JP5975990B2 - 新規物性を有するパン類および該製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規物性を有するパン類および該パン類の製造方法に関する。
さらに詳しくは、次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類および該パン類の製造方法に関する。
1)かたさ(hardness)、凝集性(cohessiveness)および離水率(syneresis rate)が通常のパンと同程度である
2)付着性(adhesiveness)が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性(adhesiveness of bakery products moistened by saliva)および/または嚥下開始時の付着性(adhesiveness of the bolus at swallow initiation)が通常のパンより低い
食パン、菓子パン、蒸しパン等のパン類は手軽に喫食できるものとして、幅広い世代で食されており、主食としてご飯よりもパン類を好む人も増えている。
そこで、より好まれる食感、口溶け、ボリューム等を有するパン類を得るために、キサンタンガム、グアーガム等の増粘多糖類やアルギン酸エステルを含む製菓・製パン用品質改良剤等が開発されている(例えば、特許文献1〜3、参照)。
高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても、パン類を好む人が増えており、病気中や病気回復中の人、病後後遺症のある人、離乳期の乳幼児等、咀嚼・嚥下機能が十分に働かない人がパン類の喫食を望む場合もある。
しかし、パン類は噛むことによってパン類を形成している組織や構造が凝集され、かたい塊となり、口腔内及び咽頭部に付着しやすい。また、パン類は口腔内の水分を奪いやすいため、咀嚼・嚥下が難しいという問題があった。
そこで、従来では、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人に対して、パン類を小さくちぎり、牛乳やスープで煮たパン粥が提供されてきた。しかし、パン粥はパン類を材料とするものの、お粥状であり、通常のパンとは外観、食感、風味等がまったく異なるものであるため、パン類を喫食したとする満足感が十分に得られないという問題もあった。
近年、このような問題を解決するために、咀嚼・嚥下を容易とする様々なパン様の食品が開発されている。
例えば、特許文献4において、パン様の食品に水等を浸漬させることにより、パンとしての外観を維持しており、咀嚼・嚥下機能が低下した人においても咀嚼・嚥下容易な食品が得られている。
このようにして得た食品は、かたさが5×10N/m以下であり、高齢者等においても咀嚼・嚥下が容易な食品であると言える。しかし、この食品は、水等の液体を大量に含んでいるため、口腔内で液体が染み出し、パン類とは全く異なる食感、風味等を示すものである。さらに、この食品を喫食した場合には、この食品に含まれる液体が口腔内で染み出し、固体状の食品と混在し、誤嚥を招くおそれもある。
特許文献5においては、生パン粉に牛乳、砂糖を加えて加熱したものに、増粘多糖類を加えて冷ますことで、所定形状のパン様食品が得られている。
このパン様食品は、舌圧だけでつぶすことができる、嚥下食として良好なものである。しかし、このパン様食品は、外観、食感、風味等のいずれにおいても通常のパンとは全く異なるものであり、パン類を喫食したという満足感を与えるものではない。
また、パン類自体を改良したものとして、特許文献6においては、ゲル組成物を含有するパン生地を、比容積が従来と比べて大きくなるように焼成することで、ソフトな物性を有し、且つ歯切れが良いパン類が得られている。特許文献7においても、穀粉類、糖類、油脂類、リン脂質等を一定量含有するパン生地を、一定量の水分含量となるように焼成することで、歯切れが良好で且つ咀嚼時に付着性が低いパン類が得られている。
これらはいずれも従来のパン類と同様の外観、食感、風味等を有しており、且つ歯切れが良好なパン類である。しかし、これらのパン類は、パン類を形成している組織や構造が凝集され、口腔内に付着しやすい等の、噛むことによって生じる性質が改善されていない。そのため、咀嚼・嚥下機能が低下した人がこれらのパン類を喫食した場合には、咽頭につまらせる可能性が高い。
このように、通常のパンと同様の外観、食感、風味等を有し、かつ、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても容易に咀嚼・嚥下が可能なパン類は得られておらず、その提供が望まれていた。
特許第3639801号 特許第3683834号 特許第3534401号 特開2010−161998号公報 特開2009−219364号公報 特許第4459107号 特許第4535927号
本発明は、通常のパンと同様の外観、食感、風味等を有し、かつ、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても容易に咀嚼・嚥下が可能な新規物性を有するパン類を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、通常のパンと同様に発酵、焼成して製造したパンを、さらに酵素処理した後、再焼成することにより、本発明が課題とする通常のパンと同様の外観、食感、風味等を有し、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても容易に咀嚼・嚥下が可能な新規物性を有するパン類が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によって得られるパン類は、次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類である。
1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度である
2)付着性が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い
即ち、本発明は次の(1)〜(15)の新規物性を有するパン類および該製造方法等に関する。
(1)次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類。
1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度である
2)付着性が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い
(2)唾液の吸収率が通常のパンより低い、上記(1)に記載のパン類。
(3)パンを酵素処理して得られる上記(1)または(2)に記載のパン類。
(4)酵素処理するパンが、増粘多糖類を配合したパンである上記(3)に記載のパン類。
(5)酵素処理するパンが、増粘多糖類およびデンプンを配合したパンである上記(3)または(4)に記載のパン類。
(6)増粘多糖類がアルギン酸ナトリウム、グルコマンナンまたはネイティブ型ジェランガムのゾルもしくはゲルから選ばれる一種以上である上記(4)または(5)に記載のパン類。
(7)パンを酵素処理した後、再焼成する工程を含む上記(1)〜(6)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
(8)注入により、パン重量に対して40wt%〜120wt%の酵素液を接触させてパンを酵素処理する上記(7)に記載のパン類の製造方法。
(9)浸漬により、パン重量に対して100wt%〜350wt%の酵素液を接触させてパンを酵素処理する上記(7)に記載のパン類の製造方法。
(10)酵素液の酵素濃度が0.005wt%以上である上記(8)または(9)に記載のパン類の製造方法。
(11)酵素がプロテアーゼ活性またはペプチダーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素である上記(8)〜(10)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
(12)酵素処理するパンが、濃度1wt%以上のゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類を配合したパンである上記(8)〜(11)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
(13)ゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類の配合量(ベーカーズ%)が70%以下である上記(12)に記載のパン類の製造方法。
(14)酵素処理するパンが、デンプンを配合したパンである上記(12)または(13)に記載のパン類の製造方法。
(15)デンプンの配合量(ベーカーズ%)が0.5%以上である上記(14)に記載のパン類の製造方法。
本発明により、次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類を製造することが容易となる。
1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度である
2)付着性が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い
本発明のパン類は、通常のパンと同様の外観、食感、風味等を有し、新規物性を有するパン類として、幅広い世代に提供することができる。本発明のパン類は、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても容易に咀嚼・嚥下が可能であることから、そのまま介護食等に利用することもできる。
発明品および比較品の写真を示した図である(実施例1、試験例1)。 発明品の写真を示した図である(実施例4)。 発明品の写真を示した図である(実施例5)。 発明品の写真を示した図である(実施例6)。
本発明の「パン類」には、次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類であればいずれのものも含まれる。
1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度である
2)付着性が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い
ここで、「通常のパン」とは、小麦粉、ライムギ、ライ麦粉、米粉等に水、酵母、塩等を加えて作成したパン生地を発酵させた後に、これを焼成して得られる、澱粉を主成分とする食品のことをいう。本発明における「通常のパン」としては、例えば、食パン、フランスパン、ライ麦パンまたは米粉パン等が挙げられる。
本発明の「パン類」が有する「かたさ」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含み、最初に歯で噛んだ(咀嚼した)際に感じる歯ごたえのことをいう。
本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって測定される「かたさ」を基準とする。このクリープメータにおいて、本発明の「パン類」を直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮したとき(測定温度:20±2℃、n=8)に示される「かたさ」が1×10N/m以下であれば、本発明の「パン類」は、「通常のパン」と「同程度のかたさ」であるといえる。
また、本発明の「パン類」が有する「凝集性」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含み、最初の咀嚼によって圧縮された後、圧縮後の「パン類」が咀嚼前の形に戻ろうとする復元力(弾力性)のことをいう。ここで「最初の咀嚼」とは、口腔内に含んだ本発明の「パン類」を、最初に歯と歯の間に挟んで噛んだり、舌と上顎で押し潰したりする等のことをいう。
本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって測定される「凝集性」を基準とする。このクリープメータにおいて、本発明の「パン類」を上記「かたさ」と同様の方法で測定した場合に示される「凝集性」が0.2−0.8の範囲内であれば、本発明の「パン類」は「通常のパン」と同程度の「凝集性」であるといえる。本発明の「パン類」は、さらに、この測定方法によって示される「凝集性」が0.5−0.7のものであることが好ましい。
本発明の「パン類」が有する「離水率」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含み、舌と上顎で押し潰したりする等の最初の咀嚼によって、本発明の「パン類」に含まれていた水分が染み出し、「パン類」本体から離れる、水分の離れ易さのことをいう。
本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって、次のように測定される「離水率」を基準とする。
即ち、本発明の「パン類」またはその一部をろ紙の上に置き、重さ(初期重量)を測定する。その後、このクリープメータにおいて、重さ(初期重量)を測定した「パン類」を直径55mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度1mm/秒、測定歪率66.67%で一回圧縮した後、本発明の「パン類」またはその一部をろ紙の上から取り除き、ろ紙に付着した離水の重量(離水量)を測定する。このようにして測定された初期重量に対する離水量の割合を算出することで、本発明の「離水率」を求めることができる。
算出された「離水率」が5%以下であれば、本発明の「パン類」は「通常のパン」と同程度の「離水率」であるといえる。本発明の「パン類」は、さらに、この「離水率」が2%以下のものであることが好ましい。
さらに、本発明の「パン類」の「付着性」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含んだ際に、本発明の「パン類」が口腔内の唾液と接触して水分を含むことによって生じる口腔壁、特に上顎等への付着のし易さや、嚥下するために咀嚼した後、嚥下を始めようとする時点での咽頭等への付着のし易さ等のことをいう。この「付着性」が高い値を示すパン類は、飲み込む等の嚥下がしにくい物性を有していることになる。
本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって測定される「付着性」を基準とする。このクリープメータにおいて、本発明の「パン類」を上記「かたさ」と同様の方法で測定した場合に示される「付着性」が50J/m以下であれば良い。
ここで示される「付着性」のうち、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含んだ際に、本発明の「パン類」が口腔内の唾液と接触して水分を含むことによって生じる口腔壁、特に上顎等への付着のし易さのことを、本発明において、「口腔内で唾液と接触した時の付着性」として、さらに詳しく測定することができる。
この「口腔内で唾液と接触した時の付着性」として、本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって、次のように測定される「口腔内で唾液と接触した時の付着性」を基準とする。
即ち、本発明の「パン類」またはその一部の1面のみに、唾液の代替として水を添加し、このクリープメータにおいて、この「パン類」を直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーと接するように置き、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、本発明の「口腔内で唾液と接触した時の付着性」を測定することができる。
本発明の「パン類」では、この測定方法によって示される「口腔内で唾液と接触した時の付着性」が60J/m以下であれば、「口腔内で唾液と接触した時の付着性」が通常のパンより低いといえる。
また、ここで示される「付着性」のうち、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含み、嚥下するために咀嚼した後、嚥下を始めようとする時点での、咽頭等への付着のし易さのことを、本発明の「パン類」が有する「嚥下開始時の付着性」として、さらに詳しく測定することができる。
この「嚥下開始時の付着性」として、本発明では、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)によって、次のように測定される「嚥下開始時の付着性」を基準とする。
即ち、健常者からなる複数のパネラーが、本発明の「パン類」の一部を嚥下するために平均的に咀嚼する回数咀嚼する。その後、咀嚼後の「パン類」の一部を直径40mm、高さ15mmのシャーレにすりきりまで詰め、このクリープメータにおいて、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、本発明の「嚥下開始時の付着性」を測定することができる。
本発明の「パン類」では、この測定方法によって示される「嚥下開始時の付着性」が1500J/m以下であれば、「嚥下開始時の付着性」が通常のパンより低いといえる。
上記に示した「かたさ、凝集性および離水率」を有し、「付着性が50J/m以下であり」、「口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性」を示す「パン類」は、本発明の新規物性を有する「パン類」であり、「舌と上顎で容易に構造を破壊できる」ものとなる。
ここで「舌と上顎で容易に構造を破壊できる」とは、喫食等するために「パン類」を口腔内に含み、舌と上顎で咀嚼等を行った際に、「パン類」を形成している組織や構造が凝集されて餅のような塊になることがなく崩せ、口腔内で小塊として分散し、溶けるような「口溶け」を示すことをいう。
本発明の新規物性を有する「パン類」が、「舌と上顎で容易に構造を破壊できる」ものであることは、「突刺し最大応力」(maximum stress in penetration)からも示すことができる。
ここで、「突刺し最大応力」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含み、舌と上顎で咀嚼等する際に、「パン類」を形成している構造を破壊するために、必要となる応力の最大値のことをいう。
本発明では、テクスチャーアナライザーTA.XT plus(Stable Micro Systems)によって、次のように測定される「突刺し最大応力」を基準とする。
即ち、本発明の「突刺し最大応力」は、本発明の「パン類」をテクスチャーアナライザーTA.XT plus(Stable Micro Systems)の測定台に置き、直径5mm 円柱型のステンレス製のプランジャーによって、圧縮速度1mm/秒、測定歪率150%で突刺した時の最大応力(突刺し最大応力)として測定することができる。
このようにして測定される「突刺し最大応力」が3.0×10N/m以下であれば、本発明の「パン類」は「舌と上顎で容易に構造を破壊できる」ものであるといえる。
本発明の「パン類」は、さらに、「唾液の吸収率」(absorption of saliva)が、通常のパンより低いものであることが好ましい。ここで、「唾液の吸収率」とは、本発明の「パン類」を喫食等するために、ヒト等が本発明の「パン類」を口腔内に含んだ段階で、本発明の「パン類」が唾液と接触した際に、「パン類」の組織に唾液を取り込む、唾液の取り込み易さのことをいう。この「唾液の吸収率」が高い値を示すパン類は、「パン類」の組織への唾液の取り込みが高いため、咀嚼や嚥下がしにくい物性を有していることになる。
本発明の「唾液の吸収率」は、次のように測定される「唾液の吸収率」を基準とする。
即ち、本発明の「パン類」またはその一部の重さ(咀嚼前重量)を測定した後、口腔内で15回咀嚼し、咀嚼後の重量(咀嚼後重量)を測定し、咀嚼前重量に対し、咀嚼によって増加した重量の割合を算出することで、本発明の「唾液の吸収率」を求めることができる。
この「唾液の吸収率」が5%以下であれば、本発明の「パン類」は、「唾液の吸収率」が通常のパンより低いといえる。本発明の「パン類」は、さらに、「唾液の吸収率」が2%以下のものであることが好ましい。
このように、本発明の新規物性を有する「パン類」は、上記のようにそれぞれの物性を測定した場合に、1)「かたさ」が1×10N/m以下、「凝集性」が0.2−0.8、「離水率」が5%以下というように、「かたさ、凝集性および離水率」が「通常のパンと同程度」であり、2)「付着性」が50J/m以下であり、3)「口腔内で唾液と接触した時の付着性」が60J/m以下および/または「嚥下開始時の付着性」が1500J/m以下と通常のパンより低いパン類であることが好ましい。さらに、本発明の「パン類」は、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類として、4)「突刺し最大応力」が3.0×10N/m以下のパン類であることが好ましい。
そして、本発明の新規物性を有する「パン類」は、さらに、上記に示した物性に加え、「唾液の吸収率」が5%以下であることが好ましい。
本発明の「パン類」の物性には、さらに、「吸水率」(absorption of water)を加えることもできる。本発明の「パン類」の「吸水率」とは、本発明の「パン類」が、その「パン類」の組織に取り込み得る水分の最大量のことをいう。この「吸水率」が高い値を示すパン類は、「唾液の吸収率」が高い値を示すパン類と同様に、唾液を含めた口腔内の水分の「パン類」の組織への取り込みが全体として高いため、咀嚼や嚥下がしにくい物性を有していることになる。
本発明の「吸水率」は、次のように測定される「吸水率」を基準とする。
即ち、本発明の「パン類」またはその一部の重さ(初期重量)を測定した後、水中に5秒間浸漬する。その後、5秒間水を切り、吸水後の重量を測定し、初期重量に対する吸水後の重量の割合を算出することで、本発明の「吸水率」を求めることができる。
本発明の「パン類」は、この「吸水率」が100%以下であることが好ましい。
このように、本発明の「パン類」の物性の一つに「吸水率」を加える場合、上記に示した物性に加え、本発明の新規物性を有する「パン類」は、「吸水率」が100%以下であることが好ましい。
このような、本発明の新規物性を有する「パン類」は、食パン、フランスパン、ライ麦パン等のパン生地を発酵して焼成して得られる「パン」を原料とし、これを酵素処理することによって得られるものであることが好ましい。
ここで「酵素処理」とは、原料とする「パン」の組織に、水等の溶媒に酵素を含ませた酵素液を塗布、浸漬、注入、噴霧等によって接触させ、酵素反応が起こる条件下で一定時間反応させることをいう。
本発明の新規物性を有する「パン類」は、酵素処理したこのような「パン」を、さらに再焼成して得られるものであることが好ましく、再焼成によって、「パン」に含まれる酵素を失活させることもできる。
本発明において原料とされる「パン」は、本発明の新規物性を有する「パン類」が得られるものであればいずれのものであっても良い。パン生地を発酵し、焼成して得られる「パン」であれば良く、従来知られる方法によって独自に調製されたものであっても、市販のものであっても良い。
特に「増粘多糖類」を配合した「パン」を原料とすることが好ましく、さらに「増粘多糖類」および「デンプン」を配合した「パン」を原料とすることが好ましい。
このような原料とされる「パン」に配合される「増粘多糖類」としては、食品添加物として認められているものであればいずれのものであってもよい。例えば、このような「増粘多糖類」として、アルギン酸ナトリウム、グルコマンナンまたはジェランガム、寒天、ペクチン、カードラン、カラギーナン、タマリンドガム等を挙げることができる。これらの増粘多糖類を複数組み合わせて配合しても良く、特にグルコマンナンを配合することが好ましい。これらの増粘多糖類は市販のものであっても、独自に調製したものであっても良く、増粘多糖類濃度が1wt%以上ゲル化した増粘多糖類、またはゾル状にした増粘多糖類を配合することが好ましい。
ゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類は「パン」の材料にそのまま配合しても良い。ゲル化した増粘多糖類は、さらに、生地に練りこまれやすいように、1cm角のダイス状や塊状としたり、ミキサー等で粗くみじん切りしたりして「パン」の材料に配合してもよい。
このようにゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類は、「パン」に対し配合量(ベーカーズ%(ベーカリー生地中の小麦粉を100重量%としたときの配合重量%))が70%以下となるように配合することが好ましい。
また、「パン」に配合する「デンプン」も、食品添加物として認められているものであればいずれのものであってもよい。例えば、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、小麦デンプン、豆類デンプン、甘藷(サツマイモ)デンプン、米デンプン等を本発明の「デンプン」として挙げることができ、これらを複数組み合わせて配合しても良い。これらのデンプンは市販のものであっても、独自に調製したものであっても良い。特に馬鈴薯デンプンを主成分とする加工デンプンであるマツノリンP7(松谷化学工業社製)を配合することが好ましい。
このようなデンプンは、「パン」に対し配合量(ベーカーズ%(ベーカリー生地中の小麦粉を100重量%としたときの配合重量%))が0.5%以上となるように配合することが好ましい。
本発明の「パン類の製造方法」としては、1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度であり、2)付着性が50J/m以下であり、3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い、これら1)〜3)の新規物性を有する、本発明の「パン類」が得られる製造方法であればどのような方法であっても良い。
このような本発明の「パン類の製造方法」には、パン生地を発酵し、焼成して得られる「パン」を原料として、これを酵素処理する工程、酵素処理した後再焼成する工程を含んでいることが好ましい。
原料となる「パン」を酵素処理する工程は、「パン」の組織に、水等の溶媒に酵素を含ませた酵素液を塗布、浸漬、注入、噴霧等によって接触させ、酵素反応が起こる条件下で一定時間反応させる工程のことを指す。酵素液の接触は「パン」の組織に均一に酵素液を接触できる、注入または浸漬により行うことが特に好ましい。
酵素液に含ませる酵素としては、本発明の新規物性を有する「パン類」が製造できる酵素であれば、従来知られているいずれの酵素であってもよい。このような酵素として、例えば、プロテアーゼ活性またはペプチダーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素等が挙げられ、この酵素は、パパインW−40(アマノエンザイム社製)、プロテアーゼP「アマノ」3G(天野エンザイム社製)等の市販のものであっても良い。
注入によって「パン」に酵素液を接触させる場合、酵素液は、パン重量に対して40wt%〜120wt%であることが好ましく、特に50wt%〜100wt%であることが好ましい。また、浸漬によって「パン」に酵素液を接触させる場合、酵素液は、パン重量に対して100wt%〜350wt%であることが好ましい。
このように「パン」に接触する酵素液に含まれる酵素の濃度は0.005wt%以上であることが好ましい。
このように酵素処理した「パン」を再焼成する工程は、酵素処理した「パン」を再び焼成できる工程であれば、どのような機器によって、どのような条件で行っても良い。例えば、酵素処理したパンをホテルパン内に置き、ホテルパン専用蓋で蓋をし、スチームコンベクション(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によってヒートモードの条件(湿度0%、庫内温度130℃、加熱時間30分)で再焼成しても良く、電子オーブンレンジ、ガスオーブン等によって再焼成しても良い。
酵素処理した「パン」を再焼成することにより、酵素処理のために「パン」に添加した酵素液に含まれる水分等を除去し、また、酵素の活性を失活させることができる。
以下、実施例、試験例等をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<材料>
1)パン
強力粉175g、植物油脂10.5g、上白糖21g、食塩3.9g、スキムミルク10.5g、水113.8g、ドライイースト2.1gを家庭用パン製造器(ホームベーカリー(SD‐BMS101) パナソニック社製)の専用容器に投入した。
付属のフックによって、基本食パン標準焼き色モードで焼成してパンを作製し、冷却後、厚さ20mmにスライスした。
2)酵素液(A)
パパインW−40(アマノエンザイム社製)を0.01wt%水溶液となるように水に溶解したものを、酵素液(A)とした。
<製造方法>
上記1.1)のパン(厚さ20mm)に対し、パン重量65gあたり100wt%(65g)の酵素液(A)を接触させた。接触方法は、それぞれ塗布(発明品1A)、浸漬(発明品1B)または注入(発明品1C)とした。
塗布は、上記1.1)のパン(厚さ20mm)の表裏前面およびクラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))表面に、酵素液(A)を刷毛で塗ることで行った。浸漬は、酵素液(A)をバットに入れ、そこに上記1.1)のパン(厚さ20mm)全体を浸すことで行った。
また、注入は、シリンジ(テルモ社製 テルモシリンジ注射針付 26G×1/2”)に酵素液(A)を入れ、上記1.1)のパン(厚さ20mm)の表面および裏面に針を挿入することで行った。一箇所の注入量を数mL程度とし、パン全体を網羅するように複数箇所注入した。
その後、これらのパンをそれぞれ4℃の冷蔵室内で16時間静置し、酵素反応させて処理した。酵素反応終了後、これらのパンをホテルパン内に置き、ホテルパン専用蓋で蓋をした後、スチームコンベクション(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によりヒートモードの条件(湿度0%、庫内温度130℃、加熱時間30分)で再焼成することで、発明品1A〜発明品1Cを得た。
このうち、発明品1Cについて、上記1.1)のパンを酵素処理し、再焼成して得た発明品1Cおよび該内相の拡大写真を図1(上部)に示した。
<物性の特定>
次の1.〜7.の方法により、発明品1A〜発明品1Cおよび下記の実施例等において製造した発明品、比較品の物性をそれぞれ特定した。
1.かたさ、付着性、凝集性
「特別用途食品の表示許可等について(食安発第0212001号、厚生労働省医薬品食品局食品安全部長通知、平成21年2月12日)」中の「えん下困難者用食品の試験方法 かたさ、付着性及び凝集性の試験方法」を参考として、各発明品、比較品のかたさ、付着性および凝集性を以下のように調べた。
即ち、各発明品、比較品のクラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))を除き、30×30×20mmにカットしたものをそれぞれ試料として、クリープメータ RE2−33005B(山電社製)の測定台に置いた。
直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で試料を二回圧縮したときのかたさ、付着性および凝集性をそれぞれ測定した(測定温度:20±2℃、n=8)。
2.離水率
「嚥下困難者用食品の離水に関する検討 野原 舞(県立広島大学大学院 総合学術研究科)、他」(第26回 日本静脈経腸栄養学会(JSPEN2011)、ポスター発表 SP−18)を参考として、各発明品、比較品の離水率を調べた。
即ち、各発明品、比較品のクラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))を除き、30×30×20mmにカットしたものをそれぞれ試料とした。
プラスチックトレーにろ紙を二枚重ね、その上にカットした試料を置き、試料の重量(初期重量)を測定した。
その後、直径55mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、試料を圧縮速度1mm/秒、測定歪率66.67%で一回圧縮した。
圧縮後試料を取り除き、ろ紙に付着した離水の重量(離水量)を測定し、以下の式1に基づき、離水率を算出した(n=5)。
[式1]
3.吸水率
各発明品、比較品のクラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))を除き、30×30×20mmにカットしたものを試料とし、試料の重量(初期重量)を測定した。
その後、試料をザルに入れて、水中に5秒間浸漬した後、5秒間水を切り、試料の吸水後の重量(吸水後の重量)を測定した。以下の式2に基づき、吸水率を算出した(n=5)。
[式2]
4.唾液の吸収率
各発明品、比較品を、重量が4.0±0.1g(咀嚼前重量)となるように秤量した。秤量した試料を口腔内で15回咀嚼した後、口腔内から回収し、咀嚼後の重量(咀嚼後重量)を測定した。以下の式3に基づき、唾液の吸収率を算出した(n=5)。
[式3]
5.口腔内で唾液と接触した時の付着性
平成20年度 研究結果 厚生労働省科学研究費補助金(特別研究事業)分担研究報告書 「食品による窒息の要因分析‐ヒト側の要因と食品のリスク度−原因食品の物性分析 ご飯・パンの物性の解析」28ページ及び図8を参考として、以下のように、各発明品、比較品の口腔内で唾液と接触した時の付着性を調べた。
即ち、各発明品、比較品のクラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))を除き、30×30×20mmにカットしたものを試料とし、この試料の1面のみに水を1mL添加した。
水を添加した面が直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーと接するようにし、試料を圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、口腔内で唾液と接触した時の付着性を測定した(n=5)。
6.嚥下開始時の付着性
参考文献(Jpn.J.Oral Biol.,45,59−63(2003))、を参考として、各発明品、比較品の嚥下開始時の付着性を調べた。
即ち、まず始めに各発明品、比較品を、重量が7.0gとなるように秤量した。秤量した試料を口に含み、咀嚼し、嚥下開始までの平均咀嚼回数を調べた(n=5)。平均咀嚼回数は、発明品がいずれも13回、比較品1A、比較品1Gおよび比較品1Hが60回、比較品1Bが13回、比較品1D、比較品1Eおよび比較品1Fが6回、比較品1Cが3回であった。
次に、各試料を嚥下開始までの平均咀嚼回数分咀嚼し、これを口腔内から回収し、直径40mm、高さ15mmのステンレス製シャーレにすりきりまで詰めた。直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、このシャーレに詰めた試料を圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、嚥下開始時の付着性を測定した(n=3)。
7.突刺し最大応力
テクスチャーアナライザー ユーザーセミナー資料(Stable Micro Systems)を参考として、各発明品、比較品の突刺し最大応力を調べた。
即ち、調製した各発明品、比較品(厚さ20mm)をそのまま試料として、テクスチャーアナライザーTA.XT plus(Stable Micro Systems)の測定台に置き、直径5mm円柱型のステンレス製のプランジャーによって、圧縮速度1mm/秒、測定歪率150%で突刺したときの最大応力(突刺し最大応力)を測定した。
[試験例1−1]
実施例1で得られた新規物性を有するパン(発明品1A〜発明品1C)と、比較例として以下の方法によって得た比較品1A〜比較品1Hをそれぞれ10人のパネラーで試食し、下記に示す評価基準に従い官能評価を行った。クラスト部(パンの外皮部(パンのミミ))を有する発明品および比較品については、クラスト部を除いた内相部分と、クラスト部に分けてそれぞれ試食することで官能評価を行った。また、比較品の物性についても、実施例1と同様に調べた。
比較品1A:上記1.1)で得たパンを酵素処理せずそのまま比較品1Aとした。
比較品1B:以下のように製造したものを比較品1Bとした。
上記1.1)で得たパンに対し、酵素液(A)の代わりにパン重量あたり100wt%の水を塗布して接触させた以外は、発明品1Cと同様の製造方法で製造した。
比較品1C:以下のように製造したものを比較品1Cとした。
市販食パンの内相部分を細かくちぎって鍋に入れ、その鍋にパンが十分に浸るほどの牛乳を注いで、パンが溶け、まったく形がなくなるまで加熱し、パン粥を得た。
比較品1D:特許文献4を参考として、以下のように製造したものを比較品1Dとした。
強力粉850g、米粉150g、上白糖80g、マーガリン100g、スキムミルク30g、食塩20g、生イースト30g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2g、アスコルビン酸3g、水750gをミキサー(キッチンエイド KSM5型 キッチンエイド社製)に投入し、低速で2分、中速で2分混合し、パン用の型に入れた。その後、温度38℃、相対湿度85%で1時間ホイロを取り、スチームコンベクション(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によってヒートモードの条件(湿度0%、温度210℃、加熱時間30分)で焼成した。
得られたパンを冷却後、厚さ20mmにスライスし、スライスした1枚をパン100gあたり100gのシロップ(30%グラニュー糖水溶液)に浸漬させた。
比較品1E:ふつうのパンと比較すると、やわらかさが違い、舌で簡単につぶせる等の特徴を有するものとして市販されているタカキベーカリー社製「らくらく食パン」を比較品1Eとした。
比較品1F:特許文献5を参考として、以下のように製造したものを比較品1Fとした。
生パン粉200g、牛乳400g、上白糖10gを鍋に入れて沸騰させた後、これをミキサー(SKP−B701型 タイガー社製)に入れてよく撹拌した。その後、鍋に戻して加熱し、アクアジュレパウダー(フードケア社製)40gを加えて、再度沸騰させた。沸騰後得られた混合物を四角型に流し、冷却した。
比較品1G:特許文献6を参考として、以下のように製造したものを比較品1Gとした。
強力粉700g、生イースト20g、イーストフード1g、水400gをミキサー(キッチンエイド KSM5型 キッチンエイド社製)に投入し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。この中種生地を温度28℃、相対湿度85%の条件で、4時間醗酵させた。
醗酵後の中種生地を再びミキサーに投入し、準強力粉300g、小麦澱粉50g、食塩15g、上白糖20g、ゲル組成物(寒天1%およびグアガム0.1%配合)100g、水140g、Bakezyme(DSM Food Specialities製)0.4gを加え、低速で3分、中速で3分ミキシングした。
さらに、マーガリン80gを加え、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、フロアタイムを20分とった後、得られた生地を185gずつに分割し、丸目を行なった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、温度38℃、相対湿度85%で60分ホイロをとった後、スチームコンベクション(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によってヒートモードの条件(湿度0%、温度175℃、加熱時間40分)で焼成した。
比較品1H:特許文献7を参考として、以下のように製造したものを比較品1Hとした。
強力粉700g、生イースト20g、イーストフード1g、卵黄100g、水330gをミキサー(キッチンエイド KSM5型 キッチンエイド社製)に投入し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。この中種生地を温度28℃、相対湿度85%の条件で、4時間醗酵させた。
醗酵後の中種生地を再びミキサーに投入し、準強力粉300g、食塩12g、上白糖80g、スキムミルク30g、脱脂濃縮乳5g、水飴50g、生イースト5g、水120g、Bakezyme(DSM Food Specialities製)0.3gを加え、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングした。
さらに、マーガリン300gを加え、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、フロアタイムを30分とった後、得られた生地を230gずつに分割し、丸目を行なった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、温度38℃、相対湿度85%で54分ホイロをとった後、スチームコンベクション(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によってヒートモードの条件(湿度0%、温度175℃、加熱時間45分)で焼成した。
上記にて得た比較品1A〜比較品1Hのうち、比較品1A、比較品1C、比較品1D(全体、内相拡大)、比較品1F、比較品1Gおよび比較品1Hについて、写真を図1(下部)に示した。
<評価基準>
外観
×:通常のパンと全く異なる
△:通常のパンとは近いが異なる
○:通常のパンに近い
◎:通常のパンと同様である
風味
×:通常のパンと全く異なる
△:通常のパンに近いが異なる
○:通常のパンに近い
◎:通常のパンと同様である
食感
×:通常のパンと全く異なる
△:通常のパンに近いが異なる
○:通常のパンに近い
◎:通常のパンと同様である
口溶け
×:口腔内で凝集し、塊となって崩れない
△:口腔内でわずかに凝集し、崩れない部分がある
○:口腔内でほとんど凝集せず、崩せる
◎:口腔内で全く凝集せず、崩せる
総合
×:舌と上顎で構造を破壊し、嚥下するのが極めて困難である
△:舌と上顎で構造を破壊し、嚥下できるが容易ではない
○:舌と上顎で容易に構造を破壊し、嚥下できる
◎:咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者等であっても、舌と上顎で容易に構造を破壊し、嚥下できる
いずれの基準についても、×を0点、△を1点、○を2点、◎を3点と換算して合計し、これをパネラーの人数で割ることで平均点数を調べた。
平均点数が0〜0.5を×、0.6〜1.5を△、1.6〜2.5を○、2.6〜3.0を◎として、最終的な評価をした。
実施例1で得た新規物性を有するパン(発明品1A〜発明品1C)と、比較品1A〜比較品1Hの物性および官能評価の結果を表1−1および表1−2に示した。
表1−1に示されるように、発明品1A〜発明品1Cにおいて酵素処理したパン(厚さ20mm)をそのまま酵素処理せず比較品1Aとしたもの、および特定の組成等にして通常のパンと同様に製造した比較品1G、比較品1Hはいずれも通常のパンとして製造されているものであるため、外観、風味、食感共に“通常のパンと同様である”ものであった。
一方、酵素液(A)を注入した発明品1A〜発明品1Cおよび、酵素液(A)のかわりに水を注入した比較品1Bは、外観、風味および食感が“通常のパンに近いが異なる”ものであった。
しかし、比較品1A、比較品1B、比較品1G、比較品1Hはその内相及びクラスト部において、いずれも喫食のために押し潰すと“口腔内で凝集し、塊となって崩れない”口溶けを示すものであり、口溶けが良くなかった。これに対し、酵素処理して再焼成した発明品1A〜発明品1Cは、“口腔内でわずかに凝集し、崩れない部分がある”か、または、“口腔内でほとんど凝集せず、崩せる”ものであり、口溶けが改善されたものであった。
このような発明品1A〜発明品1C、比較品1A、比較品1B、比較品1G、比較品1Hについての官能評価の結果は物性からも示唆することができた。
即ち、これらの発明品、比較品はいずれも、かたさ、凝集率および離水率が、通常のパンと同様の物性(通常のパンが示す物性:かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下)を示すものであった。
しかし、比較品1A、比較品1B、比較品1Gおよび比較品1Hは、突刺し最大応力の高さからも示されるように、発明品1A〜発明品1Cと比べて舌と上顎で容易に構造を破壊できるものではなく、また、嚥下開始時の付着性も高いことから、咽頭につまらせる可能性が高いものであった。
表1−2に示したように、パン粥として製造した比較品1Cおよび生パン粉等を使用してパン様食品として製造した比較品1Fはいずれも、外観および食感が“通常のパンとまったく異なる”ものであった。
また、通常のパンと同様に製造し、シロップに浸漬した比較品1Dおよび比較品1Eは、風味、食感が通常のパンとは異なり、通常のパンを喫食した場合と比べて違和感があるものであった。また、これらのパンは、離水率が高く、口腔内で液体と固体に分かれるため、咀嚼嚥下機能が低下している人には誤嚥する危険性が高いものであった。
このように、比較品1A〜比較品1Hとして製造されたものは、外観、風味、食感が通常のパンと同等であっても、口溶けが悪いものであったり、口溶けがよくても、外観、食感等が通常のパンとは全く異なるものであったりするため、いずれも通常のパンを喫食しているという満足感が得られるものではなかった。
これに対し、実施例1において製造した発明品1A〜発明品1Cは、外観、風味および食感がいずれも通常のパンとは近く、内相およびクラスト部のいずれにおいても“舌と上顎で構造を破壊し、嚥下できるが容易ではない”か、または、“舌と上顎で容易に構造を破壊し、嚥下できる”ものであり、口溶けが改善されたものであった。特に、発明品1Cは、注入により酵素液(A)を接触させており、酵素液(A)がパンの組織の中心部までより均一に浸透して作用したことによって、口溶けが向上されたものであった。
また、発明品1A〜発明品1Cは、かたさ、凝集性及び離水率(かたさ1×10N/m以下、凝集性0.2−0.8、離水率5%以下)が通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、かつ、口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性(口腔内で唾液と接触した時の付着性60J/m以下、嚥下開始時の付着性1500J/m以下)が通常のパンより低いことから通常のパンを喫食した場合と比べて咽頭につまりにくい、新規物性を有するパン類であった。
さらに、発明品1A〜発明品1Cは、突刺し最大応力が低く(突刺時最大応力3.0×10N/m以下)、容易に舌と上顎で構造を破壊できるものであることから、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者においても食べ易い物性を有していることが確認できた。
[試験例1−2]
試験例1で得た比較品1G、1Hについて、発明品1Cと同様に酵素液(A)を接触させて処理した後、再焼成することにより、比較品1G’および比較品1H’を得た。
これらを10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行った。官能評価の結果は表1−3に示した。
表1−3に示したように、特定の組成等にして通常のパンと同様に製造した比較品1G、比較品1Hを酵素処理した後、再焼成させた比較品1G’および比較品1H’は、いずれも口溶けの向上がみられるものの、外観および食感が“通常のパンとは全く異なる”ものであり、風味も“通常のパンに近いが異なる”ものであった。
従って、この結果より、歯切れが良いパン等を得るために特定の組成等にして通常のパンと同様に製造したものを単に酵素処理し、再焼成したところで、通常のパンと同様の外観、食感、風味等を有し、かつ、高齢者等の咀嚼・嚥下機能が低下した人においても容易に咀嚼・嚥下が可能な本発明の新規物性を有するパン類が得られるとは言えないことが確認できた。
実施例1、1)と同様に得たパン(厚さ20mm)に対し、実施例1、2)と同様に調製した酵素液(A)を、パン重量あたり40wt%(発明品2A)、60wt%(発明品2B)、80wt%(発明品2C)または120wt%(発明品2D)となるように、それぞれ注入により接触させた以外は、発明品1Cと同様の製造方法で発明品2A〜発明品2Dを製造した。
[試験例2]
実施例2で得られた新規物性を有するパン(発明品2A〜発明品2D)と、比較として以下の方法によって得た比較品2A〜比較品2Cをそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行った。また、一部の発明品および比較品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。結果を表2−1および表2−2に示した。
比較品2A:注入により、パン重量あたり20wt%の酵素液(A)を接触した以外は発明品1Cと同様の製造方法で製造した。
比較品2B:注入により、パン重量あたり140wt%の酵素液(A)を接触した以外は発明品1Cと同様の製造方法で製造した。
比較品2C:注入により、パン重量あたり160wt%の酵素液(A)を接触した以外は発明品1Cと同様の製造方法で製造した。
表2−1に示したように、パン重量あたり40wt%以上120wt%以下の酵素液(A)を注入により接触させて処理することによって製造した発明品2A〜発明品2Dは、その内相およびクラスト部において実施例1で製造した発明品1Cと同等の口溶けを示すものであり、また、より好ましい外観を示す、新規物性を有するパンであった。
一方、パン重量あたり20wt%以下の酵素液(A)を注入により接触させて処理したものは、パン全体に酵素液(A)が浸透せず、分解が不良な部分が発生したため、口溶けが悪くなった(比較品2A)。また、140wt%以上の酵素液(A)を注入により接触させて処理したものは、水分含量が高く、食感が通常のパンとは異なり、べとつきがある飲み込みにくいものであった(比較品2B、比較品2C)。
表2−2に示したように、発明品2A〜発明品2Dは発明品1A〜発明品1Cと同様に、かたさ、凝集性及び離水率が通常のパンと同程度であった。また、付着性が50J/m以下であり、かつ、口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低いことから通常のパンを喫食した場合と比べて咽頭につまりにくい、新規物性を有するパン類であった。さらに、突刺し最大応力が低く、容易に舌と上顎で構造を破壊できるものであった。
従って、発明品2A〜発明品2Dは発明品1A〜発明品1Cと同様に、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者等においても食べ易い物性を有しているものであった。
実施例1、1)と同様に得たパン(厚さ20mm)に対し、次のように調製した酵素液(A)または酵素液(B)を、パン重量あたり80wt%となるように注入により接触させた以外は、発明品1Cと同様の製造方法で発明品3A〜発明品3Jを製造した。
酵素液(A)の調製:
パパインW−40(アマノエンザイム社製)を0.025wt%、0.03wt%、0.05wt%、0.075wt%または0.1wt%水溶液となるように水に溶解し、各濃度の酵素液(A)とした。
酵素液(B)の調製:
プロテアーゼ、ペプチダーゼを含む酵素製剤であるプロテアーゼP「アマノ」3G(天野エンザイム社製)を0.005wt%、0.01wt%、0.015wt%、0.025wt%または0.03wt%水溶液となるように水に溶解し、各濃度の酵素液(B)とした。
[試験例3]
実施例3で得られた新規物性を有するパン(発明品3A〜発明品3J)をそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行い、結果を表3に示した。また、それぞれの発明品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。
表3に示したように、各濃度の酵素液(A)および酵素液(B)を注入により接触させて製造した発明品3A〜発明品3Jはその内相およびクラスト部において、実施例1で製造した発明品1Cと同等の口溶けを示すものであり、または、より好ましい風味を有する新規物性を有するパンであった。
特に、0.025wt%以上となるように調製した酵素液(A)を注入により接触させて製造したものは口腔内でほとんど凝集せず、崩せる口溶けを示した。また、0.005wt%以上0.015wt%以下となるよう調製した酵素液(B)を注入により接触させて製造したものは、さらに、通常のパンに近い、または通常のパンと同様の風味を示す、より好ましい新規物性を有するパンであった。
また、物性値の一例として発明品3Gの物性値を示すが、かたさが7190N/m、凝集性が0.593、離水率が0.1%と、通常のパンと同等であった。また、発明品3Gは、付着性が25.6J/mであり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が53.3J/m、嚥下開始時の付着性が1485J/mであって、通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が17500N/mであり、吸水率が73.15%、唾液の吸収率が0.1%であった。
その他の発明品も、かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下と通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m以下および/または嚥下開始時の付着性が1500J/m以下と通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が3.0×10N/m以下であり、吸水率が100%以下、唾液の吸収率が5%以下であった。
従って、発明品3A〜発明品3Jはいずれも発明品1C等と同様に、喫食した場合に通常のパンと比べて咽頭につまりにくく、容易に舌と上顎で構造を破壊できる、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者等においても食べ易い物性を有しているものであった。
<材料>
1)増粘多糖類
(1)アルギン酸ナトリウムゲル
水90gを入れた容器にアルギン酸ナトリウム(I−1 キミカ社製)1gと第2リン酸カルシウム(食品添加物グレード 和光純薬社製)0.3gを攪拌しながら投入した。
さらに、グルコノデルタラクトン(フジグルコン 扶桑化学社製)0.9gを水7.8gに溶解したものを投入し、攪拌した後、静置し、増粘多糖類濃度が1wt%のアルギン酸ナトリウムゲルを得た。
(2)グルコマンナンゲル
水を95.945g入れた容器に、グルコマンナン精粉(レオレックスRS 清水化学(株)社製)を1gまたは2g分散し、均一にした。これを乾燥させないように2時間放置し、膨潤させた。さらに、水酸化カルシウム(食品添加物グレード 和光純薬社製)0.055gを水2gに分散したものを混合した。
この混合物を、スチームコンベクションオーブン(セルフクッキングセンター61型 ラショナル社製)によって湿度100%、庫内温度100℃の条件で、15分加熱した。これを水浴中で冷却し、増粘多糖類濃度が1wt%または2wt%のグルコマンナンゲルを得た。
(3)グルコマンナンゾル
水を98g入れた容器に、グルコマンナン精粉(レオレックスRS 清水化学(株)社製)を2g分散し、均一にした。これを乾燥させないように2時間放置し、膨潤させ、増粘多糖類濃度が2wt%のグルコマンナンゾルを得た。
(4)ネイティブ型ジェランガムゲル
水を98.9g入れた容器に、ネイティブ型ジェランガム(ケルコゲルHM 三栄源エフ・エフ・アイ社製)1gと乳酸カルシウム0.1gを攪拌しながら投入し、90℃の湯浴中で加熱した。これを水浴中で冷却し、増粘多糖類濃度が1wt%のネイティブ型ジェランガムゲルを得た。
2)パン
強力粉175g、植物油脂10.5g、上白糖21g、食塩3.9g、スキムミルク10.5g、水96.25g、ドライイースト2.1gおよび上記1)のアルギン酸ナトリウムゲル、グルコマンナンゲルあるいはネイティブ型ジェランガムゲルのいずれかひとつ(いずれも1cm角ダイス状)または、グルコマンナンゾルを48.13g配合し、家庭用パン製造器(ホームベーカリー(SD‐BMS101) パナソニック社製)の専用容器に投入し、付属のフックによって基本食パン標準焼き色モードで焼成してパンを作製した。これを冷却後、厚さ20mmにスライスした。得られたパンに含まれるゾル状にした増粘多糖類、またはゲル化した増粘多糖類量は、いずれも27.5%(ベーカーズ%)であった。
3)酵素液
プロテアーゼ・ペプチダーゼを含む酵素製剤であるプロテアーゼP「アマノ」3G(天野エンザイム社製)を0.01wt%水溶液となるように水に溶解し、酵素液(B)として使用した。
<製造方法>
上記1.1)で調製したアルギン酸ナトリウムゲル(増粘多糖類濃度:1wt%)、グルコマンナンゲル(増粘多糖類濃度:2wt%)、グルコマンナンゾル(増粘多糖類濃度:2wt%)またはネイティブ型ジェランガムゲル(増粘多糖類濃度:1wt%)のいずれかひとつを配合した上記1.2)のパン(厚さ20mm)に対し、酵素液をそれぞれパン重量あたり80wt%となるように注入により接触させた以外は、発明品1Cと同様の方法で発明品4A〜発明品4Dを製造した。
[試験例4]
実施例4で得られた新規物性を有するパン(発明品4A〜発明品4D)をそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行った。また、それぞれの発明品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。結果を表4に示した。
表4に示したように、アルギン酸ナトリウムゲル、グルコマンナンゲル、グルコマンナンゾルまたはネイティブ型ジェランガムゲルをそれぞれ配合したパンを、酵素を注入により接触させて処理した発明品4A〜発明品4Dは、通常のパンと近い、または同等の概観、風味および食感を有する、新規物性を有するパンであった。
また、発明品4A〜発明品4Dは、かたさ、凝集性及び離水率(かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下)が通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、かつ、口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性(口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m以下、嚥下開始時の付着性が1500J/m以下)が通常のパンより低かった。さらに、突刺し最大応力が3.0×10N/m以下であり、吸水率が100%以下、唾液の吸収率が5%以下であった。
従って、発明品4A〜発明品4Dはその内相およびクラスト部において、いずれも発明品1C等と同様に、喫食した場合に通常のパンと比べて咽頭につまりにくく、容易に舌と上顎で構造を破壊できる、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者においても食べ易い物性を有しているものであった。
強力粉、植物油脂、上白糖、食塩、スキムミルク、ドライイーストと、実施例4、1)、(2)と同様に調製したグルコマンナンゲル(増粘多糖類濃度:1wt%または2wt%)および水を表5−1に記載の組成となるようにそれぞれ配合して製造したパンを使用した以外は、発明品4Bと同様の方法で注入により酵素を接触させて処理し、再焼成することで発明品5A〜発明品5Hを製造した。なお、発明品5Aは、発明品4Bと同じ組成で製造している。
パンに配合したグルコマンナンゲルの増粘多糖類濃度、ゲル化した増粘多糖類の配合量(ベーカーズ%)も表5−1に示した。
[試験例5]
実施例5で得られた新規物性を有するパン(発明品5A〜発明品5H)をそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行い、結果を表5−2に示した。また、それぞれの発明品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。
表5−2に示したように、増粘多糖類濃度が1%以上のグルコマンナンゲルを、ゲル化した増粘多糖類量(ベーカーズ%)が約27.5〜66%となるように配合したパンを酵素処理して得た発明品5A〜発明品5Hは、発明品4B等と同様に、通常のパンと同等の外観、風味および食感を有する、新規物性を有するパンであった。
物性値の一例として、発明品5Dの物性値を示すが、かたさが8032N/m、凝集性が0.6、離水率が0.11%と、通常のパンと同程度であった。また、発明品5Dは、付着性が20.5J/mであり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が22.8J/m、嚥下開始時の付着性が998.9J/mと通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が20500N/mであり、吸水率が75.5%、唾液の吸収率が0.1%であった。
その他の発明品も、かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下と通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m以下および/または嚥下開始時の付着性が1500J/m以下と通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し時最大応力が3.0×10N/m以下であり、吸水率が100%以下、唾液の吸収率が5%以下であった。
従って、発明品5A〜発明品5Hはその内相およびクラスト部において、いずれも発明品1C等と同様に、喫食した場合に通常のパンと比べて咽頭につまりにくく、容易に舌と上顎で構造を破壊できる、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者においても食べ易い物性を有しているものであった。
<材料>
1)デンプン
加工デンプン(マツノリンP7 松谷化学工業社製)を使用した。
2)パン
強力粉、植物油脂、上白糖、食塩、スキムミルク、ドライイーストと、実施例4、1)、(2)と同様に調製したグルコマンナンゲル、上記1)の加工デンプンおよび水を表6−1に記載の組成となるようにそれぞれ配合して製造したパンを使用した。パンに配合した加工デンプンの量(ベーカーズ%)も表6−1に示した。
<製造方法>
上記にて製造したパンを使用した以外は、発明品5Dと同様の方法で、注入により酵素を接触させて処理し、再焼成することで発明品6A〜発明品6Fを製造した。
[試験例6]
実施例6で得られた新規物性を有するパン(発明品6A〜発明品6F)をそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行い、結果を表6−2に示した。また、それぞれの発明品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。
表6−2に示したように、加工デンプン量(ベーカーズ%)が0.5〜5%となるように配合したパンを酵素処理して得た発明品6A〜発明品6Fは、通常のパンと同等の外観、風味および食感を有するとともに、口腔内で完全に溶ける口溶けを示し、新規物性を有するパンであった。
物性値の一例として発明品6Aの物性値を示すが、かたさが7432N/m、凝集性が0.619、離水率が0.18%と、通常のパンと同程度であった。また、発明品6Aは、付着性が21.6J/mであり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が23.1J/m、嚥下開始時の付着性が1067.2J/mと通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が19400N/mであり、吸水率が76.72%、唾液の吸収率が0.1%であった。
その他の発明品も、かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下と通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m以下および/または嚥下開始時の付着性が1500J/m以下と通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が3.0×10N/m以下であり、吸水率が100%以下、唾液の吸収率が5%以下であった。
従って、発明品6A〜発明品6Fはその内相およびクラスト部においていずれも、通常のパンと同等の外観、風味、食感を有し、かつ、喫食した場合に通常のパンと比べて咽頭につまりにくく、容易に舌と上顎で構造を破壊できる、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者においても食べ易い物性を有しているものであった。
実施例6、2)と同様に得たパン(厚さ20mm)に対し、実施例4、3)と同様に調製した酵素液(B)を、パン重量あたり100wt%(発明品7A)、120wt%(発明品7B)、170wt%(発明品7C)、230wt%(発明品7D)または350wt%(発明品7E)となるように、それぞれ浸漬により接触させた以外は、発明品6Aと同様の製造方法で発明品7A〜発明品7Eを製造した。
[試験例7]
実施例7で得られた新規物性を有するパン(発明品7A〜発明品7E)をそれぞれ10人のパネラーで試食し、試験例1と同様の方法により官能評価を行い、結果を表7−1に示した。また、それぞれの発明品について、実施例1と同様の方法により物性を調べた。
表7−1に示したように、パン重量あたり100wt%以上350wt%以下の酵素液(B)を、浸漬により接触させて処理することによって製造した発明品7A〜発明品7Eは、通常のパンと同等の外観、風味および食感を有するとともに、口腔内で完全に溶ける口溶けを示し、新規物性を有するパンであった。
物性値の一例として発明品7Cの物性値を示すが、かたさが6812N/m、凝集性が0.585、離水率が0.11%と、通常のパンと同程度であった。また、発明品7Aは、付着性が4.9J/mであり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が2.7J/m、嚥下開始時の付着性が1032.6J/mと通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が16500N/mであり、吸水率が65.81%、唾液の吸収率が0.1%であった。
その他の発明品も、かたさが1×10N/m以下、凝集性が0.2−0.8、離水率が5%以下と通常のパンと同程度であり、付着性が50J/m以下であり、口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m以下および/または嚥下開始時の付着性が1500J/m以下と通常のパンよりも低かった。さらに、突刺し最大応力が3.0×10N/m以下であり、吸水率が100%以下、唾液の吸収率が5%以下であった。
従って、発明品7A〜発明品7Eはいずれも、通常のパンと同等の外観、風味、食感を有するとともに、その内相およびクラスト部において口腔内で完全に溶ける口溶けを示し、新規物性を有するパンであった。また、実施例6の発明品6A〜発明品6Fと同様の方法で調製したものと比較して、付着性、口腔内で唾液と接触した時の付着性が小さく、口腔内における付着のしやすさがより改善されたものであった。
このように、これらの発明品7A〜発明品7Eはいずれも、喫食した場合に通常のパンと比べて咽頭につまりにくく、容易に舌と上顎で構造を破壊できる、咀嚼嚥下機能が低下している人や、唾液量が少ない高齢者においても食べ易い物性を有しているものであった。
本発明によって、次の1)〜3)の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類を製造することが容易となる。
1)かたさ、凝集性および離水率が通常のパンと同程度である
2)付着性が50J/m以下である
3)口腔内で唾液と接触した時の付着性および/または嚥下開始時の付着性が通常のパンより低い
本発明によって得られるパン類は新規物性を有するパン類として、幅広い世代に提供することができ、そのまま介護食等に利用することもできる。

Claims (11)

  1. パンを酵素処理した後、再焼成する工程を含む次の1.〜4.の新規物性を有し、舌と上顎で容易に構造を破壊できるパン類の製造方法。
    1.クリープメータにおいて、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮したとき(測定温度:20±2℃、n=8)に示されるかたさが1×10 N/m 以下であり、凝集性が0.2−0.8の範囲内である
    2.次の1)〜3)によって算出される離水率が5%以下である
    1)パン類またはその一部をろ紙の上に置き、重さ(初期重量)を測定する
    2)上記1)のパン類またはその一部を直径55mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度1mm/秒、測定歪率66.67%で一回圧縮した後、ろ紙に付着した離水の重量(離水量)を測定する
    3)上記1)にて測定された初期重量に対する、上記2)で測定された離水量の割合を離水率として算出する
    3.クリープメータにおいて、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮したとき(測定温度:20±2℃、n=8)に示される付着性が50J/m 以下である
    4.次の1)によって測定される口腔内で唾液と接触した時の付着性が60J/m 以下であり、および/または、次の2)によって測定される嚥下開始時の付着性が1500J/m 以下である
    1)パン類またはその一部の1面のみに水を添加し、クリープメータにおいて、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーと接するように置き、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、口腔内で唾液と接触した時の付着性を測定する
    2)次の(1)および(2)によって嚥下開始時の付着性を測定する
    (1)パン類の一部を嚥下するために平均的に咀嚼する回数咀嚼する
    (2)上記(1)の咀嚼後のパン類の一部を直径40mm、高さ15mmのシャーレにすりきりまで詰め、このクリープメータにおいて、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーによって、圧縮速度10mm/秒、測定歪率66.67%で二回圧縮し、テクスチャー解析することで、嚥下開始時の付着性を測定する
  2. 請求項1に記載のパン類の製造方法であって、さらに次の1)〜3)によって算出される唾液の吸収率が5%以下であるパン類の製造方法。
    1)パン類またはその一部の重さ(咀嚼前重量)を測定する
    2)上記1)のパン類またはその一部を、口腔内で15回咀嚼し、咀嚼後の重量(咀嚼後重量)を測定する
    3)上記1)にて測定された咀嚼前重量に対する、上記2)で測定された咀嚼によって増加した重量の割合を唾液の吸収率として算出する
  3. 注入により、パン重量に対して40wt%〜120wt%の酵素液を接触させてパンを酵素処理する請求項1または2に記載のパン類の製造方法。
  4. 浸漬により、パン重量に対して100wt%〜350wt%の酵素液を接触させてパンを酵素処理する請求項1または2に記載のパン類の製造方法。
  5. 酵素液の酵素濃度が0.005wt%以上である請求項またはに記載のパン類の製造方法。
  6. 酵素がプロテアーゼ活性またはペプチダーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素である請求項のいずれかに記載のパン類の製造方法。
  7. 酵素処理するパンが、濃度1wt%以上のゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類を配合したパンである請求項のいずれかに記載のパン類の製造方法。
  8. ゲル化した増粘多糖類またはゾル状にした増粘多糖類の配合量(ベーカーズ%)が70%以下である請求項に記載のパン類の製造方法。
  9. 増粘多糖類がアルギン酸ナトリウム、グルコマンナンまたはネイティブ型ジェランガムのゾルもしくはゲルから選ばれる一種以上である請求項7または8に記載のパン類の製造方法。
  10. 酵素処理するパンが、デンプンを配合したパンである請求項7〜9のいずれかに記載のパン類の製造方法。
  11. デンプンの配合量(ベーカーズ%)が0.5%以上である請求項10に記載のパン類の製造方法。
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