JP2017158534A - チップ状食品の製造方法及びチップ状食品 - Google Patents

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千広 戸石
友哉 上野
Tomoya Ueno
友哉 上野
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Abstract

【課題】大きさや硬さが程よいチップ状食品を生産性よく製造する方法を提供する。【解決手段】糖類を固形分中に60〜100質量%含有する糖液を、30,000Pa以下の真空度の減圧乾燥室内に供給し、前記糖液がガラス転移した状態となるように乾燥し、得られた乾燥物を解砕する。前記減圧乾燥室内における乾燥は、乾燥初期の乾燥温度を60〜150℃とし、次第に温度を低下して、乾燥終期の乾燥温度を20〜60℃とすることが好ましい。また、前記糖類は、融点60〜150℃の糖類又はその混合物からなることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、食品のトッピング材料などに適したチップ状食品の製造方法及びそのチップ状食品に関する。
従来、チョコチップやクッキークランチなどが菓子等の食品の装飾や食感のアクセントのために使用されているが、その食感は比較的柔らかく、消費者の嗜好の多様化に伴って、適度に硬い食感のものも要望されている。
硬い食感というとハードキャンディなどが挙げられるが、例えば下記特許文献1には、糖液に水分含量の高い副原料を添加混合する際に、予め煮詰めた糖液と副原料を送給して両者を混合し、続いて該混合物を減圧濃縮して水分を蒸発させる、ハードキャンディの製造方法が開示されている。そしてその方法によれば、副原料を高濃度に配合してもハードキャンディの残存水分を増やさないハードキャンディを製造することができ、果汁が本来持っている新鮮さや風味を損なうことなく、外観及び風味に優れたハードキャンディを製造できると記載されている。
一方、下記特許文献2には、動植物エキスを、ガラス転移温度向上物質の存在下にドラムドライヤーにより乾燥する、乾燥エキスの製造法が開示されている。そしてその方法によれば、ガラス転移温度を上昇させてガラス転移温度以下で乾燥することにより、スクレーパーでの剥離性が良好で、熱劣化が防止されて、風味の良好な乾燥エキスが得られると記載されている。
特開平7−289168号公報 特開2001−149036号公報
しかしながら、上記特許文献1のように煮詰めた糖液を減圧濃縮しただけでは、内部の組織が密に硬くなり、それを解砕しても不揃いな粒度のものしか得られずにその調整が難しく、結局歩留が悪くなって効率的に生産することができなかった。
また、上記特許文献2のドラムドライヤーによる乾燥では、糖類を所定量含む糖液の場合、乾燥後にラバー状にドラムに貼りついて、キャンディのような硬い食感の食品を得ることができなかった。
本発明の目的は、大きさや硬さが程よいチップ状食品を生産性よく製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するにあたって、本発明のチップ状食品の製造方法は、糖類を固形分中に60〜100質量%含有する糖液を、30,000Pa以下の真空度の減圧乾燥室内に供給し、前記糖液がガラス転移した状態となるように乾燥し、得られた乾燥物を解砕することを特徴とする。
本発明のチップ状食品の製造方法によれば、所定濃度の糖類を含有する糖液を減圧乾燥により、その糖液がガラス化した状態となるように乾燥して、これを解砕することにより、大きさや硬さが程よいチップ状食品を生産性よく製造することができる。
本発明のチップ状食品の製造方法においては、前記減圧乾燥室内における乾燥の際、乾燥初期の乾燥温度を60〜150℃とし、次第に温度を低下して、乾燥終期の乾燥温度を20〜60℃とすることが好ましい。
また、前記糖類は、融点60〜150℃の糖類又はその混合物からなることが好ましい。
また、前記減圧乾燥室内に搬送手段が設けられ、この搬送手段の移動先に前記乾燥物を回収する回収手段が設けられており、前記搬送手段上に前記糖液を供給し、前記回収手段によって前記乾燥物を回収することが好ましい。
また、前記搬送手段が搬送ベルトからなることが好ましい。
また、前記回収手段が前記乾燥物を粉砕して取出す手段からなることが好ましい。
また、前記チップ状食品として、次の条件で測定した最大応力が800〜1800kN/mであるものを得ることが好ましい。温度:20±2℃、テーブル速度:5 mm /sec、治具直径:12.7 mm、治具面積:126.7 mm2、サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填、ロードセル:20kgf、モード:破断(95%深さまで)、N数=10で、最大応力を測定し、その平均を求める。
また、前記チップ状食品として、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmであるものを得ることが好ましい。
一方、本発明のチップ状食品は、固形分中、糖類を60質量%以上含有し、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmであり、次の条件で測定した最大応力が800〜1800kN/mであることを特徴とする。温度:20±2℃、テーブル速度:5 mm /sec、治具直径:12.7 mm、治具面積:126.7 mm2、サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填、ロードセル:20kgf、モード:破断(95%深さまで)、N数=10で、最大応力を測定し、その平均を求める。
本発明によれば、大きさや硬さが程よいチップ状食品を生産性よく製造する方法を提供することができる。
乾燥手段として使用可能なベルト式減圧乾燥装置の該略構成図である。 上記装置に備わる分散ノズルから糖液が吐出供給される様子を上方から見た状態を示す該略説明図である。
本発明のチップ状食品の製造方法においては、糖類を主成分として含有する糖液を、その糖液がガラス転移した状態となるように乾燥し、得られた乾燥物を解砕することにより、チップ状食品を得る。
糖類の種類としては、例えば、ぶどう糖、果糖、乳糖などの1糖類、砂糖、麦芽糖、トレハロース、パラチノースなどの2糖類、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、糖長3〜5merのキチンオリゴ糖もしくはキトサンオリゴ糖、あるいはその還元オリゴ糖などが挙げられる。特に、融点60〜150℃の糖類又はその混合物からなるものであれば、それを含有する糖液をガラス転移した状態となるように乾燥させ易い傾向となるので、より好ましい。糖類は1種類でもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
糖類は、糖液の固形分中に60〜100質量%含有することが好ましい(複数種類の糖類を用いる場合はその合計量としての含有量)。糖類の含有量が少なすぎると、糖液をガラス転移した状態となるように乾燥させにくい傾向となるので、好ましくない。糖液には、上記糖類以外の成分を含んでいてもよい。例えば、調味料原料、風味原料、呈味原料、水産エキス、植物油脂、動物油脂、果汁原料、野菜汁原料、果物ペースト原料、野菜ペースト原料、抹茶等の茶原料、し好飲料、調理加工食品、香辛料類、穀類、いも類、でん粉類、豆類、種実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、機能性素材、菓子類、食塩、香料、乳化剤、賦形剤、増粘剤、pH調整剤などが挙げられる。
糖液を乾燥する手段としては、糖液を減圧下に乾燥できる手段であればよく、従来公知の食品用の減圧乾燥装置等を用いることができ、特に制限はない。例えば、所定真空度に調整できる減圧乾燥室を備え、その内部に搬送手段が設けられ、その搬送手段の移動先に得られた乾燥物を回収する回収手段を有し、連続的な乾燥処理が可能な連続式減圧乾燥装置は、ランニングコストが安く、作業性がよいので、好適に用いられる。減圧条件としては、30,000Pa以下の真空度であることが好ましく、2,000Pa以下の真空度であることがより好ましい。
得られた乾燥物は、従来公知の粉砕手段により適宜解砕して、チップ状とすることができる。そして、チップ状食品として、下記条件で測定した最大応力が800〜1800kN/mであることが好ましく、1,000〜1,600kN/mであることがより好ましい。このような最大応力の範囲のテクスチャーであると、食感として程よい硬さのチップ状食品となる。
(測定条件)
・温度:20±2℃
・テーブル速度:5 mm /sec
・治具直径:12.7 mm
・治具面積:126.7 mm2
・サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填
・ロードセル:20kgf
・モード:破断(95%深さまで)
・N数=10で、最大応力を測定し、その平均を求める
なお、上記のようなテクスチャー測定は、当業者に周知のテクスチャー測定手段を使用して行うことができる。テクスチャー測定手段としては、例えば、テクスチャー測定器(「クリープメータRE33005」、株式会社山電製)、テクスチャーアナライザ(株式会社島津)、テクスチャーアナライザTA.XT Plus(英弘精機株式会社)などが挙げられるが、これらに限られない。
また、チップ状食品として、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmであることが好ましく、0.5〜0.7g/cmであることがより好ましい。このような密充填嵩比重の範囲のテクスチャーであると、食感として程よい硬さのチップ状食品となる。なお、密充填嵩比重は、100ml容ステンレス容器を廻しながらタップ(タッピング)しつつ、その上方から試料を自然落下させ、ステンレス容器からあふれたところで止め、容器上面をスパーテルですりきり、その重量を測定する、などによって求めることができる。また、別の方法では、100ml容のメスシリンダーに50gをとり、廻しながらタップし、その時の容量を読み取る、などによって求めることができる。
次に、上記糖液がガラス転移した状態となるように乾燥する方法について、一例を挙げて、更に詳細に説明する。なお、一般に、糖液のガラス化は、X線回折による構造解析の手法や、ラマン分光法による構造解析の手法などにより確認することができる。本発明の効果を享受するには、糖液は、その乾燥物がガラス化してカリカリとした硬い食感を呈するように乾燥されさえすればよく、すべての組織がガラス化している必要はない。
図1は、乾燥手段として使用可能なベルト式減圧乾燥装置の該略構成図である。また、図2は、装置に備わる分散ノズルから糖液が吐出供給される様子を上方から見た状態を示す該略説明図である。
このベルト式減圧乾燥装置1では、糖液を貯留する貯留タンク3と減圧乾燥室2とが配管4を介して接続している。配管4の先端には分散ノズル5が配置されている。分散ノズル5は、減圧乾燥室2内のベルト6の始端部の上方に位置してベルト6の幅方向に伸びており、所定間隔で配列された複数のノズル吐出口を有している。そして、図1中では右方向に移動するベルト6の上面に対して複数のノズル吐出口から糖液を吐出して、平行な複数の線状にして供給できるようになっている(図2)。
分散ノズル5に設けられる各ノズル吐出口の形状としては、例えば円形、スリット状、多角形、曲線スリット等が挙げられ、メンテナンス性に優れ、安定した吐出形状が得られるという理由からは、円形ノズル吐出口やスリット状ノズル吐出口が好ましい。
円形ノズル吐出口としては、口径12mm以下のものが好ましく、0.5〜4mmがより好ましい。また、スリット状ノズル吐出口のスリット幅としては5mm以下が好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。口径が12mm以下の円形ノズル吐出口であれば、糖液を細い線状にして吐出でき、スリット幅が5mm以下のスリット状ノズル吐出口であれば、糖液を薄いシート状にして吐出できるので、体積当りの表面積を大きくして乾燥効率を高めることができる。
糖液の吐出形状としては、特に限定されず、図2のような直線の他、例えばノズルを可動式にすることにより曲線、折れ線形状に吐出することが可能である。複数のノズル吐出口を有する分散ノズル5の場合、そのピッチ幅pとしては、1〜100mmとなるように吐出供給することが好ましく、1〜60mmとなるように吐出供給することがより好ましい。ピッチ幅pが1mm未満であると、ベルト6の上面に吐出供給した糖液がくっつき合ってしまい、形状がくずれて、乾燥効率にムラが出てしまうおそれがあり、100mmを超えると、糖液の吐出供給量が少なくなり、結果として乾燥効率が低下する傾向となるので、いずれも好ましくない。
ベルト6の下面側には、温度制御機8に連結した熱交換プレート7が複数枚配置されており、ベルト6の上面に載置されて図1中では右方向に移動する被乾燥物たる糖液には、順次に設定された温度が導伝されるよう調整できるようになっている。
例えば、本発明の好ましい態様においては、熱交換プレート7aの設定により、乾燥初期の領域6aでの乾燥温度を60〜150℃とし、熱交換プレート7bの設定により、次第に温度を低下して、熱交換プレート7cの設定により、乾燥終期の領域6cでの乾燥温度を20〜60℃とする。更により好ましい態様においては、熱交換プレート7aの設定により、乾燥初期の領域6aでの乾燥温度を100〜150℃とし、熱交換プレート7bの設定により、乾燥中期の領域6bでの乾燥温度を80〜150℃とし、熱交換プレート7cの設定により、乾燥終期の領域6cでの乾燥温度を20〜40℃とする。このような態様で乾燥することにより、糖液をガラス転移した状態となるように乾燥させ易い傾向となるので、より好ましい。
また、ベルト6の終端部の前方に位置する減圧乾燥室2の天井部には、切断刃12を備えた切断装置13が配置されており、ベルト6から搬送された乾燥物を切断して、底辺部に配置されたホッパー9を介して粉砕機10に供給できるようになっている。
なお、上記に説明したような、分散ノズルを介して糖液をベルト上に吐出供給する機構の減圧乾燥装置の場合、その装置に供する糖液は、温度の調整や、賦形剤や増粘剤の添加などにより、粘度を50〜100,000cpsに調整することが好ましく、1,000〜10,000cpsに調整することがより好ましい。粘度が50cps未満であると、糖液をベルト上に吐出供給した際、吐出液が吐出形状を維持することが出来ずに減圧乾燥室に拡散しがちで、乾燥効率の低下、乾燥ムラ、収率低下の原因となり、100,000cpsを超えるとノズルからの吐出が困難となる傾向となるので、いずれも好ましくない。
糖液は、凍結させることなく、減圧乾燥室の圧力における沸点以下の温度で調整されることが好ましい。賦形剤としては、例えば、デキストリン、澱粉、食物繊維、その他の多糖類及びこれらの分解物(上記糖類以外)、塩類、乳タンパク、植物性タンパク、その他のタンパク及びこれらの分解物等が挙げられる。また、増粘剤としては、例えば、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、その他の増粘多糖類(上記糖類以外)等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水30gに、砂糖83g、乳糖を主原料とする食品7g、植物油脂7g、食塩2g、乳化剤1gを溶解させて糖液を調製し、上記図1,2をもって説明した装置の基本構成を備え、温度設定領域として第1〜第4ゾーンを備えた連続真空ベルト乾燥装置(株式会社日阪製作所製)を使用して、下記表1に示す条件で乾燥処理を施した。具体的には、およそ1.7×103Paの真空度の減圧乾燥室内の搬送ベルト上に、被乾燥物たる糖液を、直径3mmの円径ノズルから給液量40g/minで給液し、その糖液を載せた搬送ベルトが第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーン、第4ゾーンとベルト速度0.18m/minで移動するにともなって、それぞれのゾーンにて140℃、140℃、50℃、20℃での温度処理が施されるようにして、糖液を乾燥した。得られた乾燥物をミルで粉砕して実施例1のチップ状食品を得た。
(実施例2)
給液量50g/minで給液した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のチップ状食品を得た。
(実施例3)
給液量60g/minで給液した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のチップ状食品を得た。
(実施例4)
水30gに、砂糖135g、抹茶5g、植物油脂7g、乳化剤1gを溶解させて糖液を調製し、実施例1と同様に連続真空ベルト乾燥装置(株式会社日阪製作所製)を使用して、下記表2に示す条件で乾燥処理を施した。具体的には、およそ1.7×103Paの真空度の減圧乾燥室内の搬送ベルト上に、被乾燥物たる上記糖液を、直径3mmの円径ノズルから給液量60g/minで給液し、その糖液を載せた搬送ベルトが第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーン、第4ゾーンとベルト速度0.18m/minで移動するにともなって、それぞれのゾーンにて120℃、120℃、50℃、20℃での温度処理が施されるようにして、糖液を乾燥した。得られた乾燥物をミルで粉砕して実施例4のチップ状食品を得た。
(比較例1)
糖液として、オリゴ糖液糖(商品名「ハローデックス」、株式会社林原製、固形分:72%、主成分:マルトシルトレハロース)を用い、実施例1と同様に連続真空ベルト乾燥装置(株式会社日阪製作所製)を使用して、下記表3に示す条件で乾燥処理を施した。具体的には、およそ1.7×103Paの真空度の減圧乾燥室内の搬送ベルト上に、被乾燥物たる糖液として上記オリゴ糖液糖を、直径3mmの円径ノズルから給液量40g/minで給液し、そのオリゴ糖液糖を載せた搬送ベルトが第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーン、第4ゾーンとベルト速度0.5m/minで移動するにともなって、それぞれのゾーンにて115℃、105℃、80℃、20℃での温度処理が施されるようにして、糖液を乾燥した。得られた乾燥物をミルで粉砕して比較例1の乾燥状食品を得た。
(比較例2)
糖液として、水250gに濃縮イチゴ果汁250g、砂糖500g、デキストリン250gを溶解した溶解液を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例2の乾燥状食品を得た。
(比較例3)
糖液として、水160gに梅ペースト250g、デキストリン300gを溶解した溶解液を用い、実施例1と同様に連続真空ベルト乾燥装置(株式会社日阪製作所製)を使用して、下記表4に示す条件で乾燥処理を施した。具体的には、およそ1.7×103Paの真空度の減圧乾燥室内の搬送ベルト上に、被乾燥物たる糖液として上記溶解液を、直径3mmの円径ノズルから給液量40g/minで給液し、その溶解液を載せた搬送ベルトが第1ゾーン、第2ゾーン、第3ゾーン、第4ゾーンとベルト速度0.3m/minで移動するにともなって、それぞれのゾーンにて130℃、110℃、90℃、20℃での温度処理が施されるようにして、糖液を乾燥した。得られた乾燥物をミルで粉砕して比較例3の乾燥状食品を得た。
(比較例4)
比較例4として、市販のクッキークランチを用いた。
(比較例5)
比較例5として、市販のザラメを用いた。
(比較例6)
比較例6として、市販のキャンディをミルで粉砕してチップ状に加工した。
(比較例7)
比較例7として、濃縮イチゴ果汁250gにデキストリン50gを溶解し凍結乾燥により乾燥して、ミルで粉砕して、フレーク状食品を得た。
下記表5には、実施例1〜4、比較例1〜7の食品について、乾燥方法と乾燥物の性状についてまとめた。
表5に示すように、連続真空ベルト乾燥装置を使用して糖液を乾燥した、実施例1〜4のチップ状食品においては、糖液がガラス転移した状態となるように乾燥されており、キャンディの硬い食感を呈するとともに、ミルで粉砕したとき容易に解砕し、粒径の調整も容易な性状であった。
一方、比較例1〜3の乾燥状食品においては、連続真空ベルト乾燥装置を使用したものの糖液がガラス転移した状態となるように乾燥されておらず、特に、比較例1,2の乾燥状食品は、ミルで粉砕した際にすぐに粉末になってしまい、キャンディのような硬い食感が得られなかった。また、比較例3の乾燥状食品は、ミルで粉砕した際に不揃いに粉砕されてしまい、粒径の調整がしづらい性状であった。
また、市販のクッキークランチを用いた比較例4では、比較的軟らかい食感で、キャンディのような硬い食感が得られなかった。また、市販のザラメを用いた比較例5では、ミルで粉砕すると不揃いに粉砕されてしまい、粒径の調整がしづらい性状であった。また、市販のキャンディを粉砕してチップ状に加工した比較例6では、ミルで粉砕した際に不揃いに粉砕されてしまい、粒径の調整がしづらい性状であった。
また、真空乾燥により乾燥した比較例7の濃縮イチゴ果汁のフレーク状食品においては、糖液がガラス転移した状態となるように乾燥されておらず、キャンディのような硬い食感が得られなかった。
[試験例1]
実施例1〜4、比較例1〜7の食品について、粒度の調整のし易さについて確認した。具体的には、家庭用ジューサーミキサーを用いてフラッシュで解砕後、6メッシュをパスし16メッシュにオンする粒径範囲に入るものの回収率を確認した。評価基準は、粒度の調整前に対する質量換算での回収率が40%より下を「×」、40〜80%を「△」、80%以上を「○」とした。その結果を表6に示す。
その結果、実施例1〜4では、6メッシュをパスし16メッシュにオンする粒径範囲に入るものの回収率を80%以上とすることができ、粒度の調整が容易であった。これに対して、比較例1〜7ではそのように粒径を揃えることができなかった。
[試験例2]
実施例1〜4、比較例1〜7の食品について、ヨーグルトなどにトッピングするケースを想定し、水濡れ性について確認した。具体的には、水濡れ前および水濡れ2分後におよそ1粒ずつ奥歯(第一臼歯)で噛んだときの硬さについて、水濡れ前を基準として、硬さの残存率を相対評価した。評価基準は、パネラー5名の平均として残存率が40%より下を「×」、40〜80%を「△」、80%以上を「○」とした。その結果を表7に示す。
その結果、実施例1〜4では、硬さの残存率をおよそ85%以上に保つことができた。これは、チップ状食品の表面および内部の組織の全部又は大部分がガラス化して吸水しにくくなっているためと考えられた。これに対して、比較例1〜7ではそのように残存率を保つことができなかった。
[試験例3]
実施例1〜4、比較例1〜7の食品について、下記の評価基準で官能評価を行なった。具体的には、パネラー5名の多数意見において、およそ1粒ずつ奥歯(第一臼歯)で噛んだときの硬さについて、キャンディ粉砕品をポジティブコントロール、クッキークランチをネガティブコントロールとし、噛んだときの音や顎にかかる力から総合的に判断して硬さを感じられるものについて「○」と評価し、脆く、硬さが感じられないものを「×」と評価した。
また、テクスチャー測定器(「クリープメータRE33005」、株式会社山電製)を使用して、同一の条件で最大応力を測定した。具体的には、温度:20±2℃、テーブル速度:5 mm /sec、治具直径:12.7 mm、治具面積:126.7 mm2、サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填、ロードセル:20kgf、モード:破断(95%深さまで)の測定条件で、N数=10として、最大応力を測定し、その平均を求めた。
それらの結果を表8に示す。
その結果、実施例1〜4ではカリカリした適度に硬い食感が得られた。これに対して、比較例3、5、6ではガリガリとした硬い食感であり、比較例4、7ではサクサクとした脆い食感であり、比較例1、2では更により脆い食感であった。また、テクスチャー測定器の最大応力の測定値の順番が、官能評価の結果に相応した結果となった。
[試験例4]
実施例1〜4、比較例1〜7の食品について、同一の条件で嵩比重(緩密度、密密度)を測定した。具体的には、緩充填嵩比重を、10cm高さから自然落下させた試料が、100ml容ステンレス容器からあふれたところで止め、容器上面をスパーテルですりきり、その重量を測定することによって求めた。また、密充填嵩比重を、10cm高さから自然落下させた試料が、100ml容ステンレス容器を30回廻しながらタップしながら試料を受け、試料が容器からあふれたところで止め、容器上面をスパーテルですりきり、その重量を測定することによって求めた。なお、0.4〜0.8g/cmの範囲に入る場合は「〇」、入らない場合は「×」と評価した。その結果を表9に示す。
その結果、実施例1〜4では、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmの範囲となった。
1:ベルト式減圧乾燥装置
2:減圧乾燥室
3:貯留タンク
4:配管
5:分散ノズル
6:ベルト
6a、6b,6c:領域
7、7a、7b,7c:熱交換プレート
8:温度制御機
9:ホッパー
10:粉砕機
11:糖液
12:切断刃
13:切断装置

Claims (9)

  1. 糖類を固形分中に60〜100質量%含有する糖液を、30,000Pa以下の真空度の減圧乾燥室内に供給し、前記糖液がガラス転移した状態となるように乾燥し、得られた乾燥物を解砕することを特徴とするチップ状食品の製造方法。
  2. 前記減圧乾燥室内における乾燥の際、乾燥初期の乾燥温度を60〜150℃とし、次第に温度を低下して、乾燥終期の乾燥温度を20〜60℃とする、請求項1記載のチップ状食品の製造方法。
  3. 前記糖類は、融点60〜150℃の糖類又はその混合物からなる、請求項1又は2記載のチップ状食品の製造方法。
  4. 前記減圧乾燥室内に搬送手段が設けられ、この搬送手段の移動先に前記乾燥物を回収する回収手段が設けられており、前記搬送手段上に前記糖液を供給し、前記回収手段によって前記乾燥物を回収する、請求項1〜3のいずれか1つに記載のチップ状食品の製造方法。
  5. 前記搬送手段が搬送ベルトからなる、請求項1〜4のいずれか1つに記載のチップ状食品の製造方法。
  6. 前記回収手段が前記乾燥物を粉砕して取出す手段からなる、請求項1〜5のいずれか1つに記載のチップ状食品の製造方法。
  7. 前記チップ状食品として、下記条件で測定した最大応力が800〜1800kN/mであるものを得る、請求項1〜6のいずれか1つに記載のチップ状食品の製造方法。
    (温度:20±2℃、テーブル速度:5 mm /sec、治具直径:12.7 mm、治具面積:126.7 mm2、サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填、ロードセル:20kgf、モード:破断(95%深さまで)、N数=10で、最大応力を測定し、その平均を求める。)
  8. 前記チップ状食品として、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmであるものを得る、請求項1〜7のいずれか1つに記載のチップ状食品の製造方法。
  9. 固形分中、糖類を60質量%以上含有し、密充填嵩比重が0.4〜0.8g/cmであり、下記条件で測定した最大応力が800〜1800kN/mであることを特徴とするチップ状食品。
    (温度:20±2℃、テーブル速度:5 mm /sec、治具直径:12.7 mm、治具面積:126.7 mm2、サンプルのセッティング:直径40 mm、高さ15 mmのステンレスシャーレにすりきり充填、ロードセル:20kgf、モード:破断(95%深さまで)、N数=10で、最大応力を測定し、その平均を求める。)
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