JP2005058215A - 浸潤性の良好なビスケットの製造方法 - Google Patents

浸潤性の良好なビスケットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005058215A
JP2005058215A JP2004102049A JP2004102049A JP2005058215A JP 2005058215 A JP2005058215 A JP 2005058215A JP 2004102049 A JP2004102049 A JP 2004102049A JP 2004102049 A JP2004102049 A JP 2004102049A JP 2005058215 A JP2005058215 A JP 2005058215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biscuit
dough
biscuits
flour
roasted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004102049A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4426359B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Watanabe
俊之 渡辺
Toshiko Minami
利子 南
Kenichi Matsuda
賢一 松田
Akihiro Moriguchi
晶宏 森口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ezaki Glico Co Ltd
Original Assignee
Ezaki Glico Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ezaki Glico Co Ltd filed Critical Ezaki Glico Co Ltd
Priority to JP2004102049A priority Critical patent/JP4426359B2/ja
Publication of JP2005058215A publication Critical patent/JP2005058215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4426359B2 publication Critical patent/JP4426359B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 高齢者、乳幼児などの咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でも安全に食することができるビスケットを提供すること。
【解決手段】 咀嚼困難者用または嚥下困難者用のビスケットであって、該ビスケットは、水浸漬前の破断応力が3×10N/m以上であり、10秒間水浸漬後の破断応力が、水浸漬前の破断応力の1/3以下であり、そして該ビスケットは、ビスケット生地を焼成して得られるビスケットであり、該生地のタンパク質含有量が0.5重量%以上3.0重量%未満である、ビスケット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ビスケットおよびビスケットの製造方法に関する。
一般に、ビスケットとは、小麦粉、糖類、食用油脂、食塩を原料とし、必要によりでん粉、乳製品、卵製品、膨脹剤、食品添加物等の原材料を配合し、又は添加したものを混合機、成型機およびビスケットオーブンを使用して製造した食品をいう(ビスケット業における景品類等の提供の制限に関する公正競争規約 公正競争規約施行規則第1条)。さらに、ビスケットとは、一般的には水浸漬前の破断応力が3×10N/m以上である。
これらビスケットは、おやつとして乳幼児から年配者まで広く親しまれており、嗜好品としてなくてはならないものとなっている。また、手軽にカロリーをとることができるので、間食または食事の一部として重要な位置づけにある。
ところが、市販の通常のビスケットはいずれも、組織が堅い。それゆえ、高齢者、乳幼児などの、咀嚼能力または嚥下能力が劣る者には、咀嚼または嚥下しにくく、そのままでは食することが不可能と考えられる。さらに、通常のビスケットは、組織が堅く、歯、歯茎、粘膜などに付着しやすく、それゆえ、喉につまったり、誤嚥したりする危険性があり、安全性でも問題がある。
嚥下能力が劣る者であっても、例えば高齢者などは、「健常者と同様なものを、同じようにおいしく食事をすることができるようになりたい」という強い欲求を持っているものである。かみ初めは、歯ごたえがあるが、口内で唾液を急速に吸収して軟らかくなり、口溶けがよく、しかも、歯、歯茎、粘膜などに付着しにくい、咀嚼および嚥下が容易になるビスケットが望ましい。ある程度堅さがあるものを、咀嚼して潰して呑み込むことが、喫食者の咀嚼機能および嚥下機能の発達、低下予防および回復につながる。それゆえ、かみ初めは、歯ごたえがあるが、口内で唾液を迅速に吸収して軟らかくなり、口溶けがよく、しかも、歯、歯茎、粘膜などに付着しにくい、嚥下が容易になる、安全なビスケットについてのニーズがある。
口の中に入れてすぐに崩れてしまう菓子として、衛生ボーロが挙げられる。ところが、衛生ボーロは、ビスケットとは全く異なるものである。原料面での相違を挙げると、衛生ボーロは、ビスケットでは必須である食用油脂および食塩を使用しない。食用油脂を使用しないことにより、総カロリーが低く、粉っぽさがあり、食事代替品としては不適切であるという欠点がある。食塩を使用しないことにより、味も良くなく、嗜好性はあまり高くないという欠点がある。製法面での相違を挙げると、ビスケットは、生地を成型機で成型した後に焼成するのに対し、衛生ボーロは生地を棒状に練りサイコロ状に切断し、樋をころがすことにより丸くした後焼成する(非特許文献1(新和菓子大系 下巻 製菓実験社 昭和48年2月7日初版発行)など)ので、生産性が、通常のビスケットに比べて低いという欠点がある。物性面でも、衛生ボーロの水浸漬前の破断応力は、ビスケットに比べて極めて低く、1×10N/m程度である。この程度の破断応力では、噛み始めに歯ごたえがなく、ものたりない。そして何よりも、官能面において、衛生ボーロとビスケットとは全く異なるものである。ビスケットは、本発明のビスケットを含め、口に入れると歯ごたえがあり、万人に広く好まれる菓子である。
特許文献1(特開平10−313767公報)は、低タンパク質小麦製品を開示する。パンは、従来、中種法によって製造されており、タンパク質含有量が8.0〜9.0重量%であったが、特許文献1に開示される方法によれば、でん粉、糖、油脂および水分の量を調整することによって、腎臓病者用としてタンパク質を3.0〜6.0重量%にしても製造可能となった。特許文献1の低タンパク質小麦製品の例としてビスケットが挙げられているが、特許文献1に記載の方法によって製造される低タンパク質ビスケットは、本発明のビスケットとは、少なくとも、用途およびタンパク質含有量が異なる点で差異がある。また、特許文献1の方法によって製造されるビスケットは、本発明のビスケットよりもタンパク質含有量が多く、口溶けがわるく組織が堅く、歯、歯茎、粘膜などに付着しやすいので、咀嚼・嚥下能力の低下した者には適さない。
従って、依然として、かみ初めは、歯ごたえがあるが、口内で唾液を迅速に吸収して軟らかくなり、口溶けがよく、しかも、歯、歯茎、粘膜などに付着しにくい、嚥下が容易になるビスケットを提供することが必要とされている。
特開平10−313767公報(第1頁) 「新和菓子大系 下巻」製菓実験社、昭和48年2月7日初版発行、463−464頁
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、高齢者、乳幼児、咀嚼困難者、嚥下障害者などの咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でも安全に食することができるビスケットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来ビスケットの原料に用いられている小麦粉の一部をでん粉に置き換え、タンパク質を多く含む原料の使用を控え、タンパク質含有量を0.5重量%以上3.0%未満に調整することにより、水浸漬前には適度な噛み応えがありながら、口腔内で急速に吸水して破断応力が低下するという特性を持ったビスケットが得られること、ならびにこのビスケットが、口溶けがよく、歯、歯茎、粘膜へ付着しにくく、飲み込みやすい特性を持っていることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。このようなビスケットは、口溶けがよく、歯、歯茎、粘膜へ付着しにくく、飲み込みやすいので、咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でもおいしく食することができる。
本発明のビスケットは、咀嚼困難者用または嚥下困難者用のビスケットであって、該ビスケットは、水浸漬前の破断応力が3×10N/m以上であり、10秒間水浸漬後の破断応力が、水浸漬前の破断応力の1/3以下であり、そして該ビスケットは、ビスケット生地を焼成して得られるビスケットであり、該生地のタンパク質含有量が0.5重量%以上3.0重量%未満である。
1つの実施形態では、上記生地は、でん粉系材料、小麦粉、糖類および油脂を主成分とし得る。
1つの実施形態では、上記生地における、でん粉系材料/小麦粉の重量比は、1/1〜5/1であり得る。
1つの実施形態では、上記生地は、小麦でん粉を含み得る。
1つの実施形態では、上記生地は、ロースト小麦粉、ローストライ麦粉、ロースト玄米粉、ローストソバ粉、ローストコーンフラワー、ローストあわ粉、ローストきび粉、ローストはと麦粉またはローストひえ粉を含み得る。
1つの実施形態では、上記生地は、乳糖を含み得る。
1つの実施形態では、上記生地は、10重量%以上24重量%以下の油脂を含み得る。
1つの実施形態では、上記生地は、棒状または板状であり得る。
1つの実施形態では、上記ビスケットは、直径2mm〜30mm、長さ5cm〜25cmの棒状であり得る。
1つの実施形態では、上記ビスケットは、嚥下困難者用であり得る。
本発明の方法は、上記のビスケットを製造する方法であって、でん粉系材料、小麦粉、油脂、糖類および他の材料を少なくとも5分間撹拌してビスケット生地を得る工程、該ビスケット生地を成型する工程、ならびに該成型されたビスケット生地を焼成してビスケットを得る工程を包含する。
1つの実施形態では、上記成型は、ロータリーモールダーまたは押出し成形機によって行われ得る。
1つの実施形態では、上記ビスケット生地を成型する工程において、該ビスケット生地は棒状または板状に成型され得る。
1つの実施形態では、上記ビスケット生地を成型する工程において、焼成後のビスケットが直径2mm〜30mm、長さ5cm〜25cmの棒状となるように該ビスケット生地が成型され得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地は、でん粉系材料、小麦粉、糖類および油脂を主成分とし得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地における、でん粉系材料/小麦粉の重量比は、1/1〜5/1であり得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地は、小麦でん粉を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地は、ロースト小麦粉、ローストライ麦粉、ロースト玄米粉、ローストソバ粉、ローストコーンフラワー、ローストあわ粉、ローストきび粉、ローストはと麦粉またはローストひえ粉を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地は、乳糖を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の方法において、上記生地は、10重量%以上24重量%以下の油脂を含み得る。
1つの実施形態では、上記ビスケットは、嚥下困難者用であり得る。
本発明によって、浸潤性が良好で、口溶けが良く、咀嚼能力または嚥下能力が劣る者であっても安全に食することができるビスケット類が提供される。また、このようなビスケットの製造方法もまた提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1.本発明のビスケット>
本発明のビスケットは、咀嚼困難者用または嚥下困難者用のビスケットである。本発明のビスケットは、高齢者、乳幼児、咀嚼障害者、嚥下障害者などの咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でも安全においしく食することができる。
本発明者らの鋭利研究の結果、咀嚼困難者が安全においしく食することができる、製造および流通可能なビスケットは、水湿潤性が良く、口溶けが良好であることが必要であることがわかった。また、嚥下困難者が安全においしく食することができる、製造および流通可能なビスケットは、歯、歯茎、粘膜などに付着せず、口腔内に残らず、喉につまる危険性、誤嚥する危険性などがないことが必要であることがわかった。また、咀嚼機能および嚥下機能の発達、低下予防および回復を目指すためには、ビスケットが、食べはじめは、従来どおりのおいしさおよび堅さでありながら、口の中にいれた後、すぐに軟らかくなって、安全に嚥下までおこなうことができる物性を備えることが理想的であることがわかった。
本発明者らは、この口溶け(浸潤性または水浸潤性ともいう)の指標として、ビスケットの水浸漬前と後とでの破断応力の変化が適切であることを見出した。水浸漬前のビスケットの破断応力(堅さ・固さ)の測定法は、旧厚生省の高齢者用食品の試験方法および旧厚生省のベビーフードの試験方法に準拠する。水浸漬後のビスケットの破断応力の測定方法は以下の通りである。
(水浸漬後のビスケットの破断応力の測定方法)
(1)測定装置:クリープメーター物性試験システム(山電製RE−33005);
(2)測定条件:直径3mm円柱形のプランジャーを圧縮速度10mm/秒で使用する。測定室温20℃、測定水温30℃;
(3)ビスケットを完全に水中に浸漬し、経時的に取り出して破断応力を測定する。好ましくは、水に10秒間浸漬した後、水中から取り出して測定装置にセットし、破断応力を測定する。さらにより好ましくは、破断応力は、水中から取り出してから5秒後に測定を開始する。
本発明のビスケットは、水に浸漬する前(すなわち、噛みはじめ)は堅くても、水浸漬(すなわち、口中での吸水)により急激に軟化し、10秒間水浸漬後の破断応力が浸漬前の1/3以下となる。さらに水浸漬により水中で崩壊し、歯、歯茎、粘膜などへの付着性が低下していくような物性となっている。つまり、水浸潤性が良好で、口の中に入れた場合、物理的な力(咀嚼)がほとんどなくても、唾液により崩れ、歯、歯茎、粘膜などへの付着性が低下し、容易に咀嚼および嚥下できる形に変化するのである。
これに対して、従来のビスケットは、水浸漬による軟化は緩やかであり、軟化したとしても物理的な力(咀嚼)を加えなければ、崩壊は起こらず、歯、歯茎、粘膜などへの付着性もほとんど低下しない。
以上のように、10秒間の水浸漬による破断応力の減少割合(浸潤性の良否)が、咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でも摂食できるか否かの指標となってくるのである。
本発明のビスケットは、水に浸漬する前の破断応力が、好ましくは約4×10N/m以上であり、より好ましくは約5×10N/m以上であり、さらにより好ましくは約6×10N/m以上であり、ことに好ましくは約8×10N/m以上であり、特に好ましくは約7×10N/m以上であり、最も好ましくは約9×10N/m以上である。水に浸漬する前の破断応力が小さすぎると、歯ごたえがなく、物足りないものとなり、また、保管・輸送中に割れたり、折れたりして、ビスケットとしての商品価値が無くなる場合がある。本発明のビスケットの、水に浸漬する前の破断応力は、好ましくは、約20×10N/m以下であり、より好ましくは約18×10N/m以下であり、さらにより好ましくは約16×10N/m以下であり、ことに好ましくは約14×10N/m以下であり、特に好ましくは約12×10N/m以下であり、最も好ましくは約10×10N/m以下である。水に浸漬する前の破断応力が大きすぎると、堅すぎて噛み砕くことができず、咀嚼能力の低下した者にとっては食べにくくなる場合がある。
本発明のビスケットは、測定室温20℃にて、30℃の水に10秒間浸漬してから取り出して測定装置に取り付け、取り出してから5秒後に測定を開始した場合の破断応力が、好ましくは約0.1×10N/m以上であり、より好ましくは約0.5×10N/m以上であり、さらにより好ましくは約1×10N/m以上であり、ことに好ましくは1.5×10N/m以上であり、特に好ましくは2×10N/m以上であり、最も好ましくは2.3×10N/m以上である。水に浸漬した後の破断応力が小さすぎると、歯ごたえがまったくなく、物足りないものとなる。本発明のビスケットの、測定室温20℃にて、30℃の水に10秒間浸漬してから取り出して測定装置に取り付け、取り出してから5秒後に測定を開始した場合の破断応力は、好ましくは、約5×10N/m以下であり、より好ましくは約4.5×10N/m以下であり、さらにより好ましくは約4×10N/m以下であり、ことに好ましくは3.5×10N/m以下であり、特に好ましくは3×10N/m以下であり、最も好ましくは2.5×10N/m以下である。水に浸漬した後の破断応力が大きすぎると、咀嚼・嚥下能力の低下したものにとっては食べにくくなる場合がある。
本発明では、本発明のビスケットの浸潤による軟化の良否の指標、すなわち、
Figure 2005058215
が、1/3以下であることが好ましい。浸潤軟化性は、好ましくは約0.3以下であり、さらに好ましくは約0.2以下である。浸潤軟化性の値が大き過ぎると、口溶けが悪く、嚥下が困難な場合がある。浸潤軟化性は、好ましくは約0.05以上であり、さらに好ましくは約0.1以上である。浸潤軟化性の値が小さすぎると、口内で軟化し過ぎて、物足りない場合がある。
本発明のビスケットはまた、水を吸収した際の凝集性および付着性に優れており、嚥下を極めてスムーズに行うことができる。
本発明のビスケットはまた、水を急速に吸収して容易に軟化するので、咀嚼および嚥下に要する筋力が通常のビスケットよりも低く、それゆえ、咀嚼困難者または嚥下困難者でも容易に嚥下できる。また、咀嚼または嚥下に要する筋力が適度であるため、咀嚼困難者の咀嚼訓練または嚥下困難者の嚥下訓練のための使用に適している。
<2.本発明のビスケットの材料>
本発明のビスケットは、ビスケット生地を焼成することによって得られる。本明細書中では、ビスケットとは、小麦粉、糖類および油脂を主原料とし、食塩を含み、必要により、でん粉系材料、乳製品、卵製品、膨脹剤、食品添加物等の原材料を配合し、又は添加したものを混合機、成型機およびビスケットオーブンを使用して製造した食品をいう。本明細書中では、ビスケットの材料を混合および撹拌したものであって、焼成前のものを、ビスケット生地という。本発明で用いられるビスケット生地は、好ましくは、小麦粉、糖類および油脂を主成分とし、より好ましくはでん粉系材料、小麦粉、糖類および油脂を主成分とする。本明細書中では「主成分とする」とは、生地におけるその成分の含有量が、約5重量%以上(好ましくは約10重量%以上)であることをいう。
本発明のビスケットは、ソフトタイプのビスケット(ソフトビスケットともいう)であっても、ハードタイプのビスケット(ハードビスケットともいう)であってもよい。本発明のビスケットは、好ましくはソフトビスケットである。本明細書中では、ソフトビスケットとは、小麦粉、糖類および油脂を主原料とし、食塩を含み、必要により、でん粉系材料、乳製品、卵製品、膨脹剤、食品添加物などの原料を加えて混合して生地を調製した後、ロータリーモールダー、押出し成形機、ワイヤーカッター、デポジッター、ステンシルモールダー、ソフトカッティングなどによって生地中のグルテン形成が抑制された状態で生地を成型し、焼成して得られる、軟らかく、サクサクとした軽い食感を有するビスケットをいう。本明細書中では、ハードビスケットとは、配合原料を混合して得られた生地をラミネーターで展延積層し、さらにシーターで所定の厚さに圧延し、成型した後焼成して得られる、層状構造が見られる、堅いビスケットをいう。ハードビスケットは、その製造工程に起因して、生地に生成するグルテン量が多くなり、このような生地を焼成して得られるハードビスケットは非常に硬い食感となる。本発明のビスケット生地の配合、および製法等については、いわゆるビスケットの規約に制限されない。風味的にも特に制限はない。
本発明のビスケットの製造に用いるビスケット生地のタンパク質含有量は、約0.5重量%以上約3.0重量%未満である。ビスケット生地のタンパク質含有量は、好ましくは約1.0重量%〜約2.8重量%未満であり、より好ましくは約1.5重量%〜約2.6重量%であり、最も好ましくは約2.0重量%〜約2.4重量%である。本発明のビスケットの製造においては、ビスケット生地中のタンパク質含有量は、ビスケットを製造するために用いられる種々の材料中のタンパク質含有量および種々の材料の使用量を適切に選択することによって調整され得る。例えば、卵製品、乳製品などのタンパク質を多く含有する材料の使用を極力控え、炭水化物中心の原料組成とし得る。
ビスケット生地中の「タンパク質含有量」は、ビスケット生地を実際に当該分野で公知の分析方法によって分析して決定してもよく、簡便には、ビスケットの製造に用いる材料に含まれるタンパク質含有量に基づいて決定してもよい。
本発明のビスケットの製造に用いられるビスケット生地におけるでん粉系材料/小麦粉の重量比は、1/1〜5/1であり、より好ましくは1/1〜4/1であり、さらに好ましくは1/1〜3/1である。
本明細書中で、生地に含まれる材料の重量%は、得られるビスケットの重量を100とし、それに対する重量比として計算される。従って、生地の配合のうち、ビスケットを焼成する際に失われる水分の量は、計算の基準に含めない。
(1.でん粉系材料)
本発明のビスケットの製造に用いる生地の原料としては、小麦粉以外のでん粉系材料が用いられ得る。本明細書中では、「でん粉系材料」とは、でん粉のみからなる材料またはでん粉を含む材料であって、小麦粉以外の材料をいう。でん粉系材料としては、通常市販されているでん粉であればどのようなでん粉系材料でも使用され得る。でん粉系材料は、その材料中のでん粉含有量が、好ましくは約10重量%以上であり、より好ましくは約20重量%以上であり、より好ましくは約30重量%以上であり、より好ましくは約40重量%であり、より好ましくは約50重量%であり、より好ましくは約60重量%以上であり、さらに好ましくは約70重量%以上であり、ことに好ましくは約80重量%以上であり、特に好ましくは約90重量%以上であり、最も好ましくは約99重量%以上である。
でん粉系材料の例としては、でん粉、小麦粉以外の各種穀粉およびこれらの穀粉をローストしたものが挙げられる。でん粉の例としては、未処理でん粉および各種の化工でん粉が挙げられる。未処理でん粉としては、通常市販されているでん粉であればどのようなでん粉でも使用され得る。未処理でん粉の例としては、馬鈴薯でん粉、タピオカでん粉、甘藷でん粉、くずでん粉などの地下でん粉;小麦でん粉、コーンスターチ、米でん粉(例えば、ワキシーでん粉、粳米でん粉)などの地上でん粉が挙げられる。でん粉としては、小麦でん粉が好ましい。小麦でん粉を使用すると、他のでん粉を使用した場合と比較して、風味および組織ともにより良好となる。穀粉の例としては、ライ麦粉、玄米粉、ソバ粉、コーンフラワー、あわ粉、きび粉、はと麦粉、ひえ粉などが挙げられる。ローストした穀粉の例としては、ロースト小麦粉、ローストライ麦粉、ロースト玄米粉、ローストソバ粉、ローストコーンフラワー、ローストあわ粉、ローストきび粉、ローストはと麦粉、ローストひえ粉などが挙げられる。ビスケットの組成を低タンパク質含有量になるようにすると、焼成の際にメイラード反応が起きにくく、それゆえ、ロースト感が出にくくなる。ロースト感に欠けると、一般消費者が美味しさを感じにくくなる。それゆえ、低タンパク質含有量ビスケットにロースト感を付与するために、ローストした穀粉を添加することが好ましい。
これらのでん粉系材料は、1種類のみを用いても、複数種類を任意に組み合わせて用いてもよい。複数種類を組合わせることが好ましい。
ビスケット生地を製造するために用いられるでん粉系材料の量は、当業者により適宜決定され得る。ビスケット生地を製造するために用いられるでん粉系材料の量は、ビスケット中の目的とするタンパク質含有量、それに応じた小麦粉量に応じて決定され得る。でん粉系材料の量(合計量)は、小麦粉とでん粉と水分と油脂との配合量の比率によって変動するとはいえ、生地の成型性の観点からは、ビスケットの原料の合計量の好ましくは約20重量%〜約70重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%、さらに好ましくは約35重量%〜約55重量%であり、最も好ましくは約40重量%〜約50重量%である。でん粉系材料の量が少なすぎると、焼成して得られるビスケットの水浸漬後の破断応力が高くなりすぎる場合がある。でんぷん系材料の量が多すぎると、生地のつながりが悪くなったり、型からの生地の離型が悪くなったりする場合がある。
本発明のビスケット生地の製造においては、ビスケット生地の製造に用いられる小麦粉の一部分をでん粉系材料で置き換え、ビスケット生地中のでん粉系材料の重量/ビスケット生地中の小麦粉の重量が、好ましくは1/1〜5/1となるように、より好ましくは1/1〜4/1となるように、さらに好ましくは1/1〜3/1となるように配合を調整することが好ましい。
(2.小麦粉)
本発明のビスケットの製造に用いる生地は、小麦粉を主原料として製造され得る。小麦粉中には、約6.5重量%〜約15重量%の小麦タンパク質が含まれる。小麦粉は、原料となる小麦の種類によって、強力粉、準強力粉、中力粉、および薄力粉に分けられる。強力粉は、硬質小麦から製造される。準強力粉は、硬質小麦から製造される。中力粉は、中間質小麦から製造される。薄力粉は、軟質小麦から製造される。強力粉、準強力粉、中力粉、および薄力粉はまた、タンパク質含量との密接な関係がある。強力粉は、通常、タンパク質含量が11.5重量%以上であり、好ましくは、11.5重量%〜15.0重量%である。準強力粉は、通常、タンパク質含量が11.5重量%以上であり、好ましくは、11.5重量%〜13.5重量%である。中力粉は、通常、タンパク質含量が8.0重量%以上であり、好ましくは、8.0重量%〜10.0重量%である。薄力粉は、通常、タンパク質含量が9.5重量%以下であり、好ましくは、6.5重量%〜9.5重量%である。本発明で用いられる小麦粉は、薄力粉であることが好ましい。もちろん、強力粉、準強力粉および中力粉を用いることも可能である。これらの種々の小麦粉を任意の比率で適宜混合して用いることも可能である。例えば、特定の実施形態では、薄力粉と強力粉とを混合して用いてもよく、あるいは、薄力粉と中力粉とを混合して用いてもよい。小麦粉は、当該分野で周知の方法によって、小麦の穀粒から製造され得る。例えば、小麦の穀粒を臼で挽き、ふるい分けすることによって小麦粉を製造し得る。なお、本明細書中では、ロースト小麦粉(焼成小麦粉ともいう)のような、小麦粉を原料とするものであっても、活性グルテンが失活したものは、小麦粉の範疇に含まれない。
ビスケット生地を製造するために用いられる小麦粉の量は、当業者により適宜決定され得る。ビスケット生地を製造するために用いられる小麦粉の量は、ビスケット中の目的とするタンパク質含有量に応じて決定され得る。小麦粉の量(合計量)は、小麦粉とでん粉と水分と油脂との配合量の比率によって変動するとはいえ、生地の成型性の観点からは、ビスケットの原料の合計量の好ましくは約5重量%〜約60重量%、より好ましくは約10重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約15重量%〜約40重量%であり、最も好ましくは約20重量%〜約30重量%である。小麦粉の量が少なすぎると生地のつながりが悪くなったり、型からの生地の離型が悪くなったりする場合がある。小麦粉の量が多すぎると、焼成して得られるビスケットの水浸漬後の破断応力が高くなりすぎる場合がある。
なお、生地を製造した後にタンパク質量を測定してさらにタンパク質量を調整することは煩雑であるので、小麦粉の配合量を調整することにより生地中のタンパク質量を制御することが好ましい。
(3.糖類)
本発明のビスケットの製造に用いるビスケット生地の原料としては、糖類もまた用いられ得る。本明細書中では、「糖類」とは、単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコールおよび水飴をいう。本明細書中では、糖類の範疇には、三糖以上のでん粉分解物(例えば、デキストリン)および水溶性食物繊維(例えば、ポリデキストロース)などの甘味を呈さない多糖類は含まれない。糖類としては、当該分野で市販される任意の糖類が使用され得る。糖類の例としては、砂糖、乳糖、異性化糖、ぶどう糖、麦芽糖、トレハロース、マルチトール、パラチニット;水飴などが挙げられる。目的とするビスケットの甘味の程度、食感、焼色、膨化程度に伴う形状等を調整するために、必要に応じて1種、又は2種以上の糖類を選択して用いることができる。砂糖と乳糖とを組合わせて用いることが好ましい。乳糖は、他の糖と比較してメイラード反応を起こしやすく、また甘味度が低いので、得られるビスケットに適度なロースト感を付与しながらも甘味を強くしすぎないという利点があり、特に好ましい。乳糖は、加糖れん乳、無糖れん乳などのような乳糖含有材料として添加されてもよい。低甘味の糖類を選択して用いることにより、得られるビスケットの食感および膨化程度を調整することが可能である。
糖類の配合量(合計量)は、ビスケット生地の原料の合計量の、代表的には約5重量%〜約30重量%であり、より好ましくは約8重量%〜約25重量%であり、さらに好ましくは約10重量%〜約20重量%である。糖類の配合量が多すぎる場合、生地のまとまりまたは伸展性が悪く成型性が低下したり、焼成後の形状がだれてしまったりといった問題が生じやすい。糖類の配合量が少なすぎる場合は、粉っぽい風味が感じられたり、火通りが悪く焼成に長時間を要したり、焼成する際にバンド等への付着が悪く、そり等の形状変化が生じる可能性がある。
(4.油脂)
本発明のビスケットの製造に用いるビスケット生地の原料としては、油脂も用いられ得る。本明細書中では、「油脂」とは、植物油脂、動物油脂およびそれらの加工品をいう。油脂としては、当該分野で市販される任意の油脂が使用され得る。油脂の例としては、ショートニング、マーガリン、バター、ラード、コーン油、オリーブオイル、綿実油、ナタネ油、ダイズ油、ヤシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、サラダオイル、粉末油脂等の各種植物性および動物性の油脂が挙げられる。得られるビスケットの風味および口溶けを向上させるために、必要に応じて1種、又は2種以上の油脂を選択して用いることができる。
油脂の配合量(合計量)は、ビスケット生地の原料の合計量のうちの、好ましくは約10重量%以上であり、より好ましくは約13重量%以上であり、さらに好ましくは約15重量%以上であり、さらにより好ましくは約18重量%以上であり、特に好ましくは約20重量%以上である。上限については、好ましくは約40重量%以下であり、より好ましくは約30重量%以下であり、さらに好ましくは約25重量%以下であり、最も好ましくは約24重量%以下である。油脂の配合量が多すぎる場合、生地がゆるくなりすぎて成型性が低下したり、焼成後の形状がだれてしまったりといった問題が生じ易い。油脂の配合量が少なすぎる場合は、生地のまとまりまたは伸展性が悪く成型性が低下したり、口溶けが悪かったり、粉っぽい風味が感じられたり、火通りが悪く焼成に長時間を要したりする可能性がある。通常、得られるビスケットの食感は、油脂量が多いほどサクサクした軽い方向となる。得られるビスケットの目的とする食感に応じて、油脂の配合量を設定することができる。
(5.他の材料)
最近の健康志向に合わせるため、本発明のビスケット生地の原料としてはまた、乳製品、卵製品、食物繊維含有材料、ビタミン、ミネラルといった栄養機能成分、ペプチド、ポリフェノール等の生理機能成分もまた用いられ得る。
本明細書中では、「乳製品」とは、乳汁またはそれから製造したものをいう。乳製品は、任意の動物由来のものであり得るが、好ましくは牛由来の乳製品である。乳製品の例としては、牛乳、クリーム、チーズ、カゼイン、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、ホエイプロテイン、ホエイタンパク質精製物(例えば、β−ラクトグロブリン精製物、α−ラクトアルブミン精製物または血清アルブミン精製物)、加糖粉乳、調製粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料および乳飲料が挙げられる。
本明細書中では、「卵製品」とは、卵またはそれから製造したものをいう。卵製品は、任意の動物由来のものであり得るが、好ましくはニワトリ由来の卵製品である。卵製品は、生全卵、生卵白、生卵黄、乾燥全卵、乾燥卵白、乾燥卵黄などの、格別精製が施されていない材料であってもよい。
本明細書中では、「食物繊維含有材料」とは、食物繊維を含有する食品材料をいう。「食物繊維」とは、食物中に含まれる繊維状物質をいい、食物繊維は、人間の消化酵素によって消化されない。食物繊維は、任意の食物繊維であり得、従って、食物繊維含有材料も任意の食物繊維含有材料であり得る。食物繊維含有材料中の食物繊維の量に上限はなく、任意に設定され得る。食物繊維含有材料は、純粋な食物繊維(すなわち、100%食物繊維)であってもよい。
食物繊維は、水への溶解のしやすさによって、水溶性食物繊維と水不溶性食物繊維とに分けられ得る。水溶性食物繊維の例としては、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガムなどが挙げられる。水不溶性食物繊維の例としては、セルロース、リグニン、キチン、キトサンなどが挙げられる。
食物繊維は、人工的に製造されたものであっても、食物繊維を含有する材料から食物繊維画分を精製または濃縮したものであっても、食品形態そのままのものであってもよい。人工的に製造された食物繊維の例としては、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、結晶セルロースなどが挙げられる。
食物繊維を含有する材料から食物繊維画分を精製または濃縮されることによって得られる食物繊維の例としては、イヌリン、ペクチン、グアーガム、リグニン、キチン、キトサン、セルロースなどが挙げられる。イヌリンを含む材料の例としては、キクイモ、ゴボウなどが挙げられる。ペクチンを含む材料の例としては、柑橘類などの各種果実が挙げられる。グアーガムを含む材料の例としては、マメ科植物であるグアーの種子が挙げられる。リグニンを含む材料の例としては、ココア、豆類、ふすまなどが挙げられる。キチンまたはキトサンを含む材料の例としては、カニ、エビなどの甲羅が挙げられる。セルロースを含む材料の例としては、おからパウダー、ふすま、大豆、ゴボウなどが挙げられる。ふすまは、穀粒を粉砕して穀粉を採った後に残る残渣であるが、ふすまは好ましくは、小麦ふすま、大麦ふすま、ライ麦ふすま、オーツ麦ふすまであり、より好ましくは小麦ふすまである。
食品形態そのままのものの例としては、野菜、果実、ココアパウダーなどが挙げられる。
食物繊維含有材料の配合量は、ビスケット生地中に配合しようとする、食物繊維の量に応じて適切に設定され得る。水不溶性食物繊維は、ビスケットを水中に浸漬した場合であっても水をほとんど吸収せず、膨潤もしないという特性を有する。水溶性食物繊維は、ビスケットを水中に浸漬した場合に水分を吸って膨潤し、ビスケットを崩れやすくするので、栄養価的な面で問題がなければ、できるだけ多量に添加することが好ましい。
ビタミン、ミネラル等の栄養機能成分は、現代人の食生活で不足しがちであるので、原料として使用すると、得られるビスケットは、シリアル食品としてより好適なものとなる。ビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンEおよび葉酸が挙げられる。ミネラルの例としては、カルシウム、鉄、亜鉛およびマグネシウムが挙げられる。本発明のビスケットの原料としては、カルシウムまたは鉄を用いることが好ましく、カルシウムおよび鉄を用いることがさらに好ましい。カルシウムは、通常、カルシウム塩の形状でまたはカルシウム塩を多量に含む物質として用いられる。カルシウム塩の例としては、未焼成カルシウム、骨未焼成カルシウムが挙げられる。未焼成カルシウムの例としては、貝殻未焼成カルシウム、サンゴ未焼成カルシウム、真珠層未焼成カルシウム、卵殻未焼成カルシウム、ミルクカルシウムが挙げられる。卵殻カルシウムを用いることが好ましい。鉄は、通常、塩の形態で用いられる。鉄塩の例としては、塩化第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、三二酸化鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、乳酸鉄、ピロリン酸第二鉄が挙げられる。ピロリン酸第二鉄を用いることが好ましい。
本発明のビスケットの原料としては、通常ビスケットの原料として用いられ得る、他の任意の原料もまた用いられ得る。このような他の材料の例としては、呈味原料、膨脹剤、乳化剤、クエン酸等の酸味料、香料等の添加物が挙げられる。
本発明でいう「呈味原料」とは、得られるビスケットに特定の味を付与する目的で添加される食品素材をいう。呈味原料の例としては、ピーナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、カシューナッツ、栗、ごま等の種実類;チョコチップなどの菓子類;ニンジン、トマト、オニオン等の野菜類;イチゴ、オレンジ、レーズン、リンゴ、キウイ、パイナップル、梅、バナナ等の果実類;青海苔、昆布、わかめ等の藻類;コーヒー、紅茶、ココア、ビール、ワイン等の嗜好飲料類;食塩、コンソメ、醤油、ソース、カレー粉、こしょう、シナモン等の調味料香辛料類等が挙げられる。呈味原料の形態は、生、乾燥品、ペースト、ピューレ、粉末、塊状等の任意の形態であってよい。ビスケットに目的とする風味を付与するために、必要に応じて1種、又は2種以上の呈味原料を選択して用いることができる。
呈味原料の配合量は、ビスケット生地の原料の合計量の、代表的には約0.1重量%〜約30重量%であり、より好ましくは約0.5重量%〜約20重量%であり、さらに好ましくは約1重量%〜約15重量%である。呈味原料の配合量が多すぎる場合、生地のまとまりまたは伸展性が悪く成型性が低下するといった問題が生じやすい。
本明細書では、「膨脹剤」とは、膨化菓子を膨化させる目的で添加される物質をいう。膨脹剤の例としては、例えば重曹、重炭安、ベーキングパウダー等が挙げられる。得られるビスケットの膨化程度および食感を調整する目的で、必要に応じて1種、又は2種以上の膨脹剤を選択して用いることができる。本発明のビスケットの場合、膨脹剤を必ずしも配合しなくて良いが、さらに膨化を大きくしたい場合、食感をより軽くしたい場合等、目的とする膨化程度、食感に応じて配合量を設定することができる。膨脹剤の配合量が多すぎる場合、ビスケット生地に苦味を感じる場合がある。
乳化剤の例としては、例えば、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。得られるビスケットの食感を調整する場合、および成型時の油脂分離を抑制する等の目的で、必要に応じて1種、又は2種以上の乳化剤を選択して用いることができる。乳化剤の種類およびHLBによって多少異なるが、通常、乳化剤の配合量が多いほど、得られるビスケットの食感は軽いサクサクとした方向となるため、ビスケットの食感がガリガリして硬すぎる場合等、目的とする食感に応じて配合量を設定することができる。乳化剤の配合量が多すぎる場合、ビスケットに苦味を感じる場合がある。
本明細書では、「酸味料」とは、ビスケットに酸味を付与する目的で添加される物質をいう。酸味料としては、当該分野で用いられ得る任意の酸味料が用いられ得る。目的とする酸味の程度に応じて酸味料の配合量を設定することができる。酸味剤の配合量が多すぎる場合、ビスケットに過度の酸味を感じる場合がある。
本明細書では、「香料」とは、ビスケットに香りを付与する目的で添加される物質をいう。香料としては、当該分野で用いられ得る任意の香料が用いられ得る。目的とする香りに応じて香料の配合量を設定することができる。香料の配合量が多すぎる場合、ビスケットに苦味を感じる場合がある。
<3.本発明のビスケットの製造方法>
本発明のビスケットは、でん粉系材料、小麦粉、油脂、糖類および他の材料を少なくとも約5分間撹拌してビスケット生地を得る工程、該ビスケット生地を成型する工程、ならびに該成型されたビスケット生地を焼成してビスケットを得る工程を包含する方法によって製造される。
この方法ではまず、でん粉系材料、小麦粉、油脂、糖類および他の材料に、必要な場合水を加えて混合して少なくとも約5分間撹拌して、ビスケット生地を作る。ビスケット生地の原料に粉体原料と液体原料とがある場合には、まず、粉体原料どうしの混合および液体原料どうしの混合を予め行い、その後、粉体原料混合物と液体原料混合物との混合を行うことが好ましい。水の配合量は、生地を適切な状態にする目的で、呈味原料由来の水分量とは別に添加する量をいう。すなわち、牛乳、生卵等の水分量の多い呈味原料を多く配合する場合は、別途水を配合する必要がない場合がある。水の配合量が多すぎる場合、生地がべたついて成型性が低下したり、焼成時のだれが大きかったり、必要以上に膨化したり、目的とする形状または食感が得られないといった問題が生じやすい。水の配合量が少なすぎる場合は、生地のまとまりまたは伸展性が悪くなって成型性が低下したり、口溶けが悪かったり、粉っぽい風味が生じたりという問題が生じやすい。撹拌には、縦型、横型等の形状を問わず、通常のビスケットの製造過程で用いる任意のミキサーが使用できる。原料が実質的に均一に混合されるのであれば、どのような撹拌方法を用いてもよい。撹拌時間は、撹拌される材料の量によって当然変化するが、少なくとも約5分間であり、好ましくは少なくとも約8分間であり、より好ましくは少なくとも約10分間である。
次いで、ビスケット生地を成型する。成型は、当該分野で公知の任意の方法によって行われ得る。成型は例えば、ロータリーモールダー、押出し成形機、ワイヤーカッター、デポジッター、ステンシルモールダーまたはソフトカッティングによって行われる。
ロータリーモールダーによる成型方法は、代表的には、ビスケット型が設けられている回転ロール(型ロールともいう)と、このロールと逆向きに回転してこのロールと生地を介して接するロールとの間にビスケット生地が供給されることによってビスケット生地が型込めされ、型込め後の回転ロールとモールダーベルト(キャンパスベルトまたはコンベヤベルトなどともいう)などの移送手段とを接触させることによって、型込めされたビスケット生地がこの移送手段に剥がしとられ、成型されたビスケット生地が得られる方法である。ロータリーモールダーは、ロータリーモールド方式ともいわれる。回転ロールに設けられるビスケット型は、任意の形状であり得るが、好ましくは、型から抜けやすいデザイン、サイズおよび厚みである。型から抜けやすいデザインの例としては、円形、三角形、四角形、ハート形、菊花形、桜形などの比較的単純な形状が挙げられる。ロータリーモールダーによって成型する場合、モールダーベルトを湿らせることが好ましい。モールダーベルトを湿らせると、型ロールからモールダーベルトへのビスケットの転写がより容易になる。
押出し成形機による成形方法は、口金などから生地を連続的に押し出し、適度な長さで切断することにより、棒状に成形する方法である。
ワイヤーカッターによる成型方法は、口金などから押し出した生地を細い糸状の金属で切断することにより種々の形状を得る方法である。ワイヤーカッターは、ワイヤーカット方式ともいわれる。ワイヤーカッターで連続的に成型生地を得るためには、生地がぼそぼそではなく適度な柔らかさを有していることと、ワイヤーで切った成型生地の厚みが一定以上あることが必要となる。
デポジッターによる成型方法は、絞り口金などからビスケット生地を吐出させ、バンド、展板などの上で直接成型する方法である。デポジッターは、絞り出し方式ともいわれる。
ステンシルモールダーによる成型方法は、バンド上で生地を擦り込みながら成形するもので、水分の多い生地しか使用出来ない。ステンシルモールダーには外側と内側に2つの円筒があり、外側は目的の形状の穴が開いた円筒であり、内側にも一部穴が開いている。外側モルダ−型の入口側に生地を対流させて流しこむ。外側が回転して型が下に来たときに、外側の穴と内側の穴がつながって空気が入り、生地がバンド上に落ち、目的の成型生地が得られるという方式である。ステンシルモールダーはステンシル方式、もしくは擦り込み方式などともいわれる。
ソフトカッティング法は、ソフトに調製されたビスケット生地を折りたたむことなく、そのまま展延してカッターで抜いて成型する方法である。
本発明の方法においては、特に、多量のでん粉系材料を配合しながら、ビスケットを生産性を維持しながら作るには、ロータリーモールダーが最も好適である。
本発明の方法において、ロータリーモールダー、押出し成形機、ワイヤーカッター、デポジッター、ステンシルモールダーまたはソフトカッティングのいずれを用いて成型する場合であっても、本発明のビスケットの形状としては、任意の形状を選択することができる。例えば、薄い板状、円錐状、棒状、球状などにすることができる。好ましくは、薄い板状である。より好ましくは、平坦面の形状が、円形、三角形、四角形、ハート形、菊花形、桜形などの比較的単純な形状である。なお、本明細書中において、「多角形」もしくは「角」などと記載される場合、いうまでもなく、そのコーナー部分は、工業的に実用的なレベルでその先端が丸められた、いわゆる「Rをつけた」コーナー部分をも包含する。ロータリーモルダーによって成型する場合、Rを大きくすると、型ロールからの離型がより容易になり、好ましい。また、消費者へアピールするために、ビスケット生地の表面に、任意の形状の絵、文字、模様などが設けられ得る。
ビスケットが薄い板状に焼成されると、食べやすく、火通りが良く、複雑な形状に比べて成型ストレスがかかりにくく、生地を大きく傷めない(生地を傷めると、焼成後のだれやソフトすぎる食感の原因となる)ので、ビスケット生地は、薄い板状に成型されることが好ましい。薄い板状に成型する場合、焼成後のビスケットの厚み(好ましくは、最も厚い部分の厚み)が好ましくは約1mm〜約20mm、より好ましくは約1.5mm〜約15mm、さらに好ましくは約2mm〜約10mm、特に好ましくは約2.5mm〜約5mmになるように成型することが好ましい。ビスケットの厚みが厚過ぎると、口内で水分を吸収しても、口溶けが悪い場合がある。
別の実施形態では、ビスケットは、棒状に成型されることが好ましい。得られるビスケットが棒状であると、摂食者の口腔内のkポイントを刺激するのが容易であるからである。棒状の場合、このビスケット生地は、焼成後のビスケットの直径が、好ましくは約2mm〜約30mm、より好ましくは約5mm〜約25mm、さらに好ましくは約7mm〜約20mm、特に好ましくは約10mm〜約15mmとなるように成型される。このビスケット生地はまた、焼成後のビスケットの長さが、好ましくは約5cm〜25cm、より好ましくは約7cm〜約20cm、さらに好ましくは約10cm〜約15cmとなるように成型される。
次いで、この成型されたビスケット生地は、当該分野で公知の任意の焼成条件および任意の方法で焼成されて、本発明のビスケットが得られる。焼成のためには、例えば固定オーブン、連続オーブン、ダイレクトオーブン、熱風循環オーブン等いずれも使用可能である。成型済み生地は、必要に応じて、スチールベルト、ヘビーメッシュ、ライトメッシュ等を任意に用いて焼成され得る。焼成時間は従来のビスケット同様、成型済み生地の大きさによって異なるが、通常120〜300℃の範囲において3〜30分である。焼成後、ビスケットの中に多量の水分が残存していると、ビスケットの食感がねちゃつく、口溶けが悪い、粉っぽい等の状態になることがある。そのため、製品が焦げない範囲で充分に水分を飛散させることが重要である。
なお、本明細書中では、「水分量」とは、ビスケットに含まれる水分の、ビスケット全体の重量に対する割合をいう。例えば、100gのビスケット中に1gの水分が含まれている場合、そのビスケットの水分量は約1重量%である。水分量の測定方法は、当業者に公知である。例えば、赤外水分計を用い、まず、粉砕したビスケットの重量を測定し、次いで粉砕したビスケットを105℃にて10分間保持し、10分間保持後のビスケットの重量を測定し、保持前と比較して10分間の保持後に減少した重量から水分量を決定し得る。焼成直後のビスケット中の水分量は、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約3重量%以下、さらに好ましくは約2重量%以下、特に好ましくは約1重量%以下である。焼成直後のビスケット中の水分量が多すぎる場合、得られるビスケットの食感が柔らかすぎたり、口溶けが悪かったりといった場合がある。
また、焼成後、ビスケットは空気中の水分を吸収する場合がある。保存吸湿後の水分が多すぎる場合、ビスケットの食感が湿ったような食感となりやすい。そのため、焼成後のビスケットは、空気中の水分を吸収しにくい形態で保存されることが好ましい。例えば、焼成後のビスケットは、密閉されて保存されることが好ましい。また密閉保存する場合、吸湿剤とともに保存、または不活性ガス(例えば、窒素)などを充填した密閉容器中に保存等してもよい。ただし、本発明のビスケットは、水分を吸収しすぎない限り、開放された容器中で保存されてもよい。
本明細書中においては、喫食のために包装が解かれ、水などの液体に浸漬していない状態のビスケットの水分量を、ビスケットの水分量という。焼成直後に喫食する場合は、焼成直後のビスケットの水分量を、ビスケットの水分量という。焼成した後、一定期間、保存した後、喫食する場合には、上述したようなさまざまな方法で保存された後、保存状態が解かれ、牛乳などの液体に浸漬していない状態のビスケットの水分量を、ビスケットの水分量という。
このようにして製造されたビスケットは、水浸潤性が良好で、食する前は堅いものの、口の中に入れることにより、直ちに軟化し、咀嚼能力または嚥下能力が劣る者でもおいしく安全に食することができ得る物性となる。
本発明のビスケットはさらに、公知の方法によって、複合菓子とされ得る。例えば、ビスケットが板状である場合、2枚のビスケットの間に、クリームがサンドされ得る。ビスケットが棒状である場合、チョコレートのような油性菓子またはシーズニングオイルがコーティングされ得る。複合菓子の製造方法は当該分野で公知である。
<4.本発明のビスケットの摂食方法>
本発明のビスケットは、通常の摂食方法によって摂食してもよく、あるいは、咀嚼または嚥下を誘発するようにして摂食してもよい。咀嚼または嚥下を誘発するような摂食方法をとることが好ましく、嚥下を誘発するような摂食方法をとることが好ましい。咀嚼および嚥下を誘発するためには、好ましくは、Kポイントを圧迫刺激するようにして摂食する。Kポイントとは、臼歯後三角最後部のやや後方の内側にある、そこを圧迫刺激することによって、咀嚼様運動、続いて嚥下反射が誘発される場所である。Kポイントは、嚥下困難者の介護および摂食訓練の分野において周知である。Kポイントを刺激するような摂食方法は、咀嚼困難者または嚥下困難者自身が行っても、あるいは、咀嚼困難者または嚥下困難者の介護者がその対象者に対して行ってもよい。
当該分野で公知のように、咀嚼と嚥下とは全く別の行為であり、これらのそれぞれの行為に関与する筋肉も全く異なっている。
咀嚼とは、口腔内に入った食物を噛み砕くことである。咀嚼の際に使用される筋肉は、主に、咬筋および側頭筋前腹である。
他方、嚥下とは、咀嚼した食物を、食道へ飲み下すまでのことをいう。嚥下の各段階をより詳細に説明すると、まず、口腔内で咀嚼によって飲み込める状態(食塊という)になった食物は、舌を使って咽頭へ送られる。このとき、舌尖の挙上が重要な役割を果たす。舌尖を挙上して上顎に付けることができないと、咽頭への食塊の送り込みがうまくいかず、いつまでも口腔内に残ってしまう。また、咽頭への送り込みの際に、口唇閉鎖も重要な役割を果たす。口唇閉鎖ができないと、食塊を咽頭へ送ることができず、口腔外へ食塊が漏れ出てしまう。咽頭へ食塊を送り込む際には、軟口蓋が上に上がると同時に後方へ膨らみ、口腔および鼻腔を遮断する準備をする。次いで、舌が口蓋にしっかり付き、舌骨が引き上げられ、喉頭が上前方へ移動し、そのために喉頭蓋が後方へ倒れる。このとき、軟口蓋は、口腔および鼻腔を遮断している。このとき、口腔および鼻腔の遮断をできないと、食物または水分が鼻腔に逆流してしまう。このときから呼吸が停止する。次いで、舌全が口蓋に付き、そのため、舌骨はさらに上方へ引き上げられ、喉頭はさらに上前方へ移動し、結果的に喉頭蓋は器官へ蓋をするような形で倒れる。また、喉頭が上前方へ移動することによって、咽頭の後方になる食道入口部が開き、そこへ食塊が押し込まれる。このとき、喉頭が上前方へ充分に移動できないと、食道入口部の開大が不充分となり、そのため食道へ入りきれなかった食塊が気管へ侵入する結果となる。これを誤嚥という。誤嚥は、食道の開大不全の他、嚥下のタイミングのずれなどでも生じる。次いで、食道の蠕動運動によって、食塊は食道を胃に向かって移動する。このとき、口蓋へしっかりと押し付けられていた舌は緊張を弱め、舌骨および喉頭は下方へ下がり、それと共に喉頭蓋は再び上方に上がり始め、軟口蓋も元の位置に戻り始める。それゆえ、鼻腔と咽頭の交通が再開され、呼吸が再開される。このように、嚥下には、極めて多数の器官およびその筋肉が関与しており、これらの動きが強調した一連の流れとして行われなければならない。
本明細書中では、咀嚼障害者とは、咀嚼能力が、健常人と比較して低下している患者をいう。咀嚼障害者に本発明は適している。咀嚼障害を有するが、嚥下障害を有さない咀嚼障害者に本発明は好適である。一般に、高齢者は咀嚼能力が低下している場合が多く、また高齢者以外でも、歯の欠損、咬合不全、舌の障害、咀嚼筋異常などにより咀嚼能力が低下することによって咀嚼障害が生じる。
他方、本明細書中では、嚥下障害者とは、嚥下能力が、健常人と比較して低下しているものをいう。嚥下障害者に本発明は適している。一般に、脳卒中後遺症、脳血管性痴呆、食道がんなどによる食道狭窄などによって嚥下障害が生じる。咀嚼障害および嚥下障害の両方を有する咀嚼・嚥下障害者にも、咀嚼障害を有さないが嚥下障害を有する嚥下障害者にも、本発明は好適に用いられ得る。
以下の実施例および比較例によって本発明を例示するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の実施例および比較例において、以下の材料は、それぞれ、以下から購入した以下の商品名のものを用いた:小麦粉、市販の薄力粉;小麦でん粉、市販の小麦でんぷん;ロースト小麦粉、市販のロースト小麦粉;ショートニング、植物性の市販品;砂糖、市販のグラニュー糖;食塩、日本たばこ(株)製の食塩;加糖れん乳、市販の加糖れん乳;膨脹剤、市販品の炭酸アンモニウム;脱脂粉乳、市販の脱脂粉乳。
使用した小麦粉、小麦でん粉、ロースト小麦粉、加糖れん乳および乾燥卵中のタンパク質含有量を、平成11年4月26日衛新第13号にて定められた窒素定量換算法によって測定したところ、それぞれ、8.0重量%、0.4重量%、8.8重量%、7.8重量%および49.1重量%であった。使用した材料のうち、これら以外の材料は、タンパク質を含まない。
(実施例1:咀嚼困難者用および嚥下困難者用のビスケットの製造)
ビスケットの製造に通常用いられるシュガーバッター法を用い、表1の重量割合の材料を用いた。まず、ショートニングと砂糖とを混ぜてクリームを作り、その後、小麦粉、小麦でん粉を加えて軽く混合した後、加糖れん乳、食塩および膨脹剤を水に溶解したものを徐々に加えて、ビスケット生地を得た。ビスケット生地をロータリーモールダー(椎野工業(株)社製)で縦22mm、横37mm、厚さ2.8mmの板状に成型し、固定オーブンを用いて180℃で8分間焼成し残存水分量1重量%にした。得られたビスケットは縦23mm、横38mm、厚さ3mmの、中央部が周辺部よりも若干隆起した板状を呈していた。
使用した各材料に含まれる総タンパク質含有量と、各材料の使用量とから、得られたビスケットの総タンパク質含有量を算出したところ、2.8重量%であった。
(比較例1:通常のビスケットの製造)
小麦でん粉の代わりに小麦粉を使用し、ロースト小麦粉を使用せず、ショートニングおよび砂糖の量を減らし、加糖練乳の量を増やし、乾燥全卵を加えたこと以外は実施例1と同様にしてビスケットを得た。使用した材料の配合を表1に示す。
使用した各材料に含まれる総タンパク質含有量を、実施例1と同様にして算出したところ、7.4重量%であった。
Figure 2005058215
(官能評価1:実施例1および比較例1のビスケットの官能評価)
実施例1および比較例1のビスケットのそのままでの食感を、24人の健康な成人(男性15名女性9名;平均年齢35.6±6.6歳)によって官能評価した。評価項目は、1.噛み切り易さ、2.歯・歯茎・粘膜への付着、3.口中のまとまり易さ、4.口溶けの良さ、5.飲み込み易さ、6.水の要求度、7.やわらかさ、8.美味しさの8項目であった。「噛み切り易さ」については、「噛み切りにくい」を1とし、「噛み切りやすい」を5とし、評価対象物の噛み切り易さが1と5との間のどのへんに位置するかを1から5までの線分上の位置として各人が評価し、その値(整数とは限らない)を測定し、平均値を求めた。「歯・歯茎・粘膜への付着」については、「付きやすい」を1とし、「付きにくい」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「口中のまとまり易さ」は、「まとまりにくい」を1とし、「まとまりやすい」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「口溶けの良さ」については、「口溶けが悪い」を1とし、「口溶けが良い」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「飲み込み易さ」については、「飲み込みにくい」を1とし、「飲み込みやすい」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「水の要求度」については、「欲しくなる」を1とし、「欲しくならない」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「やわらかさ」は、「かたい」を1とし、「やわらかい」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。「美味しさ」は、「美味しくない」を1とし、「美味しい」を5として、「噛み切り易さ」と同様に測定し、平均値を求めた。結果を図2に示す。
この結果、実施例1のビスケットは、噛み切り易さが比較例1のビスケットと同程度であり、噛みはじめの堅さが適度にあることがわかった。また実施例1のビスケットは、口溶けがよく、口腔内にあまり付着せず、極めて飲み込みやすく、嚥下しやすいことがわかった。さらに、実施例1のビスケットは、でん粉を含むが、適度なロースト感があり、従来の小麦粉を用いたビスケットと同程度においしかった。また、実施例1のビスケットは、食後に水を必要としなかった。
一方、比較例1のビスケットは、口溶けが通常のビスケットと同等であり、軟らかくなるのに時間がかかった。また、比較例1のビスケットは、口腔内に付着しやすく、実施例1のビスケットと比べて飲み込みにくかった。また、比較例1のビスケットは、口腔内に粉っぽさが残るため、食後に水を必要とした。
このことから、実施例1のビスケットは、咀嚼困難者用および嚥下困難者用のビスケットとして極めて優良な品質を持つことが示された。
(物理的評価1:実施例1および比較例1のビスケットの物理的評価)
実施例1および比較例1のビスケットの、水浸漬前および水浸漬後の破断応力を、以下の方法で測定した。これらの測定において、測定装置としてクリープメーター物性試験システム(山電製RE−33005)を用いた。測定においては、直径3mm円柱形のポリアセタール樹脂製プランジャーを圧縮速度10mm/秒、歪率70%で使用した。測定室温は20℃であり、測定水温は30℃であった。
水浸漬前のビスケットの破断応力の測定法は、旧厚生省の高齢者用食品の試験方法および旧厚生省のベビーフードの試験方法に準拠して行った。
水浸漬後のビスケットの破断応力の測定方法は以下の通りである。まず、測定室温20にてビスケットを30℃の水中に10秒間完全に浸漬してから取り出した。水中から取り出してすぐに測定装置にセットし、水中から取り出してから約5秒後に破断応力の測定を開始した。
これらのビスケットの破断応力の測定結果を図1にグラフとして示す。測定結果は、5回の測定の平均値である。
実施例1のビスケットの10秒間水浸漬後の破断応力は、水浸漬前の26%で1/3以下であるのに対し、比較例1のビスケットの10秒間水浸漬後の破断応力は84%であった。このことからも、実施例1のビスケットが、口腔内での水浸潤性および崩壊性に極めて優れていることがわかる。
(物理的評価2:実施例1および比較例1のビスケットの破断応力についてのさらなる測定)
実施例1および比較例1のビスケットの、水浸漬前および水浸漬後の破断応力を、水浸漬時間を5秒間、10秒間、15秒間および60秒間としたこと以外は、上記の物理的評価1と同様の方法に従って測定した。なお、水浸漬前の破断応力を、水浸漬時間0秒間の破断応力とした。
これらのビスケットの破断応力の測定結果を図3に示す。測定結果は、5回の測定の平均値である。
この結果、実施例1のビスケットは、水に浸漬する前は比較例1のビスケットと同程度の堅さを有するが、水に浸漬することによって急速に軟化することがわかった。なお、実施例1のビスケットは、水中に20秒間浸漬すると組織が崩壊し、破断応力を測定することが不可能であった。このことから、本発明のビスケットが、咀嚼困難者用および嚥下困難者用としてきわめて優れた特性を有することがわかった。
(物理的評価3:実施例1および比較例1のビスケットの凝集性および付着性の測定)
実施例1および比較例1のビスケットの、水浸漬前および水浸漬後の凝集性および付着性を測定した。水浸漬時間を5秒間、10秒間、15秒間および60秒間とし、水浸漬前のものを水浸漬時間0秒間とした。凝集性の測定および付着性の測定において、測定装置としてクリープメーター物性試験システム(山電製RE−33005)を用いた。測定においては、直径3mm円柱形のポリアセタール樹脂製プランジャーを圧縮速度10mm/秒、戻り距離5mm、圧縮回数2回、歪率70%で使用した。測定室温は20℃であり、測定水温は30℃であった。
これらのビスケットの凝集性および付着性の測定結果を図4に示す。測定結果は、5回の測定の平均値である。
この結果、実施例1のビスケットは、比較例1のビスケットとほぼ同等の凝集性を有しながらも、付着性が極めて低いという特性を有することがわかった。なお、実施例1のビスケットは、水中に20秒間浸漬すると組織が崩壊し、凝集性および付着性を測定することが不可能であった。このことから、本発明のビスケットが、咀嚼困難者用および嚥下困難者用として、とりわけ嚥下困難者用としてきわめて優れた特性を有することがわかった。
(生体計測1:実施例1および比較例1のビスケットの咀嚼特性)
実施例1および比較例1のビスケットの、咀嚼に関する特性を測定した。この測定においては、NEC社製デジタル多用途脳波計(NEC−EE2514)を用い、電極として脳波計用皿電極を用いた。測定対象の筋を咬筋および側頭筋前腹とした。被験者は、8人の健康な成人(男性4名女性4名;平均年齢32.4±6.6歳)であった。ビスケットを咀嚼し終えてからビスケットが粉々になって咀嚼し終わるまでの咀嚼回数、咀嚼時間、咀嚼中の総咀嚼筋活動量を測定した。
これらの結果を図5に示す。測定結果は、各被験者につき2回測定したときの平均値である。
この結果、実施例1のビスケットは、比較例1のビスケットと比較して、少ない咀嚼回数および短い咀嚼時間で摂食でき、咀嚼に要する筋活動量が低いことがわかった。このことから、本発明のビスケットが、咀嚼困難者用および嚥下困難者用として、とりわけ咀嚼困難者用としてきわめて優れた特性を有することがわかった。
(生体計測2:実施例1および比較例1のビスケットの嚥下特性)
実施例1および比較例1のビスケットの、嚥下に関する特性を測定した。この測定においては、NEC社製デジタル多用途脳波計(NEC−EE2514)を用い、電極として脳波計用皿電極を用いた。測定対象の筋を舌骨上筋群とした。被験者は、8人の健康な成人(男性4名女性4名;平均年齢32.4±6.6歳)であった。ビスケットを咀嚼し終えてからビスケットを嚥下し終わるまでの嚥下回数、嚥下時間、舌骨上筋群の総筋活動量を測定した。
これらの結果を図6に示す。測定結果は、各被験者につき2回測定したときの平均値である。
この結果、実施例1のビスケットは、比較例1のビスケットと比較して、少ない嚥下回数および短い嚥下時間で摂食でき、嚥下に要する筋活動量が低いことがわかった。このことから、本発明のビスケットが、嚥下困難者用としてきわめて優れた特性を有することがわかった。
(実施例2:嚥下困難者用の棒状ビスケットの製造)
表2の重量割合の材料を用いて棒状のビスケットを得た。小麦でん粉、小麦粉、脱脂粉乳、砂糖を混合し、その後、ショートニング、鶏卵、食塩および香料を水に溶解したものをこれに加えて混合してビスケット生地を得た。このビスケット生地を、押出し成形機(椎野工業製)で、直径12mm、長さ125mmの棒状に成形し、185℃で20分間焼成し、残存水分量を1重量%にした。得られたビスケットは、直径15mm、長さ130mmの棒状を呈していた。
使用した各材料に含まれる総タンパク質含有量と、各材料の使用量とから、得られたビスケットの総タンパク質含有量を算出したところ、2.2重量%であった。
Figure 2005058215
(官能評価2:実施例2のビスケットの官能評価)
実施例2のビスケットのそのままでの食感を、官能評価1と同様にして同じ8つの評価項目について評価した。
この結果、実施例2のビスケットは、棒状の形状であるので、非常に噛み切り易く、噛みはじめの堅さが適度にあることがわかった。また実施例2のビスケットは、口溶けがよく、口腔内にあまり付着せず、極めて飲み込みやすく、嚥下しやすいことがわかった。さらに、実施例2のビスケットは、でん粉を含むが、適度なロースト感があり、従来の小麦粉を用いたビスケットと同程度においしかった。また、実施例2のビスケットは、食後に水を必要としなかった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明により、咀嚼困難者用または嚥下困難者用のビスケットが提供される。本発明のビスケットは、かみ初めは、歯ごたえがあるが、口内で唾液を急速に吸収して軟らかくなり、口溶けがよく、しかも、歯、歯茎、粘膜などに付着しにくく、咀嚼および嚥下が容易になるので、咀嚼困難者および嚥下困難者が喫食しても安全である。咀嚼困難者および嚥下困難者は本発明のビスケットを喫食することによって、咀嚼機能および嚥下機能の発達、低下予防および回復が達成される。また、本発明のビスケットが棒状である場合、口腔内のkポイントを刺激することが容易であるので、咀嚼反応および嚥下反応がさらに促進される。このような特性は、咀嚼困難者および嚥下困難者本人のみならず、これらの者を介護する者にとっても極めて有用である。それゆえ、本発明のビスケットは、咀嚼反応および嚥下反応促進に役立つ。
図1は、実施例1および比較例1における水浸潤性の測定結果を示すグラフである。 図2は、実施例1のビスケットと比較例1のビスケットとの官能評価の結果の比較を示す。 図3は、種々の水浸漬時間にて測定した、実施例1のビスケットおよび比較例1のビスケットの破断応力の測定結果を示すグラフである。 図4は、実施例1のビスケットおよび比較例1のビスケットの凝集性および付着性を示すグラフである。 図5は、実施例1のビスケットおよび比較例1のビスケットの咀嚼回数、咀嚼時間および咀嚼中の総咀嚼筋活動量を示すグラフである。 図6は、実施例1のビスケットおよび比較例1のビスケットの嚥下回数、嚥下時間および舌骨上筋群の総筋活動量を示すグラフである。

Claims (21)

  1. 咀嚼困難者用または嚥下困難者用のビスケットであって、該ビスケットは、水浸漬前の破断応力が3×10N/m以上であり、10秒間水浸漬後の破断応力が、水浸漬前の破断応力の1/3以下であり、そして該ビスケットは、ビスケット生地を焼成して得られるビスケットであり、該生地のタンパク質含有量が0.5重量%以上3.0重量%未満である、ビスケット。
  2. 前記生地が、でん粉系材料、小麦粉、糖類および油脂を主成分とする、請求項1に記載のビスケット。
  3. 前記生地における、でん粉系材料/小麦粉の重量比が、1/1〜5/1である、請求項2に記載のビスケット。
  4. 前記生地が、小麦でん粉を含む、請求項2に記載のビスケット。
  5. 前記生地が、ロースト小麦粉、ローストライ麦粉、ロースト玄米粉、ローストソバ粉、ローストコーンフラワー、ローストあわ粉、ローストきび粉、ローストはと麦粉またはローストひえ粉を含む、請求項2に記載のビスケット。
  6. 前記生地が、乳糖を含む、請求項2に記載のビスケット。
  7. 前記生地が、10重量%以上24重量%以下の油脂を含む、請求項1に記載のビスケット。
  8. 棒状または板状である、請求項1に記載のビスケット。
  9. 直径2mm〜30mm、長さ5cm〜25cmの棒状である、請求項1に記載のビスケット。
  10. 嚥下困難者用である、請求項1に記載のビスケット。
  11. 請求項1に記載のビスケットを製造する方法であって、
    でん粉系材料、小麦粉、油脂、糖類および他の材料を少なくとも5分間撹拌してビスケット生地を得る工程、
    該ビスケット生地を成型する工程、ならびに
    該成型されたビスケット生地を焼成してビスケットを得る工程
    を包含する、方法。
  12. 前記成型が、ロータリーモールダーまたは押出し成形機によって行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ビスケット生地を成型する工程において、該ビスケット生地が棒状または板状に成型される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記ビスケット生地を成型する工程において、焼成後のビスケットが直径2mm〜30mm、長さ5cm〜25cmの棒状となるように該ビスケット生地が成型される、請求項11に記載の方法。
  15. 前記生地が、でん粉系材料、小麦粉、糖類および油脂を主成分とする、請求項11に記載の方法。
  16. 前記生地における、でん粉系材料/小麦粉の重量比が、1/1〜5/1である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記生地が、小麦でん粉を含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記生地が、ロースト小麦粉、ローストライ麦粉、ロースト玄米粉、ローストソバ粉、ローストコーンフラワー、ローストあわ粉、ローストきび粉、ローストはと麦粉またはローストひえ粉を含む、請求項15に記載の方法。
  19. 前記生地が、乳糖を含む、請求項15に記載の方法。
  20. 前記生地が、10重量%以上24重量%以下の油脂を含む、請求項15に記載の方法。
  21. 前記ビスケットが、嚥下困難者用である、請求項11に記載の方法。
JP2004102049A 2003-07-31 2004-03-31 浸潤性の良好なビスケットの製造方法 Expired - Lifetime JP4426359B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004102049A JP4426359B2 (ja) 2003-07-31 2004-03-31 浸潤性の良好なビスケットの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003283644 2003-07-31
JP2004102049A JP4426359B2 (ja) 2003-07-31 2004-03-31 浸潤性の良好なビスケットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005058215A true JP2005058215A (ja) 2005-03-10
JP4426359B2 JP4426359B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=34380229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004102049A Expired - Lifetime JP4426359B2 (ja) 2003-07-31 2004-03-31 浸潤性の良好なビスケットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4426359B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161998A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Andersen Institute Of Bread & Life Co Ltd 咀嚼・嚥下容易な食品
JP2012139442A (ja) * 2011-01-04 2012-07-26 Meiji Co Ltd 食感の生理学的評価装置
WO2013031636A1 (ja) * 2011-09-01 2013-03-07 株式会社明治 咀嚼強化食品
JP2014062897A (ja) * 2012-08-27 2014-04-10 Sanei Gen Ffi Inc 飲食品のねっとり感の評価方法
JP2014117237A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Nisshin Flour Milling Inc パン類または焼き菓子類の製造方法
JP2017158534A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 焼津水産化学工業株式会社 チップ状食品の製造方法及びチップ状食品

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022029483A1 (en) * 2020-08-02 2022-02-10 Divya Mohan Plant based edible biscuit shaped like straws and their process of preparation

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161998A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Andersen Institute Of Bread & Life Co Ltd 咀嚼・嚥下容易な食品
JP2012139442A (ja) * 2011-01-04 2012-07-26 Meiji Co Ltd 食感の生理学的評価装置
WO2013031636A1 (ja) * 2011-09-01 2013-03-07 株式会社明治 咀嚼強化食品
JPWO2013031636A1 (ja) * 2011-09-01 2015-03-23 株式会社明治 咀嚼強化食品
JP2014062897A (ja) * 2012-08-27 2014-04-10 Sanei Gen Ffi Inc 飲食品のねっとり感の評価方法
JP2014117237A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Nisshin Flour Milling Inc パン類または焼き菓子類の製造方法
JP2017158534A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 焼津水産化学工業株式会社 チップ状食品の製造方法及びチップ状食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4426359B2 (ja) 2010-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4201281B2 (ja) 焼菓子
US20100303997A1 (en) Process and method for creating no-starch or low-starch, high-fiber dough and food compositions using controlled hydration of mucilagenous hydrocolloids
JPS59213361A (ja) 食用繊維高含有スナツク食品及びその製造法
JP4426349B2 (ja) シリアル食品様のビスケット
US20080138484A1 (en) Starchy Food Material or Starchy Food
JP3761164B2 (ja) 焼菓子
US20190082724A1 (en) Pea fiber product
JP4426359B2 (ja) 浸潤性の良好なビスケットの製造方法
KR101263588B1 (ko) 흰강낭콩앙금과 고구마앙금을 이용한 영양빵과 그 제조방법
EP0028374B1 (de) Diätmittel, das zur Verringerung des Körpergewichts und Senkung des Serumlipidspiegels geeignet ist, und Verfahren zu seiner Herstellung
WO2015060168A1 (ja) 食品組成物
US20210161156A1 (en) Method for producing baked confectionery
JP4297885B2 (ja) プレッツェルの塩味付与方法
KR101914203B1 (ko) 부드럽고 탄력있는 젤리의 제조방법 및 이에 의해 제조된 젤리
JP6427318B2 (ja) 臼磨運動促進焼き菓子
JP5955692B2 (ja) 軟質化餅の製造方法
JP2009118861A (ja) 表面層に食塩が均一に付与されたプレッツェル
JP2008029208A (ja) 蛋白質強化パン・ケーキ類食品
JP2010063374A (ja) ペットフードおよびペットフードの製造方法
CN110338203B (zh) 一种健康型夏威夷果曲奇饼干及其制备方法
JP2014008028A (ja) 咀嚼嚥下が容易な食品
JP3046799B2 (ja) 焼菓子、パン、および焼菓子の製法、並びにパン生地用組成物
KR101861492B1 (ko) 영양가가 높은 문빵 및 그 제조방법
JP2004041016A (ja) ソフトキャンディ及びその製造方法
US7892588B1 (en) Low-fat-low-sugar soft dough biscuit and a process for preparation thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090527

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090716

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4426359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141218

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250