上述のような大容量インクタンクを備えるタイプの印刷装置では、インク量を適正に管理することができない場合がある。大容量インクタンクは、一般に、印刷のランニングコストを低減するために、インクカートリッジより大容量に設計されているが、インクが空になったときに交換されるインクカートリッジとは異なり、ユーザーがインクを注ぎ足して使用するなど、インクが空になる前にインク量が増加することもあり、装置側ではインク量を正しく把握することができない場合があった。また、インクタンクにインク量を検出するセンサーを設けると、ランニングコストの低減に反して、印刷装置のイニシャルコストが増加してしまう。
本発明の印刷装置およびその制御方法は、インクの推定残量をより適正に管理することを主目的とする。
本発明の印刷装置およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の印刷装置は、
インクを印刷媒体に吐出して印刷処理を実行する印刷処理手段と、
前記印刷処理手段に供給されるインクをユーザーが注入することを前提に貯留する貯留手段と、
前記貯留手段に貯留されたインクの推定残量を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量から前記印刷処理におけるインクの消費量を減じることにより前記記憶されたインクの推定残量を更新する推定残量更新手段と、
前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が予め定められた低残量閾値より高い場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を許可し、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下の場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止する印刷許可禁止手段と、
ユーザーから前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量のリセット指示を取得する指示取得手段と、
前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、前記指示取得手段により取得されたリセット指示に従って、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量を前記低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットする推定残量リセット手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の印刷装置では、記憶手段に記憶されたインクの推定残量から印刷処理におけるインクの消費量を減じることにより記憶されたインクの推定残量を更新し、記憶手段に記憶されたインクの推定残量が予め定められた低残量閾値より高い場合には、印刷処理手段による印刷処理の実行を許可し、記憶手段に記憶されたインクの推定残量が低残量閾値以下の場合には、印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止する。そして、記憶手段に記憶されたインクの推定残量が低残量閾値以下になった場合に、ユーザーから取得された記憶手段に記憶されたインクの推定残量のリセット指示に従って、記憶手段に記憶されたインクの推定残量を低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットする。これにより、インクの推定残量が低残量閾値以下になった場合に、ユーザーのリセット指示に従って、インクの推定残量を低残量閾値より高くなるようリセットすることができ、印刷不可能な状態から印刷可能な状態にすることができる。この結果、インクの推定残量をより適正に管理することができる。
こうした本発明の第1の印刷装置において、情報を報知する報知手段への報知指令を出力する報知指令出力手段を備え、前記推定残量リセット手段は、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、前記推定残量を前記低残量閾値より高くなるようリセットすることに関するリセット情報の報知指令を前記報知指令出力手段により出力させてから、前記指示取得手段により取得されたリセット指示に従ってリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、ユーザーはリセット指示を行なう際にリセット情報を知ることができる。
この報知指令出力手段を備える態様の本発明の第1の印刷装置において、前記推定残量リセット手段は、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記貯留手段に貯留されたインクの量が少ない状態を示す値であり且つ前記低残量閾値より高い値として予め定められた第2の低残量閾値以下になった場合には、前記推定残量が前記第2の低残量閾値以下になったことに関する警告情報の報知指令を前記報知指令出力手段により出力させ、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合には、前記低残量閾値より高く且つ前記第2の低残量閾値以下の値として予め定められた前記リセット値に前記推定残量をリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、インクの推定残量を比較的低いリセット値にリセットすることができる。この結果、ユーザーはインクの推定残量のリセット指示をより頻繁に行なうことができる。
また、報知指令出力手段を備える態様の本発明の第1の印刷装置において、前記推定残量リセット手段は、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、前記推定残量を前記貯留手段に貯留可能なインクの量の予め定められた最大値未満の前記リセット値にリセットする少量リセットと前記推定残量を前記最大値にリセットするフルリセットとを含む選択肢からの選択に関する情報を前記リセット情報とした報知指令を前記報知指令出力手段により出力させ、前記指示取得手段により前記少量リセットを選択する指示が取得されたときには前記推定残量を前記リセット値にリセットし、前記指示取得手段により前記フルリセットを選択する指示が取得されたときには前記推定残量を前記最大値にリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、ユーザーはフルリセットや少量リセットを選択して指示することができる。
本発明の第2の印刷装置は、
インクを印刷媒体に吐出して印刷処理を実行する印刷処理手段と、
前記印刷処理手段に供給されるインクをユーザーが注入することを前提に貯留する貯留手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷処理におけるインクの消費量を演算すると共に該演算したインクの消費量の積算値を前記記憶手段に記憶させる消費量記憶処理手段と、
前記貯留手段に貯留されたインクの残量について予め定められた初期値から前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を減じて得られるインクの推定残量が前記低残量閾値より高い場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を許可し、前記インクの推定残量が前記低残量閾値以下の場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止する印刷許可禁止手段と、
ユーザーから前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値のリセット指示を取得する指示取得手段と、
前記インクの推定残量が予め定められた低残量閾値以下になった場合に、前記指示取得手段により取得されたリセット指示に従って、前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を前記インクの推定残量が前記低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットする消費量積算値リセット手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の印刷装置では、印刷処理におけるインクの消費量を演算すると共に演算したインクの消費量の積算値を記憶手段に記憶させ、貯留手段に貯留されたインクの残量について予め定められた初期値から記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を減じて得られるインクの推定残量が低残量閾値より高い場合には、印刷処理手段による印刷処理の実行を許可し、インクの推定残量が低残量閾値以下の場合には、印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止する。そして、インクの推定残量が予め定められた低残量閾値以下になった場合に、ユーザーから取得された記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値のリセット指示に従って、記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値をインクの推定残量が低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットする。これにより、インクの推定残量が低残量閾値より高くなった場合に、ユーザーのリセット指示に従って、インクの推定残量を低残量閾値より高くなるようリセットすることができ、印刷不可能な状態から印刷可能な状態にすることができる。この結果、インクの推定残量をより適正に管理することができる。
こうした本発明の第2の印刷装置において、情報を報知する報知手段への報知指令を出力する報知指令出力手段を備え、前記消費量積算値リセット手段は、前記インクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、前記推定残量を前記低残量閾値より高くなるようリセットすることに関するリセット情報の報知指令を前記報知指令出力手段により出力させてから、前記指示取得手段により取得されたリセット指示に従ってリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、ユーザーはリセット指示を行なう際にリセット情報を知ることができる。
この報知指令出力手段を備える態様の本発明の第2の印刷装置において、前記消費量積算値リセット手段は、前記インクの推定残量が前記貯留手段に貯留されたインクの量が少ない状態を示す値であり且つ前記低残量閾値より高い値として予め定められた第2の低残量閾値以下になった場合には、前記推定残量が前記第2の低残量閾値以下になったことに関する警告情報の報知指令を前記報知指令出力手段により出力させ、前記インクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合には、前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を、前記インクの推定残量が前記低残量閾値より高く且つ前記第2の低残量閾値以下の値となるように予め定められた前記リセット値にリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、インクの推定残量を比較的低いリセット値にリセットすることができる。この結果、ユーザーはインクの推定残量のリセット指示をより頻繁に行なうことができる。
また、報知指令出力手段を備える態様の本発明の第2の印刷装置において、前記消費量積算値リセット手段は、前記インクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、前記推定残量を前記貯留手段に貯留可能なインクの量の予め定められた最大値未満の値にリセットする少量リセットと前記推定残量を前記最大値にリセットするフルリセットとを含む選択肢からの選択に関する情報を前記リセット情報とした報知指令を前記報知指令出力手段により出力させ、前記指示取得手段により前記少量リセットを選択する指示が取得されたときには前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を前記インクの推定残量が前記最大値未満の値となるように定められた前記リセット値にリセットし、前記指示取得手段により前記フルリセットを選択する指示が取得されたときには前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を前記インクの推定残量が前記最大値となるように予め定められた値にリセットする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、ユーザーはフルリセットや少量リセットを選択して指示することができる。
本発明の第1の印刷装置の制御方法は、
インクを印刷媒体に吐出して印刷処理を実行する印刷処理手段と、前記印刷処理手段にに供給されるインクをユーザーが注入することを前提に貯留する貯留手段と、前記貯留手段に貯留されたインクの推定残量を記憶する記憶手段と、を備える印刷装置の制御方法であって、
(a)前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量から前記印刷処理におけるインクの消費量を減じることにより前記記憶されたインクの推定残量を更新するステップと、
(b)前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が予め定められた低残量閾値より高い場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を許可し、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下の場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止するステップと、
(c)前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量が前記低残量閾値以下になった場合に、ユーザーから取得された前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量のリセット指示に従って、前記記憶手段に記憶されたインクの推定残量を前記低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットするステップと、
を含むことを要旨とする。
この本発明の第1の印刷装置の制御方法では、インクの推定残量が低残量閾値以下になった場合に、ユーザーのリセット指示に従って、インクの推定残量を低残量閾値より高くなるようリセットすることができ、印刷不可能な状態から印刷可能な状態にすることができる。この結果、インクの推定残量をより適正に管理することができる。なお、この第1の印刷装置の制御方法において、上述した第1の印刷装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した第1の印刷装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明の第2の印刷装置の制御方法は、
インクを印刷媒体に吐出して印刷処理を実行する印刷処理手段と、前記印刷処理手段に供給されるインクをユーザーが注入することを前提に貯留する貯留手段と、情報を記憶する記憶手段と、を備える印刷装置の制御方法であって、
(a)前記印刷処理におけるインクの消費量を演算すると共に該演算したインクの消費量の積算値を前記記憶手段に記憶させるステップと、
(b)前記貯留手段に貯留されたインクの残量について予め定められた初期値から前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を減じて得られるインクの推定残量が前記低残量閾値より高い場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を許可し、前記インクの推定残量が前記低残量閾値以下の場合には、前記印刷処理手段による前記印刷処理の実行を禁止するステップと、
(c)前記インクの推定残量が予め定められた低残量閾値以下になった場合に、ユーザーから取得された前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値のリセット指示に従って、前記記憶手段に記憶されたインクの消費量の積算値を前記インクの推定残量が前記低残量閾値より高くなるよう定められたリセット値にリセットするステップと、
を含むことを要旨とする。
この本発明の第2の印刷装置の制御方法では、インクの推定残量が低残量閾値より高くなった場合に、ユーザーのリセット指示に従って、インクの推定残量を低残量閾値より高くなるようリセットすることができ、印刷不可能な状態から印刷可能な状態にすることができる。この結果、インクの推定残量をより適正に管理することができる。なお、この第2の印刷装置の制御方法において、上述した第2の印刷装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した第2の印刷装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、プリンター20の構成の概略、及び、このプリンター20とユーザーパソコン(PC)12とを含む印刷システム10の構成の概略を示す構成図である。印刷システム10では、ユーザーPC12からの印刷ジョブを受けたプリンター20によって印刷処理が実行される。
ユーザーPC12は、汎用のパソコン本体である本体14と、キーボードやマウスなどの入力装置16と、例えば液晶モニターとして構成された表示装置18とを備える。本体14は、図示しないが、CPUやROM,RAMなどを有するコントローラーと、プリンター20用の印刷ドライバーを含む各種デバイスドライバーや各種アプリケーションプログラムを記憶するハードディスクドライブ(HDD)とを備え、入力装置16と情報を入力可能に接続されると共に表示装置18と情報を出力可能に接続され、USBケーブルなどを介してプリンター20と通信可能に接続されている。
プリンター20は、インクジェットプリンターとして構成されており、図示するように、プラテン36上を搬送される用紙Pに印刷ヘッド24に形成された複数のノズル23からインク滴を吐出して印刷処理を行なうプリンター機構21と、プラテン36の右端付近に配置されて印刷ヘッド24の複数のノズル23を封止可能なキャッピング装置40と、プリンター機構21に供給されるインクを貯留するインクタンク50と、ユーザーにより操作される操作パネル60と、装置全体をコントロールするコントローラー70と、を備える。
プリンター機構21は、駆動モーター33によって駆動されて用紙Pをプラテン36上に図中奥側から手前側に搬送する紙送りローラー35と、キャリッジベルト32に取り付けられてガイド28に沿って左右方向(主走査方向)に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダー25と、キャリッジ22の下部に設けられて複数のノズル23が形成された印刷ヘッド24と、を備える。ここで、キャリッジ22は、メカフレーム39の右側に取り付けられたキャリッジモーター34aとメカフレーム39の左側に取り付けられた従動ローラー34bとの間に架設されたキャリッジベルト32に取り付けられ、キャリッジベルト32がキャリッジモーター34aによって駆動されることによってガイド28に沿って左右方向に往復動する。また、印刷ヘッド24は、内蔵する圧電素子に電圧を印加することによって圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を用いるものとしてもよいし、発熱抵抗体(例えばヒーターなど)に電圧を印加することによってインクを加熱して発生した気泡によってインクを加圧する方式を用いるものとしてもよい。
キャッピング装置40は、印刷ヘッド24を用紙Pの幅方向外部でキャッピング装置40上の位置(以下、ホームポジションという)に移動させた状態でクリーニングを実行したり、印刷休止中に印刷ヘッド24のキャッピングを行なってノズル23内のインクの増粘(乾燥)を抑制したりするのに用いられるものである。このキャッピング装置40は、印刷ヘッド24がキャリッジ22と共にホームポジションまで移動したときに、コントローラー70からの制御信号により印刷ヘッド24のノズル形成面を覆うように作動し、必要に応じて印刷ヘッド24のノズル形成面に図示しない吸引ポンプの負圧を作用させて、ノズル23に詰まったインクを吸引排出したり、初めての印刷処理を行なう前にインクタンク50からのインクを印刷ヘッド24に充填する処理(以下、初期充填処理という)を行なうことできるようになっている。なお、吸引排出された廃インクは、図示しない廃液タンクに溜められる。
インクタンク50は、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の色毎に設けられた供給チューブ52を介して印刷ヘッド24に接続され、各色のインクを貯留する。このインクタンク50は、メカフレーム39の左側外部に取り付けられ、インクの残量を視認可能な半透明の樹脂などにより形成されており、提供(市販)されるインクボトルからユーザーによりインクが注入されることを前提に所定の大容量に設計されている。所定の大容量は、インクタンク50を備えない点を除いてはプリンター20と同様に構成されたタイプのプリンターが備えるキャリッジの上部でインクを貯留するインクカートリッジの容量の例えば数倍や十倍の容量(例えば各色で数十mlや百ml)とすることができる。
操作パネル60は、装置全体の電源をオンオフする電源ボタンやカーソルボタン,スタートボタン,キャンセルボタンなどの各種ボタン62と、ユーザーに各種の情報を表示すると共に各種ボタン62の操作により画面上での指示操作や画面上への入力操作を受け付ける例えば液晶ディスプレイとして構成されたディスプレイ64と、を備える。
コントローラー70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムや各種データを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶するRAM74と、データを書き換え可能で電源オフしてもデータを保持するフラッシュメモリー75と、外部機器との情報のやり取りを行うインターフェース(I/F)76と、図示しない入出力ポートとを備える。RAM74には、印刷バッファー領域が設けられており、この印刷バッファー領域にユーザーPC12からI/F76を介して送信された印刷データが記憶される。また、フラッシュメモリー75には、インクタンク50に貯留されたインク各色のインク残量Qを記憶する領域が設けられており、印刷ヘッド24へのインクの初期充填処理が完了した直後には、予め定められた初期値としてインクタンク50に貯留可能な最大値Qmax(即ち100%)が各色について記憶されている。コントローラー70には、リニア式エンコーダー25からの位置検出信号や、操作パネル60の各種ボタン62やディスプレイ64からの情報や信号などが入力ポートを介して入力される他、ユーザーPC12からの印刷ジョブや各種指令がI/F76を介して入力される。コントローラー70からは、印刷ヘッド24への制御信号や、駆動モーター33やキャリッジモーター34への制御信号、キャッピング装置40への制御信号、操作パネル60のディスプレイ64への表示制御信号などが出力ポートを介して出力される他、印刷ステータス情報などのプリンター20の状態に関する各種情報がI/F76を介してユーザーPC12に出力される。なお、インクタンク50に貯留されたインク残量Qは、インクタンク50の容量に対する貯留されたインク量の割合(単位は%など)で示すものとしたが、体積(単位はmlなど)で示すものとしてもよい。
こうして構成されたプリンター20では、ユーザーPC12で起動されたアプリケーションプログラムからの印刷ジョブを印刷ドライバーの処理によって1ページ分または複数ページ分の印刷データとして入力し、コントローラー70によって、以下に説明する印刷制御を実行する。印刷制御では、コントローラー70のCPU72は、まず、印刷用紙の一枚がプラテン36上に給紙されるように駆動モーター33を制御する給紙処理を実行し、キャリッジ22が主走査方向に移動するようキャリッジモーター34aを制御すると共に印刷データに応じてインクが吐出されるよう印刷ヘッド24を駆動する1パス分の印刷処理を実行する。続いて、次パスの印刷データがあるうちは1パス分の印刷処理を繰り返し、次パスの印刷データがなくなったときには、キャリッジ22がホームポジションに移動するようキャリッジモーター34aを制御すると共に、紙送りローラー35の回転により用紙Pが排出されるよう駆動モーター33を制御する排紙処理を実行して、印刷用紙の一枚分の処理を終了する。そして、印刷を終了した現在ページに続く次ページの印刷データがある場合には、現在ページの排紙処理に続けて次ページの給紙処理を実行すると共に、印刷処理と排紙処理とを実行して、印刷用紙の次の一枚分の処理を終了する。1回の印刷制御では、こうして次ページの印刷データがなくなるまで同様の処理を繰り返す。
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター20を中心とする動作について説明する。図2は、プリンター20のコントローラー70により実行されるインク残量管理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ROM73に記憶され、1回の印刷制御が終了する毎に繰り返し実行される。
インク残量管理ルーチンが実行されると、コントローラー70のCPU72は、まず、フラッシュメモリー75に記憶されているインク各色のインク残量Qを入力し(ステップS100)、直前に終了した印刷制御におけるインク各色のインク消費量Quを演算する処理を実行する(ステップS110)。ここで、インク残量Qは、前述したように、初期値としては最大値Qmaxが記憶されている。また、インク消費量Quは、印刷制御の所定の実行間隔の間に吐出したインクのドット数と各ドットのインク量とから算出されるインク使用量を1回の印刷制御に亘って積算した値を用いるものとしたり、印刷データから算出した値などを用いることができる。
こうしてデータを入力し演算すると、入力したインク残量Qからインク消費量Quを減じて得られる値によってフラッシュメモリー75に記憶された各色のインク残量Qを更新して記憶し直し(ステップS120)、記憶された各色のインク残量Qをインクロー閾値Qlowと比較すると共に(ステップS130)、記憶された各色のインク残量Qをインクエンド閾値Qendと比較する(ステップS140)。ここで、インクエンド閾値Qendは、実施形態では、印刷制御の実行が困難になる値(例えば1%や2%)または印刷制御の実行が不可能になる値(例えば0%)として予め定められた値を用いるものとした。また、インクロー閾値Qlowは、実施形態では、残り数ページや十数ページ分の用紙Pへの印刷を行なうと印刷データによってはインクエンドQendに至る可能性がある値(例えば5%や10%)として予め定められた値を用いるものとした。
各色のインク残量Qの全てがインクロー閾値Qlowより大きいときには、印刷制御の実行を許可して(ステップS220)、インク残量管理ルーチンを終了する。また、各色のインク残量Qのうち少なくとも一部がインクロー閾値Qlow以下であるがその少なくとも一部のインク残量Qがインクエンド閾値Qendより大きいときには、インク残量Qがインクロー閾値Qlow以下になった旨を示すインクウォーニング(警告情報)を報知するエラー画面の表示制御信号(報知指令)をユーザーPC12の表示装置18に出力し(ステップS150)、インク残量管理ルーチンを終了する。図3にインクウォーニングを報知するエラー画面の一例である画面80を示す。画面80には、図示するように、インクウォーニングとして「インクが残り少なくなりました。」や「新しいインクボトルを準備してください。」の文字情報が表示されている。このとき、ユーザーPC12の本体14から警告音を出力させるものとしてもよい。こうしてインクウォーニングが表示されても印刷制御の実行が繰り返されると、インク残量QはインクエンドQendに近づくことになる。また、ユーザーによりインクタンク50にインクが注入(注ぎ足し)されたとしても、本ルーチンで把握するインク残量Qは、特に変更されず、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qが実際の量より少なくなることも生じ得る。
ステップS130,S140で各色のインク残量Qのうち少なくとも一部がインクロー閾値Qlow以下であり且つその少なくとも一部のなかにインクエンド閾値Qend以下のものがあるときには、印刷制御の実行を禁止し(ステップS160)、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になった旨を示すインクエンド情報などを報知するエラー画面の表示制御信号(報知指令)をユーザーPC12の表示装置18に出力する(ステップS170)。このとき、ユーザーPC12の本体14から警告音を出力させるものとしてもよい。図4にインクエンド情報などを報知するエラー画面の一例である画面82を示す。画面82には、図示するように、画面上段に「インクが空になりました。」や「新しいインクボトルからインクを詰め替えてください。」のインクエンド情報としての文字情報が表示されている。また、画面中段には、「インクの詰め替えが終わったら『フルリセット』ボタンを選択してください。」や「インクが残っている場合には『少量リセット』ボタンを選択してください。」のリセット手法の選択を促すリセット情報としての文字情報が表示されている。さらに、画面下段には、「フルリセット」ボタン83と「少量リセット」ボタン84と「キャンセル」ボタン85とが配置されている。フルリセットや少量リセットの意味については、次に説明するが、画面82では、画面中段右側にフルリセットの処理イメージを表示すると共に、画面下段右側に少量リセットの処理イメージを表示するものとした。
こうしてインクエンド情報などを報知するエラー画面をユーザーPC12の表示装置18に表示させると、3つのボタンのうちいずれかの操作により指示がなされるのを待ち(ステップS180)、いずれかのボタンが操作されて指示がなされたときには、その指示を信号として取得し(ステップS185)、その信号の指示内容を判定、即ちフルリセットか少量リセットかキャンセルかを判定する(ステップS190)。指示内容がキャンセルのときには、そのままインク残量管理ルーチンを終了する。こうして本ルーチンを終了すると、インクタンク50に実際にインクが残っているか否かに拘わらず、印刷制御の実行が禁止されており、図示しない他のルーチンにより禁止が解除されるまでは、印刷制御を実行することができない。なお、表示装置18に表示されたエラー画面上でのボタン操作の受け付けは、ユーザーPC12の入力装置16によって行なわれる。
指示内容がフルリセットであるときには、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qを前述の最大値Qmaxとして記憶し直し(ステップS200)、印刷制御の実行を許可して(ステップS220)、インク残量管理ルーチンを終了する。即ち、フルリセットは、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qを初期値としての最大値Qmaxにリセットすることを意味する。このとき、画面82で報知したように、インクの詰め替え(最大値Qmaxまでの注入)が終わってからフルリセットが指示された場合には、インクタンク50に貯留されている実際のインク残量とフラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qとは一致することになるが、ユーザーの注入量によっては、実際のインク残量と記憶されたインク残量Qとが異なることも生じ得る。
指示内容が少量リセットであるときには、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qを前述のインクロー閾値Qlowとして記憶し直し(ステップS210)、印刷制御の実行を許可して(ステップS220)、インク残量管理ルーチンを終了する。即ち、少量リセットは、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qをインクロー閾値Qlowにリセットすることを意味する。このとき、画面82で報知したように、インクタンク50にインクが実際に残っている状態で少量リセットが行なわれた場合には、印刷制御の実行が許可されて実際に印刷を行なうことができるものとなる。また、インクタンク50にインクが実際には残っていない状態で少量リセットが行なわれた場合には、印刷制御の実行は許可されるが実際に印刷を行なってもインク不足の印刷結果となる。なお、印刷不可能な状態(印刷制御禁止)から印刷可能な状態(印刷制御許可)とする少量リセットは、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になる度に続けて何回でも(フルリセットを選択することなく)繰り返すことができる。
大容量に設計されたインクタンク50は、ユーザーがインクを注ぎ足して使用するなど、インクが空になる前にインク量が増加することがあり、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qが実際の量よりも少なくなる場合がある。こうした場合に、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になり印刷不可能な状態になると、ユーザーは不都合に感じてしまう。こうした状態に対処するため、実施形態では、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になったときには、ユーザーの指示をエラー画面を介して取得し、インク残量Qが少なくともインクエンド閾値Qendより大きくなるようにリセットするのである。これにより、インクが残っているにも拘わらず印刷不可能な状態となるなどの不都合が生じるのを回避することができ、インク残量Qをより適正に管理できるものとなる。また、ユーザーの指示をエラー画面を介して取得し、インク残量Qをインクロー閾値Qlowに少量リセットするから、少量リセットに際してインクロー閾値Qlowより大きい量にリセットするものに比して、ユーザーにより頻繁に少量リセットを行なうか否かを確認することができる。これにより、インク残量Qが実際の量よりも大きくなるのが抑制され、装置が把握するインク残量Qでは印刷可能であるにも拘わらず実際には印刷不可能となるのを抑制することができる。さらに、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になった場合にフルリセットか少量リセットかをユーザーの指示により選択可能とするから、フルリセットの選択に応じてユーザーによる自己申告のもとでインク残量Qを実際の量により近づけることができる。こうしてリセットされるインク残量Qをフラッシュメモリー75に記憶しておくことにより、インクタンク50に貯留されていると推定されるインク残量をより適正に管理することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の第1の印刷装置の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のプリンター機構21が本発明の「印刷処理手段」に相当し、インクタンク50が「貯留手段」に相当し、フラッシュメモリー75が「記憶手段」に相当し、図2のインク残量管理ルーチンのステップS120の処理を実行するコントローラー70が「推定残量更新手段」に相当し、同ルーチンのステップS220の処理を実行するコントローラー70が「印刷許可禁止手段」に相当し、同ルーチンのステップS185の処理を実行するコントローラー70が「指示取得手段」に相当し、ユーザーの指示内容に従ってインク残量Qをリセットする同ルーチンのステップS200,S210の処理を実行するコントローラー70が「推定残量リセット手段」に相当する。また、同ルーチンのステップS150,S170の処理を実行するコントローラー70が「報知指令出力手段」に相当する。なお、本実施形態では、印刷装置の動作を説明することにより本発明の印刷装置の制御方法の一例も明らかにしている。
以上説明した本実施形態のプリンター20では、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qから印刷制御におけるインク消費量Quを減じることによりフラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qを更新し、インク残量Qが予め定められたインクエンド閾値Qendより高い場合には、プリンター機構21による印刷制御の実行を許可し、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下の場合には、プリンター機構21による印刷制御の実行を禁止する。そして、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qが予め定められたインクエンド閾値Qend以下になった場合に、ユーザーから取得されたリセット指示に従って、インク残量Qをインクエンド閾値Qendより高くなるよう定められたインクロー閾値Qlowや初期値Qmaxにリセットする。これにより、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になった場合に、ユーザーのリセット指示に従って、インク残量Qをインクエンド閾値Qendより高くなるようリセットすることができ、印刷不可能な状態から印刷可能な状態とすることができる。この結果、インクの推定残量をより適正に管理することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した実施形態では、インク残量Qがインクエンド閾値Qendより大きい場合には印刷制御の実行を許可すると共にインク残量Qがインクエンド閾値Qend以下の場合には印刷制御の実行を禁止するものとしたが、こうした印刷制御の実行の許可や禁止は行なわないものとしてもよい。
上述した実施形態では、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下の場合にユーザーによりフルリセットと少量リセットとを選択可能なものとしたが、フルリセットについては選択できずに少量リセットのみを選択できるものとしてもよい。
上述した実施形態では、インク残量Qがインクロー閾値Qlow以下になった場合には、インクウォーニングを報知するエラー画面を表示させるものとしたが、こうしたエラー画面の表示は行なわないものとしてもよい。
上述した実施形態では、インク残量Qがインクエンド閾値Qend以下になった場合には、インクエンド情報やリセット情報,複数のボタンを含むエラー画面を表示させるものとしたが、このエラー画面にインクエンド情報は表示しないものとしてもよいし、エラー画面にリセット情報は表示しないものとしてもよく、例えば、複数のボタンのみを表示するものとしてもよい。
上述した実施形態では、少量リセットによってインク残量Qをインクロー閾値Qlowにリセットするものとしたが、少量リセットによってインク残量Qをインクロー閾値Qlow未満でインクエンド閾値Qendより大きい値Qlow2にリセットするものとしてもよい。
上述した実施形態では、少量リセットによってインク残量Qをインクロー閾値Qlowにリセットするものとしたが、例えばインクロー閾値Qlowへの少量リセットと前述の値Qlow2への少量リセットとをユーザーが選択可能とするものとしてもよい。この場合、インクエンド情報などを表示するエラー画面に表示する複数のボタンとして、「5%リセット」ボタンと「3%リセット」ボタンなどの複数の少量リセット用のボタンを表示してユーザーにより選択可能とすればよい。
上述した実施形態では、1回の印刷制御が終了する毎に図2のインク残量管理ルーチンを実行するものとしたが、1回の印刷制御の実行に要する時間よりも短い時間または長い時間としての所定時間毎にインク残量管理ルーチンを実行してインク消費量Quの演算やインク残量Qの更新などを実行するものとしてもよい。
上述した実施形態では、フラッシュメモリー75に記憶されたインク残量Qから印刷制御におけるインク消費量Quを印刷制御の実行毎に減じることによりインク残量Qを更新してフラッシュメモリー75に記憶し直すものとしたが、印刷制御の実行毎に印刷制御におけるインク消費量Quを演算すると共に演算したインク消費量Quをフラッシュメモリー75に記憶させるものとしてもよい。この場合、図2のインク残量管理ルーチンに代えて図5のインク残量管理ルーチンを実行すればよい。図5のインク残量管理ルーチンの各ステップの処理のうち図2のルーチンと同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。図5のインク残量管理ルーチンでは、フラッシュメモリー75からインク消費量Quの積算値(以下、インク消費量積算値という)Qui(初期値は値0)を入力し(ステップS300)、印刷制御におけるインク消費量Quを図2のルーチンのステップS110と同様に演算し(ステップS310)、入力したインク消費量積算値Quiと演算したインク消費量Quとの和によってインク消費量積算値Quiを更新してフラッシュメモリー75に記憶し直す(ステップS320)。続いて、インクタンク50に貯留されたインク残量の初期値として予め定められた最大値Qmaxから記憶したインク消費量積算値Quiを減じた値(Qmax−Qui)とインクロー閾値Qlowを比較すると共に(ステップS330)、値(Qmax−Qui)とインクエンド閾値Qendとを比較する(ステップS340)。ここで、値(Qmax−Qui)は、図2のルーチンで用いたインクタンク50のインク残量Qに相当する値である。したがって、値(Qmax−Qui)がインクロー閾値Qlowより大きいときには、印刷制御の実行を許可して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。また、値(Qmax−Qui)がインクロー閾値Qlow以下でインクエンド閾値Qendより大きいときには、インクウォーニングを報知するエラー画面を表示装置18に表示させると共に印刷制御の実行を許可して(ステップS150,S220)、本ルーチンを終了する。さらに、値(Qmax−Qui)がインクロー閾値Qlow以下でインクエンド閾値Qend以下のときには、印刷制御の実行を禁止すると共に示すインクエンド情報などを報知するエラー画面を表示装置18に表示させ(ステップS160,S170)、ユーザーの指示に従って(ステップS180〜S190)、フルリセットの指示に対しては値(1−Qmax)によってインク消費量積算値Quiを更新してフラッシュメモリー75に記憶し直し(ステップS350)、少量リセットの指示に対しては値(1−Qlow)によってインク消費量積算値Quiを更新してフラッシュメモリー75に記憶し直して(ステップS360)、印刷制御の実行を許可して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。キャンセルの指示に対してはそのまま本ルーチンを終了する。こうした処理によっても、実施形態と同様に、インクタンク50に貯留されていると推定されるインクの残量をより適正に管理することができる。
上述した実施形態では、エラー画面をユーザーPC12の表示装置18に表示し、ユーザーの指示操作をユーザーPC12の入力装置16により受け付けるものとしたが、エラー画面をプリンター20のディスプレイ64に表示させたり、ユーザーの指示操作をプリンター20の各種ボタン62により受け付けるなどとしてもよい。
上述した実施形態では、本発明をインクジェットプリンターとしてのプリンター20に適用して説明したが、如何なるタイプのプリンターに適用するものとしてもよいし、プリンター20の他にファクシミリ装置やスキャナー装置を搭載した複合機に適用してもよい。