JP4195666B2 - 間仕切りパネルの連結構造 - Google Patents
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Description
ここで、一般住宅で求められる間仕切りパネルは施工し易く、安く、丈夫で、生活する居住者の健康に配慮したものが要求される。つまり、大型の間仕切りパネルとは異なり木製の間仕切りパネルが最も好ましいわけである。
しかし、木製間仕切りパネルでは木材で構成されているため、非常に狂いが生じやすいという欠点がある。すなわち、同寸法の材料で同じ様にパネルを製造していても木材は均質ではないため完成したパネルは個々に少しずつ狂いが生じてしまいそのため実際の施工において隣接する間仕切りパネル同士の間にはクッション材が介在されているにも関わらずクッション材と間仕切りパネルとの間に隙間が生じてしまう場合があった。この場合に厚目のクッション材を両パネル間に配設して当接させるようにすることも考えられるが、クッション材を厚くするのには経験則から限界がある。あまりに厚くすると圧縮されたクッション材が変形するので極めて見栄えが悪くなる。また、木製のパネルでは狂いも一様ではなくある部分では隙間が広く、ある部分では逆に隙間が狭いというケースがある。このようなパネルでは隙間が広い箇所ではよいものの、狭い隙間部分でクッション材が強く圧縮されて変形して外観上見苦しくなってしまう可能性もある。また、厚いクッション材を使用する場合ではその分の厚みを考慮して寸法を測らねばならず極めて煩雑であり、場合によってはクッション材を厚くし過ぎて間仕切りパネルが収まらなくなってしまうという事態が生ずるおそれもあった。更に、防音の面でもあまり厚いクッション材は好ましくなかった。
この場合に、厚さの異なる何種類かのクッション材を用意することも考えられるがパネルの狂いは大きさ、施工季節、木材の種類等によってかなり異なる上、どの程度狂いがあるのかは現場での実際の施工に際して初めてわかることである。従って、現場でそれを一々チェックして選択していては施工の遅れとなってしまう。また、どのような厚さのクッション材を使用するか現場で初めてわかるとするならば場合によっては全体の長さにも影響を与えることとなる(厚いクッション材と薄いクッション材ではトータルで数cmも全体の長さが変わってくる)ため、上記と同様間仕切りパネルが収まらくなってしまう(あるいは隙間が開いてしまう)という事態が生ずるおそれもあった。
1)図16(上記特許文献1の図7(e)に対応)に示すように、可撓性パッキン51を間仕切りパネル52間の間隙53に押し込むことによってストッパ部材54に当接してそれ以上奥には進出できないようになっている。しかし、可撓性パッキン51はそもそも中空のチューブ状に構成されており撓むことを前提とした部材であるため、ストッパ部材54に当接しても強く押圧すればまだ撓む余地を残している。つまり、可撓性パッキン51を圧入していっても実際にはストッパ部材54に当接したかどうかがわかりにくいため可撓性パッキン51を均等に圧入することが困難で作業者の熟練が必要となっていた。
2)可撓性パッキン15は装着後に不用意に誰かが押圧したとしても容易に凹んだりしないようにある程度の厚みをもったチューブ状に構成されている。またこのように厚みをもたせていることから可撓性パッキン15は比較的強い弾性を有することとなり、間隙内にしっかりと嵌まることとなる。すなわち不用意に可撓性パッキン15押圧しても圧入した位置は容易にはずれないようになっている。しかし、そのため押圧する際にかなりの力を必要とすることとなって指の力が弱い作業者にはかなりな重労働となってしまう。また、圧入作業をやり直す際に可撓性パッキン15に挟まれていた壁紙が可撓性パッキン15の取り出しに伴って引っ張られて破損したりすることもあった。
本発明はこのような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、可撓性パッキンを間仕切りパネルの間隙に圧入する際に容易に圧入でき、なおかつ可撓性パッキンを同間隙内にきれいな仕上がりで配設することが可能な間仕切りパネルの連結構造を提供することである。
また請求項2に記載の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記膨出部は間隙の入り口付近において左右の側端面間によって挟持されるようにしたことをその要旨とする。
また請求項3に記載の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記可撓性パッキンの膨出部は先細り形状とされていることをその要旨とする。
また請求項4に記載の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記可撓性パッキンの膨出部の端面形状は略平面状とされていることをその要旨とする。
また請求項5に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記間隙保持部材は隣接する前記間仕切りパネルの側端面に形成された凹部内に嵌合された状態で隣接する同間仕切りパネル間の間隔を保持するようになっていることをその要旨とする。
可撓性パッキンの膨出部は先端よりほど先細りとされていることが好ましい。また、可撓性パッキンの膨出部の端面形状は略平面状とされていることが好ましく、その端面が間仕切りパネルの表面とほぼ面一となっているのが好ましい。略平面状とは完全な水平面(曲率0)ではなく多少の曲率が加えられた曲面であってもよい概念である。
可撓性パッキンの本体は間隙と同幅あるいは同間隙よりも幅狭である必要があるものの、本体外周に部分的に同間隙と干渉する突起部が形成されていても全体として速やかに間隙内に挿入できるのであればそれも本体の概念に含めうるものである。
図1に示すように、本実施の形態の木製間仕切りパネル1は上下及び左右に配置された木製の縦横の桟3a,3b,4a,4bによって長方形形状の基本骨格が構成されている。上下の桟4a,4b間には補強用の木製の内桟5が配設されている。このような桟3a,3b,4a,4b,5によって構成された躯体の表裏に面材としてのファイバーボード6を固定して本体7が構成されている。ファイバーボード6の外形形状は桟3a,3b,4a,4bによって形成された長方形形状の骨格の外郭線と一致する。
図2〜図4に示すように、左右の縦桟3a,3bの側端面9の中央位置には上下方向に延びる溝8が形成されている。本実施の形態では右縦桟3bの溝8に断面略長方形(隅が面取りされている)の長ほぞ10が嵌合されている。図7(a)〜(e)に示すように長ほぞ10は隣接配置された間仕切りパネル1の左縦桟3aの溝8に嵌合されるようになっている。図7(b)〜(e)に示すように、長ほぞ10が隣接配置された間仕切りパネル1の溝8に嵌合された状態で相対する縦桟3a,3bの側端面9間には若干の間隙11が形成される。図8に示すように、長ほぞ10の幅Wは左右の縦桟3a,3bの溝8の深さH1,H2を足した長さよりもわずかに長く、このわずかに長い長さ分が間隙11の間隔G(幅)となっている。
図1、図2及び図4に示すように上下横桟4a,4bは断面L字状に切り欠き形成され、前方寄り長手方向に沿って縁部13が延設されている。
間仕切りパネル1は設置される部屋のサイズに応じて高さや幅の異なる複数種類が製造される。また、既設の壁面に面する間仕切りパネル1や扉が装着される位置では異形の間仕切りパネル1が用意される。
図9及び図10に示すように、作業者はまず室内の間仕切り予定位置の天井面と床面に根太部材21を配設する。本実施の形態では天井面については木製の根太部材21を図示しないコーススレッドにて固定しており、床面については面ファスナー20(根太部材21側については図示省略)を介して固定している。そして、最も壁寄り位置から間仕切りパネル1を天井面と床面間に配設させていく。壁に面した一枚目の間仕切りパネル1は長ほぞ10の形成されていない左縦桟3aを壁面に当接させる。
続いてこの先行する間仕切りパネル1に対して二枚目の間仕切りパネル1の連結作業を行う。まず、作業者は一枚目の間仕切りパネル1と同様上下の根太部材21間に間仕切りパネル1を嵌合させる。そして、根太部材21に沿ってスライド移動させ先行する間仕切りパネル1の右縦桟3b側の側端面9に対して新たな間仕切りパネル1の左縦桟3a側の側端面9を接近させていく(図7(a))。すると、図7(b)に示すように一枚目の間仕切りパネル1側の長ほぞ10が二枚目の間仕切りパネル1の左縦桟3aの溝8に対して嵌合されることとなる。
この状態において二枚目の間仕切りパネル1についても一枚目と同様に図14に示すようにボルト23にて固定する。このように先行する間仕切りパネル1に次々と新たな間仕切りパネル1を連結する作業を繰り返し図11に示すように壁面を構築していく。このように間仕切りパネル1によって新たな壁面が形成された状態で隣接する間仕切りパネル1の間には長ほぞ10によって形成された間隙11が表裏に形成されることとなる。
図7(e)及び図8に示すように、本体16の先端は長ほぞ10の側壁面に当接した状態で頭部17は間隙11入り口からわずかに間隙11内に進入した位置に配置される。この時、長ほぞ10の側壁面は上下方向にわたって平面状に形成されているため可撓性パッキン15もこの平面に沿って上下方向にわたって整然と配設されることとなる。つまり、可撓性パッキン15の頭部17表面は間隙11の入り口に面した位置で上下方向にわたって凹凸することなく平面状にきれいに配置されることとなる。
またこのとき、側端面9に巻き込まれているクロス25は可撓性パッキン15の頭部17と側端面9間に挟持され側端面9方向に押圧されることとなる。次いで上記重複したクロス25部分をカッターナイフ等の切断具で定法に従って切断し連続したクロス面とする。このようにしてすべての間隙11に可撓性パッキン15を充填し、クロス25を貼った後、天井面、床面及び壁面に隣接部分について図示しない幅木を装着して施工は完了する。
(1)間隙11はいわゆる「目すかし」としての効果を発揮するとともに可撓性パッキン15を圧入させることで隣接する間仕切りパネル1同士の間に生じる狂いからくる隙間を確実に塞ぐことができる。
(2)可撓性パッキン15は圧入するだけで固定されるため、接着剤や釘等が不要となり作業の効率化が図られる。
(3)可撓性パッキン15は本体16部分は速やかに間隙11内に挿入され、間隙11入り口付近において頭部17の弾性で保持されることとなるため、従来の可撓性パッキンのように自身を大きく変形させることによる強い付勢力で間隙11内に圧入することがなく、可撓性パッキン15の装着作業における強い押圧力を必要としないので作業能率が向上する。
(4)可撓性パッキン15は間仕切りパネル1間に生じる隙間を埋めるとともにクロス25の末端を保持する役割を果たしているためクロス25がめくり上がるような不具合が生じにくい。
(5)可撓性パッキン15の頭部17は張り出し部18による先細り構造となっており、あまり強い力で間隙11内に嵌合されているわけではない。そのため、強い力で押さえなくとも可撓性パッキン15を装着することができ作業効率が向上する。
(6)可撓性パッキン15の頭部17の位置は本体16の先端が長ほぞ10の側壁面に当接することで自然と決まるため、可撓性パッキン15を圧入する作業者の力加減によって可撓性パッキン15の頭部17の位置が変わってしまうということがない。従って、間隙11内に面した可撓性パッキン15の頭部17の頭部上面19が上下方向にわたってきれいな平面として露出するとともに作業効率も向上する。
・図15に示すように、可撓性パッキン15の断面形状を構成してもよい。(a)は張り出し部18の先端をカットした形状である。(b)は可撓性パッキン15の頭部17の頭部上面19に上反りの曲面を持たせている。また、本体16の先端を分岐させている。
・上記実施の形態の可撓性パッキン15の頭部17の形状は一例であって、他の形状であってもよい。例えば先細りになっていなくとも構わない。
・上記間仕切りパネル1の構造は一例である。上記のような内部が中空でなくすべて木材で本体が構成されたような間仕切りパネルであっても構わない。
・可撓性パッキン15の圧入に際して可撓性パッキン15が間隙11から脱落しにくいように接着剤を併用してもよい。
・上記実施の形態ではクロス25を切断するためにたるみを持たせるようにしていたが、必ずしもたるませなくともよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更した態様で実施することは事由である。
Claims (5)
- 木製の骨格によって方形に構成された本体の表裏に面材を配設してなる間仕切りパネルを天井面及び床面間に立設させ、隣接する同間仕切りパネル同士を直列に連結して室内の所定領域を間仕切るとともに、隣接する同間仕切りパネルの側端面間に若干の間隙を形成させるために間隙保持部材を両間仕切りパネル間に配置させ、同間隙保持部材によって同間仕切りパネル表裏に形成された上下方向に延びる間隙に長尺の可撓性パッキンを配設するようにした間仕切りパネルの連結構造において、
前記間隙保持部材の前記間仕切りパネルの表裏方向を向いた前後2面の側壁面をそれぞれ上下方向にわたって面一とするとともに、前記可撓性パッキンの横断面形状を同間隙と同幅あるいは同間隙よりも幅狭の本体と同本体の基部に張り出して形成された同間隙より幅広の膨出部からなる異形形状に構成し、同可撓性パッキンを同間隙内に同本体部の先端側から挿入する際に同本体の先端が前記間隙保持部材の前後いずれかの側壁面に当接した状態で同膨出部が間隙を構成する隣接する前記間仕切りパネルの側端面によって挟持されるようにしたことを特徴とする間仕切りパネルの連結構造。 - 前記膨出部は間隙の入り口付近において前記間仕切りパネルの左右の側端面によって挟持されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の間仕切りパネルの連結構造。
- 前記可撓性パッキンの膨出部は先細り形状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の間仕切りパネルの連結構造。
- 前記可撓性パッキンの膨出部の端面形状は略平面状とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の間仕切りパネルの連結構造。
- 前記間隙保持部材は隣接する前記間仕切りパネルの側端面に形成された凹部内に嵌合された状態で隣接する同間仕切りパネル間の間隔を保持するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の間仕切りパネルの連結構造。
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