JP6195240B2 - 階段装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1では、上下両側に配設される石膏ボードと同じ厚さとされた合板などからなる支持部材によって階段の段板を支持させた構造とした階段構造が提案されている。この階段構造は、支持部材に設けられた段板の側端部が嵌め込まれる支持孔に断面L字状に形成された支持金具の縦片部を固定し、段板の側端部を支持孔に嵌め込み、支持金具の横片部に段板の側端部を固定した構造とされている。また、支持部材及び石膏ボードの表面に、仕上げ材としての壁紙等を貼り付けた構造とされている。
また、本発明においては、前記支持部材に、前記踏板側に向けて突出する係合突部を設け、前記踏板に、該係合突部が嵌め入れられて前記支持部材に対する奥行方向の位置決めを可能とする係合凹部を設けてもよい。
また、本発明においては、上下に隣り合う踏板間を覆うように配設される蹴込板と、該蹴込板の下端部を受け入れる凹溝を形成し、下段側の踏板の奥側端面に固定される下端支持部材と、前記蹴込板の側板側の側端部に係合し、該側板に沿うように固定される側端係合部材と、を更に備えたものとし、前記支持部材の支持片部を、その前端が前記下段側の踏板の奥側端面に固定された蹴込板よりも奥行方向奥側に位置するように固定される構成としてもよい。
図1〜図4は、本実施形態に係る階段装置の一例を模式的に示す図である。
なお、以下の実施形態では、施工された階段装置に下階側から対面した状態を基準として、手前側を前方、その逆側を後方(奥方)とし、また、その状態を基準として、上下方向等の方向を説明する。
側板10が固定される壁下地2は、間柱等の柱材や、スタッド、鋼材、鉄筋コンクリート等の建物の構造躯体等を構成するものとしてもよい。
この踏板12は、図2に示すように、下段側の踏板12の奥側端面としての後端面16よりもこれの上段側に隣り合う踏板12の前端部が段鼻を形成するように前方に向けて突出するように配設される構成とされている。つまり、これら上下に隣り合う踏板12,12は、下段側の踏板12の後端部と上段側の踏板12の前端部とが平面視して重なり合うように配設される構成とされている。
また、踏板12の前端部の上下両縁部を面取り形状としてもよい。
蹴込板26は、矩形平板状とされており、本実施形態では、この蹴込板26を、比較的に薄板状としている。
また、本実施形態では、階段装置1は、この蹴込板26の下端部を受け入れる凹溝を形成し、下段側の踏板12の後端面16に固定される下端支持部材27を備えている。図例では、踏板12の後端面16に固定される片部の上側に、踏板12の後端面16とによって上方に向けて開口する凹溝を形成する片部を連成した略Z字状とされた下端支持部材27を例示している。このような構成とすれば、蹴込板26の下端部の前面を踏板12の後端面16に当接させることができ、下端支持部材27を目立ち難くすることができる。
このような構成により、本実施形態では、これら下端支持部材27及び側端係合部材28を用いて、蹴込板26を後付可能としている。つまり、上下の踏板12,12に蹴込板26の上下端部を受け入れる凹溝を設け、踏板12,12の施工時に蹴込板26を施工する必要があるようなものではなく、踏板12,12の施工後に容易に取付可能な構成としている。
また、これら下端支持部材27及び側端係合部材28は、それぞれの固定対象に対して、ねじや釘等の止具や、接着剤等によって固定するようにしてもよい。また、これら下端支持部材27及び側端係合部材28は、木質系材料や合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、蹴込板26も同様、木質系材料や合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、蹴込板26は、踏板12と同様、表面に、表面化粧処理が施されたものとしてもよい。また、蹴込板26を、透光性を有したものとしてもよい。
この支持部材20は、これら固定片部21と支持片部23とによって正面視して(踏板12の奥行方向に沿う方向に見て)略L字状とされている。
この支持部材20は、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
また、本実施形態では、この固定片部21に、側板10に止着されるねじや釘等の止具5の止具穴22を設けている。本実施形態では、止具穴22を、固定片部21を厚さ方向(踏板12の幅方向に沿う方向)に貫通させた構成とし、止具5の頭部を受け入れる皿穴状としている。また、固定片部21に、長手方向(前後方向)に沿って間隔を空けて複数(図例では、4つ)の止具穴22を設けた例を示している。また、図例では、これら複数の止具穴22の少なくとも一つの止具穴22と残余の止具穴22とを異なる高さ位置となるように設けた例を示している。
また、この固定片部21の厚さ寸法(踏板12の幅方向に沿う寸法)は、当該固定片部21の強度や見栄え上の観点や、後記する側板10の厚さ寸法等に応じて適宜、設定するようにしてもよく、例えば、2mm〜10mm程度としてもよく、3mm〜5mm程度としてもよい。
支持片部23は、固定片部21の下端縁から踏板12の幅方向他側端側(幅方向中心側)に向けて突出するように一連に形成されている。この支持片部23は、固定片部21と同様、踏板12の前後方向に長尺な形状とされている。図例では、この支持片部23の前後寸法を、凸湾曲形状とされた前端部を除いた固定片部21の前後寸法と概ね同寸法とした例を示している。
また、支持片部23に、長手方向(前後方向)に沿って間隔を空けて複数(図例では、3つ)の止具穴24を設けた例を示している。また、図例では、これら複数の止具穴24の少なくとも一つの止具穴24と残余の止具穴24とを踏板12の幅方向において異なる位置となるように設けた例を示している。
また、この支持片部23の厚さ寸法(踏板12の厚さ方向に沿う寸法)は、上記した固定片部21と同様、当該支持片部23の強度や見栄え上の観点等に応じて適宜、設定するようにしてもよく、例えば、2mm〜10mm程度としてもよく、3mm〜5mm程度としてもよい。図例では、固定片部21と支持片部23とを同厚さ寸法とした例を示している。なお、この支持片部23を受け入れる切欠状の凹所を踏板12の側端部の下面に設けた構成としてもよい。
側板10に固定された支持部材20の係合突部25を、踏板12の係合凹溝18に嵌め入れることで、支持部材20に対する踏板12の前後方向の位置決めが可能となる。
また、この側板10は、壁下地2に沿うように固定される下地ボード3と同厚さとされている。このような下地ボード3としては、石膏ボード(プラスターボード)等の無機質板としてもよく、または、合板等の木質系材料を板状に加工したものとしてもよい。この下地ボード3の厚さ寸法は、例えば、5mm〜20mm程度とされたものとしてもよい。また、規格化された下地ボード3としてもよく、例えば、厚さ寸法が、9.5mmや12.5mm、15mm等とされたものとしてもよい。
このような構成により、側板10及びこの側板10の前後両側の下地ボード3,3を壁下地2に沿わせて固定した状態では、側板10及び下地ボード3,3の表面(厚さ方向反壁下地側に向く面)が略同一平面状となる構成とされている。
なお、側板10の厚さ寸法は、下地ボード3の厚さ寸法よりも僅かに小さい寸法(例えば、1mm程度小さい寸法や0.5mm程度小さい寸法)とされたものも同厚さに含むものとする。このような場合にも、下地ボード3の表面と側板10の表面との段差は、外観上では然程目立ち難くなる。また、後記する表面仕上材4の貼着がなされる際には、貼着対象の全体の表面の凹凸等を抑制するための下地処理(パテ処理)等が一般的にはなされるため、上記のような段差をより抑制することができる。
また、本実施形態では、この位置決め凹所11の側板10の厚さ方向に見た形状を、図3(a)に示すように、前端側が略半円形状とされた支持部材20の固定片部21の外周形状に対応させた形状としている。なお、この位置決め凹所11は、この位置決め凹所11に厚さ方向の一部が嵌め入れられた固定片部21の前後方向及び上下方向のうちの両方または一方への位置決めが可能な形状とすればよい。
上記した支持部材20は、この位置決め凹所11の側板10の厚さ方向に向く凹底面に固定片部21の反踏板側に向く厚さ方向一方面としての外側面を当接させ、止具5によって側板10(壁下地2)に固定される。
表面仕上材4の表面4aと固定片部21の内側面21aとの厚さ方向に沿う寸法(段差)は、見栄え上や、踏板12の着脱等による表面仕上材4の傷付きを抑制する観点等から適宜、設定するようにしてもよい。例えば、表面仕上材4の表面4aと固定片部21の内側面21aとの厚さ方向に沿う寸法(段差)を、0.5mm〜3mm程度としてもよく、好ましくは、0.5mm〜1.5mm程度としてもよい。
この表面仕上材4は、図1及び図2に示すように、側板10及びこの側板10の前後両側の下地ボード3,3の表面に一連状に貼着される。なお、この表面仕上材4は、一枚からなるものに限られず、複数枚を隣り合わせるように突き合せて側板10及びこの側板10の前後両側の下地ボード3,3の表面に一連状に貼着するようにしてもよい。
まず、図3(a)に示すように、側板10を壁下地2に沿わせて固定する。また、この側板10の前後両側に下地ボード3,3を壁下地2に沿わせて固定する。これら側板10及び下地ボード3,3は、釘やねじ等の止具や、接着剤等によって壁下地2に固定するようにしてもよい。なお、これら側板10及び下地ボード3,3は、上下方向や前後方向に沿って複数枚に分割されたものとしてもよい。
次いで、図3(b)に示すように、これら側板10及び下地ボード3,3の表面に表面仕上材4を貼着する。この表面仕上材4を貼着する前に、適宜、必要に応じて、表面平滑化処理等の下地処理等を施すようにしてもよい。また、この表面仕上材4の貼着後に支持部材20を固定する場合には、位置決め凹所11の部位に貼着された表面仕上材4を切除するようにしてもよい。
次いで、図3(c)及び図1に示すように、踏板12の一側端面14を支持部材20の固定片部21の内側面21aに当接させ、この踏板12を支持片部23に固定する。この際、支持部材20の係合突部25を踏板12の係合凹溝18に嵌め入れ、踏板12の前後方向の位置合わせを行う(図2参照)。
また、蹴込板26の上端を上段側の踏板12の下面17に当接させ、下端部を下段側の踏板12の後端面16に当接させ、下端支持部材27及び側端係合部材28をそれぞれの固定対象に固定して蹴込板26を固定し、階段装置1を施工するようにしてもよい。
なお、上記施工手順は一例に過ぎず、各部材等の機能等を阻害しない限りにおいて別手順で行うようにしてもよい。
つまり、踏板12が固定される側板10を、壁下地2に沿うように固定される下地ボード3の厚さと同厚さとし、壁下地2に沿うように固定される構成としている。従って、側板10が下地ボード3の表面から突出するようなことがなく、従来のような壁部表面から突出するように固定される側桁を備えたようなものと比べて、階段の有効幅を大きくすることができる。また、側板10の表面に下地ボード3の表面と一連状に表面仕上材4を貼着することができるので、側板10が露出するようなことがなく、すっきりとした印象を与えることができる。
また、この位置決め凹所11に受け入れられた固定片部21の踏板12側に向く面(内側面)21aが、側板10の表面に下地ボード3の表面と一連状に貼着される表面仕上材4の表面4aよりも踏板幅方向他側端側に位置する構造としている。従って、踏板12の幅方向一側端面14と表面仕上材4の表面4aとの間に隙間が形成されることとなる。これにより、上記のように、表面仕上材4を貼着した後に踏板12を取り付ける施工手順とした場合にも、踏板12の取り付けによって表面仕上材4に傷が付くようなことを抑制することができる。また、これにより、表面仕上材4の貼着作業性の向上が可能となる。また、踏板12を取り付けた後に、踏板12を取り外す必要が生じたような場合にも、踏板12の取り外しによって表面仕上材4に傷が付くようなことを抑制することもできる。
また、支持部材20の支持片部23を、その前端が下段側の踏板12の奥側端面16に固定された蹴込板26よりも奥行方向奥側に位置するように固定される構成としている。従って、蹴込板26の上端部と上段側の踏板12を支持する支持部材20の支持片部23との干渉を抑制することができ、また、蹴込板26によってこの支持片部23を目立ち難くすることができる。
なお、下端支持部材27及び側端係合部材28の両方または一方を設けないようにしてもよい。この場合は、蹴込板26を、下段側の踏板12の後端面16や、側板10、上段側の踏板12の下面17等に直接的に固定するようにしてもよい。さらには、このような蹴込板26を設けないようにしてもよい。つまりは、当該階段装置1を、蹴込板のないいわゆるストリップ階段として施工されるものとしてもよい。
10 側板
11 位置決め凹所
12 踏板
14 一側端面(幅方向一側端面)
16 後端面(奥側端面)
17 下面
18 係合凹溝(係合凹部)
20 支持部材
21 固定片部
21a 内側面(踏板側に向く面)
23 支持片部
25 係合突部
26 蹴込板
27 下端支持部材
28 側端係合部材
2 壁下地
3 下地ボード
4 表面仕上材
4a 表面
Claims (4)
- 踏板と、該踏板の幅方向一側端面に沿わせられる固定片部及び前記踏板の幅方向一側端部の下面に沿わせられて該踏板に固定される支持片部を有した支持部材と、壁下地に沿うように固定される下地ボードと同厚さとされ、前記壁下地に沿うように固定される構成とされ、かつ前記支持部材の固定片部を受け入れる位置決め凹所が表面に設けられた側板と、を備えており、
前記位置決め凹所に受け入れられた前記固定片部の踏板側に向く面が、前記側板の表面に前記下地ボードの表面と一連状に貼着される表面仕上材の表面よりも踏板幅方向他側端側に位置する構造とされており、
前記支持部材の固定片部は、その上下寸法が前記踏板の厚さ寸法よりも小さい寸法とされ、かつ、厚さ寸法が前記位置決め凹所の側板厚さ方向に沿う深さ寸法に前記表面仕上材の厚さ寸法を加えた寸法よりも大とされていることを特徴とする階段装置。 - 請求項1において、
前記支持部材の固定片部は、その奥行寸法が前記踏板の奥行寸法よりも小さい寸法とされ、前記踏板の幅方向一側端面の奥行方向奥側に寄った部位に沿わせられる構成とされていることを特徴とする階段装置。 - 請求項1または2において、
前記支持部材には、前記踏板側に向けて突出する係合突部が設けられ、前記踏板には、該係合突部が嵌め入れられて前記支持部材に対する奥行方向の位置決めを可能とする係合凹部が設けられていることを特徴とする階段装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
上下に隣り合う踏板間を覆うように配設される蹴込板と、該蹴込板の下端部を受け入れる凹溝を形成し、下段側の踏板の奥側端面に固定される下端支持部材と、前記蹴込板の側板側の側端部に係合し、該側板に沿うように固定される側端係合部材と、を更に備えており、
前記支持部材の支持片部は、その前端が前記下段側の踏板の奥側端面に固定された蹴込板よりも奥行方向奥側に位置するように固定される構成とされていることを特徴とする階段装置。
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