金属板からなる右側面材54が固定され、底板5の内部空間側面には金属板からなる底面材55が固定され、背板6の内部空間側面には金属板からなる背面材56が固定された構成である。上記固定は、接着剤又はビス又はタッカー又は天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とのそれぞれに設けた鋭利な突起等の固定具を利用することが考えられる。
そして、天板2の天面材52よりも左方における左端部と左側板3の左側面材53よりも上方における上端部とが互いに固定され、天板2の天面材52よりも右方における右端部と右側板4の右側面材54よりも上方における上端部とが互いに固定され、底板5の底面材55よりも左方における左端部と左側板3の左側面材53よりも下方における下端部とが互いに固定され、底板5の底面材55よりも右方における右端部と右側板4の右側面材54よりも下方における下端部とが互いに固定され、背板6の背面材56よりも内部空間側面に平行な方向の外側における周縁部が天板2の天面材52よりも後方における後部と左側板3の左側面材53よりも後方における後部と右側板4の右側面材54よりも後方における後部と底板5の底面材55よりも後方における後部とに固定されたことにより、図10に示すように、筐体1が前方に開放されかつ左右上下後の囲まれた方形な内部空間7を備えた造形に構成される。
図10を参照し、実施の形態4に係る筐体1について説明する。不正操作部材の侵入を阻止するには、天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とにおけるそれぞれの板厚は、例えば、0.3mmに限定されるものでないが、0.3mmであれば必要かつ十分である。天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とが互いに接続していても又は図示のように独立していてもよい。又、天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とが接地されることにより、筐体1が天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とにより静電気を除去できる。又、金属内箱11を構成する天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56とが互いに独立しているので、不正防止の必要な部分に金属板を使用し、不正防止の不要な部分に金属箔又は金属フィルムを使用するというように、不正防止の必要な部分と不要な部分とで素材の使い分けができる。
尚、例えば、背面材56が不正操作部材の侵入を阻止するための金属板で構成され、天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55とのそれぞれが金属箔又は金属フィルムで構成され、上記金属板で構成された背面材56と上記金属箔又は金属フィルムで構成され天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55とのそれぞれを接地すれば、静電気が除去できる。又、天面材52と左側面材53と右側面材54と底面材55と背面材56のうちで接地の必要ない部材は接地しなくてよい。又、不正操作部材の侵入を阻止することの必要な部分は金属板とし、不正操作部材の侵入を阻止することの不要な部分は金属箔又は金属フィルムで構成すれば、金属板と金属箔又は金属フィルムとを使い分けることができる。又、図7に示す通気孔45;46又は図8に示す通気孔46;50を図10に示す筐体1に採用してもよい。図8に示す通気孔46;50を採用する場合、図9の背面材56が金属板で構成され、この背面材56が図8の隙間51を形成するように背板6に取り付けられるか又は背面材56の該当する部分に背板6の側から前方に突出する凹部が形成されればよい。
図1、図5、図6、図10に示す筐体1において、図外の幕板が左側板3の下部と右側板4の下部と底板5とにわたって固定されて内部空間7の前側下部を塞いだ構成でもよい。尚、図外の幕板が図6の筐体1に設けられる場合は、保護片42の幕板と干渉する部分を除去し、保護片43の幕板と干渉する部分を除去し、保護片44を除去すればよい。
図示は省略したが筐体1をパチンコ機の筐体としても適用できる。筐体1をパチンコ機の筐体として適用する場合は、天板2と左側板3と右側板4と底板5及び背板6は、直角な4隅を有する方形な板状である。天板2と左側板3と右側板4と底板5は、前後方向の奥行きが同じ寸法である。又、天板2と底板5とは、左右方向の幅が同じ寸法であり、同形に構成される。左側板3と右側板4とは、上下方向の高さが同じ寸法であり、同形に構成される。背板6は、天板2と左側板3と右側板4と底板5とで囲まれた方形な内部空間7の後部を全面的に塞ぐ大きさである。よって、内部空間7の前面開口は、背板6の前面としての内部空間側面と平行な垂直面を構成する。筐体1をパチンコ機の筐体として適用した場合は、筐体1の前部には図外の前枠が左側のヒンジで開閉可能に連結され、前枠には図外の遊技盤や制御装置及び機構部品並びに前扉が取り付けられ、前枠が閉じられて筐体1の前部を塞ぐことにより上記遊技盤や制御装置及び機構部品が内部空間7に収容される。