JP5986383B2 - 廻り階段構造及び廻り階段の施工方法 - Google Patents
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Description
廻り踏板部10としては、三角形又は変形四角形の板材が用いられ、廻り踏板部10は、中央に配置された中央柱1に刻設された複数の溝1aと、周囲の壁に取付けられた廻り側板2との間に架け渡すようにして取付けられる。なお、廻り階段の下側及び上側には、側板3間に架け渡された平板状の踏板部13と踏板部13の上下を連結する蹴込部14を有する直線階段がそれぞれ連結されている。
そして、中央柱1に対する廻り踏板部10の取付けに際して、廻り踏板部10の内端部10Xが嵌入される中央柱1の溝1aは、手作業で、サイズ,角度及び高さを微妙にずらせながら中心柱1の周囲に螺旋状に加工されているので、特に複雑な加工精度が要求される。そのため、多くの施工時間が必要とされる。
この保持部材20は、中央柱1に覆い被せるようにして組付けられ、切欠き21に廻り踏板部10を嵌入するものであるので、中央柱1に溝を刻設する必要がない。そのため、施工時間の短縮と施工精度の向上を図ることができ、中央柱1の強度を弱めないといった利点を有する。
これによれば、廻り踏板部10の内端部10Xを十分な幅を有する載置面31上に安定して固定することが可能であり、中央柱1自体には加工が不要で構造を簡易なものにすることができる。
また、中央柱1は依然として保持部材20や支持板30を取付けるために必要不可欠であるので、幅の広い、例えば、衣装ケースや机やベッドなどを持ち運びする場合には、中央柱1が邪魔になり空間が制限されるといった問題がある。また、中央柱1の存在や、中央柱1に保持部材20や支持板30を取付けると階段下の空間も狭くなり、空間を有効利用することが困難になる。
この軋み音は、歩行者100等の荷重によって廻り踏板部10に撓み15が発生し、廻り蹴込部11の上端部と廻り踏板部10の下面に形成された溝10Zとが擦れることが原因で発生したり、廻り蹴込部11と廻り踏板部10とが、一応、釘Nで固定されているものの、廻り蹴込部11の化粧面(表面)には既に塗装16が介在しているために接着剤(図示せず)の効力が半減し固定不十分となって擦れることが原因で発生したり、あるいは、廻り蹴込部11の厚さが4〜6mm(ミリメートル)程度と薄いことから容易に座屈17が生じてしまうことが原因で発生するものと考えられる。
これに対して、図11に示されるように、廻り蹴込部11の上下に隙間18を設け、その隙間18を隠蔽材19で隠すことで廻り踏板部10と廻り蹴込部11とを絶縁し、廻り踏板部10の撓みを吸収する場所を設けるようにしたものが知られている(特許文献3)。
この構造であれば、廻り踏板部10の撓みが廻り蹴込部11に作用しないので、擦れ等の発生が防止されるが、これまで幾分かは廻り蹴込部11が負担してきた荷重の全てを廻り踏板部10が負担することになるので、軋み音の発生が減少するかわりに廻り踏板部10の撓みが一段と増えてしまうので階段としての強度が低下してしまう。
前記廻り踏板部を、木質材料からなる廻り踏板下地(51)と、前記廻り踏板下地(51)の上面に重ね合わされ固定される廻り踏板化粧材(52)から構成するとともに、
前記廻り蹴込部を、上下に隣接する前記廻り踏板下地(51,51)の間で少なくとも前記廻り踏板下地(51)の内端部(51X)側に設けられ、下部前面に切り欠き(53m)が形成されその切り欠き(53m)に前記廻り踏板下地(51)の後面側が嵌め込まれて前記廻り踏板下地(51)と一体的に強固に固定される廻り蹴込板下地(53,54)と、前記廻り蹴込板下地(53,54)の前面に重ね合わされ固定され前記廻り踏板下地(51)と完全一体化された木質材料からなる廻り蹴込板化粧材(55)から構成したことを特徴とする。
前記廻り蹴込板下地(53,54)の横幅は、前記廻り踏板下地(51)の横幅よりも狭く、前記廻り蹴込板下地(53,54)間に手を入れることが可能な空間(H)を形成したことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記廻り踏板下地(51)と前記廻り蹴込板下地(53,54)は、仮設廻り階段としても使用可能に一体的に強固に固定され、
前記廻り踏板化粧材(52)及び廻り蹴込板化粧材(55)は、廻り階段設置時に前記廻り踏板下地(51)及び廻り蹴込板下地(53,54)にそれぞれ固定されることを特徴とする。
廻り階段設置時には、廻り踏板化粧材(52)を前記廻り踏板下地(51)の上面に重ね合わせて固定するとともに、廻り蹴込板化粧材(55)を前記廻り蹴込板下地(53,54)の前面に重ね合わせて固定することを特徴とする。
また、廻り踏板化粧材と廻り蹴込板化粧材はそれぞれ別体のものに限定されるものではなく、連続シート状の化粧材を使用したもの、例えば、いわゆるカーペット階段と呼ばれるような、カーペットを廻り踏板下地と廻り蹴込板下地の上に連続して貼り付けた一体ものであってもよい。
したがって、従来、木質材料からなる廻り階段構造では、内端部の中央柱への固定は必須であったが、本発明ではこの中央柱への固定を省くこともできるので、例えば、中央柱を完全に取り除くことにより、衣装ケースや机やベッドなどといった幅の広いものを持ち運びする場合には空間が制限されないし、階段下の空間も特に狭くなることはなく空間を有効利用することができる。
また、廻り踏板下地と廻り蹴込板下地は完全一体化されているので、廻り踏板下地に荷重が作用するとその力は、上下の廻り蹴込板下地を介して上下の廻り踏板下地に分散され、撓みを極めて抑えることができる。特に住宅を新築するときには、その工事中に重量物を運搬することが多くなるが、高い安全性を確保することができる。
これによれば、材料(廻り蹴込板下地)の有効利用が図れるとともに、廻り階段の表側からその空間に手を入れ、裏側に設けられた、例えば照明器具の配線などを、特に階段の裏側に回ることなく検査することができる。また、階段の裏面側から廻り踏板下地や廻り蹴込板下地の施工作業が不要になる。さらに、廻り蹴込板下地を取付ける際に位置ずれが生じた場合には、隙間を利用して微調整することも簡単に行うことができる。
本発明の実施形態は、複数の廻り踏板部を、高さを変えつつ所定角度(ここでは30度)で回転させた状態で設置するとともに、廻り踏板部間に廻り蹴込部を設けてなる廻り階段構造に関するものである。
また、廻り蹴込部は、廻り踏板部とともに下地材として使用され、廻り踏板下地51と一体的に強固に固定される木質材料からなる廻り蹴込板下地53,54と、廻り蹴込板下地53,54の前面に重ね合わされるようにして固定される廻り蹴込板化粧材55から構成されている。
なお、廻り踏板化粧材52と廻り蹴込板化粧材55はそれぞれ別体のものに限定されるものではなく、連続シート状の化粧材を使用したもの、例えば、いわゆるカーペット階段と呼ばれるような、カーペットを廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54の上に連続して貼り付けた一体のものであってもよい。
特に、廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54が一体化された下地材は、仮設廻り階段としても使用することができるように構成されている。
蹴込板下地53,54の下部前面には切り欠き53m,54m(なお、廻り蹴込板下地54側の切り欠き54mについては図示を省略した)が形成され、その切り欠き53m,54mに廻り踏板下地51の後面側が嵌め込まれた後、木ネジ69で強固に固定される。また、蹴込板下地53,54の上面は、廻り踏板下地51の前面下部に当接させられた後、木ネジ69で強固に固定される。なお、木ネジ69は、一本だけでなく二本を並列して使用したり、木ネジ69での固定に接着剤による固定を併用することもできるし、強力な接着剤を使用すれば木ネジ69の使用は不要になる。また、切り欠き53m,54mの形状についてはフィンガージョイントなど様々の態様のものが考えられ、廻り踏板下地51と蹴込板下地53,54が強固に固定されるものであればよい。
この期間中、基本的に養生材は施工しないが、多少の汚れや傷が付いても、後述のように、廻り踏板化粧材52及び廻り蹴込板化粧材55を施工によって完全に隠蔽できるので問題ない。
工事最終段階に至って、図3に示したように、廻り踏板化粧材52及び廻り蹴込板化粧材55を廻り踏板下地51及び蹴込板下地53,54の上から重ねて貼着すれば、階段として完成する。これらの化粧部材に関しては、特に構造を限定するものでは無い。
廻り踏板化粧材52及び廻り蹴込板化粧材55の廻り踏板下地51及び蹴込板下地53,54上への貼着は、通常は工事の最終段階で実施するが、大量の大型の荷物が搬入される入居者の引越しが終了した段階で施工するようにすれば、一層安心である。
したがって、従来、木質材料からなる廻り階段構造では、内端部の中央柱1への固定は必須であったが、この中央柱1への固定を省くこともできるので、例えば、中央柱1を完全に取り除くことにより、衣装ケースや机やベッドなどといった幅の広いものを持ち運びする場合には空間が制限されないし、階段下の空間も特に狭くなることはなく空間を有効利用することができる。
なお、図4に示すように中央柱1を設置するようにしてもよく、廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54は強固に一体的に固定されているので、この場合、廻り踏板部21の内端部51Xは、中央柱1に接する程度か離れた位置にあり中央柱1に支持されるものではないが、全ての廻り踏板下地51の内端部51X側を、あるいは一部の廻り踏板下地51の内端部51X側を、補強的に中央柱1に支持されるようにすることもできる。また、廻り踏板部21の内端部51Xと中央柱1との間に隙間が生じる場合には簡易な覆い部材を設けてもよい。また、廻り踏板下地51の中央柱1への固定については、補助的支持材を用いて中央柱1へ固定する場合も考えられるが、廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54は強固に一体的に固定されているので、全ての廻り踏板下地51の内端部51X側からの加重を補助的支持材を介して中央柱1で支持させる必要はなく、一部の内端部51X側からの加重を支持させるようにすることもできる。なお、この補助的支持材は必ずしも全ての廻り踏板下地51に取付ける必要はない。
つまり、廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54は強固に一体的に固定されているので、廻り踏板下地51の内端部51X側については、中央柱1などの他の部材で支持させる必要はなく、仮に支持させたとしても補助的なものあるいは廻り踏板下地51の内端部51Xと中央柱1など他の部材との隙間を覆うようなもので足りる。
また、廻り踏板下地51と廻り蹴込板下地53,54は完全一体化されているので、廻り踏板下地51に荷重が作用するとその力は、上下の廻り蹴込板下地53,54に分散され、撓みを極めて抑えることができる。特に住宅を新築するときには、その工事中に重量物を運搬することが多くなるが、高い安全性を確保することができる。
これによれば、材料(廻り蹴込板下地)の有効利用が図れるとともに、廻り階段の表側からその空間Hに手を入れ、裏側に設けられた、例えば照明器具の配線などを、特に階段の裏側に回ることなく検査することができる。また、階段の裏面側から廻り踏板下地51や廻り蹴込板下地53,54の施工作業が不要になる。さらに、廻り蹴込板下地53,54を取付ける際に位置ずれが生じた場合には、形成された空間Hを利用して微調整することも簡単に行うことができる。
例えば、2段廻りであれば、45度の角度で廻り踏板部(廻り踏板下地51とその上面に重ね合わされる廻り踏板化粧材52)を回転させることになる。
1a 溝
2 廻り側板
3 側板
10 廻り踏板部
10X 内端部
10Z 溝
11 廻り蹴込部
13 踏板部
14 蹴込部
15 撓み
16 塗装
17 座屈
18 隙間
19 隠蔽材
20 保持部材
21 切欠き
22 縦溝
30 支持板
31 載置面
51 廻り踏板下地
51X 内端部
51Y 外端部
52 廻り踏板化粧材
52a 平面部
52b 覆い部
53 廻り蹴込板下地
53m 切り欠き
54 廻り蹴込板下地
54m 切り欠き
55 廻り蹴込板化粧材
61 廻り側板
62 側板
63 踏板部
64 蹴込部
65 化粧踏板
66 化粧蹴込板
69 木ネジ
100 歩行者
H 空間
N 釘
Claims (7)
- 複数の廻り踏板部を、高さを変えつつ所定角度で回転させた状態で設置するとともに、前記廻り踏板部間に廻り蹴込部を設けてなる廻り階段構造において、
前記廻り踏板部を、木質材料からなる廻り踏板下地と、前記廻り踏板下地の上面に重ね合わされ固定される廻り踏板化粧材から構成するとともに、
前記廻り蹴込部を、上下に隣接する前記廻り踏板下地の間で少なくとも前記廻り踏板下地の内端部側に設けられ、下部前面に切り欠きが形成されその切り欠きに前記廻り踏板下地の後面側が嵌め込まれて前記廻り踏板下地と一体的に強固に固定され前記廻り踏板下地と完全一体化された木質材料からなる廻り蹴込板下地と、前記廻り蹴込板下地の前面に重ね合わされ固定される廻り蹴込板化粧材から構成したことを特徴とする廻り階段構造。 - 前記廻り蹴込板下地は一枚の板状であって、
前記廻り蹴込板下地の横幅は、前記廻り踏板下地の横幅よりも狭く、前記廻り蹴込板下地の外端部の外側に手を入れることが可能な空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の廻り階段構造。 - 前記廻り蹴込板下地を複数分離して設け、
前記廻り蹴込板下地の横幅は、前記廻り踏板下地の横幅よりも狭く、前記廻り蹴込板下地間に手を入れることが可能な空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の廻り階段構造。 - 前記廻り踏板下地の外端部側は、側板又は壁材に取付けられるが、前記廻り踏板下地の内端部側については、前記廻り踏板下地の内側の位置に離間して設けられた他の部材によっては支持されないようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の廻り階段構造。
- 前記廻り踏板下地と前記廻り蹴込板下地は、仮設廻り階段としても使用可能に一体的に強固に固定され、
前記廻り踏板化粧材及び廻り蹴込板化粧材は、廻り階段設置時に前記廻り踏板下地及び廻り蹴込板下地にそれぞれ固定されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の廻り階段構造。 - 前記廻り蹴込板下地は、少なくとも前記廻り踏板下地の略中央部と内端部側に分離して設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載の廻り階段構造。
- 仮設廻り階段設置時には、外端部側を側板又は壁材に取付けるが内端部側については前記廻り踏板下地の内側の位置に離間して設けられた他の部材によっては支持されないようにした木質材料からなる廻り踏板下地を、高さを変えつつ所定角度で回転させた状態で設置するとともに、上下に隣接する前記廻り踏板下地の間で少なくとも前記廻り踏板下地の内端部側に、下部前面に切り欠きが形成され木質材料からなる廻り蹴込板下地のその切り欠きに前記廻り踏板下地の後面側を嵌め込んで前記廻り踏板下地と一体的に強固に固定し完全一体化させ、
廻り階段設置時には、廻り踏板化粧材を前記廻り踏板下地の上面に重ね合わせて固定するとともに、廻り蹴込板化粧材を前記廻り蹴込板下地の前面に重ね合わせて固定することを特徴とする廻り階段の施工方法。
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